サイト内検索|page:1126

検索結果 合計:36084件 表示位置:22501 - 22520

22501.

出血こそが問題なのだ:減量のメリット(解説:後藤信哉氏)-775

 欧米では動脈硬化の初期症状として、冠動脈疾患が出現することが多い。アジア人では脳血管疾患が多いが、脳血管疾患は梗塞と出血の境界線が明確でないので抗血栓薬の開発は困難である。出血合併症の多い抗凝固薬が、血栓イベントの既往のない非弁膜症性心房細動に使用されているのは筆者には奇異であるが、ランダム化比較試験のエンドポイントとされた脳卒中と臨床家が恐れる心原性脳塞栓を混同させたマーケット戦略、巨大企業による徹底した情報管理の勝利であった。しかし、第III相試験にて示されたDOACによる年率3%の重篤な出血合併症は実臨床においても事実であろうから、特許切れまで企業が情報管理を継続できるか否かには疑問も残る。 一度、血栓性の心筋梗塞、脳梗塞を発症した症例の2次予防であれば、出血合併症の多いDOACにもチャンスはある。出血と梗塞の境界が微妙な脳梗塞を除いて、心筋梗塞後の症例に限局すれば、重篤な出血イベント年率0.2%、血栓イベント抑制効果25%のアスピリンの標準治療には多少抗血栓薬を追加する余地がある。心房細動例に使用する用量よりもはるかに少ない2.5mg×2/日のリバーロキサバンによる、重篤な出血の増加は年率1%であった。過去に血栓イベントの既往のない心房細動症例に使用されている、15(20)mg/日による3%に比較すればはるかに少ない。アスピリンにごく微量のリバーロキサバンを追加すれば、心房細動のときに用いるほどではないが重篤な出血が増加する。しかし、増加した出血と同じ程度の年間1%程度の血栓イベントの低下効果は期待できる。 抗Xa薬の臨床開発において、筆者は抗Xa薬には用量依存性の重篤な出血がないかもしれないと考えて各企業に協力した。第III相試験を主導している途中で、並行していた第II相試験が抗Xa薬でも用量依存性の出血を起こすことを示して、筆者の期待は急速に萎んだ。心房細動であろうと、心筋梗塞であろうと、1%の血栓イベントを予防するための用量では1%の重篤な出血合併症が、3%の血栓イベントを予防するためには3%の重篤な出血合併症が起こるDOACの価値を見いだすことは難しい。売れているから企業には危機感が少ないかもしれないが、将来に向けて出血しない薬効標的を探す努力が必要である。

22502.

欧州医薬品局もオシメルチニブのEGFR変異肺がん1次治療の適応申請を受理

 AstraZenecaは2017年11月28日、本邦に続き、欧州医薬品局が、未治療のEGFR変異陽性の局所進行または転移性非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療に対する第3世代EGFR-TKIオシメルチニブ(商品名:タグリッソ)の市販承認申請を受理したと発表した。 この市販承認申請は、上記患者において、オシメルチニブが現在の1次治療EGFR-TKIであるエルロチニブまたはゲフィチニブと比較して、有意に無増悪生存期間(PFS)を改善した第III相FLAURA試験のデータに基づくもの。■参考AstraZeneca(グローバル)プレスリリースFLAURA試験(New England Journal of Medicine)FLAURA試験(Clinical Trials.gov)■関連記事オシメルチニブ、EGFR変異肺がん1次治療の適応を国内申請/アストラゼネカオシメルチニブ、EGFR変異陽性NSCLCの1次治療でブレークスルー・セラピーに指定HR0.46、オシメルチニブが1次治療で標準治療を上回る(FLAURA)/ESMO2017

22503.

医師が選んだ"2017年の10大ニュース"! 【CareNet.com会員アンケート結果発表】

1位北朝鮮が日本上空を通過する弾道ミサイルを発射 北朝鮮が相次いでミサイルを発射し、中には日本上空を通過するものもあり、危機感が強まりました。また、2月にはマレーシアで金正男氏が殺害され、9月には核実験を実施するなど、年間を通して北朝鮮情勢から目が離せない1年となりました。日本を通過するミサイルが発射されたのは、2016年2月以来5回目。「Jアラート」という言葉が頻繁に聞かれるようになり、今後も警戒が必要な状況が続きそうです。2位将棋の藤井4段、歴代単独トップの29連勝 6月26日、将棋の史上最年少プロ棋士、14歳(当時)の藤井聡太四段がデビュー戦以来負けなしの29連勝を飾りました。「公式戦29連勝」は30年ぶりの新記録で、対局中の食事などその一挙手一投足が話題に。7月2日の佐々木勇気五段との対戦で連勝はストップしたものの、11月には中学生棋士最速で通算50勝目を達成しています。3位衆院選、野党第1党は分裂、自公が3分の2超の議席獲得 任期満了より約1年早く、9月28日に衆議院が解散、10月22日に総選挙が行われました。選挙前に野党第1党の民進党が分裂し、一部の議員は小池百合子氏が代表を務めていた希望の党に合流するなど、急きょ野党が再編される形に。結果として自民・公明の連立与党だけで改憲発議に必要な3分の2超の議席を獲得しました。一方で投票率は低迷し、戦後2番目の低さとなっています。4位座間市のアパートで9人の切断遺体発見 神奈川県座間市のアパートで10月30日、行方不明となっていた東京都八王子市の女性を含む9人の切断遺体が見つかり、この部屋に住む男が死体遺棄容疑で逮捕されました。被害者の多くは若い女性で、うち4人は10代。SNS上に書き込まれた自殺願望を利用して被害者を誘い出していたとされ、外部の目が届きにくい、SNSを悪用した犯罪防止策の必要性が浮き彫りとなりました。5位森友学園・加計学園を巡る問題 学校法人森友学園への国有地売却、学校法人加計学園の国家戦略特区での獣医学部新設に関して、安倍晋三首相や財務省の関与を巡り、いまだ国会で多くの時間を費やしています。「忖度」という言葉が流行し、マスコミの報道姿勢についても議論となりました。6位神戸製鋼、日産、スバル…「ものづくり」大企業で相次ぎ不正が発覚7位乳がん闘病を続けていた小林麻央さん死去8位豊田議員の秘書への暴言・暴力はじめ、政治家の不適切発言相次ぐ9位九州北部で記録的豪雨、福岡・大分両県で37人が犠牲に10位トランプ米大統領が初来日★アンケート概要アンケート名:『2017年を総まとめ!今年の漢字と印象に残ったニュースをお聞かせください』実施日:2017年11月9日調査方法:インターネット対象:CareNet.com会員医師有効回答数:552件

22504.

循環器内科 米国臨床留学記 第25回

第25回 研究留学から臨床留学への移行臨床留学に関して、こちらで研究留学をしている先生から相談を受けましたので、まとめてみたいと思います。多くの日本人の先生方は2~3年の期限付きで、研究留学で渡米されていますが、留学中にご本人もしくは家族の希望で、引き続き臨床医として米国に残りたいという考えに至る方もいらっしゃるようです。今回は、そんな先生方の参考になれば幸いです。1.難易度は診療科次第外国医学部卒業者(FMG)にとって、極めて狭き門となっている診療科がいくつかあります。整形外科、眼科、耳鼻科、脳神経外科などです。これらの科は、米国人でも医学部で優秀な成績を修め、USMLE(米国医師免許試験)も満点に近い人しか進むことができません。一方、内科や家庭医学などは比較的FMGにも扉が開かれています。胸部外科(呼吸器外科、心臓血管外科の双方を含む)は、4~5年前までは米国人に人気がありませんでした1)。ところが、過去4~5年でポジションが減ったにもかかわらず、応募者が増え、希望者が候補者の数を上回っています。胸部外科、とくに心臓血管外科は責任が重く、リスクも高い仕事ですが、待遇も良いため(Cejka Search2)によると64万ドル、日本円換算で7,000万円)、今後も高い人気が続きそうです。こういった要素は、日本人の心臓外科のフェローの採用に影響が出ることも考えられます。2.臨床医までの道のり米国で研修を始めるには、USMLEのSTEP1、STEP2 CK(clinical knowledge)、STEP2 CS(clinical skill)という3つの試験をパスし、FMGのための教育委員会が発行するECFMG certificateを取得する必要があります。留学ガイドなどでECFMG certificateが「医師免許」と表記されていることがありますが、ECFMG certificateは医師免許ではありません。あくまでもACGME(米国卒後医学教育認定評議会)がFMGのために設けた「研修に参加してもよい」という許可証であり、2~3年の臨床研修を終了しない限り、いかなる州でも医師免許は発行されません。近年、米国での研修は競争が激しくなっていますから、いずれの診療科で研修を開始するにしても高得点を取ることが必要になってきます。インドやパキスタンからの受験者は軒並み高得点ですから、点数が良いだけでポジションが得られるわけではなく、点数が悪いとその時点でポジションの取得がかなり厳しくなります。さらに卒後5年以上経過している場合、それだけで足切りになることが多く、日本で経験を積んだからといって米国でポジションを掴むのは容易ではありません。2015年のデータによると、ECFMG certificateを取得した日本人が63人いたようです3)。このうち、内科でポジションを得た人は14~15人と思われます。外科から始める人や、心臓血管外科などでフェローから始める人もいるので、20~30人の日本人医師が何らかの形でECFMG certificateを行使して、臨床を始めていると思われます。逆にいえば、残りの半数近くの方はECFMG certficateの取得のみに留まり、マッチングでポジションを得るに至っていないということになります(ECFMG certificateを取得後、マッチングに応募しなかった方もいると思われます)。実際、私の回りでも、研究留学中に頑張ってECFMG certificateを取得したものの、マッチングできずに帰国した人がいらっしゃいます。3.ビザの移行の難しさ多くの研究者がJ1 researchビザで留学しています。仮にマッチングでポジションを得ることができれば、J1 clinicalやH1Bビザへの変更は可能です。ただし、J1 clinical ビザは2 years ruleが適応されますので、トレーニング終了後、Waiver(米国人が好まないへき地での診療)を選択するか、日本に帰国しなければ、グリーンカードやH1B ビザなどへの変更ができません。4.フェローからの臨床トレーニングという道も診療科によっては、フェローからの臨床トレーニングが可能です。米国人に人気のない科(感染症、腎臓内科、胸部外科[心臓血管外科など])で、レジデンシーを経ずにフェローからトレーニングを始めるということが可能です(ダイレクトフェローシップ)。NRMPの2017年の実績4)によると、腎臓内科に占める米国人かつ米国医学部卒業者の割合はわずか13%で、ポジションが埋まったのは全体の60%です。プログラムディレクターが、フェローのポジションが埋まらなくて当直などの仕事が大変になるよりは、外国人で埋めようと考えるのは無理もありません。こうした科では、基礎や臨床研究中にフェロープログラムのボスに気に入られれば、道が開けます。ちなみに、私も循環器のサブスペシャリティである不整脈部門(Cardiac Electrophysiology)から始めましたが、運よくポジションが空いたのに加え、ボスに気に入られたというのが理由です。フェローから始めた場合の問題点は、専門医が取れないことです。基礎となる内科のレジデンシーを終えてない限り、いくら腎臓内科や循環器などのサブスペシャリティのトレーニングを終了しても専門医試験には応募できません。つまり、フェローを卒業しても就職ができない可能性があるということです。5.医局との関係日本の医局から留学する場合、現実的には医局の了解がなければ2~3年を超える滞在は難しいことが多いようです。そのためか、米国で臨床留学している人は日本の医局に所属していない人がほとんどです。6.家族との留学生活米国での留学生活は研究も大切ですが、日本での医師としての生活に比べると時間があるため、家族でいろいろな行事や旅行などに参加される方も多いです。そうしたことを含めた貴重な時間をUSMLEなどの勉強に費やすのは、並大抵なことではありません。USMLE対策のために本来の目的である研究がおろそかになることもあり得ます。臨床留学を考えている方は、できれば留学前にECFMG certificateを取得しておくことをお勧めします。1)2017 Main Residency Match2)Physician Salaries reported by the American Medical Group Association3)ECFMG4)Specialties MatchingService

22505.

日本初の抗PD-L1抗体アベルマブ発売。適応はメルケル細胞がん

 メルクセローノ株式会社(本社:東京都目黒区、代表取締役社長:アレキサンダー・デ・モラルト)とファイザー株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:梅田一郎)は2017年11月27日、両社が共同開発を行っている抗PD-L1抗体アベルマブ(商品名:バベンチオ)を発売した。 効能・効果は、「根治切除不能なメルケル細胞」。メルケル細胞がん(MCC)は悪性度の高い皮膚がんの一種で、日本での患者数は100人に満たないと推定されるが、治療選択肢が限られているうえに、非常に進行が早く、予後不良である。 アベルマブはMCCに対し日本で承認された唯一の治療薬であり、日本初のヒト型抗PD-L1抗体薬でもある。2016年12月に、MCCに対して希少疾病用医薬品の指定を厚生労働省から受けている。同指定およびこの度の承認取得は、日本も参加した転移性MCC患者を対象とした多施設共同第Ⅱ相試験JAVELIN Merkel 200の結果に基づいている。 同薬剤は、米国食品医薬品局が2017年3月に、転移性MCCに対する初の治療薬として、5月には進行性尿路上皮がんに対する治療薬として承認している。また、9月には、スイス医薬品局が化学療法後に進行した転移性MCCに対する治療薬として、欧州委員会が成人の転移性MCCに対する治療薬として承認している。■参考ファイザー株式会社プレスリリースJAVELIN Merkel 20試験(Clinical Trials.gov)■関連記事日本初の抗PD-L1抗体アベルマブ、他の抗体との違いも抗PD-L1抗体アベルマブ、メルケル細胞がんに国内承認

22506.

睡眠不足がADHDの有無にかかわらず小児に及ぼす負の影響

 睡眠に関する問題は、注意欠如多動症(ADHD)においてよく報告されているが、典型的な発達(TD)においてもよく見られる特徴である。英国・ロンドン大学(UCL)のFrances Le Cornu Knight氏らは、睡眠とADHD様行動や認知不注意との関連について、ADHD児とTD児においてどのように出現するかを検討した。Behavioral sleep medicine誌オンライン版2017年10月26日号の報告。 対象は、ADHDと診断された5~11歳の子供18例および年齢の一致したTD児20例。睡眠プロファイルは、子供の睡眠習慣に関するアンケートおよびアクチグラフ測定を用いて評価した。行動機能は、Conners' Parent Report Scaleを用い、注意力は、コンピューター化されたConners' Continuous Performance Taskを用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・実際の睡眠時間に差がないにもかかわらず、ADHD群では睡眠の質が悪かった・TD児の睡眠の質の低下は、注意力と関連がないにもかかわらず、ADHD様行動の増加が予測された。・行動との関連がないにもかかわらず、ADHD児の注意力低下を予測する睡眠の質の低下に関して一貫した傾向が認められた。 著者らは「不十分な睡眠の質は、さまざまな形で発達のサブグループに影響を及ぼす。ADHD児では、睡眠不足が注意欠如を悪化させ、TD児では、ADHD様行動を誘発した。本知見は、小児期の過剰なADHD診断および睡眠に基づく介入の必要性を考えるうえで、重要な意味を持つ。まずは、すべての子供において、より良い睡眠習慣を促進することが重要である」としている。■関連記事ADHD発症しやすい家庭の傾向小児攻撃性に対する抗精神病薬の効果~メタ解析ADHD児への運動効果は

22507.

初のCDK4/6阻害薬イブランス、進行乳がん治療をどう変える?

 2017年11月20日、都内にて「進行乳がん治療におけるパラダイムシフトとは」と題したセミナー(主催:ファイザー株式会社)が開催された。演者として中村 清吾氏(昭和大学医学部 乳腺外科学 教授)、岩田 広治氏(愛知県がんセンター中央病院 乳腺科 部長)が登壇し、2017年9月に本邦で承認されたサイクリン依存性キナーゼ(CDK)4/6阻害薬イブランス(一般名:パルボシクリブイブランス)を中心に、転移・再発乳がん治療の今後の展望について語った。パルボシクリブは新たな治療戦略となりうる はじめに登壇した中村氏は、転移・再発乳がん治療の特徴とその変遷について講演した。I期およびII期乳がんの5年生存率が90%以上あるのに対し、IV期(転移・再発乳がんはIIIC期およびIV期を指す)では約34%に留まる。それでも、他のがん腫と比較するとIV期の5年生存率は前立腺がんに次いで高く、中村氏は「がんと付き合いながら治療を続ける期間」が長いことを指摘。転移・再発乳がんの治療では、初期乳がんのように治癒を目指すのではなく、患者一人ひとりの個別性や希望に応じて「QOLを維持しながら延命する治療」を選択していく必要性があると語った。 パルボシクリブの適応となるホルモン受容体陽性(HR+)HER2陰性(HER2-)の患者は、乳がん患者全体の約70%を占める。ホルモン療法に感受性があり、比較的予後が良いとされているが、2002年のフルベストラントのFDA承認以降、2012年のエベロリムス+エキセメスタンの登場まで、約10年間新しい治療薬が出てこない状況が続いていた。そのような状況の中で、「パルボシクリブはCDK4/6を直接的に阻害し、細胞増殖を抑制するという新しい作用機序で無増悪生存期間(PFS)延長の効果を証明しており、新たな治療戦略となりうる」と中村氏は期待を示した。患者にパルボシクリブによる治療法を説明するとしたら? 続いて登壇した岩田氏は、パルボシクリブの承認に用いられた2つの国際共同第III相試験(PALOMA-2、PALOMA-3試験)の結果を交えながら、患者とどのように情報共有し、治療法の1つとして活用していくかについて解説した。PALOMA-2試験は、日本人46例を含む全身治療歴のないHR+HER2-閉経後手術不能または再発乳がん患者666例を対象に、パルボシクリブ+レトロゾールの有効性と安全性について検討した試験。PFSはレトロゾール単剤と比較して10.3ヵ月延長(ハザード比[HR]:0.58、95%信頼区間[CI]:0.46~0.72、p<0.000001)し、奏効率(42.1% vs.34.7%、p=0.0310)、臨床的有用率(84.9% vs.70.3%、p<0.0001)についても改善された。本試験の結果から、岩田氏は再発後の1次治療にレトロゾール併用でパルボシクリブを使用する場合の患者への説明として、・次の治療までの期間は平均2年(ただし、術後早期の再発の場合は約16ヵ月)・パルボシクリブを併用しても効果のない場合が、全体の15%程度ある・副作用は好中球減少、倦怠感に注意が必要だが、重篤なものはなく、QOLもレトロゾール単剤と比べて大きく変わらないとまとめた。 PALOMA-3試験は、日本人35例を含むホルモン療法後に疾患進行を認めたHR+HER2-手術不能または再発乳がん患者521例を対象に、パルボシクリブ+フルベストラントの有効性と安全性について検討した試験。主要評価項目のPFSはフルベストラント単剤と比較して6.6ヵ月延長(HR:0.497、95% CI:0.398~0.620、p<0.000001)し、奏効率(21.0% vs.8.6%、p=0.0001)、臨床的有用率(66.3% vs.39.7%、p<0.0001)についても改善がみられた。また、患者報告によるQOLの評価でも、パルボシクリブ併用群で改善されていた。これらの結果から、岩田氏は2次または3次治療にフルベストラント併用でパルボシクリブを使用する場合の患者への説明として、・約1年投与が継続できる・再発1次治療でホルモン療法に効果を示さなかった場合、無再発期間(DFI)が短い(12ヵ月以内)場合では、効果は7ヵ月程度になる・再発後に抗がん剤を1度使用している場合でも、9ヵ月程度の効果が期待できる・QOLの低下はない・副作用は好中球減少、倦怠感などとまとめている。「閉経前」の患者でもパルボシクリブ使用可能 最後に岩田氏は、本邦では今回の承認で、閉経前の転移・再発乳がん患者に関しても、卵巣機能抑制剤のLH-RHアゴニスト併用という条件の下、パルボシクリブ+フルベストラントの投与が可能になったことに言及。一方で手術の補助療法としては本剤の有効性は現状確立されていないことに触れたうえで、「臨床医には臨床試験のデータ、ガイドラインなどを基に、適応の患者に対して正確な情報を提供し、患者と共に治療法を決定していくことが求められている」と述べた。 なお、イブランスは、25mg(1カプセル):5576.4円、125mg(1カプセル):2万2560.3円として11月22日に薬価基準に収載された。12月15日の発売が予定されている。

22508.

経口インスリンによる1型糖尿病の予防は可能か/JAMA

 経口インスリン製剤は、1型糖尿病患者の近親者における1型糖尿病の発症を予防しないことが、米国・フロリダ大学のJeffrey P Krischer氏らType 1 Diabetes TrialNet Oral Insulin Study Groupの検討で示された。研究の成果は、JAMA誌2017年11月21日号に掲載された。Diabetes Prevention Trial-Type 1(DPT-1)試験では、経口インスリン製剤はプラセボに比べ糖尿病の発症を抑制しなかったが、インスリン自己抗体に関する事後解析ではベネフィットが得られるサブグループの存在が示唆されている。DPT-1試験の後継となる本試験では、経口インスリン製剤の糖尿病発症の遅延効果のさらなる探索が進められてきた。自己抗体陽性近親者を対象にプラセボと比較 本試験は、1型糖尿病患者の自己抗体陽性近親者において、経口インスリン製剤による1型糖尿病発症の遅延効果を評価する国際的なプラセボ対照無作為化試験である(Type 1 Diabetes TrialNet Oral Insulin Study Groupなどの助成による)。 対象は、1型糖尿病患者の3~45歳の第1度近親者(きょうだい、父母、子供)または3~20歳の第2・3度近親者(めい、おい、おば、おじ、いとこ)で、糖尿病を有しておらず、インスリン自己抗体が陽性の集団であった。被験者は、遺伝子組み換えヒトインスリン結晶(7.5mg)を1日1回経口投与する群またはプラセボ群に無作為に割り付けられた。 主要評価項目は、第1群における糖尿病発症までの期間とした。第1群(389例)は、インスリン自己抗体(IAA)陽性で、膵島細胞自己抗体(ICA)陽性またはグルタミン酸脱炭酸酵素(GAD)とインスリノーマ関連抗原-2(IA-2)の双方が陽性であり、静脈内ブドウ糖負荷試験で初回インスリン分泌が閾値を超える集団とした。 第2群は、第2-1群(55例、IAA陽性、ICA陽性またはGADとIA-2の双方が陽性で、初回インスリン分泌が閾値未満)、第2-2群(114例、IAA陽性、ICA陽性またはGADかIA-2のいずれかが陽性、初回インスリン分泌が閾値以上)、第2-3試験群(3例、IAA陽性、ICA陽性またはGADかIA-2のいずれかが陽性、初回インスリン分泌が閾値未満)の3群に分けられた。第1群の年間糖尿病発症率:8.8% vs.10.2% 2007年3月2日~2015年12月21日の期間に、9ヵ国87施設で患者登録が行われた。560例(登録時年齢中央値:8.2歳、IQR:5.7~12.1歳、男児:170例[60%]、非ヒスパニック系白人:90.7%、きょうだいが1型糖尿病:57.6%)が無作為割り付けの対象となった。このうち550例が試験を完遂し、第1群の389例(登録時年齢中央値:8.4歳、男児:245例[63%])の完遂例は382例(96%)だった。 フォローアップ期間中央値2.7年(IQR:1.5~4.6)時の第1群における糖尿病診断率は、経口インスリン投与群が28.5%(58/203例)、プラセボ群は33%(62/186例)であった。年間糖尿病発症率はそれぞれ8.8%、10.2%と、両群間に有意な差を認めなかった(ハザード比[HR]:0.87、95%信頼区間[CI]:0~1.2、p=0.21)。 第2-1群(55例)の糖尿病診断率は経口インスリン投与群が48.1%、プラセボ群は70.3%であり、年間糖尿病発症率はそれぞれ18.1%、34.1%(HR:0.45、95%CI:0~0.82、p=0.006)と有意な差がみられ、発症までの期間中央値は55.3ヵ月、24.3ヵ月であり、経口インスリン投与群で31.0ヵ月の発症遅延が認められた。 第2-2群と第2-3群を合わせた集団(116例)のHRは1.03(95%CI:0~2.11、p=0.53)、登録全患者(560例)のHRは0.83(95%CI:0~1.07、p=0.11)であり、いずれも有意な差はなかった。 最も頻度の高い有害事象は感染症で、254例(経口インスリン投与群:134例、プラセボ群:120例)に認められた。試験関連有害事象は両群間に差はなかった。 著者は、「これらの知見は、糖尿病の予防における経口インスリンの使用を支持しない」としている。

22509.

コーヒーは有益か?有害か?/BMJ

 コーヒーの飲用は、一般的な量であれば全般に安全で、1日3~4杯の飲用でさまざまな健康転帰のリスクが大幅に低減され、有害性よりも利益が勝る可能性が高いことが、英国・サウサンプトン大学のRobin Poole氏らの検討で明らかとなった。研究の成果は、BMJ誌2017年11月22日号に掲載された。コーヒーは世界的に消費量が多く、とくに慢性肝疾患における利益の可能性が高いとされるが、コーヒー飲用の利益や有害性との関係は多岐にわたる。コーヒーと健康との関連を理解することは、介入研究に先立つ、有害性との関連の探索において重要であるとされている。飲用の健康転帰との関連をアンブレラレビューで検証 研究グループは、コーヒーの飲用とさまざまな健康上の転帰との関連の既存のエビデンスを検証するために、観察研究および介入研究のメタ解析の包括的レビュー(umbrella review)を行った(研究助成は受けていない)。 医学データベースを用いて、成人におけるコーヒー飲用と健康転帰の関連を評価した観察研究および介入研究のメタ解析の論文を選出した。コーヒー代謝の遺伝学的多形性の研究は除外した。 67の健康転帰に関する観察研究のメタ解析201件、および9つの健康転帰に関する介入研究のメタ解析17件が同定された。妊婦および女性の骨折を除き、高い安全性 コーヒーの飲用は、摂取量の多寡、飲用の有無、1日の飲用杯数の1杯の差などのすべてで、健康転帰に関して有害性よりも利益との関連を示すエビデンスが多かった。 コーヒーをまったく飲まない集団に比べ1日3~4杯飲用する集団は、全死因死亡(相対リスク:0.83、95%信頼区間[CI]:0.83~0.88)、心血管死(0.81、0.72~0.90)、心血管疾患(0.85、0.80~0.90)などの相対リスクが有意に低いことを示す要約推定値が得られ、飲用と健康転帰の間には非線形関係のエビデンスが認められた。 飲用量の多い集団は少ない集団に比べ、がんの発症リスクが18%低かった(相対リスク:0.82、95%CI:0.74~0.89)。また、飲用はいくつかのがん種や神経疾患、代謝性疾患、肝疾患のリスク低下と関連した。 高飲用量の妊婦は低飲用量または非飲用の妊婦に比べ低出生体重児(オッズ比[OR]:1.31、95%CI:1.03~1.67)の頻度が高く、妊娠第1期の早産(1.22、1.00~1.49)、第2期の早産(1.12、1.02~1.22)、妊娠損失(1.46、1.06~1.99)が多かったが、これらを除くと、喫煙で適切に補正することで、コーヒー飲用による有害な関連はほとんど消失した。 また、女性ではコーヒー飲用と骨折リスクに関連がみられたが、男性には認めなかった。 著者は、「これらの関連の因果関係の有無を理解するには、頑健な無作為化対照比較試験を行う必要がある」とし、「重要なのは、妊婦を除き、既存のエビデンスによって、コーヒーは害を引き起こす重大なリスクなしに、介入法として検証の対象となる可能性があることが示唆される点である。なお、骨折リスクが高い女性は除外すべきだろう」と指摘している。

22510.

人工弁選択のLabyrinth(解説:今中 和人氏)-774

 人工弁選択は、要するに抗凝固合併症の可能性と劣化・再手術の可能性の選択である。古いテーマゆえ膨大な論文があるが、生体弁の改良をはじめ多くのconfounding factorで見解は一定せず、2014年にAHA/ACCが「大動脈弁置換(AVR)65歳、僧帽弁置換(MVR)70歳」とのガイドラインを発行した後も未決着の感が強い。本論文はカリフォルニア州の142施設が18年間に初回の単弁置換をした症例の追跡調査で、個々のデータは、とくに日本胸部外科学会の全国集計と比較すると興味深い。 たとえばこの期間にAVRは130%に増加、MVRは65%への減少だが、日本はAVRが450%と激増した一方、MVRは90%と微減に留まっている(ちなみに僧帽弁形成は370%に激増)。また、生体弁の比率は米国でもAVRで12%→52%、MVRで17%→54%と著増しているが、日本はもっと極端で、AVRは11%→81%、MVRで9%→57%と、日本人の残念な気質が端的に表れている(しかもすべて輸入品!)。というのも再AVRの30日死亡率は7.1%、再MVRは14.0%とかなり高い。日本の統計は、僧帽弁については交連切開の術後を大量に含むので参考にならないが、再AVRは30日死亡5.4%、在院死亡9.4%と、本論文と大差ない由々しき数字であり、再弁置換は極力避けたい事態だからである。「TAVRがあるさ」と楽観していてよいだろうか? 結果のほうは、50歳未満の生体弁MVRの30日死亡率が高かったこと以外は凡庸(若い人は機械弁、年配者は生体弁)なのだが、実にモヤモヤ感が残る。最も目立つのは年齢区分で、AVRは45~54歳と55~64歳の2群、MVRは40~49歳、50~69歳、70~79歳の3群で検討しているが、区分の食い違いに結局は根拠がなく、65歳以上のAVRの検討がない点も言及がない。COIは明示されていないが、これでは何らかの恣意を感じずにはおれない。 さらに、より本質的なのは、研究の限界ではあろうが、15年という経過観察期間である。観察期間の中央値は機械弁では8年前後だが、生体弁は実は4~5年で、15年時点のpatient at riskが4%未満の群もある。これを「ありがちなこと」と容認するとしても、グラフをよく見ると、10年過ぎあたりから多くの群で両者の生存曲線はじわっと乖離しはじめている。昨今の生体弁は、10年ほどはかなり成績が良いがそれ以降に不具合が増えるので、観察期間が延びれば大差がつく可能性が高い。ところが55~64歳の10年後は65~74歳、15年後でも70~79歳で、日本人だと男性の平均寿命にも満たないのに、この論文の結論だけをうのみにすると、高齢の再手術(TAVRを含む)患者が大量生産されかねない。当然、成績は上記よりさらに悪い。それでよいだろうか? ガイドラインにも言及したい。日本独自のRCTが乏しく、同じ参考文献に基づくせいで、日本のガイドラインは欧米のコピーに近い。しかし2015年の日本の平均寿命は83.7歳、米国79.3歳と5年近く、女性に限定すれば5年以上も日本のほうが長寿なのに、人工弁選択の推奨年齢が米国と同じでよいだろうか? エビデンスとは言えないが、寿命差を加味するよう付記すべきではないか?(さらには5年以上違う性差についても) 治療方針は最終的には患者さんの自己決定ではあるが、その自己決定はわれわれ医療者の説明に大幅に依存している。われわれは周到に学び、賢明に判断し、親身に助言する必要がある。

22511.

ペムブロリズマブ、古典的ホジキンリンパ腫に国内承認

 MSD株式会社(本社:東京都千代田区、社長:ヤニー・ウェストハイゼン、以下MSD)は2017年11月30日、抗PD-1抗体ペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)について、再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫に対する効能・効果を追加する国内製造販売承認事項一部変更の承認を取得したことを発表した。 ペムブロリズマブは、再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫の患者を対象とした国際共同第II相臨床試験(KEYNOTE-087試験)において、有効性および安全性を示した。 ペムブロリズマブは、国内で根治切除不能な悪性黒色腫およびPD-L1陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんの効能・効果で承認を取得している。また、2017年4月28日に局所進行性又は転移性の尿路上皮がんに対する効能・効果について製造販売承認事項一部変更承認申請を行った。さらに、乳がん、大腸がん、食道がん、胃がん、頭頸部がん、肝細胞がん、腎細胞がん、卵巣がん、前立腺がんなどを対象とした後期臨床試験が進行中。海外では、米国を含む50ヵ国以上で承認を取得しており、世界で600以上の臨床試験で30種類以上のがんの検討が行われている。■参考MSD株式会社プレスリリース■関連記事ペムブロリズマブ、難治性の古典的ホジキンリンパ腫に承認:FDA

22513.

アソコの毛を睫毛として植毛した症例【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第104回

アソコの毛を睫毛として植毛した症例 いらすとやより使用 毛の移植、すなわち植毛って形成外科の分野ではそう珍しいことではないようですが、私にとっては未知の世界でして。 Umar S.Eyelash transplantation using leg hair by follicular unit extraction.Plast Reconstr Surg Glob Open. 2015;3:e324.別の部位から睫毛として毛を移植する場合、薄い頭皮の毛などが用いられることが多いです。これが最も自然な睫毛を表現できると信じられているためです1)。実際に日本の形成外科クリニックで行われている睫毛の植毛は、ほとんどが頭皮由来です。意外にも生着率は高く、平均して70%ほどといわれています。150本植毛すると、100本くらいは大丈夫ということですね。植毛なので、睫毛が抜けたとしても、ちゃんと生えてきます。ただ、頭皮の毛を用いると、カールがいまいちという意見が多いのも事実です。審美目的の場合、頭皮の毛だと満足度はあまり高くないと聞きました。まあ、そのあたりは施設によるのでしょうが。そこで登場したのが今回の報告です。使用したのは、「膝毛」です! 違う場所の毛を想像していたそこのアナタ、ザンネーン! 膝でしたー。ええと、ごほん。膝毛は人によっては縮れていて使いにくいですが、女性の場合は、すらりとカールしてなおかつ濃くないという好材料なのです。え? ヘンタイ? うるさいな、もう。この症例報告では、膝毛を使った睫毛の植毛に成功しています。著作権があるので写真は掲載できませんが、非常にきれいな植毛に仕上がっています。もしかしたら、膝毛を使うことがいずれスタンダードになるかもしれませんね。もともとは眼外傷や形成不全の治療の一環として睫毛の植毛が始まったという歴史がありますが、今の世の中、つけまつげを付けるのがいちいち面倒だというモデルの女性の受診も増えているとか。1)Gandelman M. Semin Plast Surg. 2005;19:153-158.

22514.

うつ病とアルコールとの関係:2014年英国調査より

 うつ病とアルコール消費に関して、比較的大規模な研究で調査されており、双方の因果関係を示唆するエビデンスが報告されている。しかし、この逆の因果関係(reverse causation)から生じる内生性は、報告されていない。オーストラリア・RMIT大学のS. Awaworyi Churchill氏らは、アルコールとうつ病との関連をレビューし、この関連の内生性について調査した。Drug and alcohol dependence誌2017年11月1日号の報告。 英国の健康調査(HSE:Health Survey for England)より得られた5,828例のデータを用いて、アルコールとうつ病との関連をレビューし、この関連の内生性について調査した。自己評価により収集されたうつ病関連情報とLewbel 2段階最小二乗法(2SLS:two-staged least square)による内生性のコントロールの情報を用いた。 主な結果は以下のとおり。・アルコール摂取によりうつ病が促進されていた。・この関連は、アルコール摂取量、アルコールの強さ、アルコール依存症、依存のリスクを含む飲酒行動のいくつかの尺度において一貫して認められた。 著者らは「英国では、飲酒は文化の一部として一般的に受け入れられているが、これは無視することのできない身体的および精神的な健康の両面においてコストの問題を有する。公的政策は、主に過度のアルコール摂取による身体的側面に焦点を当てているが、QOLやウェルビーイングへのアルコール摂取低下による精神的な健康コストに対しても、よい影響を及ぼす可能性がある」としている。■関連記事たった2つの質問で、うつ病スクリーニングが可能境界性パーソナリティ障害、性行為とアルコールの関係お酒はうつ病リスク増加にも関連

22515.

オシメルチニブ、EGFR変異肺がん1次治療の適応を国内申請/アストラゼネカ

 アストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役会長:マーク・デュノワイエ)は2017年11月27日、第3世代EGFR-TKIオシメルチニブ(商品名:タグリッソ)に関し、「EGFR遺伝子変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺」を予定の効能・効果として、本邦における製造販売承認事項一部変更承認を申請したと発表。 本申請は、第III相FLAURA試験の結果に基づき行われた。FLAURA試験は、治療歴のない局所進行あるいは転移性EGFR変異非小細胞肺がん(NSCLC)患者を対象として実施され、オシメルチニブ投与群は、現在の標準1次治療であるEGFR-TKIのエルロチニブまたはゲフィチニブ投与群と比べて、無増悪生存期間中央値の延長を示した(18.9ヵ月対10.2ヵ月、HR:0.46、p<0.001)。 これらの改善は、脳転移の有無に関するサブグループを含む、事前に既定したすべてのサブグループにおいて認められた。全生存期間(OS)中央値は、イベント発現割合25%の初期データにおいて、臨床的に意義のある改善を示した。オシメルチニブ投与群は、既存の標準1次治療群と比較して2倍以上の奏効期間中央値を示し、優れた客観的奏効率を示した。また、良好な忍容性を示し、その安全性プロファイルは過去に得られているデータと一貫していた。 欧米と比べ、日本を含むアジアではEGFR変異が多く、NSCLC全体の約30~40%にみられる。本邦におけるStageIVのEGFR変異NSCLCの5年生存率は、14%未満にとどまるが、将来的に本適応が承認されれば、より多くの患者がより長い奏効期間を1次治療から期待できようになる。 本邦におけるオシメルチニブの現在の適応は「EGFRチロシンキナーゼ阻害薬に抵抗性のEGFR T790M変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺」。■参考アストラゼネカ株式会社プレスリリースFLAURA試験(New England Journal of Medicine)FLAURA試験(Clinical Trials.gov)■関連記事オシメルチニブ、EGFR変異陽性NSCLCの1次治療でブレークスルー・セラピーに指定HR0.46、オシメルチニブが1次治療で標準治療を上回る(FLAURA)/ESMO2017

22516.

英国で心不全の発生率は低下するも疾病負荷は増大/Lancet

 心不全の発生率は緩やかに低下しているにもかかわらず、英国では心不全の疾病負荷が増加しており、最も多いがん4種(肺がん、乳がん、大腸がん、前立腺がん)の合計と同じであった。英国・オックスフォード大学のNathalie Conrad氏らが、400万人に及ぶ地域住民を対象とした大規模コホート研究の結果、報告した。資源計画や研究の優先順位付けには、心不全の発生に関する大規模かつ最新の地域住民に基づいた研究が必要だが、エビデンスが不足していたことから、今回の検討を行ったという。Lancet誌オンライン版2017年11月21日号掲載の報告。英国のプライマリケア400万人のデータを解析 研究グループは、年齢および性別の点で英国を代表する大規模コホートであるプライマリケアのデータベース「Clinical Practice Research Datalink」(CPRD)を用い、400万人の電子健康記録を解析した。 適格患者は、2002年1月1日~2014年12月31日の期間に、CPRDの品質管理に準じた十分な記録がなされ、CPRDとHES(Hospital Episodes Statistics)との連携が承認され、一般診療に12ヵ月以上登録された16歳以上の患者である。このうち、心不全を発生した患者(診断後2年以内)について、ベースライン時の特性(血圧、喫煙歴、BMI)の最新測定値、ならびに併存疾患、社会経済状態、民族性、地域に関する情報を電子健康記録から抽出した。2013年の欧州の標準人口(2013 European Standard Population)を用いて年齢および性別による標準化率を算出し、英国国勢調査の推計年央人口に、歴年、年齢および性別特異的発生率を適用して粗率を推定した。15歳以下に関しては、心不全はないと仮定し、全年齢(0歳以上)についての総発生率および有病率を報告した。2002~14年で心不全発生率は7%低下するも、新規患者12%増、有病者数23%増 年齢および性別で標準化した心不全発生率は、男女間では類似しており、2002年から2014年までで7%低下した(2002年:358例/10万人年→2014年:332例/10万人年、補正後発生比:0.93、95%信頼区間[CI]:0.91~0.94)。 一方、英国で新たに心不全と診断された患者の推定絶対数は、主として人口増加や高齢化により12%増加し(17万727例→19万798例)、心不全の推定絶対有病者数はさらに多く、23%増加した(75万127例→92万616例)。 また、心不全初回発生時の年齢は上昇し(平均年齢±SD:76.5±12.0歳→77.0±12.9歳、補正後差:0.79歳、95%CI:0.37~1.20)、併存疾患数も増加がみられた(平均疾患数±SD:3.4±1.9→5.4±2.5、補正後差:2.0、95%CI:1.9~2.1)。 社会経済的に恵まれない患者は、富裕な患者より心不全を発症しやすく(罹患率比:1.61、95%CI:1.58~1.64)、最も富裕な患者よりも早期に心不全を発症する傾向にあった(補正後年齢差:-3.51歳、95%CI:-3.77~-3.25)。心不全初発年齢時の社会経済的な差は2002年から2014年にかけて拡大し、社会経済的に恵まれない患者は年齢が若くとも、より多くの疾患を有するようになっていた。

22517.

改訂版QDiabetesで2型糖尿病の10年リスクを予測/BMJ

 英国・ノッティンガム大学のJulia Hippisley-Cox氏らが、2型糖尿病の絶対リスクを定量化する、モデルA~Cの3つの改訂版QDiabetesリスクモデルを開発・検証した。モデルAは血液検査を必要とせず、空腹時血糖値(モデルB)またはHbA1c(モデルC)を測定すべき患者の特定に利用でき、モデルBの2型糖尿病10年リスク予測は、介入や積極的な追跡調査を必要とする患者の特定に有用であるという。著者は、「臨床現場でモデルを使用する前に、血糖値をより完全に収集したデータセットで、モデルBとCの付加的な外部検証が必要だろう」とまとめている。BMJ誌2017年11月20日号掲載の報告。英国プライマリケア患者1,150万例のデータから予測モデルを開発 研究グループは、男性および女性の2型糖尿病10年リスクを推定するため、新たなリスク因子を加えた改訂版QDiabetes-2018予測アルゴリズムを作成し、その性能を現在使用している方法と比較する前向きコホート研究を行った。 QResearchデータベースに登録している一般診療所1,457施設のデータを用い(このうち1,094施設はスコアの開発に、363施設はスコアの検証に使用)、ベースライン時に糖尿病ではない25~84歳の1,150万例のデータを解析した。このうち、887万例を開発コホート、263万例を検証コホートとした。 開発コホートでは、Cox比例ハザードモデルにより、男女別に10年評価のリスク因子を抽出した。リスク因子は、すでにQDiabetesに含まれている年齢・民族・貧困・BMI・喫煙歴・糖尿病の家族歴・心血管疾患・高血圧治療歴・定期的なコルチコステロイド使用と、新たなリスク因子として非定型抗精神病薬、スタチン、統合失調症/双極性障害、学習障害、妊娠糖尿病、多嚢胞性卵巣症候群を検証した。追加モデルには、空腹時血糖値とHbA1cを組み込んだ。検証コホートでは、男女別に、また年齢・民族・ベースライン時の疾患状態のサブグループ別に、較正と識別能を評価した。 主要評価項目は、一般診療所の診療録に記載された2型糖尿病の発症とした。改訂版は3種、空腹時血糖値を組み込んだモデルの識別能が最も高い 2型糖尿病の発症は、開発コホートでは4,272万観察人年において17万8,314件、検証コホートでは1,432万観察人年において6万2,326件が確認された。新規リスク因子のすべてが、本モデルの適格基準を満たし、モデルAには、年齢・民族・貧困・BMI・喫煙歴・糖尿病の家族歴・心血管疾患・高血圧治療歴・定期的なコルチコステロイド使用と、新規リスク因子の非定型抗精神病薬、スタチン、統合失調症/双極性障害、学習障害、妊娠糖尿病、多嚢胞性卵巣症候群が組み込まれた。モデルBはモデルAに空腹時血糖値を、モデルCはモデルAにHbA1cを加えた。 A~Cの3つのモデルは、検証コホートにおいて良好な結果が得られ識別能が高かった。女性では、モデルBにおいてR2(2型糖尿病診断までにモデルで説明される変量)63.3%、D統計量2.69、C統計量0.89、男性ではそれぞれ58.4%、2.42、0.87であった。このモデルBは、現在National Health Serviceで推奨されている空腹時血糖値またはHbA1cに基づく診療との比較において、感度が最も高かった。ただし、空腹時血糖値、喫煙歴、BMIの完全なデータがあったのは、患者の16%のみであった。

22518.

早期(軽症)COPDにチオトロピウムは有用だろうか?(解説:小林 英夫 氏)-773

 吸入抗コリン薬は慢性閉塞性肺疾患(COPD)の自覚症状や呼吸機能の改善をもたらしうる基本薬剤と位置づけられている。しかし、自覚症状の乏しい早期(軽症)COPDに対し吸入抗コリン薬がどのような意義を有するのかについては、臨床的見解が一致しているとは言えない。本論文はその疑問を解決するために中国で実施された無作為化比較試験である。 比較試験のprimary end pointは、チオトロピウム投与群(419例)とプラセボ投与群(422例)との間で24ヵ月後の1秒量に差が生じるかどうかであった。全研究期間を通じてチオトロピウム投与群の吸入後測定1秒量はプラセボ投与群より高値を示した。一方、24ヵ月間で1秒量は両群とも徐々に低下し、その低下量(吸入前測定)は投薬群もプラセボ群もほぼ同様であった。 さて、この結果はどのような意義を有するのであろうか。チオトロピウムの気管支拡張作用が1秒量増加をもたらすことは従来の報告でも認められており、無理なく予想された結果である。それでは、呼吸器症状の乏しい軽症COPDの治療研究に求められる成果は、吸入後に1秒量増加が示されれば十分なのであろうか。理想的・最善な治療効果を閉塞性換気障害の正常化、そして次善効果を経年的呼吸機能低下の防止、と設定したなら、本研究では最善と次善のいずれの治療効果も得られていない。症状の乏しいCOPDへの臨床研究にはどのような目標設定が適切なのであろうか、吸入後に年間1秒量低下を抑制できることだけで臨床導入の根拠になりえるのか、解説者には難問である。チオトロピウムがCOPDの経時的進行を抑止し難いから無用とも判断しかねる。仮にend pointを「生存」として、軽症COPDを2年間追跡しても差を証明することは困難であろう。本論文により軽症COPDの臨床研究の複雑さを再考させられた。現時点では、解説者がチオトロピウムを軽症COPDに積極的に投与するかどうかは決めかねている。 なお非呼吸器科読者への参考としての蛇足であるが、過去にはCOPDの閉塞性障害は可逆性がないとされていたが、現在は軽度の可逆性を許容している。呼吸機能検査での呼気制限指標として、1秒率(FEV1%)は1秒量(FEV1)を努力肺活量で除した値(%)、%1秒量(%FEV1)は1秒量を予測1秒量で除した値(%)で、COPD診断の基本要素である。また、チオトロピウムは長時間作用型吸入抗コリン薬のパイオニア製品である。

22519.

医師が選んだ"2017年の漢字"TOP5! 【CareNet.com会員アンケート結果発表】

毎年恒例となっている日本漢字能力検定協会の『今年の漢字』。今年も12月12日に京都の清水寺で発表されますが、CareNet.comでは由緒ある国民の恒例行事を出し抜き、会員の先生方に選んでいただいた今年の漢字を一足先に発表してしまいます。2017年の漢字、同点で1位に選ばれたのは「北」と「核」でした。何ともきな臭い感じ(漢字)ですが、3位以下にランクインした漢字にも、今年らしさがよく表れています。トップ5を弊社若手社員が発表します。1位北年間にわたって話題を提供してくれた「北」朝鮮。不安視するご意見が多くみられました。また、歌手 北島三郎さんの愛馬で、GIで5勝をあげているキタサンブラックの「北」でもあります。 「北」を選んだ理由(コメント抜粋)とにかく北朝鮮問題・ミサイル・暗殺など心乱された。(40代 内科医/北海道)北朝鮮、キタサンブラック。(20代 臨床研修医/岡山県)北の若大将、話題振りまきすぎ!(50代 脳神経外科医/岐阜県)北朝鮮に引っ掻き回された。(40代 消化器内科/広島県)1位核こちらも北朝鮮絡みです。唯一の被爆国である日本としては、何とかして最悪のシナリオを防ぎたいものです。 「核」を選んだ理由(コメント抜粋)心配事が増えました。(40代 消化器内科/広島県)北朝鮮の核開発に脅威を感じた。(60代 消化器内科/福島県)北朝鮮の核開発、ミサイルに翻弄された。(20代 臨床研修医/福島県)国際問題に発展している。(30代 循環器内科/岐阜県)3位乱昨年も第3位に入った「乱」。今年もまさしく、心「乱」される1年でした。 「乱」を選んだ理由(コメント抜粋)選挙の前に野党の乱立、相変わらずの不倫報道、不穏な空気の北朝鮮情勢すべてを一言で言うなら乱世と呼ぶにふさわしい。(70代以上 内科/愛知県)世相も政治状況も混迷し乱れている。(50代 精神科/長野県)政治も社会も混乱を極めているし、広島カープがCSで敗退して心を乱されたから。(50代 内科/広島県)さまざまな価値観が乱れ飛んでいるから。(40代 消化器外科/栃木県)4位変第4位の「変」は今年初登場。国内・国際状況の「変」化、そして「変」なヒトや事象が現れました。 「変」を選んだ理由(コメント抜粋)国会では野党が変なことばかり質問して空転させた。海外では変な指導者ばかり幅を利かせている。(50代 眼科/東京都)世の中の気候、社会情勢などかなり変だった。(50代 外科/神奈川県)小池政権の変動が大きく、今でも不思議なので。(30代 外科/大阪府)いろいろな意味で、変化の年だったと思うので。(50代 内科/和歌山県)5位倫「倫」は昨年も第5位に入っています。相変わらずの芸能人の不倫報道に、今年は政治家も仲間入り。さらに日本を代表する大企業にみられた倫理観の欠如。これからの日本を不安にさせる事件が数多くありました。 「倫」を選んだ理由(コメント抜粋)企業も人も倫理観が問われる事件が多かったから(40代消化器内科/京都府)大企業のコンプライアンス違反などが多かった。(60代心臓血管外科/千葉県)不倫問題が多かった。(40代 内科/大阪府)さまざまな意味で倫理観の欠落した人物が目立ったから。(30代 腎臓内科/神奈川県)アンケート概要アンケート名 :『2017年を総まとめ!今年の漢字と印象に残ったニュースをお聞かせください』実施日    :2017年11月9日~15日調査方法   :インターネット対象     :CareNet.com会員医師有効回答数  :552件

22520.

ポッドキャストで経済の勉強【Dr. 中島の 新・徒然草】(198)

百九十八の段 ポッドキャストで経済の勉強前回は家にテレビがないというお話をいたしました。代わりに私が愛用しているのはラジオ番組のポッドキャストです。ネットにはいくつかのラジオ番組が保存されているので、いつでもスマホで聴くことができます。とくに私がよく聴くのは「ニッポン放送 ザ・ボイス そこまで言うか!」というものです。もともとは平日の午後4時から約1時間半ほどの番組ですが、放送された後にコマーシャル抜きの1時間ほどのものがネットに保存されているので、ポッドキャストを利用して帰りの自動車や電車の中で聴いています。とくに面白いのは元財務官僚、現嘉悦大学教授の高橋洋一氏のニュース解説です。世の中の事象やニュースをマクロ経済の観点から解説しているのですが、その主張は全くブレません。私のような素人が聴くと「こういう考え方もあるのか。勉強になるわい」と感心するばかりです。たとえば、日本の経済政策については、 GDPの成長も大切だが、失業率を低下させることも同じくらい大切だ失業率が下がりつつあるので、今の経済政策はおおむね成功している。ただし消費増税は失政だった日本の構造的失業率(これ以上は下がらないという底)は2.6~2.7%だと推測している。現在の3%前後の失業率がもう少し低下して構造的失業率に達したら、半年ほどして賃金上昇が始まる景気回復には金融政策(金融緩和)に加えて財政政策(財政出動)が大切だ という主張をしています。御自身が大学教授なので、学生の就職活動についても肌で感じておられるようです。数年前の嘉悦大学の学生は「どこでもいいから内定をもらえればラッキー!」というくらい悪い状況におかれていましたが、現在では「あそこはブラックらしいからやめておこう」と学生側が選ぶくらい就職状況が改善しているそうです。ほかにもTPP(環太平洋パートナーシップ協定)とかFTA(自由貿易協定)とかEPA(経済連携協定)とかいう、私の頭ではよく理解できないことについても分かりやすく説明しておられ、国際社会で日本がどう振る舞うべきなのかということについての明快な主張を聴くことができます。ちなみに高橋氏によれば、これらの国際貿易協定は「合コン」なので、できるだけあちこちに顔を出しておくのが国益につながるのだとか。アナウンサーの飯田浩司氏とともに「三股、四股は当たり前!」と盛り上がっていました。新聞などで経済ニュースを読むときのよい参考になるかと思い、読者の皆様にも高橋氏のポッドキャストをお薦めする次第です。最後に1句通勤で 日本の経済 腑に落ちる

検索結果 合計:36084件 表示位置:22501 - 22520