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<先週の動き>1.ワクチン完了者のコロナ感染死は0.001%未満/CDC2.AZ製ワクチン、40歳以上などを対象に接種開始へ/厚労省3.医師働き方改革、宿日直許可のフローなど公表/厚労省4.マイナンバーカード保険証、9月末までに導入を/厚労省5.日本人の平均寿命、コロナ下でも延長し男女とも最高に/厚労省1.ワクチン完了者のコロナ感染死は0.001%未満/CDC米国疾病予防管理センター(CDC)は、米国内で新型コロナウイルスワクチンの接種を完了した人のうち、コロナ感染により死亡した例は0.001%未満、重症化した例は0.004%未満に留まっていることを、最新データで明らかにした。各地からの報告によれば、新規感染者や入院患者の大半は未接種のグループに集中しているという。なお、世界中で感染が急拡大している変異株「デルタ株」については、接種済みでも感染を広げる可能性を指摘。7月27日、CDCはワクチン接種者に対するガイダンスを更新し、ワクチン接種の有無にかかわらず、感染率の高い地域の屋内公共施設では全員がマスクを着用することを推奨している。(参考)コロナ感染死、ワクチン接種済みなら0.001%未満 米CDC(CNN.co.jp)Statement from CDC Director Rochelle P. Walensky, MD, MPH on Today’s MMWR(CDC)When You’ve Been Fully Vaccinated How to Protect Yourself and Others(同)2.AZ製ワクチン、40歳以上などを対象に接種開始へ/厚労省厚生労働省は30日に、第23回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会を開催し、アストラゼネカ(AZ)製の新型コロナウイルスワクチンについて、予防接種法に基づき、国内でも接種開始することを決めた。接種対象者は、原則40歳以上とするとともに、海外でAZ製ワクチンを1度打って帰国した人などとするが、他社製のワクチンでアレルギー反応が生じた場合や、他ワクチンの流通がストップした場合は、18歳以上40歳未満の人も対象となる。AZ製ワクチンは、今年5月に特例承認されたが、海外で接種後の血栓事例が報告され、国内での使用は見送られていた。血小板減少症を伴う血栓症は、イギリスにおいて1回目接種で100万回当たり14.8件と、アナフィラキシーの発症頻度(100万件当たり16.5件)とほぼ同程度であり、診断・治療の手引きを日本脳卒中学会と日本血栓止血学会が作成し、公表している。(参考)アストラ製ワクチン接種対象、40歳以上に決定(産経新聞)アストラゼネカワクチン 公的接種に追加 40歳未満は原則対象外(NHK)新型コロナワクチンの接種について[アストラゼネカ社ワクチン](厚労省)アストラゼネカ社COVID-19ワクチン接種後の血小板減少症を伴う血栓症の診断と治療の手引き・第2版(日本脳卒中学会、日本血栓止血学会)3.医師働き方改革、宿日直許可のフローなど公表/厚労省厚労省・医師等医療従事者の働き方改革推進室は、2024年度より勤務医に対する時間外労働上限規制が施行されることを踏まえ、医療機関における労働時間管理を適正に行うため、宿日直許可に関する必要書類やフローなどを公表した。申請前チェックシートもあり、医療機関の管理者らが、宿日直許可の取得申請を行う際の事務手続き等の参考になるだろう。(参考)宿日直許可、必要書類やフローなど周知 厚労省(キャリアブレインマネジメント)宿日直関係資料について(周知依頼)(厚生労働省)4.マイナンバーカード保険証、9月末までに導入を/厚労省厚労省は、29日の社会保障審議会医療保険部会で、「オンライン資格確認等システム」の導入準備状況について、カードリーダーなどの専用機器を導入し対応可能となった施設は1,664施設と、全体の1%未満に留まっていることを明らかにした。内訳は、病院159施設、医科診療所535施設、歯科診療所439施設、調剤薬局531施設。顔認証などによる手続きの自動化で待ち時間を短縮できるものの、院内システムの改修も必要であり、それらの準備が完了しているのは7,411施設。顔認証付きカードリーダーの申し込みは約13万施設(約6割)が行っており、そのうち約8割の施設が今年9月末までに導入予定であると回答している。このため、10月からの本格的な稼働に向け、医療関係団体や公的医療機関等に対して、導入加速を働きかける。なお、マイナンバーカードを保険証として使うには、利用者側でも事前登録が必要だが、登録者数は約470万人とカード発行の1割に留まり、更なる広報活動も必要だ。(参考)マイナ保険証への対応1%未満 医療機関、準備遅れ 10月開始、デジタル化基盤整わず(日経新聞)資料 オンライン資格確認等システムについて(厚労省)5.日本人の平均寿命、コロナ下でも延長し男女とも最高に/厚労省厚労省が30日に発表した「令和2年簡易生命表の概況」によれば、2020年の日本人の平均寿命は、男性が81.64歳、女性が87.74歳と、それぞれ2019年と比較して男性が0.22歳、女性は0.30歳延長し、過去最長を更新したことが明らかになった。男性、女性とも全年齢で平均余命は前年を上回っており、新型コロナウイルスにより、男性は-0.03歳、女性は-0.02歳の影響があったものの、男女とも悪性新生物、心疾患(高血圧性を除く)、脳血管疾患、肺炎および不慮の事故などの死亡率の減少によって、全体の平均寿命は延長した。同年の世界順位(香港を除く)は、男性では1位スイス(81.9歳)、2位日本(81.6歳)、3位シンガポール(81.5歳)、女性では1位日本(87.7歳)、2位韓国(86.3歳)、3位シンガポール(86.1歳)となった。なお、香港の平均寿命は男性が82.71歳、女性が88.14歳となっている。(参考)日本人の平均寿命 女性87.74歳、男性81.64歳 過去最高更新(毎日新聞)2020年の平均寿命、男女とも最高に 厚労省まとめ(日経新聞)令和2年簡易生命表の概況(厚労省)