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抗精神病薬の高用量投与で心血管イベントリスク上昇:横浜市立大

 抗精神病薬は、自律神経失調症を引き起こす要因と考えられており、統合失調症患者の潜在的な致死的不整脈を予測すると報告されている。しかしながら、抗精神病薬や他の向精神薬の用量依存的な効果が自律神経系(ANS)の活動に及ぼす影響に関しては、依然として不明なままである。横浜市立大学 岩本 洋子氏らは、統合失調症患者における抗精神病薬と他の臨床的因子の用量依存効果がANSの活性に及ぼす影響について検討した。その結果、著者らは「統合失調症患者の心血管系に関連する有害事象を避けるためには、抗精神病薬の投与量を最適化する必要がある」としている。BMC psychiatry誌オンライン版2012年11月14日号の報告。 対象は、日本人統合失調症患者211例および健常者44例。各々における抗精神病薬による治療や、さまざまな臨床的要因を調査した。ANS活性は心拍変動(HRV)パワースペクトル解析を用いて評価した。患者群は抗精神病薬の投与量により3つのサブグループに分けて評価し、サブグループ間のHRVを比較した。主な結果は以下のとおり。・患者群では、対照群と比較し、HRVの低域と高域成分の有意な減少が認められた。・抗精神病薬の高用量投与群では、中用量投与群よりも有意に低いHRVが認められ、低用量投与群と比較するとさらに低いHRVが認められた。・HRVと抗精神病薬の投与量との有意な関連が認められた(重回帰分析)。・HRVは、年齢、性別、BMI、罹病期間、他の向精神薬の投与量との関連は認められなかった。関連医療ニュース ・100年前と比べ統合失調症患者の死亡は4倍増! ・統合失調症における長期転帰の予測因子は? ・検証!向精神薬とワルファリンの相互作用

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認知症の原因疾患のひとつ「シェーグレン症候群」その関連は?

 認知症の原因疾患のひとつであるシェーグレン症候群(SS)は、外分泌腺が関与する自己免疫疾患で、目が乾く、口が乾燥するなどといった症状が認められる。高齢者の1.9~3.0%が発症すると言われており、20%の患者で認知症などの中枢神経系疾患を合併する。星ヶ丘厚生年金病院 吉川 健治氏らは、メモリークリニックを受診している患者におけるSSの有病率と影響を明らかにしようと試みた。Journal of the neurological sciences誌オンライン版2012年11月15日号の報告。 対象は2007~2010年にメモリークリニックを受診した認知機能障害を有する症例。認知症の検査に加え、抗SSA抗体および抗SSB抗体レベルを測定した。また、必要に応じてシルマーテストや口唇生検(両方またはどちらか)を追加した。SSの診断は米欧のコンセンサス基準に基づき実施した。 主な結果は以下のとおり。・試験を完了した276例のうち、265例は認知機能の低下が確認されなかった(男性97例、女性168例、平均年齢:77.9歳、MMSEスコアの中央値:23)。・抗SSA陽性は16例(6.3%)、抗SSB陽性は7例(2.7%)であった。・20例は一次性シェーグレン症候群と診断された(平均年齢:77.2歳、MMSEスコアの中央値:21)。そのうち、以前MCIと診断された症例は7例(VCIND:5、aMCI:2)、認知症と診断された症例は13例であった。・すべての症例においてSPECTで非対称の局所的な低灌流が認められ、18例はMRIで皮質下の病変が認められた。・認知症治療中の症例12例(治療期間中央値:2.1年)は、MMSEスコアが有意に改善していた(MMSEスコアの中央値:26、p=0.0019)。また、SSでない症例のMMSEスコアは減少していた(126例、MMSEスコアの中央値:22)。・シェーグレン症候群の有病率は、メモリークリニックを受診する認知機能低下症例の7.5%を占めており、皮質下白質病変と非対称の血流低下の特徴を有する。関連医療ニュース ・認知症の前駆症状は?うつ病との関係 ・アルツハイマー病の興奮、抗精神病薬をどう使う? ・せん妄はアルツハイマー病悪化の危険因子!

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家庭用レーザーしわ取り器の実力は診療所治療と遜色なし?!

 家庭用レーザーしわ取り器は、安全かつ有用であることが明らかにされた。これまで、レーザーしわ取り器のような非侵襲的治療は、診療所で訓練を受けた専門家によってのみ行われているが、試験の結果、ホームユーザーの機器の扱いは熟達しており、眼の周りのしわの改善が確認されたという。米国・Skin Study CenterのJames Leyden氏らが多施設共同試験を行った結果、報告した。Journal of the American Academy of Dermatology誌2012年11月号(オンライン版2012年3月3日号)の掲載報告。 試験は、家庭用に設計された非侵襲的レーザー治療器の臨床治験を目的とし、2つの臨床試験により多施設共同試験を構成した。両試験はプロトコルにわずかな違いがあったが、被験者が家庭で、携帯用非侵襲的レーザー機器を用いて眼の周りのしわの治療を行い、評価を行うというものであった。 また両試験とも被験者に、積極的治療相(毎日治療)と維持相(週に2回治療)を設けた。 評価は、研究者による肉眼評価と、Fitzpatrick Wrinkle Scaleによる高解像度画像の独立盲検レビュー、および被験者の自己評価などが行われた。 主な結果は以下のとおり。・総計で、36例の被験者が維持相後5ヵ月間以上追跡を受け、90例の被験者が維持相完了まで追跡を受けた。・試験を完了した(機器の使用について書面で説明を受け追跡できた)被験者は総計124例であった。・治療の忍容性は良好であり、プロトコルのコンプライアンスも良好であった。・医師によって行われたFitzpatrick Wrinkle Scaleを用いた独立盲検評価は、積極的治療相を完了した被験者の90%で、また維持相完了の被験者の79%で、1以上のグレードの改善を認めた。・最も頻度の高かった有害事象は、治療後の一時的な紅斑であった。・本試験は、対照群の不足と単盲検試験という点で限界がある。

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過去10年の院内心停止後の生存率、年率4%で増加の傾向が明らかに/NEJM

 米国における2000~2009年の、院内心停止後の生存率は年率4%の増加傾向を示す一方で、生存者の神経障害発症率は年率2%の減少傾向にあることが明らかにされた。米国・アイオワ大学のSaket Girotra氏らが、約8万5,000人の院内心停止患者を追跡し明らかにしたもので、NEJM誌2012年11月15日号で発表した。近年、蘇生ケアは改善してきているものの、院内心停止後の生存率や神経障害発症率の改善傾向については明らかではなかった。初期リズムが心停止・無脈性電気活動が全体の8割 研究グループは、2000~2009年にかけて、米国心臓協会(AHA)Get with the Guidelines-Resuscitation registryに参加する374の病院で、院内心停止を起こした8万4,625人について調査を行った。主要アウトカムは、リスク補正後生存退院率の経時的変化傾向だった。また、そうした変化傾向の要因について、救急蘇生時または蘇生後ケアの、改善によるものなのかについても分析した。さらに生存者の神経障害発症率も調べた。 被験者のうち79.3%が初期リズムが心静止または無脈性電気活動であり、20.7%が心室細動または無脈性心室頻拍だった。調査期間中、心静止または無脈性電気活動による心停止の割合には増加傾向がみられた(傾向に関するp<0.001)。生存退院率は14%から22%に増加、神経障害発症率は33%から28%へ減少 補正後の生存退院率は、2000年の13.7%から2009年の22.3%へと上昇したことが認められた(補正後年率比:1.04、95%信頼区間:1.03~1.06、傾向に関するp

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抗凝固療法におけるリスク評価のための計算機アプリがリリース

 心房細動患者に対して抗凝固療法を実施する際には、腎機能、出血リスク、脳卒中発症リスクなどを考慮する必要がある。 バイエル薬品株式会社は、それらを評価するための計算機アプリとして、2012年11月14日、医療従事者向けのiPadおよびiPhoneアプリ「診療計算App」の提供を開始した。 本アプリには、以下の5種類の計算機が内蔵され、オフラインでも使用が可能である。・クレアチニンクリアランス・Child-Pughスコア・HAS-BLEDスコア・CHADS2スコア・CHA2DS2-VAScスコア本アプリの詳細はこちら↓診療計算App for iPad診療計算App for iPhone

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夢遊病にビペリデンは有望!?

 青年および成人の夢遊病は重大外傷に結びつく可能性があり治療が必要とされる。クロアチア・University Psychiatric Clinic VrapceのDanilo Hodoba氏らは、青年・成人の夢遊病(てんかんの有無を含む)に対するビペリデンの有効性と安全性に関する臨床観察研究を行った。著者らは、「確信を得ることはできなかったが、必要に応じて使用を考慮する価値はありそうだ」と結論し、さらなる無作為化試験の実施の必要性を提言した。事例に基づき推奨されている治療薬は、ベンゾジアゼピン系薬(鑑別診断として重要である前頭葉の焦点性発作に作用する)、イミプラミン、アミトリプチリンなどがある。Progress in Neuro-Psychopharmacology & Biological Psychiatry誌オンライン版2012年11月12日号の掲載報告。 研究グループは、抗コリン薬ビペリデンの夢遊病に対する有用性を評価するフォローアップ研究を行った。ビペリデンは、ムスカリンM1型レセプターに高親和性のアセチルコリン拮抗薬である。対象は4例の青年および成人の連続症例で、てんかんの有無にかかわりなく、夢遊病やせん妄を伴う覚醒障害を有し、ジアゼパム、クロナゼパム、アミトリプチリンによる治療には反応を示さなかった症例である。 主な結果は以下のとおり。・フォローアップ期間は、中央値4年間(範囲:2~7年)であった。・ビペリデンの補助的療法により、4例ともに夢遊病エピソードが減少あるいは寛解した。・一方でビペリデンは、レム睡眠時の行動障害には効果を示さなかった。・本研究でビペリデンの有効性あるいは安全性を確立できなかったが、必要に応じ夢遊病治療としてビペリデンを考慮することは有用となる可能性がある。・夢遊病を含む覚醒障害で示唆されているコリン作動性メカニズムは、抗コリン薬ビペリデンが効果をもたらす可能性があるという仮説の根拠となる。今回の予備的研究の知見を確認するために無作為化試験による有効性と安全性のエビデンス検証が必要である。関連医療ニュース ・がん患者の悪夢に有効な治療法は? ・がん患者のせん妄治療に有効な抗精神病薬は… ・せん妄を有する高齢入院患者の死亡リスクは高い!

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糖尿病高リスク者のプライマリ・ケア・ベースの検診、死亡率低下せず:ADDITION-Cambridge試験/Lancet

 2型糖尿病の高リスク者を対象とした検診でみつかった患者に対し治療を行っても、約10年間の全死因死亡、心血管死、糖尿病関連死のリスクは検診を受けなかった者と変わらないことが、英国ケンブリッジ大学のRebecca K Simmons氏らが行ったADDITION-Cambridge試験で示された。2型糖尿病の有病率の増加は保健医療上の重要課題とされる。2型糖尿病の疾病負担の増大は、地域住民を対象とした検診や早期治療によって抑制される可能性があるが、検診のベネフィットは不明なままだという。Lancet誌2012年11月17日号(オンライン版2012年10月4日号)掲載の報告。2型糖尿病検診と死亡の関連をクラスター無作為化試験で評価 ADDITION-Cambridge試験は、2型糖尿病の段階的な検診プログラムと死亡の関連の評価を目的とする実地臨床に即したクラスター無作為化試験。 イングランド東部地域の33のプライマリ・ケア施設が参加した。これらの施設が、検診で2型糖尿病と診断された患者に対し多元的な強化療法を行う群(15施設)、英国の糖尿病診療ガイドラインに準拠したルーチン治療を行う群(13施設)、検診を行わない対照群(5施設)に無作為に割り付けられた。 対象は、事前の評価で2型糖尿病の発症リスクが高いと判定された40~69歳の2万184人(平均年齢58歳)。検診として、血糖値検査で患者候補を選出し、標準的な経口ブドウ糖負荷試験(75gOGTT)で確定した。 全例が、イングランド-ウェールズの国家統計局による死亡調査の対象として登録された。主要評価項目は全死因死亡率とした。最多の死因はがん 2001~2006年の間に、1万6,047人の2型糖尿病高リスク者のうち1万5,089人(94%)が検診を勧められ、受診した1万1,737人(73%)のうち466人(3%)が糖尿病と診断された。対照群は4,137人だった。 フォローアップ期間中央値9.6年(18万4,057人・年)の時点で、検診群の1,532人、対照群の377人が死亡した。全死因死亡率のハザード比(HR)は1.06〔95%信頼区間(CI):0.90~1.25、p=0.46〕であり、検診による有意な死亡率の低下は認めなかった。 心血管死のHRは1.02(95%CI:0.75~1.38)、がん死のHRは1.08(同:0.90~1.30)、糖尿病関連死のHRは1.26(同:0.75~2.10)であり、いずれも有意差はみられなかった。最も多い死因はがんだった。 著者は、「英国人の2型糖尿病高リスク者を対象とした検診は、約10年間の全死因死亡、心血管死、糖尿病関連死を低下させなかった」と結論し、「検診のベネフィットは予想よりも小さかった。検診を行う場合は、同時に糖尿病や心血管疾患のリスク因子の評価や管理を行い、これらの疾患の根本的な決定因子をターゲットとした地域住民レベルの予防戦略を実施する必要がある」と指摘する。

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ロタウイルスワクチン予防接種プログラム、導入初年度から明らかなインパクト

 フィンランド国立健康福祉研究所(THL)のTuija Leino氏らは、同国で2010年に導入されたロタウイルスワクチン予防接種プログラムの初年度の影響について推定評価を行った。その結果、重症度、病院での治療、ロタウイルス胃腸炎の型について明らかに管理コントロールできたことを報告した。Vaccine誌オンライン版2010年11月1日号の掲載報告。 研究グループは、ロタウイルスワクチン予防接種プログラム導入後初年度のフィンランドにおける、病院で治療された急性胃腸炎の負荷について、および重症ロタウイルス疾患の負荷について推定することを目的とした。また、接種したワクチンによって生じた免疫が非特異的な疾患負荷をも防御するという仮説を検討するというワクチン探索的研究の意図も目的に含んだ。 ロタウイルス関連のアウトカムは、ICD 10コードを用いてコーディングされた国立病院退院レジスターに登録されるデータに基づいた。 5歳未満児の急性胃腸炎またはロタウイルス胃腸炎による入院および外来症例の発生率を、プログラム導入前(1999~2005年)とプログラム開始後(2010年)とで比較した。 利用したICD 10コードは、A00~A09、R11、K52であった。 主な結果は以下のとおり。・プログラム導入前と比較した導入後の疾患負荷の減少率は、1歳未満児において、入院ロタウイルス胃腸炎患児においては80.3%(95%CI:74.5~84.7)であり、感染性胃腸炎の総入院患者負荷でみた場合は同一年齢グループで53.9%(同:49.8~57.7)であった。・同じく外来患者についても、それぞれ78.8%(同:48.4~91.3)、12.5%(同:7.1~17.7)の減少がみられた。・ロタウイルス胃腸炎に対する2010年ロタウイルスシーズン前のワクチン接種の全体的なインパクトは、97%(同:90.7~99.0)であった。・ロタウイルス胃腸炎と細菌未特定だがロタウイルス胃腸炎とみなされた症例について、ともに総発症数が減少した場合に獲得可能な総疾患負荷の住民ベース推計は、1歳未満児のロタウイルス胃腸炎入院で1,000人・年当たり10.5であった。一方で、診断特異的発生率はその半分以下の4.9であった。・総疾患負荷は、ワクチン導入後は診断症例よりもエンドポイントとして、より価値があるが、本研究は、ワクチン導入後のフォローアップが非常に短期であり限定的なものである。

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日本人女性の統合失調症発症に関連する遺伝子が明らかに

 日本人女性の統合失調症発症に、ITGA8遺伝子ミスセンス突然変異が関与している可能性があることが明らかにされた。神戸大学大学院のIrwan Supriyanto氏らが、京都の遺伝子データベース「KEGG」で報告された情報と統合失調症患者との関連を調べ報告した。Progress in Neuro-Psychopharmacology and Biological Psychiatry誌オンライン版2012年11月12日号の掲載報告。ITGA8遺伝子は中枢神経系の発達に重要な役割を果たし統合失調症の病態生理での関与が認められる細胞接着分子(CAMs)であり、CAMs遺伝子のミスセンス突然変異は統合失調症を発症しやすくする可能性が示唆されていた。 研究グループは、KEGG(Kyoto Encyclopedia of Genes and Genomes)の報告から中枢神経系のCAMs遺伝子の15の突然変異を選択し、これら遺伝子と統合失調症患者(278例)および対照被験者(284例)との関連を調べた(第1検討群)。また、患者567例と対照被験者710例の陽性SNP遺伝子型についても調べ(第2検討群)、患者635例と対照被験者639例による再検証試験も行った(複製標本群)。 主な内容は以下のとおり。・統合失調症患者と対照群では、ITGA8遺伝子におけるrs2298033の遺伝子型分布および対立遺伝子分布が有意に異なることが示された(それぞれp=0.005、p=0.007)。・性差に基づいた解析の結果、ITGA8遺伝子におけるrs2298033の対立遺伝子および遺伝子型の分布は、第1および第2検討群の女性において患者群と対照群とでは有意差がみられた(それぞれp=0.010、p=0.011とp=0.0086、p=0.010)。しかし男性の被験者群では有意差はみられなかった。・複製標本群のrs2298033の複合解析では、より有意な差がみられた(全被験者群ではp=0.0032、p=0.0035、女性被験者群ではp=0.0024、p=0.0025)。・NFASC遺伝子のrs2802808は、第1検討群の女性被験者群でのみ有意差がみられた。・上記の結果は、ITGA8遺伝子は、女性においてのみ統合失調症発症に関与する可能性があることを示す。さらなる再検証試験や機能的研究により、今回得られた知見を確認することが求められる。関連医療ニュース ・統合失調症患者の脳組織喪失に関わる脂肪酸、薬剤間でも違いが ・初回エピソード統合失調症患者におけるGABA機能への影響 ・精神科学会レポート

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ICU患者へのHES使用、90日死亡率は有意差なし、腎代替療法リスクは2割増/NEJM

 ICUの患者に対する輸液蘇生における代用血漿剤のヒドロキシエチルデンプン(HES、商品名:サリンヘスなど)の使用について、生理食塩水を用いた場合と比較した90日死亡率は有意差は認められなかったことが示された。一方で、HESを用いた患者では生理食塩水を用いた場合と比べて腎代替療法を受けるリスクが2割ほど高かった。オーストラリア・George Institute for Global HealthのJohn A. Myburgh氏らが、ICU入室患者7,000人について行った試験で明らかにしたもので、NEJM誌2012年11月15日号(オンライン版2012年10月17日号)で発表した。32のICUで無作為化試験、90日死亡率などを比較 Myburgh氏らは2009~2012年にかけて、オーストラリアとニュージーランドの32ヵ所のICUを通じ、試験を行った。ICUに入室した7,000人を無作為に2群に分け、一方は6%HESを0.9%食塩水に混ぜた輸液蘇生投与を行い、もう一方は0.9%食塩水のみの輸液蘇生投与を行った。同投与は、ICUからの退室、死亡または無作為化後90日まで継続した。 主要アウトカムは、90日死亡だった。副次アウトカムは、急性腎障害、急性腎不全、腎代替療法の発生率などとした。 被験者の平均年齢は、HES群63.1歳、生理食塩水群62.9歳で、男性はそれぞれ60.5%と60.3%だった。90日死亡率は両群とも17~18%、腎代替療法リスクはHES群が生理食塩水群の1.21倍 その結果、追跡期間中に死亡したのは、HES群3,315人中597人(18.0%)、生理食塩水群3,336人中566人(17.0%)で、両群間に有意差は認められなかった(相対リスク:1.06、95%信頼区間:0.96~1.18、p=0.26)。 また、副次アウトカムについて、腎代替療法の実施率は、HES群3,352人中235人(7.0%)で生理食塩水群3,375人中196人(5.8%)と、HES群で2割ほど高率だった(相対リスク:1.21、同:1.00~1.45、p=0.04)。急性腎障害の発生率は、HES群が34.6%に対し生理食塩水群が38.0%と生理食塩水群が高く(p=0.005)、急性腎不全の発生率はそれぞれ10.4%と9.2%だった(p=0.12)。 さらに、掻痒や皮膚の発疹などといった有害事象の発生について、HES群5.3%、生理食塩水群2.8%と、HES群で有意に高率だった(p<0.001)。

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腎結石にかかった人は要注意!CHD発症リスク因子の蓄積―日本人男性を対象とした研究

 腎結石に罹患したことがある人は、現在検査で異常が認められなくても、冠動脈心疾患(CHD)発症リスク因子を有している可能性が高いことが名古屋市立大学大学院 安藤亮介氏らの研究で明らかになった。The Journal of Urology誌オンライン版2012年11月14日付の報告。 日本人男性における腎結石とCHD発症リスクとの関連について調べるため、横断研究を行った。対象は1995年4月から2001年3月までに自発的に健康診断を受けた日本人男性1万3,418人(30~69歳)。超音波検査の結果と腎結石の既往歴に基づき、コントロール群、過去罹患群、現在罹患群に分けられた。標準的なCHD発症リスク因子(太りすぎ/肥満、高血圧、糖尿病、痛風/高尿酸血症、脂質異常症、慢性腎臓病)について評価し、腎結石形成との関連を調べた。 主な結果は以下のとおり。 ・超音波検査により、腎結石を認めた人は、404人(全体の3.0%)であった(現在罹患群)。・腎結石の既往があるが、検査で腎結石を認めなかった人は、1,231人(全体の9.2%)であった(過去罹患群)。・BMI、収縮期/拡張期血圧、血清尿酸値は、現在罹患群・過去罹患群の両群とも、コントロール群に比べて有意に高値であった。・ロジスティック回帰分析の結果、太りすぎ/肥満、高血圧、痛風/高尿酸血症、慢性腎臓病発症の多変量調整後のオッズ比(95%CI)は、コントロール群、過去罹患群、現在罹患群の順に有意に増加した。

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Hanifin & Rajka診断基準はゴールドスタンダードだがWilliams診断基準も非常に有用

 ポーランド・ワルシャワ医科大学皮膚科のZbigniew Samochocki氏らは、小児アトピー性皮膚炎の診断について、Hanifin & Rajka診断基準とWilliamsらによって簡略化修正された診断基準との比較を行った。その結果、Hanifin & Rajka診断基準がゴールドスタンダードであるが、Williams診断基準も4歳児以上では非常に有用であると報告した。小児アトピー性皮膚炎の診断をめぐっては多くの問題があり、Hanifin & Rajka診断基準は一般的に用いられているが、小児科医が日常診療で用いるのは難しいとされる。著者は、Williams診断基準は有用で、小児アトピー性皮膚炎で頻度の高い臨床症状をよく表現しているとして、診断基準の有効性を検討した。World Journal of Pediatrics誌2012年11月号掲載の報告。 試験は、250例の小児が参加し行われた。被験者は全員が臨床検査と、Hanifin & Rajka診断基準による診断とWilliams診断基準による診断を受けた。 主な結果は以下のとおり。・Hanifin & Rajka診断基準による診断で小児アトピー性皮膚炎と診断されたのは173例であった。そのうち153例は、Williams診断基準による診断でも小児アトピー性皮膚炎陽性であると診断された。・Hanifin & Rajka診断基準によって小児アトピー性皮膚炎と診断されなかったのは77例であった。そのうち4例は、Williams診断基準によって陽性であることが検出された。・疥癬と脂漏性皮膚炎であった4例の小児は、Williams診断基準によって小児アトピー性皮膚炎であるとの誤った診断を受けた。非定型病変部位と喘息あるいは花粉症の既往、乾皮症が誤りの要因であった。・Hanifin & Rajka診断基準はゴールドスタンダードであるが、Williams診断基準も4歳以上の小児では非常に有用である。・Williams診断基準が最も有用なのは、既往の特定病変部位と乾皮症既往があるかゆみの診断であり、小児アトピー性皮膚炎の検出感度は2~5歳の初発皮膚病変に対して年齢が上がるほど有意に増大した。

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慢性の首の痛みに対するヨガの効果、無作為化試験で確認

 慢性腰痛に対するヨガの効果は知られているが、ヨガは慢性頸痛に対しても鎮痛効果や機能改善効果があり治療オプションとして有用であることが、ドイツ・シャリテ大学病院のAndreas Michalsen氏らによる無作為化試験の結果、報告された。Journal of Pain誌11月号の掲載報告。 研究グループは、慢性頸痛に対するアイアンガー・ヨガの有効性を評価するパイロット無作為化試験を行った。 100mm視覚的アナログ・スケール(VAS)スコアで、>40mmであった慢性頸痛を有する77例の患者(47.9±7.9歳、女性67例)を、9週間のアイアンガー・ヨガプログラム(毎週90分クラス)を受講する群(38例)と、セルフケア・運動プログラムを行う群(38例)に無作為化した。被験者は、ベースラインと4、10週間後に評価を受けた。 主要アウトカムは、ベースラインから10週時点までのVASでみた平均安静時疼痛スコアの変化であった。副次アウトカムは、運動時疼痛、身体機能障害、QOL、精神的アウトカムなどであった。 主な結果は以下のとおり。・ヨガ群のうち12例とセルフケア群のうち11例は、フォローアップが完了しなかった。介入に関するアドヒアランスはセルフケア群のほうが低かった(5例vs. 10例)。・10週時点までに平均安静時疼痛スコアは、ヨガ群は44.3±20.1から13.0±11.6へ低下し、セルフケア群は41.9±21.9から34.4±21.1へ低下した。ヨガ群変化とセルフケア群変化の差は、-20.1(95%CI:-30.1~-10.1)でヨガ群のほうで有意な低下がみられた(p<0.001)。・10週時点までに運動時疼痛スコアは、ヨガ群は53.4±18.5から22.4±18.7へと低下し、セルフケア群は49.4±22.8から39.9±21.5へ低下した。両群の変化の差は、-18.7(同:-29.3~-8.1、p<0.001)であった。・ヨガの有意な治療効果は、疼痛関連の懸念、身体機能障害、QOL、精神的アウトカムにおいても認められた。・感度解析の結果、試験脱落者の影響は小さいことが示された。・介入プログラムは両群とも忍容性は良好であった。・今回の予備的研究では、ヨガは慢性頸痛の効果的治療となる可能性が示され、精神面やQOLへもよい効果をもたらす可能性が認められた。さらに観察期間がより長期の比較試験を行い有効性を検証すべきである。

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片頭痛と脳病変進行、女性の深部白質病変を除き有意な関連みられず/JAMA

 片頭痛を有する男女のMRI所見を9年前のものと比べて比較した結果、女性では深部白質病変の発生が高率にみられたが、その他のMRIで確認されていた脳病変の進行は有意にはみられなかったことが、また男性ではあらゆるMRI既往脳病変の進行との関連がみられなかったことが報告された。オランダ・ライデン大学医療センターのInge H. Palm-Meinders氏らが、先行研究で片頭痛とMRI脳虚血病変との関連が示されていたことを踏まえて行った検討で、結果について著者は、「脳血管の構造的変化に果たす片頭痛の役割について疑問を呈する所見となった」と述べている。JAMA誌2012年11月14日号掲載報告より。片頭痛のある平均年齢57歳男女を対象にMRI所見を9年前のものと比較 研究グループは、片頭痛を有する(前兆ありなし含む)男女のMRI所見を9年前のものと比べて、新規病変発生が高率にみられるか、病変部位の進行はみられるか、また認知低下との関連を調べた。対象は、オランダで行われている住民ベースの前向き観察研究CAMERA(Cerebral Abnormalities in Migraine, an Epidemiological Risk Analysis)-1スタディの参加者で、片頭痛群[ベースライン平均年齢57歳(範囲:44~71歳)、女性69%]と、対照群(片頭痛・年齢・性で適合)について追跡した。両群被験者は全員、2000年にMRI検査を受け、2009年にも全員に脳病変の進行を確認するためのMRI検査の紹介が行われた。 2回の検査を完了したのは、片頭痛群203/295例、対照群83/140例であり、年齢、性、高血圧、糖尿病、教育レベルで補正後に両群の比較が行われた。 主要評価項目は、MRIで認められた深部脳白質病変、テント下腫瘍病変、後側循環系梗塞様病変であった。認知機能の変化も評価した。テント下腫瘍病変や後側循環系梗塞様病変の進行、認知機能の変化との関連は認められず 片頭痛群の女性145例のうち122例(77%)が、対照群は55例のうち33例(60%)が、深部脳白質病変の進行がみられた[補正後オッズ比(OR):2.1、95%信頼区間(CI):1.0~4.1、p=0.04]。 片頭痛とテント下腫瘍病変進行との有意な関連はみられなかった。片頭痛群では21例(15%)、対照群では57例中1例(2%)で進行がみられた(同:7.7、1.0~59.5、p=0.05)。 新たな後側循環系梗塞様病変の発生は、片頭痛群203例中10例(5%)、対照群は83例中0例(0%)だった(p=0.07)。 片頭痛の回数や頻度と病変進行との関連も認められなかった。 深部脳白質病変がある群での認知機能スコアの変化についても有意な差はみられなかった(片頭痛群-3.7vs. 対照群1.4、95%CI:-4.4~0.2、補正後p=0.07)。

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