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適切な抗マラリア薬併用療法はどれか?

抗マラリア薬併用療法はこれまで「クロロキン」をベースとしたものだったが、耐性が進み、「アーテミシニン」をベースとした新たな治療戦略がWHOによって推進されている。しかし、有効な対策には地域性を考慮した治療戦略が欠かせない。複数種のマラリア原虫が存在し年間を通して深刻な感染が見られるインドネシア・パプアニューギニアでは、どのような抗マラリア薬併用療法が適切か? 西オーストラリア大学医学・薬理学校のHarin A. Karunajeewa氏らは、従来療法とアーテミシニン系合剤ベースの3つの療法、計4つの療法に関するオープンラベル無作為化並行群間比較試験を行い、適切な治療戦略を検討した。NEJM誌2008年12月11日号(オンライン版2008年12月8日号)より。従来療法含む4療法を比較検討比較検討したのは、「クロロキン+スルファドキシン/ピリメタミン」(CQ-SP)従来療法と、「artesunate+スルファドキシン/ピリメタミン」(ARTS-SP)療法、「dihydroartemisinin+piperaquine」(DHA-PQ)療法、「artemether+lumefantrine」(AL)療法の4療法。2005年4月~2007年7月に、熱帯熱マラリア(原虫:Plasmodium falciparum)もしくは三日熱マラリア(原虫:P. vivax)に罹患したパプアニューギニアの生後6ヵ月~5歳児を対象に実行された。主要エンドポイントは、熱帯熱マラリア患児への治療開始後42日時点の臨床的・寄生虫学的奏効率、副次エンドポイントは三日熱マラリアへの治療開始後42日時点の同奏効率とした。熱帯熱マラリアにはAL療法、三日熱マラリアにはDHA-PQ療法発熱が見られスクリーニングを行ったのは2,802例。このうち熱帯熱マラリアは482例、三日熱マラリアは195例だった。熱帯熱マラリアに対する奏効率が最も高かったのは、AL療法(95.2%)だった。従来療法は81.5%(P=0.003)、ARTS-SP療法は85.4%(P=0.02)、DHA-PQ療法は88.0%(P=0.06)となっている。三日熱マラリアに対する奏効率が最も高かったのは、DHA-PQ療法(69.4%)で、その奏功率は他の3療法より2倍以上高かった。安全性の指標である皮疹の発現率については、ARTS-SP療法、DHA-PQ療法で従来療法より高かったことが報告されている(P=0.004)。(武藤まき:医療ライター)

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生物学的製剤の安全性問題の多くは感染症関連

生物学的製剤は相対的に新規クラスの薬剤で、免疫原性など特異的なリスクを伴うが、承認後の安全性の問題に関する情報入手が限られている。そこで、オランダ・ユトレヒト薬学研究所のThijs J. Giezen氏らは、米国およびEU(欧州連合)で承認された生物学的製剤の、その後にとられた安全性に関する規制措置を追跡調査し検証した。JAMA誌2008年10月22日号より。1995年~2007年の米国・EU承認薬を追跡調査追跡調査されたのは、1995年1月~2007年6月に米国およびEUで承認された生物学的製剤で、ワクチン、抗アレルギー薬、後発薬および輸血目的の製品は除外した。主要評価項目は、安全性規制措置の特徴と頻度、タイミングについてで、1995年1月~2008年6月になされた、(1)米国では医療専門家への文書、EUでは医療専門家への直接連絡、(2)米国で黒枠(強調)警告、(3)米国・EUで安全性に関わる薬剤の市場からの回収を調べ評価した。生物学的製剤承認後の安全性に関する規制措置は23.6%期間中に承認された生物学的製剤は計174製剤(米国136、EU105、両地域67)。安全性関連の規制措置は82回(医療専門家への文書46回、医療専門家への直接連絡17回、黒枠警告19回、市場回収なし)で、174製剤のうち41種(23.6%)に出された。カプラン‐マイヤー解析に基づく初回の安全性規制措置の確率は、承認から3年後が14%(95%信頼区間:9~19%)、承認から10年後29%(20~37%)だった。同クラスの生物学的製剤のうち、最初に承認を得た製品は、後から承認された製品と比較して、安全性規制措置が発動されるリスクはより大きかった(12.0/1,000ヵ月対2.9/1,000ヵ月、ハザード比:3.7、95%信頼区間:1.5~9.5)。警告の大部分は、一般疾患、投与部位の様態に関すること、感染症、寄生虫症、免疫系疾患、良性または悪性腫瘍、その他詳細不明だった。このためGiezen氏は「生物学的製剤の承認後に確認される安全性に関わる問題は、しばしば免疫調節作用(感染症)に関連がある。また同クラスで最初に承認された生物製剤が、規制措置を受ける可能性がより高く、緊密な監視が必要である」と結論付けている。(朝田哲明:医療ライター)

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