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トラスツズマブとバイオシミラー、ERBB2陽性乳がん奏効率は同等/JAMA

 トラスツズマブのバイオシミラー(バイオ後続品)は、タキサン系薬剤の投与を受けているERBB2(HER2)陽性の転移性乳がん女性において、トラスツズマブと同等の奏効率をもたらすことが、米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校のHope S Rugo氏らが行ったHeritage Studyで示された。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2016年12月1日号に掲載された。モノクローナル抗体などのバイオ医薬品は、多くのがんの治療選択肢であり、アウトカムを大きく改善するが、これらの薬剤への近接性が十分でない国も多いという。いくつかのバイオ医薬品の特許期間の満期がさし迫り、世界中の製薬企業や保健機関にとって、バイオシミラーの開発は高品質の代替薬へのアクセスを高めるものとして、優先度が高くなっている。バイオ後続品の同等性を検証する無作為化試験 Heritage Studyは、ERBB2陽性の転移性乳がん患者におけるトラスツズマブのバイオシミラー(MYL-1401O)の安全性と有効性を評価する国際的な二重盲検無作為化並行群間比較試験(Mylan社の助成による)。 対象は、化学療法薬およびトラスツズマブによる前治療歴のないERBB2陽性の測定可能病変を有する女性または男性の転移性乳がん患者であった。全身状態(ECOG PS)は0~2、左室駆出率(LVEF)は各施設の正常範囲とし、術後トラスツズマブ施行例は1年以上が経過していれば可、脳転移例は放射線照射などで病態が安定した場合は可とし、ホルモン薬は試験開始前に中止することとした。 被験者は、バイオシミラー+タキサン系薬剤またはトラスツズマブ+タキサン系薬剤を投与する群に、1対1の割合で無作為に割り付けられた。バイオシミラーとトラスツズマブは3週ごとに静脈内投与し、初回は8mg/kgを90分で、2回目以降は6mg/kgを30分で投与した。タキサン系薬剤(ドセタキセル、パクリタキセル)の選択は、担当医の裁量とした。治療は、許容できない毒性の発現や病勢が進行するまで、8サイクル(24週)以上施行することとした。 主要評価項目は、24週時の客観的奏効率(ORR:完全奏効[CR]+部分奏効[PR])であり、バイオシミラーのトラスツズマブに対するORR比の90%信頼区間(CI)が0.81~1.24の範囲内、またはORR差の95%CIが-15~15%以内の場合に、両群の腫瘍縮小効果は同等と判定した。 2012年12月~2015年8月に、ブルガリア、チリ、チェコ、ジョージア、ハンガリー、インド、ラトビア、フィリピン、ポーランド、ルーマニア、ロシア、セルビア、スロバキア、南アフリカ、タイ、ウクライナの95施設に500例が登録され、458例(バイオシミラー群:230例、トラスツズマブ群:228例)が有効性解析の対象となった(ITT集団)。安全性は493例(247例、246例)で検討された。TTP、PFS、OSに有意差なし、有害事象プロファイルも類似 全体の平均年齢は53.6歳(SD 11.11)、白人(バイオシミラー群:69.1%、トラスツズマブ群:67.5%)が多くを占め、次いでアジア人(30.4%、31.6%)が多かった。登録例はすべて女性だった。 ORRは、バイオシミラー群が69.6%(95%CI:63.62~75.51)、トラスツズマブ群は64.0%(95%CI:57.81~70.26)であった。CRがバイオシミラー群の3例(1.3%)で得られた。ORR比は1.09(90%CI:0.974~1.211)、ORR差は5.53(95%CI:-3.08~14.04)であり、いずれも事前に規定された同等性限界内であった。 48週時の無増悪率(TTP、バイオシミラー群:41.3% vs.トラスツズマブ群:43.0%、群間差:-1.7%、95%CI:-11.1~6.9、p=0.68)、無増悪生存率(PFS、44.3 vs.44.7%、-0.4%、-9.4~8.7、p=0.84)、全生存率(OS、89.1 vs.85.1%、4.0%、-2.1~10.3、p=0.31)は、いずれも両群間に有意な差を認めなかった。 24週時の1つ以上の治療関連有害事象の発現率は、バイオシミラー群が96.8%(239/247例)、トラスツズマブ群は94.7%(233/246例)であった。頻度の高い有害事象は、脱毛(バイオシミラー群:57.5 vs.トラスツズマブ群:54.9%)、好中球減少(57.5 vs.53.3%)、末梢神経障害(23.1 vs.24.8%)、下痢(20.6 vs.20.7%)の順であった。 重篤な有害事象の発現率は、バイオシミラー群が38.1%(94/247例)、トラスツズマブ群は36.2%(89/246例)であった。全体で、好中球減少(26.4%)の頻度が最も高く、次いで発熱性好中球減少(4.3%)、白血球減少(3.2%)の順だった。重篤な有害事象の発現例のうち8例(両群4例ずつ)が死亡し、このうち呼吸器不全死の1例ずつで、試験薬関連の可能性が示唆された。 ベースラインのLVEF中央値は、バイオシミラー群が64.0%(範囲:51~82)、トラスツズマブ群は63.0%(範囲:51~84)であり、24週時の変化率はそれぞれ-1.0%(範囲:-13~21)、-1.0%(範囲:-19~13)であり、大きな変化はみられなかった。 著者は、「安全性や長期的な臨床アウトカムを評価するために、さらに検討を進める必要がある」とし、「トラスツズマブは世界中で広く使用可能な状況ではないが、このバイオシミラーは価格が低くなり、非高所得国の女性がアクセスできるようになる可能性がある」としている。

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ペムブロリズマブ、肺がん1次治療でQOLを改善

 Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.は2016 年12 月7 日、PD-L1 高発現(PDL1発現陽性細胞の割合が50%以上:TPS≧50%)の転移性非小細胞肺がん(NSCLC)患者に抗PD-1 抗体ペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)と、現在の標準療法であるプラチナ製剤による化学療法を比較した第III相試験KEYNOTE-024の探索的解析で示された健康関連QOL(health-related quality of life: HR QOL)のデータを発表。 本データは、ウィーンで開催された第17回世界肺会議(WCLC)のプレナリーセッションで 、Johns Hopkins Kimmel Cancer Center のJulie Brahmer 氏により発表された。(アブストラクト#PL04a.01)  KEYNOTE-024試験は、転移性非小細胞肺がん患者の1次治療としての、ペムブロリズマブの単独療法と標準治療のプラチナ併用化学療法を比較する無作為化第 III相検証試験。進行性病変に対する全身化学療法歴がなく、EGFR遺伝子変異またはALK転座が認められず、PD-L1高発現(TPS≧50%)の患者305例を対象として行われた。主要評価項目は無増悪生存期間で、主な副次評価項目は全生存期間、全奏効率および安全性であった。探索的アウトカムは奏効期間および患者報告アウトカムであった。 WCLCで発表された健康関連QOLデータは、全般的健康状態(身体、感情、知覚、社会機能のほか倦怠感、痛みなど)(QLQ-C30)および悪化時間(咳、胸痛、脱毛、呼吸困難などの症状)(QLQ-LC13)を評価する、欧州がん治療研究機構(EORTC)の2つの主なQOLに関するアンケート調査によるベースライン時から15週時の変化に基づくものであった。 すべての治療群で、患者報告アウトカムのコンプライアンスはベースライン時で90%以上、15週時において約80%であった。このデータでは、化学療法群と比較してペムブロリズマブ群で顕著なQOLおよび症状の改善または維持が認められた(少なくとも1つのアンケートに回答した299例の患者に基づく)。とくに、ベースライン時から15週時の全般的健康状態の変化(最小二乗の差、数値が高いほうで改善が大きい)は、化学療法群で-0.9(95%CI:-4.8~-3.0)であったのに対し、ペムブロリズマブ群では6.9(95%CI:3.3~10.6)であった。特定の機能や症状に基づく解析では、化学療法群よりペムブロリズマブ群でより多くの患者から、全般的健康状態やQOL、倦怠感、痛みの改善が報告された。ペムブロリズマブ群では化学療法群より悪化が認められた患者の割合が低く(それぞれ30.5%、39.2%)、悪化までの時間もペムブロリズマブ群の方が遅い結果となった(ハザード比:0.66、95%CI:0.44~0.97、p=0.029)。MERCK(米国)のニュースリリースはこちら

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東日本大震災後の透析対応の実際は?

 東日本大震災が発生した2011年3月11日から今年で5年。2016年は地震が多く、4月に発生した熊本地震が甚大な被害をもたらしたことは記憶に新しい。災害時の停電や断水などによって、命の危険にさらされるのが人工透析を受けている患者である。 そこで今回、相馬中央病院 小柴 貴明氏らが報告した、東日本大震災後の福島県、相馬中央病院における血液透析患者の増加と医療スタッフの不足を検討した調査を紹介する。Therapeutic Apheresis and Dialysis誌2016年4月号掲載の報告。 福島県の相双地区は、他の地域と隔てられており、震災前から慢性的な医療スタッフ不足であった。震災後は福島第一原子力発電所(以下、原発)の事故の影響で周辺地域が避難地域などに指定され、医療スタッフ不足はより一層深刻となった。さらに、避難区域に含まれた相双地区の透析センター6施設のうち、2施設が閉鎖した。 震災後、相双地区においてCKD患者の増加が顕著であり、透析へ移行するケースも増え、透析患者増加と医療スタッフ不足の不均衡が顕著となった。そのため、同センターでは、持続的に増加する透析患者への対応が困難となり、2014年11月に新患の受け入れを中止せざるを得なくなった。 上述した背景を踏まえ、筆者らは震災による医療スタッフの負担増大をはかる指標を振り返り、再評価した。【評価方法】 震災前後(2010年1月~2014年12月)の患者数、医療スタッフ数(看護師、臨床工学技士)、透析回数、医療スタッフの勤務日数を比較し、合計透析回数/総勤務日数を努力指標とした。【主な結果】 震災前の同センターの患者数は40~45名であったが、避難した患者や津波被害で亡くなった患者もおり、震災直後は31名となった。その後、閉鎖した透析施設の患者も受け入れ、2011年の夏までに50名に増加した。2012年末~2013年半ばにかけて、患者数は震災前と同程度となったが、2013年半ば~2014年半ばにかけて患者数が増加し、2014年後半には54名となった(表1)。<表1>2010年~2014年の平均透析患者数 2013年末から患者増加を見越して、経皮的バスキュラーアクセス拡張術(VAIVT)、2014年春にはバスキュラーアクセスの外科的再建術(VA)を開始したが、医療スタッフ数には大きな変化はなく(表2)、2014年には医療スタッフの平均勤務日数が減少していき、努力指標は相変わらず高いままであった(表3)。その結果、同センターの患者許容を超えてしまったため、同年の11月に新患の受け入れを中止した。<表2>2010年~2014年の平均医療スタッフ数<表3>2010年~2014年の努力指標 2014年夏には医療スタッフの負担が増加し、努力指標の比率は3.5と高かった。この数字は、震災前の2010年初めに医療スタッフへの負担が増大した際、2名のスタッフが追加される前の努力指標の比率3.6と同程度であったが、患者数、医療スタッフ数は各年で異なっていた。 この指標は、2010年初め~2014年末の間に筆者らが経験した患者数と医療スタッフ数の不均衡を反映していると思われる。 今回、筆者らが提案した努力指標は、医療スタッフの負担が軽減されているかを評価する参考になると考えられる。今後、その正確性を慎重に検討していく必要がある、と述べている。

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喫煙による影響大のがん10種

喫煙による影響が「確実」な10種のがん口腔・咽頭がん肺がん鼻腔・副鼻腔がん肝がん喉頭がん胃がん膵がん食道がん膀胱がん子宮頸部がん厚生労働省は、これら10種のがんと喫煙との関連について「科学的証拠は因果関係を推定するのに十分」、つまり「確実」と判定しています。厚生労働省「喫煙の健康影響に関する検討会報告書」(案)Copyright © 2016 CareNet, Inc. All rights reserved.

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セットでお得なワクチン接種

高齢者のためのワクチン接種のコツ冬は高齢者にとってインフルエンザや肺炎になりやすい季節。インフルエンザワクチンだけでなく、肺炎球菌ワクチンも接種すると効果的です!●インフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンの併用接種における予防効果両方とも接種した人が発症する確率は、どちらも接種しなかった人より、大幅に低下する!インフルエンザ発症リスクの低下肺炎全体侵襲性肺炎球菌感染症29%↓37%↓44%↓スウェーデンの65歳以上の成人25万8,754人におけるデータChristenson B, et al. Eur Respir J. 2004;23:363-368.より作図Copyright © 2016 CareNet,Inc. All rights reserved.

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逃げるは恥だが役に立つ【アサーション】

今回のキーワード契約結婚プレナップ内発的動機付けと外発的動機付け進化心理学攻撃無主張DESC法みなさんが望む結婚は、お見合い結婚? 恋愛結婚? それとも??? 昔はお見合い結婚がほとんどでしたが、今は恋愛結婚がほとんどになってきています。一方で、離婚は、3組に1組の割合にまで増えて、しかもさらに3組に1組は、離婚はしないまでも結婚生活に満足していないと言われています。よって、結婚がうまく行くのは、たった残りの3組に1組だけです。こんな不幸なことがあって良いのでしょうか? そんな中、最近は結婚の新しい形として契約結婚が注目されています。契約結婚とは何でしょう? なぜ注目されるのでしょうか? そもそもなぜ結婚をするのでしょうか? さらには、なぜ結婚は「ある」のでしょうか? 未来の結婚のあり方とはどんなものでしょうか? そして、より良い結婚生活を送るにはどうすれば良いでしょうか? これらの答えのキーワードとなるのは、アサーションという心理療法です。今回、アサーションをテーマに、ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」を取り上げます。主人公のみくりは25歳。大学院まで卒業するも無職の身で彼氏もいません。そんな中、父親のつてで、独身の会社員の平匡(ひらまさ)、35歳の家で家事代行スタッフとして働き始めることになります。そして、みくりの突拍子もない思い付きから、2人は契約結婚を決めてしまいます。それを周りに秘密にして、普通の結婚として押し通すことで、ストーリーはドラマチックに展開していきます。契約結婚とは?-表1みくりは、無職で家がなくなろうとしているため生活の保障を求めていました。一方、平匡は、家事全般を誰かに任せて、仕事や余暇に専念することを求めています。そして、平匡は、みくりの丁寧で気遣いのできる仕事ぶりに感心します。一方、みくりは、平匡の考え方や言い方が「すばらしいです。合理的です」と感激します。当初2人に恋愛感情はないですが、お互いの望みが一致しています。仕事の関係としての相性は抜群です。2人の契約結婚の画期的なのは、雇用契約に見立てている点です。雇用契約書(結婚契約書)を用意して、雇用主(夫)と従業員(妻)という関係性を明確にしています。そして、平匡はみくりに適切な月給を支払います。寝室は別で、夜はそれぞれの勤務外時間(自由時間)となります。厳密には、契約結婚は、婚姻届を出す場合と出さない場合があります。婚姻届を出す場合は、婚前契約書(結婚契約書)を結んだ通常の結婚となります。この契約書は、海外ではプレナップ(prenuptial agreement )と呼ばれ、フランスで25%、アメリカで20%のカップルがこの契約を結んでいます。一方、婚姻届を出さない場合は、結婚生活のルールを明確にした事実婚となります。まさに、2人がそうです。ちなみに、いわゆるフランス婚は、事実婚に当たります。フランスでは事実婚であっても、社会的なサービスが保障されており、またプレナップを結ぶカップルが多いため、一般的になっています。また、2人は、表向きには夫婦であることを宣言し、共同生活をしています。このように、夫婦であるという意思があり、夫婦としての共同生活の実体があるので、法律的に問題はないです。ちなみに、通常結婚であっても、例えば2年間の期限をあらかじめ設ける婚前契約を結ぶことも法律的に問題ないです。契約結婚はなぜ注目される?-プラス面それでは、なぜ最近に契約結婚が注目されるのでしょうか? まず、そのプラス面を整理してみましょう。プラス面は、主に3つあります。(1)フラットな協力関係2人の意識としては雇用主(夫)と従業員(妻)の関係です。しかし、律儀な平匡は「フラットな職場」を目指していて、限りなく対等なパートナーシップと言えます。そのわけは、契約という形によって役割意識が明確だからです。だからこそ、2人ともお互いに感謝と敬意をきっちり言葉にしています。このように、まず1つ目のプラス面としては、お互いを尊重するフラットな協力関係であることです。一方、通常の結婚はどうでしょうか? もちろん契約がなくても、話し合いによってフラットな関係が築ける夫婦もいるでしょう。しかし、現実的には、亭主関白やかかあ天下などの言葉があるように、多くの夫婦に不安定な力関係が存在しています。ドラマで、みくりの兄嫁が兄の胸ぐらをつかんで壁に叩き付ける「壁ドン」で、兄を震え上がらせています。また、平匡の同僚の男性が「夫婦げんかは負けておけ。家庭ってのは、奥さんが機嫌が良いのが一番だから。お互いに力を誇示して、覇権の奪い合いになったら、どっちかが倒れるまで奪い合うことになるから」とアドバイスしています。このシーンから気付くことは、実は、夫婦関係においてはものごとの決定の方法に明確なルールがない、もともと無法状態であるということです。このような状況では、感情的になった方が有利になるという力関係が生まれやすいです。「言ったもん勝ち」「騒いだもん勝ち」「ゴネ得」です。DV、モラハラなどのリスクもあり、雇用関係で言えば、それはブラック企業です。このような力関係に悩まされることに、男性も女性もうんざりしています。だからこそ、夫婦になる前に、契約というルールを設けることが必要なのです。(2)いっしょにいる目的が明確2人は、会社と同じように、夫婦を運営するという視点を持っています。そして、会社に企業理念があるのと同じように、2人にはお互いのはっきりした目的があります。それは、みくりにとっては生活の保障、平匡にとっては家事の代行です。さらには2人には「僕たちの罪悪感は僕たちで背負う」という秘密を守る目的もできてしまっています。このように、2つ目のプラス面は、いっしょにいる目的が明確であることです。そして、目的以外のことでは、お互いを干渉しないということです。一方、通常の結婚はどうでしょうか? 確かに、結婚式の誓いでは、お互いの幸せを誓います。これが目的となります。しかし、相手を幸せにするとはどういうことなのか具体的にしていない点では、何も言っていないのと同じです。自分が思うお互いの幸せが、必ずしも相手が思うお互いの幸せにならないかもしれないからです。特に、恋愛結婚では、いっしょにいること自体が目的となってしまい、結婚するというゴール(目的)にばかり目が向いてしまいます。その後にもともと生活背景の違う相手と共同生活をするという現実に目が向きにくくなります。また、お見合い結婚は、結婚生活がうまく行かなくても、親などの周りへの体裁を気にして我慢していっしょにいる傾向があります。しかし、それは、個人主義化した現代では、昔ほどではなくなったようです。だからこそ、夫婦になる前に、夢や理想だけでなく、現実的で具体的な自分たちの未来像を描く必要があるのです。そして、事前に相手の考えや意見を知り、すり合わせ、形にする必要があるのです。(3)自己決定への責任意識平匡は、みくりに「話し合いたいことは遠慮せず何でも言ってください」と促します。そして、契約内容以外に「必要な項目はそのつど話し合って決めましょう」と言います。そして、平匡もみくりも、自分の提案について、相手に向かって「自由意志です」と言い、相手の判断に委ねます。とても冷静で穏やかな話し合いです。協力関係を維持するために、常に合意形成の段取りを踏む理性的な努力をしています。そして、相手の提案に対して自分が決めたことに責任を持ち、納得をしています。このように、3つ目のプラス面は、自己決定への責任意識が高いことです。そして、この意識によるルール作りの積み重ねが、お互いへの尊重となり、夫婦の信頼関係を育みます。一方、通常の結婚はどうでしょうか? 特にお見合い結婚では、親などの周りからの強い勧めで結婚する場合、その決定への責任意識はとても低いものになります。結婚生活での話し合いは難航しそうです。なぜなら、受け身だからです。自分で努力して決めたわけではないので、その結婚生活は自分のせいではなくなるからです。また、恋愛結婚では、愛があるから全て分かり合えるという発想になりやすくなります。このような心理により一方的に話を決めてしまったり、逆に気遣いから仕方なく折れてしまいます。やはり、決定への責任意識は低いものになります。なぜなら、理性的に決めたわけではないので、納得はしていないからです。また、結婚生活がうまく行かなくなったのは相手の愛が足りなくなったからだという論理のすり替えが起りやすくなります。こうして、男女がちょっとずつ疲れていくのです。だからこそ、夫婦になった後も、お互いの自己決定を尊重して、責任意識を高めるのです。そして、お互いが納得することにより、理性的な結婚生活を維持するのです。契約結婚は、世間的には離婚した時にお互いの権利を守るという点に目が行きやすいです。しかし、最も大事な点は、契約をすることでお互いが結婚という決定に責任を持つこと、その結果として、結婚生活が維持されるのです。それは、雇用契約でも全く同じです。契約結婚の課題は?-マイナス面逆に、契約結婚の課題は何でしょうか? そのマイナス面を考えてみましょう。みくりと平匡は、当初、恋人を演じるというスタンスで、「出しましょう親密感。かもしましょう新婚感」を合い言葉に、「毎週火曜日はハグの日」を決めるなど本人たちなりに努力します。契約結婚には、契約という言葉からも分かるように、水くさい、冷たいという無機的なイメージがあります。つまり、最初の信頼関係が乏しく、信頼関係を育む努力が必要になります。その後に、2人は、いっしょに生活をする中、お互いの良さに気付き、だんだんと恋愛感情が芽生えていきます。しかし、契約という関係性が頭の中によぎり、「ハグの前借り」「ハグの貯金」などの形で感情が抑えられてしまい、「好きな時にハグしよう」というストレートな本音をなかなか言えません。そのもどかしくてぎこちなくも、お互いがお互いを思う気持ちは、ほのぼのとして牧歌的で、このドラマの魅力になっています。理性的な関係を保つということは、力関係を生むなど感情的になりにくいというプラス面がありますが、裏を返せば、自由にポジティブな感情も伝えにくいというマイナス面があります。やがて、みくりは「平匡さんに何かあったら、私は平匡さんの味方です」と思いを告げます。また、平匡は最終的には「僕たちに必要なのは、・・・本当の気持ちを伝え合うこと」と気付きます。そこには、契約の関係を超えた連帯感があります。お見合い結婚であれ恋愛結婚であれ契約結婚であれ、結婚に必要なことは、愛と契約、つまり信頼関係と協力関係であることです。これは、心理学的に言えば、内発的動機付けと外発的動機付けに当たります。愛があるから契約はいらないと思い込むのも、契約があるから愛はいらないと安心するのも危ういということです。どちらが先かの違いで、どちらも必要であるということです。そして、力関係は不要であるということです。なぜ結婚をするの? なぜ結婚は「ある」の?なぜ結婚をするのでしょうか? もちろん「お互いに愛しているから」と答えるのが正解でしょう。もっと具体的に言えば、「好きな人といっしょにいたいから」「子どもがほしいから」「一人だと寂しいから」「生活を安定させたいから」「親から言われたから」など様々な理由があるでしょう。それでは、そもそもなぜ結婚は「ある」のでしょうか? 両家顔合わせのシーンで、みくりと平匡が結婚式は挙げないと言ったことに対して、みくりの兄が「(結婚)式っていうのは、周りの人のためにやるもんなんだよ」と説いたセリフがヒントになります。そこから、進化心理学的に考えてみましょう。まず、私たちがヒトとなり体と心(脳)を適応させていった数百万年前の原始の時代の狩猟採集社会に目を向けてみましょう。なぜなら、この時代に私たちの心(脳)の原型が形作られたからです。一方、現代の農耕牧畜社会から始まる文明社会は、たかだか1万数千年の歴史しかなく、体や心(脳)が進化するにはあまりにも短いからです。原始の時代、男性(父親)は日々食糧を確保し、女性(母親)は日々家事と子育てをして、性別で役割を分担し、家族をつくりました。さらに、これらの家族が血縁によっていくつも集まって100人から150人の大家族の生活共同体(村)をつくり、つながって協力しました。そして、そうする種、そうしたいと思う種が生き残りました。その子孫が現在の私たちです。逆に、そうではない種は、子孫を残さないわけですから、理屈の上ではこの世にほぼ存在しないと言えます。このような進化心理によって、特定の男性と特定の女性が家族という単位で共同生活をするというシステムが、現代までに結婚制度として全世界に普遍的に確立したのでした。つまり、結婚は、もともと本人たちのためではなく、社会の維持のためにしていたのでした。そして、社会の目によって、離婚をとどまらせていたのです。未来の結婚のあり方とは?それでは、原始の時代と違う現代の社会構造ではどうでしょうか? 個人主義化が進んだ中、結婚は、社会の問題ではなく、個人の問題になってしまいました。よって、社会の目によって、離婚をとどまらせるというシステムが成り立たなくなったです。さらに、現代は、個人主義化から価値観の多様化、複雑化が起きています。もはや、昔のように、夫は仕事、妻は家事と子育てという単純な役割分担が成り立たなくなってしまいました。それは、例えば、男性の家事分担や育児分担、女性の仕事の継続、子どもの教育方針、お金の使い方、余暇の過ごし方、親との同居の有無、そして介護など様々になってしまいました。もはや全ての価値観が一致していることはほとんどないでしょう。離婚の最も多い理由が「価値観の違い」と言われています。その現実を踏まえると、今後にますます離婚のリスクが高まります。離婚は、経済的にも時間的にも心理的にもダメージは大きく、男女ともになるべく避けたいです。だからこそ、社会の目の代わりのシステムとなるのが、契約というお互いの「目」なのです。未来の結婚のあり方とはどんなものでしょうか? 契約結婚を雇用契約に見立てると、それは試用期間です。つまり、まず共同生活をするということです。この共同生活は、同棲との違いが3つあります。1つ目は、期限があるということです。例えば、半年から1年です。2つ目は、その間に夫婦としての共同生活のルール作りをすることです。それを契約書としてどの程度の形に残すかはそれぞれの夫婦の裁量でしょう。そして、3つ目は、期限が来てもお互いに共同生活を続ける意思があれば正式契約、つまり婚姻届を出すということです。より良い結婚生活を送るには?-アサーション夫婦が、前もっていっしょに結婚生活の大枠のルールを決めつつも、実際に結婚生活を送るなかでは、その日その瞬間で日常生活の些細なことについての話し合いはどうしても必要になります。そこで、より良い結婚生活を送るスキルとして、どんなものがあるでしょうか? それが、アサーションという心理療法です。アサーションとは、英語で直訳すると「主張」ですが、意訳すると「ほど良い言い方」「折り合うコミュニケーション」です。例えば、先ほど紹介した兄嫁の「叩き付ける方の壁ドン」というコミュニケーションは、感情的に相手を威嚇するという攻撃に当たります。これは、言いすぎ、やりすぎです。一方、平匡の同僚の「夫婦げんかは(夫が)負けておけ」というコミュニケーションは、相手に気を遣って我慢するという無主張に当たります。これは、言わなさすぎ、やらなさすぎです。このどちらのコミュニケーションも、パターン化されれば力関係を生み出してしまいます。よって、このような攻撃でもなく無主張でもなく、自分の気持ちや思いを大切にして率直に伝えると同時に、相手の気持ちや思いも大切にして耳を傾けるアサーティブなコミュニケーションが重要です。その手順は、DESC法と呼ばれます。これには、4つのステップがあります。みくりと平匡のやりとりのシーンを例にとってみましょう。(1)描写(Describe)みくりは平匡に「生活費の中から電気炊飯器を買いたいんです」「(今のは)容量が少ないし、白米しか炊けません」と申し出ます。これは具体的な状況を客観的に描写しています。まずは、事実を確認して、共有するステップです。(2)表現(Express)みくりは「(白米以外に)玄米とか雑穀米とか炊き込みご飯とか(炊きたいんです)」と続けます。これは、「ちょっと困っています」「変わると助かります」なども含め、自分の気持ちを冷静に表現しています。また、「お金を節約したい気持ちはとてもよく分かりますが」と添えるなど、相手の気持ちを配慮も良いでしょう。お互いに共感するステップです。逆に言えば、単純に相手に感情をぶつけないことがポイントです。「あなたはケチだから」などのようにあなたはどうかを全面に出す「あなたメッセージ」ではないことです。あくまで「困っている」「心配している」「何とかしたい」という私の思いを全面に出す「私メッセージ」であることです。(3)提案(Specify)みくりは、最後に「購入を検討してくださいませんか?」と尋ねます。これは、具体的で特定の提案をしています。「自分はこうしたい」「あなたにはこうしてほしい」という解決策や妥協点の提案をこちらからすることがポイントです。特に恋愛結婚では、お互いが分かり合っていることが前提になってしまうので、提案をしないまま、「おれを怒らせたおまえが悪い」「察しないあなたが悪い」という感情的な思考パターンに陥りやすくなってしまいます。そこには、話し合いの努力をするという理性的な責任意識はないです。(4)選択(Choose)平匡は「炊飯器は好きにしてください」と言い、みくりは大喜びします。みくりは、その後に「必要最低限のスペックで使い勝手を重視」したお手頃の炊飯器を購入します。一方、平匡が難色を示したら、「いくらなら購入可能か」「いつからなら購入可能か」などのみくりの再提案や、平匡の逆提案があるでしょう。このように、同意が得られればその通りにして、同意が得られなければ代替案や一旦その提案から身を引く選択肢を用意しておくことです。もっと広げて言えば、相手が感情的になっている時は、あえて話し合いをしない、一旦引っ込んで相手にしないというのもアサーションの1つです。その選択肢を持つことも大切です。例えるなら、お酒に酔っ払っている人と同じように、感情的に「酔っ払っている」人といくら話し合いをしようとしてもうまく行かないということです。あえてコミュニケーションをしないというのも重要なコミュニケーションスキルの1つです。このスキルは、まさにこのドラマのタイトル「逃げるは恥だが役に立つ」に通じるものがあります。このタイトルは、もともと「ハンガリーのことわざで」「逃げるのは恥だったとしても、生き抜くことの方が大切」と平匡が説明しています。「恥」などの感情ばかりではなく、「逃げる」などの選択肢も含めて、結婚生活の維持に「役に立つ」かどうかという理性的な発想を持つことの大切さを教えてくれます。より良い結婚生活を送るには?-アサーションみくりの母はみくりに「(お父さんを)愛してるわよ。お互いに努力して。無償の愛なんて注げないわよ。赤の他人なんだし」「私、運命の相手なんていないと思うの。運命の相手に、するの」「意志がなきゃ続かないのは仕事も家庭も同じじゃないかな」と言います。夫婦は、けっきょくは運命共同体です。お互いに好きだという単純な気持ちだけでなく、それを維持するためのお互いの努力も必要です。結婚生活は、やがてどちらかが先に死んで終わりを迎える時が来ます。その時、「この人で良かった」「生まれ変わっても今の相手を選ぶ」と思えた時、相手が運命の人になるのでしょう。お互いがお互いの運命の人になりたいと思った時、契約結婚という結婚生活の新しいモデルを参考にして、アサーションを初めとした夫婦のより良いコミュニケーションをすることができるのではないでしょうか?1)海野つなみ:逃げるは恥だが役に立つ、講談社、20132)大淵愛子:婚前契約書、マガジンハウス、20123)平木典子:アサーション 自分の気持ちの伝え方、主婦の友社、2012

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統合失調症患者の代謝プロファイル変化を分析:国立精神・神経医療研究センター

 国立精神・神経医療研究センターの藤井 崇氏らは、統合失調症患者の病態生理を反映している可能性のある脳における低分子量代謝産物のプロファイル変化について検討を行った。Schizophrenia research誌オンライン版2016年11月15日号の報告。 Stanley Foundation Neuropathology Consortiumより、前頭前皮質(統合失調症患者15例、対照群15例)と海馬(統合失調症患者14例、対照群15例)のヒト死後脳組織を収集した。飛行時間型質量分析計によるキャピラリー電気泳動を用いて、約300種類の代謝産物を分析した。 主な結果は以下のとおり。・前頭前皮質では、29の代謝物の平均レベルが、統合失調症患者および対照群で有意に異なっていた。・海馬では、ジペプチドとグリシルグリシンが、統合失調症患者において有意に増加した(p≦0.001、nominal p-value)。・グリシルグリシンは、統合失調症患者の前頭前皮質においても有意に増加していた(p=0.007)。・経路分析では、KEGGの「における中枢炭素代謝」「タンパク質消化および吸収」を含むいくつかの代謝経路において、統合失調症患者の前頭前皮質、海馬に対し影響を及ぼすことが明らかとなった。 著者らは「本検討により、統合失調症患者の脳におけるグルコース代謝、タンパク質分解の変化が示唆された」としている。関連医療ニュース 日本人統合失調症、外来と入院でメタボ率が高いのは:新潟大 脳内脂肪酸と精神症状との関連を検証:富山大 統合失調症患者を発症前に特定できるか:国立精神・神経医療研究センター

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納豆が心血管疾患死の低下に関連~高山スタディ

 大豆摂取と心血管疾患(CVD)リスクの関連はまだ不明である。また強力な線維素溶解酵素が含まれている納豆については、CVDとの関係を検討されていない。今回、岐阜大学の永田 知里氏らが、住民ベースのコホート研究(高山スタディ)において、納豆・大豆タンパク質・大豆イソフラボンの摂取量とCVD死亡率との関連を調べたところ、納豆の摂取がCVD死亡率の低減に寄与しうることが示唆された。The American journal of clinical nutrition誌オンライン版2016年12月7日号に掲載。 本研究には、高山スタディに参加した35歳以上の男性1万3,355人と女性1万5,724人が含まれ、1992年の募集時に各被験者に半定量的食物摂取頻度調査が実施された。 主な結果は以下のとおり。・追跡期間中にCVDにより1,678人が死亡した(うち、脳卒中677人、虚血性心疾患308人)。・共変量の調整後、納豆摂取量が最高の四分位では最低の四分位と比較して、すべてのCVDによる死亡リスクの低下と有意に関連していた(HR:0.75、95%CI:0.64~0.88、傾向のp=0.0004)。・すべてのCVDによる死亡リスクと、総大豆タンパク、総大豆イソフラボン、納豆以外の大豆製品からの大豆タンパク質や大豆イソフラボンの摂取の間に、有意な関連は認められなかった。・総大豆タンパク質と納豆の摂取量の最高四分位は、すべての脳卒中による死亡リスクの低下と有意に関連していた(総大豆タンパク質におけるHR:0.75、95%CI:0.57~0.99、傾向のp=0.03、納豆におけるHR:0.68、95%CI:0.52~0.88、傾向のp=0.0004)。・納豆摂取量の最高四分位は、虚血性脳卒中による死亡リスクの低下にも有意に関連していた(HR:0.67、95%CI:0.47~0.95、傾向のp=0.03)。

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トリプルネガティブ乳がんにエリブリンとペムブロリズマブの併用:サン・アントニオ乳シンポジウム

 エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫)は、エリブリンメシル酸塩(製品名:ハラヴェン)と抗PD-1抗体ペムブロリズマブ(Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A. 米国とカナダ以外ではMSD)との併用療法による、転移性トリプルネガティブ乳がんを対象としたグローバル臨床第Ib/II相試験(218試験)の中間解析結果の成績を報告した。この報告は第39回サン・アントニオ乳シンポジウムにて発表されたもの。 218試験は、2レジメン以下のがん化学療法治療歴のある転移性トリプルネガティブ乳がんの患者95例を対象として、エリブリンとペムブロリズマブ併用における有効性と安全性を評価する、多施設共同、単群、非盲検の臨床第Ib/II相試験。主要評価項目として第Ib相パートにおいては安全性と忍容性を、第II相パートにおいては奏効率(ORR)を評価するもの。 本発表では、2016年7月時点において臨床試験に登録された89例中39例の患者に対する中間解析に関して報告した。21日を1サイクルとした、エリブリン(1日目と8日目に1.4mg/m2を静脈内投与)およびペムブロリズマブ(1日目に200mgを静脈内投与)の併用療法において、ORRは33.3%(完全奏効1例および部分奏効12例)であった。また、PD-L1陽性と陰性との間で、ORRの違いは認められなかった。併用投与群において高頻度で確認された有害事象(頻度35%以上)は、疲労、悪心、末梢神経障害、好中球減少、脱毛であった。Grade3以上の有害事象は66.7%で観察され、高頻度(7%以上)に確認されたものは、好中球減少(30.8%)、疲労(7.7%)であった。 エリブリンは、新規の作用機序を有するハリコンドリン系の微小管ダイナミクス阻害剤。従来の作用機序に加えて、最近の非臨床研究において、腫瘍の血流循環を改善すること、乳がん細胞の上皮細胞化を誘導すること、乳がん細胞の転移・浸潤能を減少させることなどの作用を有することが知られている。本剤は、乳がんに係る適応について、60ヵ国以上で承認を取得している。

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尿路結石治療でのα1遮断薬の効果を検証/BMJ

 α1遮断薬は尿管結石の保存的治療に有効であることを、米国・ミシガン大学のJohn M Hollingsworth氏らがシステマティックレビューとメタ解析の結果、報告した。α1遮断薬は無作為化試験により結石の自然排出を促すことが示唆され、現行のガイドラインでは、同薬を用いた治療を推奨している。しかし最近、厳格な方法論を用いた大規模試験の結果、その治療効果について疑問が呈されていた。なお今回の検討では、α1遮断薬による保存療法のベネフィットは、結石が大きい患者で最大であることも示唆された。研究グループは、「結果は現行ガイドラインを支持するものであった」とまとめている。BMJ誌2016年12月1日号掲載の報告。システマティックレビューとメタ解析で自然排出効果を評価 検討は、2016年7月時点のCochrane Central Register of Controlled Trials、Web of Science、Embase、LILACS、Medlineの各データベースおよび学会抄録を検索して行われた。尿管結石の治療としてα1遮断薬とプラセボまたは対照を比較した無作為化試験を適格とし、2人の研究チームメンバーがそれぞれ各包含試験からデータを抽出した。 主要アウトカムは結石が排出された患者の割合。副次アウトカムは排出にかかった期間、疼痛エピソード数、手術を受けた患者の割合、入院を要した患者の割合、有害事象を経験した患者の割合とした。 主要アウトカムは、プロファイル尤度ランダム効果モデルを用いて、プールリスク比(RR)と95%信頼区間(CI)を算出。エビデンスの質と結果の要約の質について、Cochrane Collaboration'sツールを用いてバイアスリスクとGRADEアプローチを評価した。中程度のエビデンス、結石が大きいほど排出効果が高い 検索により55の無作為化試験(被験者総数5,990例)が包含された。 解析の結果、α1遮断薬の尿管結石排出に関するエビデンスは中程度であることが示された(RR:1.49、95%CI:1.39~1.61)。 演繹的サブグループ解析の結果、尿管結石が小さい患者ではα1遮断薬治療のベネフィットは観察されなかった(1.19、1.00~1.48)。しかし大きな患者では、対照との比較で57%排出リスクが高かった(1.57、1.17~2.27)。 α1遮断薬の効果は、結石の位置で異なっていた。上部尿管と中部尿管のRRは1.48(1.05~2.10)、より下部尿管は1.49(1.38~1.63)だった。 対照との比較で、α1遮断薬治療を受けた患者は、結石排出までの期間が有意に短かった(平均差:-3.79日、95%CI:-4.45~-3.14、エビデンスの質は中程度)、また疼痛エピソードも少なく(-0.74例、-1.28~-0.21、エビデンスの質は低い)、手術介入リスクも低く(RR:0.44、0.37~0.52、エビデンスの質は中程度)、入院リスクも低かった(0.37、0.22~0.64、エビデンスの質は中程度)。 重篤な有害事象のリスクは、治療群と対照群で同程度であった(1.49、0.24~9.35、エビデンスの質は低い)。

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小さな腫瘍の過剰検出が甲状腺がん“流行”を創出/BMJ

 韓国で起きている甲状腺がんの “流行”は、スクリーニングで、2cm未満の小さな腫瘍の過剰検出の増大によるものであることが、韓国国立がんセンターのSohee Park氏らによる全国調査の結果、明らかにされた。近年、多くの国で、死亡率にほとんど影響しない甲状腺がんの有病率増大が報告されている。甲状腺がん有病率の増大は、主に、小さな高分化型甲状腺がんの検出によるもので、有病率増大は過剰診断によるものではないかとみなされている一方で、その考え方に納得せず異議を唱える声も少なくない。韓国では1999年に10万人当たり6.3だった甲状腺がんの有病率は、2009年には47.5と7倍超に増大し、世界で最も有病率の高い国となっている。BMJ誌2016年11月30日号掲載の報告。韓国の1999~2008年の甲状腺がん有病率の変化を検出方法別に精査 韓国において、甲状腺がんのスクリーニングが“流行”につながったのかどうかについての全国調査は、1999年、2005年、2008年に甲状腺がんと診断された患者の代表的サンプルの医療記録をレビューして行われた。 サンプリングは全国がんレジストリから、地域で層別化後システマティックサンプリング法を用いて無作為に選出。解析には、1999年891例、2005年2,355例、2008年2,550例の計5,796例が包含された。 主要アウトカムは、1999~2008年の甲状腺がんの年齢標準化有病率と有病率の変化で、検出方法別(スクリーニング検出 vs.診断検査 vs.非特異的)に調べた。増大分の94.4%は20mm未満腫瘍検出例、増大の約60%が2005~08年に発生 結果、甲状腺がんの有病率は、1999年は10万人当たり6.4(95%信頼区間[CI]:6.2~6.6)であったが、2008年は同40.7(40.2~41.2)と、1999~2008年の間で6.4倍(95%CI:4.9~8.4)に増大していた。 増大分のうち94.4%(10万人当たり34.4)は、20mm未満の腫瘍検出例であり、97.1%は、SEER summary stageで局所または領域の分類例であった。 また、増大分の約60%は、2005~08年に発生し、主にスクリーニング検出例の20mm未満の腫瘍が占めていた。 一方で、同期間中の診断検査の有病率増大のうち、99.9%(10万人当たりの6.4)が20mm未満の腫瘍の検出例であった。 著者は、「韓国で起きている甲状腺がんの“流行”は、小腫瘍の、大半は過剰検出の増大によるものである。無症候性の一般集団での不要な超音波検査を減らすために、国家的な取り組みが必要である」とまとめている。

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動脈硬化症での服薬順守率と再発率

動脈硬化症の人は、再発を防ぐためにきちんと薬を飲むことが大切です!【対象】米国の動脈硬化患者1万2,976例(2016年の調査)きちんと薬を飲まない人では再発率が2倍再発する確率17.2%8.4%きちんと飲んだ人**2年間のうち決められた通りに飲んだ日が80%以上きちんと飲まなかった人****2年間のうち決められた通りに飲んだ日が40%未満Bansilal S, et al. J Am Coll Cardiol.2016;68:789-801.より作図Copyright © 2016 CareNet, Inc. All rights reserved.

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クリスマスツリーの誤嚥にご注意を【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第81回

クリスマスツリーの誤嚥にご注意を FREEIMAGESより使用 クリスマスに関連する論文といえば、BMJのクリスマス特集が思い付きますが、このコーナーではあえて真面目な論文を選ぶことにしています。今回紹介するのは、クリスマスツリーの誤嚥の論文です。オイオイちょっと待てよ、そんなの無理だろう。 Philip J, et al. A Christmas tree in the larynx.Paediatr Anaesth. 2004;14:1016-1020.15ヵ月の喘鳴と嗄声を訴えて、2歳の男児が急性発症の上気道閉塞のために来院しました。なぜ15ヵ月もガマンしていたのだろうか…。全身麻酔の下、緊急的に実施された喉頭~気管支の内視鏡的検察によって、何かが上気道を閉塞していることがわかりました。うーむ、何だろう…何か木のように見えるが…。こ、こ、これは…クリスマスツリーだ!なんと、クリスマスツリーが喉頭に詰まっていたのです。そんなバカな! …とはいっても、あのモミの木が丸ごと喉頭に詰まるはずはなく、プラスチック製のおもちゃのクリスマスツリーが肉芽を形成し、ほぼ喉頭を閉塞しかけていたそうです。その後、クリスマスツリーを除去した後、男児の声は元に戻ったそうです。重篤な後遺症が残らなくてよかったですね。治療後、主治医に向かって家族は言いました。「そういえば、2年前のクリスマス(つまり生後間もない頃)に、咳き込んで急に声が変わったことがあった」、 と。症状が軽かったので受診が遅れたのかもしれませんが、よく1年以上もクリスマスツリーが喉に挟まっていたものですね。インデックスページへ戻る

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抗精神病薬誘発性体重増加とヒスタミンとの関係

 抗精神病薬誘発性体重増加(AIWG)と脳内ヒスタミンH1受容体(HRH1)アンタゴニスト、H3受容体(HRH3)アゴニストの効果に正の相関があることが実証されている。カナダ・トロント大学のArun K Tiwari氏らは、AIWGに対するHRH1、HRH3遺伝子における一塩基多型(SNP)の潜在的な影響を検討した。The world journal of biological psychiatry誌オンライン版2016年12月15日号の報告。 主にクロザピンまたはオランザピンで14週まで治療された統合失調症、統合失調感情障害患者193例を対象に、HRH1(n=34)およびHRH3(n=6)の40のタグSNPを分析した。SNPとAIWGの関連は、ベースラインの体重と治療期間を共変量とし、線形回帰を用いて評価を行った。 主な結果は以下のとおり。・HRH1では、クロザピンまたはオランザピンのいずれかで治療されたヨーロッパ系の患者において、AIWGを有するrs7639145にわずかな関連が認められた(p=0.043、β=1.658、n=77)。・クロザピンまたはオランザピンのいずれかで治療されたアフリカ系の患者において、2つのHRH1 SNP rs346074(p=0.002、β=-5.024)とrs13064530(p=0.004、β=-5.158)にわずかな関連が認められた(n=37)。・しかし、複数の測定で修正した後、上記の関連は有意ではなかった。・HRH3では、いずれの患者でも関連が認められなかった。 著者らは「本研究では、AIWGに対するHRH1およびHRH3のSNPは重要な役割を担っていないことが示唆された」としている。関連医療ニュース オランザピン誘発性体重増加を事前に予測するには:新潟大学 非定型抗精神病薬による体重増加・脂質異常のメカニズム解明か 抗精神病薬誘発性の体重増加に関連するオレキシン受容体

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緑内障治療、複視リスクが高いのは?

 複視は、緑内障治療の合併症として知られている。治療後の発生率や原因について前向きに調査した報告はこれまでなかったが、米国・メイヨークリニック医科大学のPhilip Y Sun氏らは複視調査票を用いた研究を行い、外科治療後および薬物治療中の緑内障患者の複視は過小認識されている可能性があることを明らかにした。線維柱帯切除術後より緑内障ドレナージインプラント(GDD)手術後のほうが複視の頻度が高く、非共同性拘束性上斜視が典型的であった。著者は、「複視質問票を用いた患者の症状の確認と標準化は有用」と述べたうえで、「患者に対してGDD手術と関連する複視の発生頻度は高いことを説明しておくことが重要」とまとめている。Ophthalmology誌オンライン版2016年11月18日号掲載の報告。 研究グループは、2014年8月~2015年4月の間に、外科治療後(術後1ヵ月以内)または薬物治療中の緑内障成人患者195例を前向きに登録し、定期的な経過観察時に複視質問票(Diplopia Questionnaire)を用いて複視を評価した。患者の内訳は、GDD(バルベルト350、バルベルト250[Abbott Medical Optics 社]、またはアーメドFP7[New World Medical社])手術47例、線維柱帯切除術61例、薬物療法87例であった。 複視質問票において、正面視または本を読む位置で「時々(sometimes)」「しばしば(often)」、または「常に(always)」複視を認める場合を「複視」と定義した。複視のタイプと原因については、斜視専門家ならびに緑内障専門家が共同でカルテを調査し評価した。 主な結果は以下のとおり。・複視は、195例中41例(21%)に認められた。・外科治療後の両眼複視は、GDD47例中11例(23%、95%信頼区間[CI]:12~38)、線維柱帯切除術61例中2例(3%、95%CI:0.4~11)に認め、GDDで高頻度であった(p=0.002)。・外科治療による両眼複視と関連している斜視で最も頻度が高かったのは、上斜視(GDD症例10/11例、線維柱帯切除術症例2/2)であった。・単眼複視の頻度は、GDD、線維柱帯切除術および薬物治療で同程度であった(それぞれ2/47[4%]、4/61[7%]、4/87[5%])。・外科治療に起因しない両眼複視の頻度は、GDD、線維柱帯切除術および薬物治療で同程度であった(3/47[6%]、5/61[8%]と10/87[11%])。

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テストステロン療法によるVTE、6ヵ月以内が高リスク/BMJ

 テストステロン療法は静脈血栓塞栓症(VTE)のリスク増加と関連しており、投与開始6ヵ月以内が高く(ピークは3ヵ月)、その後は漸減することが、ドイツ・Statistics and Informatics GmbHのCarlos Martinez氏らによる症例対照研究の結果、明らかとなった。この関連は、既知のVTEリスク因子を有していない症例で最も高かった。男性へのテストステロン療法は、主に性機能障害や活力減退に対する治療として2010年以降に増えている。テストステロン療法とVTEリスクとの関連性は、これまで一貫した結果が得られていなかったが、VTEリスクへのテストステロン療法の時間的影響は調査されていなかった。著者は、「先行研究では、テストステロン療法のタイミングと継続期間を見落としていたため、テストステロン療法と心血管イベントとの関連が見いだされなかった」とまとめている。BMJ誌2016年11月30日号掲載の報告。VTE患者約2万例、対照約91万例のデータを解析 研究グループは、英国プライマリケアのデータベースである臨床診療研究データリンク(Clinical Practice Research Datalink:CPRD)を用い、2001年1月~2013年5月の間に、VTE(深部静脈血栓症と肺塞栓症)と確定診断された患者1万9,215例、ならびにVTE患者と年齢・VTEリスク・既往歴等をマッチさせた対照90万9,530例を特定した。 それぞれテストステロン療法に関して、VTE発症日前2年間投与されていない未治療群、発症日が投与中であった治療群(投与開始後6ヵ月以内、6ヵ月超)、発症日前2年以内に投与歴のある既治療群の3群に層別し、テストステロン療法とVTE発症との関連について条件付きロジスティック回帰分析にて、併存疾患とマッチング因子を補正したVTE罹患率比を算出した。VTEリスクはテストステロン開始後6ヵ月以内で1.6倍 1,210万人年の追跡において、VTE罹患率は15.8/万人年(95%信頼区間[CI]:15.6~16.0)であった。 未治療群に対する治療群の補正後VTE罹患率比は、治療群全体では1.25(95%CI:0.94~1.66)であったが、テストステロン投与開始後6ヵ月以内の症例群では1.63(1.12~2.37)であり、テストステロン療法によるVTEリスクの増加が認められた。これは、VTE罹患率にするとベース罹患率より10.0/万人年(95%CI:1.9~21.6)増加に相当する。一方、投与開始後6ヵ月超の症例群の補正後VTE罹患率比は1.00(95%CI:0.68~1.47)、既治療群は0.68(95%CI:0.43~1.07)であった。 補正後VTE罹患率比の時間的推移(時間関数)を検討したところ、テストステロン投与開始後急速に増加し、約3ヵ月でピークに達した後、漸減して約2年でベースラインに復した。 テストステロン投与開始後6ヵ月以内の補正後VTE罹患率比の増加は、コホート全体のみならず、病理学的に診断された原発性または続発性性腺機能低下症の有無、あるいはVTEリスク因子の有無にかかわらず認められた。具体的な同比は、性腺機能低下症あり群1.52(95%CI:0.94~2.46)、性腺機能低下症なし群1.88(95%CI:1.02~3.45)、VTEリスク因子あり群1.41(95%CI:0.82~2.41)、VTEリスク因子なし群1.91(95%CI:1.13~3.23)であった。

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オシメルチニブ、T790M変異陽性NSCLCのPFSを有意に延長/NEJM

 オシメルチニブ(商品名:タグリッソ)は、EGFRチロシンキナーゼ(TKI)阻害薬による1次治療で病勢進行したEGFR T790M変異陽性進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者(中枢神経系転移例も含む)において、標準治療であるプラチナ製剤+ペメトレキセド併用療法より臨床効果が有意に優れることが認められた。香港・Prince of Wales HospitalのTony S. Mok氏らが、国際非盲検無作為化第III相臨床試験(AURA3試験)の結果を報告した。オシメルチニブは、EGFR-TKI感受性およびT790M耐性変異を有するNSCLCに対する選択的EGFR-TKIで、プラチナ製剤+ペメトレキセド併用療法と比較したオシメルチニブの有効性は知られていなかった。NEJM誌オンライン版2016年12月6日号掲載の報告。約400例で有効性を比較 研究グループは、EGFR-TKIによる1次治療後に病勢進行した局所進行または転移性EGFR T790M陽性進行NSCLC患者419例を、オシメルチニブ群(80mg1日1回経口投与)と、プラチナ製剤+ペメトレキセド群に2対1の割合で割り付けた。後者のレジメンは具体的に、ペメトレキセド500mg/m2+カルボプラチン(AUC5)またはシスプラチン(75mg/m2)を3週間ごとに最大6サイクルで、ペメトレキセドの維持療法可とした。 主要評価項目は、試験担当医の評価による無増悪生存期間(PFS)であった。オシメルチニブ群でPFSが約6ヵ月延長 PFS中央値は、オシメルチニブ群10.1ヵ月、プラチナ製剤+ペメトレキセド群4.4ヵ月であり、オシメルチニブ群で有意に延長した(ハザード比[HR]:0.30、95%信頼区間[CI]:0.23~0.41、p<0.001)。奏効率(ORR)も、オシメルチニブ群71%(95%CI:65~76)、プラチナ製剤+ペメトレキセド群31%(95%CI:24~40)で、オシメルチニブ群が有意に高かった(オッズ比:5.39、95%CI:3.47~8.48、p<0.001)。 中枢神経系に転移を認める144例においても、無増悪生存期間はオシメルチニブ群でプラチナ製剤+ペメトレキセド群より延長した(中央値8.5ヵ月 vs.4.2ヵ月、HR:0.32、95%CI:0.21~0.49)。 Grade3以上の有害事象の発現頻度は、オシメルチニブ群(23%)がプラチナ製剤+ペメトレキセド群(47%)より低かった。投与中止に至った有害事象も、オシメルチニブ群が少なかった(7% vs.10%)。

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第57回日本肺学会、福岡で開催

 第57回日本肺学会学術集会が、2016年12月19日~21日まで福岡市の福岡国際会議場、福岡サンパレス、福岡国際センターを会場として開催される。 学術集会の会長である九州大学大学院付属胸部疾患研究施設 教授 中西洋一氏は、第13回肺がん医療向上委員会にて当学術集会のハイライトを紹介。今回のテーマは「Innovation for the Next Stage- 肺にかかわるすべての人のために-」とし、学術の振興と国際化、チーム医療プログラムの充実、患者・家族向けプログラムの3点をポイントとした。演題数も1,500以上と過去最多で、シンポジウム18セッション、ワークショップ3セッション、教育演題18講演が予定され、Patient Advocate Programも用意されている。 12月20日のプレナリーセッションでは、プラチナ既治療非小細胞肺がんへのS-1とドセタキセルの比較第III相試験(EAST-LC)、T790M陽性の非小細胞肺がんでのオシメルチニブと化学療法の比較試験(AURA3)が発表され、同日のアンコールセッションでは、IB-IIIA期非小細胞肺がんの術後補助化学療法比較第III相試験(SLCG0401)、ALK陽性肺がんに対するアレクチニブとクリゾチニブの比較第III相試験(J-ALEX)、PD-L1高発現未治療非小細胞肺がんにおけるペムブロリズマブの第III相試験(KEYNOTE-024)の結果がレビューされる。 国際化の流れを受け、世界の肺診療をリードする海外演者26名を招聘。12月19日のシンポジウム2 「ALK戦線異常あり」ではAlice T. Shaw氏が、12月21日のシンポジウム17「トランスレーショナルリサーチ」では、Chung-Ming Tsai氏と現世界肺学会会長のDavid Carbone氏が、同日の招請講演では前世界肺学会会長のTony S. K. Mok氏が登壇する。 また、ニボルマブの薬価問題を受け、12月20日の特別企画「医療費とガイドライン」、同日の学術委員会シンポジウム「医療経済から観た適切な肺がん治療」が開催される。第57回日本肺学会学術集会のホームページはこちら

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