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2021.

10月4日 徒歩の日【今日は何の日?】

【10月4日 徒歩の日】〔由来〕「と(10)four(4)」(徒歩)の語呂合わせから、日常生活で歩く習慣を付け、健康になることを目的に、「徒歩を楽しむ会」(宮崎県宮崎市)が2004(平成16)年に制定。関連コンテンツ週どのくらい身体を動かすと良い?[高齢者編]【患者説明用スライド】週どのくらい身体を動かすと良い?[成人編]【患者説明用スライド】身体活動の指標、時間ではなく歩数でもOK?高齢者の身体活動量、推奨値を変更/厚労省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023」歩行を守るために気付いてほしい脚の異常/日本フットケア・足病医学会

2022.

食欲不振には六君子湯?【漢方カンファレンス】第10回

食欲不振には六君子湯?以下の症例で考えられる処方をお答えください。(経過の項の「???」にあてはまる漢方薬を考えてみましょう)【今回の症例】80代男性主訴食欲不振既往慢性腎不全、前立腺肥大症病歴X-1年5月、胃がんで腹腔鏡下幽門側胃切除術を施行した。術後から食欲不振があり体重が減少した。吻合部狭窄などの合併症はない。7月と12月に食欲不振と脱水症で入院加療を行った。X年1月、当科を紹介受診した。現症身長172cm、体重48kg(BMI 16.2kg/m2、術前と比べ-20kg)。体温35.6℃、血圧92/62mmHg、脈拍67回/分 整、呼吸数20回/分。身体所見に特記すべき異常はない。経過初診時「???」3包 分3を処方。(解答は本ページ下部をチェック!)1週間後漢方薬を内服してから、よく眠れるようになった。3週間後「少し元気が出てきた感じ、食べるご飯の量が増えた」2ヵ月後毎日形のある便が出るようになった。体重:50kg(+2kg)。3ヵ月後食事がおいしくなった。5ヵ月後疲れにくくなった。散歩ができるようになった。体重:52kg(+2kg)。問診・診察漢方医は以下に示す漢方診療のポイントに基づいて、今回の症例を以下のように考えます。【漢方診療のポイント】(1)病態は寒が主体(陰証)か、熱が主体(陽証)か?(冷えがあるか、温まると症状は改善するか、倦怠感は強いか、など)(2)虚実はどうか(症状の程度、脈・腹の力)(3)気血水の異常を考える(4)主症状や病名などのキーワードを手掛かりに絞り込む【問診】寒がりですか? 暑がりですか?体の冷えを自覚しますか?寒がりです。お腹と腰周りが冷えます。入浴では長くお湯に浸かるのが好きですか?冷房は好きですか?お風呂は長風呂です。冷房は嫌いです。飲み物は温かい物と冷たい物のどちらを好みますか?のどは渇きませんか?1日どれくらい飲み物を摂っていますか?温かいお茶を好んで飲んでいます。のどは渇かず、1日1.0L程度です。<ほかの随伴症状を確認>疲れやすいですか?横になりたいほどの倦怠感はありますか?すぐに疲れてしまいますが、横になりたいほどではありません。食欲はありますか?胃の調子はどうですか?食事が美味しくなく、無理して少しだけ食べています。胃もたれもします。昼食後に眠くなりませんか?昼ご飯を食べた後は眠くなって昼寝をすることが多いです。尿は1日に何回出ますか? 夜間尿はありますか?便秘・下痢はありませんか? 便の臭いは強いですか?尿は1日6~7回で、夜間尿は2~3回出ます。便は2日に1回で、軟便です。便の臭いは強くありません。唾液が多くありませんか?唾液が口のなかにすぐにたまります。夜も寝ていてよだれが垂れることがあります。【診察】顔色はやや不良。脈診では沈、やや弱であった。また、舌は薄い舌苔が中等量あり、腹診では腹力は軟弱、心窩部に抵抗と冷感を認めた。四肢に冷え、浮腫は認めない。カンファレンス今回は、胃がん術後から続く食欲不振のため漢方治療目的で紹介になった症例ですね。問診では、寒がり、冷えの自覚がある、長風呂で温かい飲み物を好むなどから、冷えがある「陰証」です。さらに脈が沈でやや弱、腹力も軟弱ということから闘病反応が乏しい「虚証」と考えます。ここまでの「陰陽」・「虚実」の判断はよいですね。胃がん術後により「陰証・虚証」になり、冷えや倦怠感が生じたと考えてよさそうですね。では六病位ではどうですか?陰証であることはわかりますが、六病位は判断が難しいですね。陰証はなかなかクリアカットに病位を特定できない場合も多いよ。ここでは陰証で太陰病から少陰病くらいであるとおおまかに考えよう。次の気血水の異常を考えてみると漢方薬の選択のヒントになるよ。本症例では食欲不振や倦怠感などといった自覚症状が問題だね。活気がある、やる気があるという言葉のように、漢方では目に見えない生体エネルギーを「気」とよぶんだ。「気」が量的に不足した病態を「気虚」とよぶよ(本ページ下部の「今回のポイント」の項参照)。本症例は倦怠感や食欲不振に加えて、「昼食後に眠くなって昼寝をする」ことから気虚と考えてよさそうですね。本症例では気虚が目立ちますね。ただし、陰証で冷えがあることも大切なポイントです。食欲不振に対して頻用される六君子湯(りっくんしとう)も気虚に用いる漢方薬ですが、温める作用はありません。「食欲不振や胃腸疾患に六君子湯ばかり用いれば、失敗は少ないが漢方臨床の技量が上達しにくい」と教わりました。六病位に話を戻そう。太陰病は、腹部を中心に冷えがあり消化器症状が目立つこと、少陰病は、全身に冷えがあり、横になりたいほどの倦怠感が特徴だよ。今回の症例では、疲れやすいという訴えはあるものの、横になりたいほどの倦怠感はなく、冷えが腹部に限局していることから、少陰病までは至ってないと推測したよ。ただし、実際の臨床では、陰証では病位の判断が難しいことが多く、冷えや倦怠感の程度で患者の反応をみながら、漢方薬の調整を行うことが多いんだ。冷えの程度に応じた漢方薬のさじ加減も漢方治療の特徴ですね。興味深いです。最後に唾液に関して質問しているのはなぜですか?唾液が多いことは、体の水分バランスの異常である水毒(すいどく、第9回「今回のポイント」の項参照)により生じると考えることができます。また、水毒以外にも内臓の冷えが原因で唾液が増加する場合があります。ここでも冷えが関連するのですね!それでは本症例をまとめます。【漢方診療のポイント】(1)病態は寒が主体(陰証)か、熱が主体(陽証)か?寒がり、冷えの自覚、疲れやすい温かい飲み物を好む脈:沈→陰証(太陰病~少陰病)(2)虚実はどうか脈:やや弱、腹力:軟弱→虚証(3)気血水の異常を考える食欲不振、疲れやすい→気虚軟便、(唾液が多い)→水毒?(4)主症状や病名などのキーワードを手掛かりに絞り込む食欲不振、胃もたれ、心窩部の冷感、唾液が多い解答・解説【解答】以上から本症例は、人参湯(にんじんとう)を用いて治療しました。【解説】人参湯は人参(にんじん)・乾姜(かんきょう)・甘草(かんぞう)・白朮(びゃくじゅつ)で構成される漢方薬です。人参・甘草・白朮に茯苓(ぶくりょう)が加わると気虚の基本である四君子湯(しくんしとう)になります。人参湯は、乾姜(ショウガを蒸して乾燥させたもの)で内臓を中心に温め、気を補う作用をもった漢方薬になります。人参湯は六病位では太陰病、気血水の異常では気虚に対する漢方薬です。人参湯証の特徴的な腹部所見(図)に、心窩部が自覚的につかえた感じがある、あるいは押すと痛みや抵抗を伴う場合があり、これを心下痞鞕(しんかひこう)とよびます。また、腹部の触診で他部位と比べ、心窩部に冷感が伴うこともあります。さらに、人参湯証には、気虚による食欲不振、倦怠感などに加え、内臓の冷えから生じる胸やけ、胃もたれ、下痢などの消化器症状や唾液が多いなどがみられます。人参湯は切れ味が鋭く使用に習熟すべき漢方薬で、気虚に加え、冷えを伴う場合には六君子湯でなく人参湯を用いるべきです。さらに冷えが強い場合には、附子(ぶし)を加えます。人参湯に附子を加えた処方を附子理中湯(ぶしりちゅうとう)とよびます。人参湯は、気虚に対して鑑別すべき漢方薬(表1)です。本症例でも、人参湯を示唆する腹診所見である心下痞鞕と心窩部の冷感を認めています。ほかに陰証で倦怠感がある場合に用いる漢方薬には、真武湯があります(第2回参照)。真武湯は少陰病・水毒に用いる漢方薬です。ほかの鑑別点として、人参湯は尿量が保たれる傾向(尿自利[にょうじり])があり、真武湯では尿量が少ない傾向(尿不利[にょうふり]、第9回参照)があります。どちらも重要な陰証の漢方薬なので、比較しながら覚えておきましょう(表2)。真武湯の倦怠感は気虚でなく少陰病であること、冷えて水が貯留する状態(水毒)によって生じると考えるとよいでしょう。さらに冷えと倦怠感が強い場合には、第7回に登場した茯苓四逆湯(ぶくりょうしぎゃくとう)(エキス剤では人参湯+真武湯で代用)を用います。また、茯苓四逆湯を用いるような非常につらい倦怠感を「煩躁(はんそう)」といいます。今回のポイント「気虚」の解説漢方では、患者の陰陽・虚実を把握するとともに、もう1つのパラメーターである「気・血・水の変調」として病気を捉えます。気・血・水は、生命活動を支えるために必要な生体内を循環する要素です。身体を巡る液体成分は血と水ですが、気は目に見えない、形がない、生命活動を営む根源的なエネルギーです。気の異常のなかでも、気の量的な不足、または作用力の不足を気虚といいます。気虚の主な症状としては、倦怠感、疲れやすい、食欲がない、風邪をひきやすいなどが挙げられます。また、食事により少ないエネルギーが消化管に集中してしまうことで生じる「食後の眠気」は気虚に特徴的な症状です。気虚の治療は、弱った胃腸を丈夫にする作用のある漢方薬を使うことが多く、気虚に対する基本となる漢方薬が四君子湯です。四君子湯は、茯苓、人参、白朮、甘草の4つの生薬で構成されます。気虚に頻用する漢方薬には六君子湯や補中益気湯がありますが、温める作用はなく、気虚と冷えがある場合は人参湯の適応です(表1)。

2024.

国内初HIV曝露前予防(PrEP)適応取得、その意義と残された課題/ギリアド

 国連合同エイズ計画(UNAIDS)は、2030年までにHIV流行を終結するという目標を発表しているが、日本のHIV流行対策は世界に比べ後れを取っている状況だ。 ギリアド・サイエンシズ(以下、ギリアド)は2024年8月28日付のプレスリリースで、HIV-1感染症の曝露前予防(以下、PrEP;Pre-Exposure Prophylaxis)としてツルバダ配合錠(一般名:エムトリシタビン・テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩)(以下、ツルバダ)が一部変更承認を取得したと発表した。これによりツルバダは、日本で唯一のHIV-1感染症に対する治療と予防の両方の承認を取得した薬剤となった。 9月25日に行われたギリアド開催のメディアセミナーでは、「PrEP承認がもたらすHIV/AIDSの新展開」をテーマとした議論が交わされた。HIV感染予防の新たなステップ:PrEPとは PrEPとは、HIV未感染の高リスク者が感染リスク軽減のために抗HIV薬を予防的に内服することで、99%以上の感染予防が可能(アドヒアランスが良好な場合)1)といわれている。 ギリアドは、これまでもHIV/AIDS啓発活動コンソーシアム「HIV/AIDS GAP6」※としてHIV流行終結に向けた活動を続けており、今回、HIV治療薬としては既承認であったツルバダのPrEPに対する一部変更承認を取得した。海外におけるツルバダのPrEPとしての適応は、2012年の米国に始まり、欧州、中国を含むアジア諸国でも既に承認されている。※HIV/AIDS GAP6:2021年12月に設立された、ギリアドおよび6つのHIVサポート団体(ぷれいす東京、JaNP+、はばたき福祉事業団、akta、community center ZEL、魅惑的倶楽部)によるコンソーシアム。HIV流行の終結をゴールに活動を続けている。PrEP適応追加承認取得は、正しい知識の普及として大きな意義を持つ メディアセミナーでは、岡 慎一氏(国立国際医療研究センター エイズ治療・研究開発センター 名誉センター長)から、PrEPとしての適応追加承認取得の意義が語られた。 ツルバダをPrEPとして服用する方法には、1日1回1錠を内服する「デイリーPrEP」と、リスク行為の前後で内服する「オンデマンドPrEP」があり、今回承認となったのはデイリーPrEPのみである。PrEP適応には処方開始前の評価(HIV検査、性感染症検査など)および定期的なフォローアップ検査2)が必要で、PrEP処方と検査をパッケージとして行うことが重要だと、同氏は解説した。 またPrEPにより、新規HIV感染者が80%減少したという欧州の報告3)が紹介された。 岡氏は、「HIV感染者が抗HIV薬の服用によりU=U※を維持し、HIV感染ハイリスク者がPrEPを徹底すれば、10年程度で新規HIV感染者はゼロにできる」とHIV流行終結に向けて期待を寄せ、「今後PrEPの認知を広げ、正確な情報を普及させるためにも、今回の薬事承認は大きな意義がある」と述べた。※U=U:「Undetectable=Untransmittable」の略。血液中のHIV量が検出感度未満で抑えられていれば、性行為による他者への感染を起こさないこと。PrEPの適応追加承認は大きな一歩、ただし課題も残る セミナーのパネルディスカッションでは、「HIV/AIDS GAP6」の各メンバー6人と岡氏による、PrEPの重要性と課題についての議論が交わされた。 HIV/AIDS GAP6は、HIV流行終結達成へ向け、差別・偏見の解消、予防、検査、治療における課題を解決すべく活動を続けており、そのうちの1つとして「HIV流行の終結に向けた要望書」を提出するなど、国内におけるPrEP承認へ尽力してきた。今回、PrEPの適応追加承認が得られた現時点での各メンバーによるPrEPの意義と期待が語られた。 JaNP+代表理事の高久 陽介氏は、「HIVに限らず感染症においては、感染予防行動が重要であり、PrEPという新たな予防策が増えたことはとても大きな意義がある。また、HIVに関しては正しい知識の普及がまだ進んでいないため、偏見や差別をなくためのきっかけの1つとしても期待したい」と語った。 また、魅惑的倶楽部理事長の鈴木 恵子氏は、「セックスコミュニケーションの過程で感染予防が難しい場合もあり、とくに女性において自分の意思を主張することができない状況は多い。自主的に行えるHIV感染予防の選択肢として、PrEPが果たす役割は大きいだろう」と付け加えた。 しかし、今回承認となったツルバダのPrEP適応については、保険適用外となることが決定している。 このPrEPに残された課題について、ぷれいす東京代表の生島 嗣氏は「現状の金額※では、1日1錠の服用を継続的に行っていくことが難しい。そのため、海外輸入などの不適切な使用が横行する危険性がある。PrEPを持続可能性のある選択肢とするための方法を話し合っていきたい」と語った。 最後に岡氏は、「今回の適応追加承認で、公にPrEPの情報発信ができるようになり、PrEPを日本に定着させるための土壌ができた。今後、PrEPを必要とする人々へ届けるためのスキームを作っていくために、引き続き議論の必要がある」と締めくくった。※ツルバダの薬価:2,442.4円/錠、1日1錠処方の場合、30日で73,260円。

2025.

やりがい?ワークライフバランス?若手医師が専攻領域を選んだ理由・変更した理由

 医師の総数は増加をしている中、外科などの一部診療科の増加が乏しいことに対して、どのような対策が考えられるか。9月20日に開催された厚生労働省の「第6回医師養成過程を通じた医師の偏在対策等に関する検討会」では、これらの課題を考えるうえでの参考資料として、厚生労働科学特別研究「日本専門医機構における医師専門研修シーリングによる医師偏在対策の効果検証」から、「現在の基本領域を選択した理由」や「希望していた基本領域を選択しなかった理由」について聞いた専攻医へのアンケート結果が示された。本稿では、その内容の一部を紹介する。 同研究では、2020~23年度に19基本領域の専門研修プログラムに登録した専攻医3万6,427人を対象に、2024年2月27日~2024年3月22日にWEB形式によるアンケート調査を実施した。有効回答数は1万5,857件で、有効回答率は46.3%であった。基本領域を選んだ理由は“やりがい”が最も多いが、領域による違いも 現在の専門研修プログラムの基本領域を選択した理由としては、全体でみると「やりがいを感じるから」(62.6%)が最も多く、次いで「将来にわたって専門性を維持しやすいから」(36.6%)となったが、選択した基本領域によって、その選択理由は異なっていた。「やりがいを感じるから」が理由として最も多かった領域が多数を占めたが、小児科(86.0%)、産婦人科(81.5%)、外科(77.7%)、脳神経外科(75.8%)ではこの割合がとくに高かった。 皮膚科(52.7%)、放射線科(61.9%)、麻酔科(59.7%)、病理(53.4%)、臨床検査(51.0%)、リハビリテーション科(62.8%)では「ワークライフバランスの確保ができるから」が最も多く、総合診療科では「総合的な診療能力を獲得しやすいと思ったから」(63.9%)、耳鼻咽喉科は「手技が多いから」(53.5%)、眼科は「将来にわたって専門性を維持しやすいから」(52.8%)が最も多かった。希望していた基本領域を選択しなかった理由は 希望していた基本領域を選択しなかった理由としては、全体でみると「将来的に専門性を維持しづらいから」が17.2%で最も多く、次いで「仕事の内容が想像と違ったから」(14.9%)、「ワークライフバランスの確保が難しいから」(14.8%)であった(n=1,118)。各領域ごとの回答上位3つは以下の通り。内科:ワークライフバランスの確保が難しいから(27.0%)、仕事の内容が想像と違ったから(16.9%)、専門医が取得しづらいから(16.9%)小児科:ワークライフバランスの確保が難しいから(24.2%)、その他(22.6%)、医師が不足していて過酷なイメージがあるから(16.1%)皮膚科:定員が厳しいから/採用試験で受からなかったから(34.5%)、専門医が取得しづらいから(16.1%)、医師が過剰であり競争が激しいイメージがあるから(12.6%)精神科:定員が厳しいから/採用試験で受からなかったから(25.9%)、医師が過剰であり競争が激しいイメージがあるから(24.1%)、仕事の内容が想像と違ったから/その他(17.2%)外科:ワークライフバランスの確保が難しいから(33.9%)、将来的に専門性を維持しづらいから(24.8%)、医師が不足していて過酷なイメージがあるから(21.1%)整形外科:仕事の内容が想像と違ったから(28.2%)、適性・才能がないから/医師が過剰であり競争が激しいイメージがあるから(15.4%)産婦人科:訴訟リスクが大きいから/その他(22.0%)、医師が不足していて過酷なイメージがあるから(17.1%)眼科:定員が厳しいから/採用試験で受からなかったから(33.3%)、医師が過剰であり競争が激しいイメージがあるから(17.5%)、その他(12.7%)泌尿器科:その他(17.2%)、適性・才能がないから/継続したキャリアプランが見えづらいから(13.8%)脳神経外科:ワークライフバランスの確保が難しいから(41.4%)、将来的に専門性を維持しづらいから/医師が不足していて過酷なイメージがあるから(27.6%)放射線科:専門領域の将来性に不安を感じたから/その他(23.1%)、仕事の内容が想像と違ったから/開業しにくいから(15.4%)麻酔科:その他(18.3%)、将来的に専門性を維持しづらいから/開業しにくいから(15.0%)救急科:将来的に専門性を維持しづらいから(27.7%)、仕事の内容が想像と違ったから(22.9%)、継続したキャリアプランが見えづらいから(18.1%)形成外科:定員が厳しいから/採用試験で受からなかったから(25.3%)、その他(17.7%)、ワークライフバランスの確保が難しいから(12.7%)リハビリテーション科:将来的に専門性を維持しづらいから(30.0%)、やりがいを感じないから/継続したキャリアプランが見えづらいから(26.7%)総合診療:将来的に専門性を維持しづらいから(39.8%)、継続したキャリアプランが見えづらいから(20.5%)、仕事の内容が想像と違ったから(17.0%)※回答数が20人以下の耳鼻咽喉科、病理、臨床検査の結果は割愛

2026.

高齢者へのImpellaの安全性・有効性~J-PVADレジストリより/日本心臓病学会

 補助循環用ポンプカテーテルImpellaは、左室機能を補助するための経カテーテル的補助人工心臓(PVAD:percutaneous ventricular assist device)で、唯一、国内承認されているものだ。2017年の承認から7年が経過し、国内の高齢者への安全性や有効性が徐々に明らかになってきている。今回、樋口 亮介氏 (榊原記念病院 循環器内科)が「心原性ショックを合併した後期高齢者におけるImpellaの成績:J-PVADレジストリからの検討」と題し、9月27~29日に仙台で開催された第72回日本心臓病学会学術集会の高齢化社会における循環器診療に関するシンポジウムで発表した。 今回の結果によると、高齢者におけるImpellaの安全プロファイルは非高齢者と比較して概ね同等であり、短期予後は不良であるものの受容可能な結果であった。なお、本発表内容はCirculation Report誌2024年10月29日号オンライン版に掲載された。 樋口氏らは日本におけるImpellaの全例登録研究であるJ-PVADレジストリに登録された2020年2月~2022年12月までにImpellaを挿入した患者のうち75歳以上を高齢者とし、非高齢者のデータと比較・解析した。主要評価項目は30日死亡で、副次評価項目はPVAD関連合併症(輸血を要する出血、心タンポナーデ、脳卒中、溶血、下肢虚血、急性腎障害、敗血症、治療を要する血管合併症)であった。 主な結果は以下のとおり。・解析対象者5,718例のうち75歳以上の高齢者は1,807例(31.6%)で、年齢中央値は80歳(四分位:77~83)であった。・解析対象の高齢者の特徴は、体格指数(BMI)が小さい、急性冠症候群が多い、心筋炎が少ないなどが挙げられた。・高齢者では肝腎機能に関連するT-BilやCreが高く、Alb値が低かった一方で、院外心停止(OHCA)の発生、ECMO併用は少なかった。・30日死亡は高齢者が非高齢者よりも多く認められ(38.9% vs.32.5%)、ハザード比(HR)は1.29(95%信頼区間:1.18~1.41、p<0.0001)であった。また、75〜79歳、80~84歳、85歳以上の3群の間では30日死亡に差はみられなかった。・PVAD関連合併症の多くは高齢者と非高齢者で同等であったが、心タンポナーデ(3.5% vs.1.8%)、下肢虚血(5.6% vs.3.5%)にて、わずかな差を認めた。・多変量解析の結果、75歳以上、BMI、心筋炎、不整脈の既往、ショックの重症度、肝腎障害、合併症としての下肢虚血がImpella挿入後の死亡と関連していた。・研究限界は、PVADを選択しなかった患者データが含まれていない、高齢者特異的パラメータが含まれていない、フォローアップ期間が限定的、イベント判定委員会の設置がなかったなどであった。 本研究を振り返り、同氏は「75歳以上であることはHRをみるとネガティブな因子であるが、死亡率の増加は受容可能な程度。高齢者の中でも補助循環装置を使用することで予後が見込める背景の患者を臨床医が見極め、その上でPVADを使用した結果ではないか」と説明した。また、世界的に心原性ショックを合併した高齢者やECMOを使用する高齢者が増加していることを受け、「暦年齢だけではなく、フレイル、サルコペニア、マルチモビディティなどの高齢者要素を含んだ包括的評価が心原性ショックを合併する高齢者に対して必要」ともコメントした。

2027.

pMMR/MSS大腸がん、免疫検査陽性例はペムブロリズマブ上乗せが奏効(POCHI)/ESMO2024

 pMMR(ミスマッチ修復機能正常)およびMSS(マイクロサテライト安定性)の転移大腸がん(mCRC)は免疫チェックポイント阻害薬(ICI)の効果が低いとされ、現在の1次治療は化学療法と分子標的薬となっている。一方、pMMR/MSS 大腸がんの約15%は腫瘍浸潤リンパ球(TIL)高値であり、ICIの感受性がある可能性がある。さらにオキサリプラチンなどの化学療法によって誘導される免疫原性細胞死や、ベバシズマブなどの血管新生阻害薬による免疫調整によってICIの有効性が高まる可能性もある。 こうした背景から、免疫検査で陽性だった切除不能pMMR/MSS mCRC患者を対象に、1次治療としてのCAPOX+ベバシズマブにペムブロリズマブを上乗せするレジメンの有効性を評価するPOCHI試験が計画された。欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2024)でフランス・ポワティエ大学病院のDavid Tougeron氏が本試験の暫定の解析結果を発表した。・試験デザイン:多施設単群第II相試験・対象:切除不能、未治療のpMMR/MSS mCRC、2つの免疫検査(ImmunoscoreとTuLiS)で少なくとも1つが高値で陽性。PS 0~1・試験群:CAPOX+ベバシズマブ(7.5mg/kg)+ペムブロリズマブ(200mg/kg)、3週ごと・評価項目:[主要評価項目]10ヵ月時点での無増悪生存期間(PFS) [副次評価項目]全生存期間(OS)、病勢コントロール率(DCR)、奏効率(ORR)、奏効期間(DoR)、安全性 主な結果は以下のとおり。・2021年4月~2024年8月、41施設で196例がスクリーニングされ、36例(18%)が少なくとも1つの免疫スコアが陽性となり、登録された(TuLiSが28例、Immunoscoreが8例[うち両検査陽性が6例])。解析対象となったのは30例だった。・年齢中央値67歳、男性が63%、ECOG PS 0が87%、患者背景は右側原発腫瘍が40%、RAS変異が63%、肺転移が33%、肝転移が50%などであった。・治療期間中央値は9.5ヵ月、追跡期間中央値は21ヵ月、13例が治療中であった。・PFS、OSのデータは共に未成熟だが、速報値として12ヵ月時点のPFS率は51.5%であり、主要評価項目(10ヵ月時点のPFS率70%以上と設定)は満たされなかった。一方、DCRは100%、ORRは74%(22例)で、うち完全奏効が17%(5例)だった。DoRの中央値は10ヵ月であった。・21例(70%)の患者に少なくとも1つのGrade3~4の治療関連有害事象を認めた。毒性による死亡は認められなかった。治療関連有害事象で薬剤投与が中止された患者は3例(10%)で、うち2例はペムブロリズマブ関連の毒性(溶血性貧血と疲労/食欲不振)だった。・TuLiSスコアとOSのあいだに相関性は認められなかった。 Tougeron氏は「POCHI試験の暫定的な結果は、免疫応答高値のpMMR/MSS mCRC患者に対し、標準レジメンであるCAPOX+ベバシズマブと併用したペムブロリズマブの良好な安全性プロファイルと高い有効性を示している。17%の完全奏効と100%のDCRという印象的な結果は、今後ランダム化第III相試験でさらに評価する価値がある」としている。

2028.

ワクチン接種はかかりつけ医に相談を/日医

 日本医師会(会長:松本 吉郎氏[松本皮膚科形成外科医院 理事長・院長])は10月2日、定例会見を開催した。会見では、松本会長が先日発足した石破 茂内閣誕生に言及し、医師会は地域を支える重要な医療インフラとして政権と一体となって政策を推進すること、防災省の提案もあるように医師会も災害対策を重要な事項と考えていること、医療・介護業界が物価高騰を上回る賃上げが実現できることなどを要望し、今後も諸政策で連携していくことを語った。また、先般発生した能登半島豪雨への支援金について10月末まで医師会員、一般からの寄付を募っていることを説明した。新型コロナウイルス感染症の重症化防止に高齢者はワクチン接種の検討を 次に感染症担当の笹本 洋一常任理事(ささもと眼科クリニック 理事長・院長)が 「季節性インフルエンザと新型コロナウイルス等の予防接種について」をテーマに、今秋の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)、季節性インフルエンザへのワクチン接種などについて医師会の取り組みや考えを説明した。 COVID-19と季節性インフルエンザは流行傾向にあるが、COVID-19ワクチンの接種が10月1日より開始された。大きな変更点は、公費による無料接種ではなくなったことで、自治体による定期接種となる。対象者は「65歳以上の方」、「60~64歳で心臓、腎臓などに基礎疾患がある方、免疫機能に障害がある方」などが定期接種の対象となり、一部自己負担の有料接種となる。対象者は重症化予防のためにも接種を検討していただき、接種できるワクチンの種類、自己負担額については各自治体により異なるために確認してもらいたいと説明した。また、COVID-19ワクチンは、医師が必要と認めた場合、季節性インフルエンザや肺炎球菌ワクチンとの同時接種もできるので、かかりつけ医に相談してもらいたいと述べた。 そのほか、HPVワクチンの公費負担によるキャッチアップ接種にも触れ、9月末日までの初回接種を医師会としては広く啓発してきたが、これを逃した方も10月中の接種で最短で4~5ヵ月で公費負担の期日内に終えることができるので、かかりつけ医などに相談して欲しいと説明するとともに、通常の定期接種についても近医に問い合わせをお願いしたいと述べた。

2029.

インスリン未治療の2型糖尿病、efsitora vs.デグルデク/NEJM

 インスリン治療歴のない2型糖尿病成人患者において、週1回投与のinsulin efsitoraα(efsitora)による治療は1日1回投与のインスリン デグルデク(デグルデク)治療に対して、糖化ヘモグロビン値(HbA1c)の低下に関して非劣性であることが示された。米国・the MultiCare Rockwood Center for Diabetes and EndocrinologyのCarol Wysham氏らQWINT-2 Investigatorsが、10ヵ国121施設で実施した52週間の無作為化非盲検実薬対照並行群間treat-to-target第III相試験「once-weekly [QW] insulin therapy:QWINT-2試験」の結果を報告した。efsitoraは、週1回投与を目的として設計された新しい基礎インスリンで、小規模な第I相ならびに第II相試験において、安全性および有効性はデグルデクと同等であることが示されていた。NEJM誌オンライン版2024年9月10日号掲載の報告。efsitoraの有効性についてデグルデクに対する非劣性を評価 研究グループは、18歳以上で、インスリン投与歴がなく、スクリーニングの3ヵ月以上前から1~3種類の非インスリン血糖降下薬による治療を受けるもHbA1cが7.0~10.5%で、BMIが45.0以下の2型糖尿病患者を、efsitora群またはデグルデク群に1対1の割合で無作為に割り付けた。 efsitora群では週1回100単位(初回のみ300単位)を、デグルデク群では1日1回10単位から投与を開始し、空腹時血糖値80~120mg/dLを目標値として用量調整を行った。 主要エンドポイントは、ベースラインから52週までのHbA1cの変化量の非劣性で、efsitoraのデグルデクに対する非劣性マージンは0.4%ポイントとした。 副次エンドポイントは、GLP-1受容体作動薬使用の有無別のサブグループにおけるHbA1cの変化量の非劣性、ベースラインから52週までのHbA1cの変化量の優越性、48~52週の期間における持続血糖モニタリングによる血糖値が目標値70~180mg/dLの範囲内であった時間の割合などであった。 安全性の評価項目には低血糖エピソードなどが含まれた。52週のHbA1c変化量に関してefsitoraはデグルデクに対して非劣性 2022年6月3日~2024年4月10日の間に1,267例がスクリーニングを受け、合計928例(efsitora群466例、デグルデク群462例)が無作為化され、割付治療薬を少なくとも1回投与された。有効性解析集団には、efsitora群463例、デグルデク群458例が含まれた。 平均HbA1cは、efsitora群ではベースライン時8.21%から52週時には6.97%に低下した(最小二乗平均変化量:-1.26%ポイント)。一方、デグルデク群では8.24%から7.05%に低下した(同:-1.17%ポイント)。推定投与群間差は-0.09%ポイント(95%信頼区間[CI]:-0.22~0.04)であり、efsitoraのデグルデクに対する非劣性は確認されたが、優越性は示されなかった(p=0.19)。 GLP-1受容体作動薬の使用の有無別では、ベースラインから52週までのHbA1cの変化量(最小二乗平均変化量)は、使用患者集団ではefsitora群-1.26%ポイント、デグルデク群-1.19%ポイント、非使用患者集団ではそれぞれ-1.26%ポイント、-1.15%ポイントであり、群間差は-0.06%ポイントと-0.11%ポイントで、非劣性が示された。 血糖値が目標範囲内であった時間の割合は、efsitora群で64.3%、デグルデクで61.2%であった(推定群間差:3.1%ポイント、95%CI:0.1~6.1)。 臨床的に有意または重度の低血糖(レベル2または3)の発現頻度は、efsitora群では0.58件/曝露患者年(participant-year of exposure:PYE)、デグルデク群では0.45件/PYEであった(推定率比:1.30、95%CI:0.94~1.78)。efsitora群では重度の低血糖は報告されなかったが、デグルデク群では6件報告された。有害事象の発現率は、両群間で類似していた。 なお、中国で使用された持続血糖測定器は他国と異なるため、本報告には中国におけるデータは含まれていない。

2030.

症候性心房細動への肺静脈隔離術vs.シャム/JAMA

 症候性心房細動に対する肺静脈隔離術(PVI)はシャム(偽手技)との比較において、6ヵ月時の心房細動負荷が統計学的に有意に減少し、症状と生活の質は大幅に改善した。英国・Eastbourne District General HospitalのRajdip Dulai氏らが、無作為化二重盲検比較試験「SHAM-PVI試験」の結果を報告した。心房細動の治療において、PVIには大きなプラセボ効果があるかもしれないとの懸念があるが、これまで無作為化二重盲検比較試験は実施されていなかった。JAMA誌オンライン版2024年9月2日号掲載の報告。埋込み型ループレコーダーで心房細動負荷を評価 研究グループは、2020年1月~2024年3月に英国の3次医療機関2施設で、クラスIまたはIIIの抗不整脈薬(β遮断薬を含む)による治療にもかかわらず症候性の発作性または持続性心房細動を有し、カテーテルアブレーションのため紹介された患者を登録し、クライオバルーンカテーテルを用いたPVI群または横隔神経ペーシングのみのシャム群に無作為に割り付けた。 主な除外基準は、長期(1年以上)にわたる持続性心房細動、左心房アブレーションまたは外科的アブレーション既往の患者、アブレーションを必要とするその他の不整脈を有する患者、左房径5.5cm以上、駆出率35%未満の患者などであった。 登録時に未装着の患者全例に埋込み型ループレコーダーが装着され、主要手技の2週間以上前には装着が完了し、心房細動負荷(心房細動累積時間)が評価された。 主要エンドポイントは、最初の3ヵ月間(ブランキング期間)を除く6ヵ月時の心房細動負荷(3ヵ月時~6ヵ月時の心房細動累積時間)であった。副次エンドポイントには、心房細動の症状やQOL(Atrial Fibrillation Effect on Quality of Life[AFEQT]質問票、Mayo AF-Specific Symptom Inventory[MAFSI]、European Heart Rhythm Association[EHRA]スコア、SF-36)、イベント発生までの時間、安全性などが含まれた。心房細動負荷、プラセボと比較してPVIで有意に減少 2020年1月~2023年8月に(2020年3月~2021年7月はCOVID-19のため一時中断)、126例が無作為化され(平均年齢66.8歳、男性89例[70.63%]、発作性心房細動20.63%)、123例が主要評価の解析対象集団となった。 6ヵ月時の心房細動負荷はベースラインからの絶対平均変化量としてPVI群で60.31%、シャム群で35.0%低下した(幾何平均群間差:0.25、95%信頼区間[CI]:0.15~0.42、p<0.001)。 6ヵ月時のAFEQT要約スコア(範囲:0~100、高スコアほど心房細動関連障害が軽度)の推定群間差は、PVI群が18.39ポイント(95%CI:11.48~25.30)高かった。MAFSIの頻度スコアおよび重症度スコアについても、PVI群が良好であった。また、SF-36で評価した健康関連QOLはPVIによる改善が示され、6ヵ月時の推定群間差は9.27ポイント(95%CI:3.78~14.76)とPVI群が良好であった。 なお、著者は研究の限界として、試験期間が6ヵ月と短かったこと、PVIに限定されていたこと、2施設のみの実施であったことなどを挙げている。

2031.

統合失調症における抗精神病薬使用と心臓突然死との関連

 台湾・高雄医学大学のKun-Pin Hsieh氏らは、抗精神病薬使用と心臓突然死リスクとの関連を明らかにするため、人口ベースのケースコントロール研究を実施した。Psychiatry Research誌オンライン版2024年9月2日号の報告。 2011〜20年の国民健康保険研究データベースおよび台湾の複数死因データを用いて、本研究を実施した。対象は、2020年までに心臓突然死が発生した初発統合失調症患者。症例と対照は、年齢、性別、統合失調症診断年により1:4でマッチングした。抗精神病薬には、経口抗精神病薬(OAP)の連日投与、長時間作用型注射剤抗精神病薬(LAI)、OAPとLAIの併用を含めた。 主な結果は以下のとおり。・OAP単独療法と比較し、OAPとLAIの併用(OR:1.91)およびLAI単独療法(OR:1.45)は、心臓突然死リスク増加と関連が認められた。・心臓突然死の重要なリスク因子として、心血管合併症が特定された(調整OR:11.15)。・抗精神病薬関連の心臓突然死リスクは、抗精神病薬未使用、OAP単独療法、LAI単独療法、OAPとLAIの併用の順で高まることが明らかとなった。 著者らは「統合失調症患者にLAIを使用する際には、事前に心血管疾患の病歴を評価することは重要であり、LAI使用に当たっては、他の抗精神病薬を併用しないよう努めるべきであろう」としている。

2032.

大動脈弁狭窄症の症例は特別扱いが必要か?(解説:山地杏平氏)

 経カテーテル大動脈弁植え込み術(TAVI)を行う症例において、有意な冠動脈病変がみられた場合、経皮的冠動脈形成術(PCI)を行うべきか否かを検討したNOTION-3試験がESC(欧州心臓病学会)で発表され、NEJM誌に同時掲載されました。 TAVIが必要とされる症例の多くは80歳以上の高齢者であり、動脈硬化のリスクファクターが重なることが多いため、冠動脈病変を合併することも多くみられます。TAVIが必要な、今後の予後が限られていると予想される症例において、合併している冠動脈病変に対し積極的な侵襲的治療を行う意義があるのかが検討されました。 TAVIを行う前後でPCIを行う群と保存的加療を行う群を比較した結果、死亡、心筋梗塞、緊急での冠血行再建の複合エンドポイントにおいて、PCI群で26%、保存的加療群で36%、ハザード比0.71(95%信頼区間:0.51~0.99、p=0.04)と、有意にPCI群でイベントが少ないという結果が得られました。その内訳では、とくに心筋梗塞と緊急冠血行再建において差がみられ、さらにTAVI後1年以降で各群のイベント発生率に差が認められました。 観察研究とは異なり、無作為化比較研究に同意して参加する症例は、比較的健康な方が登録されやすい傾向にあります。また、最近では低リスク群に対するTAVIも増加しており、NOTION-3試験に登録された症例の年齢中央値は82歳、STSスコアは3点と低値であり、比較的低リスクの症例が対象となっています。今回の試験で報告された死亡率は、PCI群で23%、保存的加療群で27%でした。追跡期間の中央値は2年でしたが、Kaplan-Meierカーブによる推定ではおおむね直線的な推移を示しており、これらの数値を5年の死亡率として扱ってもよいと考えられます。 NOTION-3試験はデンマークを中心とした北欧で行われ、本邦と同程度の平均寿命が見込まれます。2013~17年とやや古いデータですが、本邦の実情を反映したOCEAN-TAVIレジストリから石津 賢一先生らが行った報告によれば、STSスコア4点以下の症例の4年死亡率は22.6%、STSスコア4~8点では28.7%、STSスコア8点以上では49.0%であり(Ishizu K, et al. Am J Cardiol. 2021;149:86-94.)、NOTION-3でみられた死亡率とおおむね同等であると考えられます。 日本国勢調査では各年齢の死亡率が報告されており、これから生命表が作成されます。このデータから累乗することで、本邦における各年齢の推定予後を計算することが可能です。CURRENT-ASレジストリから谷口 智彦先生らが行った報告では、重症大動脈弁狭窄症を認めた症例と年齢および性別をマッチさせた場合の5年死亡率は3.2%とされています(Taniguchi T, et al. Ann Thorac Surg. 2023;116:1195-1203.)。これらを踏まえると、TAVIを行ううえでは低リスクとされる症例であっても、5年で4分の1が死亡することは一般人口と比較しても高い死亡率と考えられます。 FAME試験やFAME 2試験の結果を受け、FFR 0.80以下の病変では一般的にPCIを行ったほうが良いとされています。これに対し、NOTION-3試験に登録されたようなTAVIを必要とする、5年死亡率が約4分の1の症例においても、やはりPCIを行ったほうが良いという結果でした。 大動脈弁狭窄症の症例において、心筋虚血の評価やPCIの検討に関するプラクティスは、STSスコアが比較的低値であれば従来と大きく変える必要はないと考えられます。一方で、死亡率がより高いと予想される合併症の多い症例やフレイルな症例には、引き続き慎重なPCI適応検討が求められます。

2033.

婚活漫画にハズレなし!【Dr. 中島の 新・徒然草】(549)

五百四十九の段 婚活漫画にハズレなし!10月になるとすっかり秋。日が暮れるのも早く、虫の声も一段と大きくなりました。今回は私が読んで面白かった漫画、『婚活バトルフィールド37』(猪熊 ことり、新潮社)を紹介したいと思います。主人公の赤木 ユカと青島は、共に37歳のOL。同じ職場で働いているものの、その中身は対照的です。赤木のほうはそこそこ美人で恋多き女ではあるものの、婚活のほうは初心者。一方、青島のほうは恋愛経験こそ少ないものの、婚活歴8年のベテランです。物語は赤木がそろそろ身を固めようと婚活市場に乗り出したところから始まります。ところが、婚活市場と恋愛市場では戦い方のセオリーが違っていました。初出場の婚活パーティーでは何故か美人の赤木を差し置いて、さほど可愛くない女性が男性達にモテモテ。青島の分析では「婚活は若いほど有利。彼女は自分に有利な場所で確実に勝ちを取りに来ています……相当な手練れと見ました」とのこと。そして「青島流婚活虎の巻 若さは強さ」という格言が飛び出します。さらに赤木に対する青島のアドバイスが的確過ぎる。「同世代で、イケメンで、身長175センチ以上で、年収1,000万円くらいの人」と理想を語る赤木に「条件が多いほど相手を見つける事が困難になるのは婚活の常識です」と諭したうえで「青島流婚活虎の巻 我侭はせめて1つに絞れ」というアドバイスが炸裂します。と、あまりの面白さに5巻まで一気に読んでしまったのですが、ここに来てふとわれに返りました。私が面白いと思う漫画の条件とは何だろうか、と。つらつら考えて5つくらいの条件を思いつきました。リアリティ笑える役に立つ登場人物のキャラが立っている絵が自分の好みこの中でリアリティというのは、絵でいえば写実的というよりは似顔絵みたいな上手さといえばいいでしょうか。いわゆる「あるある話」です。婚活を知らない人にまで「いかにもありそうだ」と思わせれば素晴らしいですね。そう考えると難病漫画なんかは微妙です。私自身、知らない難病・奇病に遭遇したときには、手っ取り早く難病漫画を読んで勉強することが多いのですが、中身が中身だけに笑えるはずもありません。漫画家自身が闘病しながら描いていることも多く、キャラだとか絵だとか、病人に多くを求めるのは無茶というもの。それに比べると婚活漫画にハズレなし!思いっきり笑うことができます。そして何といっても実用的。私がこの漫画で得た知識は以下のとおりです。マッチングアプリにも種類があって、出会い系、恋活、婚活に分かれている。違いは読んで字の如し。結婚相談所(≒婚活型マッチングアプリ)にもデータマッチング型と仲人型がある。前者は会員自身がデータ検索してマッチングするが、後者は担当者が会員同士を紹介してマッチングしてくれる。お見合いで双方から交際希望が出たら仮交際に進むが、この段階では複数同時交際して真剣交際に進む相手を見定めるのも可。真剣交際になったら他の人との交際やお見合いは不可。いやあ、何もかもシステム化されているのが素晴らしい!それはともかくとして。本書はお笑い漫画としても実用書としても一読の価値はあります。よかったらご子息や読者自身の婚活にもお役立てください。最後に1句秋深し 婚活はげむ 虫の声

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ESMO2024レポート 泌尿器科腫瘍

レポーター紹介欧州臨床腫瘍学会(European Society of Medical Oncology:ESMO)は臨床腫瘍学の国際学会では米国臨床腫瘍学会(ASCO)と並ぶ最大規模のイベントで、2024年はスペインのバルセロナにおいて9月13~17日の5日間の日程で開催された。ASCOが毎年シカゴで行われるのに対し、ESMOは欧州の各国で開催されるのが参加者のモチベーションにつながっているのか、年々演題の質が上がってきている印象である。2~4日目に最優秀演題の発表としてPresidential Symposiumが設けられ、12演題中泌尿器からは2演題(尿路上皮がんと前立腺がん)が選出された。口演発表は、Proffered PapersとMini Oralsの発表形式があり、日本からHigh grade pT1筋層非浸潤膀胱がんに対するBCG膀胱内注入療法のランダム化比較第III相試験であるJCOG1019試験も報告された。円安の影響(9月13日時点の1ユーロ=160.88円)で渡航費がかさむ今日この頃、ESMOはオンライン参加で節約をしたが、今年もPractice Changingな話題が豊富だっただけに、「現地参加したかった!」のが本音である。Presidential Symposium#LBA1 Ra223とエンザルタミドの併用療法は骨転移を有する去勢抵抗性前立腺がんのrPFSとOSを延長(PEACE-III試験)A randomized multicenter open label phase III trial comparing enzalutamide vs a combination of Radium-223 (Ra223) and enzalutamide in asymptomatic or mildly symptomatic patients with bone metastatic castration-resistant prostate cancer (mCRPC): First results of EORTC-GUCG 1333/PEACE-3塩化ラジウム223(Ra223)はカルシウム類似物質として骨転移巣を標的とし、崩壊時にα線を放出する放射線内用療法の治療薬で、ALSYMPCA試験において生存期間の延長が示され、日本でも2016年より臨床導入されている。近年は、新規ホルモン薬であるエンザルタミド(ENZ)やアビラテロンなどが転移のある去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)治療の主流となり、また非転移去勢抵抗性前立腺がん(m0CRPC)治療においては、アパルタミドやダロルタミドも標準治療となったことから、その使用状況は変化している。PEACE-3試験は、骨転移のあるmCRPC、無症状か軽症状、Performance Status(PS)0~1で臓器転移のない症例を対象とし、Ra223(55kBq/kgの静注、4週ごと、6サイクル)とENZ(160mg経口、連日)の併用と、ENZ単独を比較したランダム化比較第III相試験で、主要評価項目は画像上の無増悪生存(rPFS)であった。骨修飾薬は必須(119例集積後より)としていた。rPFSは片側α=0.025、β=0.10とし、ハザード比[HR]=0.68を検出するのに283イベントを必要とした。主要な副次評価項目として全生存(OS)を設定し、片側α=0.0034(中間解析)、0.0248(最終解析)でHR=0.75を検出するのに299イベントを必要とした。Ra223+ENZ群222例、ENZ群224例が登録され、ドセタキセル既治療は両群約30%、アビラテロン既治療は2~3%、骨以外の病変を有する症例は33~35%であり、バランスがとれていた。観察期間中央値42.2ヵ月時点のrPFS中央値はRa223+ENZ群で19.4ヵ月、ENZ群で16.4ヵ月(HR:0.69、95%信頼区間[CI]:0.54~0.87、p=0.0009)であり、併用群で有意な延長を認めた。OSは80%のイベント数での中間解析であったが、中央値はRa223+ENZ群で42.3ヵ月、ENZ群で35.0ヵ月(HR:0.69、95%CI:0.52~0.90、p=0.0031)であり、有意な延長を認めた。安全性では、治療関連の重篤な有害事象はRa223+ENZ群で28%、ENZ群で19%とわずかな増加を認めた。とくに注目されていた骨折は5.1%と1.3%、貧血は4.6%と2.2%、好中球減少は4.6%と0%の結果であった。演者のGillessen氏は、この結果によってmCRPCの1次治療の選択肢としてRa223+ENZが新たなオプションとなった、と締めくくった。日本のRa223の適応症は「骨転移のある去勢抵抗性前立腺がん」であり、本試験の対象患者となっている。CRPCでの新規ホルモン薬は標準治療であり、骨折リスクの増加を考慮してRa223との併用は回避すべき、と考えられてきたが、本試験のように骨修飾薬の併用を徹底すれば、ENZとの併用に関しては比較的安全で有効性も期待できることが読み取れる。日本の臨床現場にとっても日常診療を変える重要な報告であった。Presidential Symposium#LBA5 筋層浸潤膀胱がんに対する術前デュルバルマブ+化学療法と根治的膀胱全摘術および術後デュルバルマブはEFS、OSを延長(NIAGARA試験)A randomized phase III trial of neoadjuvant durvalumab plus chemotherapy followed by radical cystectomy and adjuvant durvalumab in muscle-invasive bladder cancer (NIAGARA)筋層浸潤膀胱がんの標準治療は、根治的膀胱全摘術と周術期のプラチナ併用化学療法+/-術後免疫チェックポイント阻害薬であるが、術前から免疫チェックポイント阻害薬を加えることの意義は検証されていなかった。NIAGARA試験は、シスプラチン適格となる筋層浸潤膀胱がん(cT2-T4aN0/1M0)を対象として行われた国際共同ランダム化比較第III相試験で、根治的膀胱全摘術前にゲムシタビン+シスプラチン(GC)療法4サイクルとGC+デュルバルマブ4サイクルにランダム化し、試験治療群では術後デュルバルマブを8サイクル行う治療が設定された。2つの主要評価項目として無イベント生存(EFS)および病理学的完全奏効(pCR)、主要な副次評価項目にOSが設定された。統計計画として、両側α=0.05が、pCRに0.001、EFSに0.049として割り振られ、いずれかが達成されればPositiveと判断するとされた。EFSが有意の場合、αはリサイクルされOSの検証にあてられる。GC+デュルバルマブ群は533例、GC群は530例の登録となり、手術はそれぞれ470例、446例で実施された。デュルバルマブの術後療法が開始された383例のうち、終了したのは288例であった。患者背景は、両群にアジア人を30%弱含み、腎機能良好(クレアチニンクリアランス60mL/min以上)はいずれも81%、リンパ節転移陽性例は5~6%であり、両群均等であった。追跡期間中央値42.3ヵ月時点のEFS中央値は、GC+デュルバルマブ群で「到達せず」、GC群で46.1ヵ月(HR:0.68、95%CI:0.56~0.82、p<0.0001)であった。pCR割合は33.8%と25.8%(オッズ比:1.49、95%CI:1.14~1.96、p=0.0038)で統計学的にNegativeと2022年に報告されていたが、再解析により37.3%と27.5%(オッズ:1.60、95%CI:1.23~2.06、p=0.0005)と、有意差ありと判断される数値であった。OS中央値は両群ともに「到達せず」であり、2年OSではGC+デュルバルマブ群で82.2%、GC群で75.2%、HR:0.75(95%CI:0.59~0.93、p=0.0106)であった。有害事象は、重篤なもので69%と68%と両群に差を認めず、膀胱全摘なしに関連したものは両群ともに1%、手術延期に関連したものは2%と1%であり、術前化学療法(NAC)の増強による悪影響は少ないという結果であった。シスプラチン適格の筋層浸潤膀胱がんにおいては、周術期のGC療法に加えてデュルバルマブを用いることが新たな標準治療と考えられる、とPowles氏は報告した。この報告のディスカッサントはワシントン大学のPetros Grivas氏であり、免疫チェックポイント阻害薬の位置付けの解釈の難しさを指摘した。現在の標準治療である術後ニボルマブ療法の対象は、NAC後はpT2以上の残存腫瘍がある症例である。NIAGARA試験では、pCRとなった3分の1の症例にもデュルバルマブの術後療法が行われているため、バイオマーカーによる追加検討を求めた。とはいえ、NIAGARA試験は日本も参加して行われた第III相試験であり、近い将来薬剤承認が認められれば、日常診療が刷新されるだろう。Proffered Paper session#LBA73 免疫療法を含む1~2ライン既治療の転移のある腎細胞がんに対するニボルマブ+tivozanib併用療法はPFS、OS延長を示せず (TiNivo-2試験)Tivozanib-nivolumab vs tivozanib monotherapy in patients with renal cell carcinoma (RCC) following 1 or 2 prior therapies including an immune checkpoint inhibitor (ICI): Results of the phase III TiNivo-2 studytivozanib(Tiv)は経口血管新生阻害薬であり、ニボルマブ(Niv)との併用は第I/II相試験で有効性と安全性が確認されている。TiNivo-2試験は、免疫チェックポイント阻害薬既治療で、転移のある腎細胞がんを対象にTiv+Niv併用療法とTiv単剤とを比較したランダム化比較第III相試験である。併用療法では、Tivは0.89mgを3週間内服1週間休薬としNiv 480mg静注と併用し、単独療法ではTiv 1.34mgを3週間内服1週間休薬で投与するデザインであり、主要評価項目は中央判定のPFSであった。Tiv+Niv群は171例、Tiv群には172例が登録され、患者背景は年齢中央値63~64歳、アジア人は含まれず、IMDCリスク分類はFavorable/Intermediate/Poorが18/66~67/16%、既治療ライン数は1/2Lが61~65/35~39%でありバランスがとれていた。PFS中央値はTiv+Niv群で5.7ヵ月、Tiv群で7.4ヵ月、HR:1.10(95%CI:0.84~1.43)、p=0.49であり、有意差を認めなかった。OS中央値は17.7ヵ月と22.1ヵ月、HR:1.00(95%CI:0.68~1.46)、p=0.9868であった。Tiv+Niv群とTiv群の有害事象(All grade)は、倦怠感で29%と40%、下痢で30%と36%、嘔気で16%と28%、甲状腺機能低下症で9%と15%であり、血管新生阻害薬の用量による有害事象がTiv群に多く発現していた。Tiv+Niv群に多かったのは、貧血(17%と9%)と掻痒症(16%と6%)であった。Choueiri氏は、TiNivo-2試験はアテゾリズマブ+カボザンチニブとカボザンチニブを比較したCONTACT-03試験と同様にNegativeな結果であったことから、2次治療がPD-1抗体であっても免疫チェックポイント阻害薬の継続使用は勧められない、と締めくくった。本試験の対象症例の詳細を確認すると、「1~2ライン以内に免疫チェックポイント阻害薬使用歴があり、前治療から6ヵ月以内の症例」が適格となっていた。日常診療では、再発リスクの高い限局性腎がん術後はペムブロリズマブで1年間術後治療を行うのが標準となっている。再発後の治療選択肢として、「免疫チェックポイント阻害薬を用いるべきかどうか」は重要な臨床疑問であったが、本試験とCONTACT-03試験の結果から、重要なのは免疫チェックポイント阻害薬ではなく血管新生阻害薬の単剤を十分量で用いることである、と結論付けてもよさそうである。Mini Oral Session#LBA68 転移性去勢感受性前立腺がんに対するダロルタミド+ADTはrPFSを延長 (ARANOTE試験)Efficacy and safety of darolutamide plus androgen-deprivation therapy (ADT) in patients with metastatic hormone-sensitive prostate cancer (mHSPC) from the phase III ARANOTE trial転移のある去勢感受性前立腺がん(mHSPC)の1次治療は、ARASENS試験においてドセタキセル(DTX)+アンドロゲン除去療法(ADT)と比較し、ダロルタミド(Daro)+DTX+ADTがOS延長を示したことから、日本でも承認され日常診療で使用されている。ESMO2024で発表されたARANOTE試験は、同じmHSPCを対象として行われた国際共同ランダム化比較第III相試験で、プラセボ+ADTとDaro+ADTを比較するデザインとなっている。主要評価項目は中央判定のrPFSであった。Daro+ADT群とプラセボ+ADT群に2:1にランダム化され、それぞれ446例と223例が登録され、アジア人(日本は含まれず、中国とインドが主体)は両群に約30%含まれていた。腫瘍量はHigh-volumeが約70%、de-novo転移の症例が71~75%であり、バランスのとれた患者背景であった。rPFS中央値は、Daro+ADT群で「到達せず」、プラセボ+ADT群で25.0ヵ月(HR:0.54、95%CI:0.41~0.71、p<0.0001)であった。サブグループ解析では、High-volume/Low-volumeでのHRはそれぞれ0.60(95%CI:0.44~0.80)/0.30(95%CI:0.15~0.60)であり、点推定値はLow volumeで小さい結果となった。有害事象は、明らかに併用療法で増強するものは認められなかった。これらの結果から、Saad氏は、DTXを使用しないDaro+ADTもmHSPCの標準治療の1つであると結論付けた。ARANOTE試験は日本が含まれなかった試験ではあるが、日本のダロルタミドの保険適用も変更されることを期待したい。とはいえ、High-volume症例にはDaro+DTX+ADTとすべきかDaro+ADTでよいのか、回答可能な臨床試験は行われておらず、日常診療には解決しない疑問が残っている。

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大理石骨病〔osteopetrosis〕

1 疾患概要■ 定義大理石骨病(osteopetrosis)は、破骨細胞の機能不全による骨吸収障害により、びまん性の骨硬化性疾患の総称である。遺伝的異質性の高い疾患であり、症状も早期に発症する重症の新生児型/乳児型、中等度の中間型、軽症の遅発型まで多様である。腎尿細管性アシドーシスや免疫不全を伴う病型もある。骨硬化による高骨量であるにもかかわらず、脆く骨折しやすい。■ 疫学わが国では患者は100人未満とされている。新生児型/乳児型は20万人に1人、遅発型では2万人に1人と報告されている。■ 病因破骨細胞の形成や機能に関連する複数の遺伝子異常(TCIRG1、CLCN7、OSTM1、TNFSF11、TNFRSF11A、PLEKHM1、CA2、SLC4A2、IKBKG、FERMT3、RASGRP2、SNX10)が報告されている。新生児型/乳児型は常染色体潜性遺伝、遅発型は常染色体顕性遺伝である。■ 症状新生児型/乳児型は早期より重度の骨髄機能不全(貧血、易感染性、出血傾向、肝脾腫など)、脳神経症状(難聴、視力障害、顔面神経麻痺など)、水頭症、低カルシウム血症、成長障害などを呈する。汎血球減少となるため感染や出血を生じやすく、幼児期までの死亡率は高い。中間型は、小児期に発症して骨折、骨髄炎、難聴、低身長、歯牙の異常など種々の症状を呈するが、骨髄機能不全は重篤ではない。遅発型では骨髄機能不全は認められず、病的骨折、下顎の骨髄炎、顔面神経麻痺などで診断されることが多い。また、遅発型では他の理由で施行された骨X線検査によって偶然発見されることもある。■ 予後新生児/乳児型では重度の貧血、出血、肺炎、敗血症などにより乳幼児期に死亡するものがある。視力障害、水頭症も問題となる。中間型の長期予後に関しては不明な点が多い。遅発型の生命予後は良い。成人期以降では骨折の遷延治癒や偽関節、骨髄炎、進行性の難聴などが日常生活における問題となる。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)上記の症状と下記の検査所見を合わせて診断する(表)。X線所見としては、全身性の骨硬化像を認め、頭蓋底や眼窩縁の骨硬化像、長管骨骨幹端のundermodeling(Erlenmeyerフラスコ状変形)や帯状透亮像、椎体終板の硬化像(サンドイッチ椎体、ラガージャージ椎体)、長管骨や恥骨などの骨内骨像などを特徴とする。新生児型/乳児型はしばしば低カルシウム血症、汎血球減少症を認める。表 大理石病の診断基準画像を拡大する3 治療 (治験中・研究中のものも含む)重症の新生児/乳児型では骨髄移植、造血幹細胞移植などが試みられているが、現時点で確立されたものはない。種々の症状に応じての対症療法が中心となる。骨折に関しては著しい骨硬化により手術による固定術は困難なことが多い。骨髄炎は遷延化することが多く、長期にわたる薬物治療を要する。視覚障害に対する視神経の外科的減圧術は、技術的な困難さはあるが、一定の成果があるとされている。進行性の難聴に対しては補聴器が必要となる。歯科口腔関連では口腔外科的処置を必要とすることがある。4 今後の展望造血幹細胞移植の工夫、さまざまな前臨床試験が行われている。5 主たる診療科小児科、整形外科※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報難病情報センター 大理石骨病(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)小児慢性特定疾病情報センター 大理石骨病(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)1)Wu CC, et al. J Clin Endocrinol Metab. 2017;102:3111-3123.2)Gene Reviews Japan(GRJ):CLCN7関連大理石骨病3)Palagano E, et al. Curr Osteoporos Rep. 2018;16:13-25.公開履歴初回2024年10月3日

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短くなる在院日数、緩和ケア病棟の役割はどう変わる?【非専門医のための緩和ケアTips】第85回

短くなる在院日数、緩和ケア病棟の役割はどう変わる?緩和ケア病棟の診療報酬体系ってご存知でしょうか? 実は在院日数によって、点数が大きく変わります。今回は医療政策や診療報酬改定で、緩和ケア病棟での緩和ケアがどう変わっていくかを考えてみたいと思います。今回の質問私の外来に通院中のがん患者さん、知人から緩和ケア病棟のことを聞いたそうで、紹介してほしいと相談がありました。ご本人は緩和ケア病棟について非常によく理解されていたのですが、近隣の緩和ケア病棟に連絡したら、「入院して1ヵ月以内には退院してもらいます」と言われました。「ついのすみか」のイメージで緩和ケア病棟を捉えていたので、私も患者さんも少しびっくりというか、がっかりしてしまいました。なぜ、このようなことになっているのでしょうか?ご質問ありがとうございます。これは2012年の診療報酬改定より、入院期間によって診療報酬が変わるようになったことが大きく影響しています。大枠としては、入院期間が短期であるほど病院の収益は大きく、長期入院は減収につながりやすい、という扱いです。そして、現在までその傾向はより強くなっています。具体的には次の表をご覧ください。画像を拡大する入院後、30日以内、31~60日、61日以上と段階的に診療報酬点数が低くなっていきます。緩和ケア病棟入院料1と2は入院待機期間などの条件が設定されており、より重篤な患者の入院に早く対応できる施設であれば緩和ケア病棟入院料1を算定できます。さて、この前提のうえで皆さんに考えてほしいのですが、このような診療報酬体系によって緩和ケア病棟の運営はどのような影響を受けるのでしょうか? 緩和ケアでも診療報酬に基づいた収益を基に、職員に給料を支払いながら組織の持続性を高めたり、より良い医療を提供できるように設備や教育投資をしたりしていく必要があります。必然的に、緩和ケア病棟の在院日数を短くする力学が働きます。かつては緩和ケア病棟というと、「ついのすみか」として何ヵ月も入院しているような患者さんが多くいました。生活の場としての機能を提供しながら、病状や症状の変化に合わせて支援を行っていました。ですが、こうした光景は診療報酬の改定に合わせ、全国の緩和ケア病棟から消え去ってしまいました。私の見聞きする範囲では、多くの緩和ケア病棟では入院時に「症状が落ち着いたら、転院するか自宅に退院していただいています。入院期間の目安は1ヵ月です」といった説明を行っているようです。この状況に対しては、立場によってさまざまな意見があります。経営に近い目線からは、緩和ケア病棟もほかの急性期病棟同様に入院しては退院していくスピード感のあるベッドコントロールが求められます。ただ、緩和ケアを実践したい医療者の中には、もう少しゆっくりとした時間軸でケアを提供したいと考えている人も多くいます。患者さんや家族としても、緩和ケア病棟に入院してやっと症状が和らいで穏やかに過ごせている状況で、退院の話が出てくるわけです。「せわしない、落ち着かない…」といった感想を持たれるのも当然です。一方で、医療政策や地域包括ケアという文脈からは、「入院施設は生活の場ではない」ことが基本です。入院しないとできない医学的介入が必要なくなり、在宅でも対応可能な状態となったら退院する、という流れも当然といえば当然です。皆さんはどのように考えますか?私自身は、個別には緩和ケア病棟に長期入院する必要のある患者さんもいると思う半面、基本的には「入院病棟は生活の場としての機能を提供することが難しい」ことを患者さん、ご家族に共有し、丁寧に退院支援に取り組むことが重要だと考えています。今回のTips今回のTips在院日数が短くなっている緩和ケア病棟、今後も役割の変化が予想されます。

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第116回 アメリカで百日咳が急増、警告

前年比5倍で急増ペースの百日咳アメリカでは、百日咳の報告数が、前年比5倍に増加していると報道されています。え?百日咳?マイコプラズマじゃなくて?米国疾病予防管理センター(CDC)1)によると、2024年では累計1万5,661件の百日咳症例が確認されたと報告しています。昨年の同時期の3,635件と比べると「急増」と言ってもいいでしょう2)。2014年以来、10年ぶりの水準とされています。ウィスコンシン州では前年比約24倍、マサチューセッツ州に至っては前年比約51倍となっています。この理由として「ワクチン接種の忌避」があるようです。ワクチン反対の感情の高まりが感染拡大に影響していると指摘されているのです。なんか最近ワクチンネタが多いこの連載ですが、なんでもかんでもワクチンと結びつけようとまでは思っていません。ただ、そういう忌避が次の感染症を引き起こすトリガーになっているという指摘はほうぼうから上がっています。しかしまあ、さすがに百日咳ワクチンは打っておいたほうがよいでしょう。日本の4種混合ワクチン接種率はきわめて高い(2歳児の接種完了率は97%以上)ですが、実は、世界的にはジフテリア、破傷風、百日咳の混合ワクチンを受けているのは84%と低い状況です。この数値だけをみると、日本で百日咳が問題になることはそれほどないかもしれません。ただ、日本では、百日咳ワクチンの接種開始の月齢が早期化しており、実は3歳以上で百日咳ワクチンを接種される機会が多くないのです。そのため、5歳頃には抗PT抗体の保有率が20%台にまで低下するとされています。鑑別診断に入れよう若い頃は、ちらほら百日咳っぽい患者さんを診たことがあるのですが、コロナ禍以降は、そもそも咳嗽の「受診遅れ」がひどく、鑑別診断にすら挙がりにくくなりました(もしそうでも抗菌薬での介入が難しいフェーズに入っているため)。「咳で悩んでいるんです」「ほうほう、どのくらいですか?」「1年前からです」なんて会話もざらです。2018年から5類感染症(全数把握対象疾患)に定められたので、一時的に診断ムーブメントが勃興しましたが、最近は咳のセミナーなどでも百日咳という鑑別診断をとんと耳にしません。昔は、抗体価の結果が返ってくる頃に治療を始めても遅かったので、経験的治療を導入することもありました。現在の診断においては、イムノクロマト法や核酸増幅法が使用可能です。咳が強めだとマイコプラズマかもしれないということで、マクロライドが入ることも多いと思います。実際、これは百日咳にも有効なので、どちらもカバーできる優れものです。それでもなお、頭のどこかで「百日咳かもしれない」と思いながら、咳嗽診療に当たるべきでしょう。ちなみに、2024年4月1日から、これまで使われてきた4種混合ワクチンにヒブワクチンを加えた5種混合ワクチンが定期接種の対象となっています。親の立場としては非常にラクになります。参考文献・参考サイト1)CDC. Pertussis Surveillance and Trends2)Weekly cases of notifiable diseases, United States, U.S. Territories, and Non-U.S. Residents week ending September 21, 2024 (Week 38)

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フルキンチニブ、切除不能大腸がんに承認/武田

 武田薬品は2024年9月24日、VEGFR1/2/3選択性の経口チロシンキナーゼ阻害薬フルキンチニブ(商品名:フリュザクラ)について、「がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸」を効能又は効果として、厚生労働省より製造販売承認を取得したと発表。 今回の承認は主に、米国、欧州、日本およびオーストラリアで実施された国際共同第II相FRESCO-2試験の結果に基づいている。 同試験では、転移を有する既治療の大腸がん患者を対象としてフルキンチニブ+ベストサポーティブケア(BSC)群とプラセボ+BSC群を比較検討した。結果、有効性の主要評価項目および重要な副次評価項目はすべて達成し、前治療の種類にかかわらず、フルキンチニブ投与患者で一貫したベネフィットが示された。投与中止に至る有害事象の発現率は、プラセボ+BSC群の21%に対し、フルキンチニブ+BSC群は20%であった。

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HR陽性早期乳がん、内分泌療法中断中の出産・授乳の安全性(POSITIVE)/ESMO2024

 妊娠・出産を希望するホルモン受容体陽性早期乳がん患者における、これまでで最大規模の前向きコホート研究で、内分泌療法を中断して出産した女性の約3分の2が母乳育児をしており、短期的には母乳育児の乳がん無発症期間(BCFI)への影響は認められないことが明らかになった。イタリア・European Institute of OncologyのFedro A. Peccatori氏が、POSITIVE試験の副次評価項目についての結果を、欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2024)で報告した。 POSITIVE試験は、乳がんStageI~IIIで術後補助内分泌療法期間が18~30ヵ月の、妊娠を希望する42歳以下の女性を対象として行われた。2014年12月~2019年12月に1ヵ月以内に内分泌療法を中止した女性が組み入れられ、3ヵ月間のウォッシュアウト期間、妊娠・出産(±母乳育児)のための最大2年までの休薬期間を経て内分泌療法を再開した。 主要評価項目は乳がん無発症期間(BCFI)で、追跡期間中央値41ヵ月において、術後補助内分泌療法を一時的に中断しても、短期の乳がん再発リスクは増加しなかったことがすでに報告されている(3年時のBCFIイベント発生率:中断群8.9% vs.対照群9.2%、絶対群間差:-0.2%、ハザード比:0.81[95%信頼区間:0.57~1.15])。今回は、重要な副次評価項目の母乳育児に関するアウトカムについて結果が報告された。 主な結果は以下のとおり。・POSITIVE試験に組み入れられた518例のうち、317例が1人以上の生児を出産した。うち両側乳房切除を受けていないのは313例で、196例(62.6%)が母乳育児を行った。・196例のベースライン特性は、35歳以上が62.7%を占め、初産が83.6%、pN0の症例が67.8%、化学療法歴ありが57.6%であった。・196例中130例(66.3%)が乳房温存術を受けており、66例(33.6%)が片側乳房切除術を受けていた。・母乳育児の頻度は、35歳以上(67.6% vs.55.7%)、初産(66.4% vs.48.5%)、乳房温存術を受けた女性(77.8% vs.45.2%)で高かった。・授乳期間の中央値は4.4ヵ月(0~24.2ヵ月)で、37.1%は6ヵ月以上、12.8%は12ヵ月以上、1.5%は24ヵ月以上授乳していた。・追跡期間中央値41ヵ月において、全体で9件のBCFIイベント(3件の局所再発含む)が発生した。12ヵ月時のBCFIイベント発生率は授乳群1.1% vs.非授乳群1.9%、24ヵ月時のBCFIイベント発生率は授乳群3.6% vs.非授乳群3.1%であった。 Peccatori氏はより長期の追跡調査が必要としたうえで、今回の結果は妊娠や出産を希望する患者にとって重要な意味を持つとし、母乳育児に関するカウンセリングを個別の支援に組み入れていく必要があるとした。

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EGFR陽性NSCLC、CRT後のオシメルチニブの安全性プロファイル(LAURA)/WCLC2024

 切除不能なEGFR変異陽性StageIII非小細胞肺がん(NSCLC)における化学放射線療法(CRT)後オシメルチニブを評価する第III相LAURA試験の安全性解析が、世界肺がん学会(WCLC2024)で神奈川県立がんセンターの加藤 晃史氏から報告された。・対象:切除不能なStageIIIのEGFR遺伝子変異(exon19delまたはL858R)陽性NSCLC患者(CRT後に病勢進行なし)216例・試験群(オシメルチニブ群):オシメルチニブ(80mg、1日1回)を病勢進行または許容できない毒性、中止基準への合致のいずれかが認められるまで 143例・対照群(プラセボ群):プラセボ 73例・評価項目:[主要評価項目]盲検下独立中央判定(BICR)による無増悪生存期間(PFS)[副次評価項目]全生存期間(OS)、安全性など 主な結果は以下のとおり。・曝露期間中央値はオシメルチニブ群24.0ヵ月、プラセボ群8.3ヵ月と両群で差があった。・全Gradeの有害事象(AE)発現はオシメルチニブ群98%、プラセボ群88%であった。・頻度の高いAEは放射線肺臓炎(CRT治療患者)、下痢および皮疹(オシメルチニブ治療患者)であった。・Grade≧3のAE発現はオシメルチニブ群は35%、プラセボ群は12%だったが、曝露期間で調整するとオシメルチニブ群17.7/100人・年、プラセボ群12.6/100人・年であった。・放射線肺臓炎の発現はオシメルチニブ群48%、プラセボ群38%であった。Grade≧3の発現はそれぞれ2%と0%で、ほとんどがGrade≦2であった。また、オシメルチニブ群、プラセボ群とも96%がアジア人であった。・同試験の毒性管理ガイドラインに準じた放射線肺臓炎による投与中止はオシメルチニブ群10%、プラセボ群7%であった。・間質性肺疾患(ILD)の発現はオシメルチニブ群8%、プラセボ群1%であった。 これらの結果から、加藤氏は根治的CRT後のオシメルチニブ療法を切除不能なStageIIIのEGFR変異NSCLCに対する新たなスタンダードとして支持するものだとしている。

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