サイト内検索|page:1390

検索結果 合計:35150件 表示位置:27781 - 27800

27781.

腰部脊柱管狭窄症へのステロイド併用/NEJM

 腰部脊柱管狭窄症に対し、グルココルチコイド+リドカイン硬膜外注射はリドカイン単独の硬膜外注射と比べて、ほとんどあるいはまったく短期的利益は得られなかったことが明らかにされた。米国・ワシントン大学のJanna L. Friedly氏らが、多施設共同二重盲検無作為化試験の結果、報告した。グルココルチコイド硬膜外注射は、腰部脊柱管狭窄症の治療に広く用いられているが、一方で高齢者の疼痛および障害を引き起こす頻度が高い。しかしその使用に関する有効性、安全性の厳密なデータは十分ではないのが現状であった。NEJM誌2014年7月3日号掲載の報告より。400例を併用群と単独群に無作為化し6週時点で有効性、安全性を評価 試験は2011年4月~2013年6月に、米国内16施設で被験者を募り行われた。2,224例がスクリーニングを受け、中心性腰部脊柱管狭窄症と中等度~重度の下肢疼痛および障害を有する患者400例を、グルココルチコイド+リドカイン硬膜外注射またはリドカイン単独硬膜外注射を受ける群に無作為に割り付け検討した。 患者は、主要アウトカム評価時(無作為化後または初回注射後6週時)までに1または2回の注射を受けた。 主要アウトカムは、Roland–Morris障害質問票スコア(RMDQ、スコア範囲0~24で高スコアほど身体障害が重度)、下肢疼痛強度(尺度0~10で、0は疼痛なし、10は“想定内では最大級の痛み”)であった。有効性、安全性ともに有意差みられず 6週時点で、RMDQスコア、下肢疼痛強度の評価ともに両群間に有意差はみられなかった。RMDQスコアについては、両群の平均治療効果の補正後の差は-0.1ポイント(95%信頼区間[CI]:-2.1~0.1、p=0.07)であり、下肢疼痛強度については、同-0.2ポイント(95%信頼区間[CI]:-0.8~0.4、p=0.48)であった。 同様に事前規定の注射タイプ別(経椎弓間vs. 経椎間孔)で層別化した副次サブグループ解析でも、6週時点の評価で有意差は認められなかった(RMDQスコアの相互作用p=0.73、下肢疼痛強度の相互作用p=0.99)。 1つ以上の有害事象を報告した患者の割合は、併用群21.5%、単独群15.5%だった(p=0.08)。患者当たり平均イベント数は、併用群のほうが多かった(p=0.02)。また注射タイプ別では、経椎間孔群のほうが経椎弓間群よりも高率だった。

27782.

セリアック病の遺伝的発症リスク/NEJM

 小児セリアック病の発症リスクをHLAハプロタイプとの関連で検討した結果、HLAハプロタイプがDR3-DQ2で、とくにホモ接合体を有する場合、小児早期でセリアック病自己免疫およびセリアック病のリスクが高いことが明らかになった。米国・デンバー小児病院のEdwin Liu氏らが前向き研究TEDDYの被験者を評価して報告した。セリアック病リスクとの関連については、HLAハプロタイプDR3-DQ2またはDR4-DQ8が関連していること、また、発症児のほぼ全員が組織トランスグルタミナーゼ(tTG)の血清抗体を有していることは知られていた。NEJM誌2014年7月3日号掲載の報告より。HLAハプロタイプDR3-DQ2またはDR4-DQ8を有する小児を前向きに追跡 TEDDY研究は、1型糖尿病の遺伝的リスクが高く、副次アウトカムとしてセリアック病を有する小児を追跡する多施設共同研究である。研究グループは、その一部被験者(出生時にHLAハプロタイプDR3-DQ2またはDR4-DQ8を有していた小児)についてセリアック病自己免疫およびセリアック病の発症について評価した。 研究は、米国3施設および欧州3施設(フィンランド、ドイツ、スウェーデン)の計6施設で行われた。 主要エンドポイントは、セリアック病自己免疫の発症で、3ヵ月間隔で行われた2回の試験でtTG抗体が認められた場合と定義した。副次エンドポイントは、セリアック病の発症とし、生検により診断またはtTG抗体高値が持続している場合と定義した。DR3-DQ2、とくにホモ接合体を有する小児で高リスク、環境要因の関連も浮上 2013年7月31日時点で、6,403例が抗体検査を1回以上受け、そのうち5,778例(90%)が2回以上の抗体検査を受けた。 追跡期間中央値は60ヵ月(四分位範囲:46~77ヵ月)であった。 セリアック病自己免疫を発症したのは、786例(12%)だった。また、350例が生検を受け、そのうち291例でセリアック病が確認された。さらに生検を受けなかった21例でtTG抗体高値の持続が確認された。 5歳時までの発症リスクは、DR3-DQ2ハプロタイプを1コピー有する小児では、セリアック病自己免疫は11%、セリアック病は3%であり、2コピー(DR3–DQ2ホモ接合)を有する小児ではそれぞれ26%、11%であった。 補正モデルにおけるセリアック病自己免疫のハザード比は、遺伝的リスクが最も低い小児(DR4-DQ8ヘテロ接合体またはホモ接合体を有する)と比べて、DR3-DQ2のヘテロ接合体を有する小児では2.09(95%信頼区間[CI]:1.70~2.56)、同ホモ接合体を有する小児では5.70(同:4.66~6.97)だった。 また、スウェーデン居住者で、セリアック病自己免疫の独立したリスク上昇が認められた(ハザード比:1.90、95%CI:1.61~2.25)。この点を踏まえて著者は、「スウェーデンで発症リスクが高かったことは、セリアック病との関連について環境要因を調べることの重要性を示唆するものである」と指摘している。

27783.

β遮断薬長期服用の乾癬発症リスク

 米国・ブラウン大学のShaowei Wu氏らによる前向きコホート研究の結果、長期にわたる高血圧症は乾癬リスクを増大すること、またβ遮断薬の常用も乾癬リスクを増大する可能性があることを報告した。これまで高血圧症と乾癬の関連、および降圧薬、とくにβ遮断薬が乾癬発症に結び付くことは示唆されていたが、前向きデータを用いた検討は行われていなかった。JAMA Dermatology誌オンライン版2014年7月2日号の掲載報告。 検討は、1996年6月1日~2008年6月1日に米国で行われた看護師健康調査に参加し、高血圧症と降圧薬に関する2年ごとの更新データが入手できた7万7,728例の女性を対象とした。 主要評価項目は、医師に診断された乾癬であった。 主な結果は以下のとおり。・フォローアップ106万6,339人年において、乾癬を発症したのは843例であった。・正常血圧被験者と比べて高血圧症6年以上の被験者は、乾癬を発症するリスクが高率であった(ハザード比[HR]:1.27、95%信頼区間[CI]:1.03~1.57)。・層別化解析において乾癬リスクは、正常血圧・降圧薬非服用の患者と比較して、降圧薬非服用・高血圧症被験者(HR:1.49、95%CI:1.15~1.92)、降圧薬服用・高血圧症被験者(同:1.31、1.10~1.55)で高率であった。・β遮断薬非服用被験者と比較して、同常用被験者の多変量HRは、常用期間1~2年では1.11(95%CI:0.82~1.51)、3~5年では1.06(同:0.79~1.40)、6年以上では1.39(同:1.11~1.73)であった(傾向のp=0.009)。・その他の降圧薬使用と乾癬リスクとの関連は認められなかった。

27784.

市中肺炎 治療成否の予測因子

 市中肺炎治療の成否を決める簡便な臨床的予測因子は早期では「胸水の貯留」、晩期では「多葉性の肺炎」であることをスペイン・Parc Tauli大学研究所のIgnacio Martin-Loeches氏らが報告した。また、IL-6と治療不成功、IL-6およびPCTと晩期の治療不成功に相関関係が認められたことにも言及している。Respiratory Research誌オンライン版2014年7月5日号の掲載報告。 市中肺炎の治療失敗は高い死亡率と関連することから、その臨床的管理は重要な問題である。そこで市中肺炎患者を対象に、無作為化臨床試験による症例対照研究を行った(治療成功群vs治療不成功群、晩期・早期を区別)。CRP、プロカルシトニン(PCT)、インターロイキン(IL)-1,6,8,10、TNFを測定し、治療の成否は入院初日と3日目で判定した。 主な結果は以下のとおり。・253例の市中肺炎患者のうち、治療不成功例は83例であり、そのうち40例(48.2%)は早期の不成功であった。晩期の治療不成功群は、高いCURB-65スコアで弁別可能であった(p=0.004)。・早期の治療不成功群は、治療成功群と比べ、入院初日のCRP、PCT、IL-6、IL-8が有意に高く(それぞれ、p<0.001、p=0.004、p<0.001、p=0.02)、IL-1は低い傾向が認められた(p=0.06)。・晩期の治療不成功群は、治療成功群と比べ、入院3日目のCRP、PCT、IL-6が有意に高かった(それぞれ、p<0.001、p=0.007、p<0.001)。・早期の治療不成功の独立した予測因子は、入院初日のIL-6の高値(オッズ比:1.78、95%Cl:1.2~2.6)と胸水の貯留(オッズ比:2.25、95%Cl:1.0~5.3)であった。・晩期の治療不成功の独立した予測因子は、入院3日目のPCTの高値(オッズ比:1.60、95%Cl:1.0~2.5)、CURB-65 score ≧3(オッズ比:1.43、95%Cl:1.0~2.0)、多葉性の肺炎(オッズ比:4.50、95%Cl:2.1~9.9)であった。

27785.

統合失調症の再発予防、ω-3脂肪酸+α-LAは有用か

 統合失調症の抗精神病薬中止後の再発予防に、オメガ-3系多価不飽和脂肪酸(ω-3 PUFAs)と代謝抗酸化物質であるα-リポ酸(α-LA)の組み合わせが有効であるというエビデンスは、示されなかったことが報告された。南アフリカ共和国・ステレンボス大学のRobin Emsley氏らが、無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果、報告した。検討では、服薬中止後の再発率が75~90%と高かったことから、著者は「統合失調症の単回エピソード後の抗精神病薬の中止は再発のリスクが非常に高く、同プラクティスを支持するガイドラインを改訂すべきであろう」と述べている。Schizophrenia Research誌オンライン版2014年7月1日号の掲載報告。 統合失調症の維持治療として抗精神病薬は有効である一方、安全性および忍容性のリスクがある。本検討では、統合失調症または統合失調症様障害の初回エピソード後2~3年間、良好にコントロールされている患者における抗精神病薬中止後の再発防止に対し、ω-3 PUFAs+α-LAが有効であるか否かを検討した。抗精神病薬を漸減および中止後、被験者をω-3 PUFAs(エイコサペンタエン酸2g/日およびドコサヘキサエン酸1g/日)+α-LA(300mg/日)群またはプラセボ群に無作為化し、2年間あるいは再発が起こるまで追跡した。 主な結果は以下のとおり。・両群とも、再発率ならびに再発エピソードの重症度が高かったため、登録は時期を早めて終了となった。被験者は33例であった。・ω-3 PUFAs+α-LA 群に無作為化された21例中19例(90%)で再発が認められ、再発せずに2年間の試験を完了できたのは1例(5%)であった(p=0.6)。・プラセボ群に無作為化された12例中9例(75%)で再発が認められ、再発せずに2年間の試験を完了できた例はなかった。・再発までの期間中央値は、ω-3 PUFAs+α-LA群が39.8±25.4週、プラセボ群が38.3±26.6週であった(p=0.9)。・再発症状の重症度に、2群間に有意差は認められなかった。・小規模試験であったが、再発予防における抗精神病薬維持治療の代替として、ω-3 PUFAs+α-LAが適切な選択肢になりうるというエビデンスは得られなかった。関連医療ニュース 統合失調症“再発”の危険因子は 統合失調症の再発、どう定義とすべきか 統合失調症患者の再発を予測することは可能か  担当者へのご意見箱はこちら

27788.

外傷性脳損傷へのEPO投与/JAMA

 閉鎖性外傷性脳損傷患者に対して、エリスロポエチン(EPO)投与およびヘモグロビン値10g/dL超維持の積極的な輸血管理は、6ヵ月時点の神経学的アウトカムの改善に結びつかなかったことが示された。米国・ベイラー医科大学のClaudia S. Robertson氏らが無作為化試験の結果、報告した。試験では輸血閾値10g/dLと高頻度の有害イベント発生との関連も認められ、著者は、「いずれのアプローチも支持できない」と結論している。これまで、外傷性脳損傷後のEPO投与または積極的な輸血管理の効果に関する情報は、いずれも限定的なものであった。JAMA誌2014年7月2日号掲載の報告より。EPO投与有無と輸血管理の2つの閾値について検討 研究グループは、EPO投与と2つの輸血目標ヘモグロビン値(7g/dLと10g/dL)の、神経学的回復における効果を比較する検討を行った。 被験者は閉鎖性外傷性脳損傷を受け、指示に従うことができなかった患者200例で、2006年5月~2012年8月に、米国のレベルI外傷センター2施設の脳神経外科集中治療室で受傷後6時間以内に登録された。 試験は2×2要因配置デザインを用いて被験者を、輸血閾値7g/dLおよびEPO投与群、輸血閾値7g/dLおよびプラセボ投与群、輸血閾値10g/dLおよびEPO投与群、輸血閾値10g/dLおよびプラセボ投与群の4群に無作為化。EPO投与群(102例)のアウトカム改善がプラセボ群(98例)よりも20%上回ることができない、また輸血閾値10g/dL超群(101例)が7g/dL群(99例)と比べて合併症を増大することなく良好な転帰を増大するかどうかを検証した。 なおEPOまたはプラセボの投与は、試験初期登録の74例については、500 IU/kgを当初3日間、その後週1回を2週間以上行うスケジュールで行われた(第1投与スケジュール)。しかし2009年に安全性への懸念から投与スケジュールが変更され、その後に登録された126例については24時間、48時間時点の投与は行われなかった(第2投与スケジュール)。 主要評価項目は、受傷後6ヵ月時点のグラスゴー・アウトカム・スケールスコアで、良好(良好な回復、中等度の障害)または不良(重度の障害、植物状態または死亡)で判定した評価とした。受傷後6ヵ月時点のアウトカムの評価は、いずれも無益であることを示す結果 EPOと輸血閾値に相互作用は認められなかった。 アウトカム良好となった患者の割合は、プラセボ群(34/89例・38.2%、95%信頼区間[CI]:28.1~49.1%)と比較して、EPO投与群は、第1投与スケジュール群(17/35例・48.6%、95%CI:31.4~66.0%、p=0.13)、第2投与スケジュール群(17/57例、29.8%、同:18.4~43.4%、p<0.001)ともに、投与が無益であることを示す結果であった。 輸血閾値の違いでみると、7g/dL群は42.5%(37/87例)であり、10g/dL群は33.0%(31/94例)という結果であった(差の95%CI:-0.06~0.25、p=0.28)。 また、輸血閾値10g/dL群では7g/dL群と比べて、血栓塞栓症イベントの発生が高率に認められた(22/101例[21.8%] vs. 7g/dL群8/99例[8.1%]、オッズ比:0.32、95%CI:0.12~0.79、p=0.009)。

27789.

進行肝細胞がんへのエベロリムス投与/JAMA

 進行肝細胞がんでソラフェニブ(商品名:ネクサバール)治療が無効または不耐であった患者に対する、エベロリムス(同:アフィニトール)治療は全生存期間(OS)を改善しなかったことが示された。米国・マサチューセッツ総合病院がんセンターのAndrew X. Zhu氏らが無作為化試験EVOLVE-1の結果、報告した。進行肝細胞がんに対し現状ではソラフェニブが唯一、OSを有意に改善するが、その有益性は一過性のわずかなものである。エベロリムスは、肝細胞がんの最大45%で活性が認められるmTORタンパク質を阻害することで抗腫瘍効果を発揮する。第I/II相試験において進行肝細胞がんへの効果が期待され、今回の臨床試験が行われた。JAMA誌2014年7月2日号掲載の報告より。17ヵ国546例を対象に二重盲検プラセボ対照試験 EVOLVE-1は、ソラフェニブ治療が無効または不耐であった進行肝細胞がん患者に対する、エベロリムス7.5mg/日の有効性と安全性を評価した第III相の国際無作為化二重盲検プラセボ対照試験であった。 被験者は、2010年5月~2012年3月に17ヵ国から登録された成人患者546例で、Barcelona Clinic Liver Cancer(BCLC)ステージBまたはCの肝細胞がん、およびChild-Pugh Aの肝硬変を有していた。 無作為化は、地域(アジアvs. その他地域)および大血管浸潤(ありvs. なし)で層別化し、2対1の無作為化スキームにより、エベロリムス群に362例、適合プラセボ群に184例が割り付けられた。なお両群には、最善の支持療法も併せて行われた。 主要エンドポイントはOS、副次エンドポイントは、無増悪期間(TTP)、病勢コントロール率(DCR)(完全奏効[CR]、部分奏効[PR]、安定[SD]の患者の割合)などだった。OS中央値はエベロリムス群7.6ヵ月、プラセボ群7.3ヵ月 結果、両群間でOSの有意差はみられなかった。エベロリムス群の死亡は303例(83.7%)、プラセボ群は151例(82.1%)で(ハザード比[HR]:1.05、95%信頼区間[CI]:0.86~1.27、p=0.68)、OS中央値はエベロリムス群7.6ヵ月、プラセボ群7.3ヵ月であった。 無増悪期間の中央値は、エベロリムス群3.0ヵ月、プラセボ群2.6ヵ月であり(HR:0.93、95%CI:0.75~1.15)、病勢コントロール率はそれぞれ56.1%、45.1%であった(p=0.01)。 最も共通してみられたgrade 3または4の有害事象は、貧血症(エベロリムス群7.8%vs. プラセボ群3.3%)、無力症(7.8%vs. 5.5%)、食欲不振(6.1%vs. 0.5%)であった。 C型肝炎のフレアがみられた患者はいなかったが、中央検査室での結果、39例の患者(エベロリムス群29例、プラセボ群10例)でB型肝炎の再活性が認められた。全症例が無症候性であったが、エベロリムス投与群3例が治療を中止した。 なおサブグループ解析において、アジア人のエベロリムス群vs. プラセボ群のOSのHRは0.97(95%CI:0.61~1.52)であった。

27790.

新規抗NGF抗体、膝痛を改善

 変形性膝関節症(膝OA)患者を対象とした完全ヒト型抗ヒト神経成長因子(NGF)モノクローナル抗体ファシヌマブ(fasinumab、REGN475、国内未承認)の安全性および有効性を検討した無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験の結果が発表された。米国・リジェネロン・ファーマシューティカルズ社のPaul J. Tiseo氏らによる報告で、ファシヌマブ静脈内投与はプラセボと比較して忍容性は良好であり、歩行時の膝痛を有意に改善することが認められたという。Pain誌2014年7月号(オンライン版2014年3月29日号)の掲載報告。 試験は、中等度~重度の疼痛を有する40~75歳の膝OA患者217例を対象に行われた。 ファシヌマブ0.03mg/kg、0.1mg/kg、0.3mg/kgまたはプラセボの4群に1対1対1対1の割合で無作為に割り付け、試験第1日目および8週後(第57日目)に被験薬を静脈内投与した。 主要評価項目は、安全性(24週間における治療下で発現した有害事象の発現率で評価)で、副次的評価項目は歩行時の膝痛(数値的評価スケールを用いて毎日記録)、ならびにWestern Ontario and McMaster Universities Osteoarthritis Index(WOMAC)のベースライン時からの変化量とした。 主な結果は以下のとおり。・24週後の有害事象発現率は、ファシヌマブ群66.1~75.0%、プラセボ群63.6%であった。・主な有害事象は、関節痛、知覚過敏、筋肉痛、末梢浮腫および関節腫脹であった。・有害事象のため試験を中止した患者の割合は、ファシヌマブ群5.6%、プラセボ群3.7%であった。・歩行時膝痛、WOMACの総スコアならびに疼痛、身体機能およびこわばりの各サブスケールスコアはいずれも、ファシヌマブの3群でプラセボ群より有意に改善した(p<0.05)。

27791.

カネボウがロドデノールによる「白斑」原因究明で発症メカニズムの一端を解明

 花王グループ・カネボウ化粧品は今月14日、日本皮膚科学会と共同で行った「白斑」症状の原因解明に関する研究結果を公表し、医薬部外品有効成分「ロドデノール」配合製品を使用して白斑が発症するメカニズムの一端を明らかにした。カネボウのロドデノール、代謝物の過剰生成が白斑を引き起こす要因か カネボウによる「白斑」症状の原因解明に関する研究の主な結果は以下のとおり。・通常のメラニンは、チロシナーゼ酵素がチロシンと結合することで合成される。カネボウのロドデノールはこのチロシンに代わってチロシナーゼに結合することで、メラニンの合成を抑制する。・今回、ロドデノールがチロシナーゼと結合することにより、「ロドデノール代謝物」が生成されることが判明した。また、このロドデノール代謝物が過剰に生成されると、細胞障害が生じることも明らかにされた。この代謝物が白斑を引き起こす要因になったとみられる。・しかし、開発時の実験のロドデノール濃度では、細胞障害は確認されなかった。・ロドデノールによる細胞障害が生じるまで実験を繰り返したところ、開発時の実験で行った約100倍の濃度で細胞障害が生じた。 これらの結果を踏まえ、カネボウの研究グループは、ロドデノールによる白斑がなぜ2%程度と特定の人で発症したのか、回復傾向に個人差があるのかなど、まだ解明していないことは多いとして、原因究明を続けている。参考カネボウ化粧品ホームページより(PDF)

27792.

うつ病患者の自殺企図、遺伝的な関連性は

 自殺者の90%以上に気分障害がみられること、また気分障害の自殺傾向に対する遺伝的脆弱性が先行研究により確立されている。オーストリア・ウィーン大学のLaura Carlberg氏らは、cAMP応答配列結合タンパク(CREB1)の一塩基多型(SNPs)と自殺リスクならびに大うつ病性障害(MDD)患者における自殺企図歴との関連を検討した。その結果、多重検定補正後のデータにおいて、CREB1 single markerおよびハプロタイプのいずれの解析においても、自殺リスクや自殺企図歴との間に確たる関連を認めることができなかったことを報告した。International Journal of Neuroscience誌オンライン版2014年6月23日号の掲載報告。 研究グループは、CREB1 SNPsと自殺リスクならびにMDD患者における自殺企図歴との関連を検討した。ヨーロッパ多施設うつ病研究に登録されており、抗うつ薬を4週間以上投与されたMDD患者250例のサンプルを用い、5つのCREB1 SNPs(rs2709376、rs2253206、rs7569963、rs7594560、rs4675690)に遺伝子型を分けた。精神疾患簡易構造化面接法(MINI)およびハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)を用いて自殺傾向を評価した。 主な結果は以下のとおり。・多重検定補正後、CREB1 single markerおよびハプロタイプのいずれにおいても、自殺リスクや自殺企図歴との間に関連は認められなかった。・女性においてrs2709376と自殺企図歴の間に関連が認められたが(p=0.016)、多重検定補正後には確認されなかった。・女性のMDD患者において、CREB1 single markerと自殺企図歴との間に有意な関連を認めたが、多重検定補正後のハプロタイプ解析では確認されなかった。・女性のMDD患者におけるCREB1と自殺企図が関連する可能性を確認および明確にするためには、より大規模かつ明確に定義されたコホートによる検討が求められることが示唆された。関連医療ニュース 入院から地域へ、精神疾患患者の自殺は増加するのか 日本人統合失調症患者の自殺、そのリスク因子は:札幌医大 双極性障害とうつ病で自殺リスクにどの程度の差があるか

27793.

46)糖質を多く含む野菜の上手い説明法【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話患者先生にいわれてから、サラダを先に食べているんですが、なかなか血糖が減りません。医師野菜を先に食べるのを、意識されているんですね。患者そうなんです。どうしてなんでしょうか?医師もしかすると、食べてる野菜が問題かもしれませんね。患者食べてる野菜?医師そうです。糖質の多い野菜は、血糖を上昇させることが知られています。患者糖質の多い野菜には、どんなものがあるんですか?医師イモ、カボチャ、トウモロコシなどですね。野菜サラダが良いと思って頑張って食べている人の中に、ポテトサラダをせっせと食べている人がいます。患者それ私のことですね。良いと思って嫁に頼んで、たっぷりと作ってもらっていました。これからは気をつけます。(気づきの言葉)●ポイント血糖上昇の原因が、ポテトサラダであることに気づいてもらえるように説明しましょう

27794.

「年齢」は切除不能大腸がんの予後予測因子?

 米国コロラド大学のChristopher H Lieu氏らは、切除不能大腸がんの全生存(OS)や無増悪生存(PFS)において、年齢が予後予測因子となるかどうかを検討した。その結果、切除不能大腸がん患者では、若年齢と高年齢がOSとPFSの低さと関連し、若年者と高齢者が高リスク集団である可能性が示唆された。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2014年7月7日号に掲載。 著者らは、ARCAD(Aide et Recherche en Cancerologie Digestive)のデータベースより、1次治療の第III相試験24試験における18歳以上の大腸がん患者2万23例を抽出、分析した。年齢による影響、年齢・性別・全身状態(PS)・転移部位との相互作用について、治療アームで層別化されたCox比例ハザードモデルを使用して評価した。 主な結果は以下のとおり。・患者の平均年齢は62歳、50歳以下は3,051例(15%)であった。・単変量Coxモデルでは、OS(p<0.001)、PFS(p<0.001)のいずれにおいても年齢が予後予測因子であり、若年および高齢になるほどリスクが高いU字型を示した。・リスクが最低となる年齢(OSでは57歳前後、PFSでは61歳前後)の患者と比較して、最も若い患者(18歳)では死亡リスク増加が19%(95%CI:7〜33%)、進行/死亡リスク増加が22%(95%CI:10~35%)であった。最も高齢の患者群(90歳)は死亡リスク増加が42%(95%CI:31~54%)、進行/死亡リスク増加が15%(95%CI:7~24%)であった。この関係は、追跡期間の初年度において顕著であった。・多変量解析で、年齢は、PS・性別・各部位への転移の有無による調整後も、OSでは若干有意(p=0.08)、PFSでは有意なままであった(p=0.005)。・年齢による影響は、転移部位、登録年、受けた治療、バイオマーカーの変異状態で差は認められなかった。

27795.

足の爪真菌症診断に共焦点反射顕微鏡が有用

 フランス・ニース大学中央病院のMomen Pharaon氏らは、足の爪真菌症の診断について、標準的な真菌検査と比較した共焦点反射顕微鏡(RCM)の診断精度を評価した。その結果、RCMは特異度に優れ、抗真菌薬治療の処方を強化するため、またフォローアップに関して診察室で迅速に行える検査法であることが示された。Journal of the American Academy of Dermatology誌2014年7月号(オンライン版2014年4月29日号)の掲載報告。 研究グループは、「爪真菌症の臨床症状は非特異的なことが多く、不適切な抗真菌治療につながる可能性がある。また真菌検査には多くの欠点がある」として、標準的な真菌検査とRCMとの診断精度を比較する検討を行った。 爪真菌症疑いの患者58例を、前向きに登録。RCM、水酸化カリウム処理と菌培養を、爪真菌症が確認された患者においてベースライン時と治療後に行った。 爪真菌症のRCM診断は、有隔菌糸および/またはアルスロコニジアに対応する爪甲の線状痕および/またはroundish構造の存在に基づいた。 主な結果は以下のとおり。・登録患者58例のうち46例において、RCMによる層別化が正しくできた。診断率は79.3%、感度52.9%、特異度は90.2%、陽性適中率69.2%、陰性適中率は82.2%であった。・手持ちタイプのRCM機器を用いることで、同様の精度でより速やかな診断が可能であった。・9例の患者において、治療後に行ったRCMで爪甲の正常所見がみられた。治癒は真菌検査またはフォローアップによって確認された。・従来のRCMスキャナヘッドは、爪を調べることを目的としたものではなく、その点で本検討は限界がある。・感度は、テクニカルな改善で補える可能性があった。

27796.

開発中のブレクスピプラゾール、その実力は

 新規開発中のブレクスピプラゾール(brexpiprazole、OPC-34712)について、同薬は抗精神病作用を有し、錐体外路症状の副作用リスクは低いこと、統合失調症に関連する認知障害に有効である可能性などが、動物実験の結果、示唆された。同薬を開発する大塚製薬のMaeda Kenji氏らが報告した。Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics誌オンライン版2014年6月19日号の掲載報告。 ブレクスピプラゾール(7-{4-[4-(1-benzothiophen-4-yl)piperazin-1-yl]butoxy}quinolin-2(1H)-one)は、セロトニン-ドーパミン活性のモジュレーターであり、5-HT1Aおよび D2/3受容体に結合してパーシャルアゴニストとして働くほか、5-HT2A、α1B-およびα2C-アドレナリン受容体に結合してアンタゴニストとして働く。本検討で研究グループは、動物モデルを用いて、ブレクスピプラゾールの行動薬理学的特性を評価し、さらに他の2種の第二世代抗精神病薬(アリピプラゾール、リスペリドン)との比較を行った。 主な知見は、以下のとおり。・ブレクスピプラゾールは、臨床的に意味のあるD2受容体占拠状況下において、ラットの条件回避反応を阻害したほか(ED506.0mg/kg)、アポモルフィンまたはd-アンフェタミン誘発過活動の阻害(それぞれED502.3 および0.90)、アポモルフィン誘発性常同行動の阻害(ED502.9)することが示された。・また、サルにおいて、アポモルフィン誘発性のまばたきも強力に阻害した。・これらの結果から、ブレクスピプラゾールが抗精神病作用を有することが示唆された。・ブレクスピプラゾールは、臨床的に意味のあるD2受容体占拠を超える濃度でカタレプシーを誘発したことから(ED5020)、錐体外路症状の副作用リスクは低いことが示唆された。・ラットにおいて、フェンサイクリジン(PCP)による亜慢性治療が認知障害を引き起こすことが、novel object recognition(NOR)テストとattentional set-shifting(ID-ED)テストの両方で示された。・PCPに誘発される認知障害は、NORテストにおいてはブレクスピプラゾール1.0および3.0mg/kgで、ID-EDテストにおいては1.0 mg/kgで改善することが確認された。・一方で、アリピプラゾール(10mg/kg)は、臨床的に意味のあるD2受容体占拠を示していたにもかかわらず、PCP誘発の認知障害に対する効果は確認されなかった。・5-HT1A アゴニストのbuspironeおよび 5-HT2A アンタゴニストのM100907は、部分的ではあるが、PCP誘発性障害を有意に改善することがNORテストにより確認された。・さらに、ブレクスピプラゾールの効果は5-HT1AアンタゴニストのWAY-100635と併用した際に消失した。・上記のように、ブレクスピプラゾールは抗精神病薬様活性を有し、統合失調症に関連する認知障害モデルに対する強力な効果があることが示された。・また、認知テストにおいてブレクスピプラゾールの有効性は、アリピプラゾールよりも優れていることが示された。・ブレクスピプラゾールの薬理学的プロファイルは、5-HT1A 、D2受容体に及ぼす影響と5-HT2A受容体に及ぼす影響との良好なバランスに基づくものであり、その他のモノアミン受容体の活性を調節できる可能性があると考えられた。関連医療ニュース 統合失調症患者の認知機能に対するアリピプラゾール vs リスペリドン 急性期の新たな治療選択となりうるか?非定型抗精神病薬ルラシドン 新規抗うつ薬「ノルアドレナリン・ドパミン脱抑制薬」その実力とは?

27797.

頭を使う高齢者はリスクが低い

【認知症】読書など頭を使う活動が多い高齢者はアルツハイマー型認知症になる確率が低い【調査対象】高齢者775人(平均年齢80歳)なアるル確ツ率ハイマー型認知症に2.61.00頭を使う活動がとても多い人頭を使う活動がとても少ない人Wilson RS, et al. Neurology. 2007;69:1911-1920.より作図Copyright © 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.

27798.

内臓肥満と認知症リスク

【認知症】中年期に内臓肥満だと将来、認知症になる確率が高い【調査対象】6,583人認知症になる確率2.721.00腹部の厚さ*がとても薄い人腹部の厚さ*がとても厚い人*あおむけに寝たときにお腹が最も高いところの体の厚さWhitmer RA, et al. Neurology. 2008;71:1057-1064.より作図Copyright © 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.

検索結果 合計:35150件 表示位置:27781 - 27800