サイト内検索|page:1193

検索結果 合計:35184件 表示位置:23841 - 23860

23842.

続・オンライン英会話【Dr. 中島の 新・徒然草】(134)

百三十四の段 続・オンライン英会話前回は、スカイプを使ったオンライン英会話を開始したことを述べました。今回は、その続きです。英語の何が難しいといって、雑談ほど難しいものはありません。国際学会のディナーの席で左右を外国人に挟まれた時など、黙って食べるしかありませんでした。「この状況を何とかしなくてはならん!」と思ったのが、オンライン英会話学校入学の動機です。なので、ゴールは「金髪碧眼の人たちと流暢な英語で盛り上がる」といったところに設定しております。さて、オンライン英会話学校での私の作戦はこうです。1.まずトピックスを決め、フィリピン人講師相手に頑張って喋ってみる。2.相手に私の英語が通じず、沈没する。3.でも講師は3,000km離れたフィリピン在住なので、ちっとも恥ずかしくない。(意味不明)4.今度は別のフィリピン人講師を指名して、同じトピックスで頑張る。5.同じ話題でも2回目になれば、前回よりは少しマシに話ができる。6.さらに別のフィリピン人講師相手に再び同じトピックスで頑張り、もっと改善する。7.以下、納得いくまで繰り返す。なにしろオンライン英会話学校の講師は3,000人もいるのですから、毎日同じ話題を喋ったとしても、一巡するまでに数年間はかかります。で、実際にやってみてわかったこと。講師との会話を弾ませるためには、英語のスキルもさることながら、話題の豊富さも重要だということです。というのは、間違って同じ講師を2回指名したことがあるのですが、明らかに途中でネタ切れになってしまったのです。そこで、作戦を立て直しました。そもそも、外国人との英語での雑談という最難関に丸腰で臨もうとしていたのが間違いだったのです。試験でも面接でも何事も準備が肝心。想定される問答に対する準備をしておくべきです。ということで、仕事内容、好きな映画、読書、旅行、ペット、好きな食べ物などについて、あらかじめ英語でまとめておきました。たとえば映画については、「自分にとって、これまで見た中で最高の映画は何か?」という設問。沢山の候補の中から1つ挙げるとすれば、1987年のアメリカ映画 "The Untouchables" です。Kevin Costner、Robert De Niro、Sean Connery らが好演していました。タイトルも俳優の名前も、すべて英語で調べておくのがコツです。あらかじめトピックスについて主要な英単語と共に準備しておくのは、抜群の効果がありました。本当に講師との話が弾んだのです。モニターの横にカンニングペーパーを置いておけば、チラッチラッと見ながら喋ることも可能です。もっとも、その映画に誰が出演したということよりも、「どのようなストーリーなのか?」とか「何故その映画が好きなのか?」ということを尋ねられることのほうが多かったのも事実です。そこで、これらの質問に対しても順に答えを用意しました。逆に言えば、「どんなストーリーか?」とか「何故好きなのか?」といった質問はこちらが講師に対して使うことも可能です。以下、20代女性講師とのある日の会話です。中島「先生の生涯最高の映画はなんですか?」講師「うーん、難しい質問ね。敢えて1つ挙げるなら "The Danish Girl" かな」中島「どんなストーリーですか?」講師「デンマークの画家夫妻の話なの。途中で夫のほうがゲイだということがわかってしまって」中島「なるほど」講師「それでね、夫が性転換手術を受けたいって言い出すの」中島「打ち明けられた奥さんとしては複雑ですね」講師「そう! 夫に性転換手術を受けたいって言われて、賛成する妻がいるわけないでしょ」中島「確かに」講師「とはいえ、ゲイの夫でも最大の理解者は妻だし。妻としては夫を応援してあげたいし」中島「そうですよね」講師「何といっても手術には危険がつきものなのよね」中島「もちろん」講師「……」中島「まさか?」講師「その『まさか』が起こってしまったの」中島「命を落としてしまったのか。なんてこった!」講師「なんで彼女が手術に反対していたかというとね」中島「性転換手術がどうとかいうより、心の中で『もしかして夫を失うんじゃないか』って、何よりもそれを恐れていたのか」講師「ゲイの夫だけど、最後まで彼女は愛し続けたのよ」中島「人を愛するってのは、そういうことですよね」講師「ぜひあなたも見てよ」中島「見るも何も、今の話だけで十分に感動しました」とまあ、こんな具合です。20代とはいえ、さすがに名門フィリピン大学卒業。英語も上手いが考察も深い。というわけで、トピックスを掘り下げつつ、毎日オンラインで頑張っております。興味を持たれた方は挑戦してみて下さい。最後に1句雑談も 準備第一 ぬかりなく

23843.

脳波に対する向精神薬の影響

 向精神薬は、脳波(EEG)の読み取りに影響を与えることが知られている。米国・スタテンアイランド大学病院のRohit Aiyer氏らは、向精神薬がEEG変化に及ぼす影響に関する利用可能なすべてのデータを調査し、レビューを行った。Postgraduate medicine誌2016年9月号の報告。 PubMedを用いて、すべての出版済み、および印刷中の文献のシステマティックレビューを行った。検索に当たり、PRISMA(システマティックレビューおよびメタアナリシスのための優先的報告項目)ガイドラインで推奨する方法を使用した。検索キーワードは、EEGおよび向精神薬、気分安定薬、クロザピン、bupropion、SSRI、ラモトリギン、カルバマゼピン、リチウム、バルプロ酸、ハロペリドール、アリピプラゾール、メチルフェニデート、トピラマート、ガバペンチン、oxcarbamazepineとした。選択基準適用後、201件が対象となり、レビューを行った。 主な結果は以下のとおり。・201件の文献の大規模レビューより、各種向精神薬のα波、β波、δ波、θ波への影響は互いに独立し、異なることが示唆された。・さらに、特定の薬剤(とくにハロペリドール、バルプロ酸)は、すべての波形で異なる結果が示された。 著者らは「本PRISMAシステマティックレビューでは、向精神薬がEEG活性に及ぼす影響についての利用可能なデータが存在することを示した。これらの知見について、患者の反応と向精神薬との臨床的相関を明らかにするさらなる研究が必要とされる」としている。関連医療ニュース 抗精神病薬は脳にどのような影響を与えるのか 統合失調症の陰性症状有病率、脳波や睡眠状態が関連か 精神障害を伴う難治性てんかん患者への術前ビデオ脳波は禁忌なのか

23844.

医師への苦情の第1位は説明不足!? 患者が求めるコミュニケーションとは

 患者の意思決定支援はどうあるべきかを患者視点から検討する「第2回SDM(シェアード・ディシジョン・メイキング)フォーラム2016『患者視点から考えるヘルスコミュニケーション』」1)が8月25日都内で開催され、3人の患者団体の代表2)3)4)が講演した。 同フォーラムを主催した厚生労働行政推進調査事業費補助金「診療ガイドラインの担う新たな役割とその展望に関する研究」班の代表である中山 健夫氏(京都大学大学院 医学研究科社会健康医学系専攻健康情報学分野 教授)は、診療ガイドラインは、最善の患者アウトカムを目指した推奨を提示することで、「患者と医療者の意思決定を支援する文書」であるという定義を紹介し、とくに不確実性の高い治療選択においてSDMが重要であることを強調した。他の職種より医師への不満が断トツに多い理由とその改善策とは 全国の患者からの電話相談事業を実施している認定NPO法人 ささえあい医療人権センターCOML2)理事長の山口 育子氏によると、医師への不満は、例年相談内容の上位に入っており、全体の約25%を占めることが紹介された。これは看護師や薬剤師など他の医療職種に対する不満と比べて突出して多いという。 山口氏は「ヘルスコミュニケーション改善のカギは“チーム医療”である」と考えている。患者は希望や意向を医師には正直に言いにくい、ということがしばしば見受けられるため、多様な職種が関わる中での患者の意思決定支援が望ましいことを説明した。 また、相談内容を分析した結果、医師への不満の背景として、患者や家族が、薬の情報、リハビリテーション、日常生活の疑問、転院に関する問題など医療に関するあらゆる情報や支援などすべてを医師に期待する傾向があるため、このように不満が医師に集中する結果になっていると考えている。医療機関において、チーム医療体制は定着しつつあるが、患者に看護師や薬剤師の役割・専門性について質問しても答えに窮する現状があるという。医師以外の医療職種が何のために存在しているのか、患者に説明される機会はほとんどないため、ぜひそれぞれの医療職種の役割・専門性について患者に伝えてほしいと訴えた。医師への苦情第1位は説明不足!? 原因は“日本版”インフォームドコンセント 医師に対する不満や苦情の内容で最も多いのが、非常に基本的な情報に関して「説明を受けていない」というもの。そのような相談受けた際に、山口氏は、本当に説明がなかったのかどうか必ず丁寧に患者に確認するようにしている。すると、実際には手術や化学療法など大きな決断が必要となる場面では、「1時間ほど説明があった」などと判明することがよくあるそうだ。 この食い違いの原因として考えられるのは、インフォームドコンセントが日本では単に「説明すること」に重きが置かれている点である。治療に関する意思決定が必要な際に多くの場合、患者は専門的な説明を、長い時間にわたり口頭で聞き続けるが、その内容すべてを記憶しておくことは困難である。実際にそのとき話を聞いていたとしても、理解ができていないと、後から「聞いていない」という訴えになってしまうのだ。高齢の患者が増加し、患者自身が説明を理解することが困難なケースも珍しくない中で、どのように必要な情報を共有するかは大きな課題であり、支援ツールの活用などが求められる。医師から患者に「メモを取ってもよい」と伝えて 患者は医師に対する遠慮や自身のプライドなどから、理解していなくてもうなずくことがしばしばあるという。よって、「うなずいたから理解している」と思うのは危険であり、患者自身に言語化してもらい、理解を確認することが大切である。また、口頭による説明には限界があるため、理解の補助として、メモや治療に関する資料などの活用も期待される。とくに、患者はメモを取ることが「医療者に対して失礼では」「やっかいな患者と思われるのでは」などと心配し、控えることがあるため、ぜひ医療者から「メモを取ってもよい」ことを患者に伝えてほしいと山口氏は述べた。インフォームドコンセント、なぜこのタイミング? 潰瘍性大腸炎患者の参加者からは、手術の具体的な説明が手術前日であったことに対する不満が紹介された。手術の前日は非常に緊張していたため、説明内容をほぼ理解できなかったという。「医療提供者側にもさまざまな事情はあると思うが、もっと前に説明してくれれば落ち着いて聞くことができ、理解できたと思う」と同参加者は述べた。 これを受けて登壇者の認定NPO法人 健康と病の語り ディペックス・ジャパン3)理事・事務局長の佐藤 りか氏は、同団体が運営する患者体験談データベースではこのような患者自身の医療・健康にまつわる体験動画が閲覧できるため、ぜひ多くの医療者にも活用してほしいと述べた。(ケアネット 後町 陽子)参考資料1)第2回SDM(シェアード・ディシジョン・メイキング)フォーラム2016(PDF)2)認定NPO法人 ささえあい医療人権センターCOML(コムル)3)認定NPO法人 健康と病いの語り ディペックス・ジャパン4)日本患者会情報センター

23845.

日本人AF患者に対するリバーロキサバンのリアルワールドデータ:ESC2016

 ドイツ・バイエル社は、経口第 Xa 因子阻害剤リバーロキサバン(商品名:イグザレルト)を非弁膜症性心房細動患者に使用した複数の国から得られた新たなリアルワールドデータが、2016 年欧州心臓病学会(ESC)学術集会で公表されたことを2016 年8月29日発表した。 日本の患者 11,000 人以上が登録された市販後の前向き観察研究 XAPASSでは、日常診療で新たにリバーロキサバンの服用を開始した非弁膜症性 AF 患者において、脳卒中および重大な出血事象の発現率がいずれも低いことが確認された。 XAPASSの対象患者は脳卒中の平均リスクがこれよりも低く、CHADS2 スコア平均値は 2.2 であった。XAPASS において、出血事象の発生率は100 患者・年当たり4.84 件で、このうち重大な出血事象の発現率は1.02 件、頭蓋内出血の発現率は0.43 件であった。また、脳卒中、非中枢神経系塞栓症および心筋梗塞の複合からなる主要評価項目の発現率は100 患者・年当たり1.35 件で、虚血性脳卒中の発現率は100 患者・年当たり0.90 件であった。これらの結果は、無作為化第Ⅲ相臨床試験 J-ROCKET AF とおおむね一貫していた。バイエル薬品のニュースリリースはこちら

23846.

製薬企業から医師への報酬、処方に有意に影響/BMJ

 製薬企業から医師に支払われる、講演料やコンサルティング料などは、その地域で営業活動が展開されている経口抗凝固薬と非インスリン糖尿病治療薬の、処方日数の増加と結び付いていることが明らかにされた。同処方増は、報酬対象が非専門医よりも専門医の場合であったほうが、有意に大きかったという。米国・エール大学のWilliam Fleischman氏らが、米国306地域の病院医療圏(hospital referral region:HRR)を対象に断面調査を行った結果で、BMJ誌オンライン版2016年8月18日号で発表した。製薬企業から医師への報酬は処方に影響しないと考える医師が多いが、これまでその影響を調べた検討はほとんど行われていなかった。病院医療圏306ヵ所を対象に調査 研究グループは、2013~14年の米国高齢者向け公的医療保険メディケアパートDの処方記録(政府サイトで検索・入手可能)を基に、処方頻度の高い経口抗凝固薬と非インスリン糖尿病治療薬の2種について、製薬企業から医師への報酬と、各地域における処方との関連を分析した。対象地域は306の病院医療圏で、製薬企業から医師への報酬としては、講演料、コンサルティング料、謝礼金、贈答品、飲食費、旅費などを含んだ。調査対象は、対象期間中に地域における医師への報酬が100件以上報告されていた薬剤(marketed drugs)とした。 主要評価項目は、医師が処方した経口抗凝固薬や非インスリン糖尿病治療薬の割合または市場占有率だった。 306病院医療圏において、対象とした2種の処方薬は、医師62万3,886人により患者1,051万3,173人に4,594万9,454例処方されていた。報酬が1回増ごとに、糖尿病治療薬の処方日数107日増加 306病院医療圏において、経口抗凝固薬に関連して97万7,407件、総額6,102万6,140ドルの医師への報酬があった。非インスリン糖尿病治療薬では、178万7,884件、総額1億841万7,616ドルの報酬があった。 病院医療圏における調査対象薬の市場占有率は、経口抗凝固薬が21.6%、非インスリン糖尿病治療薬12.6%だった。 病院医療圏において、医師への報酬が1回(中央値13ドル、四分位範囲:10~18ドル)増えるごとに、経口抗凝固薬の処方日数は94日(95%信頼区間[CI]:76~112)、非インスリン糖尿病治療薬の処方日数は107日(同:89~125)、それぞれ増加が示された(いずれもp<0.001)。こうした増加は、報酬対象が非専門医よりも専門医の場合で有意に大きく、経口抗凝固薬の専門医 vs.非専門医の処方日数増は212 vs.100日、非インスリン糖尿病治療薬でも331 vs.114日だった(いずれもp<0.001)。 また、非インスリン糖尿病治療薬の処方日数の増加について、報酬が飲食費であった場合は110日増であったのに対し、講演料・コンサルティング料の場合は484日増と有意な差が認められた(p<0.001)。 なお、今回の検討について著者は、「医師への報酬と処方増との因果関係を示すものではなく、所見は一部の限られたものであると解釈するにとどめるべきであろう」としている。

23847.

再発/難治性多発性骨髄腫、daratumumab追加の3剤併用も有効/NEJM

 再発性または再発・難治性多発性骨髄腫に対し、ヒトIgGκモノクローナル抗体daratumumabを、ボルテゾミブとデキサメタゾンに併用することで、2剤のみの場合に比べ無増悪生存期間が延長し、12ヵ月無増悪生存率は約60%になることが示された。イタリア・トリノ大学のAntonio Palumbo氏らが、約500例の患者を対象に行った第III相無作為化比較試験の結果、明らかにした。daratumumabはCD38をターゲットとし、直接的・間接的な抗骨髄活性を誘発する。先行研究で、多くの前治療歴のある多発性骨髄腫患者に対して、単独療法の高い有効性が示され、またボルテゾミブとの併用療法では、新規に診断された多発性骨髄腫患者において同様の高い効果が示されていた。NEJM誌2016年8月21日号掲載の報告より。daratumumab+ボルテゾミブ+デキサメタゾンについて検討 研究グループは2014年9月~2015年9月にかけて、再発性多発性骨髄腫、再発・難治性多発性骨髄腫の患者498例を対象に試験を開始した。被験者を無作為に2群に分け、一方にはボルテゾミブ(1.3mg/m2体表面積)とデキサメタゾン(20mg)を投与し(対照群)、もう一方の群にはそれら2剤とdaratumumab(16mg/kg体重)を投与した(daratumumab群)。 主要評価項目は、無増悪生存期間だった。12ヵ月無増悪生存率、daratumumab群で60% 事前に特定した中間解析の結果、12ヵ月無増悪生存率は、対照群26.9%だったのに対し、daratumumab群では60.7%と有意に高率だった。 追跡期間の中央値7.4ヵ月の時点で、無増悪生存期間は、daratumumab群では未到達だったが、対照群は7.2ヵ月だった。(daratumumab群の対照群に対する増悪または死亡のハザード比:0.39、95%信頼区間:0.28~0.53、p<0.001)。 全奏効率は、対照群63.2%に対し、daratumumab群は82.9%と有意に高率だった(p<0.001)。また、非常に良好な部分奏効率(very good partial response)や完全奏効率も、対照群29.1% vs.daratumumab群59.2%(p<0.001)、9.0% vs.19.2%(p=0.001)と、いずれもdaratumumab群が有意に高率だった。 両群で発生頻度の高かったGrade3または4の有害事象は、血小板減少症(daratumumab群45.3%、対照群32.9%)、貧血(14.4%、16.0%)、好中球減少(12.8%、4.2%)だった。また、daratumumab群では注入に伴う反応が45.3%に認められた。しかし大半はGrade1または2で(3は8.6%)、98.2%が初回注入時に記録されたものだった。

23849.

糖尿病患者は血圧が低いほうが心筋梗塞になりにくい?しかし降圧治療による結果ではない(解説:桑島 巖 氏)-586

 SPRINT試験は、高リスク高血圧患者の降圧目標に関して、収縮期血圧120mmHg未満が140mmHg未満よりも心血管イベントおよび心血管死が少ないという結果を示し、話題をさらったことは記憶に新しい。しかし、SPRINT試験では糖尿病合併例は除外されていた。ACCORD-BP試験で収縮期血圧120mmHg未満の群と140mmHg未満の群で心血管合併症発症に有意差が見られなかったとの理由からである。 今回、スウェーデン・イエーテボリ大学のEryd氏らのグループは、国民ベースのコホート観察研究において、登録時の収縮期血圧を6群に分けて、血圧値と非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中の複合エンドポイントの発生率をハザード比で比較した。この結果によると、収縮期血圧110~119mmHg未満の群が、そのレベル以上のどの血圧グループよりも複合エンドポイントの発生率が少なく、いわゆるJカーブ曲線は認められなかったという結論であった。 しかし、本研究の結論は、糖尿病合併高血圧でも120mmHgまで下げるべきということではない。糖尿病では血圧が低い例ほど非致死的心筋梗塞や非致死的脳卒中になりにくいといっているのである。登録時の血圧が最も低い群での降圧薬薬剤数が平均0.7剤であるのに対して、最も高い群では1.6剤である。ということは、血圧が最も低い群は、降圧薬がなくとも血圧が低い症例ということである。積極的降圧で収縮期血圧が120mmHg未満になった症例群ではないことには注意が必要である。 本試験のリミテーションは、血圧情報が登録時のみで、追跡期間中の降圧治療情報が示されていないということであり、降圧目標を論じるのに参考にはなりにくい。また、収縮期血圧が120mmHg以下の群で心不全、全死亡が多いということは、肺炎や慢性疾患合併症が含まれているのかもしれず、交絡因子が十分に排除できていない可能性がある。さらに、75歳以上の後期高齢者や糖尿病性合併症を有している人も対象から除外している点からも、日常診療で糖尿病患者での降圧目標を決定するうえで、あまり参考にはなりにくい論文である。

23850.

循環器内科 米国臨床留学記 第12回

第12回 米国での外国人フェローの受け入れられ方(読者からの質問 Part 1)今回から2回にわたって、ケアネット編集部に寄せられた読者の方からの質問にお答えします。米国臨床留学を検討されている方の参考になれば幸いです。質問:外国人フェロー(とくに日本人フェロー)がアメリカの現場でどのように受け入れられているかを教えてください(差別的な待遇はありませんか)。また、アメリカで日本人がフェローを考える場合に気をつけることはありますか。FMG(外国医学部卒業生)は選考に不利な立場本連載第1回にも書いたとおり、フェローシップの選考は、当然ですが米国人に有利です。米国人であること、米国の医学部(できれば有名大学)を卒業していること、有名なレジデンシープログラム(Harvard、Mayo、Stanford、UCLAなど)を修了していることが大変有利に働きます。この3点を日本人の医学部卒業生が達成することはできません。また、面接は当然ながら英語で行われますし、英語を母国語とする米国人は面接のような場面で自分を良く見せることが得意です。こういった事情もあり、外国医学部卒業生(FMG:Foreign Medical Graduate)にとって、消化器や循環器など人気のあるフェローシップは狭き門となっています。とくにカリフォルニアやニューヨークなどの大都市圏では、循環器や消化器などのプログラム にFMGが少なく、私が所属する大学でもフェロー16人のうちFMGは私1人です。FMGがポジションを得るには、リサーチの経験やコネクションが重要になってきます。フェローシップにおける外国人医師FMGにとって狭き門とは言いましたが、インド人をはじめとするFMGは専門医志向が強いので、フェローにもFMGが大勢います。通常は、フェローを始める段階でレジデンシーを修了しており、レジデンシーの3年間で米国の医療システム、他の医療スタッフの役割、薬剤の使い方などを学びますので、米国の医療に戸惑うことはありません。フェローはレジデントをサポートする立場ですので、英語が苦手であったり、米国の医療システムを理解していなかったりすると厳しい評価が下される可能性があります。逆にいうと、コミュニケーションがしっかりできて、システムの中での与えられた役割をこなしている限りは、周りの指導医やフェローから厳しい評価を受けることはありません。プログラムとしても、FMGを採用することには多少のリスクが伴いますので、選考の段階でFMGを避ける傾向にあります。これは差別というより、プログラムとしては無難な候補者を選びたいので、やむを得ないことだと思います。いったんプログラムに入ってしまえば、同僚、指導医、その他のスタッフから差別的な待遇を受けることはほとんどないと思います。ほとんどの患者は私の拙い英語にも耳を傾けてくれますし、外国人医師にも慣れていて、寛容な態度で接してくれます。とは言っても、人種のるつぼと言われる米国ですので、患者にもいろんな方がいます。差別的な発言をされたこともありますが、非常にまれですし、気にしないようにしています。次回は、質問の後半部分にお答えします。米国でフェローに挑戦しようと考えている先生方へ、私なりのアドバイスをお伝えしたいと思います。

23851.

認知症の世界的トレンドはどうなっているか

 今後の認知症拡大に関する予測では、年齢特異的および性特異的有病率に経時的な変化はなく、予測される認知症者増加を推進するのは高齢化のみと仮定されている。しかし、この仮定の根拠は疑わしく、傾向変動(長期における有病率の緩やかな減少または増加)は妥当であると考えられる。英国・ロンドン大学精神医学研究所のMartin Prince氏らは、認知症の有病率や発症率に関する世界的な傾向を分析した。Alzheimer's research & therapy誌2016年7月30日号の報告。 1980年以降の認知症の有病率、発症率、死亡率に関する追跡研究のシステマティックレビューを行った。 主な結果は以下のとおり。・認知症の有病率追跡研究9件、発症率追跡研究8件、死亡率追跡研究4件が抽出された。・認知症の発症率について、高所得国における減少を示唆する幾つかの一貫したエビデンスが認められた。・認知症の有病率を追跡したエビデンスは、研究間で矛盾しており、明確な全体的影響は示されなかった。・死亡率の傾向についての研究はほとんどなかったが、発症率の減少は認知症者の生存期間延長によって均衡がとれている可能性がある。・東アジアでの有病率増加を示唆するエビデンスがあり、これは診断基準の経時的変化が一因となっている可能性があるが、心血管リスク因子プロファイルの悪化と一致している。 結果を踏まえ、著者らは「現在仮定される経時的な認知症の年齢別発症率における一定の傾向を裏付けるエビデンスは得られなかったが、認知症拡大の将来的規模など、幾つかの不確定要素が残存する。高齢化は最も大きな要因であり、政策立案者は、現在の有病率予測に基づき、将来のサービス提供を計画する必要がある。追加すべき優先順位として、脳の健康増進、認知症予防プログラム、これら対策の有効性をグラフ化し今後の経過を監視することに注力する必要がある」としている。関連医療ニュース 長生きしても認知症にならないためにできること 主観年齢が高いと認知症になりやすい 認知症治療、薬物療法にどの程度期待してよいのか

23852.

閉経後の骨粗鬆症性骨折、開発中のabaloparatideが有用/JAMA

 骨粗鬆症を有する閉経後女性に対し、abaloparatideはプラセボと比較して新規椎体および非椎体の骨折を低下することが、米国・Colorado Center for Bone ResearchのPaul D. Miller氏らによる第III相二重盲検無作為化試験ACTIVE(Abaloparatide Comparator Trial In Vertebral Endpoints)の結果、示された。abaloparatideは、開発中の副甲状腺ホルモン1型受容体選択的活性薬。18ヵ月間の試験期間中、新規椎体骨折を有意に抑制、非椎体骨折は有意差は示されなかったが減少が認められた。結果を踏まえて著者は、「さらなる検討を行い、リスク差の臨床的意義、abaloparatide治療のリスク・ベネフィット、その他の骨粗鬆薬との有効性の比較などを行う必要がある」とまとめている。JAMA誌2016年8月16日号掲載の報告。対プラセボ、テリパラチドで18ヵ月間の無作為化試験 骨粗鬆症性骨折の予防には付加的治療が必要とされる。研究グループは、abaloparatideの有効性と安全性を確認するため、骨粗鬆症性骨折のリスクがある閉経後女性の新規脊椎骨折予防について、同薬80μg対プラセボの試験を行った。ACTIVE試験は、10ヵ国28地点で2011年3月~2014年10月に行われた。 閉経後女性で、骨密度(BMD)Tスコアが腰椎または大腿骨頚部で-2.5以下-5.0超、放射線学的エビデンスで≧2の軽度または≧1の中等度の腰部または胸部の椎体骨折、または過去5年以内に低度の外傷性非椎体骨折歴を有するものを適格とした。 試験には、閉経後女性(65歳超)で、骨折基準を満たすTスコア-2.0以下-5.0未満、または骨折基準を満たさないTスコア-3.0以下-5.0未満が登録された。 被験者は、abaloparatide 80μg群、テリパラチド20μg群、プラセボ群の3群に無作為に割り付けられ、abaloparatide群とプラセボ群は盲検下で、テリパラチドには非盲検下でそれぞれ1日1回皮下注投与が18ヵ月間行われた。 主要エンドポイントは、abaloparatide vs.プラセボの新規椎体骨折患者の割合であった。サンプルサイズは、両群間で4%の差(57%リスク低下)を検出するようセットされた。副次エンドポイントは、abaloparatide vs.プラセボの総大腿骨、大腿骨頚部、腰椎それぞれのBMDの変化、新規椎体骨折発生までの期間などであった。また、事前規定の安全性エンドポイントとして、abaloparatide vs.テリパラチドの高カルシウム血症を評価した。対プラセボで新規椎体骨折について有意に減少 2,463例(平均年齢69歳[範囲:49~86])が無作為化を受け、abaloparatide群(824例)、プラセボ群(821例)、テリパラチド群(818例)に割り付けられた。試験を完了したのは1,901例(606例、637例、658例)であった。 骨折(新規椎体骨折、非椎体骨折)の発生は、abaloparatide群は4例(0.6%)、18例(2.7%)、プラセボ群30例(4.2%)、33例(4.7%)、テリパラチド群6例(0.8%)、24例(3.3%)であった。 主要アウトカムについてabaloparatide vs.プラセボの新規椎体骨折のリスク差は-3.64(95%信頼区間[CI]:-5.42~-2.10)、リスク比(RR)は0.14(95%CI:0.05~0.39、p<0.001)であった。なお、テリパラチド vs.プラセボでも同様の結果がみられている(リスク差:-3.38[95%CI:-5.18~-1.80]、RR:0.20[95%CI:0.08~0.47、p<0.001])。 また、副次エンドポイントとしてKaplan-Meier法で評価した非椎体骨折の発生について、abaloparatide群のほうがプラセボ群と比べて減少が認められた。リスク差は-2.01(95%CI:-4.02~-0.00)、ハザード比(HR)は0.57(95%CI:0.32~1.00、p=0.49)であった。 BMD変化は、いずれの部位でもプラセボ群よりabaloparatide群で有意に上昇した(すべてp<0.001)。 高カルシウム血症の発生は、abaloparatide群3.4%、テリパラチド群6.4%でリスク差は-2.96(95%CI:-5.12~-0.87、p=0.006)であった。

23853.

高額薬の緊急対応検討、薬価算定方式の見直し求める声も

 8月24日に開催された厚生労働省の中央社会保険医療協議会(中医協)総会および薬価専門部会で、高額薬剤への対応の検討課題が示された。今後、次期改定に向けた取り組みと、期中改定を含む緊急的な対応について検討し、新規作用機序医薬品の最適使用推進ガイドライン(最適使用推進GL)の医療保険上の取り扱いと、オプジーボ(一般名:ニボルマブ)についての特例的な対応に関しては、年内には一定の結論が得られる予定だ。 薬価改定は通常2年に1回行われ、薬価調査は改定前年の9月に実施されるため、同年10月から翌3月までに効能追加された医薬品に関してはその年の改定対象にはならず、その次の改定時の対象となる。しかしながら、オプジーボは2015年12月に肺がんに対する効能が追加され大幅に市場が拡大したため、次回改定を待たずに緊急的な対応を実施することが提案されている。  また、このような新規作用機序医薬品については今後、個別の医薬品ごとに薬事承認に併せて最適使用推進GLが策定されることとなる。このガイドラインには「対象医薬品の使用が最適だと考えられる患者の選択基準」と「対象医薬品を適切に使用できる医師・医療機関等の要件」が盛り込まれる予定だ。今年度は試行的にオプジーボとレパーサ(一般名:エボロクマブ)およびそれぞれの類薬が対象になるとみられている。今後、この最適使用推進GLと経済性を踏まえて保険適用の決定がなされる方向で検討が進められている。 日本医師会の委員からは、市場規模のきわめて大きい医薬品に関わる部分だけでなく、外国平均価格調整のあり方なども含めた、薬価算定方式そのものの抜本的な見直しが必要との意見が出された。また、最適使用推進GLの策定により、必要な患者に対する使用が制限されたり、緊急的対応の対象の市場規模の金額を定めることにより、医薬品の供給抑制に繋がるようなことがないよう、対策を講じるように求めた。さらには、期中改定ありきの議論ではなく、適正使用の推進や留意事項通知の追加など、さまざまな方法を含めて検討を進めていくよう提案された。 高額薬剤に対して否定的とも取られる意見が出された中で、専門委員からは「革新的な新薬など、日本発のイノベーションが抑制されることのないように」との指摘がなされた。(ケアネット 後町 陽子)資料中央社会保険医療協議会 総会(第335回) 議事次第中央社会保険医療協議会 薬価専門部会(第117回) 議事次第

23854.

スピリーバ、より多くの喘息患者に

 日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:青野吉晃、以下「日本ベーリンガーインゲルハイム」)は2016年8月26日、チオトロピウム(商品名:スピリーバ レスピマット)について、気管支喘息に対する適応症拡大ならびに、新剤型の製造販売承認取得を発表した。 チオトロピウムは抗コリン作用性の長時間作用性吸入気管支拡張剤で、COPD(慢性閉塞性肺疾患)を適応としてスピリーバ吸入用カプセル18µg、スピリーバ2.5µg レスピマット60吸入が販売されている。また、気管支喘息(重症持続型の患者に限る)を適応として、スピリーバ2.5µg レスピマット60吸入が2014年11月に承認を取得している。 今回、スピリーバ2.5µg レスピマット60吸入の「重症持続型の患者に限る」の制限が削除され、気管支喘息を適応とした承認を取得した。またスピリーバ1.25µg レスピマット60吸入が新剤型として製造販売承認を取得した。 今回の適応症拡大と新剤型の製造販売承認により、スピリーバ レスピマットは症状・重症度に応じ、より多くの気管支喘息患者の治療に貢献することが可能になる。日本ベーリンガーインゲルハイムのプレスリリースはこちら

23855.

LAI切替時、ローディングでの副作用リスクは:山梨県立北病院

 長時間作用型抗精神病薬注射剤(LAI)を開始する際、一時的に経口抗精神病薬(OAP)と併用するローディング戦略は、安全性や忍容性の問題と関連している。山梨県立北病院の三澤 史斉氏らは、LAIのローディング戦略の安全性、忍容性を評価した。Schizophrenia research誌オンライン版2016年8月4日号の報告。 リスペリドンまたはパリペリドンを用いたLAIとOAPを比較した無作為化比較試験(RCT)のシステマティックレビュー、メタ解析を行った。主要アウトカムは、有害事象による治療中止とした。副次的アウトカムは、重篤な有害事象、死亡、1つ以上の有害事象、個々の有害事象発生率とした。 主な結果は以下のとおり。・RCT 16件より有害事象119件が報告された(4,902例、平均年齢:36.4歳、男性比:65.8%、統合失調症比:99.1%)。そのうち55件(46.2%)の有害事象は、正式なメタ解析を可能とする、2つ以上の研究より報告されていた。・全有害事象119件のうち115件は、LAIとOAPで有意な差は認められなかった(96.6%)。・LAIとOAPの有害事象による治療中止率、重篤な有害事象、全死亡、事故や自殺を除く死亡は同様であった。・OAPと比較し、LAIはアキネジア、LDLコレステロール変化、不安と有意に関連していた。・また、LAIはプロラクチン変化の有意な低さと関連していた。 著者らは「LAIとOAPでは、すべての重篤な有害事象や個々の有害事象の90%超で差が認められなかった。しかし、同一成分のLAIとOAPにおける、有害事象の頻度、重症度、時間コースについてより多くの研究が必要とされる。また、OAP中止後のLAIの有害事象のデータも必要とされる」としている。関連医療ニュース パリペリドン持効性注射剤、国内市販後の死亡例分析結果 LAIは死亡率を上昇させるのか:藤田保健衛生大 LAIを適切に使用するための5つのポイント

23856.

加齢黄斑変性の抗VEGF療法、心血管イベントとは関連せず

 米国では、2006年に滲出型加齢黄斑変性(AMD)に対し抗VEGF(血管内皮増殖因子)療法が導入された。米国・デューク大学のArseniy P. Yashkin氏らは、メディケア受給者を対象に後ろ向きコホート研究を行い、心血管イベントの発生について5年間の追跡調査を行った。その結果、滲出型AMD患者に対する抗VEGF療法は、急性心筋梗塞(AMI)、脳卒中または全死亡のリスクを増加しないことが示されたという。Ophthalmology誌オンライン版2016年8月11日号掲載の報告。 研究グループは、滲出型AMD患者におけるAMIおよび脳卒中による死亡率および入院率に対する抗VEGF療法の影響について検討する目的で、メディケアのデータベースからランダムに5%を選択し、2000年および2006年に新規に診断された滲出型AMDおよび非滲出型AMD患者を抽出した。 2006年に初めて滲出型AMDと診断されたメディケア受給者を治療群とし、抗VEGF薬をまだ使用できなかった2000年に滲出型AMDと診断された受給者、および2000年または2006年に非滲出型AMDと診断された受給者を対照群とした。治療群は、抗VEGF療法を実際に受けたかどうかは問わなかった。 解析にはCox比例ハザードモデルを用い、5年間の追跡調査期間中におけるAMIまたは脳卒中による死亡および入院について評価した。 主な結果は以下のとおり。・抗VEGF療法が広く用いられ始めた2006年に、初めて滲出型AMDと診断された受給者では、2000年に滲出型AMDと診断された受給者と比較して、5年の追跡期間内でAMIによる死亡率および入院率に関して統計学的に有意な変化はないことが確認された。・主たる解析では非滲出型AMD群から追跡期間中に抗VEGF療法を受けた受給者を除外したため、この群の個人(2006年に非滲出型AMDと新しく診断された受給者の11%)を再び含めて感度解析を行ったところ、結果は類似していた。

23857.

バーチャル映像を見ながらのトレッドミルで転倒が減少/Lancet

 トレッドミルにバーチャルリアリティ(VR)を組み合わせた介入が高齢者の転倒リスク防止に有用であることを、イスラエル・テルアビブ大学のAnat Mirelman氏らが、トレッドミル単独と比較した無作為化比較試験の結果、報告した。転倒リスクは、加齢に伴う運動機能と認知機能低下の進展に伴い増大する。これまでに多くの転倒予防の介入が提案されているが、運動・認知の両機能をターゲットとした統合的アプローチのものはなかった。Lancet誌オンライン版2016年8月11日号掲載の報告。トレッドミル単独と比較、6週間介入後6ヵ月間の転倒発生を評価 研究グループは、安全に歩行するための認識的側面と機動性の両者をターゲットとした、トレッドミルトレーニングと非没入型VRを組み合わせた介入が、トレッドミルトレーニング単独よりも転倒が減少すると仮定し検証試験を行った。 5ヵ国(ベルギー、イスラエル、イタリア、オランダ、英国)の5つの臨床施設で実施。60~90歳、転倒の高リスク(試験前の半年間で2回以上の転倒あり)、および多様な運動的および認識的側面を有する被験者を集めて、コンピュータ無作為化法で2群に割り付けた。そのうち一方にはトレッドミル+VR介入を、もう一方にはトレッドミルのみ介入を、いずれも週3回、6週間行った。1セッションは約45分で、患者個々の能力に合わせて構造化された介入が行われた。割り付けでは患者特性(原因不明の転倒歴あり、軽度認知障害、パーキンソン病)と性別のサブグループに、試験施設ごとにも層別化。グループ割り付けは介入に関わらない第3者によって行われた。 VRシステムは、モーションキャプチャーカメラとコンピュータシミュレーション映像から成り、被験者はモーションキャプチャーカメラを装着してトレッドミル歩行を、眼前の大型画面に映し出された映像を見ながら行う。とくに高齢者の転倒リスク軽減を目的に、障壁、複数の経路、また継続的な歩行調整を要する気を逸らせるものといった実在するチャレンジグなものが投影された。 主要アウトカムは、介入終了後6ヵ月間の転倒発生率。評価は修正intention-to-treat集団で行った。組み合わせ群の単独群に対する転倒発生率比は0.58 2013年1月6日~2015年4月3日の間に、302例がトレッドミル+VRの組み合わせ群(154例)、トレッドミル単独群(148例)に無作為に割り付けられた。事前規定の修正intention-to-treat解析には、282例(93%、組み合わせ群146例、単独群136例)のデータが包含された。両群被験者の特性は類似しており、年齢中央値は74.0歳と73.0歳、男性67%と62%、教育年数中央値は両群13.0年、MMSEスコア(30点満点)中央値28.0と28.5、処方薬数中央値5.0と6.0などであった。 介入前の転倒発生率は、両群で類似しており、6ヵ月間で組み合わせ群10.7(SD 35.6)回、単独群11.9(39.5)回であった。 しかし介入後6ヵ月間は、組み合わせ群の発生が6.00(95%信頼区間[CI]:4.36~8.25)回と有意に減少した(介入前比較のp<0.0001)。一方、単独群の発生は8.27(5.55~12.31)回と有意には減少しなかった(同p=0.49)。 介入後6ヵ月間の両群の転倒発生率を比較したところ、組み合わせ群のほうが有意に低率であった(発生率比:0.58、95%CI:0.36~0.96、p=0.033)。 サブグループでみると、原因不明の転倒歴あり群(組み合わせ群57例、単独群52例)の介入後6ヵ月間の転倒発生は5.10 vs.0.89回(p=0.10)、軽度認知障害群(23例、20例)では2.35 vs.1.28回(p=0.99)、パーキンソン病群(66例、64例)は8.06 vs.16.48回(p=0.01)であった。 安全性の評価は治療割付がされた全患者を対象に行われた。介入関連の有害事象について報告はなかった。

23858.

薬物療法から心理療法へ(解説:岡村 毅 氏)-585

 安価で単純な行動活性化療法が、高価で複雑な認知行動療法に劣るものではなく、医療経済的にも優れているという報告である。 これまでの精神科医療におけるパラダイムでは、薬物療法は副作用も多いが安価であり、認知行動療法などの心理療法は副作用は少ないが高価だ、とされてきた。つまり、薬物療法よりは心理療法をしたいが高いよね、というわけである。これに対して一石を投じる報告であり、社会的な視点からみても大変重要な論文と思われる。 わが国の文脈に照らし合わせてこの論文を眺めてみよう。わが国では精神科クリニックなどに行っても短時間の診察で(それこそ3分診療で)お薬を処方されるだけである、と長い間批判されてきた。つまり、薬物治療主体で、心理療法などの時間と手間のかかる治療法がないがしろにされてきたという批判である。そのとおりなのであるが…、その背景には悲しい事情があることは知っておいていただきたい。そもそも長時間の診察をしていては、そのクリニックが立ち行かない構造になっているので、じっくりと向き合っている時間が取りにくいのである。なお、精神科の病院の多くは、一般の病院の3分の1の医師で回す制度になっている。精神科なんかにお金を使えないよ、と国民から思われているのかもしれぬなどと被害妄想的になってしまうのでこの辺でやめておこう。 先に述べたように薬物療法には、副作用や治療中断(再発)リスクが高い、といった明らかな弱点がある。もちろんこうした状況でも、心あるドクターは短い診察時間で処方箋やカルテを書きながら患者さんと対話し、信頼関係を築くことでこのような不利益を回避しようとしてきた。つまり、短時間でコマドリのようにしゃべったり処方箋を書いたりするわけだが、これでは治療している側も心が落ち着かないだろう(外来中に患者さんに「先生、忙しくて大変だね、体壊さないでね」とねぎらわれたことのある精神科医も多いのではと思う。本当はフロイトのような診察スタイルをやってみたいものだが、だいたい皆さんもこんなものだろう)。 近年、わが国でも認知行動療法に医療保険が使えるようになり、状況は少しずつ改善しており、大変喜ばしいことである。だが、認知行動療法を行える人材は限られているし、患者さんは増える一方である。また、使える医療費は今後ますます制限されていくだろうから、現実的には障壁も大きいと思われる。こうしたなかで、安価で、効果も劣らない行動活性化療法もあるよ、というのが今回の報告であった。 時代の趨勢は、明らかに薬物療法一辺倒から心理療法へと向かっている。認知行動療法の高い効果や安全性は自明であるが、医療資源に制限のある社会で常に使える治療技法ではないのかもしれないので、より安価で、専門的な訓練が少なくてすむ行動活性化療法にエビデンスを与えるという、現実的な観点からの報告であった。 最後に感想だが、行動活性化療法の主旨とは異なる話になるが、うつ病の患者さんの多くは昼夜逆転し、身体的にも不活動で、コミュニティへの参加も少ない。食生活も貧困である。「きちんと食べて寝て運動すべし、友達と仲良くすべし」と自然と、説得力をもって教示してくれる主体がいるだけで、ずいぶん多くの方が(もちろん全員がそうだとはいわぬが)救われるのではないかと思う。そういう主体がいないのが現代社会の悲劇だろうか。

23859.

不眠症重症度質問票(ISI)やアテネ不眠尺度(AIS)に違いはあるか

 不眠症は、現代社会において蔓延している健康愁訴であるが、過小診断され、治療も不十分である。不眠症のリスクを評価するためのスクリーニングツールとして、不眠症重症度質問票(ISI)、アテネ不眠尺度(AIS)、ピッツバーグ睡眠質問票(PSQI)が広く用いられているが、診断特性は、体系的にまとまっていない。台湾・台北医学大学のHsiao-Yean Chiu氏らは、不眠症スクリーニングのためのISI、AIS、PSQIの診断制度を評価、比較した。Journal of psychosomatic research誌2016年8月号の報告。不眠症重症度質問票(ISI)、アテネ不眠尺度(AIS)、ピッツバーグ睡眠質問票(PSQI)を比較 EMBASE、PubMed、PsycINFO、CINAHL、Chinese Electronic Periodic Servicesにおいて、開設から2015年5月20日までのデータを体系的に検索した。18歳超の成人対象者に関するISI、AIS、PSQI の感度、特異性を原著論文で評価した。 ISI、AIS、PSQIの感度、特異性を評価した主な結果は以下のとおり。・参加者4,693例を含む研究19件が抽出された。・統合感度(pooled sensitivity)は、ISI:88%(95%CI:0.79~0.93)、AIS:91%(95%CI:0.87~0.93)、PSQI:94%(95%CI:0.86~0.98)であった。・統合特異性(pooled specificity)は、ISI:85%(95%CI:0.68~0.94)、AIS:87%(95%CI:0.68~0.95)、PSQI:76%(95%CI:0.64~0.85)であった。pooled DORsは、ISI:41.93(95%CI:8.77~200.33)、AIS:67.7(95%CI:23.4~196.1)、PSQI:53(95%CI:15.5~186.2)であった。・要約推定値は、ISI、AIS、PSQI間で有意な差は認められなかった(すべてp>0.05)。

23860.

地中海食と大腸がんリスク~本場イタリアでの検討

 地中海食の順守は数種のがんのリスク低下と関連しているが、地中海地方で実施した研究は少ない。今回、ミラノ大学のValentina Rosato氏らが、イタリアでの3件のケースコントロール研究のデータから、地中海食が大腸がんリスク低下に関与していることを確認した。British journal of cancer誌オンライン版2016年8月18日号に掲載。 著者らは、3件のケースコントロール研究のデータから、大腸がん症例3,745例、院内コントロール6,804例をプールした。地中海食の順守度は、9成分に基づく経験的な地中海食スコア(MDS)を用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・地中海食の順守度が最も低い群(0~2MDS)に対する最も高い群(7~9MDS)のオッズ比(OR)は0.52(95%CI:0.43~0.62)で、順守度とリスクに有意な逆相関がみられた(p<0.0001)。・MDSの1ポイント増加によるORは0.89(95%CI:0.86~0.91)であった。・この逆相関は、各研究、がんの解剖学的位置、選択された共変量の各層で一貫していた。

検索結果 合計:35184件 表示位置:23841 - 23860