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大腿骨頚部骨折手術、局所麻酔vs. 全身麻酔/JAMA

 大腿骨頚部骨折手術時の局所麻酔は全身麻酔と比較して、30日死亡を低下せず、入院期間の短縮はわずかであることが、米国・ペンシルベニア大学のMark D. Neuman氏らによる後ろ向き適合コホート研究の結果、示された。最近の診療ガイドラインでは、局所麻酔の使用が提唱されている。著者は「今回の分析では、局所麻酔について死亡に対する有益性があることは裏付けられなかった」と結論している。JAMA誌2014年6月25日号掲載の報告より。30日死亡率と入院期間について評価 研究グループは、大腿骨頚部骨折後の30日死亡率と入院期間を、手術時の局所麻酔(脊髄くも膜下または硬膜外麻酔など)vs. 全身麻酔で評価した。2004年7月1日~2011年12月31日に、ニューヨークの急性期治療を担う総合病院で同手術を受けた50歳以上の患者を対象とした。 主要分析は、遠近(near-far)操作変数マッチング法を用いて、局所麻酔が盛んに行われていると特定された病院近くに居住する患者と、同じく局所麻酔が回避され全身麻酔が行われていると特定された病院近くに居住する患者について評価した。 副次分析は、同一病院内および全病院の中で局所麻酔または全身麻酔を受けた患者をマッチさせて検討した。局所麻酔群、30日死亡率の有意な低下みられず、入院期間は有意だが0.6日の短縮 被験者は5万6,729例であり、1万5,904例(28%)が局所麻酔を、4万825例(72%)が全身麻酔を受けていた。全体で死亡は3,032例(5.3%)、入院期間のM推定値(M estimate)は6.2日(95%信頼区間[CI]:6.2~6.2)であった。 主要分析(対象患者計2万1,514例)では、麻酔法の違いによる30日死亡率の有意差はみられなかった。局所麻酔病院群に分類された患者1万757例における死亡は583例(5.4%)、全身麻酔病院群に分類された患者1万757例における死亡は629例(5.8%)で、操作変数推定リスク差は-1.1%(95%信頼区間[CI]:-2.8~0.5、p=0.20)だった。 30日死亡率について、副次分析でも同様の所見がみられた(病院内分析:5.2%vs. 5.3%、全病院分析:5.3%vs. 5.8%)。 入院期間は、主要分析では全身麻酔病院群よりも局所麻酔病院群で、0.6日(95%CI:-0.8~-0.4、p<0.001)の短縮がみられた。副次分析でも局所麻酔群の入院期間短縮がみられたが、その関連性は主要分析よりもわずかであった。

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サノフィ 前立腺がん治療薬「ジェブタナ」(カバジタキセル)が製造販売承認取得

 サノフィ株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:ジェズ・モールディング)は、7月4日、前立腺の効能・効果で「ジェブタナ点滴静注60mg(以下ジェブタナ)」(一般名:カバジタキセル アセトン付加物)の製造販売承認を取得したと発表。 ジェブタナは、細胞内の微小管に作用して細胞増殖を阻害する抗がん剤。海外の第III相試験(TROPIC試験, NCT00417079)において、全生存期間の有意な延長を示した1)(ミトキサントロン併用群12.7ヵ月vs カバジタキセル群15.1ヵ月、HR=0.70、95%CI:0.59-0.83、P

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ダーモスコピーによる黒色腫の診断感度、最も高いのは?

 ダーモスコピーによる黒色腫の診断は、ABCDルールとCASHアルゴリズムの感度が最も高いことが示された。トルコ・Zekai Tahir Burak Women's Health教育研究病院のEzgi Unlu氏らが、ABCDルール、7ポイントチェックリスト、3ポイントチェックリスト、CASHアルゴリズムによる診断感度と特異度、診断精度を比較して報告した。ダーモスコピーの診断アルゴリズムを比較した検討は今回初めて行われたという。Journal of Dermatology誌7月号(オンライン版2014年5月8日号)の掲載報告。 研究グループは、有毛部皮膚の色素細胞性病変の診断とダーモスコピー評価において、ABCDルール、7ポイントチェックリスト、3ポイントチェックリスト、CASHアルゴリズムの感度、特異度、診断精度を比較する検討を行った。 115例の患者の色素細胞性病変115例を、ダーモスコピーで後ろ向きに調べ、病理細胞診断と比較した。全病変に対して4つのアルゴリズムすべてを適用して検討した。 主な結果は以下のとおり。・ABCDルールは、感度91.6%、特異度60.4%、診断精度66.9%であった。・7ポイントチェックリストは、感度87.5%、特異度65.9%、診断精度70.4%。・3ポイントチェックリストは、感度79.1%、特異度62.6%、診断精度66%。・CASHアルゴリズムは、感度91.6%、特異度64.8%、診断精度70.4%であった。・上記のように、黒色腫診断において、ABCDルールとCASHアルゴリズムの感度が最も高かった。・先行研究論文では、CASHアルゴリズムを用いた色素細胞性病変の評価はあまりみられないという。

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認知症の不眠にはメラトニンが有用

 認知症で不眠症を有する人には標準治療に徐放性メラトニン(prolonged-release melatonin:PRM)を追加投与することで、認知機能と睡眠維持にポジティブな効果をもたらすことが示された。英国・CPS Research社のAlan G Wade氏らが無作為化プラセボ対照試験の結果、報告した。最近の報告で、眠りが浅い熟眠障害とアルツハイマー病(AD)との関連が示されていた。研究グループは、ADの前臨床期においてすでに内因性メラトニン値が低下していることから、メラトニンの補充がADに有益となるのか、またその効果が睡眠障害に影響を及ぼすのかを調べた。Clinical Interventions in Aging誌オンライン版2014年6月18日号の掲載報告。 認知機能と睡眠についての標準治療へのPRM(2mg)の上乗せ効果を検討した試験は、6ヵ月間にわたって多施設共同二重盲検並行群比較にて行われた。被験者はプラセボ投与を2週間受けた後、PRMを毎夜2mgまたはプラセボを受ける群に割り付けられ24週間投与された。その後プラセボを2週間投与された。認知機能の評価は、AD評価尺度・認知機能検査(AD Assessment Scale-Cognition:ADAS-Cog)、手段的日常生活動作(IADL)、Mini-Mental State Examination(MMSE)にて、睡眠の評価についてはピッツバーグ睡眠質問票(PSQI)、睡眠日記により行われた。また安全性についても評価した。 主な結果は、以下のとおり。・被験者は80例であった。男性50.7%、平均年齢75.3歳(範囲:52~85歳)、軽度~中等度ADの診断を受けており、不眠症あり・なし、標準治療(アセチルコリンエステラーゼ阻害薬単独またはメマンチンを併用)を受けていた。・結果、PRM 24週治療群は、IADL(p=0.004)、MMSE(p=0.044)の評価において、プラセボ群と比べて認知機能の有意な改善が認められた。平均ADAS-Cogについては両群に差はみられなかった。・PSQIの4項目で評価した睡眠効率についても、PRM群が良好であることが示された(p=0.017)。・睡眠障害(PSQI≧6)を有する患者の分析では、PRM治療はプラセボと比べて、有意かつ臨床的に意義のある効果に結び付くことが、平均IADL(p=0.032)、MMSEスコア(+1.5ポイントvs. -3ポイント、p=0.0177)、睡眠効率(p=0.04)の評価において示された。ADAS-Cog中央値の評価において、PRM群は有意に良好であった(-3.5ポイントvs. +3ポイント、p=0.045)。・両群間の有意差は、治療期間が長期であるほど顕著であった。・PRMは忍容性も良好で、有害事象のプロファイルは、プラセボと類似していた。・今回の結果について著者は、「とくに不眠症を有するAD患者において、PRMはプラセボと比べて認知機能および睡眠維持にポジティブな効果があることが示された」と結論したうえで、「今回の結果から、熟眠障害と認知機能の低下には因果関係があることが示唆される」と述べている。関連医療ニュース 睡眠薬、長期使用でも効果は持続 自殺と不眠は関連があるのか 期待の新規不眠症治療薬、1年間の有効性・安全性は

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エキスパートに聞く! 「SGLT2阻害薬」 パート2

日常診療で抱く疑問に、専門医がわかりやすく、コンパクトに回答するコーナーです。今回は「糖尿病診療」の中で今旬の話題である「SGLT2阻害薬」について、会員医師からの疑問にご回答いただきました。明日の診療から使えるコツをお届けします。体重を3kg程度減らすとされていますが、その現象がなぜ1年ほどで止まってしまうのか、ご教示ください。SGLT2阻害薬は、尿糖排泄を促進することによりエネルギー収支を負に傾け、体重を減少させます。その体重減少効果はおおむね6ヵ月で底値(平均約3kg減少)に達し、観察期間2年の報告では、その後有意な増加はなく維持されています。しかし、質問にありますように、投与後6ヵ月以降ではさらなる体重減少は認めにくいようです。観察期間2年の報告を見ても経過中の尿糖排泄量に変化はないようです。理論的には、一定の食事と運動を継続する限り、体重はどこかで安定すると考えられます。しかし、体重減少作用減弱の原因として摂食量の増加や糖の消費に伴うエネルギー消費効率の低下もある程度寄与する可能性は否定できません。SGLT2阻害薬投与マウスやSGLT2ノックアウトマウスでは、コントロール群と比較し観察期間を通して摂餌量が増加し、SGLT1、2ノックアウトマウスではさらに摂餌量が増加します。また、SGLT2阻害薬投与後のエネルギー消費を確認したヒトや動物での研究はまだ少ないですが、体重減少効果が減弱した時期に酸素消費量や呼吸商を検討した報告では、コントロール群とSGLT2阻害薬群で差はないとされています。(保険診療外において)糖尿病ではない患者に対し、体重減少を目的として使用した場合、その効果は期待できるのかどうか、ご教示ください。健常者にSGLT2阻害薬を投与した場合においても、尿糖排泄が増加します。通常使用量では25~60g/日の尿糖排泄が確認されており、100~240kcal/日のエネルギー喪失となるため、非糖尿病肥満者でも体重減少効果が認められると考えます。しかし、安易な使用は、中止後の体重のリバウンドや、尿糖排泄に伴う尿路・性器系感染症のリスクといった問題点を引き起こしかねず、非糖尿病者での使用は厳に慎むべきです。SGLT2阻害薬と併用薬による改善効果の違いはどの程度でしょうか、ご教示ください。SGLT2阻害薬は、既存の糖尿病治療薬とまったく異なる作用機序を有する薬剤であり、すべての糖尿病治療薬で併用効果があります。日本人2型糖尿病患者対象の、既存糖尿病治療薬との52週間併用試験の結果では、スルホニル尿素(SU)薬:-0.63~0.84%、グリニド薬:-0.59~0.76%、DPP-4阻害薬:-0.52~0.81%、ビグアナイド薬:-0.61~0.95%、チアゾリジン薬:-0.6~0.86%、α-グルコシダーゼ阻害薬:-0.68~0.84%と、既存薬間での違いは見られません。観察期間中の低血糖発現率は、SU薬:3.0~14.7%、グリニド薬:0~6.1%で、その他の薬剤:3%未満で、SU薬やインスリン製剤と併用する場合にはとくに低血糖に注意が必要です。体重減少効果は、SU薬とチアゾリジン薬で乏しい傾向ですが、52週時点でもSGLT2阻害薬投与前と比較し体重減少は少なく、SU薬とチアゾリジン薬のデメリットを低減すると考えます。その他既存薬との併用では-2.5~3.0kgの体重減少効果があります。腎機能が低下しつつある患者さんにも効果が期待できるでしょうか、ご教示ください。SGLT2阻害薬非投与時の2型糖尿病患者の尿糖排泄量(平均±標準偏差)は、腎機能低下に伴い、正常腎機能6.71±8.77g/日、軽度腎機能障害8.80±17.0g/日、中等度腎機能障害2.00±3.76g/日、重度腎機能障害0.553±0.247g/日と減少します(トホグリフロジン添付文書)。また、SGLT2阻害薬自体も腎機能低下に伴い、糸球体濾過量が減少します。このように、腎機能低下例では、糖およびSGLT2阻害薬の糸球体での濾過量が減少するため、SGLT2阻害薬投与時の2型糖尿病患者の24時間尿糖排泄量は、正常腎機能70~90g/日、軽度50~70g/日、中等度20~40g/日、重度腎機能障害10g/日と、腎機能低下とともに減少します。このような理由から、中等度腎機能低下例(30≦eGFR≦59mL/min/1.73 m2)のHbA1c改善度は-0.1~0.3%程度と減弱します。しかし、興味深いことに、腎機能正常例と比較し体重減少効果の減弱は認められず、その原因は現時点では不明です。また、高度腎機能低下または透析中の末期腎不全例では、効果がないことや副作用発現リスクを考慮し投与しないことになっています。副作用の発現時に、すぐに休薬すべきか、しばらく様子をみるかどうか、また、休薬時のポイントをご教示ください。●低血糖とくにインスリン製剤やスルホニル尿素(SU)薬と併用する場合に留意する必要があります。インスリン製剤やSU薬は血糖管理不良例で使用されていることが多いですが、SGLT2阻害薬の血糖低下作用は血糖管理不良例ほど大きく、インスリン製剤やSU薬と併用する場合には予期せぬ低血糖が起こる場合があり、低血糖リスク軽減のためインスリンやSU薬の減量を考慮する必要があります。ただし、インスリン製剤やSU薬使用例はインスリン分泌能低下例も多く、早めの受診を促し病態悪化阻止に努めるべきです。低血糖出現時には糖質摂取を促し、インスリンやSU薬を減量してください。●脱水投与早期(とくに1ヵ月以内)に多く、とくに、高齢者、利尿剤投与例、血糖コントロール不良例で注意が必要です。SGLT2阻害薬による尿量増加は200~600mL/日とされており、予防として500mL/日程度の飲水を促し、脱水を認めた場合は休薬と補液を考慮ください。●尿路/性器感染症とくに既往を有する例で注意が必要です。清潔を保持することで多くは予防可能ですが、症状出現時には速やかに受診するよう事前指導し、感染症治療を行うとともに、症状に応じて休薬を考慮ください。●ケトン体増加インスリン作用不足に起因する場合にはインスリン補充が必要であり、糖尿病性ケトアシドーシスの場合には、とくに速やかな対応が必要です。糖尿病性ケトアシドーシスでは3-ヒドロキシ酪酸が顕著に増加しますが、尿ケトン体定性検査は3-ヒドロキシ酪酸を検出できないため、過小評価となる危険性があるので注意してください。●休薬時の対応SGLT2阻害薬の休薬時には、病態に応じて薬剤の変更や追加が必要です。※エキスパートに聞く!「糖尿病」Q&A Part1はこちら

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安定冠動脈疾患、CABGが薬物療法より予後改善/BMJ

 安定冠動脈疾患患者に対し冠動脈バイパス術(CABG)は薬物療法と比較して、死亡、心筋梗塞および再血行再建術リスクを低下することが、ネットワークメタ解析の結果、明らかにされた。スイス・ベルン大学病院のStephan Windecker氏らが行った検討によるもの。そしてCABGに次いでステントベースの冠動脈再建術が、種類を問わず薬物療法と比べて血行再建術の必要性を低下したことも示された。ステント術の中では新世代の薬剤溶出ステントの低下が顕著で、著者は、「薬物療法戦略と比較してCABGと新世代の薬剤溶出ステントに、生存改善のエビデンスがあることが示された」とまとめている。BMJ誌オンライン版2104年6月23日号掲載の報告より。血行再建術と薬物療法の予後改善比較についてネットワークメタ解析 安定冠動脈疾患患者において、血行再建術が薬物療法と比較して予後を改善するかを調べる検討は、ベイジアン・ネットワークメタ解析にて行われた。 初期薬物療法戦略と血行再建術(CABGまたはFDA承認の血行再建術)とを比較した試験を適格とした。FDA承認の血行再建術は具体的に、バルーン血管形成術、ベアメタルステントと、初期世代のパクリタキセル溶出ステント、シロリムス溶出ステント、Endeavorゾタロリムス溶出ステント、そして新世代のエベロリムス溶出ステント、Resoluteゾタロリムス溶出ステントであった。 1980~2013年のMedline、Embaseから、両者の比較を行っていた無作為化試験を適格とし検索。主要アウトカムは、全死因死亡とした。再血行再建術リスクは、CABGで顕著に低下 検索により100試験、9万3,553例、26万2,090人年のフォローアップデータを解析に組み込んだ。 結果、CABGは薬物療法と比較して生存ベネフィットがあり、率比で(RR)0.80(95%信頼区間[CI]:0.70~0.91)であった。新世代薬剤溶出ステントの生存ベネフィットは、エベロリムスが0.75(同:0.59~0.96)、ゾタロリムス(Resolute)が0.65(同:0.42~1.00)だった。 バルーン血管形成術(RR:0.85、95%CI:0.68~1.04)、ベアメタルステント(同:0.92、0.79~1.05)、初期世代の薬剤溶出ステント[パクリタキセル(同:0.92、0.75~1.12)、シロリムス(同:0.91、0.75~1.10)、ゾタロリムス(Endeavor)(同:0.88、0.69~1.10)]についても、薬物療法と比較して生存の改善が認められた。 CABGは、心筋梗塞リスクの低下も認められた(同:0.79、0.63~0.99)。エベロリムス溶出ステントも心筋梗塞リスクを低下する傾向が示された(同:0.75、0.55~1.01)。 再血行再建術リスクは、CABGで顕著な低下がみられた(同:0.16、0.13~0.20)。次いで新世代薬剤溶出ステント[ゾタロリムス(Resolute)(同:0.26、0.17~0.40)、エベロリムス(同:0.27、0.21~0.35)]で、初期世代薬剤溶出ステント[ゾタロリムス(Endeavor)(同:0.37、0.28~0.50)、シロリムス(同:0.29、0.24~0.36)、パクリタキセル(同:0.44、0.35~0.54)]、そしてベアメタルステント(同:0.69、0.59~0.81)と続いた。

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百日咳ブースターワクチン、思春期接種も必要?/BMJ

 英国では2001年に、就学前の百日咳ブースターワクチン接種が導入され、導入前には長引く咳でプライマリ・ケアを受診した学齢児の37%で、百日咳が見つかっていた。しかし導入後もいまだに5人に1人(20%)の割合で百日咳が見つかることが、オックスフォード大学Kay Wang氏らによる5~15歳児を対象とした前向きコホート研究の結果、明らかにされた。著者は、「ワクチン接種を完了した小児においても臨床的に重大な咳が起きる可能性が示された」と述べ、「今回の結果は、思春期における百日咳ブースターワクチン接種の必要性を考えるべきであることを知らしめるものとなるだろう」とまとめている。BMJ誌オンライン版2014年6月24日号掲載の報告より。2~8週間の長引く咳で受診した5~15歳の279例について検討 Wang氏らは、百日咳ブースターワクチン導入後の、プライマリ・ケアを長引く咳で受診した学齢児における百日咳の有病率と臨床的重症度を調べるため、前向きコホート研究を行った。 対象は、2010年11月~2012年12月に、テムズバレーの22人の一般医(GP)を受診し、2~8週間の持続性の咳を有していた5~15歳の279例であった。重篤な基礎疾患や、免疫不全症または免疫が低下、他の臨床試験に関与、および1年以内に百日咳ブースターワクチンを接種していた人は、評価から除外した。 主要評価項目は、最近の百日咳感染のエビデンスで、経口流体での抗百日咳毒素IgG力価が70単位以上の場合とした。咳の頻度は検査で百日咳が確認された6例の小児で測定された。ワクチン接種完了児の18%で最近の感染が確認、接種後7年以上でリスクは3倍 結果、56例(20%、95%信頼区間[CI]:16~25%)の小児において、最近の百日咳感染のエビデンスが確認された。そのうち39例はワクチン接種を完了しており、これらはワクチン接種完了児215例の18%(95%CI:13~24%)に該当した。 百日咳リスクは、就学前ブースターワクチン後7年未満だった小児(発生例:20/171例、12%、95%CI:7~17%)よりも、7年以上経っていた小児(同:21/53例、40%、26~54%)のほうが3倍高かった。 一方で百日咳リスクは、就学前に5回投与されていた群と3回投与されていた群では同程度であった(5回接種群に対する率比:1.14、95%CI:0.64~2.03)。 咳の頻度を検討した6例のうち、4例で24時間で400回超の咳が測定された。

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うつ病と殺虫剤、その関連が明らかに

 これまで、うつ病と殺虫剤曝露が関連する可能性は指摘されていたが、うつ病エピソードの経過または殺虫剤個々についての検討はほとんど行われていなかった。米国・ノースカロライナ大学のJohn D Beard氏らは、Agricultural Health Studyに登録された殺虫剤を個人で散布した男性のデータを解析し、殺虫剤の曝露とうつ病との関連を調べた。その結果、2系統(燻蒸剤・有機塩素系)、7種類(リン化アルミニウム、二臭化エチレン、2,4,5-トリクロロフェノキシ酢酸、ジエルドリン、ジアジノン、マラチオン、パラチオン)において、うつ病との明らかな関連が認められたことを報告した。Environmental Health Perspectives誌オンライン版2014年6月6日号の掲載報告。 研究グループは、Agricultural Health Studyへと1993~1997年に登録され、2005~2010年に電話インタビューによる追跡調査を完了した被験者について、10系統50種類の殺虫剤に関するデータを解析した。逆確率重み付け法により潜在的な交絡因子を補正し、多分割ロジスティック回帰により、オッズ比(OR)と95%信頼区間(CI)を推算した。解析には、Agricultural Health Study参加者のうち、共変数データ不明の3,315例、電話インタビューにより追跡を完了しなかった2万4,619例を除外した2万1,208例が含まれた。 主な結果は以下のとおり。・被験者2万1,208例のうち、1,702例(8%)が、医師によりうつ病と診断されていた。・それらのうち、登録時にうつ病と診断されたが追跡時にうつ病を認めなかった者は474例(28%)、登録時と追跡時の両方でうつ病と診断された者540例(32%)、登録時にうつ病と診断されておらず追跡時にうつ病と診断された者は688例(40%)であった。・上記3群について、2系統(燻蒸剤・有機塩素系)、以下7種類の殺虫剤について解析した結果、各ケース群のORは1.1~1.9と、すべてうつと明確な関連が認められた。 …リン化アルミニウムおよび二臭化エチレン …フェノキシ系除草剤(2,4,5-トリクロロフェノキシ)酢酸 (2,4,5-T) …有機塩素系殺虫剤ジエルドリン …有機リン系殺虫剤ジアジノン、マラチオン、パラチオン関連医療ニュース 殺虫剤でアルツハイマー病リスクが増加 河川や水道水で抗うつ薬検出:東ヨーロッパ ゲームのやり過ぎは「うつ病」発症の原因か?!  担当者へのご意見箱はこちら

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慢性腰痛に対するタネズマブ、長期投与は?

 慢性腰痛患者を対象としたタネズマブ(tanezumab、国内未発売)の、無作為化プラセボおよび実薬対照二重盲検比較試験の延長試験の結果が発表された。タネズマブ10mgが20mgと有効性は同等で忍容性は良好であったことが示された。米国・アリゾナリサーチセンターのJoseph S. Gimbel氏らが、タネズマブ長期投与の安全性と有効性を検討する目的で二重盲検試験期に引き続き非盲検にて行った結果で、著者は「タネズマブ10mgは、慢性腰痛の長期治療に有用と思われる」とまとめている。Pain誌オンライン版2014年6月14日号の掲載報告。 延長試験の対象は、タネズマブ10mg群321例、20mg群527例で、いずれも二重盲検試験期に引き続き、8週ごとに静脈内投与3回、皮下投与4回が行われた。 有効性の主要評価項目は、簡易疼痛調査票縮小版(BPI-SF)、ローランド・モリス障害質問票(RMDQ)および患者による全般評価(PGA)における各スコアの二重盲検試験期開始前からの変化量とした。 主な結果は以下のとおり。・延長試験期の平均投与期間は10mg群194日、20mg群202日であった。 ・有効性はいずれの評価項目も両群で同等であり、長期にわたり改善効果が維持されていた。 ・最もよくみられた有害事象は、関節痛、感覚異常および感覚鈍麻であった。 ・骨壊死様の有害事象が6例(10mg群2例、20mg群4例)、関節全置換術の施行が9例(10mg群7例、20mg群2例)報告されたが、独立判定委員会が盲検下で評価した結果、骨壊死と判定された症例はなかった。

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大腸がん肝転移切除患者の予後予測バイオマーカー

 大腸がん肝転移の根治的切除により長期的ベネフィットがもたらされる患者の割合は40%以下である。そのため、臨床管理を改善し、無意味な手術を減らすために、予後予測バイオマーカーが必要となる。上皮成長因子受容体(EGFR)およびプロスタグランジンエンドペルオキシド合成酵素2(PTGS2)の発現が、発がんおよび生存期間と関連したことから、オランダ・VU大学医療センターのJ A C M Goos氏ら(the DeCoDe PET group)は、大腸がん肝転移切除後の患者におけるEGFRとPTGS2発現の予後予測的価値を調べた。その結果、これらの発現は、切除可能な大腸がん肝転移患者における予後予測分子バイオマーカーであることが示唆された。British Journal of Cancer誌オンライン版2014年7月1日号に掲載。 著者らは、1990年~2010年に肝切除術を受けた患者の多施設コホートより、ホルマリン固定パラフィン包埋大腸がん肝転移組織および原発腫瘍標本を組織マイクロアレイ(TMA)に組み込んだ。TMAをEGFRおよびPTGS2について免疫組織化学染色した。大腸がん肝転移組織での発現と全生存期間との関連のハザード率比(HRR)は500-fold交差検証法で計算した。 主な結果は以下のとおり。・EGFRとPTGS2の発現は、それぞれ、323例と351例の患者で認められた。・大腸がん肝転移におけるEGFR発現は、予後不良と関連し(HRR 1.54、p<0.01)、交差検定によるHRRは1.47(p=0.03)であった。・PTGS2発現も予後不良と関連し(HRR 1.60、p<0.01)、交差検定でのHRRは1.63(p<0.01)であった。・EGFRとPTGS2の発現は、標準的な臨床病理学的変数での多変量解析後においても、予後と関連していた(それぞれ、交差検定でのHRR 1.51、p=0.02、同HRR 1.59、p=0.01)。・一般的に適用された全身療法レジメンで層別化した場合、全身療法を受けなかった患者のサブグループでのみEGFRとPTGS2の予後予測価値が示され(それぞれ、HRR 1.78、p<0.01、HRR 1.64、p=0.04)、EGFRとPTGS2の両方とも高度に発現した場合に予後が最も悪かった(HRR 3.08、p<0.01)。・大腸がん肝転移におけるPTGS2の発現は、同一患者の原発腫瘍での発現に相関していた(p=0.02、69.2%の一致)。

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45)捨てられない状況を変えるよう説明するコツ【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話患者もったいなくて、なかなか捨てられなくて、つい食べちゃうんです。医師確かに、捨てるのは、なかなか難しいですね。患者そうなんです。なんだか、もったいなくて・・・医師そこが人生の分かれ目(ターニングポイント)ですね。患者ターニングポイント?医師そうです。余分なものを胃袋に捨てるか、ゴミ袋にすてるか?患者それが問題ですね。余分なもので体脂肪が増えるんですものね。医師そうですね。思い切って捨てるか、誰かに回したり、翌日に回してみてもいいですね。患者わかりました。なるべく、胃袋に捨てないように頑張ってみます。●ポイント捨てられない状況に共感し、一緒に対策を立てる

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ケアネット白書~糖尿病編2014

株式会社ケアネットでは、このほど「ケアネット白書~糖尿病編(以下、糖尿病白書2014)」をまとめた。本調査は、2型糖尿病患者を1ヵ月に1人以上診察している医師を対象に、2014年4月にインターネット調査を実施し、その回答をまとめたものである。2014年版では、この春発売となった「SGLT2阻害薬」の処方意向や処方患者像なども質問項目に加え、最新の糖尿病治療について調査した。以下、「糖尿病白書2014」の概要を紹介する。CONTENTS1.調査目的と方法2.結果1)回答医師の背景2)2型糖尿病の患者数3)薬剤の使用状況4)薬剤選択の際に重要視する項目5)新薬「SGLT2阻害薬」の評価・処方意向1. 調査目的と方法本調査の目的は、糖尿病診療に対する臨床医の意識を調べ、その実態を把握するとともに、主に使用されている糖尿病治療薬を評価することである。2型糖尿病患者を1ヵ月に10人以上診察している全国の医師500人を対象に、(株)ケアネットのウェブサイトにて、アンケート調査への協力を依頼し、2014年4月11日~4月15日に回答を募った。2. 結果1)回答医師の背景回答医師500人の主診療科は、一般内科が40.8%で最も多く、次いで糖尿病・代謝・内分泌科で32.8%、循環器科で10.8%である。それら医師の所属施設は、病院(20床以上)が65.4%、診療所(19床以下)が34.6%となっている。医師の年齢層は50-59歳が最も多く36.0%、次いで40-49歳が31.4%、39歳以下が22.6%と続く。40代から50代の医師が全体の7割近くを占めている(表)。表を拡大する2)2型糖尿病の患者数●1ヵ月に診察している2型糖尿病患者数最近(2014年4月基準)1ヵ月に、外来で診察している2型糖尿病患者は全体平均133.6人である。診療科別で見ると、糖尿病・代謝・内分泌科は平均258.3人、その他の診療科では平均72.7人であった。3)薬剤の使用状況●2型糖尿病に対する糖尿病治療薬の使用状況2型糖尿病に対する糖尿病治療薬をSU薬、速効型インスリン分泌促進薬(グリニド)、α-グルコシダーゼ阻害薬(α-GI)、ビグアナイド(BG)薬、チアゾリジン薬、DPP-4阻害薬、GLP-1受容体作動薬、インスリン製剤、その他――のカテゴリーに分けて、食事・運動療法に加えて薬物療法を実施する際の第一選択薬を聞いた(図1)。図1を拡大する使用が最も多いのはDPP-4阻害薬で、回答した医師全体の40.5%が第一選択薬として使っている(図1下)。昨年の数値(40.1%)と比較するとほぼ横ばいの値であった。次いで多いのがBG薬で、23.3%。昨年の数値(20.5%)と比較すると約3ポイントの上昇が認められた。以下、α-GIが8.9%、SU薬が8.3%、速効型インスリン分泌促進薬が3.0%となっている。なかでもα-GI、SU薬は、昨年はともに10%強であったが、今年は数値を落としている。結果、第一選択薬はDPP-4阻害薬、BG薬で二分する形となった。図2を拡大する<糖尿病・代謝・内分泌科での第一選択薬>回答医師の属性が糖尿病・代謝・内分泌科の場合、最も選択の多いのはBG薬で、38.9%であった(図2中央)。昨年、BG薬から首位の座を奪ったDPP-4阻害薬は32.4%となり、BG薬の底力を見せつける結果となった。<その他の診療科(糖尿病・代謝・内分泌科以外)での第一選択薬>回答医師の属性がその他の診療科の場合、最も選択の多いのがDPP-4阻害薬で44.4%であった(図2下)。昨年と比較するとほぼ横ばいの結果である。以下、BG薬が15.6%、α-GIが10.9%、SU薬が9.2%などとなっている。その他の診療科の結果は、昨年とほぼ同じ傾向であった。4)薬剤選択の際に重要視する項目なお、薬剤を選択する際に重要視する項目についても聞いている(複数回答)。最も多いのは昨年に続き「低血糖を来しにくい」で、76.6%の医師が挙げている。以下、血糖降下作用が強い(65.8%)、重篤な副作用がない(63.0%)などが主なものである(図3左)。図3を拡大する<糖尿病・代謝・内分泌科での重要視項目>回答医師の属性が糖尿病・代謝・内分泌科の場合、薬剤選択で重要視する項目として最も多いのは「低血糖を来しにくい」で、80.5%の医師が挙げている(図3中央)。次に、「体重増加を来しにくい」(74.4%)などが続く。<その他の診療科(糖尿病・代謝・内分泌科以外)での重要視項目>回答医師の属性がその他の診療科の場合も、薬剤選択で重要視する項目として最も多いのは「低血糖を来しにくい」であった。一方、専門医での評価が高い「体重増加を来しにくい」は42.9%と、専門医と比べ、重要視項目としては低い結果であった(図3右)。全体的な傾向をまとめると、昨年同様、診療科を問わず「低血糖を来しにくい」薬剤が重要視されていることが明らかとなった。インクレチン関連薬登場以降に本項目の重要度は高まった。今春発売となったSGLT2阻害薬の登場が「体重増加を来しにくい」への評価にどう影響をもたらすかについては、来年度の白書にてレポートしたい。5)新薬「SGLT2阻害薬」の評価・処方意向2014年春、登場したSGLT2阻害薬※はその新しい作用機序ゆえに注目が集まっている。昨年に続き、SGLT2阻害薬の評価や今後の処方意向について調査した(図4)。※SGLT2阻害薬は、腎尿細管において糖の再吸収に関与するトランスポーターのナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)を阻害し、血糖値依存的に尿糖排泄を促すことで血糖低下作用を発揮する。低血糖のリスクは低く、体重減少作用を有すると注目されている。図4を拡大する●SGLT2阻害薬で評価できる特徴SGLT2阻害薬で評価できる特徴について質問したところ、「インスリン分泌を介さない血糖降下作用」が70.2%と最も高く、次いで、「体重減少作用」(69.0%)、「低血糖を来しにくい」(63.4%)であった(図4左)。<糖尿病・代謝・内分泌科での評価>回答医師の属性が糖尿病・代謝・内分泌科の場合、81.6%が「体重減少作用」を評価していた(図4中央)。以下、「インスリン分泌を介さない血糖降下作用」(68.7%)「低血糖を来しにくい」(60.7%)、と続いた。<その他の診療科(糖尿病・代謝・内分泌科以外)での評価>回答医師の属性がその他の診療科の場合は、「インスリン分泌を介さない血糖降下作用」が71.0%と最も多かった。次いで「低血糖を来しにくい」(64.8%)、「体重減少作用」(62.6%)であった(図4右)。全体的な傾向をまとめると、専門医はSGLT2阻害薬の体重減少作用をより評価しており、これは「薬剤選択の際に重要視する項目」とも関連が認められた。一方で、非専門医は「インスリン分泌を介さない血糖降下作用」を最も評価するという結果であった。SGLT2阻害薬の評価ポイントについて、専門医と非専門医で若干の違いがあることが浮き彫りとなった。●SGLT2阻害薬に対する処方意向SGLT2阻害薬の処方意向について質問したところ、「周りの医師の反応をみながら処方を検討してみたい」との回答が49.3%で最も多かった。次いで「発売時より処方を検討していきたい」(39.2%)との回答であった(図5上)。図5を拡大する<糖尿病・代謝・内分泌科での処方意向>回答医師の属性が糖尿病・代謝・内分泌科の場合、「発売時より処方を検討していきたい」との回答が59.4%と「周りの医師の反応をみながら処方を検討してみたい」(33.8%)を上回る高い処方意向が認められた(図5中央)。<その他の診療科(糖尿病・代謝・内分泌科以外)での処方意向>回答医師の属性がその他の診療科の場合は、「周りの医師の反応をみながら処方を検討してみたい」が57.9%と最も多く、1年目は様子見という状況が伺えた(図5下)。専門医では「発売時より処方を検討していきたい」の回答が6割弱と、SGLT2阻害薬の処方に前向きなことが明らかとなった。この結果をみる限り、SGLT2阻害薬は発売直後より2型糖尿病治療の新たな選択肢として注目を浴びると予想される。

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事例11 インスリン(IRI)検査の査定【斬らレセプト】

解説2型糖尿病の在宅自己注射指導管理料算定中の患者に対して、糖尿病関連の諸検査を行ったところ、インスリン(IRI)検査が診療報酬支払基金よりC(医学的理由により不適当と判断されるもの)を理由に査定となった。事例の患者には在宅自己注射指導管理料が算定されている。体外からインスリンの補給を行っている患者であることがわかる。IRI検査は、血中のインスリンを測定する検査であって、自己分泌のインスリンであるかないかの区別はできない。したがって、インスリン治療をすでに開始している患者へのIRI検査は疑問であり、CPRが同時算定されていることもあって査定になったものであろう。事例の原因は、医学的判断ではなく検査項目がひとまとめに指定できるところにあった。セット項目に入っていても、必要が無いと判断された検査は、省いていただけるようお願いするとともに、セット項目を必要最小限に組み直して誤入力防止の対策とした。

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事例12 皮膚科軟膏処置の査定【斬らレセプト】

解説内科診療所での事例である。湿疹に対して実施した軟膏塗布の範囲に応じた皮膚科軟膏処置2を算定したが、国保連合会よりD(告示・通知の算定要件に合致していないと認められるもの)を理由に査定となった。以前はレセプトの返戻がある都度に、部位を補記して再請求が行われていたという。今回は返戻とならずに査定となったために相談があった。レセプトの記載要領には、皮膚科軟膏処置に対する部位の記載要件はない。しかし、同処置の算定留意事項には、「包帯等で覆うべき軟膏処置を行なうべき広さによって定められた(点数)区分に照らして算定するもの」とある。この区分の選択が妥当であるかは、病名や補記などで示された部位の範囲を参考に審査される。事例のように範囲の記載が無ければレセプトを返戻して医療機関に問い合わせるしかない。何度も同じことを繰り返せば、査定となることもある。軟膏処置のみならず、範囲によって区分が定められた処置を実施した場合には、その区分の選択が妥当であることを示すため、あらかじめ診療録とレセプトに疾病とその部位や範囲の記載が必須となるのである。

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喫煙する家族と暮らす女性は脳卒中リスクが増加~日本の大規模前向きコホート研究

 大阪・愛知・宮城の三府県コホート研究グループでは、日本の大規模前向きコホート研究のデータを用いて、成人期の受動喫煙曝露と脳卒中およびそのサブタイプとの関連を検討した。その結果、成人期の家庭内受動喫煙曝露が非喫煙女性の脳卒中リスクの増加に関連していることが示唆された。Preventive Medicine誌オンライン版2014年6月28日号に掲載。 本研究では、1983~1985年に登録された非喫煙日本人女性3万6,021人を15年間追跡調査した。成人期における家庭内での受動喫煙曝露に関連する脳卒中死亡のハザード比を、Cox比例ハザード回帰モデルを用いて推定した。 主な結果は以下のとおり。・フォローアップ43万7,715人年の間に、計906例の脳卒中死亡が認められた。・喫煙者の家族と暮らす非喫煙女性の脳卒中死亡のハザード比は、家族に喫煙者のいない非喫煙女性と比べて、すべての被験者で1.14(95%CI:0.99~1.31)、40~79歳では1.24(95%CI:1.05~1.46)、80歳以上では0.89(95%CI:0.66~1.19)であった(可能性のある交絡因子調整後)。・リスクは、くも膜下出血で最も顕著であった[すべての被験者でのハザード比1.66(95%CI:1.02~2.70)]。

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日本人うつ病患者に対するアリピプラゾール補助療法:名古屋大学

 抗うつ療法(ADT)を施行した日本人の大うつ病性障害(MDD)患者におけるアリピプラゾール補助療法を検討した無作為化プラセボ対照試験であるADMIRE研究において、アリピプラゾール補助療法はADT単独よりも優れ、忍容性も良好であったことが報告されている。名古屋大学の尾崎 紀夫氏らは、人口統計学的因子および疾患関連因子の影響、また各症状の改善とMDD全体の改善との関連についてサブ解析を実施した。Psychiatry and clinical neurosciences誌オンライン版2014年6月26日号の報告。  ADMIRE研究のデータを分析した。サブグループ解析は、一次評価項目である最終時点のMADRS合計スコアの平均変化量を用い実施した。主な結果は以下のとおり。・MADRS合計スコアの変化は、各サブグループにおいて、アリピプラゾール群ではプラセボ群と比較し一貫して大きかった。・有効性に以下の項目は関連していなかった[性別、年齢、現エピソードに対する十分なADT施行数、MDD診断、うつ病エピソード数、現エピソードの期間、うつ病発症年齢、うつ病罹病期間、抗うつ薬(SSRI/SNRI)の種類および治療終了時点での重症度]。・アリピプラゾール群ではプラセボ群と比較し、MADRAS10項目のうち悲しみ(sadness)を含めた7項目に対し、有意かつ迅速な改善を示した。 著者らは、これらの結果から「SSRI/SNRIで効果不十分な日本人MDD患者に対し、アリピプラゾール補助療法は有効であり、うつ病の主症状に対し大幅かつ急速な効果が期待できることが示唆された」としている。関連医療ニュース 難治性うつ病にアリピプラゾールはどの程度有用か うつ病に対するアリピプラゾール強化療法、低用量で改善 本当にアリピプラゾールは代謝関連有害事象が少ないのか  担当者へのご意見箱はこちら

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論文投稿のためのガイドラインを評価するエビデンスは不十分/BMJ

 ヘルス研究報告の改善のために開発された報告ガイドラインについて、カナダ・オタワ病院研究所のAdrienne Stevens氏らは、システマティックレビューによる評価を行った。報告ガイドラインのうち著名なCONSORT声明については、これまでにシステマティックレビューが行われている。その結果、一部のチェックリスト項目で報告を改善することが示されており、論文投稿時のガイドラインとしてCONSORTを推奨する学術誌で発表された研究報告は、完全性が高いとされている。しかし、その他の報告ガイドラインの包括的なシステマティックレビューは行われていなかった。BMJ誌オンライン版2014年6月25日号掲載の報告より。ヘルス研究報告と学術誌推奨の報告ガイドラインの関連をシステマティックレビューで評価 本検討では、ヘルス研究報告の完全性と学術誌が推奨する報告ガイドラインの関連をシステマティックレビューで評価した。検証対象の報告ガイドラインは、先行システマティックレビューとEQUATOR Network(2011年10月)から検索・特定し、それらの報告ガイドラインを組み込み研究報告の完全性を評価している試験を、Medline、Embaseなどから報告ガイドラインの呼称(CONSORT、PRISMA、STARDなど)で検索・特定した(1990~2011年10月、2012年1月に追加検索)。 検討では、すでに遵守の評価が行われていたCONSORT声明は除外。英語で記述され、明確な報告ガイドラインを提示し、ガイダンスの開発プロセスを記載しており、コンセンサス開発プロセスの活用法を示している報告ガイドラインを適格とした。 報告ガイドラインを組み込んだ評価試験は、英語または仏語で記述され、主要目的が研究報告の完全性の評価であったもの、または興味深い比較が可能な検討(学術誌推奨前vs. 推奨後、学術誌の推奨vs. 非推奨など)を含んだものを適格とした。 包含適格と思われる場合は、初めにタイトルとアブストラクトを、次に全文をスクリーニングする順番でデータの抽出を行った。適格性が不明な評価については著者に問い合わせ、また必要に応じて学術誌のウェブサイトで推奨について調べた。 主要アウトカムは報告の完全性で、報告ガイドラインのチェックリスト項目の全要素で特定した。その報告の完全性と学術誌の推奨との関連を、項目、著者の分析との整合性、平均総合点で分析した。学術誌の推奨ガイドラインと研究報告の完全性との関連が評価できたのは1割以下  検索により、CONSORT以外に101本の報告ガイドラインが特定された。 検索から、報告ガイドラインを組み込んだ評価試験の記録は1万5,249件が特定されたが、学術誌の推奨との関連について評価が可能であったのは、9本のガイドライン26件のみであった。 定量分析が可能であったのは、そのうち7本の報告ガイドライン(BMJ economic checklist、有害性に関するCONSORT、PRISMA、QUOROM、STARD、STRICTA、STROBE)で評価された13件で、エディターが推奨に関して役立つデータをほとんど入手できないことが判明した。 著者は、「報告ガイドラインの学術誌の推奨と刊行済みのヘルス研究報告の完全性の関連を確定するためのエビデンスは不十分なものしか存在しない」と述べ、「学術誌のエディターおよび研究者は、共同して前向きのデザインの対照試験を行い、より強いエビデンスの提供を考えるべきである」とまとめている。

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日本人成人アトピー性皮膚炎に有望な新たな塗布薬開発

 日本人アトピー性皮膚炎成人患者に対する新しいホスホジエステラーゼ4阻害薬E6005について、多施設共同無作為化溶媒対照試験の結果、塗布群でアトピー性皮膚炎重症度スコアの有意な低下が示された。九州大学皮膚科 教授の古江 増隆氏ら研究開発グループによる報告で、「今回の結果、アトピー性皮膚炎治療のE6005局所薬開発のためのさらなる裏付けが得られた」とまとめている。Journal of Dermatology誌オンライン版2014年6月18日号の掲載報告。 E6005塗布薬の安全性と有効性を検討する試験は、78例の患者を対象に行われた。被験者は2対1の割合で、0.2%E6005軟膏剤または溶媒(E6005非含有)塗布群に割り付けられた。 4週間のランダムフェーズに引き続き、8週間の延長フェーズが行われた。延長フェーズでは、ランダムフェーズを完了した全67例が0.2%E6005軟膏剤の投与を受けた。 主な結果は以下のとおり。・4週間の1日2回E6005塗布は、安全であり忍容性は良好であった。・12週間の安全性プロファイルは、当初の4週間のものと同等であった。・死亡や重篤な有害事象は12週間の試験期間中、報告されなかった。・血中E6005値は、全被験者で全サンプリング時点において検出されなかった。一方で、ごく少量の血中E6005代謝物が、治療群の47%で検出された。・4週の試験終了時点で、Eczema Area and Severity Index(EASI)、Severity Scoring Atopic Dermatitis(SCORAD)- objective、SCORAD-C(そう痒と不眠の視覚アナログスケール)、引っ掻き行動尺度、ターゲット湿疹部位重症度は、E6005塗布群で溶媒群と比べて改善の傾向が認められた(統計的有意差はなし)。・12週時点では、E6005塗布群のスコアはベースライン時から有意に低下したことが示された。EASI(p=0.030)、SCORAD-objective(p<0.001)、SCORAD-C(p=0.038)。

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「心筋梗塞治療」を追いかける「虚血性脳卒中治療」(解説:後藤 信哉 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(223)より-

歴史は繰り返す。1980年代に、急性心筋梗塞に対するt-PA治療が米国を中心に広く普及した。当初、「発症後6時間以内の心筋梗塞」が適応とされていたが、「発症後24時間以内」でも有効とされ適応が広まった。医療機関へのアクセスが遠い米国では、心筋梗塞症例を救急搬送するときに救急車内での投与も施行された。血栓溶解により虚血を改善すれば、臓器機能の改善の著しい症例が一部ある。 しかし、t-PAは頭蓋内出血などの重篤な出血イベントを起こすこと、すべての症例に均質に有効性を担保できないこと、有効性を医師が治療中に実感できないこと、などを原因として、再灌流療法の主力は冠動脈インターベンションにシフトした。 血管インターベンションを施行するとなると、事前のt-PAを受けていない方が一般に予後がよいのでt-PA治療は心筋梗塞治療としては衰退した。 歴史が繰り返すのであれば、急性期の脳卒中でもt-PAから急性期の血管インターベンションに、治療の主体は近未来にシフトするかもしれない。1990年以降、循環器内科医の訓練には冠動脈造影と冠動脈インターベンションが組み込まれていた。脳卒中専門医も循環器医同様、急性期の症例の来院時には数名以上が病院に集まって、血管インターベンションをしなければならない時代が来るかもしれない。 冠動脈造影ほど脳血管造影が一般化していないので、脳血管インターベンションの普及には心臓以上に時間がかかるかもしれないし、冠動脈造影に熟達した循環器医の一部が脳血管に標的をシフトすれば、時代の変化は意外に早いかもしれない。

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