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第1回 起こりがちな患者との思いの“ズレ”【患者コミュニケーション塾】

「録音していいですか?」と聞く患者の真意とは!今回から連載コラム「患者コミュニケーション塾」を執筆することになりました認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOMLの山口育子と申します。これまでに経験してきた全国の患者さんからの相談内容を踏まえて、患者さんと医療者がよりよい関係を構築していくためのヒントとなるようなさまざまな事例を紹介してまいります。どのような場合でも、立場が違えば同じ事柄でも捉え方が異なりがちです。とくに医療現場では患者と医師の思いのズレが起こりやすいと感じています。最近、病院の院内研修会での講演に招かれた際、医師からよく受ける質問として「患者さんに説明しようとしたら、『録音していいですか?』と言う人が増えてきました。これは認めないといけないと思いますか?」という内容があります。「説明内容を録音されると証拠を取られているようで、話に制約がかかる」、「揚げ足を取られないように非常に気を遣う」と医師の方々は言います。私もこれまで患者さんから電話相談を受けるなかで、相談終了時になって「今の相談のやりとりを録音していたのですが、家族に聞かせていいですか?」と言われたことが何度かあります。最初に「録音していいですか?」と言い出しにくいために、終了間際に言ったのだろうと頭では理解できるものの、正直なところ「後から言われてもなぁ…」という気持ちは生じますので、医師の方々が抵抗を覚える気持ちもわかります。でも、まだ「言ってくださるだけありがたい」と考え、今ではどの相談でも録音されていることを気持ちの上では前提にして対応するようにしています。患者が録音したい理由は「証拠を取るため」ではないところが、患者側にしてみると、録音したい理由は必ずしも「証拠を取るため」ではないのです。電話相談で「医師の説明を録音してもいいでしょうか?」と聞かれることがあります。その際、理由を問うと、ほとんどの場合「1回聞いただけでは理解できないので、何度も聞き直したい」「説明の場に同席できない家族に同じ内容の説明を聞かせたい」ということなのです。おそらく、証拠を取りたくて録音する人は、胸のポケットなどにICレコーダーやスマートフォンをしのばせてこっそり録音するでしょう。最近の機器は性能が良いので、机上に置かなくても小さな音声まで拾ってくれます。そう考えると、あらかじめ録音の是非を問う人は、何らかの理由があるはずなのです。そのため、患者が録音を希望した際には、「何のためですか?」と確認していただくと、このようなズレが生じることもなくなるのではないかと思います。かつて大きな誤解があった「セカンドオピニオン」も今や当たり前に最近では患者、医師共に随分抵抗がなくなってきたセカンドオピニオンに関しても、思いのズレがありました。患者が「セカンドオピニオンを求めたい」と望むと、かつては「この患者は私に不信感を抱いているのか」と受け止める医師が少なからずいました。でも、患者としては治療を受ける大きな決断をするときに、もう1人専門家の意見を聞いて「確認したい」というのが本音です。今では、セカンドオピニオンは患者の当然の権利と考える医師や、「セカンドオピニオンを受けてもらったほうが私への信頼を厚くして戻って来る」と言う医師まで登場しました。もちろん、時代の変化が後押ししている部分は大きいでしょう。でも、患者の要求や行動の理由を理解することができれば、物事は前向きに捉えられるのだと思います。どのようなときに思いのズレが生じるのか、患者と医師がもう一歩踏み込んだコミュニケーションを取ることによって、お互いの本音が出し合え、お互いの理解につながると思います。

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世界のてんかん研究を解析、有病率に影響を与える要因は

 世界のてんかん有病率および発症率に関する集団ベースのコホート研究をレビューし、推定値間の異質性を明らかにする因子分析を行うため、カナダ・O'Brien Institute for Public HealthのKirsten M Fiest氏らは、メタアナリシスを行った。Neurology誌2016年1月号の報告。 システマティックレビューおよびメタアナリシスのための優先的報告項目に準じて行った。1985年以降のてんかん有病率または発症率に関する研究を、MEDLINE、EMBASEより検索した。アブストラクト、フルテキストレビュー、データ抽出を繰り返し行った。有病率または発症率、年齢層、性別、国の収入レベル、研究の質との関連項目を、メタアナリシスとメタ回帰分析を用い評価した。 主な結果は以下のとおり。・222件(有病率:197件、発症率:48件)の研究が抽出された。・活動性てんかんの有病率は6.38/1,000人(95%CI:5.57~7.30)、生涯有病率は7.60/1,000人(95%CI:6.17~9.38)であった。・てんかんの年間累積発症率は、67.77/10万人(95%CI:56.69~81.03)、発症率は61.44/10万人(95%CI:50.75~74.38)であった。・てんかんの有病率は、年齢層、性別、研究の質による影響を受けなかった。・年間有病率、生涯有病率、てんかん発症率は、中低所得国で低かった。・原因不明のてんかんおよびてんかん全般発作を有する患者の有病率が最も高かった。 著者らは「本検討において、発症率や年齢層別化に関する研究の不足が確認された」とし、「今後のてんかんの疫学研究において、標準化された報告が必要である」としている。関連医療ニュース 医学の進歩はてんかん発症を予防できるようになったのか 成人ADHD、世界の調査結果発表 認知症の世界的トレンドはどうなっているか

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重症下肢虚血に対する足首以下への血行再建の効果は?

 重症下肢虚血(CLI)は予後は悪く、保存的療法後1年の大切断は73~95%という報告がある。CLIの救肢において、バイパス手術および血管内治療(EVT)による動脈血行再建は重要である。バイパス手術は、救肢率、創傷治癒率共に高いものの、その侵襲性から適応となる患者は多くない。そのような中、侵襲性の低さとバイパス手術に匹敵する救肢率からEVTが注目され始めている。一方、CLIでは足首以下の病変の合併が多く、この足首以下の病変の存在は、創傷治癒率を低下させ、創傷治癒遅延(DH)をもたらすことが明らかになっている。EVTによる足首以下の病変への補助的な血行再建(PAA)は、創傷治癒を改善させる可能性があり、有効性を示す単施設の研究も報告されている。しかしながら、EVTの創傷治癒率は高いとはいえない。そこで、多施設によるPAAの効果を評価するため、RENDEZVOUS(Retrospective Analysis for the Clinical Impact of Pedal Artery Revascularization Strategy for Patients With Critical Limb Ischemia) レジストリ研究が宮崎市郡医師会病院 仲間達也氏らにより行われ、JACC Cardiovascular Interventions誌で報告された。 RENDEZVOUSレジストリでは、国内の経験豊富な循環器センター5施設でEVTを施行した、膝下動脈と足首以下に病変を有する新規CLI患者257例(257肢)が、PAA施行群140例と非施行群117例の2群に分類され、後ろ向きに評価された。主要評価項目は、1年後の創傷治癒率と創傷治癒までの時間。副次的有効性評価項目は、救肢率、大切断回避生存率、再血行再建回避率。副次的安全性評価項目は、PAA成功率、手技関連合併症であった。また、創傷治癒遅延の独立危険因子を多変量解析で求め、危険因子の数から創傷治癒遅延スコア(DHスコア)を規定。DHスコア(危険因子数)0を低リスク、DHスコア1~2を中等度リスク、DHスコア3を高リスクに層別化し、各リスク群でのPAAによる1年後の創傷治癒率を評価した。PAA追加の基本的な適応は、1)標的血管血行再建後の血流が確認されない、2)足動脈のランオフ不良によるimpaired flow現象、3)広範囲な創傷、救肢と創傷治癒のために大量の血液供給が必要になる感染、とした。 主な結果は以下のとおり。・患者の平均年齢は73.2歳、男性が68.1%、51.4%が自立歩行不能、62.3%が透析患者、77.8%の患肢がRutherford分類5であった。・全体の救肢率は88.5%、大切断回避生存率は73.5%、創傷治癒率は49.5%であった。・主要評価項目である創傷治癒率は、PAA群57.5%、非PAA群37.3%とPAA群で有意に高かった(p=0.003)。・同じく主要評価項目の創傷治癒までの時間は、PAA群211日、非PAA群365日とPAA群で有意に短かった(p=0.008)。・副次的安全性評価項目であるPAA手技の成功率は88.6%、手技関連合併症は17例(6.6%)。PAA群と非PAA群で差はみられなかった。・副次的有効性評価項目はいずれも両群間で差はみられなかった。・DHの危険因子は、歩行不能、創傷の深さ(UTグレード2以下)、透析であった。・低リスク群の創傷治癒率は、PAA群93.3%、非PAA群69.2%とPAA群で高かったが、統計学的有意には至らなかった(p=0.184)。・中等度リスク群の創傷治癒率は、PAA群59.3%、非PAA群33.9%とPAA群で有意に高かった(p=0.001)。・高リスク群の創傷治癒率は、PAA群29.4%、非PAA群35.7%と、PAAによる創傷治癒への影響はみられなかった(p=0.477)。 PAAによる介入は、救肢率や大切断回避生存率、再血行再建回避率には影響を及ぼさなかったものの、創傷治癒に関連するアウトカムには重要な影響を及ぼした。また、PAAの介入は、創傷治癒遅延中等度リスク群でとくに有効であった。当研究は後ろ向き非無作為化研究であったが、今後はさらに前向きの無作為化研究の実施が望まれる。(ケアネット 細田 雅之)原著および論説はこちらNakama T, et al. JACC Cardiovasc Interv. 2017;10:79-90.Mustapha JA,et al. JACC Cardiovasc Interv. 2017;10:91-93.関連コンテンツ【CVフロントライン】CLIの創傷治癒を改善した足首以下の血行再建「RENDEZVOUSレジストリ」

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脳室内出血の血腫洗浄、アルテプラーゼ vs.生理食塩水/Lancet

 脳室内出血に対し、脳室ドレーンを介したアルテプラーゼ注入による血腫洗浄を行っても、生理食塩水での洗浄と比較して機能の改善は認められなかった。米国・ジョンズ・ホプキンス大学のDaniel F Hanley氏らが、世界73施設で実施した無作為化二重盲検プラセボ対照第III相試験CLEAR IIIの結果を報告した。脳室内出血は、死亡率が50%を超え、機能転帰が良好な生存者は20%足らずと報告されているが、これまでメタ解析などで血腫の除去が閉塞性水頭症の軽減や神経毒性の減少をもたらし生存率や機能転帰を改善することが示唆されていた。今回の検討では、脳室ドレーンを介したアルテプラーゼ注入の安全性は確認されたことから、著者は「今後、アルテプラーゼにより迅速かつ完全に脳室内の血腫を除去し得るよう外科的カテーテル留置法を改良し、機能回復について検討する必要がある」とまとめている。Lancet誌オンライン版2017年1月9日号掲載の報告。500例で、アルテプラーゼ vs.生理食塩水投与で機能改善を比較 CLEAR III(Clot Lysis:Evaluating Accelerated Resolution of Intraventricular Hemorrhage Phase III)は、出血量が30mL未満の非外傷性脳出血患者で、集中治療室にて状態が安定しており、脳室内出血により第3または第4脳室が閉塞し脳室ドレーンを留置した患者を対象に行われた。被験者を、アルテプラーゼ群(脳室ドレーンを介して8時間間隔でアルテプラーゼ1mgを最大12回注入)、またはプラセボ群(0.9%生理食塩水を同様に注入)に1対1の割合で無作為に割り付け、投与期間中24時間ごとにCTを撮影した。 主要有効性アウトカムは、良好な機能アウトカム(180日時点の修正ランキンスケール[mRS]が3点以下)とした。 2009年9月18日~2015年1月13日の間に500例が無作為化され、アルテプラーゼ群で249例中246例、プラセボ群で251例中245例が解析対象となった。アルテプラーゼ脳室内投与は安全であったが、機能改善効果は示されず 良好な機能アウトカムを示した患者の割合は、両群で同程度であった(アルテプラーゼ群48% vs.プラセボ群45%、リスク比[RR]:1.06、95%信頼区間[CI]:0.88~1.28、p=0.554)。脳室内出血量と視床出血で補正後の両群差は3.5%で有意差はなかった(RR:1.08、95%CI:0.90~1.29、p=0.420)。 180日時点の致死率は、アルテプラーゼ群のほうが有意に低かったが(18% vs.29%、ハザード比:0.60、95%CI:0.41~0.86、p=0.006)、mRS 5点(寝たきりなどの重度障害)の割合も有意に多かった(17% vs.9%、RR:1.99、95%CI:1.22~3.26、p=0.007)。脳室炎(7% vs.12%、RR:0.55、95%CI:0.31~0.97、p=0.048)や重篤な有害事象(46% vs.60%、RR:0.76、95%CI:0.64~0.90、p=0.002)は、アルテプラーゼ群のほうが出現頻度は低かったが、症候性出血の割合は同程度であった(2% vs.2%、RR:1.21、95%CI:0.37~3.91、p=0.771)。

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前糖尿病スクリーニング、HbA1c・空腹時血糖値は有効か/BMJ

 2型糖尿病に進行するリスクが高い前糖尿病状態のスクリーニングとして、HbA1cは感度も特異度もどちらも不十分であり、空腹時血糖値は特異度が高いものの感度が低いことが示された。英国・オックスフォード大学のEleanor Barry氏らが、前糖尿病状態のスクリーニングと介入に関するシステマティックレビューとメタ解析の結果、明らかにした。前糖尿病患者を対象とした試験で、生活習慣病の評価やメトホルミンが2型糖尿病の発症を遅延または予防する可能性が示唆されていたが、前糖尿病状態をどう定義し検出するのが最も良いかについて統一した見解はこれまでなかった。著者は、「スクリーニングは不確かであり、不必要な予防的介入を受ける患者や、逆に必要であるにもかかわらず介入を受けていない患者が多くいるかもしれない」と指摘した上で、「早期発見・早期治療の方針は、糖尿病のハイリスク者すべてに有効というわけではなく、この方針だけでは2型糖尿病の世界的流行に実質的な影響はないだろう」とまとめている。BMJ誌2017年1月4日号掲載の報告。スクリーニングの診断精度と予防的介入の有効性をメタ解析で検証 研究グループは、Medline、PreMedline、Embaseを用い、前糖尿病状態の診断精度(耐糖能異常、空腹時血糖異常、HbA1c高値)を評価した実証的研究、ならびにスクリーニングで特定された集団で介入群と対照群を比較した研究(無作為化試験や介入試験)について、言語は制限せず検索するとともに、研究プロトコルおよび影響力が大きな論文についてはGoogle Scholarで引用追跡を行って試験の詳細と追加論文を調査し、システマティックレビューを行った。 2,874報(titles)が精査され、138試験(計148論文)が本レビューに組み込まれた。メタ解析は、前糖尿病状態を特定するスクリーニングの診断精度の検討、ならびに生活習慣改善とメトホルミン療法による2型糖尿病発症の相対リスクの検討の2部構成とし、スクリーニングに関する研究49件および介入試験50件が最終解析の対象となった。HbA1cは感度・特異度とも低く、空腹時血糖値は感度が低い 前糖尿病状態のスクリーニングに関しては、それぞれの研究で異なるカットオフ値を使用していたが、HbA1cの感度は0.49(95%信頼区間[CI]:0.40~0.58)、特異度は0.79(95%CI:0.73~0.84)、空腹時血糖値の感度は0.25(95%CI:0.19~0.32)、特異度は0.94(95%CI:0.92~0.96)であった。スクリーニング法の違いによって、特定される部分集団が異なった。例えば、HbA1cで前糖尿病状態と診断された人の47%は、空腹時血糖や耐糖能の評価では正常であった。 2型糖尿病の発症リスクについては、6ヵ月~6年間の追跡調査で生活習慣への介入により相対リスクが36%(95%CI:28~43%)低下し、追跡調査後には20%(95%CI:8~31%)となった。

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続・思わぬ解釈【Dr. 中島の 新・徒然草】(153)

百五十三の段 続・思わぬ解釈前回は、頭部外傷後に思わぬ才能が開花した患者さんの話を書きました。すなわち、事故の前に比べて作詞がうまくなったばかりか、他人の歌詞にも深く感動するようになり、おまけに写真撮影の構図が良くなったということでした。せっかくなので、事故前後に撮影した写真を見せてもらいました。風景とか食べ物の写真が主だったのですが、確かに変化があります。事故前は上から全体を撮ったものが多く、説明的と言ったらいいのでしょうか、平面的な写真です。事故後は斜め上から撮影し、立体感があります。もっと端的に言えば、見る人に「食べたい!」と思わせる写真でした。一緒に診察室にやって来た奥さんによると、事故の後には、内容はともかくとして文章を書くのが明らかに速くなったそうです。文章がうまくなったと聞くと、ついわれわれは面白いか否かという質的なことを考えがちですが、書くのが速くなったというのも立派な向上だと私は思います。後は、せっかく開花した才能を温存するとともに、カッとなる性格を穏やかにして、社会人としてうまくやってもらわなくてはなりません。多くの頭部外傷後高次脳機能障害の患者さんに共通することですが、理不尽な事に対して必要以上に腹が立つそうです。たとえば自転車が接触したとか、列の前に割り込まれたとか、電車内で携帯通話しているとか、そんな些細なことに対していちいち腹が立つのだとか。普通の人だったら「腹を立てるだけ損」で済ませるところ、高次脳機能障害の人は咄嗟に損得勘定ができないのかもしれません。このような症状には、抗痙攣薬で対処を試みているところです。頭部外傷にはしばしば痙攣発作が伴い、本人も周囲もそれに気付いていない可能性があるからです。抗痙攣薬を服用するようになってから怒りがいつまでも続かなくなったと御本人も言っておられるので、効果が期待できるのかもしれません。脳の働きの奥深さに感心しながら診療をするのも、医学の面白さですね。最後に1句あれこれと 理屈を考え 試したら脳の不思議に びっくり仰天あれこれと 理屈を考え 試したら脳の不思議に びっくり仰天★蛇足★マンガ「ゴルゴ13」の主人公は、時々右腕が痺れて困っています。ストーリーの中ではギラン・バレー症候群などと診断されていますが、わたしは外傷性てんかんによる単純部分発作ではないかという気がします。治療的診断として抗痙攣薬を処方してみたらどうなるか、興味のあるところです。読者の皆様はどう思われますか?

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日本人自閉スペクトラム症に対するアリピプラゾールの効果は

 自閉スペクトラム症を有する小児および青年(6~17歳)における易刺激性の治療に対するアリピプラゾールの有効性、安全性を評価するため、東京都立小児総合医療センターの市川 宏伸氏らは、8週間のプラセボ対照無作為化二重盲検試験を行った。Child psychiatry and human development誌オンライン版2016年12月21日号の報告。 対象患者には、フレキシブルドーズのアリピプラゾール(1~15mg/日)またはプラセボを投与した。対象患者92例は、アリピプラゾール群47例とプラセボ群45例にランダムに割り付けられた。親/介護者による異常行動チェックリスト日本語版(Aberrant Behavior Checklist Japanese Version :ABC-J)の易刺激性サブスケールスコアを用いて評価を行った。 主な結果は以下のとおり。・アリピプラゾール群の平均ABC-Jスコアは、第3~8週にかけて、プラセボ群と比較し有意に改善した。・アリピプラゾール群の平均医師CGI-Iスコアは、第2~8週にかけて、プラセボ群と比較し有意に高い改善効果を示した。・アリピプラゾール群のすべての患者が試験を完了し、重篤な有害事象は報告されなかった。・プラセボ群では、3例が中止した。 著者らは「日本人小児および青年の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性の治療に対するアリピプラゾール投与は、効果的かつ一般的に安全で忍容性が良好である」としている。関連医療ニュース 自閉症とADHD症状併発患者に対する非定型抗精神病薬の比較 自閉症、広汎性発達障害の興奮性に非定型抗精神病薬使用は有用か 成人発症精神疾患の背景に自閉スペクトラム症が関連

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硬水と乳児アトピー性皮膚炎リスク増大の関連を確認

 アトピー性皮膚炎は、家庭用水の硬度が高い地域、および秋~冬に生まれた小児に多くみられるようだが、相乗作用があるかどうかはわかっていない。デンマーク・コペンハーゲン大学のKristiane Aa Engebretsen氏らは、大規模出生コホートを用いた研究を行い、生後早期の硬水への曝露ならびに秋~冬の出生は、生後18ヵ月以内におけるアトピー性皮膚炎の相対有病率の増加と関連していることを明らかにした。家庭用水の硬度と出生季節の間に相乗作用はなかったが、硬水とアトピー性皮膚炎との間には用量反応関係が観察されたという。Journal of Allergy and Clinical Immunology誌オンライン版2016年12月22日号掲載の報告。 研究グループは、デンマークにおける全国出生コホートの小児5万2,950例を対象に、アトピー性皮膚炎の既往(医師による診断)と人口統計学的特性について聞き取り調査を行うとともに、市民登録システムから出生データを、デンマーク・グリーンランド地質調査所から家庭用水の硬度に関するデータを入手し、log線形二項回帰モデルを用いてアトピー性皮膚炎の相対有病率を算出した。 主な結果は以下のとおり。・アトピー性皮膚炎の有病率は、15.0%(7,942/5万2,950例)であった。・アトピー性皮膚炎の相対有病率(RP)は、家庭用水の硬度(範囲:6.60~35.90 deg.dH[118~641mg/L])が5度増大するごとに、5%(RPtrend:1.05、95%信頼区間[CI]:1.03~1.07)高くなった。・アトピー性皮膚炎の相対有病率は、秋(RP:1.24、95%CI:1.17~1.31)または冬(RP:1.18、95%CI:1.11~1.25)の出生児で高かったが、家庭用水の硬度との有意な相互作用は観察されなかった。・アトピー性皮膚炎に対する硬水の人口寄与危険度は2%であった。

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四半世紀で成人の収縮期血圧が上昇、心血管死も増加/JAMA

 2015年において、収縮期血圧(SBP)値が110~115mmHg以上の成人は世界で約35億人、140mmHg以上の成人は8億7,400万人に上ることを、米国・ワシントン大学のMohammad H.Forouzanfar氏らが、世界154ヵ国からの844試験を基に分析を行い明らかにした。SBP値が110~115mmHg以上の人の割合は、1990~2015年にかけて、10万人当たり約7万3,000人から約8万1,000人へと大幅に増加し、SBP高値に起因する虚血性心疾患や出血性脳卒中などの死亡率も増大したという。JAMA誌2017年1月10日号掲載の報告より。SBP増加とその関連死などを検証 研究グループは、1980~2015年に発表された154ヵ国からの844試験(被験者総数869万人)を基に、時空間ガウス過程回帰法にて、1990~2015年の世界195ヵ国におけるSBP値の推定分布や、SBP値と死亡・障害の関連などについて検証した。 主要アウトカムは平均SBP値、疾患別死亡、SBP値(110~115mmHg以上、140mmHg以上)に関連した健康負担で、年齢、性別、国、調査年別に調べた。 主要分析には、SBP高値と関連することが明らかな死亡原因(虚血性心疾患、虚血性、出血性脳卒中など)が含まれた。SBP上昇による死因の筆頭は虚血性心疾患、次いで出血性脳卒中 その結果、1990~2015年にかけてSBP値が110~115mmHg以上の人の割合は、10万人中7万3,119人(95%不確定区間[UI]:6万7,949~7万8,241)から8万1,373人(7万6,814~8万5,770)に増加した。また、140mmHg以上の人の割合は、10万人中1万7,307人(1万7,117~1万7,492)から2万526人(2万283~2万746)に増加した。 SBP値110~115mmHg以上における年間死亡率は、10万人中135.6人(95%UI:122.4~148.1)から145.2人(130.3~159.9)に増加し、140mmHg以上は同97.9人(87.5~108.1)から106.3人(94.6~118.1)に増加した。 SBP値が110~115mmHg以上により減少した障害調整生存年数(DALY)は、1990年の1億4,800万年(95%UI:1億3,400万~1億6,200万)から2015年の2億1,100万年(1億9,300万~2億3,100万)に、140mmHg以上では520万年(460万~570万)から780万年(700万~870万)に増加した。 SBP関連死亡で最も多かったのは、虚血性心疾患(490万人)で人口寄与割合は54.5%を占め、続いて出血性脳卒中(200万人)で58.3%、次いで虚血性脳卒中(150万人)で50.0%だった。 2015年のSBP値110~115mmHg以上と関連したDALYの50%超を、中国、インド、ロシア、インドネシア、米国で占めると推定された。 これらの結果を踏まえて著者は、「今回のサンプルベースの結果は、2015年において、約35億人の成人がSBP値110~115mmHg以上であり、8億7,400万人の成人が同140mmHg以上であると推定されることが示された」とまとめている。

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幹線道路の近くに住む人は認知症リスクが高い/Lancet

 幹線道路から<50mに住む人は、300m超離れた場所に住む人に比べ、認知症発症リスクが高く、幹線道路から離れるにつれて、同リスクの増加幅は有意に減少することが示された。一方、そうした関連は、パーキンソン病、多発性硬化症はみられなかったという。カナダ・Public Health OntarioのHong Chen氏らが住民ベースのコホート試験の結果、明らかにしたもので、Lancet誌オンライン版2017年1月4日号で発表した。認知症、多発性硬化症、パーキンソン病について関連を検証 研究グループは、2001年4月時点でカナダ・オンタリオ州に居住する20~50歳(被験者数約440万人、多発性硬化症コホート)と55~85歳(被験者数220万人、認知症・パーキンソン病コホート)の2つの住民ベースコホートを対象に試験を行った。被験者はいずれもカナダで生まれ、オンタリオ州に5年以上住む人で、ベースラインで多発性硬化症、認知症、パーキンソン病といった神経性疾患を発症していない人だった。 被験者について、郵便番号を基に試験開始5年前の1996年時点で、幹線道路にどれほど近接して居住していたかを調べた。多発性硬化症、認知症、パーキンソン病の発症については、地域の医療管理データで確認した。 幹線道路への近接居住とこれら疾患の罹患率との関連について、Cox比例ハザードモデルを用いて分析した。なお、糖尿病、脳損傷、居住地域の所得などについて補正を行った。大都市在住の幹線道路から<50m内居住、認知症リスクは1.12倍に その結果、2001~12年に各疾患を発症した人は認知症が24万3,611人、パーキンソン病は3万1,577人、多発性硬化症は9,247人だった。 幹線道路への近接居住との関連性は、パーキンソン病、多発性硬化症については認められなかった。 認知症発症については、幹線道路から<50m内に住む人の、同発症に関する補正後ハザード比は、300m超離れた場所に住む人に対して、1.07(95%信頼区間[CI]:1.06~1.08)、50~100mでは1.04(同:1.02~1.05)、101~200mでは1.02(同:1.01~1.03)、201~300mでは1.00(同:0.99~1.01)と有意な関連が認められた(傾向p=0.0349)。 なかでも、幹線道路近接居住と認知症発症について、大都市在住(幹線道路から50m内に住む人のハザード比:1.12、同:1.10~1.14)と、引っ越し経験なし(同ハザード比:1.12、同:1.10~1.14)で強い関連が認められた。

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食生活の改善は医薬品開発よりも効率的に健康寿命を延ばせることがわかった(解説:折笠 秀樹 氏)-635

 政府による塩分摂取削減政策の費用対効果は非常に高いことが示された。どういった政策かというと、食品関連企業と塩分削減の約束をすること、その実行状況を政府がモニタリング(監視)すること、そして国民への健康教育をするといった政策である。こうした政策を10年間持続することによって、10%の塩分摂取削減を目標とする。 塩分摂取削減政策により、障害調整生存年数(DALY=Disability adjusted life year)を1年延ばすのに、調査した183ヵ国の平均で204USドル(約2万3,000円)必要との結果であった。障害調整生存年数とは障害がない状態での寿命のことなので、平易にいうと、健康寿命を1年延ばすのに塩分摂取削減政策は2万3,000円要したことになる。医薬品での目安としては、その国のGDPの1~3倍の範囲が妥当とされている(WHOの基準)。日本では国民1人あたりのGDPはおよそ385万円である。塩分摂取削減政策にかかる2万3,000円というのは、GDPの1%にも満たない低水準である。医薬品などと比較すると非常に安いことがわかる。2万3,000円で1年長く生きられるなら、国民もこの塩分摂取削減政策へ賛同することだろう。 塩分摂取削減政策に要する費用が国民1人あたりのGDPの1%未満になっている国には、日本のほかにも、米国、韓国、ロシア、タイなどが含まれていた。逆に、それが5%以上になっている国には、エチオピア、バングラデシュ、ナイジェリアが含まれていた。これらの国では、もともと塩分摂取量が少ないためと思われる。 食生活の改善、運動習慣の改善、喫煙など嗜好習慣の改善、こういったことの政策キャンペーンをすることは、高価な医薬品開発をするよりも非常に効率的であることが示された。もっともっと健康施策を講じるべきかと痛感させられた。参考平成26年度国民経済計算確報(フロー編)一人当たり名目GDP、名目GNI、国民所得

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統合失調症患者への抗精神病薬高用量投与、自律神経系への影響は:横浜市大

 統合失調症患者は、一般集団と比較し、異常な自律神経系(abnormal autonomic nervous system:ANS)の活性を有する。この理由の1つとして、抗精神病薬のムスカリン親和性があり、ムスカリン受容体遺伝子の一塩基多型が、ANS機能不全に影響を及ぼすといわれている。横浜市立大学のmasatoshi miyauchi氏らは、抗精神病薬が投与されている統合失調症患者のANS活性に対するコリン作動性ムスカリン性受容体(cholinergic muscarinic receptor:CHRM)遺伝子の一塩基多型の影響を検証した。Neuropsychobiology誌2016年12月7日号の報告。 対象は、日本の統合失調症患者173例。心拍変動をANS活性の指標として測定した。CHRM1(rs542269、rs2075748)、CHRM2(rs324640、rs8191992、rs1824024、rs7810473)、CHRM3(rs3738435、rs4620530、rs6429157)の一塩基多型は、TaqMan法を用いて遺伝子解析を行った。標準的なクロルプロマジン(CP)換算に従って、高CP群(1,000mg以上)と低CP群(1,000mg未満)に患者を分類し、ANS活性の群間比較を行った。患者の心拍変動のトータル、LF(low-frequency)、HF(high-frequency)、LF/HF成分、高CP群と低CP群の両方の一塩基多型遺伝子を比較した。Bonferroni補正には多重比較を適用し、臨海p値は<0.005とした。 主な結果は以下のとおり。・高CP群におけるCHRM2 rs8191992多型のAアレルは、ANS活性の低下と関連していた。 著者らは「統合失調症患者に対する抗精神病薬の高用量投与は、CHRM2 rs8191992多型と関連するANS活性の低下を示す。CHRM2多型は、統合失調症患者のANS活性に対し、重要な役割を果たす可能性がある」としている。関連医療ニュース 抗精神病薬のアジア実態調査:高用量投与は36% 抗精神病薬の高用量投与で心血管イベントリスク上昇:横浜市立大 統合失調症、維持期では用量調節すべきか:慶應義塾大

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骨転移へのゾレドロン酸の投与間隔、4週 vs.12週/JAMA

 乳がん、前立腺がんの骨転移および多発性骨髄腫の骨病変の治療において、ゾレドロン酸の12週ごとの投与は、従来の4週ごと投与に比べて骨格イベントの2年リスクを増大させないことが、米国・Helen F Grahamがんセンター・研究所のAndrew L Himelstein氏らが行ったCALGB 70604(Alliance)試験で示された。研究の成果は、JAMA誌2017年1月3日号に掲載された。第3世代ビスホスホネート製剤であるゾレドロン酸は、多発性骨髄腫や固形がん骨転移の疼痛や骨格関連事象を抑制し、忍容性も全般に良好であるが、顎骨壊死、腎毒性、低カルシウム血症などのリスク上昇が知られている。標準的な投与間隔は4週とされるが、これは経験的に定められたもので、さまざまな投与法の検討が進められているものの、至適な投与間隔は確立されていないという。間隔の長い投与法を非劣性試験で評価 CALGB 70604(Alliance)は、がん患者の骨転移の治療において、ゾレドロン酸の投与間隔を12週に延長した治療アプローチの、従来の4週間隔の投与法に対する非劣性を検証する非盲検無作為化第III相試験(米国国立がん研究所[NCI]などの助成による)。 対象は、年齢18歳以上、1つ以上の骨転移を有する転移性乳がん、転移性前立腺がん、多発性骨髄腫で、全身状態(ECOG PS)0~2の患者であった。被験者は、ゾレドロン酸を12週ごとまたは4週ごとに静脈内投与する群に無作為化に割り付けられ、2年間の治療が行われた。主要評価項目は、2年時までの1つ以上の骨格関連事象の発生とし、群間の絶対差7%を非劣性マージンとした。 骨格関連事象は、臨床的骨折(有症状患者の評価時に同定された骨折、偶発的に見つかった骨折は除外)、脊髄圧迫(画像評価を要する神経学的障害、背部痛、これら双方)、骨への放射線照射(疼痛を伴う骨病変への緩和的照射、骨折や脊髄圧迫の治療または予防のための照射など)、骨関連手術(差し迫った骨折の予防や、病的骨折および脊髄圧迫の治療を目的とする外科的手技)と定義した。 2009年5月~2012年4月に、米国の269施設に1,822例が登録され、12週投与群に911例、4週投与群にも911例が割り付けられた。骨格関連事象の2年発生率:28.6 vs.29.5% ベースラインの全体の年齢中央値は65歳、女性が53.8%(980例)を占めた。乳がんが855例、前立腺がんが689例、多発性骨髄腫は278例で、795例が試験を完遂した。 2年時までに1つ以上の骨格関連事象を経験した患者の割合は、12週投与群が28.6%(253例)、4週投与群は29.5%(260例)であった。リスク差は-0.3%(95%信頼区間[CI]:-4~∞)であり、12週投与群の4週投与群に対する非劣性が確認された(非劣性検定p<0.001)。 3つの腫とも、両群間に骨格関連事象の発生率の差はみられなかった(乳がん 群間差:-0.02、99.9%CI:-0.13~0.09、p=0.50、前立腺がん:0.02、-0.10~0.14、p=0.59、多発性骨髄腫:0.06、-0.12~0.24、p=0.14)。 疼痛スコア(簡易疼痛調査票)、PS(ECOG)、顎骨壊死の発生(12週投与群:9件[1.0%]、4週投与群:18件[2.0%]、p=0.08)、腎機能障害についても、両群間に差を認めなかった。また、骨格罹患率(骨格関連事象の年間平均発生数)は両群とも同じであった(0.4、中央値:0、IQR:0~0.5)。  骨代謝回転のマーカーであるC末端テロペプチド値(553例、2,530サンプル)は、試験期間を通じて12週投与群のほうが高かった。 著者は、「ゾレドロン酸の投与間隔を12週に延長した治療アプローチは、がん患者の骨転移の治療選択肢として許容される可能性がある」と指摘している。

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末梢動脈疾患と関連する食事~前向き研究

 食事はアテローム性動脈硬化性心血管疾患の発症に関連しているが、食物摂取量や食事パターンと末梢動脈疾患(PAD)との関係を調べた研究はほとんどない。米国ミネソタ大学のRachel P. Ogilvie氏らは、中年期の習慣的な食事とその後の約20年間のPAD発症の関係を前向きコホート研究で調査した。その結果、肉の摂取量が多いほどPADリスクが高く、適度な飲酒はPADリスクが低いことと関連していた。なお、これらの関連における因果関係の有無は不明である。The American journal of clinical nutrition誌オンライン版2017年1月11日号に掲載。 著者らは、ARIC(Atherosclerosis Risk in Communities)研究に登録された参加者においてPADを発症していなかった1万4,082人に対し、ベースライン時(1987~89年)にハーバード食物摂取頻度調査票を用いて食物摂取量を評価した。食品群や食事パターン(「健康的」および「西洋風」)について、五分位数または四分位数で分類した。PAD発症は、2012年までの2回の検査で、ABI(ankle brachial index:足関節上腕血圧比)<0.9、および退院時診断コードで判断した。分析は多変量調整Cox比例ハザード回帰を用いた。 主な結果は以下のとおり。・平均19.9年のフォローアップ期間中、1,569人がPADを発症した。・人口統計学的特徴、行動、食品群について調整したモデルで、PAD発症のハザード比(95%CI)は食肉消費量の五分位を通して増加した[第1五分位:基準、第2五分位:1.38(1.16~1.65)、第3五分位:1.38(1.16~1.65)、第4五分位:1.45(1.20~1.74)、第5五分位:1.66(1.36~2.03)、傾向のp<0.001]。・週に1~6杯飲酒した人は、飲酒しなかった人よりPAD発症リスクが低かった[0.78(0.68~0.89)]。・コーヒーを1日4杯以上飲んでいる人は、飲まない人に比べてPAD発症が少なかった[第1五分位に比した第5五分位:0.84(0.75~1.00)、傾向のp=0.014]。・他の食品群やパターンとPAD発症との関連はみられなかった。

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FITZROY試験:活動性クローン病におけるJAK1選択的阻害薬filgotinibの有用性と安全性(解説:上村 直実 氏)-634

 クローン病は原因不明の炎症性腸疾患であり、わが国の特定疾患に指定されているが、最近、抗TNF-α阻害薬の出現とともに本疾患に対する薬物治療の方針が大きく変わってきている。症状や炎症の程度によって、5-ASA製剤、ステロイド、代謝拮抗薬、抗TNF-α阻害薬および栄養療法などを段階的にステップアップする治療法から、代謝拮抗薬と抗TNF-α阻害薬を早期から使用する方法が推奨されつつある。今回、新たに、非受容体型チロシンキナーゼであるJAK1の選択的阻害薬filgotinibの有効性を検証した研究成績が報告された。 欧州9ヵ国52施設が参加して施行された第II相無作為化プラセボ対照二重盲検試験(FITZROY試験)は、18歳以上の活動性クローン病患者(クローン病活動指数[CDAI]が220~450)174例を対象として、filgotinib 200mg/日群(130例)とプラセボ群(44例)2群で検討した結果、10週間投与における活動指数150未満で示される臨床的寛解率はプラセボ群の23%に対し、filgotinib群で47%と有意に高かった(95%信頼区間:9~39、p=0.0077)。その後、filgotinibが奏効した被験者を、filgotinib 100mg/日、200mg/日、プラセボの群に分けて、さらに10週間投与して安全性を検証した結果、観察期間を含めた20週間での重篤な有害事象発現の報告は、filgotinib群9%、プラセボ群4%だった。 わが国では、日本消化器病学会によるクローン病診療ガイドラインが2011年に刊行されて、さらに2015年に潰瘍性大腸炎・クローン病診断基準・治療指針が厚労省の鈴木班から報告されているが、本邦での大規模な介入試験の成績は乏しい。今後、わが国のクローン病患者を対象として最適とされる治療方針を導く臨床研究を遂行する体制が必要と思われる。

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サン・アントニオ2016 レポート-3

レポーター紹介オランダから乳房温存手術(BCS:breast conserving surgery)後の放射線治療(以下、RT)のタイミングがおよぼす10年生存率への影響に関する報告があった。グループ1:BCS→RT→+/-CT(2,759例)<42日、 42~55 日、 >55 日、グループ2:BCS→CT→RT(1,120例)<112日、 112~140日、 >140日、に分けて検討している。グループ1(-CT)では>55 日が<42日と比較して無病生存率、無遠隔再発率共に有意に良好であり、+CTでは>55 日と42~55 日が<42日と比較して無病生存率が有意に良好であった。グループ2では再発率は>140日で有意に高かった。しかし交絡因子(年齢、グレード、転移リンパ節個数、ホルモン受容体の状況、内分泌療法の使用、他院RT施設への紹介)で調整すると、グループ1(-CT)でのみ>55 日が<42日と比較して無遠隔再発率が良好であった。結論としてRTをBCSの後にすぐに行う必要はないと述べている。過去の報告では、BCSからRTまでの期間と生存率との関連についてはcontroversialであり、早い方が良いというものもあれば、むしろ遅らせた方が生存率は高いという報告もある。現状では期間にあまりこだわりすぎず、がんの性質や術後の状況に応じて柔軟に対応するのがよいだろう。きわめて増殖率の高い一部の乳がんではどの治療も遅らせないのが賢明であろうと考える。KAMILLA研究という、すでにHER2標的薬と化学療法をしっかり受けた患者に対するT-DM1の安全性と有効性をみる第III b相試験から、脳神経系(CNS)転移の有無でのT-DM1の安全性と有効性を確認し、またCNS転移への効果を評価した結果が報告されていた。安全性と有効性に関してはあまり参考にならないが、CNS転移への効果は大変興味のあるところである。測定可能なCNS転移を持つ患者26例のうち、CRが3例、PRが24例、6ヵ月以上のSDが27例であった(CBR43%)。またCNS病変において最大径が30%以上減少したのは54例(43%)であった( CNS以外がSDまたはPDであった症例も含む)。全身の転移状況にかかわらずCNS転移の減少が4割程度にみられるというのは非常に大きな効果である。しかし、CNS転移以外がPDでCNS転移がPRであった場合の治療方針が難しいところである。通常T-DM1とペルツズマブの併用による生存率向上効果は認められていないが、このような症例には試す価値があるかもしれない。乳がんの既往を持つ女性患者におけるサーベイランスとしてのマンモグラフィと乳房MRIの効果について評価した報告があったので紹介する。米国5地域の乳がんサーベイランスコンソーシアムレジストリーからのデータで、マンモグラフィのみ33,938件、乳房MRI 2,506件であった。データはプロペンシティスコアマッチングで調整されており、無作為化比較試験に近似させたものとなっている。欠損値は5件と非常に少ないうえに補正も行われている。第2がんのリスクが最も高い女性は含まれていないようである。マンモグラフィと乳房MRIとで乳がん発見率は変わらなかったが、MRI施行例では乳房生検率が有意に高かった。このことから乳がん術後の女性に乳房MRIをルーチンに行ってもよい効果は及ぼさないようである。このデータは非常に重要だと考えている。BRCA1/2遺伝子変異保有者には年1回の乳房MRIが推奨されているが、そのような乳がん発症の大きなリスクを持っていない方には、サーベイランスとしての乳房MRIは有用性が確認されないということである。遺伝子検査をしなくても乳房MRIを希望する方を時々みかけるが、やはりリスクに基づいてサーベイランス法を決定することが大切であり、重要な個別化医療の1つである。

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境界性パーソナリティ障害の自殺リスク、ポイントは睡眠の改善か

 境界性パーソナリティ障害(BPD)患者の睡眠状態を英国・ウォーリック大学のCatherine Winsper氏らが調査した。Neuroscience and biobehavioral reviews誌オンライン版2016年12月15日号の報告。 BPD患者の客観的および主観的な睡眠特性結果を組み合わせるためのメタ解析を行った。 主な結果は以下のとおり。・1980~2105年12月までに公表された32件の研究を特定した。・メタ解析では、客観的な睡眠持続性(睡眠潜時、総睡眠時間、睡眠効率)、睡眠構築(REM潜時、REM 密度、徐波睡眠)の評価、自己報告の睡眠問題(悪夢、睡眠の質)について、BPD群と健常対照群で有意な差が示された。・所見は、うつ病および向精神薬併用と無関係であった。・BPD群と臨床コントロール(大多数がうつ病)群との間に有意な差はほとんど認められなかった。 著者らは「BPDでは、うつ病と同様の睡眠障害との関連が認められた。この睡眠障害は、うつ病併存に起因するわけではなかった。睡眠障害が、情動調節不全や自殺リスクを悪化させる可能性があるとのエビデンスが増加したことを考慮すると、BPDの治療では、睡眠問題に取り組むべきであることが明確となった。」としている。関連医療ニュース 境界性パーソナリティ障害患者の自殺行為を減少させるには 境界性パーソナリティ障害と睡眠障害は密接に関連 境界性人格障害患者の自殺予防のポイントはリハビリ

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多発性骨髄腫の1次治療、ボルテゾミブ追加で予後改善/Lancet

 新規診断多発性骨髄腫患者の治療において、プロテアソーム阻害薬(PI)と免疫調節薬(IM)を含む3剤併用療法は、従来の標準治療に比べ予後を改善し、リスクベネフィット・プロファイルも許容範囲内であることが、米国・Cedars-Sinai Samuel OschinがんセンターのBrian G M Durie氏らが実施したSWOG S0777試験で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2016年12月22日号に掲載された。米国の新規診断多発性骨髄腫の標準治療は、レナリドミド+デキサメタゾンである。PIであるボルテゾミブとIMであるレナリドミドは、異なる作用機序による相乗効果が確認され、デキサメタゾンとの3剤併用療法の第I/II相試験では、未治療の多発性骨髄腫患者において高い有効性と良好な耐用性が報告されている。ボルテゾミブの上乗せ効果を無作為化試験で評価 SWOG S0777は、自家造血幹細胞移植に同意していない未治療の多発性骨髄腫患者の治療において、標準治療へのボルテゾミブの上乗せ効果を評価する非盲検無作為化第III相試験(米国国立衛生研究所[NIH]などの助成による)。 対象は、年齢18歳以上、測定可能病変(血清遊離軽鎖の評価で測定)を有し、臓器障害(CRAB基準:高カルシウム血症、腎機能障害、貧血、骨病変)がみられ、全身状態(ECOG PS)が0~3、ヘモグロビン濃度≧9g/dL、好中球絶対数(ANC)≧1×103/mm3、血小板数≧8万/mm3の患者であった。 被験者は、初回治療としてボルテゾミブ+レナリドミド+デキサメタゾン(VRd)を投与する群またはレナリドミド+デキサメタゾン(Rd)を投与する群に無作為に割り付けられた。VRd群は8サイクル(1サイクル21日)、Rd群は6サイクル(1サイクル28日)の治療が行われた。 2008年4月~2012年2月に、139施設に525例が登録され、VRd群に264例、Rd群には261例が割り付けられた。VRd群では有効性は242例、毒性は241例、奏効は216例で、Rd群ではそれぞれ229例、226例、214例で解析が可能であった。PFS、OSが有意に改善 ベースラインの背景因子は、Rd群で女性が多く(37 vs.47%)、年齢が高かった(65歳以上の割合:38 vs.48%)が、これら以外は両群でバランスがとれていた。 主要評価項目である無増悪生存(PFS)期間中央値は、VRd群が43ヵ月であり、Rd群の30ヵ月に比べ有意に優れた(層別化ハザード比[HR]:0.712、96%信頼区間[CI]:0.56~0.906、片側検定p=0.0018)。 副次評価項目である全生存(OS)期間中央値も、VRd群が75ヵ月と、Rd群の64ヵ月に比し有意に良好であった(HR:0.709、95%CI:0.524~0.959、両側検定p=0.025)。 全奏効率(部分奏効[PR]以上)は、VRd群が81.5%(176/216例)、Rd群は71.5%(153/214例)であった(p=0.02)。このうち完全奏効(CR)以上は、それぞれ15.7%(34/216例)、8.4%(18/214例)であった。奏効期間中央値は、VRd群が52ヵ月、Rd群は38ヵ月であった(HR:0.695、両側検定p=0.0133)。 Grade 3以上の有害事象の発現率は、VRd群が82%(198/241例)、Rd群は75%(169/226例)であった。予想されたとおり、Grade 3以上の神経毒性はVRd群のほうが高頻度であった(33 vs.11%、p<0.0001)。有害事象による治療中止の割合は、VRd群が23%(55例)、Rd群は10%(22例)であった。2次原発がんは、20例に認められた(両群10例ずつ)。治療関連死は両群ともみられなかった。 著者は、「これらの知見は、3剤併用療法による1次治療の意思決定に、重要な情報をもたらす可能性がある」としている。

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降圧や脂質低下治療の無作為化試験での効果、その後どうなる?

 降圧治療および脂質低下治療において、治療中止後も長期的ベネフィットが持続することが示唆されている。今回、シドニー大学の平川 洋一郎氏らが大規模無作為化試験の系統的レビューを行ったところ、全死亡率および心血管系死亡率における降圧および脂質低下によるベネフィットは、試験後も持続しているものの減衰が認められ、治療を継続することの重要性が示された。Journal of hypertension誌オンライン版2017年1月5日号に掲載。 著者らは、降圧治療または脂質低下治療の大規模無作為化比較試験で、終了後に1年以上フォローアップされた試験を、Medline、Embase、Cochrane Central Register of Controlled Trialsを系統的に検索した。降圧治療では13試験(48,892例)、脂質降下治療では10試験(71,370例)を同定した。試験およびフォローアップ期間の平均は、それぞれ約4年と6年であった。 主な結果は以下のとおり。・血圧および脂質の値は、試験後の期間にすぐに同じになる傾向があった。・試験期間中は、降圧による全死亡率への有意なベネフィットがあり(相対リスク:0.85、95%信頼区間:0.81~0.89)、フォローアップ期間中も減衰はしたが有意なベネフィットがあった(0.91、0.87~0.94) 。・同様に、スタチンによる脂質低下は、試験期間中に全死亡率リスクを減少させ(0.88、0.81~0.95)、この効果はフォローアップ期間中も持続した(0.92、0.87~0.97)。・心血管系死亡率についても同様の結果が認められた。・降圧治療試験での全死亡率の累積した低下をみると、フォローアップ期間が5年未満の試験と比べて5年以上の試験で有意に低く、脂質低下試験でも同様の傾向が認められた。

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ドライアイ患者の主観的健康感を損ねる因子とは

 ドライアイでは、しばしば自覚症状と他覚所見の間に乖離がみられる。英国・キングス・カレッジ・ロンドンのJelle Vehof氏は、この不一致が主観的健康感の指標であることを大規模な横断研究により示した。不一致に関与する因子も明らかにされ、「その因子を認識しておくことは、日常診療においてドライアイ患者の評価に役立つ」とまとめている。Ophthalmology誌オンライン版2016年12月23日号掲載の報告。 研究グループは、オランダの3次ドライアイクリニックの患者コホートであるGroningen LOngitudinal Sicca StudY(GLOSSY)におけるドライアイ患者648例(女性82.7%、平均年齢±標準偏差55.8±15.6歳)を対象に、ドライアイの自覚症状と他覚所見の不一致に関する予測因子を検討した。 自覚症状はOcular Surface Disease Index(OSDI)質問票にて評価し、スコアに基づき0~1(合計スコアの最小値が0、最大値が1)にランク付けした。他覚所見は両眼の涙液浸透圧、シルマーテスト、涙液層破壊時間、角膜染色、結膜染色およびマイボーム腺機能不全により評価し、これら6つの検査から複合ドライアイ重症度スコアを算出後、同様にスコアに基づきランク付けした。 主要評価項目は、ドライアイの症状と所見の不一致に関与する因子(OSDIスコアランクと、ドライアイ重症度スコアのランクとの差)であった。 主な結果は以下のとおり。・他覚所見と比べ自覚症状がより強いことに有意に関連する因子は、慢性疼痛症候群の存在、アトピー性疾患、既知のアレルギー、抗ヒスタミン薬の使用(すべてのp<0.001)、うつ病(p=0.003)、変形性関節症(p=0.008)および抗うつ薬の使用(p=0.02)であった。・他覚所見と比べ自覚症状がより小さいことに関連する因子は、高齢者(p<0.001)、シェーグレン症候群(p<0.001)(原発性シェーグレン症候群:p<0.001、続発性シェーグレン症候群:p=0.08)、および移植片対宿主病(p=0.04)の存在であった。・他覚所見と比べ自覚症状がより強いことは、主観的健康感の低さ(p<0.001)と強く関連していた。

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