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炎症性乳がんへのNAC、1ラインvs.2~3ラインで転帰の差は

 多くのStageIII炎症性乳がん患者は、第1選択治療として術前化学療法(NAC)を受け、十分な反応を示し手術可能となるが、追加のNACが必要となるケースもある。米国・ハーバード大学医学大学院のFaina Nakhlis氏らは、1ラインvs.2~3ラインのNACを受けた患者における臨床転帰を評価した。Breast Cancer Research and Treatment誌オンライン版2023年12月28日号への報告。 2施設において、1ラインまたは2~3ラインのNACを受けたStageIII炎症性乳がん患者が特定された。ホルモン受容体とHER2の状態、グレード、および病理学的完全奏効(pCR)が評価され、乳がんのない生存期間(BCFS)および全生存期間(OS)はKaplan-Meier法により評価された。多変数Coxモデルを用いてハザード比(HR)が推定された。 主な結果は以下のとおり。・808例の適格患者が特定された(1997~2020年、年齢中央値:51歳、追跡期間中央値:69ヵ月)。・733例(91%)が1ライン、75例(9%)が2~3ラインのNACを受けていた。2~3ラインのNACを受けた患者において、グレード3、トリプルネガティブ、HER2陽性の乳がんがより多かった。・1ラインの患者178例(24%)、2~3ラインの患者14例(19%)でpCRを達成した。・5年BCFSは2~3ラインの患者で不良であったが(33% vs.46%、HR:1.37、95%信頼区間[CI]:0.99~1.91)、pCRを達成した192例では同様であった(1ラインの患者:76% vs.2~3ラインの患者:83%)。・308例(1ラインの患者:276例、2~3ラインの患者:32例)が死亡した。・5年OSは1ラインの患者:60% vs.2~3ラインの患者:53%(HR:1.32、95%CI:0.91~1.93)、 pCR達成例では1ラインおよび2~3ラインの患者でともに83%であった。 著者らは、「StageIII炎症性乳がん患者において、pCR率はNACのライン数によらず同様であり、pCRを達成した患者におけるBCFSおよびOSは同程度であった」としている。

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高齢者肺がんに対するアテゾリズマブの有用性(IMpower130・IMpower132統合解析)/ESMO Asia2023

 高齢者および腎機能が低下した非扁平非小細胞肺がん(NSCLC)に対し、アテゾリズマブ+化学療法の有用性を評価した第III相試験の統合解析が示された。 肺がん患者は高齢者が多くを占めるが、高齢進行NSCLCに対する第III相臨床試験は少ない。そのような中、75歳以上のNSCLC患者におけるアテゾリズマブ+化学療法の有効性と安全性を評価した事後解析が、欧州臨床腫瘍学会アジア大会(ESMO Asia2023)で発表された。IMpower130試験とIMpower132試験の統合解析から75歳以上を抽出 この探索的研究は、非扁平NSCLCにおけるアテゾリズマブ+化学療法を評価した第III相試験であるIMpower130試験とIMpower132試験の統合解析から、75歳以上の患者を抽出したものである。75歳以上の生存ベネフィットと共に、腎機能による評価が試験ごとに行われた。有効性評価は1,181例、安全性評価は1,202例で行われ、75歳以上は131例(アテゾリズマブ含有群80例、化学療法群51例)であった。 IMpower130試験とIMpower132試験の統合解析の主な結果は以下のとおり。<75歳以上の生存成績、全集団との比較>・解析全集団の無増悪生存期間(PFS)中央値はアテゾリズマブ+化学療法群7.2ヵ月、化学療法群5.3ヵ月(ハザード比[HR]:0.62、95%信頼区間[CI]:0.54〜0.71)、75歳以上ではそれぞれ8.4ヵ月と7.1ヵ月(HR:0.59、95%CI:0.40〜0.88)であった。・解析全集団の全生存期間(OS)中央値はアテゾリズマブ+化学療法群18.6ヵ月、化学療法群13.9ヵ月(HR:0.81、95%CI:0.68〜0.95)、75歳以上ではそれぞれ28.2ヵ月と15.9ヵ月(HR:0.65、95%CI:0.39〜1.07)であった。・解析全集団の奏効率はアテゾリズマブ+化学療法群57.6%、化学療法群40.3%、75歳以上ではそれぞれ58.8%と39.2%であった。<腎機能と生存成績:試験(レジメン)ごとの比較>[IMpower130:アテゾリズマブ+カルボプラチン+nabパクリタキセル(CnP)]・CCr≧60mL/minにおけるアテゾリズマブ+CnP群のPFS中央値は7.0ヵ月、CnP群5.6ヵ月(HR:0.64、95%CI:0.53〜0.78)、45≦CCr<60ではそれぞれ7.0ヵ月と2.9ヵ月(HR:0.46、95%CI:0.25〜0.86)、CCr<45ではそれぞれ8.3ヵ月と6.1ヵ月(HR:0.49、95%CI:0.16〜1.52)であった。・CCr≧60mL/minにおけるアテゾリズマブ+CnP群のOS中央値は18.6ヵ月、CnP群14.2ヵ月(HR:0.80、95%CI:0.64〜1.01)、45≦CCr

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転移乳がんへのnab-PTX、3投1休vs.2投1休

 HER2陰性転移乳がん患者を対象に、nab-パクリタキセルの2投1休と3投1休スケジュールを比較した無作為化第II相試験の結果、2投1休スケジュールでより良好な抗腫瘍活性と安全性プロファイルが示された。中国・北京大学のYaxin Liu氏らによるOncologist誌2023年12月11日号への報告。 本試験では、HER2陰性転移乳がん患者がnab-パクリタキセルの2投1休群(1・8日目に125mg/m2、1週間休薬)および3投1休群(1・8・15日目に125mg/m2、1週間休薬)に1:1で無作為に割り付けられた(病勢進行または治療不耐性まで投与)。主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)。許容できない毒性がみられた患者では、維持療法として内分泌療法もしくは経口化学療法を受けることが認められた。 主な結果は以下のとおり。・94例が組み入れられ、各群に47例ずつ割り付けられた。・2投1休群では、3投1休群と比較してより長いPFS中央値が観察された(未達vs.6.8ヵ月、ハザード比:0.44、p=0.029)。・全生存期間(28.0ヵ月vs.25.8ヵ月)、客観的奏効率(51.1% vs.48.9%)、および病勢コントロール率(93.6% vs.80.9%)は両群で同様であった。・2投1休群では、毒性による治療中止(8.5% vs.29.8%)および投与延期(6.4% vs.23.4%)が少なかった。

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2023年、がん専門医に読まれた記事は?Doctors’Picksランキング

 ケアネットが運営する、オンコロジーを中心とした医療情報キュレーションサイト「Doctors'Picks」は、2023年の1年間で、がん専門医によく読まれた記事ランキングを発表した(対象期間は2023年1月1日~12月19日)。 昨年まで上位に入っていた新型コロナ関連の話題はトップ10から姿を消し、国内外の臨床腫瘍に関する学会の話題や、注目の臨床試験の結果を掲載したジャーナルの紹介記事が上位にランクインしている。【1位】第20回日本臨床腫瘍学会の注目演題/JSMO2023|CareNet.com(2/22公開) 2023年3月16~18日に開催された日本臨床腫瘍学会学術集会。2月16日に開催されたプレスセミナーで、会長の馬場 英司氏(九州大学)らが注目演題を発表した。【2位】Doctors' Picks 2023 ASCO特設サイト|CareNet.com(5/31公開) 2023年6月2~6日(現地時間)、世界最大の腫瘍学会であるASCO2023(米国臨床腫瘍学会年次総会)が米国シカゴとオンラインのハイブリッド形式で開催。がん種別のお勧め演題をエキスパートのコメントと共に紹介。【3位】EGFR陽性NSCLCの術後補助療法としてのオシメルチニブ/ADAURA試験OS解析|ASCO(4/27公開) EGFR陽性非小細胞肺がん(NSCLC)の術後補助療法としてのオシメルチニブはすでに有用な結果が報告されているが、この第III相ADAURA試験の全生存期間(OS)の解析結果が国臨床腫瘍学会(ASCO2023)のPlenary Sessionで発表された。【4位】ASCO2023 FLASH 消化器がん/国立がん研究センター中央病院 大場 彬博氏|CareNet.com(6/6公開) 2023年6月2日から6日まで開催された2023 ASCO Annual Meetingで発表されたplenary sessionのPROSPECT試験をはじめとした消化器腫瘍のトピックを、国立がん研究センター中央病院の大場 彬博氏が動画でレビュー。【5位】Guardant360 CDxリキッドパイオプシー検査が保険償還|GUARDANT(7/11公開) 米国Guardant Healthは、同社のGuardant360 CDxリキッドバイオプシー検査について、7月24日付で日本国内における保険償還が承認される見通しだと発表した。 6~10位は以下のとおり。【6位】ESMO2023、肺がん領域の注目演題/新潟県立がんセンター新潟病院 三浦 理氏|ESMO(10/16公開)【7位】MSI-High固形がんに対するペムブロリズマブ/KEYNOTE-164最終解析|Clinical Cancer Research(5/16公開)【8位】神経内分泌がん、化学療法耐性後のFOLFIRI vs.FOLFIRI+ベバシズマブ|Lancet Oncology (2/7公開)【9位】IO+Chemo後のラムシルマブ+ドセタキセルの評価/NEJ-051|Eur J Cancer(3/14公開)【10位】ASCO2023 FLASH 肺がん/神奈川県立循環器呼吸器病センター 池田 慧氏|CareNet.com(6/8公開)

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移植適応多発性骨髄腫の1次治療、ダラツムマブ上乗せでPFS延長/NEJM

 新規に診断された移植適応多発性骨髄腫患者において、ボルテゾミブ+レナリドミド+デキサメタゾン(VRd)の導入/地固め療法+レナリドミド維持療法へのダラツムマブ皮下投与上乗せにより、無増悪生存期間(PFS)が有意に延長した。オランダ・エラスムスMCがん研究所のPieter Sonneveld氏らが、欧州およびオーストラリアの14ヵ国115施設で実施された多施設共同無作為化非盲検第III相試験「PERSEUS試験」の結果を報告した。ヒト型抗CD38モノクローナル抗体のダラツムマブは、多発性骨髄腫に対する標準的な治療レジメンとして承認されているが、新規診断の移植適応多発性骨髄腫患者におけるダラツムマブ皮下投与とVRd併用療法の評価が求められていた。NEJM誌オンライン版2023年12月12日号掲載の報告。ダラツムマブ皮下投与+VRd(D-VRd)vs.VRd単独に無作為化 研究グループは、2019年1月19日~2020年1月3日に、18~70歳で新たに多発性骨髄腫と診断され、大量化学療法および自家造血幹細胞移植の適応があるECOG PS 0~2の患者709例を、移植前VRd導入療法+移植後VRd地固め療法+レナリドミド維持療法にダラツムマブ皮下投与を併用する群(D-VRd群)と、併用しない群(VRd群)に、国際病期分類(I、II、III)および細胞遺伝学的リスク(標準、高)で層別化し1対1の割合で無作為に割り付け追跡評価した。 主要評価項目はPFSとし、重要な副次評価項目は完全奏効以上の患者の割合(CR率)、微小残存病変が陰性(閾値10-5)の患者の割合(MRD陰性化率)、全生存期間(OS)であった。D-VRd群でPFSが有意に延長、疾患進行または死亡のリスクはVRd群より58%低下 追跡期間中央値47.5ヵ月(範囲:0~54.4)の時点で、D-VRd群では355例中50例(14.1%)、VRd群では354例中103例(29.1%)に病勢進行または死亡を認めた。 48ヵ月無増悪生存率は、D-VRd群84.3%(95%信頼区間[CI]:79.5~88.1)、VRd群67.7%(62.2~72.6)、D-VRd群のVRd群に対する病勢進行または死亡のハザード比(HR)は0.42(95%CI:0.30~0.59、p<0.001)であった。 CR率はD-VRd群がVRd群より高く(87.9% vs.70.1%、p<0.001)、MRD陰性化率も同様であった(75.2% vs.47.5%、p<0.001)。少なくとも12ヵ月間MRD陰性状態が持続した患者の割合は、D-VRd群64.8%、VRd群29.7%であった。 死亡はD-VRd群34例、VRd群44例であった。 Grade3または4の有害事象の発現率はD-VRd群91.5%、VRd群85.6%で、主な事象は好中球減少症(それぞれ62.1%、51.0%)、血小板減少症(29.1%、17.3%)、下痢(10.5%、7.8%)、肺炎(10.5%、6.1%)、発熱性好中球減少症(9.4%、10.1%)であった。重篤な有害事象はD-VRd群で57.0%、VRd群で49.3%に発現した。

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高リスクHER2+乳がん、術前療法へのアテゾリズマブ追加でpCR改善は(APTneo)/SABCS2023

 HER2陽性高リスク乳がんに対する術前補助療法として、トラスツズマブ(H)+ペルツズマブ(P)+化学療法は標準治療となっている。また、抗HER2療法に対する免疫系の寄与を示すデータが報告され、免疫チェックポイント阻害薬と抗HER2抗体の組み合わせが裏付けられている。イタリア・Fondazione MichelangeloのLuca Gianni氏らは、HP+化学療法へのアテゾリズマブ(±アントラサイクリン)の追加を評価することを目的として、第III相APTneo試験を実施。サンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS2023)で病理学的完全奏効(pCR)についてのデータを報告した。・対象:HER2陽性の切除可能または局所進行乳がん患者(化学療法未治療)・試験群AC+アテゾリズマブ併用群:AC(ドキソルビシン+シクロホスファミド)+アテゾリズマブ(1,200mg 3週ごと静脈内投与)×3サイクル→HPCT(トラスツズマブ+ペルツズマブ+カルボプラチン+パクリタキセル)+アテゾリズマブ×3サイクル→手術→HP+アテゾリズマブ 218例アテゾリズマブ併用群:HPCT+アテゾリズマブ×6サイクル→手術→HP+アテゾリズマブ 220例・対照群:HPCT×6サイクル→手術→HP 223例・評価項目:[主要評価項目]試験群vs.対照群の無イベント生存期間(EFS)[副次評価項目]pCR、忍容性、予測マーカーの評価など 主な結果は以下のとおり。・ベースラインにおける患者特性は3群でバランスがとれており、年齢中央値は49~50歳、局所進行乳がんは44.1~45.3%、PD-L1陽性は29.8~30.9%、ホルモン受容体陽性は61.0~69.1%であった。・副次評価項目のpCR率は、対照群52.0%に対し試験群57.8%で有意な改善はみられなかった(p=0.091)。AC+アテゾリズマブ併用群のpCR率は61.9%で対照群と比較して有意に改善したが(p=0.022)、アテゾリズマブ併用群のpCR率(53.6%)と比較して有意な差はみられなかった(p=0.089)。・重篤な有害事象(SAE)は、対照群で6.8%、試験群で14.1%に発生した。AC療法による血液毒性のため、アテゾリズマブ併用群(11.6%)よりもAC+アテゾリズマブ併用群(16.7%)で頻度が高かった。・免疫関連のSAEはAC+アテゾリズマブ併用群で4.7%、アテゾリズマブ併用群で7.8%と頻度が高いわけではなく、臨床的にコントロール可能なものであった。 Gianni氏は、「HER2陽性の早期高リスクおよび局所進行乳がん患者において、HP+化学療法へのアテゾリズマブの追加は、数値としてpCR率の5.8%増加が確認されたものの統計学的有意差は得られなかった。探索的解析において、AC+アテゾリズマブ併用群におけるpCR率は統計学的に有意に高いことが示されており、アントラサイクリンの直接効果あるいはアテゾリズマブによるAC療法の機構的増強のいずれかが示唆されるのではないか」と結論付けている。同試験はEFSの解析まで現在も進行中。

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TN乳がん術前免疫化療前・後のニボルマブ単剤、pCRに有意差なし(BCT1902/IBCSG 61-20 Neo-N)/SABCS2023

 StageI~IIBのトリプルネガティブ乳がん(TNBC)患者に対して、12週間のニボルマブ+非アンスラサイクリン系抗がん剤の術前免疫化学療法の前または後にニボルマブ単剤治療を組み合わせた第II相BCT1902/IBCSG 61-20 Neo-N試験の結果、ニボルマブ単剤治療の順番にかかわらず有望な病理学的完全奏効(pCR)率を示したことを、オーストラリア・Newcastle大学のNicholas Zdenkowski氏がサンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS2023、12月5~9日)で発表した。 これまで、早期TNBC患者に対する抗PD-L1抗体薬+化学療法の術前免疫化学療法では、すべての薬剤を同時に開始するよりも、抗PD-L1抗体薬を先行して投与したほうがより良好なpCRが得られたという報告1)がある。pCRは良好な予後と関連し、化学療法の期間の短縮が期待されていることから、研究グループはTNBC患者に対するニボルマブ単剤とニボルマブ+化学療法併用の治療戦略を明らかにするために研究を行った。・対象:StageI~IIBのTNBC患者 108例・試験群:ニボルマブ(240mg、2週間)→ニボルマブ(360mg、21日ごと)+カルボプラチン(AUC5、21日ごと)+パクリタキセル(80mg/m2、21日ごとの1・8・15日目)を4サイクル→手術【ニボ先行群:53例】・対照群:ニボルマブ(360mg、21日ごと)+カルボプラチン(AUC5、21日ごと)+パクリタキセル(80mg/m2、21日ごとの1・8・15日目)を4サイクル→ニボルマブ(240mg)→手術【ニボ後行群:55例】・評価項目:[主要評価項目]pCR(ypT0/Tis ypN0)[副次評価項目]腫瘍残存率(RCB)、安全性、PD-L1陽性(≧1%)集団および腫瘍浸潤リンパ球(TIL)高値(≧30%)集団におけるpCR、無イベント生存期間(EFS)・層別化因子:年齢(40歳未満/以上) 主な結果は以下のとおり。・2020年7月~2022年4月に110例が両群に無作為に割り付けられ、治療を開始した108例が解析対象となった。追跡期間中央値は12ヵ月であった。・ベースライン時のニボ先行群およびニボ後行群の患者特性は、年齢40歳未満が26%/16%、閉経周辺期が53%/55%、StageIが34%/35%、TIL高値が34%/33%、PLD1陽性が43%/51%、Ki67中央値がそれぞれ70%であった。・pCR率は全体で53%(90%信頼区間:44~61)、ニボ先行群は51%(39~63)、ニボ後行群は55%(43~66)で、ニボルマブ単剤治療の先行によるpCRの優位性は認められなかった。・PD-L1発現状況によるpCR率は、陽性集団では71%、陰性集団では33%であった。・TIL値によるpCR率は、高値集団では67%、低値集団では47%であった。・全体のRCB 0~1の割合は69%で、ニボ先行群は64%、ニボ後行群は73%であった。・忍容性は良好で、新たな安全性シグナルは認められなかった。・EFSは未成熟であった。

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進行胃がん1次治療、CapeOXへのsintilimab上乗せでOS改善(ORIENT-16)/JAMA

 切除不能な局所進行または転移のある胃・胃食道接合部がんの1次治療において、化学療法へのsintilimabの上乗せはプラセボと比較して、すべての患者およびPD-L1複合陽性スコア(CPS)5以上の患者の全生存期間(OS)を有意に改善したことが示された。中国・Chinese PLA General HospitalのJianming Xu氏らが同国の62病院で行った第III相無作為化二重盲検プラセボ対照試験「ORIENT-16試験」の結果を報告した。胃・胃食道接合部がんと診断される人は、世界で年間100万人以上に上るが有効な治療はほとんどない。sintilimabは、プログラム細胞死1(PD-1)に結合する組換えヒトIgG4モノクローナル抗体で、化学療法との併用による有望な有効性が示されていた。JAMA誌2023年12月5日号掲載の報告。化学療法+sintilimab併用のOSを評価 研究グループは、切除不能な局所進行または転移のある胃・胃食道接合部がん患者について、sintilimab+化学療法vs.プラセボ+化学療法のOSを比較した。また、CPS(スコア範囲:1~100)が5以上の患者のサブグループについても比較した。 2019年1月3日~2020年8月5日に、中国の62病院で切除不能な局所進行または転移のある胃・胃食道接合部がん患者650例を登録。最終フォローアップは2021年6月20日であった。 被験者は1対1の割合で無作為に2群に割り付けられ、カペシタビン+オキサリプラチン(CapeOXレジメン)にsintilimabまたはプラセボの併用投与を受けた(3週ごとに最大6サイクル)。維持療法として、sintilimabまたはプラセボ+カペシタビンの併用は最長2年間投与された。 主要評価項目は、全無作為化患者およびCPS5以上の患者におけるOSであった。全患者およびCPS5以上の患者で、sintilimab併用によりOSが有意に延長 650例(平均年齢59歳、男性483例[74.3%])のうち、327例がsintilimab+化学療法群に、323例がプラセボ+化学療法群に無作為化された。 無作為化された患者650例において、397例(61.1%)がPD-L1 CPS5以上の腫瘍を有しており、563例(86.6%)が試験を中断、388例(59.7%)が死亡となった。追跡不能は1例(<0.1%)。 全無作為化患者において、sintilimabはプラセボと比べてOSを有意に改善したことが示された(中央値15.2ヵ月vs.12.3ヵ月、層別ハザード比[HR]:0.77[95%信頼区間[CI]:0.63~0.94]、p=0.009)。 CPS5以上の患者においても、sintilimabはプラセボと比べてOSを有意に改善した(中央値18.4ヵ月vs.12.9ヵ月、層別HR:0.66[95%CI:0.50~0.86]、p=0.002)。 最も多くみられたGrade3以上の治療関連有害事象は、血小板数の減少(sintilimab併用群24.7% vs.プラセボ併用群21.3%)、好中球数の減少(20.1% vs.18.8%)、貧血(12.5% vs.8.8%)であった。

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FRα高発現プラチナ抵抗性卵巣がん、FRα標的ADC MIRVがOS・PFS改善(MIRASOL)/NEJM

 葉酸受容体α(FRα)高発現プラチナ製剤抵抗性の高異型度漿液性卵巣がん患者において、mirvetuximab soravtansine-gynx(MIRV)は、化学療法と比較して無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)および客観的奏効率(ORR)を有意に改善したことが、米国・オクラホマ大学ヘルスサイエンスセンターのKathleen N. Moore氏らにより21ヵ国253施設で実施された無作為化非盲検第III相試験「MIRASOL試験」の結果で示された。MIRVは、FRα抗体に微小管阻害剤を結合させたFRαを標的とするファーストインクラスの抗体薬物複合体で、米国では2022年11月14日に「SORAYA試験」の結果に基づき、1~3レジメンの前治療のあるFRα高発現プラチナ製剤抵抗性卵巣がんの治療薬として、迅速承認されている。NEJM誌2023年12月7日号掲載の報告。MIRV vs.化学療法、PFSで有効性を主要評価項目に検討 研究グループは、1~3レジメンの前治療があるFRα高発現(腫瘍細胞の75%以上で染色強度が2+または3+)のプラチナ製剤抵抗性高悪性度漿液性卵巣がん患者を、MIRV群(補正後理想体重1kg当たり6mgを3週ごと静脈内投与)または化学療法単剤群(パクリタキセル、ペグ化リポソームドキソルビシンまたはトポテカン:治験責任医師が選択)に、1対1の割合に無作為に割り付けた。 主要評価項目は治験責任医師評価によるPFS、重要な副次評価項目はORR、OSおよび患者報告アウトカムで、ITT集団を対象として解析した。 2020年2月3日より登録が開始され(主要解析のデータカットオフ日は2023年3月6日)、計453例が無作為化された(MIRV群227例、化学療法群226例)。MIRV群でPFS、OSが有意に延長、ORRも有意に改善 PFS中央値は、MIRV群5.62ヵ月(95%信頼区間[CI]:4.34~5.95)、化学療法群3.98ヵ月(2.86~4.47)であり、MIRV群が有意に延長した(層別log-rank検定のp<0.001)。 ORRもMIRV群(42.3%、95%CI:35.8~49.0)が化学療法群(15.9%、11.4~21.4)より有意に高く(オッズ比:3.81、95%CI:2.44~5.94、p<0.001)、OSもMIRV群(中央値16.46ヵ月、95%CI:14.46~24.57)が化学療法群(12.75ヵ月、10.91~14.36)よりも有意に延長した(死亡のハザード比:0.67、95%CI:0.50~0.89、p=0.005)。 治療期間中のGrade3以上の有害事象の発現率はMIRV群(41.7%)が化学療法群(54.1%)より低く、重篤な有害事象(23.9% vs.32.9%)および投与中止に至った有害事象(9.2% vs.15.9%)も同様であった。

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二重特異性抗体エプコリタマブ、大細胞型B細胞リンパ腫3次治療以降の大きな選択肢に/ジェンマブ・アッヴィ

 2023年11月、二重特異性抗体エプコリタマブ(商品名:エプキンリ皮下注4mg、同48mg)の販売が開始された。適応は、再発又は難治性の大細胞型B細胞リンパ腫(LBCL)のうち、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、高悪性度B細胞リンパ腫(HGBCL)、原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫(PMBCL)、および再発又は難治性の濾胞性リンパ腫(FL)。二重特異性抗体薬、EPCORE NHL-3試験での奏効率は55.6% 二重特異性抗体エプコリタマブ販売開始に伴い、同薬剤を共同開発するジェンマブとアッヴィは11月28日にメディアセミナーを行った。本薬剤の承認根拠となったEPCORE NHL-3試験の治験責任者である国立がん研究センター中央病院 血液腫瘍科長 伊豆津 宏二氏が、「再発・難治性LBCLの治療戦略とアンメットメディカルニーズ」と題した講演を行い、疾患と治療の現状と薬剤の作用機序を解説し、メディアからの質問に答えた。――LBCLはリンパ系に発生するがんである非ホジキンリンパ腫(NHL)の1つ。日本において悪性リンパ腫の90%以上を占めるNHLの総患者数は約12.4万人と推定されており、NHLのうち30%強をDLBCLが占めるとされる。好発年齢は65~75歳と高齢者に多い疾患だ。――LBCLの標準初回治療は、多剤併用の化学療法(R-CHOP療法、Pola-R-CHP療法)であり、6割程度の患者はこれで治癒するが、残りは再発難治となる。2次以降の治療戦略は自家移植の適応があるかで異なるが、移植で治癒に至る患者は限られ、1)再発難治後は多剤併用化学療法が奏効しにくい、2)移植後の再発が多い、3)年齢等の要因で自家移植適応の患者自体が限られる、といった要因から、2次治療不応例の効果的な治療選択肢がないことが問題となっていた。――2019年にDLBCL 3次治療にCAR-T療法が承認され、国内では3剤が使えるようになっているが、CAR-T療法にも1)実施できる施設が限られる、2)製剤と治療開始までに時間を要する、3)CAR-T療法後でも半数以上が再発難治となる、といった課題が残されている。――こうした状況で登場したエプコリタマブは、T細胞上のCD3とB細胞上のCD20に同時に結合する二重特異性抗体薬であり、海外第I/II相臨床試験(EPCORE NHL-1/GCT3013-01試験)および国内第I/II相臨床試験(EPCORE NHL-3/GCT3013-04試験)の結果に基づいて承認された。――EPCORE NHL-3試験の奏効率は55.6%、完全奏効率は44.4%だった。主な有害事象はサイトカイン放出症候群(CRS)で全体の83%で発生し、Grade3はうち8%であったが、治療中止に至った例はなかった。初回、2回目までごく少量を投与し、3回目にfull doseを投与するステップアップ投与を行い、有害事象の多くが3回目の治療直後に起こるためマネジメントがしやすい。 講演後の質疑応答では、CAR-T療法との使い分けに関する質問が多く出た。伊豆津氏は「エプコリタマブは承認直後でエビデンスに乏しく、現時点ではガイドラインも含め、CAR-T療法が優先される。しかし、CAR-T療法が実施できない施設、CAR-T療法の実施を待てないケースなどでは、エプコリタマブも選択肢となりうるだろう。また、エプコリタマブ承認に至った治験にはCAR-T療法治療歴のある患者も含まれており、奏効率に大きな差はなかったことから、CAR-T療法不応例への治療選択肢となりうる点も魅力だ」とした。さらに「二重特異性抗体の単剤投与、あるいは化学療法やCAR-T療法との併用戦略は今後の大きなテーマであり、長期データの蓄積が待たれる」とした。

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再発・進行子宮頸がん、アテゾリズマブ+ベバシズマブ+化学療法がOS・PFS改善(BEATcc)/Lancet

 転移、治療抵抗性、再発のいずれかを有する子宮頸がんにおいて、ベバシズマブ+プラチナ製剤を含む化学療法へのアテゾリズマブの上乗せは、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)ともに有意に延長することが、スペイン・バルデブロン腫瘍学研究所のAna Oaknin氏らが行った研究者主導の第III相無作為化非盲検試験「BEATcc試験」の結果で示された。転移のあるまたは再発の子宮頸がんに対しては、GOG240試験でベバシズマブ+化学療法が標準的な1次治療として確立されており、今回のBEATcc試験(ENGOT-Cx10/GEICO 68-C/JGOG1084/GOG-3030)ではこれに加えて免疫チェックポイント阻害薬の上乗せを評価した。結果を踏まえて著者は、アテゾリズマブの追加について「1次治療の新たな選択肢と見なすべきである」としている。Lancet誌オンライン版2023年12月1日号掲載の報告。日本、欧州、米国の医療機関92ヵ所で試験 BEATcc試験は、日本、欧州、米国の医療機関92ヵ所で行われた。対象は測定可能な病変を有し、転移(StageIVB)、治療抵抗性、再発のいずれかを認める子宮頸がんで、未治療、手術・放射線療法が非適応の18歳以上の患者であった。 被験者は1対1の割合で無作為に2群に分けられ、標準療法(シスプラチン50mg/m2またはカルボプラチンAUC5、パクリタキセル175mg/m2、ベバシズマブ15mg/kg、いずれも3週ごとに投与)、または標準療法にアテゾリズマブ1,200mg(3週ごとに投与)を上乗せするアテゾリズマブ併用療法を受けた。病勢進行、許容できない毒性、患者の離脱もしくは死亡まで治療を継続した。併用化学放射線療法歴の有無、組織学的分類(扁平上皮がん、腺扁平上皮がんを含む腺がん)、プラチナ製剤(シスプラチン、カルボプラチン)で層別化した。 主要評価項目は2つで、RECISTに基づく治験責任医師評価のPFSと、ITT集団におけるOSとした。PFS中央値、標準療法群10.4ヵ月、アテゾリズマブ併用群13.7ヵ月 2018年10月8日~2021年8月20日に、適格性の評価を受けた519例中410例が試験に登録された(アテゾリズマブ併用群206例、標準療法群204例)。ベースラインでの両群の特性は類似しており、年齢中央値はアテゾリズマブ併用群51.0歳(四分位範囲[IQR]:43.0~60.0)、標準療法群52.5歳(43.5~61.0)、ECOG PS0は67%と63%であった。また、410例のうち263例(64%)が手術の有無にかかわらず化学療法既往で、90例(22%)が試験登録時にStageIVBであった。日本人の参加は、アテゾリズマブ併用群30例(15%)、標準療法群26例(13%)。 主要解析のデータカットオフ時点(2023年7月17日)で、全集団の追跡期間中央値は32.9ヵ月(95%信頼区間[CI]:31.2~34.6)。同時点のPFS中央値は、アテゾリズマブ併用群13.7ヵ月(95%CI:12.3~16.6)、標準療法群10.4ヵ月(9.7~11.7)だった(ハザード比[HR]:0.62、95%CI:0.49~0.78、p<0.0001)。 また、中間解析(データカットオフ時点)でのOS中央値は、アテゾリズマブ併用群32.1ヵ月(95%CI:25.3~36.8)、標準療法群22.8ヵ月(20.3~28.0)だった(HR:0.68、95%CI:0.52~0.88、p=0.0046)。 Grade3以上の有害事象の発現は、アテゾリズマブ併用群79%、標準療法群75%。アテゾリズマブ併用群で発現増大が認められた有害事象は、Grade1~2の下痢、関節痛、発熱、発疹だった。

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TN乳がん導入療法後のペムブロ、オラパリブ併用vs.化療併用(KEYLYNK-009)/SABCS2023

 ペムブロリズマブ+化学療法による導入療法で臨床的有用性が得られた切除不能な局所再発または転移を有するトリプルネガティブ乳がん(TNBC)患者を対象に、その後の維持療法としてペムブロリズマブ+オラパリブとペムブロリズマブ+化学療法の有効性と安全性を比較した第II相KEYLYNK-009試験の結果を、米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校のHope S. Rugo氏がサンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS2023)で発表した。その結果、ペムブロリズマブ+オラパリブ群はITT集団では無増悪生存期間(PFS)および全生存期間(OS)を有意に改善しなかったが、BRCA変異陽性集団においては良好な傾向にあり、治療関連有害事象(TRAE)は少ないことが明らかになった。・対象:導入療法としてカルボプラチン(AUC2を3週ごとに1・8日目)+ゲムシタビン(1,000mg/m2を3週ごとに1・8日目)+ペムブロリズマブ(200mg、3週ごと)を4~6サイクル投与し、完全奏効(CR)/部分奏効(PR)/病勢安定(SD)が得られた切除不能な局所再発または転移を有するTNBC患者 271例・試験群:オラパリブ(300mg、1日2回)+ペムブロリズマブ(200mg、3週ごと、導入療法を含めて35サイクルまで)【ペムブロ+オラパリブ群:135例】・対照群:カルボプラチン(AUC2を3週ごとに1・8日目)+ゲムシタビン(1,000mg/m2を3週ごとに1・8日目)+ペムブロリズマブ(200mg、3週ごと、導入療法を含めて35サイクルまで)【ペムブロ+化学療法群:136例】・評価項目:[主要評価項目]ITT集団におけるRECIST v1.1を用いた盲検下独立中央判定(BICR)によるPFS、OS[副次評価項目]PD-L1 CPS≧10およびBRCA変異陽性集団におけるPFSおよびOS、安全性・層別化因子:導入療法の臨床的有用性(CR/PR/SD)、PD-L1発現状況(CPS≧1/CPS<1)、腫瘍のBRCA変異 主な結果は以下のとおり。・導入療法を受けた460例のうち、271例がペムブロ+オラパリブ群またはペムブロ+化学療法群に1:1に無作為に割り付けられた。2022年12月15日のデータカットオフ時点での追跡期間中央値は17.2ヵ月であった。・ベースライン時のペムブロ+オラパリブ群およびペムブロ+化学療法群の年齢中央値はそれぞれ54歳/52歳、PD-L1 CPS≧10は48.1%/47.8%、BRCA変異陽性は21.5%/22.1%、CRまたはPRは70.4%/70.6%で、両群でバランスがとれていた。・ITT集団におけるPFS中央値は、ペムブロ+オラパリブ群5.5ヵ月(95%信頼区間[CI]:4.2~8.3)、ペムブロ+化学療法群5.6ヵ月(4.3~6.9)で、ハザード比(HR)は0.98(0.72~1.33)であった(p=0.4556)。12ヵ月PFS率はそれぞれ33.3%(24.5~42.3)、29.3%(21.2~37.8)であった。・ITT集団におけるOS中央値は、ペムブロ+オラパリブ群25.1ヵ月(95%CI:18.3~NR)、ペムブロ+化学療法群23.4月(15.8~NR)で、HRは0.95(0.64~1.40)であった。18ヵ月OS率はそれぞれ62.0%(51.9~70.6)、55.7%(45.5~64.7)であった。・BRCA陽性集団のPFS中央値は、ペムブロ+オラパリブ群(12.4ヵ月[95%CI:8.3~NR])のほうが、ペムブロ+化学療法群(8.4ヵ月[5.4~NR])より長かった(HR:0.70[0.33~1.48])。しかし、PD-L1 CPS≧10集団ではそれぞれ5.7ヵ月(2.9~13.9)および5.7ヵ月(3.8~7.6)で同程度であった(HR:0.92[0.59~1.43])。・BRCA陽性集団のOS中央値はペムブロ+オラパリブ群はNR(95%CI:17.1~NR)、ペムブロ+化学療法群は23.4ヵ月(17.3~NR)であった(HR:0.81[0.28~2.37])。PD-L1 CPS≧10集団では両群ともNR(17.0~NR vs.15.5~NR)であった(HR:0.97[0.53~1.76])。・治療患者268例において、TRAEはペムブロ+オラパリブ群で114/135例(84.4%)、ペムブロ+化学療法群で128/133例(96.2%)に発現した。Grade3以上のTRAEはそれぞれ44例(32.6%)、91例(68.4%)に発現し、治療中止に至ったTRAEは12例(8.9%)、26例(19.5%)であった。ペムブロ+化学療法群において死亡が2例(1.5%)認められた。安全性プロファイルとは既知のものと一致していた。 これらの結果より、Rugo氏は「導入療法で臨床的有用性が得られた再発・転移TNBC患者が化学療法を中止してペムブロリズマブ+オラパリブの維持療法を行った場合、ペムブロリズマブ+化学療法を継続した場合と同等の有効性が得られ、安全性プロファイルはより良好である」とまとめた。

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HER2陽性胃がん・食道胃接合部腺がんの初期治療における免疫チェックポイント阻害薬と標準化学療法併用の有効性(解説:上村直実氏)

 手術不能な胃がん・食道胃接合部腺がんに対する薬物療法として、20年以上前から5-FUを代表とするフッ化ピリミジン系薬剤とシスプラチンやオキサリプラチンなどのプラチナ系薬剤の併用療法(FP療法)が標準的化学療法となっていた。その後、細胞増殖に関わるHER2遺伝子の有無による分類がなされ、HER2陽性の胃がん・食道胃接合部腺がんに対するFP療法に抗HER2抗体であるトラスツズマブを加えたレジメンが標準治療として確立している。 一方、最近、免疫チェックポイント阻害薬の登場に伴って、手術不能な消化器がんに対する薬物療法が大きく様変わりしており、切除不能なHER2陰性胃がんに対しては、FP療法に免疫チェックポイント阻害薬であるニボルマブやペムブロリズマブを加えた3剤併用治療が標準治療レジメンとして確立しつつある。今回は、HER2陽性の胃がん・食道胃接合部腺がんに対して、標準治療であるトラスツズマブ+FP療法に抗PD-1抗体ペムブロリズマブを併用する有用性を検証する試験結果が、2023年10月16日のLancet誌オンライン版に掲載された。この報告は中間解析であるが、ペムブロリズマブ群の無増悪生存期間がプラセボ群に比べて有意に延長された結果が示されている。なお、本試験は継続中であり、厳密に言えば、今後の最終結果を待つ必要もあるが、切除不能胃がんに対する1次治療に免疫チェックポイント阻害薬を含むレジメンが一般的になるものと思われた。 最後に、本年の3月、zolbetuximabに関する論文に対するコメントでも指摘したのだが、臨床現場では、通常の胃がんと食道胃接合部腺がんの両者は浸潤様式や発育速度において異なる生物学的特性を有することが多いことが知られていることから、両疾患をひとまとめにするのではなく、適切な臨床研究デザインによる精緻なエビデンスが期待される。

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治療歴のあるHER2+転移乳がん、アベルマブ追加でPFS改善(AVIATOR/TBCRC045)/SABCS2023

 治療歴のあるHER2+転移乳がんに対して、標準治療である化学療法+トラスツズマブに、抗PD-L1抗体であるアベルマブを追加することで無増悪生存期間(PFS)が有意に改善することが示された。一方、化学療法+トラスツズマブ+アベルマブに、4-1BBアゴニストであるutomilumabを追加してもPFSの改善はみられなかった。米国・Dana-Farber Cancer InstituteのAdrienne G. Waks氏がサンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS2023)で発表した。 本試験は、HER2+転移乳がんに対して、化学療法+トラスツズマブにアベルマブおよびutomilumabを併用した場合の有効性と安全性を検討した無作為化第II相試験である。・対象:トラスツズマブ/ペルツズマブ/T-DM1の治療歴がある進行HER2+乳がん(ビノレルビン/免疫チェックポイント阻害薬の治療歴がある患者は除外)100例・試験方法:ビノレルビン+トラスツズマブ(NH)群、ビノレルビン+トラスツズマブ+アベルマブ(NHA)群、ビノレルビン+トラスツズマブ+アベルマブ+utomilumab(NHAU)群に1:2:2で無作為に割り付け・評価項目:[主要評価項目]PFS[副次評価項目]全奏効率(ORR)、奏効期間(DOR)、安全性/忍容性※当初、NHA群とNH群、NHAU群とNHA群で比較予定だったが、2021年utomilumabの開発が中止され、中間無益性解析でNHAU群のNHA群に対するPFSのハザード比(HR)が1.14(p=0.32)であったことからNHAU群を終了した。 主な結果は以下のとおり。・NHA群(45例)は NH群(18例)に比べて PFS を有意に改善し(HR:0.56、90%信頼区間[CI]:0.31~0.91、片側log rank検定p=0.025)、中央値はNH群2.0ヵ月、NHA群3.8ヵ月だった。・ORRは、NH群11.1%に対してNHA群20.0%、DOR中央値は、NH群が評価不能、NHA群が15.8ヵ月だった。・患者全体において、治療前の腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が10%以上の患者では10%未満の患者よりPFSが良好な傾向を示した(HR:0.55、90%CI:0.29~1.04)。一方、PD-L1 CPSが1以上と1未満でPFSに差はみられなかった(HR:0.77、90%CI:0.43~1.36)。・Grade3/4の試験治療下における有害事象(TEAE)は、NH群61.1%、NHA群62.2%とほぼ同等だった。NHA群でGrade3の免疫関連有害事象が2例発現した(副腎機能不全、AST上昇)。予期しないTEAEは認められなかった。 Waks氏は「治療歴のあるHER2+転移乳がんに対する免疫チェックポイント阻害のさらなる研究が必要」と述べた。

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投与時間短縮のペルツズマブ・トラスツズマブ配合皮下注、患者・医療者の使用感は/中外

 抗HER2ヒト化モノクローナル抗体のペルツズマブおよびトラスツズマブの配合皮下注製剤「フェスゴ配合皮下注IN(初回投与量)、同MA(維持投与量)」が11月22日に発売された。これを受けて11月30日、中外製薬は新製品発売説明会を開催。林 直輝氏(昭和大学医学部 乳腺外科)が登壇し、HER2陽性乳がん患者に対して実施された2つの臨床試験結果と現場での活用の可能性について講演した。 フェスゴはペルツズマブとトラスツズマブをそれぞれ固定用量で配合し、薬液の浸透吸収促進を目的としてボルヒアルロニダーゼアルファを配合した皮下注製剤。従来の静注製剤を続けて投与する場合、初回が約150分、2回目以降が60~150分かかるのに対し、フェスゴは初回が8分以上、2回目以降が5分以上に投与時間を短縮できる。 現在、国内ガイドラインでペルツズマブとトラスツズマブの併用療法が推奨されているのは、HER2陽性の乳がん(術前/術後療法と進行・再発乳がん1次治療)およびがん化学療法後に増悪したHER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がんとなっている。従来の静注製剤と同等の血中濃度が保たれていることを確認 フェスゴと従来の静注製剤を比較した臨床試験としては、HER2陽性早期乳がん患者の術前・術後療法としてフェスゴと化学療法を併用した場合の薬物動態、有効性・安全性を検討した国際共同第III相FeDeriCa試験(日本も参加)、および患者選好度と皮下投与の満足度を評価した第II相PHranceSCa試験がある。 FeDeriCa試験における主要評価項目(サイクル7でのペルツズマブ血清中トラフ濃度[Ctrough])は、静脈注射群に対するフェスゴ群の幾何平均値の比(GMR)が1.22(90%信頼区間[Cl]:1.14~1.31)と信頼区間の下限値が非劣性マージンの0.8を上回り、非劣性が示されている。また副次評価項目である全病理学的完全奏効率(tpCR率)は、フェスゴ群59.7%(95%CI:53.3~65.8)に対し静脈注射群59.5%(95%CI:53.2~65.6)と同等の結果が得られた。 主な有害事象の発現状況はおおむね同様で、注入に伴う反応が静脈注射群13.9%に対しフェスゴ群3.6%と少なく、注射部位反応は静脈注射群0.8%に対しフェスゴ群12.9%と多くみられた。投与中止に至った有害事象は、静脈注射群10.3%、フェスゴ群6.9%であった。クロスオーバー試験で患者満足度を比較・検証 PHranceSCa試験は、HER2陽性早期乳がん患者の術後療法としてフェスゴおよび静脈注射をクロスオーバーで3サイクルずつ投与し、その後どちらかの治療を選択するデザインで実施された。主要評価項目のフェスゴに対する患者選考度について、フェスゴを選好した患者は85.0%、静脈注射を選好したのは13.8%であった。林氏は、「5~8分以上の皮下投与と聞くとはじめは不安に感じる患者さんもいるかもしれないが、臨床試験に参加した患者さんの選好度の高さから、実際行ってみて多くの人が問題ないと感じたことがうかがえる」とした。また、看護師や薬剤師などの医療従事者に、利便性のほか時間や設備といった医療資源の利用状況について聞いた質問では、いずれもおよそ8割以上がフェスゴ群を選好した。 なお、投与準備時間のサイクルごとの中央値はフェスゴ群5分に対し静脈注射群15~20分、投与時間のサイクルごとの中央値はフェスゴ群7~8分に対し静脈注射群60~150分であった。 「働きながら、あるいは育児や介護をしながら治療を続ける乳がん患者さんが多い中で、投与時間を短縮できることは生活の質の向上に大きく寄与する可能性がある」と林氏。医療者側にとっても、外来化学療法室が非常に混雑していることを挙げ、初回投与は全体で約4時間~4時間半、2回目以降は約2時間~2時間半短縮できることは医療資源・人的資源の面でメリットが非常に大きいとしたうえで、「それぞれの患者さんの状態や希望に応じて、個別に最適な剤型を選択していくことが重要」とまとめた。 なお、医療者側の注意点としては、皮下注での投与中同じ体勢を保つ必要があるため、ベッドまたは投与者自身の膝に肘を固定するなど投与しやすい方法を事前に確認し、体勢を保持できるようにすることが必要だろうと話した。

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HER2+転移乳がんへのtucatinib+T-DM1がPFS改善、脳転移例にも有望(HER2CLIMB-02)/SABCS2023

 既治療のHER2陽性局所進行/転移乳がん患者に対する経口チロシンキナーゼ阻害薬tucatinibとトラスツズマブ エムタンシン(T-DM1)の併用が、T-DM1単独療法と比較して無増悪生存期間(PFS)を有意に改善した。米国・フレッド・ハッチンソンがん研究センターのSara A. Hurvitz氏が第III相HER2CLIMB-02試験の結果を、サンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS2023、12月5~9日)で報告した。・対象:トラスツズマブとタキサンによる治療後に進行したHER2陽性局所進行/転移乳がん患者(ECOG PS≦1)。既治療で安定状態、あるいは即時の局所治療を必要としない活動性または未治療の脳転移を有する患者も対象とされた。・試験群:tucatinib(1日2回300mg、経口投与)+T-DM1(3週間間隔で3.6mg/kg、静脈内投与) 228例・対照群:プラセボ+T-DM1 235例・評価項目:[主要評価項目]RECIST v1.1を用いた治験担当医師評価に基づくPFS[主要副次評価項目]全生存期間(OS)、脳転移を有する患者におけるPFSおよびOS、RECIST v1.1に基づく確定奏効率(cORR) 主な結果は以下のとおり。・ベースラインにおける年齢中央値はtucatinib群55(26~83)歳vs.プラセボ群53(27~82)歳、ホルモン受容体陽性は60.1% vs.59.6%、脳転移を有する患者は43.4% vs.44.7%(活動性の脳転移:21.9% vs.24.3%)であった。進行がんに対する前治療歴は1ラインの患者が64.0% vs.63.8%、ペルツズマブ治療歴のある患者が88.6% vs.91.1%を占めた。・追跡期間中央値24.4ヵ月(データカットオフ:2023年6月29日)におけるPFS中央値は、tucatinib群9.5ヵ月(95%信頼区間[CI]:7.4~10.9)vs.プラセボ群7.4ヵ月(95%CI:5.6~8.1)となりtucatinib群で有意に改善した(HR:0.76、95%CI:0.61~0.95、p=0.0163)。・脳転移を有する患者におけるPFS中央値は、tucatinib群7.8ヵ月(95%CI:6.7~10.0)vs.プラセボ群5.7ヵ月(95%CI:4.6~7.5)であった(HR:0.64、95%CI:0.46~0.89)。・cORRはtucatinib群42.0%(完全奏効[CR]:4.3%)vs.プラセボ群36.1%(CR:4.2%)であった。・両群で約8割の患者が1ライン以上の後治療を受けており、約5割がT-DXd、約4割が化学療法を受けていた。・OSの暫定結果は、必要なイベント数253件中134件(53%)が起きた段階のデータで、事前に規定された有意水準を満たさなかった。・Grade3以上の治療下での有害事象(TEAE)は、tucatinib群68.8%、プラセボ群41.2%で発現した。tucatinib群で多くみられたのはALT上昇、AST上昇(ともに16.5%)、疲労(6.1%)、下痢(4.8%)などであった。 Hurvitz氏は、「トラスツズマブとカペシタビンにtucatinibを追加することの有効性を示したHER2CLIMB試験に続いて、今回の結果はtucatinibをベースとしたレジメンが既治療のHER2陽性局所進行/転移乳がん患者において病勢進行を遅らせることを示した」としている。

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再発/転移上咽頭がんの1次治療、toripalimab併用でPFS延長/JAMA

 再発または転移のある上咽頭がん(RM-NPC)の1次治療において、プログラム細胞死1(PD-1)を標的とするヒト化IgG4Kモノクローナル抗体であるtoripalimabと標準化学療法の併用は、標準化学療法単独と比較して統計学的に有意かつ臨床的に意義のある無増悪生存期間(PFS)と全生存期間(OS)の延長をもたらし、安全性プロファイルも管理可能であることが、中国・中山大学がんセンターのHai-Qiang Mai氏らが実施した「JUPITER-02試験」で示された。研究の成果は、JAMA誌2023年11月28日号に掲載された。アジアの国際的な無作為化プラセボ対照第III相試験 JUPITER-02試験は、中国本土、台湾、シンガポールのNPCの発生頻度が高い地域で実施された二重盲検無作為化プラセボ対照第III相試験であり、2018年11月~2019年10月に35の施設で患者を登録した(Shanghai Junshi BiosciencesとCoherus Biosciencesの助成を受けた)。 全身化学療法による治療歴のないRM-NPC患者289例を、toripalimab+標準化学療法(ゲムシタビン+シスプラチン)の投与を受ける群に146例(年齢中央値46歳[四分位範囲[IQR]:38~53]、男性85%)、プラセボ+標準化学療法の投与を受ける群に143例(51歳[43~57]、81%)を無作為に割り付けた。 試験薬の投与は3週ごとに最大6サイクル行い、引き続きtoripalimabまたはプラセボによる維持療法を、病勢進行、許容できない毒性、2年間の治療の終了のいずれかに至るまで施行した。 主要評価項目は、盲検下独立中央判定によるPFSとした。PFSが13.2ヵ月延長、奏効率、奏効期間も改善 PFS中央値は、プラセボ群が8.2ヵ月であったのに対し、toripalimab群は21.4ヵ月と13.2ヵ月の延長をもたらし、有意な差を認めた(ハザード比[HR]:0.52、95%信頼区間[CI]:0.37~0.73、名目p<0.001)。1年PFS率は、toripalimab群59.0%、プラセボ群32.9%、2年PFS率は、それぞれ44.8%、25.4%だった。 追跡期間中央値36.0ヵ月の時点で、OS中央値は、プラセボ群が33.7ヵ月であったのに対し、toripalimab群は未到達であったが有意に優れた(HR:0.63、95%CI:0.45~0.89、両側p=0.008)。プログラム細胞死リガンド1(PD-L1)の高発現および低発現のサブグループの双方において、toripalimab群で一貫して良好なOSに関する有効性が観察された。 奏効率(78.8% vs.67.1%、群間差:11.4%、95%CI:1.7~21.2、p=0.02)および奏効期間中央値(18.0ヵ月vs.6.0ヵ月、HR:0.49、95%CI:0.33~0.72、p<0.001)は、いずれもtoripalimab群で有意に優れた。完全奏効の割合はtoripalimab群がプラセボ群のほぼ2倍だった(26.7% vs.13.3%)。免疫関連有害事象はtoripalimab群で高頻度 全有害事象(100% vs.100%)、Grade3以上の有害事象(89.7% vs.90.2%)、致死的有害事象(3.4% vs.2.8%)、重篤な有害事象(43.8% vs.43.4%)の頻度は両群で同程度であった。一方、試験薬の投与中止の原因となった有害事象(11.6% vs.4.9%)、免疫関連有害事象(54.1% vs.21.7%)、Grade3以上の免疫関連有害事象(9.6% vs.1.4%)の頻度は、いずれもtoripalimab群で高かった。 最も頻度の高いGrade3以上の有害事象は、白血球減少(toripalimab群61.6% vs.プラセボ群58.7%)、好中球減少(58.9% vs.63.6%)、貧血(49.3% vs.40.6%)、血小板減少(33.6% vs.28.7%)であり、化学療法によって誘発された毒性が主であった。 著者は、「これらの知見は、この患者集団における新たな標準治療としてのtoripalimab+ゲムシタビン+シスプラチン療法を支持するものである」としている。また、「潜在性のエプスタイン・バールウイルス(EBV)感染はNPCの発症において重要で、本試験ではtoripalimab群でEBV DNAコピー数が検出不能な値まで減少した患者が有意に多く(p=0.004)、リバウンドを経験した患者は有意に少なかった(p=0.002)。さらに、EBV DNAコピー数のリバウンドは、病勢進行に中央値で1.9ヵ月先行していたことから、病勢進行の予測に活用できる可能性が示唆された」と指摘している。

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早期TN乳がん術後化療にアテゾ追加、iDFSを改善せず中止(ALEXANDRA/IMpassion030)/SABCS2023

 StageII/IIIのトリプルネガティブ乳がん(TNBC)患者の術後補助療法として、標準的なアントラサイクリンおよびタキサンベースの化学療法にアテゾリズマブを追加した第III相ALEXANDRA/ IMpassion030試験の中間解析の結果、アテゾリズマブを上乗せしても無浸潤疾患生存期間(iDFS)を改善せず、Grade3以上の治療関連有害事象(TRAE)は増加したことを、ベルギー・Institut Jules BordetのMichail Ignatiadis氏がサンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS2023)で発表した。・対象:中央病理学検査で手術可能と判断されて手術を受けたStageII/IIIの早期TNBC患者 2,199例・試験群:対照群の化学療法に加え、アテゾリズマブ840mgを2週ごと、10サイクル→アテゾリズマブ1,200mgを3週間ごと、計1年間(アテゾリズマブ群:1,101例)・対照群:パクリタキセル80mg/m2を週1回、12サイクル→アントラサイクリン(エピルビシン90mg/m2またはドキソルビシン60mg/m2)+シクロホスファミド600mg/m2を2週間ごと、4サイクル(化学療法群:1,098例)・評価項目:[主要評価項目]ITT集団におけるiDFS[副次評価項目]PD-L1陽性およびリンパ節陽性のサブグループにおけるiDFS、全生存期間(OS)、安全性など・層別化因子:手術の種類(乳房温存術/乳房切除術)、リンパ節転移(0/1~3/≧4)、PD-L1発現(IC 0/≧1%) 予定症例数は2,300例であったが、2022年11月14日に独立データ監視委員会(IDMC)の勧告に基づき、試験は一時中止された。2023年2月、IDMCが有効性と無益性の早期中間解析を行うため、計画されていたiDFSイベントの解析対象数が下方修正された。無益性の境界のハザード比(HR)は1に設定された。2023年3月15日のIDMC勧告で主要評価項目が無益性の境界を越えたため、試験は中止となった。今回発表されたデータは2023年2月17日のデータカットオフ日に基づくもの。 主な結果は以下のとおり。・2018年8月~2022年11月に2,199例が登録され、両群に1:1に無作為に割り付けられた。アテゾリズマブ群および化学療法群の年齢中央値は53歳/53歳、StageIIは84.9%/85.6%、リンパ節転移陽性は47.6%/47.8%、PD-L1陽性は71.3%/71.2%、乳房切除術施行は52.4%/52.4%で、両群でバランスがとれていた。・追跡期間中央値25ヵ月(範囲:0~53)の時点で、239/2,199例(10.9%)のiDFSイベントが観察された。アテゾリズマブ群では127/1,101例(11.5%)、化学療法群では112/1,098例(10.2%)に発生し、HRは1.12(95%信頼区間[CI]:0.87~1.45、p=0.37)で、事前に規定された無益性の境界を越えた。・PD-L1陽性のサブグループ(1,567例)では、iDFSイベントはアテゾリズマブ群77/785例(9.8%)、化学療法群73/782例(9.3%)に発生し、HRは1.03(95%CI:0.75~1.42)であった。・OSイベントが発生したのは、アテゾリズマブ群61例(5.5%)、化学療法群49例(4.5%)で、HRは1.20(95%CI:0.82~1.75)であった。・Grade3以上のTRAEは、アテゾリズマブ群587例(53.7%)、化学療法群472例(43.5%)に発現し、死亡は2例(0.2%)および1例(<0.1%)であった。何らかの薬剤の中止に至ったのは185例(16.9%)および60例(5.5%)であった。安全性プロファイルとは既知のものと一致していた。 これらの結果より、Ignatiadis氏は「ITT集団におけるiDFSのHRは、事前に規定された無益性の境界を越えるとともに有害事象も増え、早期TNBC患者に対する術後補助化学療法へのアテゾリズマブ追加は支持されないものとなった。試験データは2023年11月17日のカットオフまで更新され、結果を公表する予定である」とまとめた。

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第191回 リドカインが苦味にまつわる仕組みでがん細胞を死なす

リドカインが苦味にまつわる仕組みでがん細胞を死なす良薬口に苦しとはよく言ったもので、苦い薬リドカインに備わると思しき別の効能がその苦味にまつわる仕組みに端を発するらしいことが米国・ペンシルバニア大学のチームの研究で示されました1)。その別の効果とは抗がん作用です。20年ほども前の観察試験で局所麻酔が乳がん手術患者の再発や転移を減らしうることが示唆されています2)。リドカインは言わずもがな局所麻酔薬の1つであり、外来での外科処置でよく使われます。乳がん以外のがんへのリドカインの検討もいくつかあり、化学療法を助けたり転移を抑制したりするなどの効果を有するらしいことが示唆されています。リドカインは電位依存性ナトリウム(Nav)チャネルを阻害して感覚神経からの痛み信号を遮断します。リドカインが担いうる抗がん作用がそのNavチャネル阻害によるのかその他の仕組みによるのかはよくわかっていませんでした。リドカインは苦いだけに、25種類ある苦味受容体T2Rの1つT2R14を活性化します。T2R14を含むいくつかのT2R受容体の活性化は核内やミトコンドリアのCaイオン上昇を介して気道上皮細胞や頭頸部扁平上皮がん(HNSCC)細胞を死なすことがわかっています。そこでペンシルバニア大学のチームはリドカインがT2R14への作用を介してHNSCC細胞、もっというとそれ以外のがん細胞を死なすのではないかと考えました。その予想はどうやら正しく、リドカインはHNSCC細胞のT2R14活性化によってCaイオンを動かしてHNSCC細胞を弱らせ、やがては死に至らしめました。ヒトパピローマウイルス(HPV)と関連するHNSCCではT2R14遺伝子の発現が盛んなことも示され、リドカインによるT2R14活性化が最も有益かもしれません。そこで研究チームはHPV関連HNSCCの標準治療に加えてリドカインも投与する試験を計画しています3)。試験はペンシルバニア大学医学部のがん治療部門Abramson Cancer Centerが担当します。ペンシルバニア大学のチームはHNSCCを題材に研究を進めていますが、乳がんへのリドカインの効果の検討はより年季が入っています。欧州臨床腫瘍学会(ESMO)での昨年の発表に続いて今年4月に論文になった大規模無作為化試験の結果、乳がんの手術に際してリドカインを手術前に腫瘍に直接注射したところ非注射の対照群に比べて生存が改善しました4)。試験はリドカインがNavチャンネル阻害を介して転移促進経路を食い止めるとの想定で実施されました。実際のところ生存の改善に加えて転移の減少も認められており、仕組みがどうあれ乳がん細胞の転移手段に手出しすることでリドカインは転移を減らし、手術後の経過を改善する働きがあるらしいと試験の担当者は述べています5)。乳がんもHNSCCと同様にT2R14を発現します。よって同試験で認められたリドカイン注射の生存改善にはT2R14への作用も寄与しているかもしれません1)。参考1)Miller ZA, et al. Cell Rep. 2023 Nov 16. [Epub ahead of print]2)Exadaktylos AK, et al. Anesthesiology. 2006;105:660-664. 3)Lidocaine may be able to kill certain cancer cells by activating bitter taste receptors / Eurekalert4)Badwe RA, et al. J Clin Oncol. 2023 Apr 6. [Epub ahead of print]5)Lidocaine Presurgery May Improve Survival in Early Breast Cancer / Medscape

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