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高用量ビタミンD摂取、65歳以上の骨折リスクを低減

メタ解析の結果、65歳以上高齢者の高用量ビタミンD摂取(毎日≧800 IU)は、大腿骨頸部骨折およびあらゆる非椎体骨折の予防に多少ではあるが有望であることが示された。スイス・チューリッヒ大学のHeike A. Bischoff-Ferrari氏らによる解析結果で、「居住場所、年齢、性別とは独立して骨折リスクを低減する可能性があることが示された」と報告している。ビタミンD摂取と骨折の減少についてこれまでのメタ解析の結果は一貫していない。Bischoff-Ferrari氏らは、11の二重盲検無作為化比較試験の被験者を対象に解析を行った。NEJM誌2012年7月5日号掲載報告より。11試験の65歳以上被験者3万1,022例のデータをメタ解析解析には、カルシウムを併用または非併用のビタミンD経口摂取群(毎日、毎週、4ヵ月ごと)について、プラセボ群と比較またはカルシウム単独群との比較が行われた11の二重盲検無作為化比較試験の65歳以上被験者3万1,022例(平均年齢76歳、女性91%)が含まれた。主要エンドポイントは、年齢、性別、居住場所、試験で補正後のCox回帰分析による大腿骨頸部骨折とあらゆる非椎体骨折の発生だった。主要目的は、全試験の介入群におけるビタミンDの実際摂取量(各被験者の治療アドヒアランス分と試験プロトコール以外のサプリメント摂取分を含む)の四分位範囲からのデータを、対照群と比較することだった。骨折リスク低下は実際摂取の最高用量群でのみ解析の結果、大腿骨頸部骨折発生は1,111件、非椎体骨折発生は3,770件だった。ビタミンD摂取群に無作為化された被験者は、対照群と比較して、有意ではなかったが、大腿骨頸部骨折リスクが10%低く(ハザード比:0.90、95%信頼区間:0.80~1.01)、非椎体骨折リスクは7%低かった(同:0.93、0.87~0.99)。実際摂取量の四分位範囲での解析の結果、骨折リスクの低下は、最高用量摂取群(毎日の摂取量範囲:792~2,000 IU、平均800 IU)でのみ示され、大腿骨頸部骨折リスクは30%低下(ハザード比:0.70、95%信頼区間:0.58~0.86)、非椎体骨折リスクは14%低下(同:0.86、0.76~0.96)した。高用量のビタミンD摂取のベネフィットは、年齢層、居住場所、ベースラインの25-ヒドロキシビタミンD値、カルシウム摂取によって定義されるサブグループ群別にみた場合も一貫していた。(武藤まき:医療ライター)

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PPI常用により、閉経後女性の大腿骨頸部骨折リスクが増大

プロトンポンプ阻害薬(PPI)の使用により、閉経後女性の大腿骨頸部骨折のリスクが35%増大し、喫煙歴がある場合は50%以上高いことが、米マサチューセッツ総合病院のHamed Khalili氏らの検討で示された。米国では、PPIは2003年に処方箋なしの店頭販売が認可されて以降、胸焼け、胃食道逆流症、消化性潰瘍の治療薬としてその使用量が劇的に増加した。これまでのPPI使用と大腿骨頸部骨折の関連を検討した研究では相反する結果が報告されているが、これらの試験の多くはライフスタイルや食事という影響の大きい因子に関する情報が限られていたという。BMJ誌2012年2月25日号(オンライン版2012年1月31日号)掲載の報告。PPI常用と大腿骨頸部骨折の関連を前向きコホート試験で検証研究グループは、Nurses’ Health Studyに登録された女性を対象に、PPIの常用と大腿骨頸部骨折の関連を検証するプロスペクティブなコホート試験を実施した。Nurses’ Health Studyは1976年に開始された大規模なコホート試験で、米国の人口の多い11州からに30~55歳の女性が登録され、ライフスタイルや食事に関する詳細な情報が収集された。今回の検討では、2000年から2008年6月1日まで2年に1回のフォローアップで、PPI使用と他のリスク因子のデータを提供した閉経後女性7万9,899人における大腿骨頸部骨折の発生状況について解析した。骨折リスクが35%増加、喫煙歴があると50%以上に56万5,786人・年のフォローアップ期間中に、893件の大腿骨頸部骨折が発生した。1,000人・年当たりの大腿骨頸部骨折の絶対リスクは、PPI常用者が2.02件、非使用者は1.51件であった。2年以上PPIを常用していた女性の大腿骨頸部骨折のリスクは、非使用者に比べ35%高く(年齢調整ハザード比[HR]:1.35、95%信頼区間[CI]:1.13~1.62)、使用期間が長くなるに従ってリスクが増大した(傾向性検定:p<0.01)。この関連性は、体格指数(BMI)、運動、カルシウム摂取などを含めたリスク因子の調整を行っても大きくは変化せず(HR:1.36、95%CI:1.13~1.63)、PPI使用の理由を考慮しても変わらなかった。PPI使用と骨折の関連は喫煙歴の有無で差がみられた(交互作用検定:p=0.03)。喫煙者および喫煙歴のあるPPI使用者は、多変量解析による骨折のHRが1.51(95%CI:1.20~.191)であり、骨折リスクが50%以上増加した。これに対し、生涯非喫煙者ではPPI使用は骨折とは関連がなかった(HR:1.06、95%CI:0.77~1.46)。これらの結果と過去の10試験のメタ解析を行ったところ、PPI使用と大腿骨頸部骨折の統合オッズ比は1.30(95%CI:1.25~1.36)だった。著者は、「PPIの常用により、大腿骨頸部骨折のリスクが増大した。骨折リスクは喫煙歴のある女性で特に高かった」と結論している。(菅野守:医学ライター)

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ビタミンD+カルシウム、高齢者の骨折予防に効果

高齢者の骨折予防におけるビタミンD単剤の用量は10~20μg/日では不十分であるが、カルシウムと併用すると大腿骨頸部骨折および全骨折が有意に抑制されることが、デンマーク・コペンハーゲン大学Gentofte病院のB. Abrahamsen氏らDIPART(vitamin D Individual Patient Analysis of Randomized Trials)の研究グループが実施したプール解析で明らかとなった。高齢者の骨折予防におけるビタミンDの使用については理論的な根拠が確立されているが、骨折予防に必要な用量は明確になっておらず、カルシウム併用の意義も不明であった。BMJ誌2010年1月16日号(オンライン版2010年1月12日号)掲載の報告。7つの無作為化試験からプールされたデータを用い、個々の患者レベルで解析DIPARTの研究グループは、全骨折、大腿骨頸部骨折、臨床的椎骨骨折に対するビタミンD単剤およびビタミンD+カルシウムの予防効果を、患者特性を踏まえて検討し、ビタミンDの用量およびカルシウム併用の意義について評価を行った。ビタミンD単剤あるいはビタミンD+カルシウムの骨折予防効果について検討した7つの主要な無作為化試験からプールされたデータを用いて、個々の患者レベルのデータ解析を行った。解析の対象となったのは合計68,517例で、平均年齢が69.9(47~107)歳、男性は14.7%であった。より高用量のビタミンD単剤の試験を行うべきビタミンD+カルシウムに関する試験では、全骨折のリスクが有意に低減した(ハザード比:0.92、95%信頼区間:0.86~0.99、p=0.025)。大腿骨頸部骨折のリスクについては、全試験の解析では有意な予防効果を認めなかったが(ハザード比:0.84、95%信頼区間:0.70~1.01、p=0.07)、ビタミンD用量10μg+カルシウムの試験では骨折リスクが有意に低減した(ハザード比:0.74、95%信頼区間:0.60~0.91、p=0.005)。ビタミンD単剤を10μg/日あるいは20μg/日投与する試験の解析では、有意な骨折予防効果は認められなかった。骨折の既往歴と治療効果に関連は認めず、年齢、性別、ホルモン補充療法の既往歴も治療効果に影響を及ぼさなかった。著者は、「ビタミンD単剤10~20μg/日の投与に骨折予防効果はない。一方、ビタミンD+カルシウムの併用投与により、年齢、性別、骨折の既往歴にかかわらず、大腿骨頸部骨折および全骨折の頻度が低減し、おそらく椎骨骨折の予防効果もあると推察される」と結論し、「ビタミンDとの併用における骨折予防に必要なカルシウムの用量は1,000mg/日以上と考えられる。より高用量のビタミンD単剤の試験を行う必要がある」と指摘している。(医学ライター:菅野守)

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