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Dr.林の笑劇的救急問答5

第3回「さ、さ、酸素! ~一酸化炭素中毒~」第4回「さ、さ、酸素! ~気管支喘息~」 第3回「さ、さ、酸素! ~一酸化炭素中毒~」一酸化炭素(以下CO)中毒は、案外日常生活の中や事件・事故現場に潜んでいます。しかし、疑わないと分からないのがCO中毒の落とし穴。患者さんの主訴や血液検査の結果だけでは見逃してしまう事もあります。何を、どう疑えば診断に辿り着けるのか、そしてCO中毒と診断した場合どのように戦えばいいのか、習得してください。 40歳男性 頭痛と嘔吐を主訴に来院。本人は食あたりを主張するが下痢はない…。 家具工場の火事から救出された三人の男性。それぞれの状態に合せどう対応すればいいのか?第4回「さ、さ、酸素! ~気管支喘息~」気管支喘息は非常によくある疾患で、夜間外来などにも老若男女を問わず来院します。重症の患者さんが徒歩で来院することも決して珍しくありません。また「吸入で改善するだろう」などと甘く見ていると吸入薬が効かなかったり、来院後にみるみる具合が悪くなっていくケースもあります。そんなとき、次の一手はどうするか? 様々な戦術をDr.林が披露します ! 27歳女性 喘息発作で来院。呼吸困難でピークフローは100l/min SpO2 88% 75歳男性 夜間、喘息発作で救急へ。気管支拡張薬やステロイドが著効しない…。

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コントロール不良の喘息患者にチオトロピウム投与で、肺機能、症状増悪リスクが改善/NEJM

 吸入グルココルチコイドと長時間作用性β刺激薬(LABA)で治療を行いながらもコントロール不良の喘息患者に対し、チオトロピウム(商品名:スピリーバ)を投与することで、肺機能が改善し、症状増悪リスクが約2割減少することが、オランダ・Groningen大学医療センターのHuib A.M. Kerstjens氏らによる検討で示された。喘息患者900人超について行った無作為化試験の結果で、NEJM誌2012年9月27日号(オンライン版2012年9月2日号)で発表した。吸入チオトロピウムを48週間投与研究グループは、吸入グルココルチコイドとLABAで治療中の症状のある喘息患者、合計912例について、2つの再現性無作為化比較試験(試験1、試験2)を行い、チオトロピウムの追加投与による肺機能や症状増悪に対する効果を分析した。試験は2008年10月~2011年7月に、15ヵ国で行われた。被験者を2群に分け、一方には、ソフトミストタイプの吸入チオトロピウム(総用量5μg)を、1日1回48週間にわたって投与し、もう一方の群には同量のプラセボを投与した。被験者の平均年齢は53歳で、女性の割合は60.4%、平均FEV1は予測値の62%だった。被験者は全員症候性で、気管支拡張薬投与後の1秒量(FEV1)は予測値の80%以下、前年に1回以上の重度増悪があった。最大FEV1改善幅、チオトロピウム群の対プラセボ格差は86~154mL24週間後のチオトロピウム投与3時間後の最大FEV1の平均変化量(±SE)は、チオトロピウム群がプラセボ群より大きかった。平均群間格差は、試験1では86±34mL(p=0.01)、試験2では154±32mL(p

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チオトロピウムによる喘息患者の肺機能改善

 2012年欧州呼吸器学会(ERS)総会にて、ベーリンガーインゲルハイムは、喘息患者を対象とした包括的な第3相臨床試験PrimoTinA-asthma試験結果の一部を発表した。 PrimoTinA-asthma試験は2つの二重盲検並行群間比較試験からなる第3相臨床試験。高用量ICSとLABAの併用治療を受けており、気管支拡張剤投与後の1秒量が予測値の80%未満、喘息管理質問票(ACQ)スコアが1.5以上の喘息患者912人を、チオトロピウム(5μgレスピマットソフトミスト吸入器使用)または、プラセボ群に分け、それぞれ48週間上乗せ投与した。 主要評価項目である肺機能(投与24週間後のピークFEV1とトラフFEV1)は、プラセボ群と比べチオトロピウム投与群で有意に改善した。また、重度の喘息増悪については、プラセボ群に比べチオトロピウム投与群で初回の重度の喘息増悪までの期間を有意に遅らせ、そのリスクを抑制した(HR= 0.79、P=0.03)。さらに、チオトロピウム投与群は、すべての喘息増悪のリスクを抑制した(P

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アジスロマイシン、非嚢胞性線維症性気管支拡張症の増悪を抑制:EMBRACE試験

 アジスロマイシン(商品名:ジスロマック)は、嚢胞性線維症を原因としない気管支拡張症におけるイベントベースの増悪の予防治療として有効なことが、ニュージーランド・Middlemore病院(マヌカウ市)のConroy Wong氏らが実施したEMBRACE試験で示唆された。気管支拡張症は好中球性の気道炎症、慢性的な細菌感染、繰り返す肺の病態の増悪で特徴づけられ、大量の喀痰を伴う重篤な咳嗽や進行性の肺機能低下、QOL低下をきたし、死亡率の上昇をもたらす可能性がある。アジスロマイシンは抗炎症作用および免疫調節作用を有するマクロライド系抗菌薬で、嚢胞性線維症の病態の増悪を抑制することが示されている。Lancet誌2012年8月18日号掲載の報告。気管支拡張症に対する効果をプラセボ対照無作為化試験で評価EMBRACE(Effectiveness of Macrolides in patients with BRonchiectasis using Azithromycin to Control Exacerbations)試験は、非嚢胞性線維症に起因する気管支拡張症の治療において、アジスロマイシンは増悪率を低減して肺機能を増強し、健康関連QOLを改善するとの仮説の検証を目的とする二重盲検プラセボ対照無作為化試験。2008年2月12日~2009年10月15日までに、ニュージーランドの3施設に、抗菌薬治療を要する増悪の既往歴があり、高解像度CT検査で気管支拡張症と診断された18歳以上の患者が登録された。これらの患者が、アジスロマイシン500mgあるいはプラセボを週3日(月、水、金曜日)、6ヵ月間投与する群に無作為に割り付けられた。主要評価項目は、6ヵ月の治療期間中のイベントベースの増悪率、気管支拡張薬投与前の1秒量(FEV1)のベースラインからの変化、St George呼吸器質問票(SGRQ:0~100点で表し値が低いほど良好、4点以上の変化で臨床的に有意と判定)総スコアの変化の複合エンドポイントとした。増悪率が有意に改善、FEV1、SGRQ総スコアは改善せず141例が登録され、アジスロマイシン群に71例、プラセボ群には70例が割り付けられた。治療期間中の増悪率はアジスロマイシン群が0.59/人と、プラセボ群の1.57/人に比べ有意に改善した(率比:0.38、95%信頼区間[CI]:0.26~0.54、p<0.0001)。拡張薬投与前FEV1は、アジスロマイシン群はベースラインから変化はなく、プラセボ群では0.04L低下したが、この差は有意ではなかった(群間差:0.04L、95%CI:-0.03~0.12、p=0.251)。さらに、SGRQ総スコアの変化についても、アジスロマイシン群は5.17点の低下、プラセボ群は1.92点の低下で、有意差は認めなかった(群間差:-3.25点、95%CI:-7.21~0.72、p=0.108)。著者は、「6ヵ月間のアジスロマイシン治療は、増悪率の低下に加え、初回増悪までの期間もプラセボ群に比し有意に延長し、これらの改善効果は治療終了後6ヵ月の時点でも継続していた。SGRQの症状関連項目の改善効果も確認された。それゆえ、アジスロマイシンは1回以上の増悪歴のある非嚢胞性線維症性気管支拡張症における増悪の予防治療の新たな選択肢である」と結論し、「長期治療の場合は、マクロライド系抗菌薬への耐性の発現を十分に考慮して患者を選択すべきである」と指摘している。

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ドライパウダー式吸入剤「シムビコートタービュヘイラー」に、COPDの効能追加

アステラス製薬株式会社とアストラゼネカ株式会社は10日、ドライパウダー式吸入剤「シムビコートタービュヘイラー」について慢性閉塞性肺疾患(以下、COPD:Chronic Obstructive Pulmonary Disease)が効能追加として承認取得されたと発表した。シムビコートタービュヘイラーは、COPDの薬物療法の中心である気管支拡張薬の一つである長時間作用性β2刺激薬(LABA)と、COPDの増悪を減少させる吸入ステロイド(ICS)の配合剤。COPD患者の場合、吸入回数は4吸入(朝2吸入、夜2吸入)で吸入器具(タービュヘイラー)より吸入する。1日の薬剤吸入量は、ブデソニド640μgとホルモテロールフマル酸塩水和物18μg。 シムビコートタービュヘイラーは、日本では2010年1月に1日2回投与のドライパウダー吸入式の喘息治療配合剤として発売された。2012年4月現在で、喘息の治療薬として114ヵ国、COPDの治療薬として106ヵ国で承認されている。 詳細はプレスリリースへhttp://www.astrazeneca.co.jp/activity/press/2012/12_8_10.html

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現在・元ヘビースモーカーへの低線量CT肺がんスクリーニングで、COPD検出可能

現在および以前にヘビースモーカーであった人に対する、低線量CT肺がんスクリーニングは、感度63%、特異度は88%と、慢性閉塞性肺疾患(COPD)を検出可能であることが示された。オランダ・ユトレヒト大学医療センターのOnno M. Mets氏らが、1,140人を対象に行った前向き横断試験の結果明らかにしたもので、JAMA誌2011年10月26日号で発表した。50~75歳、1日16本、25年間喫煙といったヘビースモーカーを対象研究グループは、2007年7月~2008年9月にかけて、50~75歳の現在または過去の喫煙者男性、1,140人について試験を行った。被験者は、1日16本以上の喫煙を25年以上、または11本以上を30年以上などのヘビースモーカーだった。研究グループは被験者に対し、同一日に行う吸・呼気CT検査で、気管支拡張薬服用前の肺機能検査を行った。肺気腫の定義は、FEV1/FVCが70%未満だった。感度63%、特異度88%、陽性適中率76%、陰性適中率79%その結果、肺気腫が認められたのは、全体の38%にあたる437人だった。CTによる肺気腫や空気とらえ込み現象の検出、BMI、喫煙量(パック・年)、喫煙状況などで補正を行った結果、CT検査によるCOPD検出モデルのROC曲線下面積は0.83(95%信頼区間:0.81~0.86)だった。同モデルによって、COPD陽性と判定されたのは274人で、うち85人が偽陽性だった。COPDの同モデルによる検出感度は63%(同:58~67)、特異度は88%(同:85~90)、陽性適中率は76%(同:72~81)、陰性適中率は79%(同:76~82%)だった。被験者で症状のある人については、ROC曲線下面積は0.87(同:0.86~0.88)、症状のない人については0.78(同:0.76~0.80)だった。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

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喘息患者への気管支拡張薬vs. プラセボvs. 無治療

喘息患者を対象とした前向き実験的試験で報告されるプラセボ効果の客観的および主観的効果結果への影響について、気管支拡張薬とプラセボ(2種類)と無治療とを比較して検討した二重盲検クロスオーバーパイロット試験の結果、客観的なFEV1を指標とした結果ではプラセボ群に改善は認められなかったが、主観的な患者評価では気管支拡張薬とプラセボに有意差は認められなかったことが報告された。米国・ブリガム&ウィメンズ病院/ハーバードメディカルスクールのMichael E. Wechsler氏らが米国国立補完代替医療センターから助成を受け行った試験報告で、NEJM誌2011年7月14日号で発表された。4つの介入群の客観的指標および主観的評価の変化を比較Wechsler氏らによるパイロット試験は、積極的介入としてアルブテロール吸入(サルブタモール、商品名:サルタノールインへラー、アイロミールエアゾール)と、プラセボ吸入、シャム鍼治療、無治療の4つの介入後の急性変化について比較された。被験者は、79人がスクリーニングを受け、そのうち症状が中等度で適格基準を満たした46例で、連続する4回の受診(3~7日間隔)で4つの介入を無作為に1回ずつ受けた。この介入を1ブロックとして、合計3ブロックの介入(被験者の受診回数は合計12回)が実施された。12回の受診時には毎回、客観的反応の測定として、介入後に各20分の2時間にわたるスパイロメトリーが行われFEV1最大値を測定。また主観的反応の測定として、症状の改善認知度をスコア0~10のビジュアルスケールを用いて回答してもらうとともに、受けた介入が実際の治療と思うかプラセボと思うかも回答してもらった。客観的評価の差は有意、しかし主観的評価の有意差は気管支拡張薬 vs.プラセボに認められず試験を完了したのは39例であった。結果、FEV1が、アルブテロール吸入群では20%増加したのに対し、他の3つの介入群はそれぞれ約7%の増加であった(P<0.001)。しかし、患者評価の結果では気管支拡張薬とプラセボ間に有意差は認められなかった。改善したと回答した患者は、アルブテロール吸入群は50%、プラセボ吸入群は45%、シャム鍼治療群は46%であった。ただし、3群とも無治療群(21%)よりは改善したと回答した人が有意に多かった(P<0.001)。結果を踏まえてWechsler氏は、「プラセボ効果は、臨床的に意味があり、積極的な薬物療法の効果についてライバルとなり得る。臨床管理および調査デザインの視点から、患者評価は信頼できないものであるが、客観的評価を確認するために臨床試験の基本項目とするのであれば、治療をしなかった患者群の評価も基本項目に入れるべきであろう」とまとめている。(武藤まき:医療ライター)

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慢性閉塞性肺疾患(COPD)治療薬 インダカテロール(商品名:オンブレス)

2011年7月、慢性閉塞性肺疾患(COPD)治療薬「インダカテロールマレイン酸塩」(商品名:オンブレス®、以下「インダカテロール」)の製造販売が承認された。COPDの現状と課題COPDは「肺の生活習慣病」とも呼ばれ、たばこの煙などの有害物質を長期間にわたり吸入することで発症する、肺の炎症性疾患である。COPDは呼吸機能が加速的に低下する疾患で、主な症状は、咳、痰や体動時の呼吸困難などで、進行すると死に至ることもある。わが国のCOPD患者数は500万人を超えるといわれているが、国内の医療機関でCOPDと診断された患者は約17万にとどまることが報告されている。喫煙率が高く、喫煙開始年齢が若年化しているわが国では、今後さらに患者数が増えることが予想されている。即効性と持続性を兼ね備えたCOPD治療薬COPDを根治する薬物はいまだ登場しておらず、現在の薬物治療は気管支拡張薬が中心となる。長期間作用性β2刺激薬のカテゴリーに属するインダカテロールは、専用の吸入器「ブリーズヘラー®」を用いて吸入する吸入型の気管支拡張薬である。1日1回の吸入で、呼吸機能改善効果は24時間持続し1),2)、さらに、その気管支拡張効果は吸入5分後に発現する3),4)。このように、インダカテロールは1日1回という吸入回数や持続時間の長さなどの利便性、持続性に加え、従来の吸入型長時間作用性気管支拡張薬にはみられない即効性を兼ね備えた、新しいタイプのCOPD治療薬である。インダカテロールの効果と安全性インダカテロールは国際共同第Ⅲ相試験において、1日1回の吸入により、プラセボ群と比べて呼吸機能、呼吸困難の症状、QOLの有意な改善が認められた5)。また、有害事象の発現率も低く、その安全性も確認されている5)。さらに、1日1回投与の長時間作用性抗コリン薬であるチオトロピウムと比較した海外臨床試験(無作為化、非盲検)では、呼吸機能の改善(トラフFEV1)については同等以上の効果を、QOLについては有意な改善を示した1)。また、同じ長時間作用性吸入β2刺激薬で、1日2回投与のサルメテロールとの比較においても、呼吸機能の有意な改善、息切れやQOLの改善などの優れた有効性が認められた2)。まとめインダカテロールは新しいタイプの長時間作用性吸入β2刺激薬であり、既存のCOPD治療薬に比べても、呼吸機能改善効果は同等以上であることが認められている。また、利便性、持続性、即効性という特徴は、患者のQOL改善にも大きく寄与すると思われ、今後、COPD治療の新しい選択肢となることが期待される。

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COPDの標準治療へのβ遮断薬追加の有用性が明らかに

慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療において、β遮断薬を標準的な段階的吸入薬治療に追加すると、全死因死亡、急性増悪、入院のリスクが改善されることが、イギリス・Dundee大学のPhilip M Short氏らの検討で示された。β遮断薬は、心血管疾患に対する明確なベネフィットが確立されているが、COPDを併発する患者では、気管支攣縮の誘導や吸入β2刺激薬の気管支拡張作用の阻害を理由に使用されていない。一方、β遮断薬がCOPD患者の死亡や増悪を抑制する可能性を示唆する報告があるが、標準的なCOPD治療薬との併用効果を検討した研究はないという。BMJ誌2011年5月14日号(オンライン版2011年5月10日号)掲載の報告。β遮断薬の上乗せ効果を評価する後ろ向きコホート試験研究グループは、COPD管理におけるβ遮断薬の意義を評価するために、標準治療+β遮断薬の効果を検討する後ろ向きコホート試験を実施した。スコットランド、テーサイド州の呼吸器疾患データベースであるTayside Respiratory Disease Information System(TARDIS)を検索して、2001年1月~2010年1月までにCOPDと診断された50歳以上の患者5,977例を抽出した。Cox比例ハザード回帰分析にて、全死因死亡、経口副腎皮質ステロイド薬の緊急投与、呼吸器関連入院のハザード比を算出した。全死因死亡率が有意に22%低下平均フォローアップ期間は4.35年、男性3,048例/女性2,929例、診断時の平均年齢は69.1歳、使用されたβ遮断薬の88%が心臓選択性であった。β遮断薬の追加によって全死因死亡率が22%低下した(ハザード比:0.78、95%信頼区間:0.67~0.92)。β遮断薬追加が全死因死亡にもたらすベネフィットは、治療の全段階で認められた。対照群(1,180例、短時間作用性吸入β2刺激薬、短時間作用性吸入抗コリン薬のいずれか一方のみで治療)との比較における全死因死亡率の調整ハザード比は、吸入ステロイド薬(ICS)+長時間作用性β2刺激薬(LABA)+長時間作用性抗コリン薬チオトロピウム(Tio)併用治療では0.43(95%信頼区間:0.38~0.48)、これにβ遮断薬を追加した場合は0.28(同:0.21~0.39)であり、いずれも有意に改善されたが、ICS+LABA+Tio+β遮断薬併用治療のほうがより良好であった。急性増悪時の経口ステロイド薬の緊急投与および呼吸器関連入院の低減効果についても、全死因死亡と同様の傾向がみられ、β遮断薬追加のベネフィットが示された。長時間作用性気管支拡張薬や吸入ステロイド薬にβ遮断薬を併用しても、肺機能に対する有害な影響は認めなかった。著者は、「β遮断薬は、COPDの確立された段階的吸入薬治療と併用することで、併存する心血管疾患や心臓病薬との相互作用を起こさずに、かつ肺機能へ有害な影響を及ぼすことなく、死亡や増悪を低下させる可能性がある」と結論している。(菅野守:医学ライター)

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乳幼児の急性細気管支炎、アドレナリン単剤の有効性示すエビデンス

2歳以下の乳幼児の急性細気管支炎に救急部外来で対処する場合、第1日の入院リスクを最も低減する治療法はアドレナリン(エピネフリン)単剤であることが、カナダAlberta大学小児科のLisa Hartling氏らの検討で示された。急性細気管支炎の治療法は世界中で大きなばらつきがみられ、それぞれの事情に基づいて異なる気管支拡張薬やステロイド薬が使用されている。系統的なレビューがいくつか実施されているが、個々の治療選択肢に関する信頼性の高いエビデンスはいまだに確立されていないという。BMJ誌2011年4月9日号(オンライン版2011年4月6日号)掲載の報告。乳幼児の急性細気管支炎の至適治療法に関するメタ解析研究グループは、2歳以下の乳幼児の細気管支炎の急性期管理における気管支拡張薬とステロイド薬の単剤あるいは併用療法の有効性と安全性について系統的にレビューし、メタ解析を行った。データベース(Medline、Embase、Cochrane Central Register of Controlled Trials、Scopus、PubMed、LILACS、IranMedEx)、関連学会プロシーディング、臨床試験登録を検索して、喘鳴を伴う細気管支炎を初めて発症した生後24ヵ月以下の乳幼児を対象に、気管支拡張薬とステロイド薬の単剤あるいは併用療法を、プラセボあるいは他の介入法(別の気管支拡張薬やステロイド薬、標準治療)と比較した無作為化対照比較試験を抽出した。2名のレビューワーが、患者選択基準やバイアスのリスクなどに関して各試験の評価を行った。主要評価項目は、外来患者の入院(第1日、第7日まで)および入院患者の入院期間であった。メタ解析には変量効果モデル(random effects model)を用い、全介入法を同時に比較するためにベイジアン・ネットワーク・モデル(Bayesian network model)による混合治療比較法(mixed treatment comparison)を使用した。1週間までの入院リスクの低減にはアドレナリン+デキサメタゾン併用療法が有用48試験(4,897例)が解析の対象となった。バイアスのリスクは、「低い」が17%(8試験)、「高い」が31%(15試験)、「不明」が52%(25試験)であった。プラセボとの比較において第1日の入院を有意に低減したのはアドレナリン単剤のみであった[920例のプール解析によるリスク比:0.67、95%信頼区間(CI):0.50~0.89、ベースラインの入院リスクが20%の場合に1例の入院を回避するのに要する治療例数(NNT):15、95%CI:10~45]。第7日までの入院の有意な低減効果を認めたのは、バイアスのリスクが低いと判定された1つの大規模試験(400例)で示されたアドレナリン+デキサメタゾン併用療法であった(リスク比:0.65、95%CI:0.44~0.95、ベースラインの入院リスクが26%の場合のNNT:11、95%CI:7~76)。混合治療比較法による解析では、外来患者に対する好ましい治療法としてアドレナリン単剤(第1日の入院を基準とした場合に最良の治療法である確率:45%)およびアドレナリン+ステロイド薬併用療法(同:39%)が示された。有害事象の報告に治療法による差は認めなかった。入院患者の入院期間については、明確な効果を示した介入法は確認されなかった。著者は、「急性細気管支炎の乳幼児に救急部外来で対処する場合、第1日の入院リスクを最も低減する治療法はアドレナリン単剤であり、アドレナリン+デキサメタゾン併用療法は第7日までの入院リスク低減に有用であることを示すエビデンスが得られた」と結論している。(菅野守:医学ライター)

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中等症~最重症COPD患者の増悪予防に有効なのは?

中等症~最重症の慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者の増悪予防には、LABA(長時間作用性β2刺激薬)のサルメテロール(商品名:セレベント)よりも、長時間作用性抗コリン薬のチオトロピウム(商品名:スピリーバ)のほうが有効であることが、7,300例超を対象とした1年間の無作為化二重盲検ダブルダミー並行群間比較試験の結果示された。COPD治療ガイドラインでは、同患者の症状軽減と増悪リスク低下に対して長時間作用性の吸入気管支拡張薬が推奨されているが、LABAもしくは長時間作用性抗コリン薬のいずれが推奨されるかは明らかではない。ドイツ・Giessen and Marburg大学病院Claus Vogelmeier氏ら「POET-COPD」研究グループは、長時間作用性抗コリン薬がLABAよりも優れているのかどうかを検討するため、25ヵ国725施設共同で本試験を行った。NEJM誌2011年3月24日号掲載より。チオトロピウム群とサルメテロール群に無作為化、初回増悪発生までの期間を主要エンドポイントに試験は、中等症~最重症COPD(40歳以上、喫煙10箱・年以上、GOLD II~IVなど)で前年に増悪の既往がある患者を対象とし、無作為に、チオトロピウム18μg・1日1回投与群もしくはサルメテロール50μg・1日2回投与群に割り付け、中等度~重度の増悪発作に対する治療効果を比較した。主要エンドポイントは、初回増悪発生までの期間とした。被験者は2008年1月から2009年4月の間、計7,376例(チオトロピウム群3,707例、サルメテロール群3,669例)が登録された。基線での両群被験者の特徴は均衡しており、おおよそ75%が男性、平均年齢63歳、現喫煙者48%、COPD歴8年などだった。チオトロピウム群のほうが42日間遅く、17%のリスク低下結果、初回増悪発生までの期間は、チオトロピウム群187日、サルメテロール群145日で、チオトロピウム群の方が42日間遅く、17%のリスク低下が認められた(ハザード比:0.83、95%信頼区間:0.77~0.90、P<0.001)。またチオトロピウム群のほうが、初回重度増悪の初回発生までの期間も延長(ハザード比:0.72、95%信頼区間:0.61~0.85、P<0.001)、中等度または重度増悪の年間発生回数の減少(0.64対0.72、発生率比:0.89、95%信頼区間:0.83~0.96、P=0.002)、重度増悪の年間発生回数の減少(0.09対0.13、発生率比:0.73、95%信頼区間:0.66~0.82、P<0.001)も認められた。なお重篤な有害事象、治療中止となった有害事象の発現率は、総じて両群で同程度だった。死亡例は、チオトロピウム群64例(1.7%)、サルメテロール群78例(2.1%)だった。(武藤まき:医療ライター)

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地域ベースのCOPD予防・マネジメント介入で肺機能低下を抑制:中国

慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、喫煙や空気汚染など複数の因子が重なって起きる慢性進行性の疾患であり、一つの因子への介入では十分な効果が得られない。これまで、早期ステージでの地域ベースの介入にはほとんど関心が示されていなかったが、中国・広州医科大学のYumin Zhou氏らグループが、COPDの早期予防とマネジメントを目的に、地域ベースの統合的介入がもたらす効果を評価するクラスター無作為化比較試験を行った。BMJ誌2010年12月4日号(オンライン版2010年12月1日号)掲載より。872例を統合的介入群と通常ケア群に割り付け追跡試験は、2地域8つの保健単位1,062例のうち試験適格・除外基準を満たした40~89歳の872例(COPD患者101例、非COPD患者771例)を、統合的介入プログラム群(介入群)または通常ケアプログラム群(対照群)に割り付け行われた。介入群には、体系的な保健教育、個別の集中的介入と治療、リハビリテーションが行われた。主要評価項目は、気管支拡張薬投与前の努力呼気1秒量(FEV1)の年低下率とした。FEV1の年低下率が介入群の方が有意に低い結果、FEV1の年低下率は、介入群の方が対照群よりも有意に低かった。補正後のFEV1の年低下率の差は19mL/年(95%信頼区間:3~36、P

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コントロール不良の成人喘息患者へのチオトロピウム追加投与

吸入用ステロイド(グルココルチコイド)単独療法でコントロール不良の成人喘息患者の代替治療に関して、COPD治療薬として開発された長時間作用性抗コリン薬の臭化チオトロピウム水和物(商品名:スピリーバ、日米とも喘息は未適応)の追加投与が、喘息症状および肺機能を改善することが報告された。米国ウェイクフォレスト大学のStephen P. Peters氏らNHLBI喘息臨床研究ネットワークによる。その効果は、すでに改善効果が認められている長時間作用性β2刺激薬(LABA)のサルメテロール(商品名:セレベント)を追加投与した場合と、同等のようだと結論している。NEJM誌2010年10月28日号(オンライン版2010年9月19日号)掲載より。チオトロピウム追加投与を、ステロイド倍量、サルメテロール追加投与とそれぞれ比較Peters氏らは、18歳以上喘息患者210例を対象に、チオトロピウム追加投与(毎朝18μg)、吸入用ステロイド倍量投与(160μg〈2パフ・80μg〉を1日2回)、サルメテロール(50μgを1日2回)追加投与を段階的に受ける二重盲検トリプルダミー交差試験を行った。試験目的は、吸入用ステロイド単独療法へのチオトロピウム追加投与に関する評価を、吸入ステロイド用倍量投与と比較(主要評価項目、優越性を評価)およびサルメテロール追加投与の場合と比較(副次評価項目、非劣性を評価)することだった。ステロイド倍量投与に優越、サルメテロール追加投与に非劣性優越性を検討した吸入用ステロイド倍量投与との比較では、朝の最大呼気流量(PEF)とした主要転帰が、チオトロピウム追加投与の方が優れていることが認められた。PEF平均差は25.8 L/分(P<0.001)だった。また、大半の副次転帰についても優れていた。たとえば、夕方のPEF平均差は35.3 L/分(P<0.001)、喘息コントロール日数の差は0.079(P=0.01)、気管支拡張薬投与前1秒量(FEV1)の差は0.10 L(P=0.004)、1日症状スコアの差は-0.11ポイント(P<0.001)などだった。一方、サルメテロール追加投与との比較では、すべての評価項目で非劣性であることも認められた。なかでも、気管支拡張薬投与前FEV1はチオトロピウム追加投与の方がより大きな増大が認められ、その差は0.11 L(P=0.003)だった。(武藤まき:医療ライター)

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喘息治療の新展開 ―2剤目の配合剤が登場―

2009年12月4日、日本記者クラブにて開催された喘息プレスセミナー(主催:アステラス製薬株式会社/アストラゼネカ株式会社)で、昭和大学医学部内科学講座呼吸器・アレルギー内科部門教授の足立満氏が「日本の喘息治療の現状と新展開」について講演を行った。近年、わが国の喘息の死亡率は、吸入ステロイド薬の普及に伴い、大きく低下し続けている。その減少率は主要疾患の中でもひと際目立つといえる。しかし、人口10万人あたりの喘息死亡率は1.9人(2008年)と、フィンランドの0.3人(2003年)、米国の1.3人(2004年)に比べ、先進国中では、依然高いのが現状である。その理由としては、喘息治療が進んでいる北欧に比べ、わが国の吸入ステロイド薬の使用率が低いことがあげられている1)。吸入ステロイド薬使用率の低さの原因としては、吸入手技の指導やステロイド薬に対する不安があるものの、足立氏は別の視点で見る必要があると話した。今年3月に行ったインターネットの調査によると、喘息治療に用いる吸入薬に期待する特性としては、医師は「効き目の速さ」と、発作・増悪の抑制といった「効果の持続」を同程度に重要視している一方で、患者さんのおよそ8割は「効き目の速さ」を期待している。つまり、「症状消失に対する患者ニーズが高い」現状に対して、吸入ステロイド薬は、速やかな症状消失効果はないため、治療の実感が得られないというギャップがあると考えられる。2009年10月に承認されたシムビコートは、吸入ステロイド薬のブデソニドと即効性・長時間作用性吸入β2刺激薬のホルモテロールからなる配合剤である。本剤1剤で気管支喘息の病態である気道炎症・気道狭窄両方に対して優れた効果を示す。また、本剤に含まれるホルモテロールは、吸入3分後にも呼吸機能を大きく改善し、強い気管支拡張効果を持続的に発揮することから、患者さんは治療効果を実感しやすく、アドヒアランスの向上が期待される。喘息予防・管理ガイドライン2009では、治療ステップ2から、配合剤の使用が認めてられている。今後、配合剤の普及が期待される。最後に、足立氏は、喘息の治療における配合剤の有用性は明らかであり、長期にわたる優れた喘息コントロールと速やかな効果発現を示すシムビコートは、今後日本の喘息治療に変化をもたらす薬剤ではないかと講演を締めくくった。(ケアネット 呉 晨/吉田 直子) 出典:1) 足立満ほか:アレルギー 51: 411-420, 2002.2) 足立満ほか:アレルギー 57: 107-120, 2008.3) K.F. Rabe et al.: Eur Respir J 16: 802-807, 2000.4) 大田健ほか:アレルギー・免疫 16: 1430-1440, 2009.

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50歳以下のCOPD患者の経年的な呼吸機能低下を有意に抑制

ベーリンガーインゲルハイムとファイザーは17日、大規模臨床試験UPLIFT(Understanding Potential Long-term Impacts on Function with Tiotropium)データのpost-hoc解析の結果、スピリーバ(一般名:チオトロピウム)が50歳以下のCOPD患者で、呼吸機能の経年的な低下を有意に抑制し、また健康関連QOLを有意に改善したことが、欧州呼吸器学会(ERS)年次総会で発表されたと報告した。4年間の試験期間を通じ、スピリーバの投与を受けた50歳以下のCOPD患者の呼吸機能の経年的な低下量は、同年代のコントロール群の患者に比べ34%改善した(気管支拡張薬投与後FEV1〔ピークFEV1〕の低下量:スピリーバ群が38mL/年、コントロール群が58mL/年, P=0.01)。UPLIFTは、COPD患者に長時間作用型吸入抗コリン薬スピリーバの有用性を検討する最大規模の無作為化二重盲検プラセボ対照試験。この解析は、50歳以下のCOPD患者356名を対象とした。スピリーバ群ではコントロール群に対し、増悪の発症リスクを27%有意に軽減させた〔95%信頼区間, 相対危険度0.73(0.56, 0.95), P=0.02〕。増悪は、疾患の臨床経過を悪化させることから、COPDの増悪回数を著しく減らすスピリーバによる治療は、COPDの疾患予後を改善し、臨床経過に良好な影響をもたらす可能性が示されたという。詳細はプレスリリースへhttp://www.boehringer-ingelheim.co.jp/com/Home/Newscentre/pressrelease/news_detail.jsp?paramOid=5479

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導出品 QVA149 第II相臨床試験結果を発表

そーせいグループ株式会社は16日、同社およびベクチュラ・グループ・ピーエルシー(英国)の共同開発・導出品QVA149(適応:慢性閉塞性肺疾患、以下「COPD」)について、有効性評価試験、安全性および忍容性試験の2つの第II相臨床試験の結果を、ウィーン(オーストリア)で開催中の欧州呼吸器学会(EuropeanRespiratory Society)において発表したと報告した。QVA149は、同社とベクチュラ社が共同開発しノバルティスに導出したNVA237(臭化グリコピロニウム、長時間作用型ムスカリン拮抗薬:LAMA)と、ノバルティスが独自に開発したQAB149(インダカテロール、長時間作用型β2刺激薬:LABA)とを配合した、1日1回吸入による新規の気管支拡張薬で、COPD治療薬としてノバルティスにより開発されている。同臨床試験での結果は、2つの強力な気管支拡張薬を併用し、利便性の高い1日1回投与とすることの利点を、有効性と安全性の両観点から支持しているという。詳細はプレスリリースへ(PDF)http://www.sosei.com/jp/press/pdf/090916-j_press.pdf

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中等症(GOLDのステージ2)COPD患者の呼吸機能とQOLを有意に改善

ドイツ・ベーリンガーインゲルハイム社は8月28日、ランセット誌(8月28日発刊号)で発表された大規模臨床試験UPLIFT(Understanding Potential Long-term Impacts on Function with Tiotropium)のサブ解析から、チオトロピウム(製品名:スピリーバ)が最長4年にわたり中等症のCOPD患者(GOLDのガイドラインでステージ2と既定される患者)の呼吸機能を継続して改善されることが明らかになったと発表した。UPLIFTは COPD患者に長時間作用型吸入抗コリン薬であるチオトロピウムを用いた最大規模の無作為化二重盲検プラセボ対照試験で、このサブグループ解析では、2,739名の患者を対象とした。サブ解析データからチオトロピウムが中等症(ステージ2)にあるCOPD患者の呼吸機能を改善し、疾患進行を抑制する可能性が示された。4年間の試験期間中、気管支拡張投与後FEV(ピークFEV)の経年的な低下量は、チオトロピウム投与群が43mL/年、プラセボ投与群が49mL/年であり、チオトロピウムが有意に経年低下量を抑制した(p=0.024) 。気管支拡張剤投与前FEV(トラフFEV)の経年的な低下量に両群間に差は見られなかったという。詳細はプレスリリースへhttp://www.boehringer-ingelheim.co.jp/com/Home/Newscentre/pressrelease/news_detail.jsp?paramOid=5478

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アドエア、「COPD診断と治療のためのガイドライン」に安定期の薬物療法の選択肢として紹介される

グラクソ・スミスクライン株式会社(GSK)は9日、社団法人日本呼吸器学会より発行した「COPD(慢性閉塞性肺疾患)診断と治療のためのガイドライン第3版」にCOPDの安定期の薬物治療の選択肢として長時間作用性β2刺激薬/吸入ステロイド配合薬(「アドエア」)が紹介され、その改善効果に関する記述が掲載されたと発表した。「アドエア」(一般名:サルメテロールキシナホ酸塩・フルチカゾンプロピオン酸エステル)は、GSKが2007年6月に成人の気管支喘息を適応として発売した薬剤で、本年1月にCOPDに対する追加適応を取得している。今回、改訂したガイドラインでは、COPDの安定期の治療について、気流閉塞の程度だけでなく、症状の程度(呼吸困難、運動能力の低下、繰り返す増悪)を加味し、重症度を総合的に判断した上で治療法を選択することとなった。薬物治療は、長時間作用性気管支拡張薬(長時間作用性抗コリン薬または長時間作用性β2刺激薬)をベースとして、吸入ステロイド薬等を追加することとされている。従来は、吸入ステロイド薬の追加はIII期(高度の気流閉塞)からとされているが、新たなガイドラインでは、より早い段階でも症状の程度に応じて使用を考慮することが推奨された。詳細はプレスリリースへhttp://glaxosmithkline.co.jp/press/press/2009_07/P1000563.html

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QAB149がCOPD患者の呼吸機能を改善する

ノバルティス ファーマ株式会社は26日、3つの重要な第III相臨床試験の結果によると、スイス本社が開発中の気管支拡張薬であるQAB149(一般名:indacaterol)は慢性閉塞性肺疾患(COPD: Chronic Obstructive Pulmonary Disease)の患者において、臨床的に意味のある呼吸機能の改善が投与5分以内に認められ、しかも24時間持続することが明らかになったと発表した。米サンディエゴで開催された米国胸部疾患学会(ATS: American Thoracic Society)2009年度国際会議で発表されたデータによると、長時間作用型β2刺激薬(LABA: long-acting beta2-agonist)であるQAB149は、投与初日から1年間にわたって呼吸機能を有意に改善したという。また、QAB149は投与された全ての用量において良好な忍容性と全般的に安全なプロファイルを有するということも明らかになったとのこと。1日1回吸入のQAB149は、投与12週後にプラセボと比較して、全ての用量において主要評価項目である1秒量(FEV1: forced expiratory volume in one second)を有意に改善したという。この改善は、投与5分後には認められ、その後も各試験の全ての測定時点において認められたという。また、INVOLVE試験において、QAB149(300μgおよび600μg)のトラフFEV1(投与24時間後のFEV1)のプラセボとの差は、3ヵ月時点で170mL(300μg)および170mL(600μg)であり、70mLであったホルモテロール12μgに対して有意な改善(p

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乳児の細気管支炎、エピネフリン+デキサメタゾン併用療法で入院が減る可能性

 乳児に最もよく見られる急性感染症の細気管支炎(大半はRSウイルスが原因)には、エピネフリン+デキサメタゾン併用療法を行うことで、入院を有意に減らす可能性があるとの報告が、カナダから寄せられた。オタワ大学小児科のAmy C. Plint氏らPERC(Pediatric Emergency Research Canada)の調査による。北米での細気管支炎による入院は、ここ10~15年でほぼ倍増しており、入院医療費は1998年時点で約4億~7億ドルに上ると試算されている。一方で、細気管支炎への治療についてはなお論争の的となっており、気管支拡張薬とコルチコステロイド療法は広く行われているが、推奨はされていない。研究グループは、それら懸念や論争に一石を投じるべく、救急部門で行われている治療(エピネフリン吸入療法、短期のデキサメタゾン経口投与、もしくは両治療の併用)によって入院が減っているかどうかを調べた。NEJM誌2009年5月14日号より。乳児800例対象の多施設共同二重盲検プラセボ対照比較試験 小児科救急部門を受診した細気管支炎の乳児800例を対象とした、多施設共同二重盲検プラセボ対照比較試験。対象患児は、無作為に4群(併用群、エピネフリン群、デキサメタゾン群、プラセボ群)に割り付けられた。 エピネフリンは、0.1%溶液3mLの吸入を2回、デキサメタゾンは、経口投与6回(救急部門で1.0mg/kg体重、以後0.6 mg/kg体重/日を5日間)で治療された。 主要転帰は、救急部の初回受診から7日以内の入院とした。 ベースラインでの臨床的特徴は4群とも同等だった。 入院率は併用群17.1%、プラセボ群26.4% 7日までに入院したのは、併用群が34例(17.1%)、エピネフリン群47例(23.7%)、デキサメタゾン群51例(25.6%)、プラセボ群53例(26.4%)だった。 重大な有害事象は特に見られなかった。 解析の結果、補正前解析では、プラセボ群と比較して併用群だけが、7日以内の入院率が低いように思えた(相対リスク:0.65、95%信頼区間0.45~0.95、P=0.02)。しかし、多重比較解析後には、この結果は意味をなさなくなっていた(P=0.07)が、研究グループは、「併用療法を行うことで、入院を有意に減らす可能性がある」と結論している。■「デキサメタゾン」関連記事術前デキサメタゾン追加で術後24時間の嘔吐が低減/BMJ

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