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事例020 腎臓病のケレンディア錠が査定【斬らレセプト シーズン4】

解説慢性腎臓病に対してフィネレノン(商品名:ケレンディア)錠を投与している患者に対してボリコナゾール錠を処方したところ、ケレンディア錠がD事由(告示・通知の算定要件に合致していないと認められるもの)にて査定となりました。従前は査定がなかった薬剤の組み合わせのために査定事由を調べてみました。ケレンディア錠の添付文書には算定要件に合致しないような記述はありませんでした。ボリコナゾール錠の添付文書にも特段の併用注意事項の記載はありませんでした。しかしながら、この調査の過程でケレンディア錠とボリコナゾール錠双方の添付文書が2024年6月に改訂されていたことに気付きました。この改訂版を参照すると双方の「投与禁忌欄」が改訂されており、対象薬剤として相互に追加されていました。したがって、ボリコナゾール錠投与期間と重複すると考えられる期間のケレンディア錠が併用禁忌を理由に査定となったものと推測できました。添付文書は、必要に応じて頻繁に改訂されることは承知していたものの、最新版があるかを確認しなかったことに起因する査定となりました。薬剤処方システムに禁忌追加となった薬剤を登録して同じ処方が繰り返されないようにして査定対策としました。なお、添付文書の最新版をネット検索する場合、更新されていないサイトもありますので注意が必要です。

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英語で「耳鳴り」、医療者or患者向けの2つの表現を解説【患者と医療者で!使い分け★英単語】第10回

医学用語紹介:耳鳴り tinnitus医療現場で「耳鳴り」について伝える際、医療者同士であればtinnitusと表現します。では、患者さんに対しては、どのような言葉を使うと通じやすいでしょうか? 講師紹介

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お酒をやめるとLDL-Cが上昇?~日本人6万人のデータ

 飲酒による健康への悪影響が広く報告されているが、飲酒を始めたときや禁酒したときにコレステロール値がどう変化するかはわかっていない。今回、聖路加国際病院の鈴木 隆宏氏らが日本人約6万人のコホート研究で評価した結果、飲酒者が禁酒するとLDLコレステロール(LDL-C)値が上昇し、HDL-コレステロール(HDL-C)値が低下することが明らかになった。逆に、非飲酒者が飲酒を開始したときはLDL-C値の低下とHDL-C値の上昇がみられた。これらの変化はどちらも飲酒量が多いほど顕著だったという。JAMA Network Open誌2025年3月12日号に掲載。 このコホート研究は、2012年10月~2022年10月に東京の予防医学センターで毎年健康診断を受けている人(脂質低下薬投与中の人は除外)を対象とした。連続した2回の健康診断の間に、飲酒を開始した人と非飲酒を継続した人、および禁酒した人と同量の飲酒を継続した人のLDL-C値とHDL-C値の変化を比較した。なお、飲酒量は純エタノール10gを1杯とした。 主な結果は以下のとおり。・5万7,691人(平均年齢:46.8歳、女性:53.0%)の32万8,676回の受診を分析した。・禁酒を評価するコホート(2万5,144人、平均年齢:48.9歳、女性:49.1%、4万9,898回の受診)において、事前の平均(SD)LDL-C値とHDL-C値はそれぞれ114.7(28.4)mg/dLと65.5(16.4)mg/dLであった。・禁酒によるLDL-C値の変化は、禁酒前の飲酒量が1.5杯/日未満では1.10mg/dL(95%信頼区間:0.76~1.45)、1.5~3.0杯/日では3.71mg/dL(同:2.71~4.71)、3.0杯/日以上では6.53mg/dL(同:5.14~7.91)であった。禁酒によるHDL-C値の変化は、1.5杯/日未満では-1.25mg/dL(同:-1.41~-1.09)、1.5~3.0杯/日では-3.35mg/dL(同:-4.41~-2.29)、3.0杯/日以上では-5.65mg/dL(同:-6.28~-5.01)であった。・飲酒の開始を評価するコホート(2万9,042人、10万7,880回の受診)では、LDL-C値が低下、HDL-C値が上昇し、禁酒とは逆の用量反応関係が認められた。 このコホート研究では、飲酒の開始は緩やかなコレステロール改善と関連していたが、禁酒は好ましくない変化と関連していた。著者らは「禁酒後は、個人・集団の両方のレベルで心血管疾患リスク管理を最適化するために脂質プロファイルの変化を注意深く監視する必要がある」としている。

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レブリキズマブ、日本人アトピー患者におけるリアルワールドでの有効性・安全性

 既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎患者に対する治療薬として、2024年5月に発売された抗ヒトIL-13モノクローナル抗体製剤レブリキズマブについて、日本の実臨床における良好な有効性と安全性が示された。日本医科大学千葉北総病院の萩野 哲平氏らによるDermatitis誌オンライン版2月20日号への報告より。 本研究は2施設の共同研究であり、中等症~重症のアトピー性皮膚炎患者126例が対象。患者はレブリキズマブに外用コルチコステロイド薬を併用する16週間の治療を受けた。治療期間中に、以下の各指標が評価された:Eczema Area and Severity Index(EASI)/Investigator's Global Assessment(IGA)/Peak Pruritus Numerical Rating Scale(PP-NRS)/睡眠障害NRS/Atopic Dermatitis Control Tool(ADCT)/Dermatology Life Quality Index(DLQI)/Patient Oriented Eczema Measure(POEM)/IgE抗体/Thymus and Activation-Regulated Chemokine(TARC)/乳酸脱水素酵素(LDH)/末梢血好酸球数(TEC) 主な結果は以下のとおり。・レブリキズマブは4週時点ですべての臨床指標を改善し、その効果は16週まで維持された。・16週時点のEASI-50、75、90、100、IGA 0/1の達成率はそれぞれ83.1%、57.1%、27.3%、11.7%、33.3%であった。・16週時点のPP-NRS、睡眠障害NRS、DLQIの≧4ポイントの改善、ADCT<7ポイント、POEM≦7ポイントの達成率は、それぞれ75.9%、68.8%、65.9%、76.9%、80.4%であった。・検査指標については、治療期間中にIgE、TARC、LDHは減少したが、TECは増加した。・新たな安全性上の懸念は認められなかった。

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胸腺がんにおけるアテゾリズマブ+化学療法の有効性と安全性(MARBLE):多施設共同単群第II相試験/Lancet Oncol

 胸腺がん(TC)は、年間0.15例/10万人とされる胸腺上皮性腫瘍の15%と、非常にまれな疾患である。進行TCの1次治療は、カルボプラチン+パクリタキセルなどのプラチナ併用化学療法である。しかし、奏効割合(ORR)は30%、無増悪生存期間(PFS)の中央値は約5.0~7.6ヵ月である。既治療の進行TCに対する免疫チェックポイント阻害薬(ICI)単剤の試験でもORRは0〜22.5%に留まる。一方、ICI+化学療法の有効性を検討した試験はない。そのような中、順天堂大学の宿谷 威仁氏らは未治療の進行TCに対するICI+化学療法の国内15施設によるオープンラベル単群第II相試験を行った。 ・対象:未治療の切除不能再発進行(III、IVA、IVB期)TC・介入:アテゾリズマブ(1,200mg)+カルボプラチン(AUC6)+パクリタキセル(200mg/m2)3週ごと4〜6サイクル→アテゾリズマブ(1,200mg)3週ごと忍容できない有害事象の発現または進行(PD)まで・評価項目[主要評価項目]独立中央判定(ICR)評価のORR[副次評価項目]試験担当医評価のORR、全生存期間(OS)、PFS、病勢コントロール率(DCR)、奏効期間(DOR)、安全性など 主な結果は以下のとおり・2022年6月14日〜2023年7月6日に48例が登録され、有効性および安全性の分析対象となった。・患者の年齢中央値は67.5歳で、全員アジア人であった。・追跡期間中央値15.3ヵ月でのORRは56%であった。・頻度の高いGrade3以上の有害事象は好中球減少症(56%)、白血球減少症(33%)、発熱性好中球減少症(23%)、斑状丘疹状発疹(13%)であった。治療関連死亡はなかった。 進行再発胸腺がんは予後不良であるにもかかわらず、希少性により、新たな薬物療法の開発と導入が遅れている。アテゾリズマブ+カルボプラチン+パクリタキセルは、未治療の進行または再発胸腺がんに対する実施可能な治療選択肢となる可能性がある。

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進行食道がんへのニボルマブ+イピリムマブ、ニボルマブ+化学療法の日本人長期追跡データ(CheckMate 648)/日本臨床腫瘍学会

 CheckMate 648試験は、未治療の根治切除不能・進行再発食道扁平上皮がんを対象に、シスプラチン+5-FUの化学療法を対照として、ニボルマブ+化学療法、ニボルマブ+イピリムマブの優越性を報告した試験である。この試験の結果をもって両レジメンは「食道診療ガイドライン 2022年版」においてエビデンスレベルAで推奨されている。第22回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2025)のPresidential Sessionでは、虎の門病院の上野 正紀氏が、本試験の日本人サブグループにおける45ヵ月の長期フォローアップデータを報告した。・試験デザイン:国際共同ランダム化第III相試験・対象:未治療の進行再発または転移食道扁平上皮がん(ESCC)、ECOG PS 0~1・試験群:1)ニボ+イピ群:ニボルマブ(3mg/kg)+イピリムマブ(1mg/kg)2)ニボ+ケモ群:ニボルマブ(240mg)+化学療法(シスプラチン+5-FU)ニボルマブおよびイピリムマブは最長2年間投与3)ケモ群:化学療法単独(シスプラチン+5-FU)[主要評価項目]PD-L1(TPS)≧1%の患者における全生存期間(OS)および無増悪生存期間(PFS)[副次評価項目]全体集団のOS・PFS、奏効率(ORR) 主な結果は以下のとおり。・ITT集団970例中日本人は394例で、ニボ+イピ群に131例、ニボ+ケモ群に126例、ケモ群に137例が割り当てられた。いずれの群でもTPS≧1の患者はほぼ半数だった。データカットオフ(2023年10月27日)時点における追跡期間中央値は45.1ヵ月だった。・日本人のTPS≧1集団におけるOS中央値は、ニボ+イピ群20.2ヵ月(95%信頼区間[CI]:14.6~26.6)、ニボ+ケモ群17.9ヵ月(95%CI:12.1~26.6)と、ケモ群9.0ヵ月(95%CI:7.5~11.1)に対し、いずれも統計学的有意に上回った(ニボ+イピ群のケモ群に対するハザード比[HR]:0.46、ニボ+ケモ群のHR:0.58)。TPS≧1集団における48ヵ月時点の全生存率はニボ+イピ群30%、ニボ+ケモ群18%、ケモ群9%だった。・日本人の全集団におけるOS中央値は、ニボ+イピ群17.6ヵ月(95%CI:12.7~22.8)、ニボ+ケモ群15.5ヵ月(95%CI:12.1~19.3)と、ケモ群の11ヵ月(95%CI:9.1~14.0)に対し、いずれも有意に上回った(ニボ+イピ群のケモ群に対するHR:0.67、ニボ+ケモ群のHR:0.81)。・治療開始から18週時点におけるORRが高いレスポンダー群とそれ以外の群に分けた解析では、レスポンダー群はフォローアップ期間を通じて長期に予後が改善する傾向が示された。この傾向はニボ+イピ群、ニボ+ケモ群に共通していた。・Grade3~4の治療関連有害事象はニボ+イピ群37%、ニボ+ケモ群49%、ケモ群36%で発生した。 上野氏は「日本人集団はPD-L1発現にかかわらず、ニボ+イピ群・ニボ+ケモ群共に、ITT集団と同様、一部はそれを上回る改善を示した。有害事象も既報のものと一致していた。この解析結果は進行再発ESCCの1次治療としてニボ+イピ、ニボ+ケモの両レジメンが日本人においても標準治療であることを裏付けるものだ」とまとめた。 現在のガイドラインにおいては、進行再発ESCCの1次治療にはニボルマブ+イピリムマブ、ニボルマブ+化学療法に加え、ペムブロリズマブ+化学療法の3レジメンが同等の推奨とされている。これらの使い分けについて上野氏は「ニボ+ケモは腫瘍縮小効果が出るまでが速い一方で、ニボ+イピは奏効すれば長期に予後を改善できる可能性がある。患者さんの年齢や全身状態によって『少し待てる』場合であればニボ+イピ、そうでない場合はニボ+ケモを選択するのが1つの考え方だ。またニボ+ケモは入院加療となる一方、ニボ+イピは外来対応が可能だ。そうした点も踏まえ、患者さんごとに判断している」とした。

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再発・難治性多発性骨髄腫に対するテクリスタマブを発売/J&J

 Johnson & Johnson(法人名:ヤンセンファーマ)は2025年3月19日、再発・難治性の多発性骨髄腫の治療薬として、B細胞成熟抗原(BCMA)およびCD3を標的とする二重特異性抗体テクリスタマブ(遺伝子組換え)(商品名:テクベイリ皮下注)を発売したことを発表した。本剤は、2024年12月27日に「再発又は難治性の多発性骨髄腫(標準的な治療が困難な場合に限る)」を効能又は効果として承認され、2025年3月19日に薬価収載された。 本剤は、投与前の希釈が不要な皮下注製剤で、再発/難治性多発性骨髄腫において日本で初めてかつ唯一の体重に応じた投与が可能なBCMAおよびCD3を標的とするT細胞リダイレクト二重特異性抗体である。<製品概要>製品名:テクベイリ皮下注30mg、153mg一般名:テクリスタマブ(遺伝子組換え)効能又は効果:再発又は難治性の多発性骨髄腫(標準的な治療が困難な場合に限る)用法及び用量:通常、成人にはテクリスタマブ(遺伝子組換え)として、漸増期は、1日目に0.06mg/kg、その後は2~4日の間隔で0.3mg/kg、1.5mg/kgの順に皮下投与する。その後の継続投与期は、1.5mg/kgを1週間間隔で皮下投与する。なお、継続投与期において、部分奏効以上の奏効が24週間以上持続している場合には、投与間隔を2週間間隔とすることができる。薬価:テクベイリ皮下注30mg 3mL 216,930円/瓶、153mg 1.7mL 1,081,023円/瓶製造販売承認日:2024年12月27日薬価基準収載日:2025年3月19日発売日:2025年3月19日製造販売元:ヤンセンファーマ株式会社

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緑茶の認知機能予防効果、アジアと欧州で違いあり

 世界中で広く消費されているお茶に関する複数の研究において、緑茶には認知機能低下に対する潜在的な保護効果があることが示唆されている。この効果は、緑茶に含まれるポリフェノールと神経保護特性に起因すると考えられている。Shiyao Zhou氏らは、緑茶の摂取と認知機能低下リスクとの関連に関する最近の観察研究をシステマティックにレビューし、メタ解析を行った。Neuroepidemiology誌オンライン版2025年2月13日号の報告。 2004年9月〜2024年9月に公表された観察研究を、PubMed、Embase、Web of Science、Cochrane Libraryよりシステマティックに検索した。緑茶の摂取と認知機能低下との関連について、オッズ比(OR)および95%信頼区間(CI)を算出した。さらに、サブグループ解析、異質性評価、出版バイアス評価、感度分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・18研究、5万8,929人の参加者をメタ解析に含めた。・ニューカッスル・オタワ尺度(NOS)で評価されたこれらの研究の質は、全体として高かった。・ランダム効果メタ解析では、緑茶の摂取と認知機能低下との間に逆相関が認められた(OR:0.63、95%CI:0.54〜0.73)。・緑茶の摂取と認知機能低下との関連は、50〜69歳で最も大きな効果が観察された。・サブグループ解析では、認知症に対する保護効果のORは0.75(95%CI:0.60〜0.92)、軽度認知障害(MCI)に対する保護効果のORは0.64(95%CI:0.43〜0.96)であることが示された。・アジア集団では、認知機能低下リスクの有意な減少が認められたが、欧州集団では、認められなかった。・女性(OR:0.51、95%CI:0.28〜0.95)、男性(OR:0.47、95%CI:0.28〜0.80)共に有意な関連が認められた。・緑茶の摂取量が多かった人では、認知機能低下リスクの低減が認められた(OR:0.63、95%CI:0.50〜0.82)。 著者らは「緑茶の摂取は、認知機能低下リスクの低減と関連しており、認知機能に対し潜在的なベネフィットをもたらすことが示唆された。ただし、用量反応関係や長期的な影響を明らかにするためにも、大規模な縦断的研究が求められる。今後の研究において、緑茶の長期的な影響、遺伝的因子に基づくパーソナライズされた緑茶の役割についても調査する必要がある」と結論付けている。

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2050年、世界の成人の半分が過体重と肥満に/Lancet

 1990~2021年にかけて世界のあらゆる地域と国で成人の過体重と肥満が増加しており、この傾向が続くと2050年までに世界の推定成人人口の半数超を過体重と肥満が占めると予測されることが、米国・ワシントン大学のSimon I. Hay氏ら世界疾病負担研究(Global Burden of Diseases, Injuries, and Risk Factors Study:GBD)2021 Adult BMI Collaboratorsの解析で示された。成人の過体重および肥満の増加率を抑制できた国は現在までのところない。著者は、「即時かつ効果的な介入が行われなければ、過体重と肥満は世界中で増加し続け、とくにアジアとアフリカでは人口増加により過体重と肥満が大幅に増加すると予測された。肥満は、現在および将来にわたって最も回避可能な健康リスクの1つであり、地域、国、および世界レベルで疾患の早期発症や死亡の脅威をもたらす。この危機に対処するには、より強力な対策が必要である」とまとめている。Lancet誌2025年3月8日号掲載の報告。1990~2021年の204の国と地域の成人のデータを解析し、2050年までの傾向を推定 研究グループは、GBD 2021の確立された方法論を用い、1990~2050年の204の国と地域における25歳以上の過体重と肥満の有病率を年齢別および性別別に推定した。 過去および現在の有病率の傾向は、調査データや報告書、公開された文献を含む1,350の独自のデータソースから抽出された自己申告および実測による身体測定データに基づいた。自己申告によるバイアスを補正するために、特定の調整を適用した。 1990~2021年の過体重と肥満の推定有病率は時空間ガウス過程回帰モデルを用いて、2022~50年の予測有病率は過去の傾向が継続すると仮定した一般化アンサンブルモデリング法を用いてデータを統合し、疫学的傾向における空間的および時間的な相関を活用することで、異なる時点および地域間での結果の比較可能性を最適化した。 予測推定値は、社会人口学的指数の予測値と、年平均変化率として表される時間的相関パターンを使用して将来の動向を推定するとともに、過去の傾向が継続することを前提とした参照シナリオを考慮して生成した。過体重と肥満は世界中で増加、とくにアジアとアフリカでは大幅に増加 1990~2021年に、過体重と肥満の割合は世界レベル、地域レベル、そしてすべての国で増加した。2021年には、推定10億人(95%不確実性区間[UI]:0.989~1.01)の成人男性と、11億1,100万人(11億~11億2,000万)の成人女性が過体重/肥満であった。 過体重/肥満の成人人口が最も多いのは中国(4億200万人[3億9,700万~4億700万])で、次いでインド(1億8,000万人[1億6,700万~1億9,400万])、米国(1億7,200万人[1億6,900万~1億7,400万])の順であった。年齢標準化過体重および肥満の有病率が最も高かったのは、オセアニア、北アフリカ、中東で、これらの国々の多くで成人の有病率が80%を超えていた。 1990年と比較すると、世界の肥満有病率は男性で155.1%(95%UI:149.8~160.3)、女性で104.9%(100.9~108.8)増加した。とくに、北アフリカおよび中東地域では、肥満の年齢補正後有病率が、男性で3倍以上、女性で2倍以上増加し、最も急激な上昇がみられた。 過去の傾向が続くと仮定すると、2050年までに過体重/肥満の成人の総数は38億人(95%UI:33億9,000万~40億4,000万)に達し、その時点での世界の成人推定人口の半数超を占めると予測された。中国、インド、米国は引き続き過体重/肥満の世界人口の大部分を占めるが、サハラ以南アフリカ地域では過体重/肥満が254.8%(95%UI:234.4~269.5)増加すると予測された。とくにナイジェリアでは、過体重/肥満の成人が2050年までに1億4,100万人(1億2,100万~1億6,200万)に増加し、過体重/肥満の人口が世界で4番目に多い国になると予測された。

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レナカパビル筋注、年1回でHIV予防の可能性/Lancet

 年1回筋肉内投与の2種類のレナカパビル製剤は血漿中濃度の中央値に関して、年2回皮下投与の第III相試験において有効性と関連した血漿中濃度を、少なくとも56週間にわたり上回った。2種類の製剤はどちらも安全で忍容性も良好であった。米国・Gilead SciencesのVamshi Jogiraju氏らが、年1回筋肉内投与の2種類のレナカパビル製剤の、第I相非盲検試験の結果を報告した。著者は、「今回示されたデータは、年1回の投与間隔で生物医学的にHIVの予防が可能であることを示唆するものである」と述べている。Lancet誌オンライン版2025年3月11日号掲載の報告。年1回の筋肉内投与を2種類の濃度で、年2回の皮下投与と比較検証 研究グループは、18~55歳のHIV非感染者を対象に、2種類のレナカパビル遊離酸製剤(製剤1:エタノール5%w/w、製剤2:エタノール10%w/w)を、腹側臀部筋肉内注射として単回5,000mg投与し、薬物動態、安全性および忍容性を評価した。 検体は、56週まで事前に指定された時点で採取した。レナカパビルの血漿濃度は、液体クロマトグラフィータンデム質量分析法で測定し、非コンパートメント解析で要約した。 評価した薬物動態パラメータは、年1回の投与間隔における1~365日目までの血中濃度-時間曲線下面積(AUCdays1-365)、最高血漿中濃度(Cmax)、最高血漿中濃度に達するまでの時間(Tmax)、およびトラフ濃度(Ctrough)であった。さらに、レナカパビル年2回皮下投与の第III相試験(PURPOSE 1およびPURPOSE 2)のデータと比較するため、血漿濃度データを統合した。 安全性および忍容性については、疼痛スコアなども含み評価された。年1回のレナカパビル筋肉内投与は有効、安全性と忍容性も良好 レナカパビル製剤1を20例に、製剤2を20例に投与した。試験薬とは無関係の理由による早期中止で、薬物動態パラメータの解析対象は時間の経過とともに変化し、試験参加者は少なくとも13例(製剤1)および19例(製剤2)となった。 レナカパビル筋肉内投与後、血漿中濃度は急速に上昇し、Tmax中央値は、製剤1で84.1日(四分位範囲[IQR]:56.1~112.0)、製剤2で69.9日(55.3~105.5)であった。年1回レナカパビル筋肉内投与のCmax中央値(製剤1:247.0ng/mL[IQR:184.0~346.0]、製剤2:336.0ng/mL[233.5~474.3])は、年2回レナカパビル皮下投与のCmax中央値(67.3ng/mL[46.8~91.4])を上回っていた。 52週終了時のCtrough中央値は、製剤1で57.0ng/mL(IQR:49.9~72.4)、製剤2で65.6ng/mL(41.8~87.1)であり、年2回レナカパビル皮下投与の26週終了時のCtrough中央値23.4ng/mL(15.7~34.3)を上回った。 AUCdays1-365の中央値は、製剤1で1,011.1 h*μg/mL(IQR:881.0~1,490.2)、製剤2で1,274.0 h*μg/mL(1,177.3~1,704.8)であった。 有害事象は、ほとんどがGrade1または2であった。最も多かった有害事象は注射部位の痛みであったが(製剤1:16例[80%]、製剤2:15例[75%])、一般的に軽度で1週間以内に消失し、アイスパックによる前処置によって大幅に軽減された。

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NVAFによる脳卒中リスクを低減、Amulet左心耳閉鎖システム発売/アボット

 非弁膜症性心房細動(NVAF)患者に行われる経皮的左心耳閉鎖術(LAAC)に有効なデバイス「Amulet(アミュレット)左心耳閉鎖システム」が2025年3月11日にアボットジャパンより発売された。 本システムは独自の2層構造によって、さまざまな形状・サイズの左心耳に対応できる特徴を持っていることから、既存製品では閉塞が困難とされていた左心耳に対しても、閉塞術を行うことが可能となる。また、左心耳の入口部を密閉することで術後のリークを防ぐことも可能となる。 既存デバイス(WATCHMAN)を対象とした海外のAmulet IDE試験結果によると、有意に高い左心耳閉鎖率が示され1)、術後3年時の抗凝固薬中止率も96.2%と有意に高い傾向が示された2)。 なお、日本循環器学会は2024年10月17日に「Amulet左心耳閉鎖システム使用指針」を公開しており、使用する際の概要や患者除外基準、心腔内エコー(ICE)を使用したAmulet左心耳閉鎖システムの使用に関してなどが記載されている。

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抗凝固薬―長期投与は減量でよい?(解説:後藤信哉氏)

 深部静脈血栓症の症例への予防的抗凝固薬の投与期間は確定されていない。さじ加減を重視する日本の臨床家として「長期投与するなら減量で!」と考える医師は多いと思う。一般に血栓症の再発リスクは時間とともに低減するから、減量して長期投与することは正しそうに思う。 それでもランダム化比較試験にて自分の直感を検証したいと考える欧米人が、本研究を施行した。欧米のDOACはアピキサバンとリバーロキサバンが標準なのでアピキサバン (2.5mg twice daily) と リバーロキサバン(10mg once daily)を比較した。静脈血栓症の発症から1~2年経過すれば血栓イベントリスクは十分に低下している。減量しても静脈血栓症の再発リスクは増えなかった(ハザード比[HR]:1.32、95%信頼区間[CI]:0.67~2.60)。重篤な出血リスクは減少した(HR:0.61、95%CI:0.48~0.79)。仮説検証試験として結論が出たわけではないが、医師の直感的判断を支持する試験結果であった。

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医師の自殺は多いのか?【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第278回

医師の自殺は多いのか?医師は過労によって自殺リスクが高いといわれていますが、デリケートな話題でもあり、あまりエビデンスが豊富ではありません。そんな中、アメリカから大規模なコホート研究が示されたので紹介したいと思います。Makhija H, et al. National Incidence of Physician Suicide and Associated Features. JAMA Psychiatry. 2025 Feb 26. [Epub ahead of print]この後ろ向きコホート研究では、2017年1月~2021年12月までの米国の25歳以上の医師および非医師の自殺を調査しました。男性医師、女性医師のそれぞれの自殺の国内発生率を推定し、関連要因を分析し、調査結果を一般人口と比較しました。アメリカ30州+ワシントンD.C.のNational Violent Death Reporting System(NVDRS)というデータベースが使用されました。年齢または性別が不明な死者は発生率から除外され、人種や婚姻状況が不明な死者も詳細な分析から除外されました。これらの因子で調整された自殺の発生率比(IRR)と調整オッズ比(aOR)を使用して、医師と非医師の死亡率を比較しました。合計448人の医師(男性354人[79%]、女性94人[21%]、平均年齢60±16歳)と9万7,467人の一般住民(男性7万6,697人[79%]、女性2万770人[21%]、平均年齢51±17歳)の自殺が確認されました。女性医師の自殺率は、2017年(IRR:1.88、95%信頼区間[CI]:1.19~2.83)および2019年(IRR:1.75、95%CI:1.09~2.65)において女性の非医師よりも高く、2017~21年の自殺リスクは全体的に高いという結果でした(IRR:1.53、95%CI:1.23~1.87)。男性医師の2017~21年の自殺リスクは、男性の非医師よりも低いという結果でした(IRR:0.84、95%CI:0.75~0.93)。一般人口と比べて、医師は、自殺に先立つ抑うつ気分(aOR:1.35、95%CI:1.14~1.61、p<0.001)のオッズが高かったほか、メンタルヘルスの問題(aOR:1.66、95%CI:1.39~1.97、p<0.001)、職業に関連した問題(aOR:2.66、95%CI:2.11~3.35、p<0.001)、法的問題(aOR:1.40、95%CI:1.06~1.84、p=0.02)を抱えるリスクも高かったです。また、毒物(aOR:1.85、95%CI:1.50~2.30、p<0.001)や鋭利器具(aOR:4.58、95%CI:3.47~6.06、p<0.001)を自殺手段として用いやすいことも示されました。以上の結果から、アメリカの女性医師の自殺率が非医師よりも高いことがわかりました。この論文の著者は、女性医師は男性医師と比べると、業績に対して過小評価を受けやすいこと、昇進しにくいこと、セクハラなどのリスクが影響しているのでは…と考察しています。

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第254回 肥満症治療薬の販売が絶好調!おかげで販売元は豊満に?

海外企業の多くは12月末が決算である。このため5月以降に佳境を迎える日本と違い、すでに主要企業の決算はほぼ出そろっている。医療に関係する企業で言うならば、やはり一番大きいのが製薬業界である。2023年実績で世界ランキング20位までの製薬企業のうち、日本企業ゆえにまだ決算が発表されていない武田薬品、大塚ホールディングスと非上場のためまだ発表されていない独・ベーリンガー・インゲルハイム以外の17社はすでに決算を発表済みだ。これら各社の決算結果では当然、各社の主要製品の売上高も公表されている。この各社発表の医療用医薬品の売上高をランキング化すると、改めて近年の傾向が見えてくる。そのトップ10を見ていきたい。なお、売上高はドル換算だが、各薬剤を円換算に表示すると、やや読みづらいと思うので、100億ドル=約1兆5,000億円を軸に各読者が概算で捉えていただければと思う。売上高トップ5、2024年で変わったことまず、2024年の売上高トップの医薬品は抗PD-1モノクローナル抗体のペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)の294億8,200万ドルである。近年、免疫チェックポイント阻害薬ががん治療の主流を占める中で、2023年からこの薬が世界売上高トップにつけている。第2位が抗凝固薬のアピキサバン(同:エリキュース)の206億9,900万ドル(併売するブリストル・マイヤーズスクイブとファイザーの合算)。以下順に第3位がGLP-1受容体作動薬のセマグルチドの注射薬(同:オゼンピック)の176億4,200万ドル、第4位が抗IL-4/13受容体モノクローナル抗体のデュピルマブ(同:デュピクセント)の139億4,700万ドル、第5位が抗HIV薬のビクテグラビルナトリウム・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミドフマル酸塩の配合剤(同:ビクタルビ)の134億2,300万ドル。このトップ5は2023年とほぼ順位は同じなのだが1点だけ異なる点がある。2023年は第3位に抗TNFαモノクローナル抗体のアダリムマブ(同:ヒュミラ)がランクインしていた。同薬は免疫疾患に広く使われ、ペムブロリズマブが同年にトップになるまで、医療用医薬品売上高の王座だった。で、2024年にはどうなったのかというと、売上高89億9,300万ドルでトップ10圏外の第11位までランクダウンした。それもこれも2023年に特許が失効し、バイオ医薬品版ジェネリックのバイオシミラーが登場し始めたからである。ちなみに特許失効前の2022年の売上高は212億3,700万ドル。実に過去2年間で57.7%の減収である。製薬業界ではこの特許失効時期を境に該当製品の売上が急減することを「パテントクリフ」、日本語で直訳すると「特許の崖」と評するが、まさにその状況である。もっともこれでもアダリムマブはまだましなほうである。というのも、低分子の経口薬ならば、特許失効後半年程度で売上高の6割がジェネリック医薬品に置き換わるからである。ご存じのように低分子の経口薬と違い、培養が必要なバイオ医薬品では完全に同一条件で製造ができないため、バイオシミラーは先発のバイオ医薬品の同一成分ではなく同等・同質の成分。この結果、経口薬のジェネリック医薬品に比較的寛容な欧米の医師でも処方には慎重になりがちだ。6~10位にもある変化がさて第6位以降はどうだろう。第6位が抗IL-23p19モノクローナル抗体のリサンキズマブ(同:スキリージ)の117億1,800万ドル、第7位が抗CD38モノクローナル抗体のダラツムマブ(同:ダラザレックス)の116億7,000万ドル、第8位が持続性GIP/GLP-1受容体作動薬のチルゼパチド(同:マンジャロ)の115億4,000万ドル、第9位が抗IL-12/23p40モノクローナル抗体のウステキヌマブ(同:ステラーラ)の103億6,100万ドル、第10位が抗PD-1モノクローナル抗体のニボルマブ(同:オプジーボ)の93億400万ドル(ブリストル・マイヤーズスクイブ分のみの売上高)だった。第6~10位を2023年と比べると、トップ5と同じくある医薬品がトップ10外にランクダウンしている。それは一般人にとってはもはや喉元過ぎた熱さと言えるかもしれない、ファイザーの新型コロナウイルス感染症ワクチンのコミナティである。2023年には112億2,000万ドルの売上高だったが、2024年は53億5,300万ドルで52.3%の減収となった。もっとも新型コロナに限らず、感染症ワクチンはある種季節もの的な側面はあるため、取り立てて驚くような話でもない。一方、アダリムマブとコミナティのランクダウンに代わって2024年に新たにトップ10入りしたのが第6位のリサンキズマブと第8位のチルゼパチドである。前者はアダリムマブの製造販売元のアッヴィが戦略上、アダリムマブの後継品の1つに位置付けている医薬品である。現状、両薬で共通する適応症は乾癬と炎症性腸疾患だが、今後、新規患者では企業側自体がリサンキズマブに注力する可能性が高いため、アダリムマブの後退に代わって、より伸長していく可能性が高いだろう。そして第8位のチルゼパチドは前年比2.24倍という驚異的な売上伸長で初めてトップ10入りした。もともとは2型糖尿病治療薬として発売(同:マンジャロ)され、2025年4月11日に肥満症治療薬(同:ゼップバウンド)として発売が決定している。ちなみに第3位のセマグルチドも商品名としてのオゼンピックは2型糖尿病が適応だが、同一成分で肥満症を適応とするウゴービがある。ただ、以前の本連載でも触れたが、オゼンピック、マンジャロとも純粋に2型糖尿病治療薬として使われているとは言い難く、実際にはいわゆるダイエット目的の自由診療で相当程度使われ、今回の両製品の公式売上高もその分が相当含まれていると思われる。そして公式の肥満症治療薬としての2024年の製品売上高は、ウゴービが85億3,300万ドル、ゼップバウンドが49億2,600万ドルだった。それぞれ2023年比で1.86倍、24.6倍も売上高が伸長している。この調子だとウゴービ、ゼップバウンドともに2025年もかなりの売上伸長となりそうだ。ウゴービの場合は今回の集計では第12位で、2025年売上高はトップ10にGLP-1受容体作動薬関連が4製品もランクインする事態が現実味を帯びている。もちろんこれが適応症に沿って医学的に正しく使われているのならば何も問題はないが、そうではないことを否定できる人は誰もいないはずだ。もはや世界的に“なんだかなあ?”と言いたくなるような状況なのである。

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獨協医科大学 血液・腫瘍内科【大学医局紹介~がん診療編】

今井 陽一 氏(主任教授)遠矢 嵩 氏(准教授)中村 文美 氏(講師)吉原 さつき 氏(助教)講座の基本情報医局独自の取り組み・特徴獨協医科大学病院は圧倒的症例数と最新鋭の設備で北関東の医療をリードする特定機能病院です。血液・腫瘍内科は広範囲の医療圏から多くの血液疾患の患者さんにご来院いただき、白血病・悪性リンパ腫・多発性骨髄腫を中心とした造血器腫瘍から再生不良性貧血などの造血障害まで幅広く血液疾患の診断と治療にあたっています。患者さんお一人おひとりに寄り添いながら、キメラ抗原受容体T細胞療法(CAR-T細胞療法)などの最先端治療を積極的に導入するなど最適な血液診療の提供を心掛けています。とくに多発性骨髄腫はCAR-T細胞療法、二重特異性抗体療法を取り入れ最先端の治療を推進しています。臨床研究では、16施設の多施設共同前向き臨床研究を主導して、多発性骨髄腫の維持療法における遺伝子変異・免疫状態の変化を世界に先駆けて解明すべく取り組んでいます。基礎研究は、ゲノム・フローサイトメトリー解析、分子生物学、疾患モデルマウスを駆使して造血器腫瘍の病態解明を目指し、新規治療法の開発を目指しています。このように、私たちの教室は目の前の患者さんの癒しを第一に考えることを礎に、さまざまな形で血液診療の推進に貢献できる医療人の育成を目指しています。日光・那須の素晴らしい景観に囲まれた充実した環境で共に切磋琢磨する仲間をお待ちしております。力を入れている治療/研究テーマ当科では、急性白血病などの造血器腫瘍のほか、再生不良性貧血などの特発性造血障害も含めた幅広い血液疾患に対する診療を行っています。通常の化学療法に加えHLA半合致移植(ハプロ移植)を含む造血幹細胞移植も行い、2025年にはCAR-T細胞療法も開始し、豊富かつ多彩な臨床経験を積むことができます。また、近年は血液疾患診療を行うにも遺伝子変異の理解が必要です。当科では次世代シーケンスを用いた遺伝子変異解析も行っており、経験知と理論的理解の双方に基づいた診療を行っています。研究についても、基礎研究から臨床研究まで幅広く行っています。私個人としては造血器腫瘍の遺伝子変異と病態の関連性や、日和見ウイルス感染症にとくに注目して研究を行っています。学会参加に対する補助もあり、学会発表や論文執筆の機会も多いです。医学生/初期研修医へのメッセージ血液内科に多忙、激務といったイメージをお持ちの方もいるかもしれません。当院ではチーム診療を行っており休日は交代制で十分確保できますし、残業も少なく、無理なく持続可能な形で経験や実績を積むことができると思います。同医局でのがん診療/研究のやりがい、魅力北関東で高度な血液診療を提供できる施設は限られているため、遠方からも患者さんが来院されています。当院に対する期待と信頼を感じ、患者さんに希望を提供できるように、日々取り組んでいます。当科では症例報告や後方視的研究について学会発表をするだけではなく、多施設共同前向き研究の提案や参加をすることで、新たなエビデンスの確立にも貢献しています。基礎研究では、技術的なサポートが充実しているおかげで、診療と研究の両立が可能になっています。医局の雰囲気、魅力若手、ベテランを問わず、よりよい診療を提供するために、助け合っています。治療方針に悩む場合には、定時のカンファレンスだけでなく、随時、相談することが可能となっており、安心して診療ができます。週末・休日は当番制のため、プライベートとの両立が可能です。また、それぞれのキャリアプランに応じて、医局がサポートしてくれます。医学生/初期研修医へのメッセージ血液内科は新規薬剤や細胞療法の導入で、治療成績の向上を実感できるとてもやりがいのある科です。血液内科に興味のある先生方、一緒に頑張ってみませんか?これまでの経歴獨協医科大学病院で初期研修、国立病院機構栃木医療センターで内科専門医プログラムを修了し、2024年4月に獨協医科大学病院血液・腫瘍内科に入局しました。同医局を選んだ理由患者さんの診断から看取りまで伴走したいと思い、総合内科で学んでいましたが、より専門的な知識や技術があれば、治療や終末期といった患者さんの重要な意思決定により深く関われるのではないかと思いました。血液疾患は症状が多彩で診断の面白さがあり、急性期は集中治療の側面もあることから内科の醍醐味だと思いました。また、当医局では臨床医としてもきめ細やかな先生が研究にも従事しており、多面的に疾患や臨床を捉えている姿を見て、こういう医師になりたいと思いました。当院は県内外から多くの患者さんが集まるため血液疾患も多彩であり、他診療科との連携もしやすく、良い環境と考えました。現在学んでいること悪性リンパ腫や急性白血病の入院患者さんを担当し、化学療法について学んでいます。大学院進学予定であり、今は臨床研究の準備をしています。獨協医科大学 血液・腫瘍内科住所〒321-029 栃木県下都賀郡壬生町北小林880問い合わせ先ketsueki@dokkyomed.ac.jp医局ホームページ獨協医科大学 血液・腫瘍内科専門医取得実績のある学会日本内科学会(認定内科医・総合内科専門医)日本血液学会日本造血・免疫細胞療法学会日本輸血・細胞治療学会日本感染症学会日本臨床腫瘍学会研修プログラムの特徴(1)幅広い症例と専門的な指導急性白血病や悪性リンパ腫、多発性骨髄腫など多様な疾患を経験でき、造血幹細胞移植やCAR-T細胞・二重特異性抗体療法など最先端の治療にも携わることができます。専門医の手厚い指導のもと、診断から治療まで実践的に学べる環境です。 (2)充実した設備と豊富な実践機会無菌室を備えた移植ユニットや最新の検査・治療設備を活用し、骨髄穿刺や腰椎穿刺などの基本手技から移植管理まで幅広く経験できます。学会発表や研究のサポートも整い、学術的な成長も後押しします。 (3)働きやすい環境とキャリア支援都市部の利便性を持ちながら、地方ならではの温かい雰囲気の中で研修でき、研修医一人ひとりに合った指導を受けられます。計画的なローテーションで血液内科の基礎をしっかり固め、専門医取得や大学院進学、海外研修など多様なキャリアを支援します。詳細はこちら

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平均4ヵ月の交際期間、見るべきポイントは?【アラサー女医の婚活カルテ】第10回

アラサー内科医のこん野かつ美です☆前々回・前回は、結婚相談所(以下、相談所)でのお見合いで遭遇した、“クセ強め”なお相手たちとの面白エピソードをお届けしました。お楽しみいただけたでしょうか?今回は、相談所で「仮交際」や「真剣交際」をする際に気を付けると良いことを、筆者なりに分析してみました。それではどうぞ。相談所での交際期間は「平均4ヵ月」!相談所の婚活は「お見合い→仮交際(複数人との同時交際OK)→真剣交際(1対1での交際)→成婚(プロポーズ)」という流れで進みます(詳しくは第3回を参照)。大手連盟のIBJが発行した『2023年度版成婚白書』によると、同連盟での相談所婚活において、成婚者は男女とも平均交際期間「4ヵ月程度」という短期間で結婚までの意思決定をしており、これは一般的な平均交際期間「4.3年」のわずか12分の1だそうです1)。このようにきわめて短い交際期間の中で、自分とお相手の結婚観を擦り合わせて、「このお相手は自分に合うかどうか」を見定める必要があるわけです。私自身は、相談所での活動期間中、夫と出会うまでに5~6人ほどの方と交際しました。その経験を踏まえて、仮交際・真剣交際の間に確認しておくべきポイントをギュッとまとめてご紹介したいと思います。仮交際の間に確認すべきこと複数人との同時交際OKな「仮交際」から、1対1の「真剣交際」に進むということは、すなわち、真剣交際のお相手ただ1人を残して、ほかの候補者を“切り捨てる”ということです。お相手候補を一度切り捨ててしまったら、復縁は(絶対にできないわけではないものの)困難なので、これはそれなりにリスクを伴います。夫と出会う前、何人かのお相手から真剣交際の申し込みを頂いたのですが、その中に「僕はこん野さんと真剣交際に進みたいのですが、こん野さんのお返事を聞く前に、大切なお話があります」と、改まった様子で話してくださった方がいました。詳細は伏せますが、私はこの話を聞いたうえで、よく考えた末に真剣交際をお断りする決断をしました。結婚のご縁はなかったものの、デリケートな問題について話してくださったことに感謝していますし、きっと私のほかに素敵な方に巡り会われただろうと思います。お互いに貴重な時間と機会を無駄にしないために、将来の結婚生活に関わる事柄については、このように真剣交際に進む前のタイミングで申告・確認しておくことが必要でしょう(もちろん、お相手と一緒に過ごしていて楽しい、心地よい、ということは大前提です)。将来の結婚生活に関わる事柄というのは、具体的には、以下のようなことです。・子供を望むかどうか結婚を考えるうえで、家族計画のビジョンを共有することは欠かせません。双方が子供を望み、かつ双方が合意するならば、男女ともにこの段階でいわゆる「ブライダルチェック」を受けるのも1つの手です(これは真剣交際に進んだ後でもよいのかもしれませんが)。ただし、医師の皆さまならよくご存じのとおり、不妊の原因は多岐にわたるため、一般的なブライダルチェックの結果に問題がないからといって、必ず子供を授かるという保証はありません。それもあって、私も夫も検査を受けませんでした。また、ブライダルチェックを受けるのならば、仮に結果に問題があった場合はどうするのか(それでも交際継続するのか、別れるのか)という点は、検査を受ける“前に”2人でよく話し合っておく必要があると思います。なお、お見合いや初回デートのタイミングで、男性側から「子供は何人欲しいか」という話題を出されたことが何度かありました。あくまで私の個人的な考えですが、まだお互いのことをよく知らない段階で性交渉を連想させるような話をすることには、抵抗感を覚えました。避けて通ることのできない話題ではありますが、ある程度信頼関係を築いた後のほうが無難だと思います。・宗教的なことお相手本人が問題なかったとしても、家族が新興宗教などに入信しているような場合、将来的に大きな問題に発展する恐れがあります。・持病の有無・経済的な事情借金や奨学金返済義務の有無、貯金があるかどうかなどは、家庭を築いていくうえで重要な要素です。お相手の金銭感覚を推し量る指標にもなります。私の場合、夫と真剣交際に進む前にお互いの預金通帳を見せ合いました。真剣交際で確認すべきこと 前項に書いたような“条件的な部分”の擦り合わせができたら、真剣交際ではその方の“人間力”をより深く知ることが大切だというのが私の持論です。私が思うに、学歴や年収といった客観的な“スペック”の面では、そんじょそこらの男性(←失礼!)は女性医師にはなかなかかなわないでしょう。だからこそ、誤解を恐れずに言えば、学歴や年収が自分よりも“格下”のお相手と結婚したときに、長い結婚生活の中で、お相手のことを知らず知らずのうちに“見下してしまう”ことが起こりうるのではないか、と思います。これは双方にとってきわめて不幸なことです。そのため、私が婚活をしていたころは、お相手の「ここは尊敬できる/自分よりも優れている」という美点(つまり“人間力”)を見つけたい、と考えながら活動していました。たとえば家事能力が高い/やる気がある女性医師の“スペック”の高さに対して卑屈にならず、フラットに接してくれる(でも尊敬はしてくれる)波長がばっちり合う相手の立場に立ってものを考えられる(将来妊娠・出産する場合、女性の身体に掛かる負担をおもんぱかることができる)などです。余談ですが、夫の美点は「自分から“折れる”ことができる」ことです。結婚生活の中でぶつかったことは何度かあったものの、夫が声を荒げる場面をほとんど見たことがありません。私はまあまあ気が強いほうなのですが(婚活中は少し猫をかぶっていたかもしれません[笑])、夫と冷静に話し合いができるからこそ、相談所婚活の短い交際期間でも結婚に踏み切れましたし、今でも心地よい関係が続いているのだと思います。いかがでしたか?次回は、忙しい医師にとって悩みの種となる“婚活と仕事の両立”について、筆者なりのコツをご紹介したいと思います。お楽しみに。参考1)成婚白書/IBJ

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幼少期の好奇心が成人期のうつ病と強く関連

 うつ病は世界的な公衆衛生上の大きな問題であるが、これまでの研究で、幼少期の性格が成人期のうつ病に及ぼす影響については、ほとんど調査されていない。中国・吉林大学のChengbin Zheng氏らは、成人による自己評価の観点から、幼少期の好奇心が成人期のうつ病に及ぼす影響およびそのメカニズムの性差について調査した。Journal of Psychiatric Research誌2025年3月号の報告。 2020年の中国家庭追跡調査(China Family Panel Study)より抽出した成人1万7,162人のデータを用い、幼少期の好奇心、将来に対する自信、主観的な社会的地位、成人期のうつ病を評価した。PROCESS 4.1ソフトウエアプログラムを用いて、調整済み仲介モデルを分析した。 主な結果は以下のとおり。・幼少期の好奇心は、成人期のうつ病と強い関連が認められた。・男性では、将来に対する自信が、幼少期の好奇心と成人期のうつ病との関連を部分的に仲介していた。・女性では、将来に対する自信が、幼少期の好奇心と成人期のうつ病との関連を完全に仲介していた。・主観的な社会的地位は、将来に対する自信と成人期のうつ病との関連を緩和することが示唆された。 著者らは、「幼少期の好奇心は成人期のうつ病に対する保護因子であると考えられる。このプロセスにおいて将来に対する自信は重要な媒介因子の役割を担っており、その影響は男女間で異なることが示唆された。さらに、主観的な社会的地位が高い人と比べて、それが低い人では、将来に対する自信と成人期のうつ病との関連に及ぶ影響がより大きいことが明らかとなった」としている。

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CAR-T naive再発・難治性B細胞リンパ腫におけるエプコリタマブの有効性(EPCORE NHL-1)/日本臨床腫瘍学会

 抗CD3xCD20二重特異性抗体エプコリタマブは第II相EPCORE NHL-1試験で、再発・難治性大細胞型B細胞リンパ腫(R/R LBCL)患者に対する深く持続的な効果と管理可能な安全性を示している。同試験では、すでにCAR-T治療歴がある患者における有効性が示されている(全奏効割合[ORR]54%、完全奏効[CR]割合34%)。第22回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2025)では、CAR-T未使用(CAR-T naive)集団のサブ分析をミシガン大学のYasmin H. Karini氏が報告した。対象:2ライン以上の前治療歴を有するCD20陽性R/R LBCL 介入:エプコリタマブ48mg(28日サイクル)1~3サイクル毎週、4〜9サイクル 2週ごと、 10サイクル以降4週ごと進行(PD)まで投与評価項目:[主要評価項目]Lugano分類によるORR[副次評価項目]CR割合、奏効期間(DOR)、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、最小残存疾患(MRD)陰性割合、安全性/忍容性 主な結果は以下のとおり。・CAR-T naive患者(n=96)の年齢中央値は69歳、3ライン以上の治療歴が52%を占めた。・追跡中央値37.3ヵ月での治療継続は96例中13例(14%)、治療中止は83例(86%)であった。治療中止理由は進行が54%、有害事象が23%を占めた。・ORRは61%、CR割合は45%であった。・全体のPFS中央値は4.3ヵ月、CR症例では33.3ヵ月であった。・全体のOS中央値は15.4ヵ月、CR症例は未到達であった。・MRD評価可能な患者74例中33例(45%)がMRD陰性であった。・治療中に発現した有害事象(TEAE)で頻度の高いものは、サイトカイン放出症候群(CRS)(60%)、下痢(24%)、発熱(23%)、疲労感(22%)、好中球減少(22%)、注射部位反応(21%)で、治療中止に至ったTEAEは23%であった。・CRSは56%がGrade1〜2であった。CRS発現日の中央値は20日、第1サイクルのDay15までに多くが発現していた。 エプコリタマブは、CAR-T naiveのR/R LBCL患者に対し深く、耐久性のある抗腫瘍効果と管理可能な安全性を示した。今回のサブ解析の結果を踏まえ、エプコリタマブはCAR-Tの前および後に安全かつ効果的に投与できると Karini氏は述べた。

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医学生/初期研修医時代に戻れるなら「直美」に進みたい?/医師1,000人アンケート

 初期研修を終えてすぐ、保険診療を経験せずに自由診療である美容医療業界に直接進む「直美(ちょくび)」の医師が増えている。診療科の医師偏在や医局の人材獲得が課題となっているなか、保険診療の医師は「直美」をどのように考えているのかを調査するため、CareNet.comでは会員医師1,024人を対象に「直美」に関するアンケートを行った(実施:2025年2月12日)。年代が上がるほど問題と考える医師が多い Q1では、「直美」の増加を日本の医療における問題と考えているかどうかを聞いた(単一回答)。全体では、「非常に問題と考えている」が35.4%、「どちらかというと問題と考えている」が43.2%、「どちらかというと問題とは考えていない」が13.9%、「まったく問題とは考えていない」が7.5%であり、大多数の医師は問題と捉えていた。 年代別の「非常に/どちらかというと問題と考えている」および「どちらかというと/まったく問題とは考えていない」の割合は、20代が75.7%vs.24.4%、30代が78.4%vs.21.5%、40代が78.6%vs.21.4%、50代が80.3%vs.19.7%、60代以上が80.0%vs.20.0%であり、年代が上がるほどおおむね問題と捉える医師が多い傾向にあった。医療界の最大の課題は「給与が低い」 Q2では、「直美」の増加の背景にある医療界の課題としてとくに大きいものを選択式(3つまで)で聞いた。全体では「給与が低い」が最も多く、「労働時間が長い」「休みが取れない」「診療報酬制度の限界」「業務量が多い」「責任が重い」などと続いた。 若手医師では「給与が低い」「労働時間が長い」「休みが取れない」がとくに多かったが、ベテラン医師では「診療報酬制度の限界」「業務量が多い」「責任が重い」という回答も多くばらつきがみられた。なお、50代と60代以上では若手医師よりも「キャリア形成や人間関係が大変」の回答が目立ち、これまでのご苦労がうかがえた。若い世代ほど「直美に進みたい」が多い Q3では、もし医学生/初期研修医時代に戻れるなら「直美」に進みたいと思うかどうかを聞いた(単一回答)。全体では、「進みたい」が10.8%、「進みたくない」が89.2%と大差がついた。 年代別では、20代が18.4%vs.81.6%、30代が13.2%vs.86.8%、40代が10.7%vs.89.3%、50代が5.3%vs.94.7%、60代以上が6.8%vs.93.2%であり、Q1と同様に年代が上がるほど「直美」を懸念していることが示唆された。給料の良さvs.お金のためではない Q4.では上記Q3の理由をフリーコメントで聞いた。「直美」に進みたい派の意見で多かったのはやはり給料の良さなど圧倒的にお金に関するものであったが、進みたくない派の意見としても「医師を志したのはお金のためではない」「金銭だけではない」などお金への言及が多く、直美=高給という認識が根底にあることが浮き彫りになった。そのほかの進みたくない派の意見は、「理想とする医師像ではない」「患者さんの命を救いたい」「命に関わる診療科で働きたい」「国公立大学だったので多くの税金を使って医師にさせてもらったのに、その技術・知識をあまり社会に還元できない」など志の高いコメントが寄せられたほか、「美容医療の道に進むとしても、ある程度医療スキルを磨いてからのほうがよい」「研修医のときの知識だけでは不十分だと思う」など知識・経験不足を危惧するコメントや、「美容関係はレッドオーシャンで続けるのは難しい」「その先のキャリア形成が難しい」など美容業界に対する懸念も寄せられた。 Q5ではフリーコメントとして、「直美」に対するご意見やご感想、保険診療でこそ得られたご経験、若手医師へのアドバイスなどを聞いた。「直美」や美容業界に関するご意見(抜粋)・自分の好きな道に本気で取り組むことが一番大事。・直美だろうと保険診療だろうと、真剣に極めようと思うくらい頑張れば問題ないと思う。・美容に進むのはある程度皮膚科、形成外科領域を専門で研修してからに限るのがよいのではないか。・まずは基本的修練を積むべきで、形成外科的能力がないとリスク評価すら難しい。・自分がやりたいことに進むのが一番と思うが、若い時期、研修期間しか得られないことも多いのでいろいろ経験してから選択していくこともよいと思う。・美容に関する法改正や需要減などリスクも抱えていることを承知の上であれば問題ない。・直美を選択したら保険診療の医師に変更するのはかなり労力が必要と思う。・最初に苦労するのはどの仕事も同じ。まずは医師という仕事の奥深さを一度は知ってから将来を考えてもよい。・中高生の学習塾で成績の良い子には医学部受験を勧めて、塾の実績とするような社会状況も、動機付けがなされていない医学生を増やしている一因ではないかと思う。・美容外科でのトラブルの治療のために受診する人も多く、美容外科で最後まで責任を取って診るべき。・保険診療以外で生じた医療事故については保険制度を利用しないで対応してほしい。保険診療、制度に関するご意見(抜粋)・若いうちは専門の診療科について経験を積んだほうよいと思う。・ひとまずどんな患者でも診察できるというのは意外に大きい。・ある程度の臨床経験が医師としても人間としても成長させてくれると思う。・どの職種も修行している間は給与が低い。学びながら高給取りなんてありえない。卒後10年は給与低くても当然。卒後一桁は何もできないに等しい。・専門医取得までは低賃金、長時間労働、休日返上が必要となるが、取得したら見える景色が変わる。・人命救助の経験は代え難い。・保険診療点数の低さがそもそもの根源と思う。・直美が悪いのでなく、直美を選ぶ人が増えるくらい保険診療の先行きが暗いことが問題と感じる。・報酬と働き方を変えない限り、保険診療に従事する若手は少なくなる一方だと考える。・行きたければ自由にどうぞとは思うが、国の政策としてなんらかのペナルティーをもうけるべき。・地域枠の医師の直美が存在する件に関しては、約束が守れていないのではないかと考える。・美容外科は自由診療なので、医師の資格とは別の資格を創設すべき。アンケート結果の詳細は以下のページに掲載中。「直美」の増加の背景にある医療界の課題は?/医師1,000人アンケート

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固形がん患者における初回治療時CGP検査実施の有用性(UPFRONT)/日本臨床腫瘍学会

 本邦における包括的ゲノムプロファイリング検査(CGP)は、「標準治療がない、または局所進行もしくは転移が認められ標準治療が終了となった(見込みを含む)」固形がん患者に対して生涯一度に限り保険適用となる。米国では、StageIII以上の固形がんでのFDA承認CGPに対し、治療ラインに制限なく全国的な保険償還がなされており、開発中の新薬や治験へのアクセスを考慮すると、早期に遺伝子情報を把握する意義は今後さらに増大すると考えられる。本邦の固形がん患者を対象に、コンパニオン診断薬(CDx)に加えて全身治療前にCGPを実施する実現性と有用性を評価することを目的に実施された、多施設共同単群非盲検医師主導臨床試験(NCCH1908、UPFRONT試験)の結果を、国立がん研究センター中央病院/慶應義塾大学の水野 孝昭氏が第22回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2025)で発表した。・対象:16歳以上の治癒切除不能または再発病変を有する非小細胞肺がん(EGFR、ALK、ROS1、BRAFのドライバー遺伝子変異なし)、トリプルネガティブ乳がん、胃がん、大腸がん、膵がん、胆道がん患者(前治療歴なし[術前術後補助化学療法は許容]、ECOG PS 0/1、CGP検査に提出可能な腫瘍検体・末梢血検体を有する)・組み入れ患者の治療の流れ:CGP(医療保険の先進医療特約または自費)→標準治療±分子標的治療(→[保険適用のCGP]→分子標的治療)※1・評価項目:[主要評価項目]actionableな遺伝子異常※2に対応する分子標的薬による治療を受ける患者の割合[重要な副次評価項目]全生存期間(OS)、actionableな遺伝子異常を有する患者の割合、actionableな遺伝子異常に対する標的治療における無増悪生存期間(PFS)など・追跡期間:24ヵ月(データカットオフ:2024年3月)※1:保険適用のCGPを受けるかどうかは任意で、本研究では規定なし※2:actionableな遺伝子異常=厚生労働省「第2回がんゲノム医療推進コンソーシアム運営会議(2019年3月8日)」で示された「資料3-4 治療効果に関するエビデンスレベル分類案」1)におけるエビデンスレベルD以上 主な結果は以下のとおり。・2020年6月~2022年3月に201例が登録され、192例がCGPを受けた。・201例の患者背景は、年齢中央値が62歳(範囲:19~83)、男性が54.2%、がん種は膵がん27.9%/大腸がん24.9%/非小細胞肺がん15.9%/胆道がん11.9%/胃がん8.5%/乳がん6.5%で、術後再発症例は32.8%であった。・最も多く検出された遺伝子異常はTP53(≧60%)で、KRAS(≧40%)、APC、SMAD4、ARID1A(いずれも≧10%)などが続いた。また、ERBB2、BRAF、EGFRなど薬剤に直結する遺伝子異常も、いずれも5%未満ではあるが検出された。・actionableな遺伝子異常(エビデンスレベルA~D)を有する患者は110例(57.3%)、治療候補薬の推奨あり(エビデンスレベルE以下も含む)の患者は142例(74.0%)であった。・actionableな遺伝子異常を有する患者の割合をがん種別にみると、膵がん67.9%/非小細胞肺がん65.6%/胆道がん62.5%/大腸がん48.0%/乳がん46.2%/胃がん35.3%であった。・actionableな遺伝子異常に対応する分子標的薬による治療を受けた患者は14例(7.3%)で、がん種ごとにみると非小細胞肺がん18.8%/膵がん8.9%/胆道がん4.2%/大腸がん4.0%、乳がんおよび大腸がんは0%であった。なお、14例中8例が治験的治療を受けた。・actionableな遺伝子異常に対する標的治療におけるPFS中央値は3.1ヵ月(95%信頼区間[CI]:1.1~5.8)、奏効率(ORR)は28.6%であった。とくに非小細胞がん患者においてPFSが良好な傾向がみられ、6例中4例がPR(部分奏効)であった。・全体集団のOS中央値は24.3ヵ月(95%CI:20.2~30.9)であった。・治療候補薬の推奨があった患者における分子標的治療を受けなかった理由としては、標準治療中の状態悪化が57.0%を占め、32.8%が標準治療中であった。 水野氏は今回の結果について、初回全身治療時にCGPを受けた固形がん患者のうち、actionableな遺伝子異常に基づく分子標的治療を受けた患者の割合は7.3%であり、本研究実施期間中においては限定的であったが、ドライバー遺伝子陽性症例を除く非小細胞肺がん患者で比較的良好な結果が得られたことから、特定の背景を有する患者においてはCGP早期実施による利益が得られる可能性があるとまとめている。 講演後の質疑応答において、司会を務めた京都大学の武藤 学氏は、今回の7.3%という結果にはCGPをCDxとして使用したケースは含まれず、治験的治療やCDxがカバーできない治療に進んだ症例が該当するという点に注意が必要と指摘。そのうえで、今後は治験へのアクセスのしやすさの向上、継続した対象者への治験提案、治験の数を増やすなどの方策を練るべきではないかとした。 本試験に関しては、同時期に標準治療を受けた固形がん患者130例を登録した観察研究が並行して実施されており、今後対照群として比較解析を行うことが計画されている。また、本試験のサブスタディとして、CGPに対する十分な組織のない患者を対象としたUpfront Liquid study、費用対効果分析やQOL評価を行うためのアンケート調査も実施されている。

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