サイト内検索|page:1279

検索結果 合計:36559件 表示位置:25561 - 25580

25563.

マイナンバー騒動【Dr. 中島の 新・徒然草】(123)

百二十三の段 マイナンバー騒動いよいよマイナンバーカードの受け取り開始です。私も役所に行って、4ケタと6ケタの暗証番号を機械に打ち込んでカードをもらってきました。しかし、このマイナンバーカードの受け取り、高齢者にとってはハードルが高すぎるのではないかと感じさせられました。いくらセキュリティーが大切だといっても、本人自身が役所に行くとか、数字ローマ字混じりの6ケタ以上の暗証番号を準備するとか、考えただけでも大変です。病気がちの高齢者のために代理人がマイナンバーカードを受け取るという制度もあるのですが、そのためには免許証とかパスポートのような写真入り身分証明書が必要です。そういうものが失効しているからこそ、フォトIDを兼ねたマイナンバーカードを申請したのに…。という話を従兄から聞かされました。施設に入っている父親のために、代わりにマイナンバーカードを受け取りに行ったそうですが、前述の理由から受け付けてもらえなかったそうです。準備してきた診断書を見せたり昔の免許証を見せたりして、役所の職員を拝み倒したのですが、「有効期限内の写真入り身分証明書を御用意いただくか、御本人に来てもらって下さい」とあっさり門前払いをくらってしまったのです。役所の職員も規則に従って動いているだけであり、下手に融通を利かせると責任問題になりかねません。それはわからないでもないですが、あれこれ書類を準備した労力を考えると、今さら諦めるのもつらい。泣きたい気持ちをグッとこらえて、従兄は介護タクシーを頼み、施設から車椅子に乗せて父親を役所に運んでもらったそうです。私にとっては叔父にあたる人ですが、普段は頑固者で、「もうエエわ!」と何でも拒否するか、唐突に「トイレに連れて行ってくれ」と周囲を慌てさせるか、とにかく施設から外に出すとロクなことがありません。ところが、この日は久しぶりの外出で叔父も上機嫌。役所の貼り紙を見ては「戸籍をとるんか?」とか、従兄にいろいろ尋ねていたそうです。「マイナンバーのカードを受け取りに来たんやがな」と説明しても、「運転免許証の代わりになるんやな」と頓珍漢な返事です。右手も不自由で軽い失語もあるので、4ケタの暗証番号とか、数字ローマ字混じりの6ケタの暗証番号とか、ちゃんと入力できるのか? もはや誰も経験したことのない未知の領域に突入です。以下、従兄から聞いた話をもとに再現いたしましょう。まずは仕切りのされたブースに入って顔認証。これは無事にパス。そしていよいよ恐怖の暗証番号。職員「御家族の方、付き添いをお願いします。私の方からは画面が見えないようになっていますので」従兄「この数字を4つな、順番に押すんやで」叔父「これやな」従兄「そうそう」職員「何か準備してきた番号があれば、それを入力していただいて」従兄「思い通りに手が動かないんで、難しいと思いますよ」叔父「どこを押すんや」従兄「何でもエエから4つ押して」職員「御家族さま、ちょっと手を添えていただいたら…」わざわざ本人が来たのですから、家族が代わりに入力したら意味がありません。従兄「これは大切な数字やからな。ちゃんと本人が入力せなアカンらしいんや」叔父「そらそうやな」従兄「次はな、その同じ数字を下に入れるんや」叔父「こうやな」叔父も従兄も一生懸命ですが、画面の数字は小さくて高齢者には見えないし、手も思うところにいきません。何回もやっては「1字削除」を押し直すことになります。時には、「あと少しで完成」というところで、全部削除してしまってやり直しということもあったそうです。従兄「次はな、ローマ字と数字の入力や」叔父「ここか」従兄「もっとギューッと画面を押さんと、入力されんで」叔父「ギューッてか」この受け取り手続きは1人平均12分かかるそうですが、すでに30分以上も画面の前で四苦八苦しており、ブースの後ろで待っている人たちからの不穏な空気を背中に感じます。ついに画面を見ないはずの職員が出てきて一緒にやり始めました。職員「次はRですね、Rを押してください」従兄「ちょっと!」職員「はい」従兄「そんな大きな声で暗証番号を言ったら他の人に聞こえますがな」職員「すみません」全員汗だくになって、ようやく暗証番号の入力が終了しました。画面の向こうに戻った職員がそっとため息をつきます。職員「それでは受け取りの御署名をお願いします。大丈夫でしょうか?」従兄「できますよ、時間はかかりますけどね」職員「それでは、ここに今日の日付を」受け取りの署名欄が高齢者には小さい!「平成28年」と言われて、大真面目に「3」と書く叔父。従兄「3やない、2や!」職員「あの、それで結構です」従兄「消して、消して! その横に『2』と書いて」職員「御本人にとって2であれば、それでも構わないので」従兄「次は8や、8」何故か叔父は数字を書くのが出鱈目です。自分の名前も、辛うじて読める程度のものが書けるにすぎません。それにしても、小さな欄に名前だけでなく日付も住所も電話番号も書かなくてはならないとは、高齢者には大変な試練でした。何とか10分近くかかって署名完了。職員「それではカードをお渡しします。どうもお疲れ様でした」後ろで列を作っている人たちの冷たい視線を浴びながらも、ホッとした表情をみせる職員。従兄「せっかく、本人が来たんやからな」職員「は?」職員の顔に困惑が。従兄「なんか、言うておくこととか、訊いておくこととかないか?」叔父「戸籍もとるんか?」職員「もういいです(泣)」奇跡的に「もうエエわ」と「トイレ!」が出なかったのは幸いでした。こうして上機嫌の叔父と疲れ切った従兄の、半日がかりのマイナンバーカード受け取りドラマが終わったそうです。超高齢化社会の日本。病院では高齢者のドタバタは日常風景ですが、一般社会ではその大変さがまだまだ伝わっていないのかもしれませんね。最後に1句マイナンバー 受け取るだけで 虚脱した

25564.

精神科再入院を減少させるには、雇用獲得がポイント

 重篤な精神疾患患者において、雇用がその後の精神科入院にどのように影響するかは不明である。米国・デューク大学のAlison Luciano氏らは、重篤な精神疾患を有する失業中の患者を対象に雇用獲得後の精神科入院経験について検討を行った。Psychiatric services誌オンライン版2016年6月1日号の報告。 2次分析は、メンタルヘルス治療研究からのデータで行った。成人の統合失調症患者、双極性障害患者、うつ病患者2,055例について、2年間の雇用状況と精神科入院アウトカムを調査した。雇用と精神科入院との関連について、time-lagged modelingを用い、マルチレベル回帰により分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・ベースライン特性(以前の入院や自己申告による身体的健康を含む)で調整後、雇用は、その後3ヵ月間の精神科入院リスクの低さと関連していた(OR 0.65、95%CI:0.50~0.84)。・重篤な精神疾患を有する無職の外来患者では、雇用獲得後、精神科入院を経験する傾向が低かった。関連医療ニュース 統合失調症の再入院、救急受診を減らすには 統合失調症の再発、リスク因子とその対策 入院から地域へ、精神疾患患者の自殺は増加するのか

25565.

日本人の膵がん術後補助化学療法、S-1 vs.GEM/Lancet

 日本人膵がん患者の切除後の補助化学療法は、S-1が標準治療となりうることが示された静岡県立静岡がんセンターの上坂克彦氏らによる「JASPAC-01」の結果が、Lancet誌オンライン版2016年6月2日号に掲載された。本検討においてゲムシタビンに比べS-1補助化学療法により死亡リスクが約4割低下することなどが示された。膵がん術後の補助化学療法はゲムシタビンが標準治療とされているが、今回の試験では、死亡リスクについてS-1のゲムシタビンに対する非劣性のみならず優越性も示された。385例の患者を対象に試験 「JASPAC-01」は、日本人を対象に行われた無作為化非盲検多施設共同のフェーズ3試験。2007年4月1日~2010年6月29日にかけて、日本国内33ヵ所の医療機関で、組織学的に確認された切除可能な浸潤性膵管がんで、病理学的にStageI~III、肉眼的に完全切除され顕微鏡による残存腫瘍が認められない20歳以上の患者385例を対象に行われた。 研究グループは切除後に被験者を無作為に2群に分け、一方の群にはゲムシタビン(4週1サイクルとし1,000mg/m2を1、8、15日目に投与を6サイクル、193例)を、もう一方の群にはS-1(6週1サイクルとし体表面積に応じて40、50、60mg/回・1日2回を1~28日連続投与を4サイクル、192例)を、それぞれ投与した。 主要評価項目は、全生存期間。評価はper-protocol集団で、不適格患者および割り付け治療を受けなかった患者を除外して行った。また、S-1の非劣性が確認された場合、log-rank検定で全生存期間に関するS-1の優越性も検討することが事前規定のプロトコルとされていた。 全生存および無再発生存期間は、Kaplan-Meier法を用いて算出し、S-1のゲムシタビンに対する非劣性は、Cox比例ハザードモデルを用いて評価。死亡予想ハザード比(HR)は0.87で非劣性マージンは1.25(検出力80%:片側タイプ1エラー2.5%)とした。死亡に関するS-1群のゲムシタビン群に対するハザード比は0.57 無作為化を受けた被験者のうち、不適格3例、治療を受けなかった5例を除く、ゲムシタビン群190例、S-1群187例が解析対象となった。試験は2012年9月、独立データ・安全モニタリング委員会の勧告を受け、中間解析による有効性が事前に規定した早期終了基準に適合したため、すべての治療プロトコルが終わった時点で終了となった。 2016年1月15日までの追跡データを解析した結果、5年全生存率はゲムシタビン群24.4%(95%信頼区間[CI]:18.6~30.8)に対し、S-1群は44.1%(同:36.9~51.1)と高率で、死亡ハザード比は0.57(同:0.44~0.72)であった(非劣性に関するp<0.0001、優越性に関するp<0.0001)。 Grade3または4の白血球減少症、好中球減少症、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、アラニンアミノトランスフェラーゼの増加は、ゲムシタビン群でより高率に認められた。一方でS-1群でより高率にみられたのは、口内炎、下痢であった。 今回の結果について著者は、「結果について、非アジア人の患者で評価を行うべきである」とまとめている。

25566.

心血管疾患1次予防のためのスクリーニング、効果が高いのは/BMJ

 心血管疾患の1次予防を目的としたスクリーニング・プログラムとしては、喫煙者や不健康な食事摂取をしている集団に絞ると同時に、最も心血管疾患リスクの高いことで知られる貧困層にのみ実施することで、心血管疾患の発症や心血管死の予防効果が最も高くなる。英国・リバプール大学のChris Kypridemos氏らが、英国の実態を基に行ったミクロシミュレーション試験の結果、明らかにした。検討したプログラムは、英国の「National Health Service Health Checks」で、普遍的スクリーニングと代替実行可能な戦略について比較した。BMJ誌オンライン版2016年6月8日号掲載の報告。5つのシナリオについてシミュレーション 研究グループは、現状に近い5種の異なる合成集団について、心血管疾患スクリーニングのミクロシミュレーションを行い、その予防効果と、社会経済学的な不公平性を検証した。 具体的には、(1)ベースライン:年齢、性別、社会経済学的ステータスに伴う現状の心血管疾患リスクの傾向が、当面継続すると仮定した。(2)普遍的スクリーニング:普遍的スクリーニングにより心血管疾患リスクが高い人を特定するモデル。エビデンスに基づき検診受診率は50%、受診者のうち10年心血管疾患リスクが10%未満は70%、10~20%は25%、20%超は5%と仮定し、さらに、年齢分布は60歳超が30%を占めると仮定した。また、脂質低下薬などの服用率についても、エビデンスに基づき設定した。(3)集中的スクリーニング:心血管疾患リスクが最も高いと考えられる最も貧困な地域に対してのみスクリーニングを実施。ハイリスク集団に絞り実施することで、費用削減が期待できる。(4)構造的母集団全体スクリーニング:不健康な食事摂取をしている人や喫煙者などに絞ってスクリーニングを実施。(5)母集団全体・集中的スクリーニング:構造的母集団全体スクリーニングで規定した集団のうち、集中的スクリーニングで規定したハイリスク集団に絞ってスクリーニングを実施する。 主要評価項目は、2030年までに予防可能な心血管疾患患者数と、心血管死数だった。母集団全体・集中的スクリーニングで予防効果が最大 その結果、「ベースライン」群と比較して、予防可能な心血管疾患患者や心血管死の数が最も多かったのは、「母集団全体・集中的スクリーニング」群で、予防可能な心血管疾患は8万2,000例(四分位範囲:7万3,000~9万3,000)、予防可能な心血管死は9,000例(同:6,000~1万3,000)だった。2番目に同予防数が多かったのは「構造的母集団全体スクリーニング」群で、予防可能な心血管疾患は6万7,000例(同:5万7,000~7万7,000)だった。予防可能な心血管死は8,000例(同:4,000~1万1,000)だった。 次いで同予防数が多かったのは「普遍的スクリーニング」で、予防可能数はそれぞれ1万9,000件(同:1万1,000~2万8,000)と3,000件(同:-1,000~6,000)、同予防数が最も少なかったのは「集中的スクリーニング」で、1万7,000件(同:9,000~2万6,000)、2,000件(同:-1,000~5,000)だった。 同研究グループは、最も費用効果の高い、「母集団全体と集中的スクリーニングの組み合わせ」を探るには、さらなる試験が必要だ、とまとめている。

25567.

リアルワールドの成績はどう読み解くべき?

 無作為化比較試験(RCT)の結果を基に承認された薬剤が、実臨床でも開発試験と同様の成績が得られるかを確認するためのリアルワールド・エビデンス。その特性や限界、結果を読み解く際の注意点について、井上 博氏(富山県済生会富山病院 院長/富山大学名誉教授)が、6月8日都内にて、バイエル薬品株式会社主催の会合で講演した。リアルワールド・エビデンスの特性と限界 開発試験で行われるRCTはエビデンスレベルの高い試験であり、治験薬の有効性や安全性を検証するために必要である。しかし、開発試験では重篤例や高齢者など複雑な対象は除外され、また周到な監視の下で厳密な経過観察が必要とされているため、一般人口や日常診療に常に当てはめることはできない。そこで、治験薬承認後にも、レジストリ等の前向き観察研究や後ろ向きデータベース研究などで、リアルワールドでの安全性・有効性を確認することが重要である。 リアルワールド(実臨床)で得られたエビデンスの特性として、自然歴、危険因子、治療の実施状況、長期予後、真の患者集団での治療方針のリスク、広範な患者集団でのニーズとギャップ、開発試験では見つからない低頻度の有害事象が明らかになるということが挙げられる。 一方、リアルワールド・エビデンスの限界として、年齢などの交絡因子を調整できない、単一施設であることが多い、追跡期間が比較的短い、非投与群や他の治療という対照を設定しにくい、データベース解析では得られる情報に限りがある、他のリアルワールド・エビデンスとの比較が難しいといったことのほか、研究資金提供元の影響の可能性、対象集団とRCT参加集団との差なども挙げられる。井上氏は「これらを知ったうえで成績を読み解いてほしい」と述べた。複数のリアルワールド・エビデンスで確認することが重要 井上氏は、実際のリアルワールド・エビデンスの例として、ワルファリンの実臨床における有効性と安全性を検討した2つのレジストリ研究の結果を紹介した。 1つは、参加施設の多くが一般開業医であったFUSHIMI AFレジストリで、この研究では、脳卒中または全身性塞栓症、重大出血のイベントの発生率にワルファリン投与の有無による差が認められなかった。この理由として、井上氏は、ワルファリンの投与量が十分ではなかったためではないかと考察している。もう1つの研究は、主に循環器専門医によるJ-RHYTHMレジストリで、この研究ではワルファリン投与群で有意な血栓塞栓症の低下と重大出血の増加が示された。 このように、市販後、実施される臨床研究では、さまざまな特性や限界があるため、実臨床における薬剤の安全性・有効性については、複数のリアルワールド・エビデンスで確認することが重要であると強調した。DOACにおけるリアルワールド・エビデンス 現在、心房細動患者の塞栓症予防に4剤の直接作用型経口抗凝固薬(direct oral anticoagulant:DOAC、旧名称:NOAC)が承認されており、すでにリアルワールド・エビデンスが報告されつつある。現在も、各領域の抗凝固薬使用に関する“unmet medical needs”の解決を目的として、さまざまな臨床研究が進行中であり、井上氏は「今後、さらにDOACの位置付けが明らかになることが期待される」と結んだ。

25568.

スマホを毎日長時間利用する若者、複数眼症状の有病率3倍

 スマートフォンの利用が、若者の眼の健康に悪影響をもたらしている可能性があることを、韓国・ソウル大学校のJoowon Kim氏らが715例の調査の結果、明らかにした。近年、スマートフォンの利用は激増しているが、携帯電話としての利用よりも、画面を見つめての利用時間のほうが長く、とくに眼の健康に有害作用をもたらす可能性が示唆されていた。Ophthalmic Epidemiology誌オンライン版2016年6月2日号の掲載の報告。 研究グループは、韓国3都市の青少年被験者715例から、構造化アンケートを用いてスマートフォン利用と眼精疲労関連の眼症状(かすみ、充血、視力障害、分泌物、炎症、流涙、かわき)の情報を集めて分析した。 眼の健康について眼症状の数でスコア化し、二項および多項ロジスティック回帰モデルでオッズ比(OR)と95%信頼区間(CI)、p値を求めて評価した。 主な結果は以下のとおり。・眼症状の有病率が高いほど、スマートフォン曝露がより大きかった(p<0.05)。・1日当たりのスマートフォン利用時間が長いほど、複数の眼症状を有する尤度が有意に高かった(p=0.005)。・短時間利用(1日2時間未満)と比べて、長時間利用/間欠的利用(1日2時間超/2時間以下を連続的)、および長時間利用/継続的利用(1日2時間超/2時間超を連続的)は、複数の眼症状と関連、ORはそれぞれ、2.18(95%CI:1.09~4.39)、2.26(同:1.11~4.57)であった。・スマートフォン曝露期間が長年にわたるほど、複数眼症状を有する尤度はより高かった(OR:3.05、95%CI:1.51~6.19、p=0.001)。

25569.

うつ病の寛解率、職業で差があるか

 うつ病は、仕事のストレスにより悪化し、職場における障害の主な原因である。有効な治療を行っても、最初の治療で寛解する患者は全体の3分の1に過ぎず、約半数は治療に反応しない。職業レベルは、一般集団における健康アウトカムの確かな予測因子であるといわれている。イタリア・ボローニャ大学のLaura Mandelli氏らは、大規模国際サンプルを用い、うつ病の治療反応と職業レベルの潜在的な関連について調査した。European neuropsychopharmacology誌オンライン版2016年5月19日号の報告。 うつ病患者654例を、職業レベル別に階層化した(高、中、低)。現在エピソードに対する直近の治療反応や治療抵抗性うつ病(2つ以上の適切な治療に対し非応答)は、アウトカム変数で考慮された。 主な結果は以下のとおり。・高職業レベルのうつ病患者は、学業成績のレベルが高かった。・高職業レベルは、低寛解率であった直近の治療に対する反応が有意に低く、その他の職業レベル群よりも治療抵抗性が多かった。・また、高職業レベルは、セロトニン再取り込み阻害薬による治療が少なかった。・潜在的な交絡因子は、主効果に影響を及ぼさなかった。 結果を踏まえ、著者らは「本知見により、高職業レベルの仕事に従事する患者は、うつ病の薬物療法に対する治療反応不良の危険因子であることが示された。臨床医や患者だけでなく雇用者や公共政策のためにも、今後のさらなる研究が重要である」としている。関連医療ニュース 治療抵抗性うつ病は本当に治療抵抗性なのか 重症うつ病の寛解率、治療法により違いがあるか うつ病の寛解、5つの症状で予測可能:慶應義塾大学

25570.

視覚・聴覚とも障害があると認知障害になりやすい?

 認知障害は視覚・聴覚の両方の障害のある人で最も多くみられ、この二重の感覚障害と認知障害のある人では死亡率が高いことが、人間環境大学(愛知県)の三徳 和子氏らの集団ベースのコホート研究で示された。BMC geriatrics誌2016年5月27日号に掲載。 高齢者では視覚と聴覚の障害が多く、また認知障害も懸念される。著者らは、介護保険受給者において、視覚および聴覚障害が認知機能障害と死亡率に関連するかどうかを評価した。 著者らは、郡上市介護保険データベースにおける65歳以上の1,754人(平均追跡期間4.7年)のデータを分析した。訓練を受け認定された研究者が国の評価ツールを使用して感覚障害や認知障害を評価し、また視覚障害と聴覚障害を5段階のスケールで測定した。認知機能はコミュニケーション/認知と問題行動で評価した。視覚・聴覚障害と認知障害との関連について、オッズ比(OR)と95%信頼区間(CI)を推定するためにロジスティック回帰分析を行い、Cox比例ハザード回帰モデルを用いて死亡率のハザード比(HR)を算出した。 主な結果は以下のとおり。・高齢者1,754人のうち、773人(44.0%)は感覚機能が正常であり、252人(14.4%)は視力障害、409人(23.3%)は聴覚障害、320人(18.2%)は二重の感覚障害があった。・潜在的交絡因子調整後において、感覚機能正常者と比べた認知障害のオッズ比は視力障害者で1.46(95%CI:1.07~1.98)、聴覚障害者で1.47(同:1.13~1.92)、二重の感覚障害者で1.97(同:1.46~2.65)であった。・感覚機能と認知機能が正常な人と比べ、二重の感覚障害と認知障害のある人の全死亡率の調整HRは1.29(同:1.01~1.65)であった。

25571.

“テレヘルス”は第4の医療になりうるか/BMJ

 心血管疾患高リスクの患者に対しデジタル医療技術を駆使した“テレヘルス(telehealth)”による介入は効果があるのか。英国・ブリストル大学のChris Salisbury氏らが、プラグマティックな多施設共同無作為化試験を行った結果、エビデンスベースに基づくテレヘルスでも臨床的効果は小さく、平均リスクの全体的改善には結び付かなかったことが示された。ただし、一部の心血管リスク因子や健康行動、またケアサポート・アクセスの患者認識について改善が認められたという。慢性疾患の増大で、低コストでケア提供を拡大するための新たな医療供給や自己管理サポートの方法が必要とされている。政策立案者の間では、テレヘルスの利用拡大が有効な策になると楽観視されているが、テレヘルス介入効果のエビデンスはあいまいで、リアルワールドでの効果のエビデンスはほとんど示されていないのが現状だという。BMJ誌オンライン版2016年6月1日号掲載の報告。非医療スタッフでもテレヘルスで患者管理が可能かを検証 研究グループは、非医療スタッフがテレヘルスを活用することで、心血管疾患高リスク患者の管理を効果的に行うことができるかを調べる試験を行った。 英国内3地域、42人の一般医(GP)の協力を得て、2012年12月3日~2013年7月23日に、40~74歳で10年心血管疾患リスクが20%以上、心血管イベントの既往歴はなく、1つ以上の修正可能なリスク因子(収縮期血圧140mmHg以上、BMI 30以上、現在喫煙)を有し、電話・インターネット・電子メールにアクセス可能な641例を集めた。被験者を自動無作為化法にて、介入群(325例)または対照群(316例)に割り付けた。その際、試験地による層別化、実地医療およびベースラインリスクスコアによる最小化も行われた。 介入群には、「Healthlines」(alongside usual care)サービスが提供された。これは、専門家ではない訓練を受けた健康アドバイザーからの定期的な電話連絡が、インタラクティブなソフトウェアによって生成されたスクリプトに従って行われるというもの。アドバイザーは、リスク因子を減らすオンラインリソース使用をサポートしたり、薬物使用の最適化や治療アドヒアランスの改善を図り、より健康的なライフスタイルを奨励するなどして患者の自己管理の促進を図った。一方、対照群には通常ケアのみが行われた。 主要アウトカムは、治療効果(12ヵ月後の心血管リスクの保持または減少で定義)が認められた患者の割合とした。アウトカムは、盲検下で無作為化後6ヵ月、12ヵ月時点で集められ解析が行われた。治療効果の有意差は認められず、ただし一部の臨床値改善や行動変容に効果 治療効果が認められた患者の割合は、介入群50%(148/295例)、対照群43%(124/291例)で、実質的な差は認められなかった(補正後オッズ比[OR]:1.3、95%信頼区間[CI]:1.0~1.9、治療必要数[NNT]:13、p=0.08)。 介入により、血圧の低下(平均差;収縮期血圧-2.7mmHg[95%CI:-4.7~-0.6]、拡張期血圧-2.8mmHg[同:-4.0~-1.6])、体重減(-1.0kg、95%CI:-1.8~-0.3)、BMI低下(-0.4、同:-0.6~-0.1)がみられたが、コレステロール値(-0.1、-0.2~1.0)、喫煙状態(補正後OR:0.4、0.2~1.0)の改善はみられなかった。また、全体的な心血管リスクも保持されたままであった(-0.4、-1.2~0.3)。 ただし、介入により、食事、運動、服薬アドヒアランスが改善し、ケアアクセス、受療、ケアコーディネーションに関する満足感は認められた。 重篤な有害事象の発生は、血圧低下による入院の1件が報告された。

25572.

日本糖尿病学会:「キラリ☆女性医師!」に新記事を掲載

 日本糖尿病学会 「女性糖尿病医サポートの取り組み」ホームページ では、 「キラリ☆女性医師!」 コーナーに 守田 美和 氏 (島根大学)、 中嶋 千晶 氏 (なかじまちあき内科クリニック)の記事を掲載した。 同コーナーは、さまざまな女性医師を紹介するコーナーとして2015年4月に開設され、これまでに計 12 名の女性医師が登場している。各記事は以下関連リンクより閲覧可能。関連リンク「キラリ☆女性医師!」(日本糖尿病学会「女性糖尿病医サポートの取り組み」)

25573.

検診マンモグラフィの読影順序が読影の精度に関係するか(解説:矢形 寛 氏)-548

 マンモグラフィを読影する際に問題となるのが、見落としと拾い過ぎである。基本的な読影能力はもちろんであるが、読影時の集中力によっても左右されるかもしれない。本報告は、マンモグラフィが読影の順序によって、精度が変わるかどうかを検証したものである。 結果は、読影順序によって見落としと拾い過ぎ共に増えることはなかった。過去の報告では、幾つか集中力の低下による精度低下が指摘されているが、それは方法論上の問題であり、無作為化比較試験では順序の影響はないようである。 ただし、読影はいずれもよく訓練された医師によるものであり、本邦のように第1読影医が第2読影医より未熟なことが多いような状況では、また異なるかもしれない。 いずれにしても、集中力の低下は1回の読影量や環境によって左右される可能性があり、読影の際にはそれらを十分配慮したほうが良いことには変わりない。

25574.

気管支内コイル治療は重症肺気腫患者の運動耐容能を改善させるのか?(解説:山本 寛 氏)-549

 本研究は、肺気腫に対する気管支内コイル治療の効果と安全性を検討するため、2012年12月から2015年11月まで、北米21施設、欧州5施設が参加して315例を対象に行われた。患者は、ガイドラインに準拠した通常ケア(呼吸器リハビリテーション、気管支拡張薬の投与)のみを行う群(n=157)と、これに加えて両側気管支内にコイル治療を行う群(n=158)とに無作為に割り付けている。コイル治療群では、2回の治療を4ヵ月間隔で行い、1肺葉当たり10から14個のコイルを気管支鏡を用いて埋め込んだ。治療前と治療12ヵ月後の6分間歩行距離の変化を主要評価項目とし、6分間歩行距離の改善割合、SGRQ (St. George’s Respiratory Questionnaire)を用いたQOL(Quality of Life)の変化、そして1秒量の変化率がそれぞれ副次評価項目として設定されている。 その結果、6分間歩行距離の12ヵ月間での変化量はコイル治療群で+10.3m、通常ケア群で-7.6mであった。その群間差は14.6m(97.5%CI:0.4m~∞、片側p値:0.02)であり、有意にコイル治療群で優れていた。1秒量の変化率は中央値で7.0%(97.5%CI:3.4%~∞、片側p値0.01)であり、やはりコイル治療群で大きな改善が示された。SGRQスコアの群間差は-8.9ポイント(97.5%CI:-∞~-6.3ポイント、片側p値<0.001)で、コイル治療群において有意な改善が示された。 一方、コイル治療群において主要な合併症が34.8%も発生している。通常ケア群においては19.1%であり、コイル治療群では有意に合併症の頻度が高かった(p=0.002)。コイル治療群では、肺炎が20%(通常ケア群では4.5%)、気胸が9.7%(通常ケア群では0.6%)とそれぞれ有意に高頻度に認められた。 以上の結果から、肺気腫患者に対する気管支内コイル治療が、6分間歩行距離やQOL、肺機能の改善に有効であると結論することは早計である。主たる評価項目である6分間歩行距離の改善はわずかであり、設定されたMCID(minimal clinical important difference)=29mを超えるものではない。しかも、重大な合併症の頻度も高く、長期的な効果についても不明である。 しかし、本研究には残気量が予測値の225%以上という高度のair trappingを示す肺気腫症例が多く(235例)登録されている。探索的評価項目のうち、残気量と残気率に関しては、コイル治療を行うことによってそれぞれ0.31Lの減少、3.5%の減少が得られている。サブグループ解析の結果、air trappingが225%以上と高度で、heterogeneousな気腫症例においては、6分間歩行距離で+29.1m、1秒量で+12.3%、SGRQで-10.1ポイントと、臨床的にも意味のある効果が示されている。今後は、本治療法の長期効果についての追加報告がなされること、またheterogeneousな気腫分布を示す、air trappingが高度な肺気腫を調査対象としたランダム化比較試験が行われることが期待される。

25575.

ビタミンDで抗精神病薬誘発性高血糖が低減か:京都大学

 非定型抗精神病薬は、高血糖リスク増加と関連しているため、臨床使用が制限される。京都大学の長島 卓也氏らは、抗精神病薬誘発性高血糖の根本的な分子メカニズムについて検討を行った。Scientific reports誌2016年5月20日号の報告。 主な結果は以下のとおり。・FAERS(FDA Adverse Event Reporting System)データベースにおける薬剤の組み合わせを検索したところ、非定型抗精神病薬の高血糖リスクを低減した併用薬として、ビタミンD類似体との組み合わせが、クエチアピン誘発性糖尿病関連有害事象の発生を有意に減少させることが示された。・マウスを用いた実験検証では、クエチアピンは急性インスリン抵抗性を引き起こすことが認められ、これは、コレカルシフェロールの食事補充により軽減された。・シグナル伝達経路や遺伝子発現に関連するデータベース解析では、インスリン受容体の下流で働く重要な遺伝子であるPik3r1のクエチアピン誘発性のダウンレギュレーションを予測した。・PI3Kシグナル伝達経路に焦点を当て、Pik3r1 mRNAの発現低下は、骨格筋のコレカルシフェロール補充により逆転することが認められた。C2C12筋管へのインスリン刺激グルコースの取り込みは、クエチアピン存在下で阻害され、これは、PI3K依存的に付随するカルシトリオールにより逆転した。 結果を踏まえ、著者らは「ビタミンDの同時投与は、PI3K機能のアップレギュレーションにより、抗精神病薬誘発性高血糖およびインスリン抵抗性を防ぐことが示唆された」としている。関連医療ニュース オランザピン誘発性体重増加を事前に予測するには:新潟大学 抗精神病薬による体重増加や代謝異常への有用な対処法は:慶應義塾大学 抗精神病薬誘発性の体重増加に関連するオレキシン受容体

25576.

深部静脈血栓症後の弾性ストッキング、2年以上が理想的/BMJ

 近位深部静脈血栓症(DVT)患者に対する弾性ストッキングによる圧迫療法(ECS)は、2年以上が理想的であることが示された。オランダ・ユトレヒト大学のG C Mol氏らが多施設単盲検非劣性無作為化試験OCTAVIAの結果、報告した。1年治療群の2年治療群に対する非劣性が認められなかったという。ECSはDVT患者の血栓後症候群予防のために用いられるが、至適期間は明らかではない。現行ガイドラインでは、24ヵ月間の使用としているが、最近の試験で、この現行戦略に疑問符を呈し、より短期間とする提案がなされていた。BMJ誌オンライン版2016年5月31日号掲載の報告。1年治療群を中止群と継続群に割り付け、血栓後症候群の発生を評価 OCTAVIA試験は2009年2月~2013年9月に、オランダの1大学病院を含む8教育病院の外来クリニックで行われた。超音波で確認された症候性の脚部近位DVTを呈し12ヵ月間ECSを受けた患者を対象とし、研究グループは被験者を、ECSを継続する群と中止する群に無作為に割り付けた。 主要アウトカムは、DVT診断後24ヵ月間の血栓後症候群の発生率で、標準化されたVillaltaスケールで評価(intention-to-treat解析)した。本検討は、ECSの1年群は同2年群に対して非劣性であるとの仮定に基づき行われ、事前規定の非劣性マージンは10%であった。また、主な副次アウトカムとしてQOL(VEINES-QOL/Sym)を評価した。1年治療群の2年治療群に対する非劣性認められず、QOLは両群間で有意差なし 3,603例がスクリーニングを受け、ECS治療に応じ血栓後症候群を呈していなかった適格患者518例が、DVT診断後1年後に継続群(262例)と中止群(256例)に無作為に割り付けられた。 結果、中止群では、51/256例の血栓後症候群の発生がみられ、発生率は19.9%(95%信頼区間[CI]:16~24%)であった。一方、継続群の同発生は34/262例で、発生率は13.0%(同:9.9~17%)であった。継続群では、85%が週6~7日間ECSを使用していた。 両群の発生率の絶対差は6.9%(95%CI上限値12.3%)であり、1年治療群の2年治療群に対する非劣性は認められなかった。 ECS継続群で、血栓後症候群の発生1例を予防するのに必要な治療数(NNT)は14(95%CI下限値8)であった。 副次アウトカムのQOLについては、両群間で有意差は認められなかった。■「深部静脈血栓症」関連記事下肢静脈瘤で深部静脈血栓症のリスク約5倍/JAMA

25577.

父母両方の喫煙で出生時の低身長リスクが増大

 両親の喫煙が出生アウトカムに及ぼす影響を調査した結果、母親の喫煙は出生時の体重および身長と有意に関連し、両親とも喫煙していた場合、低身長のリスクが増加することが、岡山県立大学の井上 幸子氏らの研究で明らかになった。Journal of public health誌オンライン版2016年5月24日号に掲載。 子どもの健康に対する両親の喫煙の有害作用はこれまで研究されてきたが、両親の喫煙それぞれの交互作用を示す研究はほとんどなく、また、出生時の体重以外のアウトカムは評価されていない。そこで著者らは、出生アウトカムにおける両親それぞれの喫煙ならびにその交互作用の影響を調査した。 著者らは、1997~2010年に浜松市内の大規模な病院で出産した両親と新生児について、妊娠から出産まで、病院ベースのフォローアップ研究を実施した。喫煙と成長の関係は、ロジスティック回帰を用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・母親の喫煙は、出生時の低体重、低身長、小さい頭囲に関連していた。・父親の喫煙は、出生時の低身長と小さい頭囲に関連していた。・調整モデルにおいて、両親の喫煙は出生時の低体重(オッズ比[OR]:1.64、95%信頼区間[CI]:1.18~2.27)と低身長(-1標準偏差[SD] OR:1.38、95%CI:1.07~1.79、-2 SD OR:2.75、95%CI:1.84~4.10)と明確な関連性を示した。

25578.

「バースデー・ブルー」で自殺が1.5倍に:大阪大学

 誕生日に自殺が増える「バースデー・ブルー」の仮説が日本人にも当てはまることを裏付ける統計結果が発表された。大阪大学の松林 哲也氏と米国・シラキュース大学の上田 路子氏は、1974~2014年に自殺や事故(交通事故、転落事故、溺死、窒息死など)により死亡した日本人207万3,656人の死亡記録をポアソン回帰分析を用いて検討した。その結果、自殺や事故による死亡者数が他の日と比べて誕生日に多いことが明らかになった。Social Science & Medicine誌オンライン版2016年4月29日号掲載の報告。 主な結果は以下のとおり。・自殺による死亡者数が、誕生日はそれ以外の日と比べて50%多かった。・誕生日に死亡する人が増加する傾向は、性別、配偶者の有無、死亡時の年齢のサブグループに関係なくみられた。・高齢者では、食事に出かけるなどの誕生日のお祝いに関連する特別な行動が事故死急増の一因になっていることが示された。対照的に、20代では誕生日の交通事故による死亡者数が著しく増加しており、報告者らによると、これは誕生日のお祝いでのドライブや飲酒に起因する可能性があるという。

25579.

喘息様症状、COPD増悪に影響せず

 喘息様症状を有するCOPD患者は、適切な治療の下では良好な臨床経過をたどることが、北海道大学医学部の鈴木 雅氏により報告された。American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine誌オンライン版2016年5月25日号掲載の報告。 COPD患者の中には、喘息の臨床的診断こそつかないものの、喘息様症状を有する患者が存在する。しかし、こうした喘息様症状とCOPDが重複する病態の臨床的意義は明確ではない。本研究では、北海道COPDコホート研究による10年間の追跡結果を用いて、適切な治療を行った場合に喘息様症状がCOPD患者の臨床経過にどのような影響をもたらすのかを評価した。 対象者は、呼吸器専門医によって喘息ではないと診断されたCOPD患者268例であった。喘息様症状には、気管支拡張薬による可逆性(ΔFEV1≧12% かつ ≧200mL)、血中好酸球の増多(≧300/μL)、アトピー(抗原吸入に対するIgE陽性反応)を含めた。初めの5年間は毎年、気管支拡張薬吸入後のFEV1変化率およびCOPDの増悪を観察し、死亡率は10年間を通して追跡した。 主な結果は以下のとおり。・全対象者のうち、57例(21%)が気管支拡張薬による可逆性、52例(19%)が血中好酸球の増多、67例(25%)がアトピーを持っていた。・気管支拡張薬吸入後のFEV1年間低下速度は、血中好酸球の増多がみられた患者で有意に遅かった。気管支拡張薬による可逆性とアトピーは影響しなかった。・いずれの喘息様症状も、COPD増悪との関連はみられなかった。喘息様症状が複数ある場合でも、気管支拡張薬吸入後のFEV1低下とCOPD増悪率は喘息様症状が1つ以下の患者と同様であったが、10年死亡率は喘息様症状が1つ以下の患者と比べて有意に低かった。■「COPD増悪」関連記事COPD増悪抑制、3剤併用と2剤併用を比較/Lancet(ケアネット 細川 千鶴)【訂正のお知らせ】本文内の表記に誤りがあったため、一部訂正いたしました(2016年6月15日)。

25580.

Ozanimodの潰瘍性大腸炎に対する寛解および維持療法の有用性(解説:上村 直実 氏)-547

 潰瘍性大腸炎(UC)に関しては5-アミノサリチル酸(5-ASA)、ステロイド、免疫調節薬、生物学的製剤、血球成分除去療法など、さまざまな治療が寛解導入および寛解維持を目的として使用されており、最近では腸内フローラの調整を目的とした抗生物質や便移植の有用性も報告されている。 本論文で使用されたOzanimodは、スフィンゴシン-1-リン酸受容体のサブタイプ1と5の経口作動薬で、末梢リンパ球隔離を促すことで消化管内に循環する活性化リンパ球数を減少させる免疫調節作用により、UCに対する有用性が期待される薬剤である。 本臨床試験は、2012年~15年にかけて13ヵ国57施設で施行された多施設国際共同RCTで、対象とした中等症~重症の潰瘍性大腸炎197例を実薬のOzanimod 0.5mg/日(0.5mg群)、1mg/日(1mg群)およびプラセボ群の3群に分け最長32週間投与している。評価項目として、メイヨークリニックスコア(MCS)とサブスコア(MCSS)を用いて、8週時点でのMCSが2点以下でMCSSが1点を超えないと定義された臨床的寛解率を主要アウトカムとした検討である。その結果、8週時点での臨床的寛解率は1mg群16%、0.5mg群14%、プラセボ群6%であり、プラセボ群に対して1mg群は有意に(p=0.048)高率であったが、0.5mg群では有意差が認められなかった(p=0.14)。なお、32週時点の臨床的寛解率は1mg群(21%)、0.5mg群(26%)共にプラセボ群(6%)より有意に高率であった。今回の試験結果について著者らは、「臨床的有用性および安全性評価の確認において、試験規模および期間ともに十分なものではなかった」と述べている。 最初に述べたように、UCに対する治療法については数多くの治療法が開発されているが、今回の試験結果からUCに対するOzanimod単剤での有用性は大きな期待はできず、今後、他剤との併用効果の検証が必要と思われた。

検索結果 合計:36559件 表示位置:25561 - 25580