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第8回 「できない」と言えず繕い続けた医師と、信じた患者の思い【患者コミュニケーション塾】

「できない」と言えず繕い続けた医師と、信じた患者の思い27年間にわたって5万8,000件を超える電話相談に対応していると、「医療者のひと言が、患者の不信感をさらに強めてしまった」と感じることがよくあります。それを代表するような、鮮明に覚えている相談事例をご紹介します。その相談は70代の母親を持つ40代の男性からでした。母親は10年以上前にC型肝炎が見つかり、定期的に病院を受診していました。しかし、状態がかなり安定していることもあり、待ち時間の長い大きな病院への通院が苦痛に思えてきたそうです。そこで、7年前に自宅近くのクリニックに通院先を変更したのです。母親がそのクリニックを選んだのは、地域で開かれた市民公開講座で院長の講演を聴いたことがきっかけでした。講演会は在宅医療にまつわるもので、その医師は早くから在宅医療に取り組んでいて、がんの末期状態でも住み慣れた自宅で過ごすことができると力強く話していたそうです。講演の内容だけでなく、人柄にも好感を持った母親は、家族に通院先変更の希望について話しました。しかし息子さんは、「C型肝炎なんだから、肝臓の専門医に診てもらったほうが安心ではないか」と反対したそうです。そのため、母親はまずクリニックに出向き、「私はC型肝炎なのですが、こちらのクリニックで経過観察をしてもらうことは可能ですか?」と確認しました。すると院長は「もちろんです。勤務医時代には私は循環器を専門にしていましたが、開業して訪問診療をするようになって以来、かかりつけ医として科に関係なく、どんな病気の患者さんも広く診ています。どうぞ安心して当院に通院してください」と明言されたそうです。母親はそれを家族に伝え、「あの先生はとても信頼できる医師だから大丈夫」とうれしそうに語っていたそうです。ところが半年ほど前から母親の顔色が優れなくなり、息子さんは病気が悪化しているのではないかと心配になりました。そこで母親に同行し、「検査をしてほしい」とクリニックの院長に頼むと、「では、エコー検査で肝臓の確認をしましょう」とすぐにエコー検査を実施し、「問題ありませんよ。綺麗な肝臓です」と言われたそうです。しかし、その後も明らかに具合が悪くなっていったので、母親を説得して大きな病院の消化器内科を受診しました。すると、肝臓に大きながんが3つ、小さながんは数えきれないくらい散らばっていて「ほかの臓器にも転移していて手の施しようがありません。残念ながら末期状態です」と言われたのです。愕然とした息子さんは、居ても立ってもいられず、クリニックの院長のもとに走り、肝臓がんの末期状態であると診断されたことを伝えました。そして「先生はつい先日、綺麗な肝臓とおっしゃったじゃないですか!?」と問い詰めたところ、院長はしばらくうつむいたのちに、「…私は、肝臓は専門ではないので」と苦し紛れに言ったというのです。通院し始める前にわざわざ確認して、「科に関係なく診る」と言った言葉に母親は安心してかかり続けてきました。それだけに、その院長の言葉はダメ押しとなり、息子さんの不信感をさらに強める結果となってしまいました。「苦し紛れの責任回避や言い訳、説得は決してプラスに働くことはない」―多くの相談をお聴きしてきて私が痛感している結論の1つです。マイナス状況に陥ったときこそ、その人の真の姿が出てしまうのかもしれません。

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durvalumab、切除不能StageIII肺がんのブレークスルー・セラピーに指定

 AstraZeneca(本社:英国ロンドン、最高経営責任者(CEO):Pascal Soriot)およびその生物製剤研究開発拠点MedImmuneは2017年7月31日、米国食品医薬品局(FDA)が白金製剤を用いた根治的同時化学放射線療法後に進行が認められなかった局所進行切除不能非小細胞肺がん(NSCLC)患者の治療薬としてdurvalumabをブレークスルー・セラピーに指定したことを発表した。 durvalumabのブレークスルー・セラピー指定は、第III相PACIFIC試験の中間結果に基づき付与された。同試験は、上記患者を対象としたdurvalumab投与の無作為化二重盲検プラセボ対照多施設間国際共同試験。PACIFIC試験のデータは、今後の医学学会における発表に向けて提出の予定。 durvalumabは治療歴のある進行膀胱がん患者に対する治療薬として本年(2017年)5月FDAで迅速承認されている。■参考アストラゼネカ株式会社プレスリリースAstraZeneca(グローバル)プレスリリースPACIFIC試験(Clinical Trials.gov)■関連記事ステージ3切除不能肺がん、durvalumab維持療法が良好な結果:PACIFIC試験

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米国成人のドライアイ有病率は約7%

 米国では、1,600万人超の成人がドライアイと推定されると、米国・Shire社のKimberly F. Farrand氏らが、地域住民を対象とした横断研究の結果を報告した。ドライアイの有病率は、男性より女性で高く、年齢とともに増加することも示された。また、著者は「18~34歳の若年者でもドライアイがみられることに注目すべきである」と述べている。American Journal of Ophthalmology誌オンライン版2017年7月10日号掲載の報告。 研究グループは、2013年のNational Health and Wellness Surveyの参加者7万5,000例のデータを用い、18歳以上の米国成人におけるドライアイの現在の有病率を推定するとともに、年齢や性別などの人口統計学的因子とドライアイとの関連について多変量ロジスティック回帰分析により検討した。 主な結果は以下のとおり。・重み付き推定値に基づき、ドライアイと診断された人は、米国成人集団の6.8%(~1,640万人)と見積もられた。・有病率は、年齢とともに増加し(18~34歳:2.7%、75歳以上:18.6%)、男性(4.5%、~530万人)より女性(8.8%、~1,110万人)で高かった。・ドライアイの補正後有病率/リスクは、人種、教育または国勢調査地域で大きな差はなかったが、18~34歳と比較して45~54歳(オッズ比[OR]:1.95、95%信頼区間[CI]:1.74~2.20)および75歳以上(OR:4.95、95%CI:4.26~5.74)で高リスクであった。・また、男性に比べ女性(OR:2.00、95%CI:1.88~2.13)で、保険の未加入者に比べ加入者(OR:2.12、95%CI:1.85~2.43、公的および民間保険 vs.保険なし)で、ドライアイのリスクが高かった。

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院外心停止後の低体温療法、24時間 vs.48時間/JAMA

 院外心停止患者に対する低体温療法の、至適施行時間を検討する国際多施設共同無作為化試験が、デンマーク・オーフス大学病院のHans Kirkegaard氏らにより行われた。国際的な蘇生ガイドラインで推奨される標準の24時間と、より長時間の48時間施行を比較した結果、長時間の施行としても6ヵ月後の神経学的アウトカムは、改善を示したが有意差は認められなかった。しかしながら結果について著者は、「本試験は、臨床的に意味のある差の検出能に限界があり、さらなる検討を行うことが是認される結果であったと思われる」と述べている。JAMA誌2017年7月25日号掲載の報告。6ヵ国10ヵ所のICUで無作為化優越性試験 国際的な蘇生ガイドラインが推奨する院外心停止・意識消失患者への低体温療法は、摂氏33~36度で少なくとも24時間施行するとされているが、至適施行時間は不明である。研究グループは、33度48時間の施行で、現行推奨されている標準時間の24時間施行と比べ、神経学的アウトカムがより良好になるかを調べた。 検討は、欧州6ヵ国にわたる大学病院10施設の集中治療室(ICU)10ヵ所において、並行群プラグマティックに行われた優越性試験。研究者主導でアウトカム評価者は盲検化がなされた。2013年2月16日~2016年6月1日に907例を登録後、試験適格であった355例の成人患者が、低体温療法(33±1度)48時間施行群(176例)または24時間施行群(179例)に無作為に割り付けられた。施行後は両群とも0.5度/時ずつ37度まで復温した。 主要アウトカムは良好な6ヵ月神経学的アウトカムとし、Cerebral Performance Categories(CPC)スコア1または2で定義した。副次アウトカムは、6ヵ月死亡率、死亡までの期間、有害事象の発生、ICUリソース使用であった。最終フォローアップは2016年12月27日。無作為化を受けた355例(平均年齢60歳、男性295例[83%])のうち、試験を完遂したのは351例(99%)であった。48時間としても改善の有意差は示されなかったが試験結果は限定的 6ヵ月神経学的アウトカムが良好であったのは、48時間群69%(120/175例)、24時間群64%(112/176例)であった(差:4.9%、95%信頼区間[CI]:-5~14.8%、相対リスク[RR]:1.08、95%CI:0.93~1.25、p=0.33)。 6ヵ月死亡率は、48時間群27%(48/175例)、24時間群34%(60/177例)(差:-6.5%、95%CI:-16.1~3.1%、RR:0.81、95%CI:0.59~1.11、p=0.19)。死亡までの期間について両群間で有意な差はなかった(ハザード比:0.79、95%CI:0.54~1.15、p=0.22)。 有害事象は、48時間群(97%)が24時間群(91%)よりも頻度が高かった(差:5.6%、95%CI:0.6~10.6%、RR:1.06、95%CI:1.01~1.12、p=0.04)。 ICUの滞在期間は、48時間群が24時間群よりも有意に長かったが(中央値151 vs.117時間、p<0.001)、入院期間は、24時間群のほうが長かった(11 vs.12日、p=0.50)。 なお試験の限界の1つとして著者は、主要アウトカムの6ヵ月神経学的アウトカムに関する群間の絶対差を事前に15%と設定したことを挙げている。今回の試験結果で示された95%CI値から、15%の差がつく可能性は低く、群間差の5%超値には臨床的に意味のある可能性があると指摘。ただし、それには約3,000例の大規模試験規模の実施が必要だとしている。また、ICU入室時の脳幹反射の有無についてなど重要データが施設間でばらついていた可能性があり、CPCスコア1または2を良好とした評価指標についても厳格さに乏しく、介入の潜在的効果について結論付けができないと述べている。

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認知症の根治療法研究、どの程度進んでいるか

 認知症の根治療法(disease modifying)は存在しない。また、認知症の根治療法アウトカムのコンセンサスも得られていない。英国・ロンドン大学のLucy Webster氏らは、軽度から中等度の認知症における根治療法研究の中核アウトカム測定に関する最初のエビデンスベースコンセンサスの作成を行った。PLOS ONE誌2017年6月29日号の報告。 根治療法介入は、根底にある病状を変化させることを目指す治療と定義した。軽度から中等度の認知症における根治療法の公表研究および継続中の研究について、電子データベースおよびこれまでのシステマティックレビューより調査した。参考文献2万2,918件より149件が抽出され、そのうち125件の研究から81件のアウトカム測定が得られた。試験対象者は、アルツハイマー病(AD)単独111件、ADおよび軽度認知障害8件、血管性認知症3件であった。測定された項目(認知機能、日常生活活動、生物学的マーカー、精神神経症状、QOL、全体)によりアウトカムを分類した。試験数と参加者数は、各アウトカムを用いて算出した。各アウトカムの心理測定法の特性を詳細に調査した。アルツハイマー病社会フォーカスグループを通じて、3都市における認知症者や家族介護者の意見を求めた。コンセンサス会議の出席者(認知症研究、根治治療、ハーモナイゼーション測定の専門家)は、これらの結果を用いてアウトカムのコアセットを決定した。 主な結果は以下のとおり。・推奨される中核アウトカムは、認知症の根本的欠損を認知することであり、根治療法や連続構造MRIにより示される。・認知機能は、MMSE(ミニメンタルステート検査)またはADAS-Cog(Alzheimer's Disease Assessment Scale-Cognitive Subscale)で測定すべきである。・患者にとってMRIは任意である。・重要ではあるが根治療法にもかかわらず変化しない可能性のある非コアドメインを測定するための勧告を行った。・限界として、ほとんどの試験がADを対象としたものであり、特定の手段は、使用されなくなると考えられる。また、心理測定法の特性については1つのデータベースのみで検索を行っていた。 著者らは「本研究は、軽度から中等度の認知症における根治療法研究のアウトカム測定81件を特定した最初の研究である。この提言は、軽度から中等度の認知症における根治療法の設計、比較、メタ解析を容易にし、その価値を高める」としている。■関連記事1日1時間のウオーキングで認知症リスク低下:東北大認知症予防に柑橘類は効果的か:東北大脳トレーニングで認知症予防、認知機能低下リスクが20~30%減

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わかる統計教室 第4回 ギモンを解決!一問一答 質問13

インデックスページへ戻る第4回 ギモンを解決!一問一答質問13 重回帰式(モデル式)の予測精度は?前回から重回帰分析についての説明を開始しています。今回は重回帰分析で求められた重回帰式(モデル式)の予測精度について説明します。■残差前回の質問12の事例(ドラッグストアのサプリメントXの売上)で求めた重回帰式です。売上額=0.00786×広告費+0.539×店員数+1.148表1の重回帰分析では、左辺の売上額を実績値、右辺の計算値を理論値といいます。表1 前回の事例の重回帰式からみた売上額予想そして、表2のように「実績値」と「理論値」だけ抽出し、「残差」の欄を追加してみました。表2 事例の実績値、理論値、残差図1では実績値から理論値を引いた値である残差を示しています。図1 各年の売上額の残差■決定係数により予測精度を調べる重回帰分析は、実績値と理論値とが近くなるように重回帰式の係数を見つける手法であることを述べました。それでは、重回帰分析を適用すれば、どんな場合でも実績値と理論値が近くなるのでしょうか。結論からいうと、用いる説明変数が目的変数に関係のないものばかりであれば、理論値を実績値に近づけることはできません。「サプリメントXの売上事例」のデータを図2に示す相関図で表してみると、広告費が大きければ売上額が大きくなり、両者に高い相関があることがわかります。同様に店員数と売上額の相関図から、両者の間にも高い相関があることがわかります。図2 事例の売上の相関図※相関図、相関係数 ⇒ 質問10 その1このように、売上額と相関の高い説明変数を用いたので、実績値と理論値とは近づいたのです。仮に、売上額と相関がないと考えられる店員の平均体重や平均身長だけを説明変数にしたら、実績値と理論値とは近づきません。上手な説明変数の選択方法は後ほど説明することにして、ここでは、説明変数の選択が良ければ実績値と理論値が近づき、重回帰分析を首尾よく終了できることを理解してください。実績値と理論値が近くなるほど、「分析の精度」が良い、あるいは重回帰式の当てはまり具合が良いともいえます。予測は重回帰式を使って行うので、精度の悪い重回帰式では予測ができないということになります。分析の精度を1つの数値で表すことができれば、この尺度を用いて、求められた重回帰式が予測に使えるかどうかを判断することができます。では、「サプリメントXの売上事例」での分析精度を調べてみましょう。■残差平方和表3に「ドラッグストアのサプリメントXの売上事例」の残差と残差の2乗を示します。表3 売上事例の残差平方和残差が小さいほど分析精度が良いことは、おわかりいただけたと思います。次に、残差の合計を計算してみます。残差の合計は0になります。この例だけではなく、どのような場合も0になります。したがって残差の合計は、分析の精度を知る尺度としては使えません。そこで、統計学でよく使うテクニックですが、残差の2乗を計算し、これを合計してみます。この値を「残差平方和」といい、Seで表します。残差平方和Seは2.06で、0ではありません。したがってSeが分析の精度を知る尺度として使えそうです。次に表4で、「サプリメントXの売上事例」の「偏差平方和」を求めてみます。※偏差平方和 ⇒ 第3回 理解しておきたい検定 セクション3 データのバラツキを調べる標準偏差表4 事例の売上の偏差平方和■決定係数表4の売上額の偏差平方和は56です。偏差平方和をSyyで表します。Syyに対するSeの割合を求め、これを1から引いた値をR2とします。R2を「決定係数」といいます。表5のように当てはまり具合が最も悪い場合は、すべての営業所において理論値が目的変数の平均値と等しくなるときです。このとき、Se=Syyとなり、上式よりR2=0となります。表5 当てはまり具合の最も悪い場合表6のように当てはまり具合が最も良い場合は、すべての営業所において、理論値が実績値と等しくなるときで、Se=0となります。このとき、R2は上式より1となります。表6 当てはまり具合のもっとも良い場合今まで述べてきたことからおわかりのように、決定係数R2は分析の精度を表す尺度となります。「サプリメントXの売上事例」について、決定係数を求めてみます。「ドラッグストアのサプリメントXの売上事例」の実績値と理論値の単相関係数(この値を「重相関係数」という)を算出するとr=0.98です。 r2を計算すると0.96になり、R2=0.96に一致します。よく「決定係数はいくつ以上あれば良いか」と質問されますが、残念ながらいくつ以上あれば良いという統計的基準はありません。この基準は、分析者が経験的な判断から決めることになります。ちなみに筆者は、次のように決めていますが、皆さんはいかがでしょうか。決定係数(R2)重相関係数(r)・分析の精度が非常に良い……  0.8以上……  0.9以上・分析の精度が良い……  0.5以上……  0.7以上・分析の精度が良くない……  0.5未満……  0.7未満次回は、重回帰分析を行うときの説明変数の選び方について説明します。今回のポイント1)重回帰分析で算出した理論値、そして残差で個体を評価することができる!2)重回帰分析では、実績値と理論値が近くなるほど、「分析の精度」が良い、あるいは重回帰式の「当てはまり具合」が良い!3)重回帰式(モデル式)の決定係数はR2の値でみる!インデックスページへ戻る

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双極性障害に対する抗うつ薬治療、その是非は

 双極性障害(BD)患者に対する抗うつ薬の長期使用の有効性および安全性は、依然として議論の余地が残っている。中国・the Second Xiangya Hospital of Central South UniversityのBangshan Liu氏らは、BD患者の長期抗うつ薬使用の有効性と安全性を調査したランダム化比較試験(RCT)のメタ解析を行った。Journal of affective disorders誌オンライン版2017年7月11日号の報告。 Pubmed、EMBASE、CENTRAL、PsycINFO、Clinicaltrials.govより、2016年8月までのピアレビュージャーナルに掲載された英語文献をシステマティックに検索した。追加論文は、最新ガイドライン、エキスパートコンセンサス、システマティックレビューから、手作業で検索した。適格としたのは、BD患者に対する4ヵ月以上の長期抗うつ薬治療の有効性と安全性を調査したRCTだった。本論文の著者のうち2人が、独立してデータ抽出を行った。新規抗うつ薬エピソードおよび新規躁/軽躁症状エピソードについては、リスク比(RR)、NNT、NNHを算出した。サブグループ分析は、治療レジメン(抗うつ薬単独療法または気分安定薬併用療法)、抗うつ薬の種類、資金提供、双極性サブタイプ、治療期間に基づき行われた。 主な結果は以下のとおり。・11件の研究よりBD患者692例が抽出された。・バイアスリスク評価では、中程度のバイアスリスクが示された。・BD患者に対する抗うつ薬使用は、単独療法と気分安定薬併用療法ともに、新規躁/軽躁症状エピソードのリスクを増加させることなく、新規うつ病エピソードの減少においてプラセボよりも優れていた。・サブグループ解析では、BD-IよりもBD-IIにおいて大きなベネフィットと低いリスクを達成させる可能性が明らかとなった。・しかし、気分安定薬単独療法と比較し、抗うつ薬単独療法は、新規うつ病エピソード予防の改善を伴わないaffective switchのリスクを有意に増加させた。 著者らは「新規うつ病エピソードの減少は、BDの新規躁/軽躁症状リスク、とくにBD-II患者のリスクを有意に増加させることなく、長期の抗うつ薬治療によって達成される可能性がある。気分安定薬単独療法と比較した抗うつ薬単独療法のaffective switchのリスク上昇は、躁/軽躁エピソードの減少に対する気分安定薬の保護効果に起因する可能性がある。本知見を検証するためには、さらなる研究が必要である」としている。■関連記事日本人双極性障害患者のリチウム治療反応予測因子:獨協医大双極性障害に対する抗うつ薬使用の現状は双極性障害に抗うつ薬は使うべきでないのか

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高齢糖尿病患者の降圧薬アドヒアランスと効果の関連

 米国Kaiser Permanente Institute for Health ResearchのMarsha A. Raebel氏らによる約13万例の高齢糖尿病患者の後ろ向きコホート研究で、85歳以上もしくは複数の併存疾患を持つ糖尿病患者では、アンジオテンシン変換酵素阻害薬/アンジオテンシンII受容体遮断薬(ACEI/ARB)の服薬アドヒアランスと血圧低下が関連しないことが示された。一方、スタチンのアドヒアランスはLDLコレステロール(LDL-C)の低下と関連していた。Pharmacotherapy誌オンライン版2017年7月28日号に掲載。 米国Centers for Medicare and Medicaid ServicesのMedicare Starプログラムでは、糖尿病患者がACEI/ARBとスタチンの服薬アドヒアランスの目標を満たした場合、ヘルスプランにインセンティブを与えている。これまでに、アドヒアランスと心血管リスク因子のコントロールとの関連は報告されているが、ほとんどの研究が併存疾患のほとんどない若年の患者が含まれており、併存疾患の多い高齢患者における関連はよくわかっていない。そこで著者らは、Medicareでの65歳以上の糖尿病患者12万9,040例において、Starアドヒアランスの目標達成(8割以上の日数)が血圧(140/90mmHg未満)およびLDL-C(100mg/dL未満)に及ぼす影響を調べた。 主な結果は以下のとおり。・アドヒアランスは、高齢者のどの年代群でもほとんど差がなかった。・併存疾患なし患者に比べ、併存疾患4以上の患者ではACEI/ARB(RR:0.88、95%CI:0.87~0.89)やスタチン(RR:0.91、95%CI:0.90~0.92)のアドヒアランスが低かった。・ACEI/ARBのアドヒアランスは、85歳以上の患者における血圧140/90mmHg未満(RR:1.01、95%CI:0.96~1.07)、複数の併存疾患(たとえば、併存疾患3つでのRR:1.04、95%CI:0.99~1.08)と関連がみられなかった。・スタチンのアドヒアランスは、高齢者のすべての年代群(たとえば、85歳以上のRR:1.13、95%CI:1.09~1.16)、すべての併存疾患数(たとえば、4つ以上でのRR:1.13、95%CI:1.12~1.15)でLDL-C 100mg/dL未満と関連していた。

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遺伝性血管性浮腫の発作予防、遺伝子組換え製剤は有用か/Lancet

 全身に浮腫を繰り返す遺伝性血管性浮腫の発作予防に対する遺伝子組換えヒトC1エステラーゼ阻害薬(Ruconest)の有効性と安全性を評価した、第II相の多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照クロスオーバー試験の結果が発表された。米国・カリフォルニア大学のMarc A. Riedl氏らによる検討で、週2回(至適)または週1回の静脈内投与で臨床的に意味のある有意な発作頻度の減少が認められ、忍容性は良好であった。遺伝性血管性浮腫の発作は、C1インヒビター機能の低下によって生じる。血漿由来C1エステラーゼ阻害薬(Cinryze)の点滴静注は、遺伝性血管性浮腫の発作を抑止することが確認されているが、遺伝子組換えヒトC1エステラーゼ阻害薬の発作予防効果については、これまで厳密に検討されていなかった。Lancet誌オンライン版2017年7月25日号掲載の報告。週2回、週1回またはプラセボ投与中の発作回数を評価 試験は、カナダ、チェコ共和国、イスラエル、イタリア、マケドニア、ルーマニア、セルビア、米国の10施設で行われた。13歳以上、機能的C1インヒビター濃度が正常値の50%未満、遺伝性血管性浮腫の発作歴が試験開始前の少なくとも3ヵ月間に月4回以上あった患者が登録された。 研究グループは被験者を6つの治療シーケンスのうち1つを受けるよう、1対1対1対1対1対1の割合で無作為に割り付けた。各治療シーケンスでは、「遺伝子組換えヒトC1エステラーゼ阻害薬(50 IU/kg、最大4,200 IU)の静脈内投与を週2回」「同投与を週1回とプラセボ投与を週1回」「プラセボ投与を週2回」の治療を、1週間のウォッシュアウトを挟んでクロスオーバーして、それぞれ4週間ずつ行った。患者、研究者、患者ケアに関わった試験関係者の全員が試験期間中、割り付け群についてマスキングされた。 主要有効性エンドポイントは、各4週間の治療期間中に観察された遺伝性血管性浮腫の発作回数で(発作症状は毎日記録)、intention-to-treat集団で評価した。安全性は、試験薬を少なくとも1回静脈内投与された全患者について評価した。発作回数、週2回投与群2.7回、プラセボ群は7.2回 2014年12月29日~2016年5月3日に35例が登録され、32例(91%)が無作為化を受けた(intention-to-treat集団)。試験を完遂したのは26例(81%)であった。 4週間の治療期間中の遺伝性血管性浮腫発作の平均回数は、プラセボ群(7.2回[SD 3.6])と比較して、遺伝子組換えヒトC1エステラーゼ阻害薬の週2回投与群(2.7回[2.4])、同週1回投与群(4.4回[3.2])は有意な減少が認められた。プラセボ群との平均差は2回投与群が-4.4回(p<0.0001)、1回投与群は-2.8回(p=0.0004)であった。 有害事象は、週2回投与群は29例中10例(34%)で、週1回投与群は29例中13例(45%)で、またプラセボ群は28例中8例(29%)で報告された。最も頻度の高い有害事象は、頭痛(週2回投与群)と鼻咽頭炎(週1回投与群)であった。遺伝子組換えヒトC1エステラーゼ阻害薬の治療に関連があると考えられた有害事象は2例(疲労および頭痛:7%)であったが、いずれも追加治療なしで回復した。血栓性または血栓塞栓症イベント、全身性のアレルギー反応(アナフィラキシーを含む)、中和抗体の発現は報告されなかった。 なお、遺伝子組換えヒトC1エステラーゼ阻害薬の血漿中半減期は3時間で、血漿由来C1エステラーゼ阻害薬の8分の1以下と短い。この薬物動態プロファイルも踏まえて著者は、「今回の試験結果で、C1インヒビター補充療法の効果はC1インヒビターの血漿トラフ濃度と直接的関与はない可能性が示唆された」と述べている。

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骨粗鬆症のBP治療後、新規抗体製剤vs.テリパラチド/Lancet

 経口ビスホスホネート系薬で治療を受ける、閉経後の骨粗鬆症女性の治療薬移行について、開発中のヒト抗スクレロスチンモノクローナル抗体製剤romosozumab(AMG 785、承認申請中)が既存薬のテリパラチド(フォルテオ)との比較において、股関節部の骨密度(BMD)を上昇させたことが報告された。デンマーク・オーフス大学病院のBente L. Langdahl氏らによる第III相の非盲検無作為化実薬対照試験の結果で、Lancet誌オンライン版2017年7月26日号で発表された。ビスホスホネート系薬の既治療は、テリパラチドの骨形成作用を減弱することが確認されている。著者は、「今回示されたデータを、骨折リスクの高い患者の臨床的意思決定のために周知すべきである」と述べている。ビスホスホネート系薬既治療患者を対象に無作為化試験 試験は、北米、中南米、欧州の46施設で行われた。閉経後の骨粗鬆症女性(55歳以上90歳以下)で、スクリーニング以前に3年以上ビスホスホネート系薬を服用、およびスクリーニングの前年にアレンドロネート(アレンドロン酸ナトリウム錠)を服用しており、BMD Tスコアが、total hip、大腿骨頸部、腰椎で-2.5以下、さらに骨折歴がある患者を登録した。 研究グループは適格患者を、romosozumab皮下投与群(月1回210mg)またはテリパラチド皮下投与群(1日1回20μg)に無作為に割り付けて追跡した。 主要エンドポイントは、ベースラインから12ヵ月時点(6~12ヵ月の平均)のDEXA法で測定したBMDの%変化とし、線形ミックス効果モデルを用いて反復測定を行い、6~12ヵ月時点の平均治療効果を表した。 無作為化を受けた患者は全員、ベースラインで測定を受けた。有効性の解析には、その後少なくとも1回測定を受けた患者を包含した。12ヵ月間のtotal hip BMDの平均%変化、2.6% vs.-0.6% 2013年1月31日~2014年4月29日に、436例がromosozumab群(218例)またはテリパラチド群(218例)に無作為に割り付けられた。有効性解析には、romosozumab群206例、テリパラチド群209例が包含された。 ベースラインからの12ヵ月間で、total hip BMDの平均%変化は、romosozumab群2.6%(95%信頼区間[CI]:2.2~3.0)に対し、テリパラチド群は-0.6%(-1.0~-0.2)で、群間差は3.2%(95%CI:2.7~3.8、p<0.0001)であった。 有害事象の頻度は、概して両群間で一致していた。報告の頻度が高かった有害事象は、鼻咽頭炎(romosozumab群28/218例[13%]、テリパラチド群22/214例[10%])、高カルシウム血症(romosozumab群2/218例[<1%]、テリパラチド群22/214例[10%])、関節痛(romosozumab群22/218例[10%]、テリパラチド群13/214例[6%])であった。重篤有害事象は、romosozumab群で17例(8%)、テリパラチド群は23例[11%]報告されたが、いずれも治療に関連した事象とは判定されなかった。なお、有害事象により試験薬投与が中断されたのは、romosozumab群は6例(3%)、テリパラチド群は12例(6%)であった。

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ペルツズマブはHER2陽性乳がんの再発を有意に減少させる(解説:下村 昭彦 氏)-706

 HER2陽性乳がんに対する術後薬物療法としてのトラスツズマブの有用性については広く知られており、実臨床で必須の標準治療となっている。また、ペルツズマブの上乗せはHER2陽性転移再発乳がんの1次治療として、ドセタキセル+トラスツズマブに対して有意に予後を改善させることが広く知られている1)。 今回の大規模臨床試験は、HER2陽性乳がんに対する標準術後薬物療法である化学療法+トラスツズマブに対し、ペルツズマブの上乗せを検証した二重盲検ランダム化比較第III相試験である2)。腫瘍径1cm以上、または腫瘍径0.5~1.0cmでハイリスクの条件を満たすもの(組織/核Grade3、ホルモン受容体陰性、35歳未満)を対象とした。中間解析でイベント数が少ないことが予想されたため、3,655例の症例が登録された段階で、リンパ節転移陽性のみを適格とするようプロトコール変更が行われた。主要評価項目は3年無浸潤疾患生存率(invasive disease free survival:IDFS)で、プラセボ群の89.2%に対しペルツズマブ群が91.8%(ハザード比:0.75)を仮説とし、各群379イベントが必要とされた。 2011年11月~2013年8月に2,400例がペルツズマブ群に、2,405例がプラセボ群に割り付けられた。3年IDFSはペルツズマブ群で94.1%、プラセボ群で93.2%(ハザード比:0.81、95%CI:0.66~1.00、p=0.045)であり、ペルツズマブ群で有意に良好であった。サブグループ解析では、リンパ節転移陰性では97.5% vs.98.4%(ハザード比:1.13、p=0.64)、リンパ節転移陽性では92.0% vs.90.2%(ハザード比:0.77、p=0.02)と、リンパ節転移陽性ではペルツズマブ群で有意に良好であったものの、陰性では両群に差は認めなかった。 術後薬物療法におけるペルツズマブの有効性が示されたものの、その絶対リスク減少は3年IDFSで0.9%であり、真に上乗せ効果の期待できる症例の絞り込みが必要である。

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血中カルシウム濃度に関連する遺伝子多型が冠動脈疾患・心筋梗塞発症に関与するか(解説:今井 靖 氏)-708

 カルシウム濃度あるいはカルシウム経口補充に伴うカルシウム血中濃度上昇が、冠動脈疾患・心筋梗塞に関連するとするいくつかの疫学研究がある。しかし、ヒトの長い生涯におけるカルシウム濃度上昇が、冠動脈イベント発症に関連するか否かについては明らかではない。 今回の論文では、メンデル無作為群間比較Mendelian randomizationという遺伝疫学手法でアプローチが行われている。この方法は、生下時から遺伝的に規定されている遺伝子型別に中間形質とその後の最終表現型(イベント発症)を検証するもので、「ポストゲノム時代の自然が行うランダム化試験」といわれている。2008年ごろから行われるようになり、例を出せば、中間表現型(たとえばhs-CRP)と最終表現型(たとえば心筋梗塞)との因果関係を証明するために、そのもととなる遺伝子多型(たとえばCRP産生に関与する遺伝子多型)と最終表現型(心筋梗塞)との関連を示すものであり、最近の代表的な研究のひとつとして、LDLコレステロール低値が冠動脈疾患発症低下につながることを、LDLコレステロール低下を伴うPCSK9遺伝子多型が冠動脈疾患発症低下に関与することで示した報告も、この手法によるものであり、この遺伝疫学的研究手法の有用性が理解されてきている。 今回の論文では、カルシウム血中濃度に相関することが大規模なゲノム解析で検出された7つの一塩基多型SNPについて糖尿病、脂質異常症、肥満などの冠危険因子に相関するものを1つ除いた後の6SNPsに関して、欧米人主体の冠動脈疾患患者6万801例、非罹患者12万3,504例で遺伝子多型頻度を調査したところ、遺伝素因から推定されるCa血中濃度が0.5mg/dL(ほぼ1SDに相当)上昇は、冠動脈疾患、心筋梗塞をそれぞれオッズ比1.25、1.24と有意に上昇させることが示されている。 ただ、この研究の限界として、個々のSNPが必ずしも冠動脈疾患・心筋梗塞発症との関連が示されていないことがある。また、この研究成果からカルシウム経口補充をどうするのかといった点、日本人にその成果を外挿できるかどうかについては回答は得られない。

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BMSと国立がん研究センター、希少がん対象の共同研究契約を締結

 ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社(東京都新宿区、代表取締役社長:ダビデ・ピラス)は、国立研究開発法人国立がん研究センター(東京都中央区、理事長:中釜 斉、以下、国立がん研究センター)と、希少がんの研究開発およびゲノム医療を推進する産学共同プロジェクト「MASTER KEYプロジェクト」に関する共同研究契約を締結した。 今後、国立がん研究センターと協力し、希少がんにおけるゲノム医療の推進を目指す。 希少がんは、各々の患者数が少ないために、これまでまとまった診療データが存在していない。また、ほかの主要がん種と比較して標準的な治療法が確立していない場合が多く、治療開発が遅れていた。 「MASTER KEYプロジェクト」は、希少がん患者の遺伝情報や診療情報、予後データなどをレジストリ臨床研究により網羅的に収集し、研究の基礎データとなる大規模なデータベースを構築するとともに、特定のバイオマーカーを有する患者の集団に対して、そのバイオマーカーに適した薬剤を用いて臨床試験を実施するプロジェクト。レジストリ臨床研究は2017年5月より開始されている。■参考ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社プレスリリース

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167)旨いけど注意したい牛丼の落とし穴【脂質異常症患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話医師ふだん、外食はどんなものを食べられていますか?患者そうですね…時間があまりないので、すぐに食べられるもの、牛丼とかが多いですね。肉も入っているので…。医師なるほど。お店では何を頼むことが多いですか?患者大盛でなく、並盛を頼むようにしています。医師それはいいですね。ただし、牛丼の肉は、ばら肉を使っています。ばら肉の3割近くが脂です。患者えっ、そんなにあるんですか。医師そうなんです。脂と炭水化物の組み合わせが、最も中性脂肪を上昇させます。患者わかりました。これからは気を付けます。●ポイント牛丼のばら肉の3割近くが脂肪であることを説明します

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認知症の睡眠障害、その悪影響は

 睡眠障害の症状は、アルツハイマー病(AD)患者において、共通して認められる。しかし、AD患者の睡眠障害症状が、介護者の負担やQOLに及ぼす影響については、あまり知られていない。米国・ペンシルベニア大学のPhilip Gehrman氏らは、AD患者の睡眠障害の罹患率を明らかにし、介護者の負担やQOLを予測する症状を特定するため検討を行った。また、患者の睡眠障害の症状が介護者に及ぼす影響を他の介護者と比較し、介護者のQOLを予測する際の患者の特徴について検討を行った。Geriatric nursing誌オンライン版2017年7月3日号の報告。 介護者の負担は、Screen for Caregiver Burden(介護負担尺度)を用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・患者の60%が、1つ以上の睡眠障害を有していた。・介護者と患者130組において、夜間覚醒、夜間徘徊、いびきが介護者の負担を予測していた。・多変量モデリングでは、介護者の負担、介護者の身体的および精神的健康、介護者の抑うつ症状が、介護者のQOL全体の予測因子であることが示唆された。 著者らは「患者の睡眠障害や介護者のメンタルヘルス症状を治療し、介護者の生活を改善することによって、公衆衛生上、大きなインパクトをもたらすと考えられる」としている。■関連記事認知症者のせん妄、BPSDにより複雑化認知症の不眠にはメラトニンが有用アルツハイマー介護負担、日本と台湾での比較:熊本大学

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脊髄性筋萎縮症患児の命を救う新薬登場

 バイオジェン・ジャパン株式会社は、脊髄性筋萎縮症治療薬ヌシネルセンナトリウム(商品名:スピンラザ髄注)のわが国での承認に寄せ、2017年7月19日、都内でメディアセミナーを開催した。 脊髄性筋萎縮症(SMA)は、進行性の運動ニューロンの脱落を特徴とする疾患で、筋萎縮や筋無力を引き起こす希少疾病である。とくに乳児の重症型では1歳まで生きることができないとされる。 セミナーでは、本症診療の概要とヌシネルセンナトリウムの特徴について解説が行われた。型で異なるSMAの臨床像 はじめに齋藤 加代子氏(東京女子医科大学附属遺伝子医療センター 所長・特任教授)が「脊髄性筋萎縮症の臨床・病態・治療」をテーマに講演を行った。 SMAは、脊髄前角細胞変性による筋萎縮と進行性筋力低下を特徴とする下位運動ニューロン病であり、I~IV型の4型に分類される。・I型(重症型)は、生後6ヵ月までに発症し、生涯呼吸器の補助が必要となる。臨床像としては、体が柔らかく、手・足・首がダランと垂れたり筋肉が萎縮する。成長後の最高到達運動機能では座位ができない。・II型(中間型)は、生後1歳6ヵ月までに発症し、生涯車椅子が必要となる。臨床像としては、痩せや食事ができない。筋肉の萎縮や背骨が曲がるなどがあるが、知性には問題はないとされる。成長後の最高到達運動機能では立位ができない。・III型(軽症型)は、生後1歳6ヵ月以降で発症し、次第に歩行が難しくなり思春期のころには車椅子が必要となる。臨床像としては、足がX脚で、閉じると不安定になる。体幹の筋肉が弱く、立位ではお腹を突き出す姿となる。成長後の最高到達運動機能では単独での立ち上がりや歩行ができない。・IV型(成人型)は、20歳以降で発症する。SMAの早期の診断で命を救う治療へ SMAの診断では、厚生労働省特定疾患調査研究班による診断基準が使用され、下位運動ニューロン症候、腱反射減弱から消失などの臨床所見、血清CK値が正常上限の10倍以下、筋電図で神経原性所見の認知などの検査所見、筋萎縮性側索硬化症などとの鑑別診断、SMN1遺伝子の欠失などの遺伝学的検査の4項目の総合的見地から診断される(難病や小児慢性疾患の認定でも使用される)。 治療としては、呼吸の維持・管理や栄養状態の管理、可動域の維持のための理学療法、脊柱固定術などの外科手術といった対症療法が行われる。とくに乳幼児では、排痰ができないために肺炎になりやすく、気管切開や人工呼吸器設置を含め呼吸管理は重要だという。 今回承認されたヌシネルセンナトリウムは、乳幼児型SMAに対して適応があり、完全に機能するSMNタンパク質の産生を増やすことで筋萎縮などの症状を抑えるものである。治療は、主に小児専門医(とくに小児神経専門医)が担うことになり、髄注という高度な手技が要求される治療薬であるが、髄液検査に習熟した医師であれば、手技は問題ないという。 最後に齋藤氏は、「本症の診断は比較的つきやすく、早く治療介入すれば、患児の生命を救うことができる。医師が早く本症を診断できることに期待したい」と抱負を述べ、レクチャーを終えた。ヌシネルセンナトリウムは髄注で投与 続いて、飛田公理氏(同社メディカル本部 希少疾患領域 部長)が、ヌシネルセンナトリウムの特徴を説明した。 本剤は、SMN2mRNAを標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドで、完全長の機能性SMNタンパク質を増加させる特性を持つ。投与法は、腰椎穿刺により髄腔内の脳脊髄液に直接投与する。初回投与後、2週、4週、9週で投与し、以降は4ヵ月間隔で投与を継続する。国際共同第III相臨床試験(ENDEAR試験)では、乳児型SMA患児121例(うち日本人3例)で実施され、運動発達の目標(たとえば転がる、這う、立つなど)達成は対照群0%と比べ51%であった。また、生存率についても対照群61%に比べ84%と有意な臨床効果を有していたという。副作用については、11.3%に発現があったが重篤なものはなく、発熱、頻脈、貧血母斑などが報告されていた。 本剤の保険収載は、8月末ごろの予定。現在遅発型SMAについても申請に向け作業を進めている。■参考SMA特設サイト(バイオジェン・ジャパン株式会社提供)SMA患者登録システムSMART(SMARTコンソーシアム)

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2次予防のLDL-C管理が厳格に―動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017

 日本動脈硬化学会が、先般「動脈硬化性疾患予防ガイドライン」を改訂した。2012年から5年ぶりとなる。今回の改訂のポイントとしては、従来、NIPPON DATA80を使用していた絶対リスク評価を吹田スコアに変更したことと、動脈硬化性疾患の2次予防のLDL-C管理目標値が100mg/dLから70mg/dLに変更され、より厳格化されたことなどが挙げられる。 以下、主だった改訂点を紹介する。1.クリニカルクエスチョンとシステマティックレビューの導入 「危険因子の評価における脂質異常症」「動脈硬化性疾患の絶対リスクと脂質管理目標値」「生活習慣の改善における食事療法と薬物療法」を取り扱う項において、クリニカルクエスチョンとシステマティックレビューを初めて導入した。システマティックレビューの対象文献は2015年末までに報告されたものとなる。2.絶対リスクの算出法に吹田スタディを採用 リスクの評価については、絶対リスクで行うことを今改訂でも継続する。ただし、リスクの算出方法については、NIPPON DATA80から吹田スコアに変更された。従来のNIPPON DATA80は、スタチンがない時代にベースライン調査が行われており、自然歴の観察に適しているなど有用性は高いものの、アウトカムが「発症」ではなく「死亡」であること、LDL-CやHDL-Cの情報がないことなど、いくつかの問題点があった。一方、吹田スタディは冠動脈疾患の「発症」がアウトカムであり、全体リスク評価を冠動脈疾患発症率とすることにより、各リスクの重要性がより明確に提示できるようになる。3.高リスク病態の追加 動脈硬化リスクをより広く集めるという観点から、高リスク病態として従前挙げていた糖尿病や高血圧に加え、高尿酸血症、睡眠時無呼吸症候群も考慮すべき病態として新たに追加した。動脈硬化病変への関与やその程度についてはそれぞれ差があるものと考えられるが、包括的管理の観点から念頭に置くべきとしている。4.2次予防における高リスク病態でのLDL-C管理の厳格化 家族性高コレステロール血症や急性冠症候群など、2次予防での高リスク病態においては、従来のLDL-C管理目標値を「<100mg/dL」から「<70 mg/dL」に変更。より厳格なLDL-C管理が提言されている。5.家族性高コレステロール(FH)の記載拡充 PCSK9阻害薬などの新薬が登場したことや、小児FHへのスタチン適応拡大(2015年6月より10歳以上の小児FHに対しピタバスタチンを適応)などに伴い、FHの診断・治療についての記載がより詳細に。とくに治療法に関してはフローチャートを用いて明解に記されている。6.エビデンスレベルと推奨レベルは前回同様 エビデンスレベルは治療介入と疫学調査で、それぞれ表記方法を分けている。診断・治療に関するエビデンスレベルに関しては、1+(質の高いRCTなどがある)~4(エビデンスレベルの弱い研究)の5分類。疫学に関しては、E-1a(コホート研究のメタアナリシス)~E-3(記述研究)の4分類となっている。新規採用の吹田スコア、算出アプリも開発 今改訂で新たに採用された吹田スコアは、(1)年齢(2)性別(3)喫煙(4)血圧(5)HDL-C(6)LDL-C(7)耐糖能異常(8)早発性冠動脈疾患家族歴、の8項目の合計点により算出する。ただ、同スコアの算出が煩雑な点を鑑み、日常診療で容易に使えるものにするため、日本動脈硬化学会は独自のアプリを作成。医療従事者向けであり、同学会のホームページや、ガイドラインに記載されたQRコードからダウンロードでき、(1)~(8)を入力すると、冠動脈疾患発症の予測パーセンテージと、リスク分類(低・中・高)および脂質管理目標値が表示される。■参考日本動脈硬化学会

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