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骨折クリニックでのDVスクリーニングは有用

 骨折クリニックを訪れる女性のうち約3分の1は親しい人からDVを受けた経験があると言われている。そこで、クリニックでDVスクリーニングを行うことは有用であるのか、患者調査を行った。マクマスター大学Sprague氏らによる報告。 本調査はカナダとオランダの5施設に通院した患者 750例(男性421例、女性329例)を対象とした。調査方法は匿名、自己申告制の質問票を埋める形とし、1)患者統計、2)DVに対する一般的な態度、3)骨折クリニックにおけるDVスクリーニングに対する許容度、4)いつどのように誰がスクリーニングを行うべきか、といった質問が含まれていた。 主な結果は以下のとおり。・「医療提供者がDVについて尋ねるのに骨折クリニックはよい場所であるか?」という問いに対して、大多数の患者(554例、73.9%)が、「賛成する」または「強く賛成する」と回答した。・「医療提供者は対面のやりとりで積極的にDVをスクリーニングすべきか」という問いに対して、大多数の患者(671例、89.5%)が賛成すると回答した。・「女性」、「高所得」、「高等教育」といった要素は、スクリーニングに対する許容度と有意な相関があることがわかった。

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アジア発、ロタウイルスワクチン定期接種化へのエビデンス

 台湾・国家衛生研究院のWan-Chi Chang氏らは、新生児への2種のロタウイルスワクチン(ロタリックス、ロタテック)接種の有効性について、定期接種導入検討のための情報提供を目的とした症例対照研究を行った。その結果、両ワクチンとも重症急性ロタウイルス胃腸炎に対してすぐれた予防効果を示し、3歳未満時の急性胃腸炎による入院コストを大幅に減らす可能性があることなどを報告した。著者は、「今回の報告は、台湾およびその他アジア諸国の政策立案者に知らせるべきものであり、ロタウイルスワクチン定期接種化に向けた意思決定に役立つものである」とまとめている。Pediatric Infectious Disease Journal誌2014年3月号の掲載報告。 台湾では現在、ロタウイルスワクチンは、ロタリックスとロタテックの2種類が上市されているが定期接種の推奨はされていない。研究グループは、定期接種導入の有益性について政策立案者に情報提供をすることを目的に、台湾新生児における同ワクチンの重症急性ロタウイルス胃腸炎に対する有効性を調べた。 2009年5月~2011年4月に、台湾国内3地点(北・中・南部)の病院サーベイランスに基づく症例対照研究を行った。ロタウイルス胃腸炎であることが検査確認された生後8~35ヵ月齢の入院患児を症例とし、年齢を一致させた対照と、ワクチン接種歴について予防接種カードまたは入院記録により確認し、ワクチンの有効性を算出((1-ワクチン接種オッズ比)×100%)した。 おもな結果は以下のとおり。・2年の間に急性胃腸炎で入院した8~35ヵ月齢児は1,280例であった。そのうち、ロタウイルス陽性であった児(症例群)は184例(14%)であった。残る1,096例のロタウイル陰性児群と、さらに1,183例の非急性胃腸炎患児群から、症例群と年齢を一致させた対照群(904例、909例)を特定し評価を行った。・ロタウイルス陽性群184例のうち、ロタウイルスワクチン接種児は3例(1.6%)で、いずれもロタリックス2回接種例であった。・また、ロタリックス2回接種例は、ロタウイルス陰性児群では14.9%、非急性胃腸炎患児群では18.9%であった。ロタウイルス胃腸炎による入院に対する両群におけるロタリックス2回接種の推定有効率は90.4%(95%CI:70.3~98.1%)、92.5%(同:77.1~98.5%)であった。・ロタテック3回接種例は、ロタウイルス陰性児群では10.6%、非急性胃腸炎患児群では12.0%であった。ロタウイルス胃腸炎による入院に対する両群におけるロタテック3回接種の推定有効率は96.8%(同:82.3~100.0%)、97.1%(同:84.0~100.0%)であった。

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パーキンソン病患者でみられる衝動性にセロトニンが関与か

 パーキンソン病では、たとえ衝動制御障害を認めない場合でも、一般に衝動性がよくみられる。それは、ドパミン過剰遊離、運動制御にかかわる前頭葉-線条体回路における構造変化など、複数の因子が関与していると思われる。さらに、動物による前臨床試験およびヒトの研究から、パーキンソン病における応答阻害に前脳へのセロトニン作動性投射の変化も寄与している可能性が示唆されている。英国・ケンブリッジ大学のZheng Ye氏らは、パーキンソン病患者でみられる衝動性のメカニズムを探り、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)の有用性を明らかにする検討を試みた。Brain誌オンライン版2014年2月27日号の掲載報告。 本研究では、SSRIシタロプラムが、行動および神経メカニズムという観点から応答阻害を改善するか否かについてマルチモーダル磁気共鳴イメージング(MRI)研究を行った。試験デザインは二重盲検無作為化プラセボ対照クロスオーバー試験とし、衝動性などの実行機能を測定する Stop-signal 課題や Go/NoGo 課題を用いて実施した。特発性パーキンソン病患者21例(46~76歳、男性11例、Hoehn & Yahr stage:1.5~3)を対象とし、2つの時期に分けて、通常使用しているドーパミン作動薬にシタロプラム30mgまたはプラセボを追加した。マッチさせた健常対照20例(54~74歳、男性12例)は薬物を投与せずに測定した。行動および局所脳活性に及ぼす疾患と薬物の影響について、一般線形モデルを用いて分析した。さらに、拡散テンソル画像法(DTI)とそれを用いたTract-Based Spatial Statistics(TBSS)法により解剖学的関連性を検討した。 主な結果は以下のとおり。・プラセボ追加群は健常対照群と比較して、Go reaction timeに影響を及ぼすことなくStop-Signal Reaction Timeが長く、NoGo errorsが大きかったことから、パーキンソン病では応答阻害障害が惹起されていることを確認した。・この現象は、右下前頭葉における運動の実行中止に特異的な活性の減弱と関連していたが、NoGoに関連する活性においてプラセボ追加群と健常対照群の間で差は認められなかった。・シタロプラムによる有益な効果は確認されなかったが、より重症例(Unified Parkinson's Disease Rating Scaleの運動スコア高値)においてStop-Signal Reaction Time とNoGo errorsの軽減がみられ、下前頭活性が増強されていた。・シタロプラムに誘発される前頭前野領域の脳賦活の促進と前頭葉-線条体回路における構造連関の保持増強が、行動に影響していた。・シタロプラムの応答阻害に対する行動性への影響は、個々の前頭前野領域の脳賦活および前頭葉-線条体回路連関の相違に依存することが示唆された。また、疾患の重症度とシタロプラムの効果との関連は、前脳へのセロトニン作動性投射の減弱による可能性があると思われた。・これらの結果を踏まえて著者は、「本研究の結果は、認知および行動制御におけるセロトニンの重要な役割に関する広い理解に寄与するとともに、パーキンソン病を対象としたセロトニン作動性薬の臨床試験において、患者を層別化する際の新たなストラテジーを提供しうるものとなる」とまとめている。関連医療ニュース 自閉症スペクトラム障害に対するSSRIの治療レビュー 早漏症にSSRI、NO濃度との関連を確認 閉経期ホットフラッシュにSSRIが有効

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無作為化試験の中断、最も多い理由とは/JAMA

 無作為化試験(RCT)の中断頻度は高く、その理由として最も多いのは被験者不足であることが明らかにされた。スイス・バーゼル大学病院のBenjamin Kasenda氏らが、スイス、ドイツ、カナダの6つの研究倫理委員会がプロトコルを承認した全無作為化試験(RCT)を、レトロスペクティブに調査し報告した。RCT中断は、倫理に対する懸念をもたらし、また乏しい研究資源をすり減らすが、中断された試験がどれほどあるのか、また中断理由などの“疫学”は不明であった。JAMA誌2014年3月12日号掲載の報告より。スイス、ドイツ、カナダでプロトコル承認された全RCTを分析 研究グループは、RCTの中断割合、特徴、公表状況などを確認すること、中断の因子と被験者不足、未発表との関連について調べることを目的に検討を行った。 2000~2003年にスイス、ドイツ、カナダの6つの研究倫理委員会がプロトコルを承認した全RCTを対象に、試験の特徴、被験者募集情報を集め、最終フォローアップ2013年4月27日時点で評価を行った。主要評価項目は、試験の完了状況、報告されていた中断理由、刊行状況で、研究倫理委員会、検索、および研究者サーベイとのやりとりにより確認した。中央値11.6年間で24.9%が中断 追跡期間中央値は11.6年(範囲:8.8~12.6年)であった。その間に包含されたRCT 1,017件のうち、253件が中断していた(24.9%、95%信頼区間[CI]:22.3~27.6%)。そのうち倫理委員会に報告されていたRCTは、わずか96件であった(37.9%、95%CI:32.0~44.3%)。 中断理由として最も多かったのは、被験者不足であった(101/1,017件、9.9%、95%CI:8.2~12.0%)。 また多変量解析の結果、被験者不足による試験中断とならなかったことと関連していたのは、「メーカーが資金提供」(vs. 研究者が資金提供:8.4% vs 26.5%、補正後オッズ比[OR]:0.25、95%CI:0.15~0.43、p<0.001)、「計画時のサンプルサイズ」[100増大につき(-0.7%、OR:0.96、95%CI:0.92~1.00、p=0.04)]だった。 中断試験は、完了試験よりも未公表である傾向が高かった(55.1% vs 33.6%、OR:3.19、95%CI:2.29~4.43%、p<0.001)。

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薬剤溶出ステントの直接比較、1年と5年では異なる結果に/Lancet

 ゾタロリムス溶出ステントとシロリムス溶出ステントを直接比較した多施設共同オープン無作為化試験SORT OUT IIIの1年時点と5年時点の臨床転帰を検証した結果、1年時点ではシロリムスの優越性が有意であったが、5年時点ではシロリムスの優越性が失われていたことが判明した。薬剤溶出ステントの直接比較試験では、主要エンドポイントの評価は伝統的に9~12ヵ月時点で行われてきたが、この時期での評価が最適なのかについては不明なままであった。デンマーク・オーフス大学病院のMichael Maeng氏らによる報告で、Lancet誌オンライン版2014年3月13日号で発表された。ゾタロリムスvs. シロリムス試験、最長5年追跡 SORT OUT III試験は、2種類の異なる薬剤溶出ステントを留置した患者の臨床転帰について評価することを目的に、デンマーク国内5ヵ所の経皮的冠動脈インターベンション(PCI)センターで行われた。18歳以上の症候性適格患者2,332例が無作為に2群に割り付けられ、ゾタロリムス溶出エンデバースプリントステント(米国メドトロニック社製)もしくはシロリムス溶出サイファーセレクトプラスステント(米国コーディス ジョンソン&ジョンソン社製)の留置を受けた。 同試験の主要エンドポイントは、9ヵ月時点の主要重大心イベント(心臓死、心筋梗塞、標的血管再血行再建術の複合)であった。 今回の検討では、最長5年間フォローアップし、エンドポイントとして主要重大心イベントとステント血栓症の発生を含め評価した。分析は、intention to treatにて行った。1年時点まではシロリムスが優位だが、1~5年に逆転 被験者は、ゾタロリムス溶出ステント群1,162例、シロリムス溶出ステント群1,170例だった。 結果、追跡5年時点の主要重大心イベントの発生率は、両群間で同程度であった。ゾタロリムス群17.0%(197/1,162例)、シロリムス群15.6%(182/1,170例)で、オッズ比(OR)1.10(95%信頼区間[CI]:0.88~1.37、p=0.40)だった。 この所見の背景には、1年時点ではゾタロリムス群が有意に高率であったが(OR:2.13、95%CI:1.48~3.07、p<0.0001)、1~5年の間の発生が逆転しシロリムス群で発生が有意に高率となっていたことがあった(OR:0.78、95%CI:0.59~1.02、p=0.071)。 ステント血栓症も1年時点では、ゾタロリムス群の発生頻度が有意に高かったが(OR:3.34、95%CI:1.08~10.3、p=0.036)、1~5年の間の発生が逆転していた(OR:0.05、95%CI:0.01~0.36、p=0.003)。標的血管再血行再建術は、1~5年の間に、ゾタロリムス群30%(26/88例)であったのに対しシロリムス群は77%(54/70例)となっていた。 これらの結果を踏まえて著者は、「薬剤溶出ステント留置患者の5年転帰を、伝統的に行われている1年時点の主要エンドポイント評価で予測するには不十分と思われる」とまとめている。

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薬剤の副作用で死亡し、説明不足を問われたケース

・腫瘍最終判決判例時報 1591号44-54頁概要脳腫瘍の周術期に抗けいれん薬の投与を受けた女性。退院後しばらくしてから全身に掻痒感を伴う皮疹が出現し、次第に悪化、手術から34日後に薬剤アレルギー、肝機能障害と診断され、抗けいれん薬をはじめとする薬剤が中止された。ところがやがて高熱を発するようになり、中毒疹が出現、中毒性表皮融解壊死症(TEN)と診断されて、手術から46日後に死亡した。裁判では、退院時の「何かあればいらっしゃい」という担当医師の説明が不十分とされ、情報提供義務違反と判断された。詳細な経過経過1988年10月18日右前頭部の髄膜腫手術目的でA大学病院脳神経外科に入院。約20年前の手術時に、薬剤によると思われる皮疹の既往症について申告していた。10月22日抗けいれん薬としてバルプロ酸ナトリウム(商品名:デパケン)開始。10月27日腫瘍摘出手術。10月28日抗けいれん薬をフェニトイン(同:アレビアチン)、フェノバルビタール(同:フェノバール)に変更。11月15日便秘に対しフェノバリン(同:ラキサトール)処方。11月16日術後経過は良好で退院。その後は近医B病院の通院を希望したため、「変わったことがあれば、紹介先のB病院で、すぐみてもらってください」と指示。11月20日頃全身に掻痒感を伴う発疹が出現。11月30日B病院で薬剤アレルギー、肝機能障害の診断を受け、フェニトイン、フェノバルビタール、フェノバリンは中止し、バルプロ酸ナトリウムに変更された。12月2日A大学病院に全身掻痒感を伴う発疹を主訴に外来受診、担当医はフェニトインによる薬剤性湿疹と判断。12月3日高熱を発し、緊急入院。この時点で抗けいれん薬(バルプロ酸ナトリウム)は中止。12月5日次第に症状は悪化し、中毒疹が出現。12月8日中毒性表皮融解壊死症(TEN)と診断され、パルス療法などが行われたが、12月12日全身状態が悪化して心不全により死亡した。当事者の主張患者側(原告)の主張薬剤アレルギー体質であった患者には、より副作用の弱いバルプロ酸ナトリウムを投与するべきであったのに、劇薬・要指示薬であり副作用発生の可能性の強いフェノバルビタール、フェニトインを投与したのは注意義務違反である。1.担当医師は薬剤の副作用に関する説明をまったくしなかったのは説明義務違反である2.退院に際し、「何かあればいらっしゃい」では不適切で、「皮疹がでた場合には連絡するように」あるいは「薬には効果がある反面、副作用というものがあるからたとえば皮膚に斑点がでてきたとか、かゆみとか何か変わったことが起きたら医師に知らせなさい」と説明するべきであり、情報提供義務違反があった病院側(被告)の主張けいれん発作を起こしやすい髄膜腫の術後には、抗けいれん薬の投与は不可欠であり、フェノバルビタールとフェニトインの併用は現在もっとも用いられる投与方法であり適正なものであった。1.担当医師は発症する確率のきわめて低い副作用のことまで説明する義務はない2.患者に不安を与えないように、しかもすべての副作用を漏らさず説明することは困難きわまりないことである。とくに副作用を重視しての説明は、かえって治療効果上好ましくない結果を招来することがあるので、情報提供義務違反とはいえない裁判所の判断1.フェニトイン、フェノバルビタールを投与したことおよびその量、両剤の併用について注意義務違反を認めることは困難である2.フェニトインなどの投与の際に副作用についての説明をしていたからといって、ほかの抗けいれん薬を選択してTENの発症を防ぐことができたということはできないので、説明義務違反とはいえない3.退院に際しては、単に「何かあったらいらっしゃい」という一般的な注意だけでなく、「けいれん発作を抑える薬を出しているが、ごくまれには副作用による皮膚の病気が起こることもあるので、かゆみや発疹があった時にはすぐに連絡するように」という程度の具体的な注意を与えて、早期に異常を発見し、投薬を中止することができるよう指導する情報提供義務があったのに、これを怠った過失がある原告側合計2,200万円の請求に対し、330万円の判決考察このケースは第1審で原告敗訴、すなわち病院側には過失なしと判定されましたが、第2審では「薬剤の副作用に関する説明不足は過失である」と厳しく判断されました。そして、薬剤の効能書に「TEN」発症についての情報が記載されている限り、「医師に対し一般的に知らされている事実」と認定され、たとえ発症の可能性はきわめてまれであっても、十分に予見可能な副作用と判断されることになります。ちなみに病院側は、「一般的に薬剤を投与した場合の薬疹発症率は約1.1%、薬疹を発症した患者のうちTENを発症するのは約0.2%のため、薬剤を投与してTENを発症する確率はわずか0.0022%にすぎない」ため、「そのようなまれな副作用まで説明する義務はない」と主張しましたが、裁判官には受け入れられませんでした。実際の臨床では、このようなごくまれな副作用まできちんと説明する時間的余裕はほとんどないと思います。そして、そのような細かな危険にまでいちいち言及すると、「そんなに怖いことが起きるのなら、この薬は飲みたくありません」という患者さんも少なくないのではないかと思います。この点は病院側の「通常薬剤を投与して発症しうる副作用は多岐にわたっているため、患者に不安を与えないようにしかもすべての副作用を漏らさず説明することは困難極まりない。とくに副作用を重視すると、患者にとって不可欠な治療効果を持った薬剤でさえ、患者の服薬拒否を引き起こす可能性がある」というコメントは理にかなっており、多くの先生方が賛同するのではないかと思います。しかし今回の判決により、「薬を投与後に何かあればいらっしゃい」という説明では不十分であることが示されました。とすれば、今後のわれわれの診療では、「あなたには○○○の効果を持つ薬を出しているが、ごくまれには副作用による皮膚の病気が起こることもあるので、かゆみや発疹があった時にはすぐに連絡するように」と説明し、かつそのことをカルテに記載しなければ、厳密には医療過誤から身を守れないことになります。とはいうものの、日頃われわれが使用する薬剤は何百とあるわけではなく、整理すれば数十種類に落ち着くと思います。そこで頻繁に使用する薬剤については一度効能書を見直し、自分なりの防御策をご検討されてはいかがでしょうか。そして、最近では薬剤師の方から情報提供することによって、若干ながらの保険点数も認められるようになりましたので、身近なスタッフをできる限り動員し、患者さんへの情報提供を進めていくのが得策ではないかと思います。・腫瘍

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新規の吸入器、操作説明書を読むだけで99.3%が正しく操作

 喘息治療薬の新たな吸入器エリプタは、従来吸入器と比べて、誤操作の発生頻度が有意に低く、被験者の99.3%が操作説明書を読むだけで重大な誤操作を生じることなく操作可能であったことが、日本人を対象とした検討の結果、示された。聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院呼吸器内科の駒瀬 裕子氏らが、ドライパウダー吸入器の使用経験がない149例を対象とした薬剤非介入、無作為化非盲検試験の結果を報告した。エリプタは、同じく新規開発の1日1回吸入タイプのICS/LABA配合剤、フルチカゾンフランカルボン酸エステル(FF)/ビランテロール(VI)(商品名:レルベア)のデバイスとして開発された。アレルギー・免疫誌2014年1月号掲載の報告。年齢中央値65歳149例を対象に、3つのデバイスの操作性を評価 試験は、単施設(都内クリニック)で、他吸入器対照、3群クロスオーバーのデザインにて行われた。 研究グループは149例(年齢中央値65歳、うち男性75例)を、3つのデバイス[エリプタ(EP)、ディスカス(DK)、タービュへイラー(TH)]について異なる順番でデバイス操作の評価を受けるよう、6つの評価群に無作為に割り付けた。被験者に操作説明書を渡し、納得するまで読んでもらった後、操作手技を実演してもらい1回目の評価。次に評価者が実演した後、被験者に実演してもらい2回目の評価。2回目の操作が正しくできた場合は、次の吸入器の評価に移行するという方法で試験を進めた。2回目も誤操作した場合は、正しく操作できるまで指導を繰り返し、その時間を測定・記録した。 主要評価項目は、1回目の操作における誤操作の発生頻度とした。1回目に重大誤操作発生はEP群0.7%に対し、DK群19.5%、TH群68.5% 結果、1回目の操作で誤操作を生じた被験者の割合は、EP群2.7%(95%信頼区間[CI]:0.7~6.7)であった一方、DK群38.3%(同:30.4~46.6)、TH群83.2%(同:76.2~88.8)で、エリプタを基準としたオッズ比はDK群22.46(同:7.88~63.97)、TH群179.77(同:60.91~530.58)であった。 また、1回目の操作で「重大」な誤操作を生じた被験者の割合はそれぞれ、0.7%(同:0.0~3.7)、19.5%(同:13.4~26.7)、68.5%(同:60.3~75.8)であり、オッズ比はDK群35.74(同:4.80~266.07)、TH群320.99(43.61~2,362.56)であった。EP群で1回目の操作で重大な誤操作および誤操作を生じた被験者の割合は、他の両デバイス群と比較して有意に低かった(p<0.0001)。 このほか、被験者への質問票に基づく吸入器の操作性に関する評価では、最も操作しやすい吸入器としてエリプタを選択した被験者は121例(81.2%)であった[DK 24例(16.1%)、TH 4例(2.7%)]。エリプタを選択した理由としては、「操作方法のシンプルさ」が112例(75.2%)で最も多かったことが示されている。 以上を踏まえて著者は、「エリプタは、ドライパウダー吸入器の使用経験がない被験者でも、操作説明書を読むだけで99.3%が重大な誤操作を生じることなく操作することができた。このことから、正しい操作が容易に達成できる吸入器であることが確認できた」とまとめている。

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認知症患者の調子のよい日/ 悪い日、決め手となるのは

 認知症は患者の実体験に影響を及ぼす重大な疾患にもかかわらず、症状変動に関する研究報告はレビー小体型認知症を除けば少ない。カナダ・ダルハウジー大学のKenneth Rockwood氏らは、アルツハイマー病(AD)および混合型認知症患者における症状変動の特徴を明らかにするため質的検討を行った。International psychogeriatrics誌オンライン版2014年2月24日号の報告。 対象は地域住民患者52例(女性:30例、年齢:39~91歳、軽度認知症:26例、ADが主体の認知症患者:36例)。対象患者の調子のよい日、悪い日(good days/ bad days)を記載した情報を含む健康記録の定性分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・調子のよい日/ 悪い日は、ほとんどの場合、主な症状の変化(たとえば反復言語の少/多)と同様に観察された。・その他のケースでは、調子のよい日のみ、または悪い日のみで観察された。たとえば、ユーモアセンスは調子の悪い日はないが、良い日はユーモアセンスが良い。・概して、調子のよい日は、全体的な認知、機能、興味、イニシエーションの改善と関連していた。・調子の悪い日は、頻繁な反復言語、物忘れ、興奮症状や他の破壊的行動の増加と関連していた。 著者らは、「ADおよび混合型認知症患者では、臨床的に重要な症状変動が一般的に起こる。調子のよい日を増やすことは、悪い日の増減ほど簡単ではないが、よい日を促進・喚起し悪い日を減らす要因について、より詳細な調査することが、認知症患者や介護者のQOL改善に重要である」とまとめている。関連医療ニュース 日本人若年性認知症で最も多い原因疾患は:筑波大学 認知症のBPSDに対する抗精神病薬のメリット、デメリット たった2つの質問で認知症ルールアウトが可能

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メタ解析の新たな問題/BMJ

 ネットワークメタ解析からの所見報告は、記述方法が不均一であることが、フランス・オテル=デュー病院のAida Bafeta氏らによる系統的レビューの結果、報告された。著者は、背景には報告要項に関するコンセンサス不足があるのではないかとして、執筆者および読者がネットワークメタ解析の報告を批判的に検証できるよう、報告書に関するガイドライン整備の必要性を提言した。ネットワークメタ解析の所見については、臨床医および担当医がどう解釈をしたらよいのか困難な場合がある。また、報告書式の不備が解析に影響をもたらす可能性や、臨床研究者をミスリードする可能性もあることから本検討は行われた。BMJ誌オンライン版2014年3月11日号掲載の報告より。報告の記述方法がどのような状況かを系統的レビュー ネットワークメタ解析報告の方法論に関する系統的レビューは、Cochrane Database、Database of Abstracts of Reviews of Effects、Medline、Embaseをデータソースに、各ソースの提供開始~2012年7月12日を文献検索範囲として行われた。 無作為化試験で3つ以上の介入方法の臨床的効果を比較しているすべてのネットワークメタ解析を適格とし(オープンループ型で3つの介入をメタ解析しているものは除外)、報告方法と結果について評価した。具体的には、ネットワークに関する説明(介入数、直接比較、無作為化試験、各比較群の患者について)および効果サイズ(直接的エビデンス、間接的エビデンス、ネットワークメタ解析について)の複合アウトカムを評価した。ネットワークまたは効果サイズに関する説明、98%に不備 レビューには121本のネットワークメタ解析が包含された。うち55本は総合誌で発表されたものであり、また48本が1つ以上の民間事業体から資金提供を受けたものであった。 分析の結果、100本(83%)において、ネットワークおよびそのジオメトリー(ネットワーク図)に関する説明が報告されていなかった。また効果サイズは、直接的エビデンスについては48本(40%)、間接的エビデンスは108本(89%)、ネットワークメタ解析については43本(36%)で報告されていた。 介入に関するランク付けをしていたのは52本あったが、うち43本はランク付けの不確実性について報告がなかった。 全体として119本(98%)が、ネットワークまたは効果サイズ(直接的エビデンス、間接的エビデンス、ネットワークメタ解析)の説明が報告されていなかった。 以上の所見は、ジャーナルのタイプ、資金調達ソースを問わず認められたという。

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身近にファストフード店が多いほど肥満になりやすい/BMJ

 自宅周辺、職場周辺、通勤経路別に、ピザやバーガーといったいわゆるファストフード店への曝露と、それら食品のテイクアウト消費および体重との関連について調べた結果、用量依存の有意な関連があることが明らかにされた。英国・ケンブリッジ大学医学部のThomas Burgoine氏らが、ケンブリッジシャー州で行った住民ベースの断面調査研究の結果、曝露が大きいほど消費量、体重は増加し、曝露環境別では職場周辺の関連が最も強かったことを報告した。また3つの環境曝露を複合し四分位範囲で分類して評価した結果、最大曝露環境下の人は最小曝露環境下の人と比べて、BMIが相対指数で1.21倍高く、肥満リスクは1.80倍高かったことも示されている。BMJ誌オンライン版2014年3月13日号掲載の報告。労働者対象に自宅、職場、通勤時のテイクアウト食店曝露と消費、体重の関連を評価 英国では過去10年で、外食費支出が29%増加しているという。テイクアウト食店への曝露と食事や体重への影響についてはこれまでも検討されているが、大半が住宅近隣に焦点が当てられていた。そのためエビデンスは不確かなのだが、健康ダイエットを推進する政策立案者は近年、身近なテイクアウト食利用を減らす取り組みをますます行うようになっていた。 そこで研究グループはあらためて同関連を自宅、職場、通勤経路別に調べるため、ケンブリッジシャーで行われたFenland研究に参加した成人労働者(5,442例、29~62歳)を対象に調査を行った。 参加者から自宅、職場住所と通勤経路を提示してもらい、テイクアウト食店曝露を環境要因(自宅、職場、通勤経路)別に、また3環境要因複合において算出。その程度を四分位範囲に分類し(Q1:最小曝露、Q4:最大曝露)評価した。 主要評価項目は、自己報告(摂取頻度の質問票に回答)によるテイクアウト食の消費量(g/日;ピザ、バーガー、揚げ物、チップス)、BMI測定値、WHO定義のBMI分類であった。曝露が大きいほど消費は増大し、BMI増大、肥満リスクとも強く関連 多重線形回帰分析の結果、テイクアウト食店曝露とテイクアウト食消費との関連は明確であった。環境要因別にみると、職場における関連が最も強く(Q4 vs. Q1のβ係数:5.3g/日、95%信頼区間[CI]:1.6~8.7、p<0.05)、用量依存のエビデンスが認められた。 同様に、3つの環境要因複合曝露と消費との関連も曝露用量依存のエビデンスが認められ、曝露が大きいほど消費は有意に増大した(Q4 vs. Q1のβ係数:5.7g/日、95%CI:2.6~8.8、p<0.001)。複合曝露はとくに、BMI増大(Q4 vs. Q1のBMI相対指数:1.21、同:0.68~1.74、p<0.001)、肥満リスク(Q4 vs. Q1のオッズ比:1.80、同:1.28~2.53、p<0.05)と強く関連していた。

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安静時下肢痛は腰椎椎間孔狭窄のサイン:横浜市立大学

 腰椎脊柱管狭窄症の特徴的な症状は歩行時下肢痛および間欠跛行で、安静時下肢痛は腰椎椎間板ヘルニアに特有の神経学的症状とされている。これまで、安静時下肢痛と腰椎椎間孔狭窄との関連は報告されていなかったが、横浜市立大学の山田 勝崇氏らは前向き研究を行い、安静時下肢痛はL5/S1椎間孔狭窄に特徴的であることを明らかにした。European Spine Journal誌2014年3月号(オンライン版2013年10月1日号)の掲載報告。 研究グループは、L5神経根圧迫による片側の下肢痛を主訴に来院した腰椎椎間孔狭窄症患者の臨床的特徴を明らかにする目的でプロスペクティブ研究を行った。 L5/S1椎間孔狭窄のためL5 /S1腰椎椎体間固定術を施行した38例(FS群)と、L4/5脊柱管狭窄症のためL4/5の除圧あるいは除圧固定術を施行した60例(CS群)について、臨床的および神経学的所見を比較した。  主な結果は以下のとおり。・FS群とCS群で人口統計学的に有意差が認められたのは安静時下肢痛であった。・安静時下肢痛の有症状率は、 CS群(35%)よりFS群(76%)で有意に高かった。・安静時下肢痛の強度(VAS)も、CS群(1.3±1.9)よりFS群(6.6±3.1)で有意に強かった。

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ACTH非依存性クッシング症候群の病因解明に大きく前進(コメンテーター:成瀬 光栄 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(188)より-

ACTH非依存性クッシング症候群は、副腎からのコルチゾールの自律性分泌により高血圧や糖尿病などをきたす疾患で、副腎腺腫と両側が結節性過形成になるACTH非依存性大結節性副腎過形成(AIMAH)が主な病型である。 通常、前者では腺腫側の副腎摘出で治癒するのに対して、後者では両側副腎摘出が必要なことが多く、副腎不全による永続的なホルモン補充が必要となる。いずれも成因は不明であったが、本論文により、顕性クッシング症候群の約1/3の例で、プロテインキナーゼA(PKA)の触媒サブユニットをコードするPRKACAのsomatic mutationを認めることが明らかにされた。この変異は、サブクリニカルクッシング症候群やその他の副腎腫瘍では見られず、顕性クッシング症候群に特異的であると考えられる。 さらに、AIMAHでは1/7例でPRKACAのある第19染色体のgermline duplicationを認めた。PRKACAの変異はPKA活性を増加することも示されたことから、PKAの触媒サブユニットの遺伝子変異が、ACTH非依存性クッシング症候群の成因と密接に関連することが示唆される。 これらの結果は、本病態の新たな分子標的薬の開発や、AIMAHの早期診断、および高血圧や糖尿病発症前の予防的治療に繋がることが期待され、大変興味深い。 一方、腺腫例の約2/3、AIMAHの6/7ではこれらの異常を認めず、昨年11月に発表された、16染色体にあるARMC5の変異(Assié G, et al. N Engl J Med. 2013; 369: 2105-2114.)など、その他の異常の関与が示唆される。 また、サブクリニカルクッシング症候群は顕性クッシング症候群の軽症例と考えられてきたが、今回の結果から成因が全く異なる可能性もあり、今後のさらなる研究が期待される。

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ゴキブリはピロリ菌を媒介するかもしれない【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第15回

ゴキブリはピロリ菌を媒介するかもしれないピロリ菌はおそらく経口感染であることは示唆されていますが、現時点で感染経路についてのコンセンサスはありません。消化器内科医や感染症科医にとっては有名な話かもしれませんが、ピロリ菌(Helicobacter pylori)を媒介する生物としてゴキブリ説があります。―――私はゴキブリが嫌いです。なぜかと問われても論理立てて説明できないのですが、とにかくキライなものはキライなんです。というわけで、ここではその写真を決して掲載しませんのでどうぞご安心ください。なんだかゴキブリと書くだけで寒気がしそうなので、申し訳ありませんが、この記事ではゴキブリのことを便宜的に「コックさん」と書かせてください。コックローチのコックさんです。Imamura S, et al.Vector potential of cockroaches for Helicobacter pylori infection.Am J Gastroenterol. 2003;98:1500-1503.この論文は、ピロリ菌の媒介生物としてコックさんを検証したものです。コックさんは3日間の絶食の後、ピロリ菌が含まれる環境と含まれない環境で餌と水を与えられました。その後、汚染されていない容器に移し、コックさんの足や体といった外殻部分と排泄物に対して、迅速ウレアーゼ試験やPCRを用いてピロリ菌の存在を調べました。コックさんを容器に移してから24時間後の排泄物からは、ピロリ菌が培養されました。迅速ウレアーゼ試験は3日後まで、PCRは7日後まで陽性が続きました。それに対して、コックさんの外殻からはピロリ菌はほとんど検出されませんでした(PCRは1日後まで陽性)。この結果、コックさんの排泄物が媒介となる可能性が示唆されました。ただ、ヒトにピロリ菌を媒介したということを証明した試験ではないため、あくまで一つの説として位置付けておくべきかもしれません。コックさんは小児のアレルギーや気管支喘息を起こす生物として知られており(Curr Opin Allergy Clin Immunol. 2013;4:417-425.、J Allergy Clin Immunol. 2003;112:87-92.)、家からコックさんを追い出すことに個人的には異論はありません。

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朝食をとる頻度が握力に相関~日本人での横断的研究

 定期的な朝食の摂取が健康上のベネフィットに関連しているという研究がいくつか報告されているが、朝食摂取頻度と筋肉機能との関連を検討した研究は数報しかない。東北大学大学院医工学研究科 永富 良一氏らのチームでは、健常な日本人(成人)の朝食摂取頻度と筋力との関連性を横断的研究により調査したところ、これらの間に正の相関が認められたとした。Nutrition, metabolism, and cardiovascular diseases誌オンライン版2014年1月21日号に掲載。 本研究は、2008~2011年に仙台市内の19~83歳の日本人従業員(男性1,069人、女性346人)が参加し、実施された。ハンドヘルドデジタル握力計によって測定された握力を、筋力の指標として用いた。前の月の朝食摂取頻度を簡単な自記式食事歴法質問票を用いて評価し、その結果を3つのカテゴリ(低頻度:週に2日以下、中頻度:週に3〜5日、高頻度:週に6日以上)に分類し分析した。主に社会人口統計、生活習慣および健康関連因子を含む共変量での共分散分析を用いて、多変量解析を行った。 主な結果は以下のとおり。・潜在的交絡因子の調整後、握力が朝食摂取頻度と正相関することが示された[幾何平均(95%信頼区間):低頻度群36.2kg(35.7~36.8)、中頻度群36.7kg(36.0~37.5)、高頻度群37.0kg(36.6~37.5)、傾向のp=0.03]。・体重当たりの握力(kg/kg)も朝食摂取頻度と正相関することが示された(傾向のp=0.01)。

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海水温泉浴+ナローバンドUVBが乾癬治療に有用

 乾癬治療として、アイスランド大学のJenna Huld Eysteinsdottir氏らは、海水温泉浴+ナローバンドUVB(NB-UVB)療法とNB-UVB単独療法を比較する無作為化試験を行った。同治療として、海水浴+NB-UVB療法はすでに知られている。今回の検討では、海水温泉浴併用について標準療法と強化療法を設定し、NB-UVB単独を含め3つのUVB療法について比較することが目的であった。Photodermatology Photoimmunology & Photomedicine誌2014年2月号(オンライン版2013年12月10日号)の掲載報告。 研究グループは、乾癬外来患者を、海水温泉浴+NB-UVB標準療法、海水温泉浴+NB-UVB強化療法、NB-UVB単独療法の3群に無作為化し、6週間にわたり治療を行い、その効果について比較する検討を行った。標準療法群は週3回、強化療法群は毎日、NB-UVB単独群は週3回治療を行った。 疾患重症度(PASI、Lattice System Physician's Global Assessmentスコア)、QOL(皮膚状態に関連する生活の質:DLQI)、治療前・中・後に評価した組織学的変化を評価した。主要エンドポイントは、6週時点のPASI 75達成患者の割合であった。 主な結果は以下のとおり。・被験者は68例であった。・6週時点のPASI 75およびPASI 90の達成患者の割合は、海水温泉浴併用療法の標準療法(週3回)群で68.1%と18.2%、強化療法(毎日)群で73.1%と42.3%と、いずれもNB-UVB単独群の16.7%と0%と比べて有意に多かった(すべての比較についてp<0.05)。・臨床的改善は、QOLの改善、組織学的スコア、NB-UVB用量の減少と連動していた。・これらの結果を踏まえて著者は、「乾癬患者について、NB-UVBと海水温泉浴の組み合わせは、速やかな臨床的および組織学的改善をもたらし、寛解期を長期に維持し、NB-UVB単独療法よりも低用量のNB-UVB治療を可能とする」とまとめている。

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扁桃体腫大を伴う側頭葉てんかんの特徴は:国立精神・神経医療研究センター

 国立精神・神経医療研究センターの木村 有喜男氏らは、片側性の扁桃体腫大を伴う側頭葉てんかんについて、臨床的、形態学的および病理学的特徴を明らかにする検討を行った。23例のMR画像を分析した結果、皮質形成異常が扁桃体腫大の病理診断の1つとなりうること、また一部の患者では皮質形成異常が側頭極にまで及んでいる可能性があることなどを報告した。Journal of Neuroimaging誌オンライン版2014年3月5日号の掲載報告。 本検討は、23例の側頭葉てんかんで同側性の扁桃体腫大を伴う患者の、臨床データおよび画像データをレトロスペクティブに検討した。23例のうち14例についてはFreeSurferおよびvoxel based morphometry(VBM)により、3.0テスラMRI画像データが入手できた対照20例との比較で形態学的な分析を行った。また手術例2例については病理学的検討も行った。 主な結果は以下のとおり。・被験者は2例を除き、薬物療法にて無発作または劇的改善をみた。・手術例の病理学的検討から、いずれも扁桃体から同側の側頭極まで皮質形成異常が認められたことが示された。・FreeSurferにより、患側と健側とに有意な扁桃体容積差が認められた。・VBMにより、患者14例のうち7例で(50%)、扁桃体腫大側における側頭極の灰白質量に有意な増大が認められた。関連医療ニュース ベンゾジアゼピン部分アゴニスト、新たなてんかん治療薬として期待 新規の抗てんかん薬16種の相互作用を検証 日本の高齢者てんかん新規発症、半数以上が原因不明:産業医大

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高度貧困地域からの転出、男児は精神障害リスクが増大/JAMA

 米国の高度貧困地域に住む子供が、家族と共に低所得者居住地域に引っ越すことで、男児では思春期におけるうつ病や心的外傷後ストレス障害(PTSD)といった精神障害の発症リスクが2~3倍増大することが報告された。一方で女児については、同引っ越しにより、思春期のうつ病や行為障害の発症リスクが4~9割減少した。米国・ハーバードメディカルスクールのRonald C. Kessler氏らが、小児約3,700例について行った前向き無作為化比較試験の結果、報告した。高度貧困地域の子供は思春期に心の問題を抱える青少年が多い。本検討は、地域への介入について、地域が与える影響を理解することを目的に、小児期への住環境介入とその後の思春期の精神障害との関連を調べた。JAMA誌2014年3月5日号掲載の報告より。小児と家族を低所得者地域、または地域制限なしで転出補助 研究グループは1994~1998年にかけて、米国の高度貧困地域に住む4,604家族とその子供たち3,689例を対象に試験を行った。対象家族を無作為に3群に分け、第1群には低所得者居住地域への引っ越しについて家賃補助を行うとともに、引っ越しに関するカウンセリングを強化した(対象小児は1,430例)。第2群には、引っ越し地域は設けず家賃補助を行った(同1,081例)。第3群はコントロール群として、何の介入も行わなかった(同1,178例)。 10~15年後(2008年6月~2010年4月)に、13~19歳の被験者(試験開始時には0~8歳)について追跡調査(面談調査)を行った。主要アウトカムは、「精神障害の診断と統計の手引き」(第4版)に基づく、過去12ヵ月間の精神障害症状の有無だった。男児はうつ病リスクが2.2倍、PTSD、行為障害は3倍以上 追跡時の面談調査を行ったのは、3,689例中2,872例で、そのうち男児は1,407例、女児は1,465例だった。 男児において、コントロール群では大うつ病罹患率は3.5%だったのに対し、低所得者居住地域転出群では7.1%と、2倍以上だった(オッズ比:2.2)。PTSDはそれぞれ1.9%と6.2%(オッズ比:3.4)、行為障害は2.1%と6.4%(オッズ比:3.1)と、いずれもリスクは3倍以上だった。 一方で女児では、地域制限なし転出群でコントロール群に比べ、大うつ病や行為障害の罹患率がそれぞれ4割と9割の減少がみられた。コントロール群では、大うつ病の罹患率は10.9%、行為障害は2.9%だったのに対し、地域制限なし転出群ではそれぞれ6.5%(オッズ比:0.6、p=0.04)と0.3%(同:0.1、p=0.02)だった。なお、低所得者居住地域転出群についてはそれぞれ6.5%(同:0.6、p=0.06)、1.5%(同:0.5、p=0.20)だった。

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深部静脈血栓症の除外診断で注意すべきこと/BMJ

 WellsルールとDダイマー検査による深部静脈血栓症(DVT)除外診断は、性別やDダイマー検査の種別、プライマリ・ケアか入院時かなどを問わず、がん患者を除き有効であることが示された。ただしDVT再発が疑われる場合には、Wellsスコアに1ポイント加えるといった注意が必要となる。オランダ・ユトレヒト大学医療センターのG J Geersing氏らが、13試験についてメタ解析を行った結果、報告した。これまでの試験結果から、患者全般についてWellsルールとDダイマー検査がDVT除外診断に有効であることは知られていたが、がん患者などのサブグループについての有効性については議論が分かれていた。BMJ誌オンライン版2014年3月10日号掲載の報告より。Wellsスコア1以下+Dダイマー検査結果の陰性でDVTリスク1.2% 同研究グループは、連続するDVT疑いの患者を対象に、Wellsルールを適切に用いた13試験、被験者総数1万2例についてメタ解析を行った。WellsルールとDダイマー検査の除外診断における有効性について、性別やプライマリ・ケアか入院時ケアかなど別に、サブグループ分析を行った。 被験者のうち、DVTの確定診断を受けたのは1,864例だった。Wellsスコアの増大は、DVT有病率の増大に関与していた。推定有病率は、がん患者やDVT再発の疑われる患者、また男性でおよそ2倍に増大した。 Wellsスコア1以下とDダイマー検査結果の陰性は、被験者の29%(95%信頼区間:20~40)に認められ、DVTリスク1.2%との関連があった(同:0.7~1.8)。この結果は、Dダイマー検査の種別(定性検査または定量検査)や、被験者の性別、プライマリ・ケアか入院時か、といったサブグループにおいても一貫していた。がん患者ではWellsスコア1以下+Dダイマー検査の陰性は9%のみ 一方でがん患者については、Wellsスコアが1以下とDダイマー検査の陰性が認められた人は9%に留まり、DVT有病率の2.2%と関連があった。 そのため同グループは、がん患者については、Wellsスコア1以下とDダイマー検査の陰性によるDVT除外診断で有病率が2%を超えており安全ではなく、また効果的でもないと結論づけた。 なお、DVTの再発が疑われる人については、Wellsスコアに1ポイントを加えることで、安全性が高まり、有用であるとした。■「深部静脈血栓症」関連記事下肢静脈瘤で深部静脈血栓症のリスク約5倍/JAMA

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