サイト内検索|page:1418

検索結果 合計:35138件 表示位置:28341 - 28360

28341.

河川や水道水で抗うつ薬検出:東ヨーロッパ

 抗うつ薬は低濃度曝露であっても、脊椎動物・無脊椎動物のいずれにおいても中枢系および末梢神経系を通じてホメオスタシスを妨げ、水生生物に若干の有害作用をもたらす可能性がある。これまで東ヨーロッパの河川または水道水における、抗うつ薬の存在に関する報告はなかったことから、ポーランド・ワルシャワ大学のJoanna Giebultowicz氏らは、21種の抗うつ薬の出現について、ポーランドの主要河川であるヴィスワ川の特異的地点と、ワルシャワ近郊の小さな川であるウトラタ川、そしてワルシャワの水道水について調べた。その結果、河川からは21種のうち11種が、水道水からは同5種が検出されたことなどを報告した。本調査は、東ヨーロッパの水資源中の抗うつ薬の含有状況についての最初の調査報告であった。Ecotoxicology and Environmental Safety誌オンライン版2014年3月14日号の掲載報告。 月に2回の頻度で検体を集め、固相抽出(SPE)法、液体クロマトグラフ質量分析計(LC-MS/MS)、多重反応モニタリング(MRM)を用いて分析した。ポーランドにおける抗うつ薬の環境リスクアセスメントは、NFZ(Narodowy Fundusz Zdrowia国民保健サービス)の年報データ(医薬品の償還に関する)を基礎として推定し、ターゲット医薬品の環境中濃度(PEC)の予測値と、実測濃度(MEC)を比較した。また、抗うつ薬の環境リスクアセスメントに関するEMEA/CHMPガイドラインの適用についても考察した。 主な結果は以下のとおり。・モクロベミドやトラゾドンといった抗うつ薬が環境中に存在するかが調べられたのは本検討が初めてであった。・モクロベミド、ベンラファキシン、シタロプラムの検出濃度が最も高かった。・河川からは21種のうち11種の抗うつ薬が検出された。・最も高い濃度の抗うつ薬が観察されたのは、小さい川であるウトラタ川であった。・水道水では、シタロプラム(痕跡量:最高1.5ng/L)、ミアンセリン(最高0.9ng/L)、セルトラリン(<3.1ng/L)、モクロベミド(最高0.3ng/L)、ベンラファキシン(最高1.9ng/L)の5種の抗うつ薬だけが検出された。・一方で、このことは飲用水処理施設での不十分な除去状況を浮き彫りにした。・飲用水および水資源中における抗うつ薬の検出は、長期にわたる低曝露が起きていることを示唆するものであり、とくに、医薬品間の相互作用が起きている可能性があることを示すものであった。関連医療ニュース 難治性うつ病に対する効果的な治療は何か 双極性障害に抗うつ薬は使うべきでないのか 認知症患者の調子のよい日/ 悪い日、決め手となるのは

28342.

内視鏡中に音楽をかけると不安が減少する【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第16回

内視鏡中に音楽をかけると不安が減少する私は呼吸器内科医なので、内視鏡といえば基本的に気管支鏡を意味します。当院では気管支鏡の手技中には音楽をかけていませんが、咽頭喉頭にリドカインを噴霧する際に音楽をかけています。いわゆる癒し系ミュージックやクラシック音楽が主体です。Triller N, et al.Music during bronchoscopic examination: the physiological effects. A randomized trial. Respiration. 2006; 73: 95-99.気管支鏡検査は事前に「咳が出る検査だ」という情報を得るため、声が出せずに息が止まってしまうのではないかと不安を覚える患者さんは少なくありません。気管支鏡中の患者さんの不安を軽減することができれば気管支鏡検査を滞りなく行うことができるのではないか、と考えた筆者らによってこの研究が報告されました。この研究は、気管支鏡中にリラクゼーション音楽をかけることで不安症状の改善が得られるかどうか、血圧や心拍数の変化を抑制できるかどうかを調べたものです。試験期間中、200人の成人患者さんが登録されました。気管支鏡後、患者さんには気管支鏡の手技について0点(問題なかった)から10点(最悪だった)のスコアリングをお願いしました。200人のうち、93人が音楽群、107人が非音楽群にランダムに割り付けられました。これら2群の患者背景に差はみられませんでした。平均手技時間もそれぞれ12.7±6.5分、11.9±6.0分と同等で、スコアリングについても4.6±2.5点、4.6±2.6点と差はありませんでした。しかしながら、手技後の平均心拍数(87.7±14.4/分 vs. 92.7±17.4/分、p = 0.03)、平均収縮期血圧(142.9±21.9 mmHg vs. 149.6±22.4 mmHg、p = 0.03)、平均拡張期血圧(77.6±12.8 mmHg vs. 82.3±12.7 mmHg、p = 0.01)は音楽群のほうが有意に低いという結果でした。確かに手技後のバイタルサインに差はあるようですが、これをもって音楽による不安症状の軽減というには少し飛躍があるような気がします。過去にも同様の研究結果が発表されたことがあるのですが、その結果は一定していません。咳嗽や不快感を軽減したという報告もあれば(Chest. 1995; 108: 129-130.)、ヘッドフォンで音楽を流しても不安症状の軽減がみられなかったとする報告もあります(Chest. 1999; 116: 819-824.)。気管支鏡ではなく消化器内視鏡ではどうかというと、上部消化管内視鏡検査でも同様に不安の軽減がメタアナリシスで報告されています(Endoscopy. 2007; 39: 507-510.)。下部消化管内視鏡にいたっては、内視鏡時の疼痛を軽減したという報告まであります(Dig Liver Dis. 2010; 42: 871-876.)。検査中に音楽を流しても決して害はありませんので(ヘビメタなどはもしかしたら好き嫌いがあるかもしれませんが)、手技の邪魔にならない程度であればリラクゼーション音楽を流してもよいのかな、とも思います。患者さんの音楽の好みも配慮できれば、なおよいですね。

28343.

31)麺類が大好きな人へのアドバイスのコツ【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話患者先生、私、麺類が大好きなんです。医師どんな麺類がお好みですか?患者うどん、そば、ラーメン、ソーメン、など何でも大好きです。本当にメン食いなんです。ご飯は控えているつもりなんですが・・・医師そうですか。確かに、麺類はおいしいですね。ご飯と違って、あまり噛まなくていいので、つい食べすぎちゃいますよね。患者そうなんです。それにすぐにお腹が空くし・・・医師ご飯1杯(150g = 240kcal)と比べると、うどん・そばなら1玉、ソーメンなら1.5束と同じくらいのカロリーがありますね。患者そんなにあるんですか。ソーメンなら3束くらい、するっと食べてしまいます。太るのは当たり前ですね。医師メン食いの人は要注意ですね。患者はい。わかりました。気をつけます。●ポイント控えているご飯と比較することで、麺類が高カロリーであることを理解してくれます●資料ごはん150g = ソーメン1.5束 = うどん・そば1玉 = ラーメン3/4玉 = 焼きそば・スパゲッティ2/3玉

28344.

膠芽腫の新規診断例に対する治療、ベバシズマブの上乗せ効果得られず(コメンテーター:中川原 譲二 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(191)より-

 血管内皮増殖因子Aに対するヒト化モノクロナール抗体:ベバシズマブ(商品名:アバスチン)は、わが国では昨年6月に初発および再発の悪性神経膠腫(膠芽腫)の治療薬として製造販売承認されたばかりであるが、膠芽腫の新規診断例の治療においてベバシズマブの上乗せ効果が得られないことがNEJMの2月20日号に相次いで報告され、ベバシズマブに対する過度の期待を戒めている。 米国・テキサス大学MDアンダーソンがんセンターのMark R Gilbert氏らは、膠芽腫の新規診断例の治療におけるベバシズマブの上乗せ効果を検討する二重盲検プラセボ対照無作為化試験を実施した。対象は、年齢18歳以上、新規に診断された膠芽腫(WHO分類Grade IV)で、全身状態が良好(Karnofskyスコア≧70)な患者とした。全患者に標準治療として放射線療法(60Gy)+テモゾロミド(連日投与)が施行され、放射線療法の4週目にベバシズマブ(10mg/kg、2週ごと)またはプラセボの投与を開始する群に無作為に割り付け、最大12サイクルの維持療法中も投与を継続した。病態が増悪した時点で、患者と担当医に割り付けられた治療を知らせ、ベバシズマブ治療の開始または継続を可能とした(クロスオーバー)。この試験では、ベバシズマブの追加による死亡リスクの25%低下、増悪または死亡リスクの30%低下の達成を、2つの主要エンドポイントとした。 2009年4月~2011年5月までに登録された978例のうち637例が無作為割り付けの対象となった。全生存期間(OS)の中央値は、ベバシズマブ群(320例)が15.7ヵ月、プラセボ群(317例)は16.1ヵ月であり、両群間に有意な差は認めなかった(ハザード比[HR]:1.13、95%信頼区間[CI]:0.93~1.37、p=0.21)。無増悪生存期間(PFS)の中央値は、ベバシズマブ群が10.7ヵ月とプラセボ群の7.3ヵ月に比べ有意に21%延長した(HR:0.79、95%CI:0.66~0.94、p=0.007)が、エンドポイントである30%には達しなかった。ベバシズマブ群では、プラセボ群に比べ化学放射線療法中の高血圧、血栓塞栓イベント、消化管穿孔の発生率、好中球の減少率がわずかながら上昇した。また、経過中に、ベバシズマブ群で症状負荷の増大、QOL低下、認知機能の低下がより頻繁に見られた。 以上の結果から、著者らは「膠芽腫の新規診断例に対する治療において、標準治療にベバシズマブを追加してもOSは改善せず、PFSは延長したものの事前に設定された目標値には達しなかった」として上乗せ効果がなかったことを報告している。 一方、フランス・エクス=マルセイユ大学のOlivier L. Chinot氏らは、新規診断例を対象とする標準治療に対するベバシズマブの上乗せ効果を評価するために、第3相無作為化プラセボ対照試験を実施した。テント上膠芽腫患者を、ベバシズマブ静注(10mg/kg体重、2週ごと)群またはプラセボ群に無作為に割り付け、放射線療法(2Gyを週5日、最大60Gy)+経口テモゾロミド(75mg/m2体表面積/日)との併用治療を6週間続けた。28日間の治療中断後、テモゾロミド(150~200mg/m2/日、5日間)+ベバシズマブ静注(10mg/kg体重、2週ごと)またはプラセボの併用による維持療法を6サイクル(1サイクル4週間)継続した。その後、増悪もしくは忍容できない毒性作用発現まで、ベバシズマブ静注単独療法(15mg/kg体重、3週ごと)またはプラセボの投与が続けられた。主要エンドポイントは2つで、担当医評価による無増悪生存と全生存期間だった。  2009年6月~2011年3月の間に23ヵ国120施設で921例の患者が登録され、458例がベバシズマブ群に、463例がプラセボ群に割り付けられた。結果として、無増悪生存期間の中央値は、ベバシズマブ群がプラセボ群より長かった(10.6ヵ月vs. 6.2ヵ月、ハザード比[HR]:0.64、95%信頼区間[CI]:0.55~0.74、p<0.001)。無増悪生存に関するベネフィットは、サブグループ全体(メチル化・非メチル化MGMT別などを含む)で観察された。一方、全生存は、両群で有意差がみられなかった(HR:0.88、95%CI:0.76~1.02、p=0.10)。ベバシズマブ群とプラセボ群それぞれの全生存率は、1年時点72.4%と66.3%(p=0.049)、2年時点33.9%と30.1%(p=0.24)であった。ベースラインの健康関連QOLおよび活動状況は、ベバシズマブ群のほうがより長期間維持した。また、糖質コルチコイドを必要とした患者が、より少なかった。有害事象に関して、grade 3以上の発現患者がベバシズマブ群のほうが多く(66.8%vs. 51.3%)、grade 3以上の有害事象はベバシズマブと関連している頻度が高かった(32.5%vs. 15.8%)。 これらの結果から、著者らは「標準治療へのベバシズマブの追加は、膠芽腫の生存を改善させない。無増悪生存の改善とベースラインのQOLおよび活動状況の維持がベバシズマブ群で見られたが、ベバシズマブ群では有害事象の頻度が高かった」として明確な上乗せ効果がなかったことを報告している。

28346.

揚げ物は肥満遺伝子を活性化する?/BMJ

 肥満遺伝子と肥満の関連は、揚げ物の摂取頻度が増えることで増強されることが判明した。10リスクアレル当たりの肥満に関するオッズ比は、揚げ物摂取頻度が週1回未満だと1.61に対し、4回以上だと2.72に上ることが示されたという。米国・ハーバード公衆衛生大学院のQibin Qi氏らが、看護師健康調査(Nurses’ Health Study)や医療従事者追跡調査(Health Professionals Follow-up Study)などのデータを基に行った検討で明らかにした。著者は「今回の所見は、遺伝的に肥満体質の人は、とくに揚げ物の摂取量を減らすことが重要であることを強調するものである」とまとめている。BMJ誌オンライン版2014年3月19日号掲載の報告より。 女性1万例弱、男性6,000例超について追跡 研究グループは、看護師健康調査に参加した女性9,623例と、医療従事者追跡調査に参加した男性6,379例、また再現コホートとして女性ゲノム健康調査(Women’s Genome Health Study)の被験者2万1,421例を対象に、遺伝的素因と揚げ物摂取頻度が、BMIと肥満に及ぼす影響について分析を行った。主要アウトカムは、追跡期間中のBMIだった。 その結果、看護師健康調査と医療従事者追跡調査の両方で、揚げ物摂取頻度と32 BMI関連変異体に基づく遺伝子リスクスコアに、BMIとの関連が認められた(相互作用に関するp≦0.001)。揚げ物頻度が増えると、10リスクアレル当たりの肥満リスクが増大 遺伝子リスクスコアの高位3分の1の人についてみると、揚げ物を週に4回以上摂取する人と、週に1回未満しか摂取しない人のBMIの差は、女性で1.0、男性で0.7に上った。それに対し、リスクスコアの低位3分の1の人では、同差は女性が0.5、男性が0.4にとどまった。こうした遺伝的要素と食事との相互作用は、女性ゲノム健康調査でも再現された(相互作用に関するp<0.001)。 10リスクアレル当たりのBMI差は、揚げ物摂取頻度が増えるに従い増大し、週に1回未満だと1.1(SE 0.2)、1~3回だと1.6(SE 0.3)、4回以上だと2.2(SE 0.6)だった(相互作用に関するp<0.001)。 10リスクアレル当たりの肥満に関するオッズ比は、摂取頻度が週1回未満だと1.61、1~3回だと群2.12、4回以上だと2.72だった(相互作用に関するp=0.002)。

28347.

多発性硬化症におけるシンバスタチン高用量の有用性/Lancet

 二次性進行型多発性硬化症(MS)患者に対し、シンバスタチンの高用量投与により、全脳萎縮率は約4割低下することが明らかにされた。英国・ロンドン大学のJeremy Chataway氏らが、140例の二次性進行型MS患者を対象に行った第II相臨床試験の結果で、忍容性、安全性も良好であり、第III相試験を進める根拠が得られたと報告した。二次性進行型MSについては満足いく治療法がなく障害を有しているのが現状である。シンバスタチンは血管性疾患に広く用いられており、安全性プロファイルに優れ、免疫調整や神経保護の特性を有していることが知られていた。Lancet誌オンライン版2014年3月18日号掲載の報告より。シンバスタチン80mgを24ヵ月投与 Chataway氏らは2008年1月28日~2011年11月4日の間に、英国3ヵ所の神経科学センターを通じ、18~65歳の二次性進行型MS患者140例を対象に、二重盲検無作為化比較試験を行った。被験者を1対1の割合で無作為に2群に分け、一方にはシンバスタチン80mgを、もう一方にはプラセボをそれぞれ24ヵ月間投与した。被験者の平均年齢は51~52歳、女性の割合は69~70%だった。 主要アウトカムは、容積MRI検査による年換算全脳萎縮率だった。シンバスタチン群とプラセボ群の年換算全脳萎縮率の差は-0.254ポイント その結果、年換算全脳萎縮率は、プラセボ群0.584%(標準偏差:0.498)に対し、シンバスタチン群は0.288%(同:0.521)と有意に低率だった。同萎縮率の補正後群間格差は-0.254ポイント(95%信頼区間:-0.422~-0.087、p=0.003)で、年換算43%の減少だった。 なお、重度有害事象の発生率は、プラセボ群で14例(20%)、シンバスタチン群で9例(13%)であり、両群で有意差はなかった。 これらの結果を踏まえて研究グループは、「第III相臨床試験の実施を支持するものだった」と結論づけた。

28348.

抗精神病薬による体重増加や代謝異常への有用な対処法は:慶應義塾大学

 抗精神病薬に誘発される代謝異常の管理はしばしば困難であり、これらを軽減するうえで薬剤の併用は理にかなっているとされている。慶應義塾大学の水野 裕也氏らは、統合失調症患者における抗精神病薬誘発性の代謝異常に対する薬物療法の有効性を明らかにすることを目的とした、システマティックレビューとメタ解析を行った。その結果、各種薬剤の併用により体重増加およびその他の代謝異常の軽減が図られることが示され、なかでもメトホルミンは体重増加の軽減、インスリン抵抗性の改善、血清脂質の低下など代謝異常の是正に好ましい多彩な作用を示すことを報告した。Schizophrenia Bulletin誌オンライン版2014年3月17日号の掲載報告。 2013年11月までに公表された文献について、5つの電子データベースを用いて検索した。未公表の試験に関しては臨床試験登録により調査した。検索対象とした試験は、統合失調症患者を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験で、抗精神病薬に誘発される代謝異常に対する薬物併用の効果を主要アウトカムとしているものとした。検索した試験データから、被験者、介入、比較、アウトカムおよび試験デザインに関連する変数を抽出し分析した。主要アウトカムは体重変化とし、副次アウトカムは臨床的に意味のある体重変化、空腹時血糖値、HbA1c値、空腹時インスリン値、インスリン抵抗性、コレステロール値およびトリグリセリド値とした。 主な結果は以下のとおり。・メタ解析には、40試験、19の独自の介入を包含した。・体重に関して最も広範囲に検討されていたのはメトホルミンであり、プラセボと比較した体重の平均差は-3.17kg(95%CI:-4.44~-1.90kg)であった。・トピラマート、シブトラミン(国内未発売)、アリピプラゾ-ル、レボキセチン(国内未発売)のプール有効性解析においても、プラセボとの間に差がみられた。・メトホルミンとロシグリタゾン(国内未発売)は、インスリン抵抗性を改善した。・アリピプラゾール、メトホルミンおよびシブトラミンは、血清脂質を低下した。・統合失調症患者において、抗精神病薬に誘発される体重増加およびその他の代謝異常の軽減が、非薬物療法単独では不十分な場合、あるいは相対的に体重への影響がない抗精神病薬への切り替えができそうもない場合は、メトホルミンをファーストチョイスとした反作用の薬物療法を行うことが文献上では支持された。関連医療ニュース 抗精神病薬性の糖尿病、その機序とは オランザピンの代謝異常、原因が明らかに:京都大学 最初の1年がピーク、抗精神病薬による体重増加と代謝異常

28349.

小児のアトピーにも低用量メトトレキサート治療は有効

 ニュージーランド・ワイカトホスピタルのManeka Deo氏らは、同国内で行われた小児および若者のアトピー性皮膚炎に対するメトトレキサート治療について、後ろ向きレビューを行った。31例(平均年齢10歳)を対象とした分析の結果、著者は、「低用量投与では安全性/忍容性は良好であり、有効であると思われた」と発表し、今後の公式の比較試験の必要性を提言した。International Journal of Dermatology誌オンライン版2014年3月6日号の掲載報告。 低用量メトトレキサート治療は、成人のアトピー性皮膚炎ではセカンドラインの治療として確立されるようになっている。 一方でその投与について、小児への導入も支持する一部のデータがあることから、著者らは、ニュージーランドの病院の皮膚科部門をベースに、18歳未満の患者で、メトトレキサート治療を受けた患者について後ろ向きにレビューを行った。対象期間は2005年1月~2010年4月の間であった。 主な結果は以下のとおり。・レビュー対象となったのは、31例(女子17例、平均年齢10歳、範囲3~18歳)であった。・メトトレキサートが有効であった(effective)または非常に有効であった(very effective)は、75%で認められた。25%は、無効例(ineffective)であった。・最も頻度の高い有害事象は、軽度の悪心で報告は4例(14%)であった。肝酵素の増加は4例報告があったが有意ではなかった。・重篤な副作用は報告がなかった。

28350.

第24回 予後不良の責任は? 患者と医師の過失相殺

■今回のテーマのポイント1.代謝疾患で一番訴訟が多い疾患は糖尿病であり、糖尿病性ケトアシドーシスと糖尿病合併症の事例が争われている2.糖尿病性ケトアシドーシスに関する訴訟の争点としては、診断の遅れが多い3.国民皆保険制度下にあった適切な「損害の公平な分担」を模索していく必要がある■事件のサマリ原告患者家族(債権者)被告Y医師(A医院/債務者)争点診断の遅れ結果原告一部勝訴、約1,600万円の損害賠償(結審)事件の概要X(16歳、男性、身長157.4cm、体重約95kg)は、昭和56年8月7日夜、母に対し、「足がふらふらする」「体がだるい」と訴えました。その翌朝、起床したものの、朝食を食べたくないといい、「体がだるい。体がしんどい」「喉が渇く。喉がからからになる」というので、午前9時頃、かかりつけのA医院を受診しました。Xは、Y医師に対し、腹痛、吐き気、つかえた感じがあるなど訴えました。Y医師は診察を行い、急性胃炎と診断し、注射および投薬をしました。その際、Xの「喉が渇く」との訴えに対し、「ジュースは飲んでもよい」と指示しました。帰宅後、Xは、昼におかゆを食べ、夕食を少し食べましたが、しきりに喉が渇いて苦しいと訴え、炭酸飲料水、スポーツドリンク、麦茶などを多飲しました。翌9日は日曜日でしたが、Xの食思不振は改善せず、前日よりも具合が悪そうにしていたため、A医院に電話で治療を頼み、受診することになりました。Xの主訴は前日同様、腹痛、吐き気であり、Y医師は、前日と同じく急性胃炎の診断にて治療をしました。その際、Xから、「ジュースを飲んでもよいか」という質問が出たので、Y医師は、「プリン、ジュースはよいから飲ませてあげなさい。炭酸飲料のような刺激物はいけません」と付き添いのXの父に指示しました。Xは、帰宅途中、「先生はジュースは飲んでもよいというただろう。すぐスーパーへ行ってくれ」と父に頼み、スーパーでジュース類を10数本とアイスキャンディー4本を買って帰りました。そして、それからジュース(炭酸飲料)を4~5本飲み、プリン1個、アイスキャンディー4本を食べました。Xは、同日午後4時過ぎ、ひどくだるそうな様子で、「しんどうていけん。どこか医者に連れていってくれ」といいました。このため、午後6時半頃、A医院よりも大きいB内科医院を受診しました。C医師が診察したところ、Xに意識障害、呼吸障害を認め、血液検査および尿検査を行ったところ、血糖は760mg/dL、尿糖は1g/dLを認めました。C医師は、糖尿病性昏睡と診断し、D病院に転院させました。その際、C医師は、Xの父に対し、「これが明日だったら殺していた。どうしてこんなになるまで放っていたのだ」と叱責しました。D病院で治療が行われたものの、Xは、翌10日午前1時40分、若年性糖尿病による糖尿病性昏睡のため死亡しました。そこで、Xの遺族は、Y医師に対し、遅くとも8月9日の診察の時点で糖尿病を疑い、適切な問診および検査を行うべきであったとして約6,100万円の支払いを求める訴訟を提起しました。事件の判決被告(Y医師)は、初診の際食べ過ぎによる腹痛、吐き気が主訴であったから急性胃炎と診断したというが、前記認定事実にてらしXに過食があった形跡はないから、Xが過食を訴えたということには疑問がある。被告は、Xが異常に肥満していることを良く知っており、かつて慢性胃炎の治療したこともあって常々食べ過ぎないよう助言していたので、過食の予断をもった疑いがある。診療録に、冷えた麦茶と判読できる記載があるところからみて、Xは被告の問診に対して冷えた麦茶の飲み過ぎを答えたとみるのが合理的である。また、翌8月9日の診察の際、Xはジュースを飲みたがっている。これらの点に鑑み、Xは被告に対し、言葉不十分ながら糖尿病の典型的症状である口渇、多飲を訴えていたものと考えられる。したがって、もし被告に過食の予断がなければ、Xが異常肥満体であること、かつて脂肪肝で入院治療を受けたことがあることを知っている被告としては、社会経験の乏しいXの不完全な主訴のみに依存せず、待合室で待っているXの父に対し家庭内における症状を補充的に説明を求めることによって糖尿病を疑いえたものと考えられる。このことは、被告の診察から数時間後に診察したC医師がすぐ糖尿病を疑ったことにてらしても裏付けされるといえる。そうすると、被告は、Xが8月9日に被告の診察を受けた時点では若年性糖尿病の典型的症状である口渇、多飲を訴えていることに気づき若年性糖尿病を疑うべきであったのに、過食による急性胃炎と誤診したものと認められ、右誤診につき不可抗力ないしこれに準ずるような事情があったとは認め難い。したがって、被告は、善良な管理者としての注意義務を怠ったもので、本件診療契約に基づく診療債務につき不完全履行があることになる。●過失相殺前記認定事実に徴すると、債権者側に過失があるものと認められる。即ち、Xは、まだ高校1年生で社会生活経験が浅いため、病気の症状を的確、正確に医師に告げる能力が十分であったとは考えられないのに、被告の診察を受ける際保護者が付き添わなかったため、前記認定の如き家庭内における症状全部が正確に被告に伝えられなかった形跡がある。また、Xは、ジュース、アイスキャンデー、プリン等を常識の範囲をこえるほど多飲食しており、証拠によると、糖質の多いこれらジュース等の多飲食がその後の病状激変の大きな原因となっていることが明らかである。したがって、原告らに生じた損害のうちその7割は、債権者側の過失によるものとして控除するのが相当である。そうすると、被告の支払義務は、原告1人につき金748万6,626円となる。(*判決文中、下線は筆者による加筆)(広島地判尾道支部平成元年5月25日 判時1338号127頁)ポイント解説■代謝疾患の訴訟の現状今回は、代謝疾患です。代謝疾患で最も訴訟となっているのは糖尿病です(表1)。代謝疾患は疾患自体により、直接的に身体・生命損害が発生することが少ない、すなわち、民法709条の要件である「損害」が発生することが少ないことから、訴訟件数自体は多くはありません。その中でも、糖尿病は罹患者数が多く、かつ、(1)糖尿病性ケトアシドーシスおよび(2)糖尿病合併症(網膜症、腎症、神経症による壊疽)により、身体・生命に直接損害が発生することから訴訟件数が多いという結果となっています。糖尿病に関する訴訟は大きく分けて(1)糖尿病性ケトアシドーシスと(2)糖尿病合併症の2つの類型があります。原告勝訴率は、糖尿病性ケトアシドーシスが66.6%(表2)で、糖尿病合併症が50%と大きな差はないのですが、平均認容額は、糖尿病性ケトアシドーシスが8,500万円に対し、糖尿病合併症では560万円と大きな差がついています(表3)。本事例でもそうですが、やはり、ケトアシドーシスは死に至ることから損害額が大きくなるものと考えられます。糖尿病性ケトアシドーシスに関する訴訟の争点は、診断の遅れと、治療の瑕疵の2つに分けられますが、やはり多いのは診断の遅れです(表3)。診断の遅れが争われた事例はいずれも糖尿病の診断がついていない患者であり、本件のように不定愁訴で受診する事例もありますが、別の疾患で受診した際にたまたま糖尿病を発症していて、かつ、糖尿病性ケトアシドーシスにまで至ったという事例もあることから注意が必要といえます。本事例もそうですが、劇症1型糖尿病のように急速に糖尿病性ケトアシドーシスに至るケースは、そもそも救命が困難であり、それをコモンディジーズの単純な見落としのように扱われることには違和感を覚えます。そもそも、「後医は名医」であり、初診における診断の誤りを後から振り返って違法であると誹ることは、よほどの事例でない限り、医療に対する理解が根本的に欠けているといえます。一方、本事例において、前医がいたことを知らなかったとはいえ、後医となったC医師の「これが明日だったら殺していた。どうしてこんなになるまで放っていたのだ」との発言が本訴訟提起に寄与した可能性は高く、患者に対する発言には注意が必要です。■過失相殺第6回で解説しましたが、民法722条2項は、「被害者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の額を定めることができる」と過失相殺を定めています。本事例でもXが病状をちゃんと伝えなかったこと、Xが常識の範囲を超えるほどジュースなどを摂取したことから、7割の過失相殺が認められています。民法の不法行為の基本理念に「損害の公平な分担」という考え方があります。実社会において、現に何らかの損害が発生している中で、被害者を含め、その損害に関与した当事者間において、何対何で当該損害を分担することが公平といえるかが、民法の不法行為の基本的な考え方なのです。自動車対人の事故を想起してみましょう。現実に人の身体・生命に損害が発生しており、その損害を自動車運転者と被害者との間で何対何で分担すれば公平かというのが民法の不法行為の考え方です。皆さんもご存じのとおり、現在の実務運用として、自動車対人の事故において、自動車側の過失割合が0となるのは、よほどのことがない限りありません。このとき、判決では、「不法行為は成立するが過失相殺により減額する」という理論を構成することになります。たとえば自動車の過失割合が2割という場合は、現実的には自動車運転手にとって避けようがない事故とさえいえます。それでも2割の責任を認めるために当該運転に過失があったと判決上は示されるのです。医療訴訟において、しばしば「トンデモ判決」と揶揄される判決が見受けられます。しかし、医療訴訟の判決を見る場合には、まず、認容額、認容割合を確認してください。本事例でも、Xを糖尿病と診断することは、現実にはなかなか困難であり、このような事例において、後から見て誤診だ違法だというのはとんでもないという思いはあります。しかし、16歳の男の子が連日診察を受けたにもかかわらず、診断がつかずに死亡してしまった。その男の子の死亡という損害を被害者と医師で7対3で分けましょうという判断は、不当かと問われると若干考え方が変わってくるのではないでしょうか。もちろん、国民皆保険制度により、医療費が統制価格下にあるわが国においては、リスクを価格に転嫁できないこと、また、自動車運転と異なり、医療は行わなくても患者の身体・生命を損ねることなど、自動車運転と医療はまったく異なりますので、同様に判断することは妥当とはいえません。自動車事故とは違う、わが国の医療提供体制にあった「損害の公平な分担」を模索していく必要があるものと思われます。裁判例のリンク次のサイトでさらに詳しい裁判の内容がご覧いただけます。(出現順)広島地判尾道支部平成元年5月25日 判時1338号127頁本事件の判決については、最高裁のサイトでまだ公開されておりません。

28353.

ドナーの年齢や性別の不一致は予後に影響する?HCV感染/非感染者への肝移植

 C型肝炎ウイルス(HCV)感染者への肝移植は、50歳以上のドナーからの移植を回避することで、予後を向上させる可能性があることが、ポーランド・ワルシャワ医科大学のMichal Grat氏らの報告により明らかになった。一方、ドナーとレシピエントの性別の一致/不一致で予後が左右されることはなかった。Annals of transplantation誌2013年12月23日号の報告。 著者らは、ドナーの年齢やドナーとレシピエントの性別のマッチングが肝移植後の予後に与える影響について、HCV感染/非感染者の違いに着目し、後ろ向きコホート研究を行った。 対象は、肝移植レシピエント622例。HCV感染群(164例)とHCV非感染群(458例)に分け、ドナーの年齢(30歳以下、31~50歳、51歳以上)、ドナーとレシピエントの性別構成によってさらに細分化した。予後の指標は、レシピエントの5年生存率および移植片生着率とした。 主な結果は以下のとおり。・5年生存率は、HCV感染群83.1%、HCV非感染群81.6%であった(p=0.614)。・移植片生着率は、HCV感染群81.2%、HCV非感染群79.3%であった(p=0.538)。・HCV感染群における50歳以上のドナーからの移植は、31~50歳のドナーからの移植と比較して、5年生存率(p=0.035)および移植片生着率(p=0.006)が有意に低かった。この差異は、HCV非感染群では観察されなかった(5年生存率:p=0.994、移植片生着率:p=0.878)。・ドナーとレシピエントの性別構成別の予後は、HCV感染群(5年生存率:p=0.751、移植片生着率:p=0.592)と非HCV群(5年生存率:p=0.217、移植片生着率:p=0.249)で差はなかった。・ただし、非HCV感染群における男性から女性への移植は、女性から女性への移植よりも、5年生存率が低い傾向を認めた(p=0.064)。・31~50歳のドナーからの移植において、HCV感染群の予後はHCV非感染群よりも有意に優れていた(5年生存率:p=0.080、移植片生着率:p=0.026)。

28354.

中大脳動脈領域梗塞の減圧開頭術、高齢者でも有益/NEJM

 悪性中大脳動脈領域梗塞を起こした61歳以上の高齢患者に対する減圧開頭術は、重度の障害を伴わない生存者を増大することが、ドイツ・ハイデルベルク大学のEric Juttler氏ら「DESTINY II」共同研究グループによる検討の結果、示された。大部分の生存者は介助を必要としたが、その大半は身体的ニーズだった。先行研究により、中大脳動脈領域全体、またはほぼ全体に梗塞を起こした60歳以下の患者において、早期の減圧開頭術は死亡率を低下し重度障害リスクも増大しないことが示されていた。しかし高齢患者において同様のベネフィットがあるのかは不明であった。NEJM誌2014年3月20日号掲載の報告より。61歳以上の悪性中大脳動脈梗塞患者112例を対象に前向き非盲検無作為化試験 DESTINY II(Decompressive Surgery for the Treatment of Malignant Infarction of the Middle Cerebral Artery II)は、2009年8月~2013年5月にドイツ国内13ヵ所で行われた多施設共同前向き非盲検無作為化対照試験だった。 悪性中大脳動脈梗塞を起こした61歳以上(中央値70歳、範囲:61~82歳)の患者112例をICUで保存的治療を行う群(対照群)または減圧開頭術のいずれかを受ける群に無作為に割り付けた(発症後48時間以内)。 主要エンドポイントは、無作為化後6ヵ月時点の重度障害のない生存だった。評価は、修正Rankin尺度(0:障害なし~6:死亡)で0~4を重度障害なしと定義して行った。減圧開頭術群の重度障害なしの生存者、対照群の約3倍 結果、減圧開頭術の施行は主要アウトカムを改善したことが認められた。重度障害を伴わず生存していた患者は、減圧開頭術群は38%、対照群18%で有意な差が認められた(オッズ比:2.91、95%信頼区間[CI]:1.06~7.49、p=0.04)。この差は、手術群で死亡率が低かったことによるものであった(33%vs. 70%)。 修正Rankin尺度スコアが0~2(障害なしまたは軽度の障害)の生存患者はいなかった。スコア3(中等度の障害)の患者は手術群7%、対照群3%でみられた。また、スコア4(やや重度の障害[大半は身体的ニーズの援助を要する])の患者はそれぞれ32%、15%、スコア5(重度の障害)の患者は28%、13%だった。 減圧開頭術群では感染症の頻度がより多く、対照群ではヘルニアの頻度がより多くみられた。

28355.

敗血症性ショックへのEGDTプロトコル、死亡率は通常ケアと変わらず/NEJM

 敗血症性ショックにおける早期目標指向型治療(early goal-directed therapy:EGDT)プロトコルに基づく蘇生治療の有効性を検討した多施設共同無作為化試験の結果、同治療はアウトカムを改善しないことが示された。米国・ピッツバーグ大学のDerek C. Angus氏ら「ProCESS(Protocolized Care for Early Septic Shock)」共同研究グループが報告した。EGDTは、10年以上前に発表された単施設試験の結果に基づくプロトコルである。同試験では、救急部門(ER)に搬送されてきた重症敗血症および敗血症性ショックの患者について、6時間で血行動態目標値を達成するよう輸液管理、昇圧薬、強心薬投与および輸血を行う処置が、通常ケアよりも顕著に死亡率を低下したとの結果が示された。ProCESS試験は、この所見が一般化できるのか、またプロトコルのすべてを必要とするのか確認することを目的に行われた。NEJM誌オンライン版2014年3月18日号掲載の報告より。EGDTプロトコル、標準プロトコル、通常ケアで無作為化試験 試験は2008年3月~2013年5月に、全米31の3次医療施設ERにて行われた。敗血症性ショック患者を、(1)EGDTプロトコル群、(2)標準プロトコル群(中心静脈カテーテル留置はせず、強心薬投与または輸血)、(3)通常ケア群、のいずれか1つの治療群に無作為に割り付けた。 主要エンドポイントは、60日時点の院内全死因死亡とし、プロトコル治療群(EGDT群と標準群の複合)の通常ケア群に対する優越性、またEGDTプロトコル群の標準プロトコル群に対する優越性を検討した。 副次アウトカムは、長期死亡(90日、1年)、臓器支持療法の必要性などだった。EGDT vs.標準、プロトコルvs.通常、いずれも転帰に有意差みられず 試験には1,341例が登録され、EGDTプロトコル群に439例、標準プロトコル群に446例、通常ケア群に456例が無作為に割り付けられた。 蘇生戦略は、中心静脈圧と酸素のモニタリング、輸液、昇圧薬、強心薬、輸血の使用に関して有意な差があった。 しかし60日時点の死亡は、EGDTプロトコル群92例(21.0%)、標準プロトコル群81例(18.2%)、通常ケア群86例(18.9%)で、プロトコル治療群vs. 通常ケア群(相対リスク:1.04、95%信頼区間[CI]:0.82~1.31、p=0.83)、EGDTプロトコル群vs. 標準プロトコル群(同:1.15、0.88~1.51、p=0.31)ともに有意差はみられなかった。 90日死亡率、1年死亡率および臓器支持療法の必要性についても有意差はみられなかった。

28356.

原因不明の慢性腰痛は姿勢制御の障害が原因か

 慢性腰痛は成人の12~33%にみられるが、腰痛が慢性化する原因はまだ明らかになっていない。リスク因子として、これまでにも姿勢制御の変化が可能性として示唆されていたが、決定的な研究報告はなかった。ブラジル・サンパウロ大学のRene Rogieri Caffaro氏らは、非特異的慢性腰痛患者を対象に重心動揺測定を行い評価した結果、同患者では足圧中心動揺が増加しており、姿勢制御が障害されていることを明らかにした。とくに不安定な床面での視覚遮断(閉眼)時において顕著であったという。European Spine Journal誌2014年4月号(オンライン版2014年2月26日号)の掲載報告。 研究グループは、非特異的慢性腰痛の有無による静止立位時姿勢制御の差異を検討することを目的とした。 対象は、非特異的慢性腰痛を有する患者21例および有していない対照者23例であった。 フォースプレート(Balance MasterⓇ、NeuroCom社)を用いてModified Clinical Test of Sensory Interaction and Balance(mCTSIB)を、視覚アナログスケールにより疼痛強度を、SF-36を用いてQOLを、ローランド・モリス障害質問票を用いて機能障害を評価した。 主な結果は以下のとおり。・非特異的慢性腰痛群(cLBP)と対照群(CG)とで年齢、体重、身長、BMIに差はなかった。・cLBP群はCG群と比較し、足圧中心動揺の計測パラメータより、不安定な床面での閉眼時安静立位における姿勢動揺が大きいことが認められた(p<0.05)。・cLBP群 vs CG群の計測パラメータは、足圧中心動揺は1,432.82(73.27)vs 1,187.77(60.30)、RMS矢状面は1.21(0.06)vs 1.04(0.04)、平均振動速度は12.97(0.84)vs 10.55(0.70)であった。

28357.

スタイルを気にしすぎる女性はうつに注意を

 加齢に伴う体型の変化は、女性のボディーイメージの認識に影響を与えるが、中年女性におけるボディーイメージについてはほとんど知られていない。米国・ノースウェスタン大学のKathryn L Jackson氏らは、白人およびアフリカ系アメリカ人の中年女性を対象に、ボディーイメージと抑うつ症状との関連を検討した。Archives of women's mental health誌オンライン版2014年3月13日号の報告。 対象者はシカゴのSWAN(the Study of Women's Health Across the Nation)サイトより抽出した405人。ボディーイメージはスタンカードの評価尺度を用い測定した。抑うつ症状の臨床的に有意なレベルは、CES-D(うつ病自己評価尺度)スコア16点以上と定義した。現状認知、理想的なボディーイメージの認知、実際のサイズ、質問票で得られた体重の満足度や魅力の違いとCES-Dスコア16点以上との関連はロジスティック回帰分析を用い検討を行った。 主な結果は以下のとおり。・63人(15.6%)は抑うつ症状が臨床的に有意なレベルであった。・ボディーイメージに不満を持つ女性(オッズ比 1.91、p=0.04)または魅力的でないと感じている女性(オッズ比 7.74、p<0.01)ではCES-Dスコア16点以上の割合が高率で認められた。・人種間での有意な差は認められなかった。・本研究結果では、BMIによる交絡はみられなかった。・低いボディーイメージを有する中年女性では、抑うつ症状が臨床的に有意なレベルである可能性が高いことが示唆された。関連医療ニュース ロマンチックな恋愛は幸せか不安か 仕事と家庭の両立への悩み、女性ではうつ病リスク うつ病や拒食症の女性における感情調節困難調査

検索結果 合計:35138件 表示位置:28341 - 28360