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エキスパートに聞く! 「SGLT2阻害薬」 パート1

日常診療で抱く疑問に、専門医がわかりやすく、コンパクトに回答するコーナーです。今回は「糖尿病診療」の中で今旬の話題である「SGLT2阻害薬」について、会員医師からの疑問にご回答いただきました。明日の診療から使えるコツをお届けします。1日に尿に排泄される糖は、約60g程度と聞いています。この量は血糖コントロールの改善に差が出てくるのでしょうか、ご教示ください。健常人では糸球体から180g/日(血糖値100mg/dLの場合)の糖が濾過されますが、血糖値が尿糖排泄閾値160~180mg/dLを超えない限り、近位尿細管に発現するSGLT2(再吸収の約90%を担う)とSGLT1(再吸収の約10%を担う)の働きによりほぼ100%再吸収されるため、尿糖排泄はみられません。一方、健常人にSGLT2阻害薬を投与すれば、SGLT1による糖再吸収能が高まり、尿糖排泄量は糸球体濾過量の1/3程度にとどまると考えられています。尿糖排泄量は、血糖管理状況と腎機能の影響を受けるため、2型糖尿病患者にSGLT2阻害薬を投与した場合、尿糖排泄量のバラツキは大きくなり、各薬剤の添付文書によれば、70~140g/日まで増加します。すなわち血糖値が高いほど、尿糖排泄量が多くなり、HbA1c低下量は大きくなります。このようにSGLT2阻害薬による血糖改善効果の程度は、腎機能が正常である限り、使用時のHbA1c値によって変わってきます。具体的な投与対象患者像について、また、投与を避けたほうがよい患者像について、ご教示ください。SGLT2阻害薬は尿糖排泄促進により血糖を改善するため、腎機能低下がない限り血糖を低下させます。また、体重減少、血圧低下、中性脂肪低下、HDL-コレステロール上昇、尿酸低下、糖毒性改善に伴うインスリン分泌能およびインスリン抵抗性の改善といった多面的効果も期待できます。その一方で、(1) 浸透圧利尿による多尿、頻尿、脱水、血圧低下、(2) 尿糖排泄増加に伴う尿路/性器感染症、(3) 糖新生促進によるケトン体増加、筋組織の萎縮など今後の臨床応用において留意すべき多くの点があります。各々の留意点として、(1) 口渇を感じにくい高齢者、腎機能低下例、利尿剤使用例、脳梗塞既往例、自律神経障害例、乳酸アシドーシス危険因子の保有例、(2) 尿路/性器感染症の既往例、とくに女性、(3) インスリン分泌能低下例(ケトアシドーシスリスク)、やせ、筋肉量が少ない例が挙げられます。つまり、最も適切な投与患者像は、非高齢の、罹病期間が比較的短い、肥満2型糖尿病例と考えられます。これらの患者においてもSU薬やインスリンとの併用時には低血糖発現に留意すべきで、あらかじめSU薬、インスリンを減量することを勧めます。コントロール不良例で使用する場合の注意点についてご教示ください。血糖管理不良例では尿糖排泄量が増加するため、SGLT2阻害薬の有効性は高くなります。しかし、血糖管理不良時には内因性インスリン分泌能を見極める必要があり、さらに頻尿、脱水などの副作用の頻度や重症度が高くなる可能性があるため注意が必要です。新規2型糖尿病患者の場合、肥満でインスリン非依存状態にあればよい適応です。しかし、非肥満例では糖新生に伴う骨格筋萎縮の懸念が強く、不適と考えます。すでに他剤が投与されているインスリン非依存例では、前投薬がインスリン製剤もしくはSU薬の場合は低血糖に、ビグアナイド薬の場合は乳酸アシドーシスに注意する必要があります。他剤の使用の有無にかかわらず、インスリン依存状態(体重減少例、ケトーシス例)ではケトアシドーシスに注意する必要があり、インスリン製剤を先行投与すべきです。SGLT2阻害薬のHbA1cの低下効果はどの程度でしょうか、ご教示ください。2014年6月18日現在、わが国ではイプラグリフロジン(商品名:スーグラ)、ダパグリフロジン(同:フォシーガ)、ルセオグリフロジン(同:ルセフィ)、トホグリフロジン(同:アプルウェイ/デベルザ)が発売、カナグリフロジンが発売準備中、エンパグリフロジンが承認申請中の状態です。一般にHbA1cの低下効果は、ベースラインHbA1c値に依存します。すなわちHbA1cが高い患者ほどよく下がります。わが国での臨床試験結果から、HbA1c8%程度に使用した場合、0.7~1.0%の低下が期待できると思われます。この効果は薬剤間で有効性に差はないものと思われます。単独療法での各SGLT2阻害薬のHbA1c改善効果は、52週時点で-0.6~0.67%と大きな差はありません。IC50で評価した各SGLT2阻害薬のSGLT2阻害活性が1.3~6.7nmol/Lと大きな違いがないことからも有効性に大差はないと考えられます。(高齢者の)浸透圧利尿による脱水の程度、およびその対処法や泌尿器科領域の感染症の頻度とその重症度について、ご教示ください。SGLT2阻害薬は尿糖排泄増加に伴う浸透圧利尿により尿量を増加させ、継続投与による尿量増加は200~600mL/日程度とされています。そのため、通常より約500mL/日多く飲水を行えば脱水を回避できると予想されます。継続投与による体液量関連指標の変化は、ヘマトクリット:+1%、尿素窒素:+1.5mg/dL、血清クレアチニン値:腎機能正常例-0.05mg/dL、中等度腎機能低下例+0.1mg/dL程度です。また、多尿、頻尿、口渇の発現率は、各々0~1%、2~5%、0~2%です。しかし、前述した値はあくまでも平均値であり、各々の値の標準偏差は大きいため、実地臨床で使用する場合には注意が必要であり、とくに口渇感を感じにくい高齢者、利尿剤使用例、血糖管理不良例では注意を要します。SGLT2阻害薬では、尿糖排泄増加による尿路や性器感染症が懸念されています。発現頻度は各々1~5%、1~7%で、重症度は軽症から中等症にとどまり、重症例は現時点で報告されていません。これらの多くは既往を有する例であり、とくに女性では注意が必要です。※エキスパートに聞く!「糖尿病」Q&A Part2はこちら

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募集した質問にエキスパートが答える!心房細動診療 Q&A (Part.1)

今回は、4つの質問に回答します。「高齢者への抗凝固療法」「抜歯、手術、消化器内視鏡時の抗凝固療法」「新規抗凝固薬の違い、使い分け」「新規抗凝固薬のモニタリング」新規抗凝固薬(ダビガトラン、リバーロキサバン、アピキサバン)の違い、使い分け方法について教えてください。確かに大変気になるところです。新規抗凝固薬は超高齢社会に突入した日本において、今後ニーズが高くなる薬剤でしょう。新規抗凝固薬はいずれもワルファリンを対照薬とした臨床試験によって、その効果と副作用が明らかになりました。しかしながら、この3つの新規抗凝固薬は、機序や内服回数が異なるうえ、いずれも異なる臨床背景を持つ症例を対象に臨床試験が行われています。いわば「土俵」が違うのです。このため、3剤の使い分けの指針はありません。下記に示す表1に従って禁忌症例に注意し、腎機能によって投与量を選択するとともに、薬剤特有の副作用に注意してください。たとえば、ダビガトランに特有の副作用はディスペプシアです。コップ一杯の水とともに内服するようにし、それでもディスペプシアの症状が出る場合は、プロトンポンプ阻害薬や消化管運動賦活剤(イトプリド塩酸塩、商品名:ガナトンなど)などが有効であるとも聞きます。表1.新規抗凝固薬(ダビガトラン、リバーロキサバン、アピキサバン)の違い、使い分け画像を拡大するなおアピキサバンは、「80歳以上、血清クレアチニン(Cr)1.5 mg/dL以上、体重60kg以下」のうち2項目以上に該当する場合は低用量(1回2.5㎎を1日2回)とするよう記載があります。新規抗凝固薬はまだ十分な使用経験がないので、出血事象が危惧されるような高齢者、低体重者、腎機能低下者、抗血小板薬併用者を避け、このような因子が複数ある場合にはワルファリンを使用するべきと思います。心不全などで利尿剤を服用している場合は腎機能が大きく変動することがあります。まず、安全性の高い症例への投与経験を積んで持ち寄ることが重要と思います。新規抗凝固薬のコントロール指標、検査の間隔、薬剤量調節方法について教えてください。表1に一般の病院や医院で測定可能な出血モニター指標をまとめました。凝固線溶系マーカーの基準値は試薬によって異なるため、外注の場合は同一ラボに依頼すべきでしょう。検査の間隔についてのエビデンスは少ないようです。ただし、少なくともワルファリンのように毎月測定する必要はありません。腎機能が保たれている場合には年に1~2回の採血で良いのではないでしょうか。高齢者や利尿剤を内服している場合には、腎機能の悪化によって新規抗凝固薬の効果が高まることも予想されるため、もう少し頻回に調べるべきでしょう。ダビガトランはaPTTでモニターします。心臓血管研究所の報告ではaPTT値は個人差が大きく、低用量(220mg/日)であっても、~70秒に延長する症例もあるようです。多くの症例では、内服2~3時間後の血中濃度ピーク時に測定すると45~50秒位となり、トラフ時は~40秒となるようです。内服開始1週間以内にピーク時を狙って1度は測定し、aPTT高値例では減量やワルファリンへの切り替えを検討するべきでしょう。リバーロキサバンのモニターはPT-INRで行います。内服2~3時間後位のピーク時のPT-INRは~2が多いようですが、中には2.5を超えることもあります。PT-INRが2を常時超えるとなると出血事象が増加すると思いますので、その際には減量かワルファリンへの切り替えが良いと思います。アピキサバンも理論的にはPT-INRが指標になりますが、リバーロキサバンと比べてPT-INRはあまり上がらないようです。まずは、安全性の高い症例に投与してその経験を持ち寄り、日本人のエビデンスをつくることが重要と思います。高齢者への抗凝固療法について薬剤選択や投与量の注意点、決定方法について教えてください。また、何歳まで抗凝固療法を行うべきか(効果はあるか)? 逆に、何歳で抗凝固療法をやめるべきでしょうか? 教えてください。大変悩ましい問題です。ワルファリンは、Net clinical benefitの考えで計算すると、若年者より高齢者の方が塞栓症の予防効果が高く算出されます。しかしながら、超高齢者に継続投与するのが現実的かどうか、症例ごとの判断が必要でしょう。私の外来でワルファリンを処方している最高齢者は88歳の発作性心房細動の男性で、CHADS2スコア2点です。この方は78歳時に前医によってワルファリンが開始され、その後も続けています。ADLは保たれ、内服薬の自己管理は完璧で、幸いこれまで出血事故は経験していません。対照的な症例として、3ヵ月前にワルファリンを中止した75歳の女性がいます(CHADS2スコア2点)。この方は70歳時にワルファリンが開始されましたが、2年間に3度の出血事故を起こしたために中止しました。老老介護のため内服管理が困難で、決められた錠数が守れなかったり、転倒して眼窩出血を起こしたりしたほか、感冒や感染で抗炎症剤や抗生剤を長期連用して消化管出血と鼻出血で来院したなど、を経験しました。逆説的ですが、出血の既往は大出血の危険因子です。何らかの出血事象を経験した症例は、その後も出血を繰り返す確率が上がります。高齢者に抗凝固療法を開始する場合には(個人的には私は80歳が1つのラインかと思っていますが・・・)、全身状態やADL、認知症の有無などを総合的に判断し、家族を含めた話し合いを行うべきでしょう。抜歯、消化器内視鏡検査時や外科的手術施行時に、抗凝固療法はどのようにするべきでしょうか? 教えてください。外科的処置の侵襲度と患者さんのCHADS2スコア、とくに塞栓症既往の有無などを勘案しなければいけません。抜歯の際にワルファリンを中止すると1%の確率で塞栓症を発症するとされます。このため、ワルファリンは中止しない、あるいは若干の減量で対処し、PT-INRが2未満となったことを確認して抜歯していただくとよいと思います。もちろん、日頃のPT-INR値が1.6位と低い場合にはそのまま抜歯が可能でしょう。しかし、地域によっては歯科医院の数に限りがあり、ワルファリンを中止しないと治療は行わないとする先生もあると聞いています。その際には、ワルファリンを中止したらとくに脱水に留意するとともに、止血が確認できたら速やかにワルファリンを(中止前の錠数で)再開するなどの処置をとってください。CHADS2スコアが高い場合には、紹介入院の下で処置をお願いすることも考えてください。ビガトランの場合は、薬剤半減期が短いので治療の1日前に中止すれば血中濃度が下がりますが、腎機能が低下している場合には2日前に中止することが推奨されます(図1)。しかしながら、塞栓症リスクの高い場合は、1日完全にやめてしまうことに不安を感じます。そのような場合には、血中濃度が下がっている時間帯に治療を行うとよいでしょう。朝食後の内服を中止し午前中に抜歯し、就寝直前に1回内服する。あるいは朝食後に内服した場合は、午後の遅い時間帯に抜歯し、就寝直前に2回目を内服する、などの方法により止血困難な時間帯を避けられるのではないかと考えます。リバーロキサバンの場合は、内視鏡による生検や内視鏡下での観血的処置を実施する場合には、処置当日のみ中止し、その翌日より再開するとよいとされます(図2)(手技終了後に出血のないことを確認し、さらに後出血の危険がないと考えられる時点で速やかに再開する)。2012年(平成24年)7月に日本消化器内視鏡学会から、「抗血栓薬服用患者に対する消化器内視鏡診療ガイドラン」が刊行されました。抗血栓薬を継続して使用することによる消化管出血だけでなく、休薬による血栓塞栓症発症にも配慮されています。ただし、消化管出血に対する緊急内視鏡には適応されません。下記に抗凝固薬服用者の治療の流れを示します(図3、4)。内視鏡検査の侵襲度に応じて「休薬なし」から「ヘパリン置換」まで変わります。PT-INRが治療域越えの場合には治療域に入ったことを確認してから検査とするようご配慮ください。また施設によっても対処が変わるかと思います。科をまたいだ連携が必要でしょう。他に抗血小板薬を用いる場合も掲載されておりますが、紙面の都合上割愛致しました。図1.手術等を行う場合の中止手順画像を拡大する図2.抜歯等の侵襲的処置を行う場合の対応画像を拡大する図3.フローチャート画像を拡大する図4.出血危険度による消化器内視鏡の分類画像を拡大する

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激辛!伊賀流心臓塾

第3回「後壁梗塞、疑わしきは罰せよ!?」第4回「これだけは知っておきたい!心不全」第5回「無症状で著明な左室肥大」 ※第1巻は、「激辛!伊賀流心臓塾(第1巻)≪増補改訂版≫」となります。第3回「後壁梗塞、疑わしきは罰せよ!?」【今回の症例】生来健康だったが、生まれて初めての胸痛が出現し、3時間継続。喫煙以外にこれといった危険因子はなく、バイタルサイン安定、肺音・心音異常なし。心電図は一見して異常なさそう。 決して珍しい症例ではなく、コモンに起こるケースだといえる今回の症例。さて、どうしますか?CT、胸部レントゲン、心エコー、トロポニンT、ニトログリセリン点滴、専門医へ転送…。いろいろ選択肢は考えられますが、果たしてどうするのが適切なのでしょうか? もし、あなたが非専門のプライマリ・ケア医なら、あるいは夜間当直中の病院勤務医ならどう対処されますか?達人がズバリお答えします。【今回の症例】生来健康だったが、生まれて初めて胸痛が出現し、冷や汗をともない3時間継続。喫煙以外にこれといった危険因子はなく、バイタルサイン安定、肺音・心音異常なし。心電図は一見して異常なさそう。第4回「これだけは知っておきたい!心不全」心不全の患者さんについて、循環器非専門医として、どこまで知っておかなければならないか、どのようにアプローチしていくのか、ということをお話していきます。【今回の症例】治療抵抗性の心不全を呈する72歳の女性。約1年ほど前から心不全との診断で、近くの病院に3回入院。今回も心不全で同じ病院に入院して、診断は「拡張型心筋症」と説明を受けていたが、いつもと違って利尿剤に対する反応が悪いために、大きな病院で診てもらうことで転入。血圧は90/70、心拍数95でレギュラー。内頚靜脈の怒張を認め、やや頻呼吸を呈している。2/6度の収縮期雑音が前胸部全体に聴取されギャロップリズムだった。両側下肺野でクラックルが聴取される。末梢はやや冷たいが動脈は全て触知した。心電図は洞調律でST,T変化を伴った左室肥大であった。 さて、ここで循環器非専門医として何をどう考え、どのように診断していくべきでしょうか? 2004年現在の医療レベルで改善できる疾患を見逃さないために何を念頭に置いて、どのように検査していくべきでしょうか?第5回「無症状で著明な左室肥大」心電図検診で異状を指摘された患者さんが、セカンドオピニオンを求めて来院されるケースはしばしばあることでしょう。ときには狭心症や肝不全などと診断され、日常生活を大きく制限されたり、すぐに薬物療法を施行されるケースもあるようです。しかし、実際は心電図で狭心症と言われること自体がおかしい、ということはすでに学ばれたとおりです。実は今回のような症例は日本人に多いとのことですが、一体どのように考え、どのようなアプローチをすべきでしょうか?【今回の症例】63歳男性。高血圧など既往歴なく無症状であったが、心電図検診で左室肥大を指摘され、狭心症を疑われた。血圧、心音、胸部X線は正常、心エコー図も正常とのレポートであった。

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利尿剤の合剤「ブロプレス プラス」をヨーロッパで発売開始

 武田薬品工業株式会社は18日、ドイツにおいて、ブロプレス(一般名:カンデサルタン シレキセチル)と利尿剤(一般名:ヒドロクロロチアジド)との合剤である高血圧症治療剤「ブロプレス プラス」を発売した。新たに発売されたブロプレス プラスは、欧州における最高用量であるカンデサルタン32mgにヒドロクロロチアジド25mgまたは12.5mgを組み合わせた2つの新用量がある。ドイツ当局からの販売許可を受けてブロプレス プラスを欧州で初めて発売 ブロプレス プラスは、カンデサルタン32mgまたはヒドロクロロチアジド単剤で効果不十分な本態性高血圧症患者に適応するという。 ブロプレス プラスの審査は、欧州において分散承認審査方式により行われている。同社では、ドイツ当局からの販売許可を受け、ブロプレス プラスをヨーロッパにおいて初めて発売したが、これまでに、オーストリア、ポルトガル、スペインにおいても販売許可を取得しており、今後、欧州のその他主要国においても順次、販売許可を取得し、発売する予定とのこと。

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チアジド系降圧利尿剤 フルイトラン錠1mg新発売

塩野義製薬株式会社は15日、チアジド系降圧利尿剤「フルイトラン錠1㎎」(一般名:トリクロルメチアジド)を新発売した。フルイトランは、米国シェリング・プラウ社により開発され、1960年に米国で発売されたチアジド系降圧利尿剤トリクロルメチアジドの経口用製剤で、腎臓の遠位尿細管でナトリウムや水分の再吸収を抑え、体内の余分な水分を排出して尿の量を増やし、高血圧症の方々の心臓への負担を軽減する。現在、日本高血圧学会の高血圧治療ガイドライン2009(JSH2009)において、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)を含むレニン・アンジオテンシン系抑制薬と、少量の降圧利尿薬の併用療法が、降圧効果の相乗作用のみならず、電解質・糖代謝に対する副作用を相殺できる利点があるとして推奨されている。同社は「フルイトラン錠2㎎」を1960年より販売しているが、今回、少量製剤であるフルイトラン錠1mgを発売し、新たに医療現場に提供することで患者の利便性を向上させ、さらにARBである「イルベタン錠」と併用することで降圧効果の増強を図ることが可能になるとしている。詳細はプレスリリースへhttp://www.shionogi.co.jp/ir/news/detail/090515.pdf

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ブロプレスと利尿剤の合剤 エカード配合錠新発売

 武田薬品工業株式会社は13日、ブロプレス(一般名:カンデサルタン シレキセチル)と低用量の利尿剤(一般名:ヒドロクロロチアジド)との合剤である高血圧症治療剤「エカード配合錠LD」「エカード配合錠HD」を発売した。 エカード配合錠は、高血圧治療ガイドラインにおいて併用が推奨されているアンジオテンシンII受容体拮抗剤と低用量の利尿剤を組み合わせた合剤。ヒドロクロロチアジドの含量を通常用量の4分の1である6.25mgとすることで、サイアザイド系利尿剤に一般的に見られる副作用を軽減できると考えられ、臨床第3相試験において降圧効果の増強が認められているという。 製剤の種類は、1日1回の経口投与製剤で、1錠あたりカンデサルタン シレキセチル4mg/ヒドロクロロチアジド6.25 mgを含有する「エカード配合錠LD」と、カンデサルタン シレキセチル8mg/ヒドロクロロチアジド6.25mgを含有する「エカード配合錠HD」の2種類。

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高血圧症治療剤「エカード配合錠」の製造販売承認を取得

 武田薬品工業は21日、ブロプレス(一般名:カンデサルタン シレキセチル)と低用量の利尿剤(一般名:ヒドロクロロチアジド)との合剤である高血圧症治療剤「エカード配合錠」の製造販売承認を取得したと発表した。 エカード配合錠はアンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤と低用量の利尿剤を組み合わせた合剤。1日1回の経口投与製剤で、1錠あたりカンデサルタン シレキセチル4 mg / ヒドロクロロチアジド6.25 mgを含有する「エカード配合錠LD」と、カンデサルタン シレキセチル8 mg / ヒドロクロロチアジド6.25 mgを含有する「エカード配合錠HD」の二種類の製剤がある。

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ACE阻害薬、利尿薬とよりもCa拮抗薬との併用のほうが優れる:ACCOMPLISH試験

 米国の現行の高血圧治療ガイドライン(JNC 7)では、ハイリスクの高血圧患者に対してサイアザイド系利尿剤を含んだ併用療法を用いることを推奨しているが、最適な併用治療は十分に検討されていなかった。国際的な多施設共同試験ACCOMPLISHは、ACE阻害薬「ベナゼプリル」+ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬「アムロジピン」と、「ベナゼプリル」+サイアザイド系利尿薬「ヒドロクロロチアジド」とを比較したもので、ACE阻害薬+Ca拮抗薬併用療法のほうが、心血管イベントの減少効果が優れていることを報告した。NEJM誌2008年12月4日号より。アメリカ、北欧の計5ヵ国548施設から1万強が参加 ACCOMPLISH(Avoiding Cardiovascular Events through Combination Therapy in Patients Living with Systolic Hypertension)試験は多施設共同無作為化二重盲検試験で、アメリカ、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、フィンランドの5ヵ国548施設から参加した、心血管イベントリスクが高い高血圧患者1万1,506例(2003年10月登録開始)を、ベナゼプリル+アムロジピン併用療法群(Ca拮抗薬併用群)とベナゼプリル+ヒドロクロロチアジド併用療法群(利尿薬併用群)に割り付け行われた。 両群の患者基線値は同等。試験は、追跡平均36ヵ月時点で、事前規定の試験有効性の中止基準を上回ったため早期に終了された。Ca拮抗薬併用群のイベント発生は利尿薬併用群の2割減 平均血圧は、Ca拮抗薬併用群で131.6/73.3 mmHg、利尿薬併用群で132.5/74.4 mmHgで、目標血圧(140/90 mmHg以下)は前者75.4%、後者72.4%の達成率だった。 主要なアウトカムイベント(心血管系を原因とする死亡、心筋梗塞、脳卒中、狭心症による入院、突然の心停止後に蘇生、冠動脈血行再建)は、Ca拮抗薬併用群では552件(9.6%)だったが、利尿薬併用群では679件(11.8%)発生し、Ca拮抗薬併用群のイベント発生は利尿薬併用群の0.80倍(95%信頼区間:0.72~0.90、P

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アリスキレン、肥満の高血圧患者において利尿剤よりも有意な降圧効果を示す

ノバルティス ファーマ株式会社は、新しいクラスの直接的レニン阻害剤(Direct Renin Inhibitor:DRI)アリスキレン(製品名:米国ではTekturna、それ以外ではRasilez)が、肥満の高血圧患者において、利尿剤ヒドロクロロチアジド(HCT)単独よりも有意に血圧を低下させることが確認されたと発表した。2008年度欧州心臓病学会(ESC: European Society of Cardiology)で発表された事後解析では、アリスキレン300mgを単独で使用した場合、座位収縮期血圧が平均で16.7mmHg低下したということが示された。これに対し、HCTによる座位収縮期血圧の低下は平均で12.2mmHgだった。また、拡張期血圧の低下については、HCTの9.1mmHgに対してアリスキレンは12.3mmHgだった(p

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武田薬品 ブロプレスと利尿剤の合剤を申請

 3月17日、武田薬品工業はブロプレス(一般名:カンデサルタン シレキセチル)と利尿剤(一般名:ヒドロクロロチアジド)の合剤を厚生労働省に申請したと発表した。武田薬品の配合剤としては、海外ではインスリン抵抗性改善剤であるアクトス(一般名:塩酸ピオグリタゾン)とビグアナイド系血糖降下剤(一般名:メトフォルミン)との合剤や、アクトスとスルフォニル尿素剤(一般名:グリメピリド)との合剤を発売しているが、承認されれば日本市場向け製品の第1号となる見通し。

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NPPA遺伝子変異型の降圧剤への効果と関連性

 高血圧治療は近年優れた薬剤の登場でコントロールが可能となってきているが、ミネソタ大学薬理学のAmy I. Lynch氏らは「患者個々の遺伝子特性に合わせた治療が可能となれば、心血管疾患(CVD)罹患率および死亡率をもっと低下することができるのではないか」と考えた。その可能性をALLHAT(Antihypertensive and Lipid-Lowering Treatment to Prevent Heart Attack Trial)の高血圧患者のデータを利用し解析。JAMA誌2008年1月23日号に結果が掲載された。ALLHATから高血圧患者38,462例のデータを事後解析Lynch氏らがターゲットとしたのは、一部の降圧剤の効能をコントロールする可能性が示唆される心房性ナトリウム利尿ペプチドの前駆体をコードしているNPPA遺伝子。その変異による降圧剤への効果と関連性を調べた。NPPA T2238CあるいはNPPA G664A変異を有する対象者での心血管疾患率および血圧の変化の違い、利尿剤と他の降圧薬治療との違いについて調査。ALLHATから高血圧患者38,462例のデータによる事後解析の内訳は、利尿剤(クロルサイアザイド)13,860例、Ca拮抗剤(アムロジピン)8,174例、ACE阻害剤(リジノプリル)8,233例、αブロッカー剤(ドキサゾシン)8,195例となっている。遺伝子タイピングの実施期間は2004年2月から2005年1月の間に行われた。平均追跡期間は4.9年。主要評価項目は、致死的CHD・非致死的心筋梗塞と定義された虚血性心疾患(CHD)。副次評価項目は、脳卒中、全死亡、心血管疾患併発、6ヵ月後の収縮期・拡張期血圧の変化。血圧変化(収縮期)はCC遺伝子型で最も大きな変化TT、TCなど各遺伝子型(NPPA T2238C:TT、TC、CC NPPA G664A:GG、GA、AA)の結果から最大・最低値をみると、CHDの最低はAAにおける15.3、最高はTTで19.3、脳卒中は9.6(TT)、15.4(AA)、全死亡は27.4(TT)、30.7(AA)(いずれも/1,000人年)。NPPA T2238C変異群でイベント発症が低いことが明らかとなった。6ヵ月後の血圧変化(収縮期)については、CC遺伝子型で最も大きな変化がみられた(利尿剤:-6.5mmHg、Ca拮抗剤:-3.8mmHg、ACE阻害剤:-2.4mmHg、αブロッカー剤:-3.8mmHg)。TT遺伝子型では、投薬による降圧効果は収縮期、拡張期とも、いずれの薬剤においても低かった。NPPA G664A異型では「遺伝薬理学的な関連性をみいだせなかった」とも報告されている。Lynch氏らは、「NPPA T2238C異型は、心血管疾患、血圧に影響を及ぼす降圧剤との関連が認められた。C遺伝子型を有する場合は、利尿剤投与が最も心血管疾患のアウトカムに有利で、TT遺伝子型の場合は、Ca拮抗剤が最も有利」とまとめている。(武藤まき:医療ライター)

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