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帯状疱疹の新規ワクチン、50歳以上で97%有効/NEJM

 帯状疱疹ウイルス中のタンパク質gEとAS01Bアジュバントを組み合わせた新規ワクチン「HZ/su」について、50歳以上高齢者への有効率は97%で、70歳以上にも同等の効果があることが報告された。米国・GSK Vaccines社のHimal Lal氏らが、50歳以上成人1万5,411例について行った第III相臨床試験の結果、示された。すでに高齢者を対象に組み込んだ第I-II相臨床試験において、臨床的に許容できる安全性プロファイルおよび高い免疫原性が示されていた。NEJM誌オンライン版2015年4月28日号掲載の報告より。 50歳以上を年齢別に分け、無作為化 著者らは世界18ヵ国で50歳以上の1万5,411例を対象に、プラセボ対照無作為化試験を行い、HZ/suの高齢者における有効性について検討した。 被験者を年齢別に、50~59歳、60~69歳、70歳以上に分類したうえで、それぞれの年齢群で無作為に2群に分けた。一方の群にはHZ/suを2ヵ月間隔で2回接種し、もう一方の群にはプラセボを接種した。帯状疱疹罹患率、HZ/su群0.3/1,000人年、プラセボ群9.1/1,000人年 結果、平均追跡期間3.2年間中に帯状疱疹を発症した人は、プラセボ群210例(罹患率:9.1/1,000人年)に対し、HZ/su群では6例(同:0.3/1,000人年)だった。 全体的な同ワクチン有効率は97.2%(95%信頼区間:93.7~99.0、p<0.001)と高かった。 また年齢群別のワクチン有効率は、96.6~97.9%と各年齢群で有意な差はなく、70歳以上への有効性も確認された。 副作用については、接種後7日以内の注射部位反応および全身性反応の報告が、ワクチン接種群のほうが高かった。また、グレード3症状の非自発的・自発的報告がプラセボ群では3.2%だったが、ワクチン群では17.0%だった。

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デング熱の重症度、ウイルス特異的メモリーT細胞応答が関与

 これまでにデングウイルス(DENV)に自然感染した人において、DENVに対する抗体反応が詳細に調べられたが、DENV特異的メモリーT細胞の機能性と臨床的な疾患重症度との関連は完全に解明されていない。スリランカ・スリ ジャヤワルダナプラ大学のChandima Jeewandara氏らは、DENV特異的メモリーT細胞によって産生されるサイトカインの種類が、臨床的な重症度に影響することを報告した。T細胞応答を用いた新しいアッセイ法により感染血清型を特定できることも示され、免疫疫学的研究やデング熱ワクチンの臨床試験で役立つと期待される。PLOS Neglected Tropical Diseases誌オンライン版2015年4月13日号の掲載報告。 スリランカで得られたDENV自然感染者(デング熱で入院または軽度~不顕性感染)338例の検体について、ex vivoでIFNγ ELISpotアッセイを用いてサイトカイン産生を測定しDENV特異的メモリーT細胞応答を調べた。 主な結果は以下のとおり。・軽度~不顕性感染者または入院歴のある感染者のどちらにおいても、T細胞はDENV-NS3 抗原刺激時に複数のサイトカインを産生した。・しかし、軽度~不顕性感染者のDENV-NS3特異的T細胞はグランザイムBのみを産生する傾向にあったのに対して、入院歴のある感染者ではTNFαおよびIFNγの両方、またはTNFαのみを産生する傾向にあった。・T細胞応答を利用して感染血清型を調べたところ、DENV血清陽性者の92.4%で、1つ以上の血清型が認められた。・DENV血清陰性であるが日本脳炎ワクチンも受けたことのある個人では、感染血清型のアッセイでT細胞応答がみられなかった。したがって、このアッセイに用いた抗原ペプチドは、日本脳炎ウイルスと交差反応しないと考えられる。

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麻疹ワクチン、エアロゾルは皮下注に劣性/NEJM

 麻疹予防ワクチンの接種について、吸入タイプのエアロゾルワクチン接種は、従来タイプの皮下注ワクチン接種と比べて、免疫原性は認められたが、事前規定マージンに基づき評価した血清陽性率については劣性であったことが、WHOのNicola Low氏らによる非盲検無作為化非劣性試験の結果、示された。エアロゾル麻疹ワクチンはメキシコで開発され、1980年代以降400万人以上の子供たちに接種されている。臨床的な訓練を要さず注射関連の感染症の懸念もないことから、医療資源の乏しい発展途上国での使用拡大が期待されている。しかし、これまで有効性に関して相反するデータが示されてきたという。NEJM誌2015年4月16日号掲載の報告より。2,004例対象に、接種後91日時点のエアロゾルワクチンの非劣性を評価 検討はインドで、麻疹ワクチンの初回接種が適格な生後9.0~11.9ヵ月児を集めて行われた。2009年12月20日~2010年4月5日に、ワクチン接種をエアロゾル吸入で行う群と皮下注射で行う群に無作為に割り付けた。 主要エンドポイントは、ワクチン接種後91日時点の、抗麻疹抗体の血清陽性率および有害事象とした。非劣性のマージンは5ポイントとした。 合計2,004例が、エアロゾルワクチン群(1,001例)と皮下注ワクチン群(1,003例)に無作為に割り付けられた。接種を受け91日時点のフォローアップを受けたのは1,956例(各群775例、785例)であった。しかし、そのうち331例(17%)のデータは、検体輸送時の解凍によりアウトカムデータを得ることができなかった。 per-protocol集団解析は、2,004例中の1,560例(77.8%)について行われた。血清陽性率85%超だが非劣性マージン未達成 結果、91日時点の血清陽性児は、エアロゾルワクチン群662/775例(85.4%、95%信頼区間[CI]:82.5~88.0%)、皮下注ワクチン群743/785例(94.6%、同:92.7~96.1%)で、エアロゾルワクチン群のほうが血清陽性率は低く、両群差は9.2ポイント(95%CI:-12.2~-6.3ポイント)であった。 同様の所見は、全解析(エアロゾルワクチン群673/788例[85.4%]、皮下注ワクチン群754/796例[94.7%]、差:-9.3ポイント、95%CI:-12.3~-6.4ポイント)や、欠測データの多重代入後においても認められた。 麻疹ワクチン接種による重大有害事象は報告されなかった。また、有害事象は両群で同程度の報告であった。

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肺炎球菌ワクチン 接種間隔はどのくらい?

 インフルエンザの時期が過ぎ、花粉症の季節となった。一般的に肺炎は冬に多いが、高齢者の肺炎リスクは年間を通じて高いため、引き続き注意が必要である。先日、本サイトに高齢者肺炎に関する記事を掲載したところ、大きな反響があった。 肺炎の原因である肺炎球菌感染症の予防には、ワクチン接種が有効である。昨年(2014年)10月より、従来使用されてきた23価肺炎球菌多糖体ワクチン(PPSV23)の65歳以上の成人を対象とした定期接種が開始となった。また、同年6月から13価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV13)が、65歳以上の成人に適応拡大になった。そのため、2種類のワクチンをどのように使い分けるか、併用接種する場合はどのような接種間隔が適切かなどを判断していく必要が生じている。そこで、今回は肺炎球菌ワクチンの接種間隔にフォーカスして、基本的な考え方を紹介する。 PPSV23とPCV13の接種間隔に関する考え方は、以下のとおり(図)1)。(1)PPSV23単剤で使用する:5年以上間隔を空けて接種する(2)PPSV23とPCV13を併用する:  (I)PPSV23を先に接種し、その後PCV13を接種する場合:1年以上間隔を空けて接種する  (II)PCV13を先に接種し、その後PPSV23を接種する場合:6ヵ月~4年以内に接種する図画像を拡大する 肺炎球菌ワクチンの接種によってすべての肺炎を予防できるわけではないが、リスクを小さくすることができる。ワクチン接種対象者の年齢や基礎疾患、経済的な負担を考慮したうえで適切なワクチンを選択し、適正に使用していくことが求められる。【参考】1)日本呼吸器学会呼吸器ワクチン検討 WG 委員会/日本感染症学会ワクチン委員会・合同委員会.65歳以上の成人に対する肺炎球菌ワクチン接種に関する考え方.日本感染症学会(参照 2015.4.17)

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成人に対する13価肺炎球菌結合型ワクチンの有効性を示したCAPiTA trial(解説:小金丸 博 氏)-339

 肺炎球菌結合型ワクチンは、小児における肺炎球菌性肺炎、侵襲性肺炎球菌感染症、中耳炎、およびHIV感染症患者における肺炎球菌感染症を予防できることが示されてきた。成人においては、13価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV13)は23価肺炎球菌多糖ワクチン(PPSV23)と比較し、免疫原性が優れていることは示されていたが、実際に成人の肺炎球菌感染症を予防できるかどうかはわかっていなかった。 本論文は、成人に対するPCV13の予防効果を検討したランダム化二重盲検プラセボ対照比較試験である。2005年以前には、小児に対する肺炎球菌結合型ワクチンを導入していなかったオランダにおいて、2008年9月~2013年8月に実施された。65歳以上の成人を、(1)PCV13接種群(4万2,240例)と(2)プラセボ接種群(4万2,256例)に割り付けし、ワクチン血清型の肺炎球菌による市中肺炎、非菌血症性・非侵襲性肺炎球菌性肺炎、侵襲性肺炎球菌感染症の予防効果を調査した。原因菌がワクチンに含まれる血清型の肺炎球菌だったかどうかの確認には、血液などの無菌材料からの培養検体に加えて、ワクチン血清型特異的尿中抗原検査を用いた。  per-protocol解析では、ワクチン血清型による市中肺炎はPCV13接種群で49例、プラセボ群で90例発生し、ワクチン効果は45.6%(95.2%信頼区間:21.8~62.5%)だった。同様に、非菌血症性・非侵襲性肺炎球菌性肺炎の発生数は、それぞれ33例と66例で、効果は45.0%(同:14.2~65.3%)、侵襲性肺炎球菌感染症の発生数は、それぞれ7例と28例で、効果は75.0%(95%信頼区間:41.4~90.8%)だった。ワクチン効果は試験期間中持続した(平均フォローアップ期間3.97年)。肺炎球菌以外も含めた全市中肺炎の発生数は、それぞれ747例と787例で、ワクチン効果は5.1%(95%信頼区間:-5.1~14.2%)だった。全死因死亡者数は両群間で同等だった。肺炎球菌感染症に関連した死亡者数は、ワクチンの有効性を解析する意味を持たないほど両群共に少なかった。 本試験はCAPiTA trialと呼ばれる臨床試験である。PCV13による成人の肺炎球菌感染症の予防効果を示した最初の論文であり、本試験の結果を受けて米国の予防接種諮問委員会(ACIP)の推奨が「PCV13をすべての65歳以上の成人に対して接種すること」と変更になった。  本邦においてPCV13は、2014年6月に65歳以上の成人に対して適応拡大されている。それに加えて、2014年10月からは65歳以上の成人を対象としたPPSV23の定期接種が開始されており、成人に対する肺炎球菌ワクチンの接種が複雑になっている。 米国では、PCV13はPPSV23と連続して使用される。ACIPは、(1)肺炎球菌ワクチン接種歴のない場合は、まずPCV13を接種し、6~12ヵ月後にPPSV23を接種、(2)65歳以降にPPSV23の接種歴がある場合は、PPSV23の接種から1年以上空けてPCV13を接種、(3)65歳未満にPPSV23の接種歴がある場合は、PPSV23の接種から1年以上空けてPCV13を接種し、その6~12ヵ月後にPPSV23を接種するように推奨している。PCV13とPPSV23を連続接種することにより高い免疫原性を得ることが期待できるが、至適接種間隔はわかっていない。また、連続接種による臨床効果を示した研究はなく、今後のさらなる研究が待たれる。

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PCV13、高齢者市中肺炎にも有効/NEJM

 高齢者への13価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV13)接種について、ワクチン型の肺炎球菌性、菌血症性、および非血症性の市中肺炎と、ワクチン型の侵襲性肺炎球菌感染症の予防に有効であることが明らかにされた。オランダ・ユトレヒト大学医療センターのM.J.M. Bonten氏らが、8万4,496例の65歳以上高齢者を対象に行った無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果、報告した。PCVワクチンは、新生児において肺炎球菌感染症の予防が認められているが、65歳以上高齢者の肺炎球菌性市中肺炎の有効性は明らかにされていなかった。試験の結果では、あらゆる原因による市中肺炎へのワクチンの有効性は示されなかったが、著者は「ワクチン型の市中肺炎が46%減少しており、高齢者の市中肺炎の減少に寄与すると思われる」とまとめている。NEJM誌2015年3月19日号掲載の報告より。オランダ65歳以上8万4,496例を登録して無作為化二重盲検プラセボ対照試験 試験は2008年9月15日~2010年1月30日にかけて、オランダ国内101地点で65歳以上高齢者を8万4,496例登録して行われた。被験者は1対1の割合で無作為に割り付けられ、4万2,240例がPCV13接種を、4万2,256例がプラセボの接種を受けた。追跡期間は中央値3.97年であった。 PCV13の有効性について、ワクチン型肺炎球菌性市中肺炎、非菌血症性・非侵襲性肺炎球菌性市中肺炎、侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)の初回エピソードの予防について評価した。市中肺炎とIPDの特定は、標準的なラボ検査と血清型に特異的な尿中抗原検出アッセイにより行った。 追跡期間中に、肺炎またはIPDが疑われ試験協力病院を受診した人は、PCV13群1,552例、プラセボ群1,680例であった。このうち2,842例(88%)は、前年にインフルエンザワクチンの接種を受けていた。ワクチン型株市中肺炎への有効率、per-protocol解析で45.6% ワクチン型株による感染症の初回エピソードのper-protocol解析の結果、市中肺炎発生は、PCV13群49例、プラセボ群90例でワクチンの有効率は45.6%(95.2%信頼区間[CI]:21.8~62.5%)であった。非菌血症性・非侵襲性市中肺炎は、PCV13群33例、プラセボ群60例でワクチン有効率は45.0%(同:14.2~65.3%)、侵襲性肺炎球菌感染症は PCV13群7例、プラセボ群28例でワクチン有効率は75.0%(95%CI:41.4~90.8%)だった。有効性は試験期間中、持続していた。 修正intention-to-treat解析(安全性データを入手できなかった人を除外した8万4,492例)においても、ワクチン型株による感染症の初回エピソードに対するワクチン有効率は同程度であった(それぞれ37.7%、41.1%、75.8%)。 一方、あらゆる原因(非肺炎球菌性と肺炎球菌性を含む)による市中肺炎の初回エピソード発生例は、PCV13群747例、プラセボ群787例で、ワクチン有効率は5.1%(95%CI:-5.1~14.2%)だった。 重篤な有害事象と死亡は、両群で同程度であったが、PCV13群で局所反応が、より多く認められた。

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去勢抵抗性前立腺がん治療、今後の課題は

 去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)に対して、昨年わが国で3つの新薬が承認・発売された。これらの薬剤の特徴や注意点、さらに今後の治療戦略について、3月10日に東京都内で開催された第13回日本泌尿器科学会プレスセミナーにて、鈴木 啓悦氏(東邦大学医療センターさくら病院泌尿器科 教授)が紹介した。去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)に対する新規薬剤 CRPCに対する新規薬剤として、より強化されたホルモン療法を目指したエンザルタミド(商品名:イクスタンジ)とアビラテロン(同:ザイティガ)、ドセタキセル療法後の新規タキサン系化学療法薬であるカバジタキセル(同:ジェブタナ)がわが国で承認されている。また、国内では未承認であるが、免疫に作用する薬剤(ワクチン療法)であるSipuleucel-T、骨転移に対する薬剤である塩化ラジウム-223といった薬剤がある。エンザルタミドとアビラテロン エンザルタミドはアンドロゲン受容体をより強力にブロックすることにより、またアビラテロンはアンドロゲン産生を強力に低下させることにより効果を発揮する。 エンザルタミドとアビラテロンの2剤は、当初はドセタキセル治療後のみに適応であったが、現在はドセタキセル治療の前にも適応を取得している。 ドセタキセルには抗がん作用のみだけでなく、アンドロゲン受容体を抑える作用があることから、ドセタキセル・エンザルタミド・アビラテロンの3剤の間には交差耐性があることが明らかになってきている。この交差耐性のため、ドセタキセル治療後にエンザルタミドやアビラテロンを投与した場合、必ず効果があるわけではないという。 両剤の大規模臨床試験での全生存期間の延長効果は、ともにドセタキセル治療前で約1年~1年半、ドセタキセル治療後で約5ヵ月程度という。また、主な有害事象として、エンザルタミドでは全身倦怠感、食欲低下、まれに痙攣発作、アビラテロンでは低カリウム血症と肝機能障害に注意が必要である。なお、アビラテロンはプレドニゾロン併用が必須である。カバジタキセル エンザルタミドやアビラテロンで治療しても、3人に1人は効果がなく、3人に1人はしばらく経過後に効果がなくなってくるため、これらの患者に対する薬剤として、カバジタキセルが必要になってくる。カバジタキセルはエンザルタミド・アビラテロンと交差耐性がなく、海外ではよく使用されているという。 ただし、日本人の試験では重篤な好中球減少が100%、重篤な発熱性好中球減少症が55%発現しているため、注意が必要である。今後、持続型G-CSF製剤の予防投与で副作用の回避が期待できるが、やはり注意が必要という。個々の患者に応じた治療へ 最後に鈴木氏は、現在の前立腺がん治療薬について、「従来のホルモン製剤とドセタキセルのほかにエンザルタミドとアビラテロンが発売されたが、これら2剤とドセタキセルには交差耐性があるため、必ずしもそれぞれの薬剤が効果を示すわけではない。これら3剤に効果のない患者に対してカバジタキセルが期待されているが、副作用のマネジメントという点で注意が必要である」と述べた。そのうえで、「よい薬剤を、よいタイミングで、適切な患者に、適切な手順で使用されることが今後の課題である」と指摘した。

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E型肝炎ワクチン、4.5年の有効率は?/NEJM

 E型肝炎(HEV)ワクチンの予防接種により、防御能4.5年の持続を確認したことが報告された。中国・厦門大学のJun Zhang氏らが、11万例超の成人を対象に行ったプラセボ対照無作為化比較試験の延長追跡調査の結果を発表した。試験に用いられたワクチンは2012年から中国で製造販売されているHecolinで、これまで短期有効性については報告されていたが長期有効性については確認されていなかった。NEJM誌2015年3月5日号掲載の報告より。E型肝炎ワクチンを0、1、6ヵ月の3回接種 研究グループは2007年、E型肝炎ワクチンの有効性試験として、16~65歳の健康成人11万2,604例を対象に第III相臨床試験を行い、短期有効性を調べた。被験者を無作為に2群に割り付け、一方にはE型肝炎ワクチンを3回(0、1、6ヵ月)接種し(ワクチン群、5万6,302例)、もう一方の群にはB型肝炎ワクチンを同様に3回接種し(対照群、5万6,302例)、19ヵ月間追跡した。 今回の延長追跡試験では、二重盲検化したまま最長4.5年間追跡し、有効性と免疫原性、安全性の評価を行った。E型肝炎ワクチンの有効性86.8% 追跡期間中にE型肝炎を発症した人は60例で、ワクチン群は7例(0.3例/1万人年)で、対照群は53例(2.1例/1万人年)だった。修正intention-to-treat分析によるE型肝炎ワクチンの有効性は86.8%(95%信頼区間:71~94%)だった。 免疫原性評価はワクチン群の5,567例について行われた。そのうち52%がベースライン時に血清反応陰性だったが、それらの99.9%がワクチン接種後に免疫を獲得し、うち87%について抗HEV抗体の発現が4.5年間持続していたことが確認された。 なお、対照群でHEV抗体価が陽性になったのは9%だった。

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高齢者における市中肺炎の危険因子

 聖マリア学院大学(福岡県)の鷲尾 昌一氏らは、わが国の高齢者において、病院外での肺炎発症に関連する因子を病院ベースの症例対照研究で検討した。その結果、地域に住む高齢者では低アルブミン血症が肺炎の危険因子である可能性が示唆された。Geriatrics & gerontology international誌オンライン版2015年2月5日号に掲載。 本研究では、新たに病院外で発症し肺炎と診断された患者をケースとし、それぞれに同病院の肺炎以外の外来患者1~3例をコントロールとした。すべてのケース(50例)とコントロール(110例)は65歳以上であった。 主な結果は以下のとおり。・肺炎患者では、コントロールと比較して、低アルブミン血症(3.5g/dL未満)と低BMI(18.0未満)が多く認められた。・自分自身で外出可能な(すなわちADLが自立)患者の割合と季節性インフルエンザのワクチン接種率は、肺炎患者のほうがコントロールより低かった。・年齢、性別、病院、上述の因子による調整後も、低アルブミン血症は肺炎リスクを増加させた(OR:9.19、95%CI:3.70~22.81)。・季節性インフルエンザのワクチン接種は肺炎リスクを減少させた(OR:0.37、95%CI:0.16~0.85)。・老人ホーム入居者を除外しても、低アルブミン血症は肺炎リスクを増加させた(OR:12.19、95%CI:4.29~34.63)。

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1分でわかる家庭医療のパール ~翻訳プロジェクトより 第16回

第16回:犬猫咬傷~傷は縫っていいの? 抗菌薬は必要なの?監修:吉本 尚(よしもと ひさし)氏 筑波大学附属病院 総合診療科 犬や猫などの咬傷はよくみかけるものです。医者になって以来、私はずっと指導医に「咬傷は縫うな!」と教えられ忠実に守ってきましたが、縫合してもしなくても感染率は変わらないとする報告があります1)。しかしながら動物咬傷は、感染が起きやすいのが事実。感染の有無についての丁寧な観察が必要ということはいうまでもありません。また、この元論文2)では、狂犬病ワクチンについても言及していますが、日本では1958年以降は人・動物での狂犬病の国内発生はありません3)。破傷風ワクチンの接種をしっかりとすることに力点を置くべきでしょう。 以下、American Family Physician 2014年8月15日号2) よりアメリカにおいて動物咬傷は全救急症例の1%を占め、それにより5,000万ドル(約60億円)の医療コストがかかっている。多くの症例が犬咬傷 (85~90%)であり、その犠牲者の多くは子供である(咬傷部位は子供の場合は顔や首が多い。ちなみに思春期以上になると四肢が多い)。70%のケースでは知っている犬に咬まれ、50%が挑発をしていないのに咬まれる。一方、猫咬傷は大人の女性に多く、興奮させた場合に咬まれるケースがしばしばである。猫咬傷の場合は傷が深くなることに注意すべきである。処置をする場合は大量の水道水・生理食塩水で洗浄し、腱や骨に達していないかを詳細に確認する必要がある。年老いた犬や猫は、歯周病に罹患していることも多く、感染のリスクが上昇する。猫咬傷、縫合した創、手の傷、免疫抑制された患者に関しては、抗菌薬を考慮すべきであり、その際は、アモキシシリン/クラブラン酸(オーグメンチンなど)が第1選択薬である。多くの研究では、投与期間は3~7日である。ただし、抗菌薬の効果に関しては議論を呼んでいるようで、あるメタアナリシス4)では抗菌薬の投与により2次感染が減少 (HR 0.56、NNT 14)とするものもあれば、コクランレビュー5)では手以外の外傷で、有意差を認めなかった。飼い犬でさえも狂犬病ワクチンを接種していない場合もあるので、あらゆる動物咬傷に対して、狂犬病の予防接種を考慮すべきである。(基礎免疫がある場合)破傷風のワクチンを5年以上打っていない人は、破傷風の予防接種を考慮すべきである。※本内容は、プライマリケアに関わる筆者の個人的な見解が含まれており、詳細に関しては原著を参照されることを推奨いたします。 1) Maimaris C and Quinton DN. Arch Emerg Med. 1988; 5: 156-161. 2) Ellis R and Ellis C. Am fam physician. 2014; 90: 239-243. 3) 平成 24 年度 厚生労働科学研究「動物由来感染症に対するリスク管理手法に関する研究」分担研究班. 狂犬病対応ガイドライン2013.厚生労働省.(参照 2015.1.21) 4) Cummings P. Ann Emerg Med. 1994; 23: 535–540. 5) Medeiros I and Saconato H. Cochrane Database Syst Rev. 2001; CD001738. ※本文中に誤解を招く表現が含まれていたため、1月29日15時30分ごろに内容を一部修正いたしました。

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HPVワクチン、複数回接種の費用対効果/JAMA

 2価と4価のヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの、接種回数と費用対効果について、英国・イングランド公衆衛生局(Public Health England:PHE)のMark Jit氏らが伝播モデルをベースに検討した。その結果、仮に2回接種による防御効果が10年しか持続せず、3回接種の効果が生涯持続するのなら、そのほうが費用対効果は高いこと、一方で2回接種の効果が20年超持続するのなら、2回接種が最適な選択肢であることを明らかにした。2価/4価HPVワクチンは、長期にわたりHPV16/18への防御効果をもたらす可能性が示されているが、その正確な期間・規模について、3回接種の場合と比較した検討はこれまで行われていなかった。BMJ誌オンライン版2015年1月7日号掲載の報告より。4価ワクチンのコスト136米ドル/回と仮定して検討 研究グループは、英国の12~74歳男女集団をベースとし、12歳女児の80%に対してHPVワクチンの初回接種が実施され、14歳までに2回接種が、3回接種はそれ以後で行われると仮定した伝播モデルを作成し、ワクチンの2回接種、3回接種について、効果持続期間による費用対効果を検討した。 ワクチン効果については、2価/4価HPVワクチンの2回接種は、10年、20年もしくは30年間、防御効果、交叉防御効果、または交叉防御効果はないが生涯持続性のあるワクチンであると仮定し、3回接種は生涯持続および交叉防御効果を有すると仮定し検討した。 検討では、4価HPVワクチン1用量の定価は86.5ポンド(136米ドル)として試算した。2回接種以上が費用対効果高く、2~3回は効果持続期間とコストにより異なる 結果、HPVワクチン2回以上の接種については、HPV関連のがん罹患率が有意に低下し、費用対効果が高いことが判明した。 また4価HPVワクチンの2回接種について、防御効果が10年しか持続せず、3回接種の効果が仮定どおりに生涯持続するのなら、3回接種(追加用量の定価を86.5ポンドとした場合)の費用対効果が高いことが示された(増分費用対効果の中央値:1万7,000ポンド、四分位範囲:1万1,700~2万5,800ポンド)。 一方で、ワクチン2回接種の防御効果が20年超持続するのなら、3回目の接種費用が閾値中央値31ポンド(範囲:28~35ポンド)程度まで大幅に下がらない限り、3回接種の費用対効果は低くなることが示された。 また、2価HPVワクチン(1用量の定価80.5ポンド)でも、同様な結果が得られたという。 結果を踏まえて著者は、「HPVワクチン接種は、防御効果が20年以上あるのならば2回接種が最も費用対効果のある選択肢となりそうだ」と述べるとともに、「2回接種の防御効果の正確な期間が不明であるのなら、同接種コホートに対するモニタリングを密にしなければならない」と指摘している。

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米J&Jがエボラワクチンの第I相臨床試験開始を発表

 米国のジョンソン・エンド・ジョンソン社(以下、J&J社)は1月20日、同社の医薬品部門である米国ヤンセンファーマシューティカル社(以下、ヤンセン社)で開発中のエボラ出血熱予防ワクチンの第I相ヒト初回投与試験の開始を発表した。 エボラワクチン製剤の第I相ヒト初回試験では、被験者が4つのグループに登録され、実薬またはプラセボ投与群に無作為に割り付けられる。実薬投与群は、登録された4つのグループごとの投与計画に従い、1日目に初回接種(プライム)後、1ヵ月または2ヵ月の間隔をあけて追加接種(ブースト)を受ける。この試験の分析結果は、最適なワクチンの予防効果や効果持続期間を確認するために今後実施する試験における、2つのワクチンの投与順序や間隔などの判断に有益な情報となるという。試験の詳細はClinicalTrials.gov(https://clinicaltrials.gov/)に掲載されている。 試験はオックスフォード大学小児科のオックスフォードワクチングループが進めている。現在被験者の登録が進行中で、最初の被験者に対する初回のワクチンが投与されたという。登録は1月末までに完了予定とのこと。 またJ&J社は、ヤンセン社がBavarian Nordic社との提携により、2015年4月までに大規模臨床試験で使用する40万回分以上のプライムブーストワクチンを生産したことも発表した。今後2015年中に合計200万回分のワクチンが提供可能となり、また必要に応じて12~18ヵ月間で最大500万回分までの迅速な増産が可能となるという。今回、同社らが発表した増産の見通しは、2015年末までに100万回分以上を生産し、そのうち25万回分を2015年5月までに臨床試験で幅広く活用する予定としていた以前の発表に代わる最新情報となる。詳細はヤンセンファーマ株式会社のプレスリリースへ

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エボラ、マールブルグウイルスワクチンの安全性と免疫原性(解説:吉田 敦 氏)-302

 西アフリカ3国でのエボラウイルス感染症の急激な増加により、エボラウイルスによるアウトブレイクはかつてない規模に達している。高い致死率と確実に治療できる薬剤がない中で、ワクチンの開発が模索されてきたが、今回エボラウイルス、マールブルグウイルスそれぞれのDNAワクチンが開発され、ウガンダ人で安全性と免疫原性が評価された。Lancet誌オンライン版2014年12月23日号の発表より。DNAワクチンの開発と試験 供試されたリコンビナントワクチンは、スーダンエボラウイルスとザイールエボラウイルスの糖蛋白をコードするDNAを用いたエボラウイルスワクチンと、マールブルグウイルスの糖蛋白をコードするDNAを含有するマールブルグウイルスワクチンである。すでに霊長類を対象とした先行研究で忍容性と免疫原性が確認されたものであり、今回の検討では2つ両方、あるいは単独で接種が行われた。 なお、エボラウイルスの同一の遺伝子領域を用いた、より強力なワクチンがすでに開発されており(リコンビナント・チンパンジー・アデノウイルス3型・エボラワクチン:cAd3-EBO、cAd3-EBOZ)、一部は2014年9月から臨床試験に入っていることから、本試験結果は今後のワクチン開発にとって非常に重要な意味を持つ。第I相試験としての免疫原性・安全性の比較 ウガンダ人108人を対象に、無作為化二重盲検プラセボ対照試験が行われた。試験施行期間は2009年から2010年であり、エボラウイルスワクチン単独接種、マールブルグウイルスワクチン単独接種、両者の同時接種、プラセボの4群に分けられ、ほとんどの例で3回接種が行われた。 結果として、同時接種と単独接種で抗体上昇やT細胞の反応には差がなく、ザイールエボラウイルス糖蛋白に対しては47~57%の例で、スーダンエボラウイルス糖蛋白には50%の例で抗体上昇が認められた。マールブルグウイルス糖蛋白に対する抗体上昇は23~30%であった。スーダンエボラウイルス糖蛋白、マールブルグウイルス糖蛋白へのT細胞の反応はそれぞれ33~43%、43~52%で証明できた。注射局所の反応はいずれも軽度であることが多く、頭痛や筋痛、関節痛、吐き気といった症状も4群で差はなかった。今後のワクチン開発への展望 本試験は、アフリカで初めて行われたエボラ・マールブルグウイルスワクチンの治験であり、ヒトで同時接種を行っても忍容性・免疫原性が確認できたことから、今後の多価ワクチンの開発がさらに加速することが予想される。同じ糖蛋白遺伝子を用いるcAd3-EBO、cAd3-EBOZの安全性、免疫原性にも期待が持てるかもしれない。最近、cAd3-EBOの第1相試験の結果が公表されたが、それでは1回接種を行ったのみで4週間後には良好な免疫反応が得られていたという。一方、DNAワクチンで得られる免疫は非常に強いものとはいえず、アウトブレイクでの使用や、曝露リスクの高い人にあらかじめ接種する場合の効果については懸念がある。 エボラウイルスワクチンとしてはほかに、VSV(Vesicular stomatitis virus)にザイールエボラウイルス糖蛋白遺伝子を挿入したVSVΔG-EBOV-GPが開発され、cAd3-EBOVと共に有望視されている。cAd3-EBOVについては間もなくアフリカでの臨床試験が開始される予定で、医療従事者も対象に加えられるとされているが、今後の治験にあたり、無作為化比較試験が難しい場合には、ワクチン接種群の間で接種時期をずらして評価していく手法(stepped-wedge)も検討されている1)。これらの基礎には、国際間協力を前提とした効率的かつ実際的な研究遂行への努力が欠かせないことは言うまでもない。

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4価HPVワクチン接種、多発性硬化症と関連なし/JAMA

 4価ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの接種は、多発性硬化症などの中枢神経系の脱髄疾患の発症とは関連がないことが、デンマーク・Statens Serum研究所のNikolai Madrid Scheller氏らの調査で示された。2006年に4価、その後2価ワクチンが登場して以降、HPVワクチンは世界で1億7,500万回以上接種されているが、多発性硬化症のほか視神経炎、横断性脊髄炎、急性散在性脳脊髄炎、視神経脊髄炎などの脱髄疾患との関連を示唆する症例が報告されている。ワクチンが免疫疾患を誘発する可能性のある機序として、分子相同性や自己反応性T細胞活性化が指摘されているが、HPVワクチンが多発性硬化症のリスクを真に増大させるか否かは不明であった。JAMA誌2015年1月6日号掲載の報告。2国の10~44歳の全女性のデータを解析 研究グループは、2006~2013年のデンマークおよびスウェーデンの10~44歳の全女性における4価HPVワクチンの接種状況および多発性硬化症などの中枢神経系の脱髄疾患の発症に関するデータを用い、これらの関連を検証した(Swedish Foundation for Strategic Research、Novo Nordisk Foundation、Danish Medical Research Council funded the studyの助成による)。 ポアソン回帰モデルを用いて、ワクチン接種者・非接種者に関するコホート解析および自己対照ケースシリーズ(self-controlled case-series)解析を行った。接種後2年(730日)のリスク期間におけるイベント発生率を比較し、発症の率比を推算した。 398万3,824人(デンマーク:156万5,964人、スウェーデン:241万7,860人)の女性が解析の対象となった。そのうち78万9,082人が合計192万7,581回の4価HPVワクチン接種を受けた。接種回数は、1回が78万9,082人、2回が67万687人、3回が46万7,812人であった。2つの解析はともに有意差なし 全体のフォローアップ期間は2,133万2,622人年であった。接種時の平均年齢は17.3歳であり、デンマークの18.5歳に比べスウェーデンは15.3歳と約3歳年少だった。フォローアップ期間中に多発性硬化症が4,322例、その他の脱髄疾患は3,300例に認められ、そのうち2年のリスク期間内の発症はそれぞれ73例、90例であった。 コホート解析では、多発性硬化症、その他の脱髄疾患の双方で、4価HPVワクチン接種に関連するリスクの増加は認めなかった。すなわち、多発性硬化症の粗発症率は、ワクチン接種群が10万人年当たり6.12件(95%信頼区間[CI]:4.86~7.69)、非接種群は21.54件(95%CI:20.90~22.20)であり、補正後の率比は0.90(95%CI:0.70~1.15)と有意な差はなかった。また、その他の脱髄疾患の粗発症率は、それぞれ7.54件(95%CI:6.13~9.27)、16.14件(95%CI:15.58~16.71件)、補正率比は1.00(95%CI:0.80~1.26)であり、やはり有意差は認めなかった。 同様に、自己対照ケースシリーズ解析による多発性硬化症の発症率は1.05(95%CI:0.79~1.38)、その他の脱髄疾患の発症率は1.14(95%CI:0.88~1.47)であり、いずれも有意な差はみられなかった。また、年齢別(10~29歳、30~44歳)、国別、リスク期間別(0~179日、180~364日、365~729日、730日以降)の解析でも、有意な差は認めなかった。 著者は、「4価HPVワクチンは多発性硬化症や他の脱髄疾患の発症とは関連がない。本試験の知見はこれらの因果関係への懸念を支持しない」と結論している。

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エボラワクチン、第Ib相で免疫原性確認/Lancet

 アフリカで行われたエボラウイルスまたはマールブルグウイルスワクチンの第Ib相の臨床試験の結果、免疫原性、安全性が確認された。ウガンダ・マケレレ大学のHannah Kibuuka氏らが、同国内健康成人を対象に両ワクチンを単独または同時接種で検討した無作為化二重盲検プラセボ対照試験を行い報告した。今回の所見について著者は、2014年に西アフリカでアウトブレイクしたエボラウイルス性疾患に対する、より効果的なワクチンの開発に寄与するものであると述べている。Lancet誌オンライン版2014年12月23日号掲載の報告より。3回スケジュール接種群とプラセボ群で評価 RV 247試験と命名された本検討は、ザイール/スーダン・エボラウイルス糖蛋白をエンコードしたワクチン(EBOワクチン)と、マールブルグウイルス糖蛋白をエンコードしたワクチン(MARワクチン)の2つのDNAワクチンについて、安全性、免疫原性を評価することが目的であった。試験は、ウガンダのカンパラにある1施設で行われ、18~50歳の健常成人を5対1の割合で、ワクチン接種(0、4、8週の3回)群とプラセボ群に無作為に割り付けて評価した。なおワクチン接種群はさらに、EBOワクチン単独、MARワクチン単独、両ワクチン接種群に均等に割り付けられた。 主要試験目的は、ワクチンの安全性と忍容性の評価で、局所および全身性の反応原性(reactogenicity)と有害事象で評価した。また、免疫原性について、3回接種完了後4週時点でELISA、T細胞反応(ELISpot、細胞内サイトカイン染色分析)を基に評価した。ザイール/スーダン・エボラウイルス糖蛋白への抗体反応、単独接種で50~57% 2009年11月2日~2010年4月15日に、108例が試験に登録され、全員が1回以上、試験ワクチンの接種を受けた。3回接種スケジュールを完了したのは100例であった。 解析には全108例を組み込んだ(EBO単独、MAR単独、両接種は各30例、プラセボ18例)。免疫原性についてはデータが入手できた107例(MAR単独接種群1例で未入手)を対象に評価された。 結果、試験ワクチンの忍容性は良好であり、局所または全身性の反応について、両接種群で有意な差はみられなかった。ワクチンは、接種された糖蛋白に特異的な抗体反応およびT細胞反応を誘発したことが認められた。ワクチンの単独または両接種による差は認められなかった。 ザイール糖蛋白に抗体反応を示したのは、EBOワクチン単独接種群のうち17/30例(57%、95%信頼区間[CI]:37~75%)、両ワクチン接種群では14/30例(47%、同:28~66%)だった。スーダン糖蛋白への抗体反応は、EBOワクチン単独接種群15/30例(50%、31~69%)、両ワクチン接種群15/30例(50%、31~69%)で認められた。 マールブルグ糖蛋白への抗体反応を示したのは、MARワクチン単独接種群は9/29例(31%、15~51%)、両ワクチン接種群7/30例(23%、10~42%)であった。 また、ザイール糖蛋白へのT細胞反応を示したのは、EBOワクチン単独接種群19/30例(63%、44~80%)、両ワクチン接種群は10/30例(33%、17~53%)だった。スーダン糖蛋白へのT細胞反応を示したのは、EBOワクチン単独接種群13/30例(43%、25~63%)、両ワクチン接種群は10/30例(33%、17~53%)だった。 マールブルグ糖蛋白へのT細胞反応を示したのは、MARワクチン単独接種群15/29例(52%、33~71%)、両ワクチン接種群は13/30例(43%、25~63%)だった。

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在宅で診る肺炎診療の実際

■在宅高齢者の肺炎の多くが誤嚥性肺炎在宅高齢者の発熱の原因として最も多いのは肺炎である1)。在宅医療を受けている患者の多くは嚥下障害を起こしやすい、脳血管性障害、中枢性変性疾患、認知症を患っており、寝たきり状態の患者や経管栄養を行っている患者も含まれていて、肺炎のほとんどは誤嚥性肺炎である。日本呼吸器学会は2005年に「成人市中肺炎診療ガイドライン(改訂版)」を、2008年には「成人院内肺炎診療ガイドライン」を作成したが、在宅高齢者の肺炎診療に適するものではなかった。その後、2011年に「医療介護関連肺炎(NHCAP)診療ガイドライン」が作成された。NHCAPの定義と発症機序は表1 2)および表2 2)に示されるように、在宅療養患者が該当しており、その特徴は市中肺炎と院内肺炎の中間に位置し、その本質は高齢者における誤嚥性肺炎を中心とした予後不良肺炎と、高度医療の結果生じた耐性菌性肺炎の混在したもの、としている。本稿では、NHCAPガイドライン(以下「ガイドライン」と略す)に沿って、実際に在宅医療の現場で行っている肺炎診療を紹介していく。表1 NHCAP の定義1.長期療養型病床群もしくは介護施設に入所している(精神病床も含む)2.90日以内に病院を退院した3.介護を必要とする高齢者、身障者4.通院にて継続的に血管内治療(透析、抗菌薬、化学療法、免疫抑制薬などによる治療)を受けている・介護の基準PS3: 限られた自分の身の回りのことしかできない、日中の50%以上をベッドか椅子で過ごす、以上を目安とする表2 NHCAP の主な発症機序1.誤嚥性肺炎2.インフルエンザ後の2次性細菌性肺炎3.透析などの血管内治療による耐性菌性肺炎(MRSA肺炎など)4.免疫抑制薬や抗がん剤による治療中に発症した日和見感染症としての肺炎を受けている■在宅での肺炎診断在宅患者の診察では、平素より経皮的酸素飽和度(SpO2)を測定しておき、発熱時には変化がないかを必ず確認する。高齢者は、咳や痰などの一般的症状に乏しいが、多くの場合で発熱を伴う。しかし、発熱を伴わない場合もあるので注意する。聴診所見では、必ずしも特異的な所見がなく、脱水を伴っている場合はcoarse crackleは聴取しにくくなる。血液検査では、発症直後でも上昇しやすい白血球数を参考にするが、数が正常でも左方移動がみられれば有意と考える。CRPは、発症直後には上昇しにくいので、発症当日のCRP 値で重症度を評価することはできない。必要に応じてX線ポータブル検査を依頼する。■NHCAPにおける原因菌ガイドラインによると原因菌として表3 2)が考えられている。表3 NHCAP における原因菌●耐性菌のリスクがない場合肺炎球菌MSSAグラム陰性腸内細菌(クレブシエラ属、大腸菌など)インフルエンザ菌口腔内レンサ球菌非定型病原体(とくにクラミドフィラ属)●耐性菌のリスクがある場合(上記の菌種に加え、下記の菌を考慮する)緑膿菌MRSAアシネトバクター属ESBL産生腸内細菌ガイドラインでは、在宅療養している高齢者や寝たきりの患者では、喀出痰の採取は困難であり、また口腔内常在菌や気道内定着菌が混入するため、起因菌同定の意義は低く、診断や治療の相対的な判断材料として用い、抗菌薬の選択にはエンピリック治療を優先すべきである、とされている。実際の現場では、喀出痰が採取できる患者は肺炎が疑われた場合、抗菌薬を開始する前にグラム染色と好気性培養検査を依頼し、初期のエンピリック治療に反応が不十分な場合、その結果を参考に抗菌薬の変更を考慮している。■ガイドラインで示された治療区分とはガイドラインでは、市中肺炎診療ガイドラインで示しているような重症度基準(A-DROP分類)では、予後との関連がはっきりしなかったため、治療区分という考え方が導入された。この治療区分(図1)2)に沿って抗菌薬が推奨されている(図2)2)。画像を拡大する画像を拡大する画像を拡大するここでのポイントは、耐性菌のリスクの有無(90日以内の抗菌薬の投与、経管栄養があり、MRSAが分離された既往歴)が、問われていることである。■在宅患者における肺炎の重症度判断PSI(pneumonia severity index)は、患者を年齢、既往歴、身体所見・検査所見の異常など20因子による総得点により、最も正確に肺炎の重症度判定ができる尺度として有名である。そこで筆者の診療所では在宅診療対象患者のみを対象に、血液検査・画像所見の結果がなくても肺炎の重症度を推定できる方法はないかを検討した。身体所見や患者背景から得られた総得点をPSI for home-care based patients(PSI-HC)と名付け、この得点を基に患者を分類したところ、血液検査や画像所見がなくても予後を反映するものであった3)。当院ではそれを基に「発熱フェイスシート」を作成し、重症度の把握と家族への説明に利用している(図3)。なお、図中の死亡率は1年間における97人の肺炎患者をレトロスペクティブにみた値であり、今後さらなる検討が必要な参考値である。画像を拡大する■在宅における肺炎治療の実際実際の現場では、治療区分で入院が必要とされるB群でも、連日の抗菌薬投与ができるようであれば在宅での治療も可能である。先述したように、喀出痰が採取できない症例が多いため、在宅高齢者の肺炎の起因菌についての大規模なデータはないが、グラム陰性菌、嫌気性菌が主な起因菌であるといわれている。グラム陰性菌に抗菌力が強く、ブドウ球菌や肺炎球菌などのグラム陽性菌や一部の嫌気性菌を広くカバーする、ニューセフェムやレスピラトリーキノロンを第1選択としている。●経口投与の場合:レボフロキサシン(商品名:クラビット[LVFX])、モキシフロキサシン(同:アベロックス[MFLX])LVFXは1日1回500mgを標準投与量・法とする。腎排泄型の抗菌薬であり、糸球体濾過量(GFR)に応じて減量する。MFLXは主に肝代謝排泄型の抗菌薬であり、腎機能にかかわらず、1日1回400mgを標準投与量とする。●静脈投与の場合:セフトリアキソン(同:ロセフィン[CTRX])血中半減期が7~8時間と最も長いので1日1回投与でも十分な効果を発揮し、胆汁排泄型であることからGFRの低下を認める高齢者にも安心して使用できる。CTRXは緑膿菌に対して抗菌力がほとんどなく、ブドウ球菌、嫌気性菌などにも強い抗菌力はないといわれており、ガイドライン上でも誤嚥性肺炎には不適と記載されているが、筆者らは誤嚥性肺炎を含む、肺炎初期治療としてほとんどの患者に使用し、十分な効果を認めている。また、過去90日以内に抗菌薬の使用がある場合にも、同様に効果を認めている。3日間投与して解熱傾向を認めないときには、耐性菌や緑膿菌を考慮した抗菌薬に変更する。嫌気性菌をカバーする目的で、クリンダマイシン内服の併用やブドウ球菌や嫌気性菌に、より効果の強いニューキノロン内服を併用することもある。■入院適用はどのような場合か在宅では、病院と比較すると正確な診断は困難である。しかし、全身状態が保たれ、介護する家族など条件に恵まれれば、在宅で治療可能な場合が多い。筆者らは、先述した在宅患者の肺炎の重症度(PSI-HC)を利用して重症度の把握、家族への説明を行ったうえで、患者や家族の意思を尊重し、入院治療にするか在宅治療にするかを決定している。在宅高齢者が入院という環境変化により、肺炎は治癒したけれども、認知機能の悪化やADL低下などを経験している場合も少なくない。過去にそのような体験がある場合には、在宅でできる最大限の治療を行ってほしいと所望されることが多い。ただ、医療的には、高度の低酸素血症、意識低下や血圧低下を伴う重症肺炎や、エンピリック治療で正しく選択された抗菌薬を使い、3日~1週間近く治療を行っても改善傾向が明らかでない場合に入院を検討している。また、介護面では重症度にかかわらず、介護量が増えて家族や介護者が対応できない場合にも入院を考慮している。■肺炎予防と再発対策誤嚥性肺炎の治療および予防として表42)が挙げられる。表4 NHCAP における誤嚥性肺炎の治療方針1)抗菌薬治療(口腔内常在菌、嫌気菌に有効な薬剤を優先する)2)PPV 接種は可能であれば実施(重症化を防ぐためにインフルエンザワクチンの接種が望ましい)3)口腔ケアを行う4)摂食・嚥下リハビリテーションを行う5)嚥下機能を改善させる薬物療法を考慮(ACE阻害薬、シロスタゾール、など)6)意識レベルを高める努力(鎮静薬、睡眠薬の減量、中止、など)7)嚥下困難を生ずる薬剤の減量、中止8)栄養状態の改善を図る(ただし、PEG〔胃ろう〕自体に肺炎予防のエビデンスはない)9)就寝時の体位は頭位(上半身)の軽度挙上が望ましいガイドラインではNHCAPの主な発症機序として誤嚥性肺炎のほか、インフルエンザと関連する2次性細菌性肺炎の重要性が提案されており、わが国でも高齢者施設におけるインフルエンザワクチン、そして肺炎球菌ワクチンの効果がはっきり示されたこともあり、両ワクチンの接種が勧められる4)。日々の生活の中では、口腔ケアや摂食嚥下リハビリテーションは重要であり、歯科医師・歯科衛生士や言語聴覚士との連携で、より質の高いケアを提供することができる。●文献1)Yokobayashi K,et al. BMJ Open. 2014 Jul 9;4(7):e004998.2)日本呼吸器学会 医療・介護関連肺炎(NHCAP)診療ガイドライン作成委員会. 医療・介護関連肺炎診療ガイドライン. 2011.3)Ishibashi F, et al. Geriatr Gerontol Int. 2014 Mar 12 . [Epub ahead of print].4)Maruyama T,et al. BMJ. 2010 Mar 8;340:c1004.●関連リンク日本呼吸器学会 医療・介護関連肺炎(NHCAP)診療ガイドライン

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医師が選んだ2014年の10大ニュース! 1位はやはり、あの騒動 【CareNet.com会員アンケート結果発表】

1位 STAP細胞の発表論文に不正発覚 STAP細胞は、一度分化した細胞に外部刺激を加えることで再び分化能を獲得したという生物界の常識を覆す大発見であった。論文筆頭著者である小保方 晴子氏が若い女性であったこともあり、大きな注目を集めた。 しかし、世界中の研究者が追試をしてもSTAP細胞を作製できなかった。そのような中、論文の共著者である若山 照彦氏(山梨大教授)が、論文と理化学研究所(理研)発表文書の矛盾点や画像の誤りを発表し、論文の撤回を呼び掛けた。その後、理研の調査委員会が本論文に対する不正を認定、7月2日の論文撤回に至った。 その後、理研の検証チームおよび小保方氏独自の検証実験が行われたが、STAP細胞を再現できなかった。これにより、STAP細胞が存在しない可能性がさらに高まった。 2位 エボラウイルスの感染拡大 エボラ出血熱がギニア、シエラレオネ、リベリアなど、西アフリカで蔓延した。スペインやアメリカにおいても、この地域からの帰国者が感染していることが確認された。現在、エボラ出血熱に対する治療薬やワクチンが臨床試験中であり、WHO、国境なき医師団など、世界中から支援の手が差し伸べられている。 出典:国立感染症研究所 3位 消費税が5%から8%に 4月1日、消費税が5%から8%に引き上げられた。消費税引き上げは17年ぶり。当初、政府やエコノミストは、増税当初の経済活動はいったん落ち込むが夏場から回復すると見込んでいた。しかし、回復は遅れ、来年10月に予定されていた10%への引き上げは、17年4月に延期された。 4位 臨床試験の不正が相次ぎ発覚 製薬会社社員の関与、不適切な資金提供、データ捏造など、臨床試験の不正が相次いで明らかとなった。ディオバン問題では逮捕者も出て、日本発臨床研究の信頼が大きく揺らいだ。 5位 ノーベル物理学賞を日本人が受賞 ノーベル物理学賞を赤崎 勇(名城大教授)、天野 浩(名古屋大教授)、中村 修二(カリフォルニア大サンタバーバラ校教授)の3氏が受賞した。授賞理由は、実用的青色発光ダイオード(LED)の開発。日本人のノーベル賞受賞は、22人となった。 6位 デング熱が日本で流行 7位 御嶽山が噴火 8位 ソチ五輪開幕 羽生選手が金メダル 9位 テニスの錦織選手が全米オープンで決勝進出 10位 朝日新聞が吉田調書と慰安婦問題で謝罪 #feature2014 dt{width:50px;}

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【医療ニュース トップ100】2014年、最も読まれた「押さえておくべき」医学論文は?

今年も、4大医学誌の論文を日本語で紹介する『ジャーナル四天王』をはじめ、1,000本以上の論文をニュース形式で紹介してきました。その中で、会員の先生方の関心の高かった論文は何だったのでしょう? ここでは、アクセス数の多いものから100本を紹介します。 1位 日本男性の勃起硬度はアレと関連していた (2014/11/13) 2位 日本人若年性認知症で最も多い原因疾患は:筑波大学 (2014/1/7) 3位 子供はよく遊ばせておいたほうがよい (2014/3/28) 4位 思春期の精神障害、多くは20代前半で消失/Lancet (2014/1/27) 5位 なぜコーヒーでがんリスクが低下? (2014/7/31) 6位 メロンでかゆくなる主要アレルゲンを確認 (2014/4/15) 7位 新たな輸液プロトコル、造影剤誘発急性腎障害の予防に有効/Lancet (2014/6/9) 8位 体幹を鍛える腹部ブレーシング、腰痛に効果 (2014/5/7) 9位 コーヒーを多く飲む人は顔のシミが少ない (2014/8/7) 10位 スタチンと糖尿病リスク増大の関連判明/Lancet (2014/10/9) 11位 スルピリドをいま一度評価する (2014/5/16) 12位 米国の高血圧ガイドライン(JNC8)のインパクト/JAMA (2014/4/16) 13位 インフルエンザワクチン接種、無針注射器の時代に?/Lancet (2014/6/16) 14位 新規経口抗凝固薬4種vs.ワルファリン-心房細動患者のメタ解析-/Lancet (2013/12/25) 15位 アルコール依存症、薬物治療の減酒効果は?/JAMA (2014/5/29) 16位 SGLT2阻害薬「トホグリフロジン」の日本人への効果 (2014/2/28) 17位 大人のリンゴ病 4つの主要パターン (2014/7/29) 18位 脳動脈瘤、コイルvs. クリッピング、10年転帰/Lancet (2014/11/12) 19位 ACE阻害薬を超える心不全治療薬/NEJM (2014/9/8) 20位 アルツハイマーに有用な生薬はコレ (2014/11/14) 21位 塩分摂取と死亡リスクの関係はJカーブ/NEJM (2014/8/25) 22位 スタチン投与対象者はガイドラインごとに大きく異なる/JAMA (2014/4/14) 23位 食後血糖によい食事パターンは?(低脂肪vs低炭水化物vs地中海式) (2014/3/27) 24位 成人ADHDをどう見極める (2014/5/21) 25位 各種ダイエット法の減量効果/JAMA (2014/9/16) 26位 牛乳1日3杯以上で全死亡リスクが2倍/BMJ (2014/11/13) 27位 腰痛持ち女性、望ましい性交体位は? (2014/11/21) 28位 ロマンチックな恋愛は幸せか (2014/3/26) 29位 無糖コーヒーがうつ病リスク低下に寄与 (2014/5/8) 30位 下肢静脈瘤、ベストな治療法は?/NEJM (2014/10/10) 31位 せん妄管理における各抗精神病薬の違いは (2014/9/18) 32位 降圧薬投与量の自己調整の有用性/JAMA (2014/9/11) 33位 深部静脈血栓症の除外診断で注意すべきこと/BMJ (2014/3/20) 34位 StageII/III大腸がんでのD3郭清切除術「腹腔鏡下」vs「開腹」:ランダム化比較試験での短期成績(JCOG 0404) (2014/2/26) 35位 たった1つの質問で慢性腰痛患者のうつを評価できる (2014/2/21) 36位 スタチン時代にHDL上昇薬は必要か/BMJ (2014/8/7) 37位 就寝時、部屋は暗くしたほうがよいのか:奈良医大 (2014/8/29) 38位 認知症のBPSD改善に耳ツボ指圧が効果的 (2014/10/28) 39位 統合失調症患者の突然死、その主な原因は (2014/4/18) 40位 うつ病と殺虫剤、その関連が明らかに (2014/7/9) 41位 帯状疱疹のリスク増大要因が判明、若年ほど要注意/BMJ (2014/5/26) 42位 慢性のかゆみ、治療改善に有用な因子とは? (2014/7/1) 43位 女性の顔の肝斑、なぜ起きる? (2014/5/8) 44位 DES1年後のDAPT:継続か?中断か?/Lancet (2014/7/30) 45位 駆出率が保持された心不全での抗アルドステロン薬の効果は?/NEJM (2014/4/23) 46位 レビー小体型認知症、パーキンソン診断に有用な方法は (2014/10/30) 47位 アトピー性皮膚炎患者が避けるべきスキンケア用品 (2014/2/6) 48位 タバコの煙を吸い込む喫煙者の肺がんリスクは3.3倍:わが国の大規模症例対照研究 (2014/6/18) 49位 世界中で急拡大 「デング熱」の最新知見 (2014/10/17) 50位 円形脱毛症とビタミンDに深い関連あり (2014/4/10) 51位 不眠の薬物療法を減らすには (2014/7/23) 52位 オメプラゾールのメラニン阻害効果を確認 (2014/11/6) 53位 タバコ規制から50年で平均寿命が20年延長/JAMA (2014/1/16) 54位 ICUでの栄養療法、静脈と経腸は同等/NEJM (2014/10/15) 55位 認知症のBPSDに対する抗精神病薬のメリット、デメリット (2014/3/17) 56位 COPDにマクロライド系抗菌薬の長期療法は有効か (2014/1/13) 57位 座りきりの生活は心にどのような影響を及ぼすか (2014/5/12) 58位 PSA検診は有用か:13年後の比較/Lancet (2014/8/22) 59位 気道感染症への抗菌薬治療 待機的処方 vs 即時処方/BMJ (2014/3/17) 60位 血圧と12の心血管疾患の関連が明らかに~最新の研究より/Lancet (2014/6/19) 61位 マンモグラフィ検診は乳がん死を抑制しない/BMJ (2014/2/21) 62位 機能性便秘へのプロバイオティクスの効果 (2014/8/14) 63位 超高齢の大腸がん患者に手術は有用か:国内での検討 (2014/2/14) 64位 糖尿病予防には歩くよりヨガ (2014/8/4) 65位 乳がん術後リンパ節転移への放射線療法、効果が明確に/Lancet (2014/3/31) 66位 75歳以上でのマンモグラフィ検診は有効か (2014/8/11) 67位 大腸がん術後の定期検査、全死亡率を減少させず/JAMA (2014/1/23) 68位 「歩行とバランスの乱れ」はアルツハイマーのサインかも (2014/5/13) 69位 食事由来の脂肪酸の摂取状況、国によって大きなばらつき/BMJ (2014/4/28) 70位 心房細動合併の心不全、β遮断薬で予後改善せず/Lancet (2014/9/19) 71位 薬剤溶出ステントの直接比較、1年と5年では異なる結果に/Lancet (2014/3/24) 72位 ピロリ除菌、糖尿病だと失敗リスク2倍超 (2014/8/21) 73位 認知症にスタチンは有用か (2014/7/25) 74位 RA系阻害薬服用高齢者、ST合剤併用で突然死リスク1.38倍/BMJ (2014/11/20) 75位 腰痛へのアセトアミノフェンの効果に疑問/Lancet (2014/8/6) 76位 食べる速さはメタボと関連~日本の横断的研究 (2014/9/12) 77位 うつになったら、休むべきか働き続けるべきか (2014/9/16) 78位 英プライマリケアの抗菌治療失敗が増加/BMJ (2014/10/1) 79位 総胆管結石疑い 術前精査は必要?/JAMA (2014/7/21) 80位 歩くスピードが遅くなると認知症のサイン (2014/10/8) 81位 前立腺がん、全摘vs.放射線療法/BMJ (2014/3/10) 82位 緑茶が認知機能低下リスクを減少~日本の前向き研究 (2014/6/3) 83位 高力価スタチンが糖尿病発症リスクを増大させる/BMJ (2014/6/16) 84位 乳がんの病理学的完全奏効は代替エンドポイントとして不適/Lancet (2014/2/27) 85位 Na摂取増による血圧上昇、高血圧・高齢者で大/NEJM (2014/8/28) 86位 抗グルタミン酸受容体抗体が神経疾患に重大関与か (2014/8/15) 87位 歩数を2,000歩/日増加させれば心血管リスク8%低下/Lancet (2014/1/8) 88位 肩こりは頚椎X線で“みえる”のか (2014/3/19) 89位 地中海式ダイエットと糖尿病予防 (2014/4/7) 90位 閉塞性睡眠時無呼吸、CPAP vs. 夜間酸素補給/NEJM (2014/6/26) 91位 揚げ物は肥満遺伝子を活性化する?/BMJ (2014/4/3) 92位 6.5時間未満の睡眠で糖尿病リスク上昇 (2014/9/4) 93位 セロトニン症候群の発現メカニズムが判明 (2014/3/14) 94位 日本発!牛乳・乳製品を多く摂るほど認知症リスクが低下:久山町研究 (2014/6/20) 95位 肥満→腰痛のメカニズムの一部が明らかに (2014/8/8) 96位 低炭水化物食 vs 低脂肪食 (2014/8/7) 97位 認知症患者の調子のよい日/ 悪い日、決め手となるのは (2014/3/21) 98位 統合失調症患者は、なぜ過度に喫煙するのか (2014/7/2) 99位 血糖降下強化療法の評価―ACCORD試験続報/Lancet (2014/8/20) 100位 小児BCG接種、結核感染を2割予防/BMJ (2014/8/21) #feature2014 .dl_yy dt{width: 50px;} #feature2014 dl div{width: 600px;}

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妊婦への3種混合ワクチン、早産リスクと関連せず/JAMA

 妊娠中に破傷風・弱毒化ジフテリア・無菌体百日咳3種混合ワクチン(Tdap)を接種しても、早産や在胎週数不当軽量児(SGA)、妊娠高血圧症の発生リスクは増大しないことが明らかにされた。一方で、絨毛羊膜炎リスクが、接種群で2割弱の増大が認められたという。米国・HealthPartners Institute for Education and ResearchのElyse O. Kharbanda氏らが、単胎生児を出産した12万超の女性について行った検討で明らかにした。米国では2011年、米国疾病管理予防センター(CDC)の予防接種の実施に関する諮問委員会(Advisory Committee on Immunization Practices)が、Tdap未接種の妊婦に対し、妊娠20週以降の同接種を勧告している。JAMA誌2014年11月12日号掲載の報告より。単胎生児出産した試験対象のうちTdap接種をした21%について分析 検討は、後ろ向き観察研究にて行われ、単胎児を妊娠し、2010年1月1日~2012年11月15日の間に生児出産した女性12万3,494人を対象とした。カリフォルニア州の2つのワクチン接種に関するデータベースを基に、妊娠中のTdap接種と、妊娠中または出生後の有害アウトカムとの関連を分析した。 対象者のうち、Tdap接種を受けたのは2万6,229人(21%)、受けなかったのは9万7,265人だった。早産発生率は6~8%、SGAは8%と両群で同等 結果、妊娠中のTdap接種は有害な出生アウトカムとの関連は認められなかった。早産発生率は接種群で6.3%に対し非接種群では7.8%(補正後相対リスク:1.03、95%信頼区間:0.97~1.09)、SGA(在胎週数相当の10パーセンタイル未満)の発生率はそれぞれ8.4%と8.3%だった(同:1.00、同:0.96~1.06)。 妊娠20週までのTdap接種でも、妊娠高血圧症の発症リスクを増大しなかった(同:1.09、同:0.99~1.20)。一方で、絨毛羊膜炎については、接種群が6.1%に対し非接種群が5.5%と、接種群で2割弱の増大が認められた(同:1.19、同:1.13~1.26)。

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