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脳梗塞リスク有するAF患者への経皮的植込み型頸動脈フィルターの有用性は?【Dr.河田pick up】

 脳梗塞リスクが高いものの、経口抗凝固薬が適さない心房細動(AF)患者に対しては、異なった脳梗塞予防の戦略が必要となる。両側の頸動脈に直接植込むことができる、新規のコイル型永久フィルターは、径が1.4mm以上の塞栓を捕捉するようにデザインされている。 この論文は、Icahn School of Medicine at Mount Sinai(米、ニューヨーク)のVivek Reddy氏とHomolka Hospital(チェコ、プラハ)のPetr Neuzil氏がJACC誌オンライン版5月3日号に発表したものである。米国では新規のデバイスに対するFDAの審査が厳しく、治験に時間がかかる。そのため、不整脈分野においては最近、Reddy氏が新しいデバイスの試験をチェコで行うことが多く、このデバイスについても同様に、チェコをはじめとする欧州で治験が行われている。初のヒト臨床試験における頸動脈フィルター植込み これは多施設非無作為化試験で、頸動脈フィルターに関する初めてのヒト臨床試験である。両側の頸動脈にフィルターを安全に植込み、使用できるかを評価することを目的に実施された。対象は、心房細動を有し、CHA2DS2-VAScスコアが2以上、経口抗凝固薬が内服できず、総頸動脈サイズが4.8~9.8mm、30%を超える動脈狭窄が存在しない患者。超音波ガイド下で直接経皮的に頸動脈の穿刺を24ゲージの針で行うと、電動式のユニットがフィルターを押し出して頸動脈で広がるようになっている。患者は、アスピリンとクロピドグレルを3ヵ月内服し、その後はアスピリンを継続した。主要評価項目は、(1)手技の成功(両側の頸動脈に適切にフィルターが留置されること)、(2)30日間の主要有害事象、死亡、脳梗塞、出血、フィルターの移動、頸動脈の血栓や狭窄の発生の有無。頸動脈エコーは、手技後、退院前、1週間後、1、3、6、12ヵ月後に実施された。脳梗塞の発症なし、4例で血栓捕捉 試験には、4施設から25例が参加した。平均年齢は71±9歳、CHA2DS2-VASc スコアは4.4±1.0、参加者の48%に塞栓の既往があった。手技の成功率は92%(25例中23例)で、1例は片側の留置のみに終わった。デバイスや手技に関連した重大事象は認められなかった。穿刺部位における軽度の血腫が5例(20%)に認められた。平均6ヵ月のフォローアップ後、脳塞栓の発症は認められなかった。4例で、フィルターでの血栓捕捉が認められたが、それに伴う症状は認められなかった。全例において、ヘパリンの皮下投与により塞栓は溶解した。1例で、2度の非総頚動脈領域における軽度の脳梗塞が認められた。 筆者らは、脳梗塞予防のための植込み型頸動脈フィルターは、技術的に可能で、安全に実施できると結論付けている。■関連記事発作性心房細動に対する第2世代クライオバルーンの長期成績【Dr.河田pick up】心房細動患者への抗凝固薬とNSAID併用で大出血リスク上昇【Dr.河田pick up】スマートウオッチによる自動心房細動検知の精度は?【Dr.河田pick up】心房細動、サイナスになっても 脳梗塞リスク 高いまま/BMJ

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CABG施行中の揮発性麻酔薬、臨床転帰を改善するか/NEJM

 待機的冠動脈バイパス移植術(CABG)中の麻酔では、揮発性麻酔薬による吸入麻酔は、静脈麻酔薬のみを用いる全静脈麻酔と比較して、1年時の死亡を抑制しないことが、イタリア・IRCCS San Raffaele Scentific InstituteのGiovanni Landoni氏らが実施したMYRIAD試験で示された。研究の詳細は、NEJM誌2019年3月28日号に掲載された。CABG施行中の麻酔は、一般に全静脈麻酔または揮発性麻酔薬による吸入麻酔と静脈麻酔薬の併用で導入される。揮発性麻酔薬は心保護作用を有し、CABG施行患者の臨床転帰を改善する可能性が示唆されている。13ヵ国5,400例の単盲検無作為化試験 MYRIAD試験は、13ヵ国36施設が参加したプラグマティックな多施設共同単盲検無作為化試験であり、2014年4月~2017年9月に患者登録が行われた(イタリア保健省の助成による)。 待機的CABGを予定されている5,400例が、揮発性麻酔薬を含む術中麻酔レジメンを受ける群(2,709例、平均年齢62.2歳、女性19.2%)または全静脈麻酔を受ける群(2,691例、62.3歳、18.5%)に無作為に割り付けられた。 揮発性麻酔薬は、セボフルラン(83.2%)が最も多く使用され、次いでデスフルラン(9.2%)、イソフルラン(5.8%)の順であった。全静脈麻酔では、プロポフォール(87.7%)とミダゾラム(32.2%)の使用頻度が高かった。全体の64%でon-pump CABGが施行され、人工心肺を用いた平均時間は79分だった。術後1年時の全死因死亡:2.8% vs.3.0%、中間解析で無効中止を勧告 本研究は、2回目の中間解析時に、データ安全性監視委員会により、無効中止が勧告された。 主要評価項目である術後1年時の全死因死亡(5,353例[99.1%]のデータを使用)には有意差を認めなかった(揮発性麻酔薬群2.8% vs.全静脈麻酔群3.0%、相対リスク[RR]:0.94、95%信頼区間[CI]:0.69~1.29、p=0.71)。 また、術後30日時の全死因死亡(5,398例[99.9%]のデータを使用)にも有意な差はみられなかった(1.4% vs.1.3%、RR:1.11、95%CI:0.70~1.76)。ほかの副次評価項目(1年および30日時の心臓死、30日時の非致死性心筋梗塞と死亡の複合、フォローアップ期間中の再入院、集中治療室入室期間、入院期間)にも、有意な差はなかった。 プロポフォール注入症候群および悪性高熱症の報告はなかった。導入時のアレルギー反応が9例(揮発性麻酔薬群4例、全静脈麻酔群5例)で発現し、重度のプロタミン反応が5例(4例、1例)にみられた。術中に3例が心原性ショックで死亡した。心筋梗塞を含め、ほかの事前に規定された有害事象の頻度は、両群で差はなかった。 著者は、これらの結果に影響を及ぼした可能性のある要因の1つとして、多くの既報の試験とは異なり、off-pump CABGを受けた患者が約3分の1含まれた点を挙げている。

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日本人うつ病に対するω3脂肪酸と心理学的介入

 勤労者における軽度~中等度のうつ病に対し、心理教育とω3多価不飽和脂肪酸(PUFA)の併用療法が有用であるかについて、長崎大学の田山 淳氏らが検討を行った。Journal of Affective Disorders誌2019年2月15日号の報告。 二重盲検並行群間ランダム化比較試験として実施した。対象患者は、ω3脂肪酸を投与する介入群またはプラセボを投与する対照群に割り付けられた。介入群には、15×300mgカプセル/日を12週間投与した。ω3PUFAの1日の総投与量は、ドコサヘキサエン酸(DHA)500mg、エイコサペンタエン酸(EPA)1,000mgであった。治療後のうつ病重症度評価には、ベック抑うつ質問票(BDI-II)を用いた。 主な結果は以下のとおり。・治療12週間後のBDI-IIスコアは、介入群(t=-7.3、p<0.01)および対照群(t=-4.6、p<0.01)のいずれにおいてもベースラインと比較し有意に低かった。・しかし、両群間の有意な差は認められなかった(0.7、95%CI:-0.7~2.1、p=0.30)。・本研究の限界として、血中ω3脂肪酸濃度が測定されておらず、脱落率も高かった。また、他の地域で一般化できない可能性があった。 著者らは「軽度~中等度のうつ病に対する心理教育とω3脂肪酸の併用療法は、症状改善に寄与するものの、心理教育単独療法と比較し、うつ症状の改善に違いが認められなかった」としている。■関連記事EPA、DHA、ビタミンDは脳にどのような影響を及ぼすかうつ病にEPAやDHAは有用なのかうつ病補助療法に有効なのは?「EPA vs DHA」

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統合失調症患者のメタボリックシンドロームに対するオメガ3脂肪酸の影響

 統合失調症患者は、ライフスタイルや抗精神病薬の影響によりメタボリックシンドローム(MetS)を発症するリスクが高いと言われている。中国・上海交通大学のFeikang Xu氏らによるこれまでの研究では、MetSを合併した統合失調症患者では、腫瘍壊死因子α(TNF-α)の発現や産生が増加することが示唆されていた。今回著者らは、TNF-αの抑制には、ω3脂肪酸が関連していると言われていることから、MetSを合併した統合失調症患者において、ω3脂肪酸が炎症を緩和し、代謝異常を改善することに役立つかどうかについて検討を行った。Psychopharmacology誌オンライン版2018年12月5日号の報告。 本研究では、統合失調症患者のMetsに対するω3脂肪酸の効果を調査するため、無作為化プラセボ対照試験を実施した。対象は、長期オランザピン治療を行ったMetSを合併した統合失調症患者80例。対象患者は、ω3群(40例)またはプラセボ群(40例)にランダムに割り付けられた。 主な結果は以下のとおり。・MetSを合併した統合失調症患者では、対照群よりもTNF-αレベルが有意に高かった(Z=-4.37、p<0.01)。・本研究完了時、ω3脂肪酸治療とトリグリセライド(TG)レベル減少との間に有意な相関が認められた(F群×時間=13.42、df=1,66、p<0.01)。・ω3脂肪酸治療は、12週間後に、代謝改善とともにTNF-αレベルを減少させた(F群×時間=6.71、df=1,66、p=0.012)。・TNF-αレベルの減少とTG減少には有意な相関が認められた(r=0.38、p=0.001)。 著者らは「MetSを合併した統合失調症患者に対するω3脂肪酸治療は、炎症レベルの低下とともに、TG代謝に有用であることが示唆された」としている。■関連記事統合失調症とω3脂肪酸:和歌山県立医大初回エピソード統合失調症の灰白質に対するω-3脂肪酸の影響EPA、DHA、ビタミンDは脳にどのような影響を及ぼすか

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第13回 魚アレルギー患者はEPA/DHA製剤や魚油サプリを服用できる?【論文で探る服薬指導のエビデンス】

 薬局で勤務していると、魚アレルギーを自認している患者さんに出会う機会があるかと思います。自認と書いたのは、魚アレルギーといっても、実際はアニサキスアレルギーや鮮度の落ちた魚中のヒスタミンによるアレルギー様食中毒である場合もあり、新鮮な魚を食べても起こる本当の魚アレルギーと区別が必要なこともあるためです。このため、自称・魚アレルギーの患者さんからEPA/DHA製剤や魚油サプリメントを摂取してよいかというご質問にはやや答えづらいと思っています。反射的にダメと言ってしまうこともありそうですが、本当に魚アレルギーとEPA/DHA製剤やサプリメントは関連があるのでしょうか。この辺りのエビデンスは豊富ではないようで、思ったようには見つかりませんでしたが、現状調べてみた情報を紹介しますので、参考にしていただければ幸いです。まず、EPA/DHA製剤であるイコサペント酸エチル(商品名:エパデール)とオメガ-3脂肪酸エチル(同:ロトリガ)の添付文書を参照すると、前者には魚アレルギー患者に投与禁忌との記載はなく、後者では「本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者は禁忌」という記載のみで、魚アレルギーとの関連について明示的な記載はありません。魚アレルギーの原因物質は皮に含まれる魚ゼラチンというタンパク質であるとの研究を紹介します1)。この研究では、魚アレルギーを有する小児の魚ゼラチン(1型コラーゲン)に対するIgE抗体の分析を行うため、血清サンプルを以下の3グループから採取しています。1.魚アレルギーを有し、魚肉に特異的IgEを有する10例2.魚肉とウシゼラチンの両方に対するアレルギーおよび特異的IgEを有する2例 3.アトピー性皮膚炎で魚肉に特異的IgEを有する15例 これらのグループの魚ゼラチンに対するIgE抗体をELISAおよびイムノブロッティングを用いて分析したところ、1の群では10例中3例、2の群では全例、3の群では15例中5例が魚ゼラチンに対する特異的IgEを有していました。このことから、魚ゼラチンは魚に過敏な患者さんのアレルゲンである可能性があるという結果が示唆されています。ただし、高純度の医薬品であれば、理論上魚ゼラチンなどの不純物は入らないはずですので、EPA/DHA製剤を服用したところでアレルゲンとなることは考えにくいのではないかと推察できます。明確な関連は不明だが、アレルギー症状が生じた事例も存在サプリメントの場合でも、魚アレルギーを持つ患者6例が、2種類の魚油サプリメントを1時間ごとに経口摂取して皮膚アレルギーテストを行ったところ、いずれも陰性だったという試験もあり2)、かなり関連性は薄いと考えられます。なお、総合医薬品データベースのLexicompにおけるOmega-3-acid ethyl esters(fish oil) の項目では、「Fish allergy: Use with caution in patients with known allergy or sensitivity to fish and/or shellfish.」と記載があり、注意レベルにとどまっています。ただし明確な根拠を示しているコメントではなさそうです。一方で、魚介類アレルギーがある女性の症例報告で、魚油カプセル服用開始4日後に息切れ、胸部圧迫感など重度のアレルギー症状を呈し、中止後5日以内に鎮静化したというケースも報告されています3)。一定の注意を払ってもよさそうですが、明確に関連を語れるほどの根拠とまでは言えず、即時型アレルギーを誘発していない方の服用をストップするほどではないかもしれません。これから服用を開始したいと考える方に関しては、冒頭で述べたように本当は魚アレルギーではない可能性もあるため、アレルギー検査をすすめたり、体内でEPA/DHAに変換されるαリノレン酸を多く含むえごま油やあまに油を提案したりするのもよいかもしれません。1)Sakaguchi M, et al. J Allergy Clin Immunol. 2000;106:579-584.2)Mark BJ, et al. Allergy Asthma Proc. 2008;29:528-529.3)Howard-Thompson A, et al. Int J Clin Pharm. 2014;36:1126-1129.

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TG低下療法によるCVイベント抑制作用が示される:REDUCE-IT/AHA

 スタチン服用下でトリグリセライド(TG)高値を呈する例への介入は、今日に至るまで、明確な心血管系(CV)イベント抑制作用を示せていない。そのような状況を一変させうるランダム化試験がREDUCE-IT試験である。その結果が、米国・シカゴで開催された米国心臓協会(AHA)学術集会の11月10日のLate Breaking Clinical Trialsセッションで報告された。精製イコサペンタエン酸エチル(EPA-E)を用いた服用で、プラセボに比べ、CVイベントリスクは、相対的に25%の有意減少を認めた。スタチン服用下で高TGを呈するCV高リスク例が対象 REDUCE-IT試験の対象は、スタチン服用下でTG「150~499mg/dL」の、1)CV疾患既往例(2次予防:5,785例)、2)CVリスクを有する糖尿病例(高リスク1次予防:2,394例)である。LDLコレステロール(LDL-C)「≦40mg/dL」と「>100mg/dL」例、魚類に対する過敏症例などは除外されている。 平均年齢は64歳、30%弱が女性だった。試験開始時のTG値の平均は216mg/dL、全体の60%が「TG≧200mg/dL」だった。 これら8,179例はEPA-E群とプラセボ群にランダム化され、二重盲検法で4.9年間(中央値)追跡された。EPA-EでTGは低下、HDL-Cは増加せず まず脂質代謝の変化を見ると、試験開始1年後、EPA-E群のTG値は175mg/dLへ有意に低下し(p<0.001)、プラセボ群では逆に221mg/dLへ上昇していた(p<0.001)。またHDLコレステロール(HDL-C)は、EPA-E群で39mg/dLへの有意低下と、プラセボ群における42mg/dLへの有意上昇を認めた(いずれもp<0.001)。CVイベント4.9年間NNTは21例 その結果、プライマリーエンドポイントである「CV死亡・心筋梗塞・脳卒中・冠血行再建術・不安定狭心症」の発生率は、EPA-E群で17.2%、プラセボ群で22.0%となり、EPA-E群における有意なリスク低下が認められた(ハザード比[HR]:0.75、95%信頼区間[CI]:0.68~0.83)。21例でプラセボをEPA-Eに切り替えれば、4.9年間(中央値)に1例でプライマリーエンドポイントを回避できる計算になる。 EPA-E群におけるプライマリーエンドポイント抑制作用は、「2次予防と1次予防」や治療前TG値「200mg/dLの上下」「150mg/dLの上下」、「糖尿病合併の有無」など、さまざまなサブグループで検討しても一貫していた。 有害事象は、EPA-E群で「末梢浮腫」が有意に多く(6.5% vs.5.0%、p=0.002)、同様に「便秘」(5.4% vs.3.6%、p<0.001)、「心房細動」(5.3% vs.3.9%、p=0.003)の発現も、EPA-E群で有意に多かった。一方、「下痢」(9.0% vs.11.1%、p=0.002)と「貧血」(4.7% vs.5.8%、p=0.03)の発現は、EPA-E群で有意に少なかった。 その結果、試験薬服用中止に至った有害事象発現率は、EPA-E群(7.9%)とプラセボ群(8.2%)の間に有意差を認めなかった(p=0.60)。重篤な出血も、EPA-E群2.7%、プラセボ群2.1%で、有意差はなかった(p=0.06)。 本試験はAmarin Pharmaの資金提供を受けて実施された。また発表と同時に、NEJM誌オンライン版で公開された。(医学レポーター/J-CLEAR会員 宇津 貴史(Takashi Utsu))「速報!AHA2018」ページはこちら【J-CLEAR(臨床研究適正評価教育機構)とは】J-CLEAR(臨床研究適正評価教育機構)は、臨床研究を適正に評価するために、必要な啓発・教育活動を行い、わが国の臨床研究の健全な発展に寄与することを目指しています。

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薬剤耐性てんかん患者に対するEPA、DHAの無作為化二重盲検比較試験

 オメガ3脂肪酸(EPA、DHA)は、神経機能の維持および調整に重要な役割を果たしていると知られており、抗けいれん効果を有するとのエビデンスがある。スーダン・ハルツーム大学のFatma A. S. Ibrahim氏らは、薬物治療抵抗性てんかん患者の発作率に対するEPA、DHAの効果について検討を行った。Epilepsy & Behavior誌オンライン版2018年8月28日号の報告。 薬物治療抵抗性てんかん患者99例(5~16歳:85例、17~45歳:14例)を対象に、二重盲検ランダム化プラセボ対照臨床研究を実施した。対象患者は、DHA群33例(DHA 417.8mg+EPA 50.8mgカプセル)、EPA群33例(EPA 385.6mg+DHA 81.2mgカプセル)、プラセボ群33例(高オレイン酸ヒマワリ油)にランダムに割り付けられ、それぞれ1年間治療を継続した。主要評価項目は、発作率に対する治療効果とした。患者の1ヵ月当たりの発作回数をモデル化するため、ランダム効果負の二項分布回帰モデルを用いた。共変量(性別、年齢、研究参加時の1週間当たりの発作率、発作のタイプ、研究参加時に併用していた抗てんかん薬の数)で調整した後、発作発生率比に対する治療効果を検討した。 主な結果は以下のとおり。・試験を完了した患者は、59例(59.6%)であった。・1ヵ月当たりの平均発作回数は、EPA群で9.7±1.2回、DHA群で11.7±1.5回、プラセボ群で16.6±1.5回であった。・年齢、性別、発作のタイプで調整後の発作発生率比は、プラセボ群と比較し、EPA群で0.61(95%CI:0.42~0.88、p=0.008、42%減少)、DHA群で0.67(95%CI:0.46~1.0、p=0.04、39%減少)であった。・EPA群とDHA群の間で、発作発生率比に差は認められなかった(p=0.56)。・EPA群、DHA群ともに、プラセボ群と比較し、発作のない日数が有意に多かった(p<0.05)。 著者らは「EPAおよびDHAは、薬物治療抵抗性てんかん患者の発作頻度の減少に有効であることが示唆された」としている。■関連記事低用量EPA+DHA、てんかん発作を抑制治療抵抗性焦点性てんかんに対する第3世代抗てんかん薬補助療法の間接比較難治性てんかん重積状態への有用な対処法

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EBMの威力を痛感させたGLOBAL LEADERS試験(解説:後藤信哉氏)-914

 ステント留置後の血栓性閉塞にはアスピリン・チクロピジン併用療法が画期的効果を示した。その後、多くの抗血小板薬が冠動脈インターベンション、急性冠症候群を対象として開発された。血栓イベントを恐れるあまり、欧米では大容量の抗血小板薬が使用され、出血イベントが増えた。その結果、抗血小板薬の早期中止を求めて「必要期間短縮」を目指すランダム化比較試験が計画された。本研究でも12ヵ月のアスピリン・P2Y12受容体阻害薬(クロピドグレルまたはチカグレロル)を標準治療として、アスピリン・チカグレロル1ヵ月使用後、チカグレロル単剤にするプロトコールと比較された。実臨床に近い試験としてエンドポイントは冠動脈の閉塞を反映するQ波性心筋梗塞と総死亡とされた。 世界の実臨床を反映する試験として、試験結果以上にベースラインの各項目が興味深い。登録された症例の半数弱は急性冠症候群であった。70%以上の症例は橈骨動脈アプローチが選択されている。インターベンション施行前から75%程度の症例ではTIMI 3の血流があり、インターベンション後に99%以上になった。カテーテルの術者にとってステント血栓症、Q波性心筋梗塞に興味が集中しがちだが、これらのイベントは総死亡の半数以下であった。総死亡の詳細は示されていない。心血管死亡でなく総死亡であることに注目する必要がある。急性冠症候群、冠動脈インターベンション後の症例は血栓イベントリスクが高いとして抗血小板薬の開発標的となっていた。今回のGLOBAL LEADERS試験は半数に急性冠症候群を選択しても、冠動脈インターベンション後の症例の予後は現在の標準治療にて十分に良好であることを示した。多数の薬剤を開発し、多数のランダム化比較試験を施行した結果、疾病の予後がシステム的に改善された好例である。まさに仮説検証を繰り返し、標準治療をシステム的に改善させたEBMの威力を実感させた試験であった。

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心房細動患者への抗凝固薬とNSAID併用で大出血リスク上昇【Dr.河田pick up】

 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は頻繁に使用される薬剤である一方、出血と血栓症のリスクを高める可能性がある。心房細動患者におけるNSAIDsの影響を定量化して求めることを目的として、Yale大学のAnthony P. Kent氏らが行ったRE-LY(Randomized Evaluation of Long Term Anticoagulant Therapy)試験のPost-Hoc解析結果が報告された。Journal of American College of Cardiology誌2018年7月17日号に掲載。RE-LY試験のpost-Hoc解析 RE-LY試験は、1万8,113例の心房細動患者を対象としてダビガトラン(110mgまたは150mgを1日2回)とワルファリンの有効性・安全性を比較した前向き試験で、2009年にNew England Journal of Medicine誌に報告された。 今回のPost-Hoc解析では、治療と独立した多変量Cox回帰解析を用いて、NSAIDsを使用した患者とそうでない患者の臨床成績を比較。相互作用解析は治療に応じたCox回帰分析を用いて求められた。NSAIDsの使用に関しては、時間依存共変量解析がCoxモデルを求めるのに使用された。大出血のエピソードはNSAIDsの使用で有意に上昇 RE-LY試験に組み入れられた1万8,113例の心房細動患者のうち、2,279例がNSAIDsを少なくとも一度、試験期間中に使用した。大出血の頻度はNSAIDs使用例で有意に高かった(ハザード比[HR]:1.68、95%信頼区間[CI]:1.40~2.02、p<0.0001)。 NSAIDsは糸球体濾過量(GFR)を減少させることが知られていて、ダビガトランは80%が腎臓からろ過されるが、NSAIDsの使用はダビガトラン110mg群、150 mg群いずれにおいても、ワルファリン群と比較して大出血のリスクに変化を与えなかった(相互作用のp=ダビガトラン110mg群:0.93、ダビガトラン150 mg群:0.63)。消化管出血はNSAIDs使用例で有意に高かった(HR:1.81、95% CI:1.35~2.43、p <0.0001)。脳梗塞および全身の血栓症もNSAIDs使用例で有意に高かった (HR:1.50、95% CI:1.12~2.01、p=0.007)。NSAIDsの使用による影響、ダビガトランとワルファリンで違いみられず NSAIDs使用例での脳梗塞、全身の血栓症に対する影響は、ダビガトラン110 mg群または150 mg群いずれでもワルファリン群との比較において違いはなかった。(相互作用のp=ダビガトラン110mg群:0.54、ダビガトラン150 mg群:0.59)。心筋梗塞の発生率や全死亡率はNSAIDs使用の有無で違いは認められなかった(HR:1.22、95% CI:0.77~1.93、p=0.40)が、NSAIDs使用例では入院率が高かった(HR:1.64、95% CI:1.51~1.77、p <0.0001)。心房細動患者で抗凝固薬が必要な患者において、NSAIDsの併用には注意が必要 筆者らは結論として、NSAIDsの使用は大出血、脳梗塞、全身の血栓症、入院率の上昇と関連していたと報告している。NSAIDsとの併用においてダビガトラン(110mgまたは150mg)の安全性と有効性は、NSAIDsとワルファリンの併用と比較しても違いがなかったとしている。 今回の研究で、これまでの研究と同様にNSAIDsは無害な薬ではないことが確認され、心房細動で抗凝固薬が使用されている患者においては、必要性を検討すべきであるとも記されている。

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人工関節全置換術後のVTE予防、アスピリンへの切り替えは有効か/NEJM

 股関節および膝関節の人工関節全置換術(THA/TKA)後にリバーロキサバンの短期投与を受けた患者では、その後アスピリンに切り替えても、リバーロキサバンを継続した場合と比較して、症候性静脈血栓塞栓症(VTE)の予防効果に差はないことが、カナダ・ダルハウジー大学のDavid R. Anderson氏らが行ったEPCAT II試験で明らかとなった。研究の成果は、NEJM誌2018年2月22日号に掲載された。アスピリンは、安価で、副作用プロファイルが十分に確立されており、THA/TKA後のVTE(近位深部静脈血栓症、肺塞栓症)の予防効果を有する可能性が臨床試験やメタ解析で示されているが、退院後の延長投与の予防効果を直接経口抗凝固薬と比較した試験は、これまで行われていなかった。アスピリンへの切り替えの有用性を無作為化試験で評価 EPCAT II試験は、THA/TKA施行後のVTEの予防として、リバーロキサバンの短期投与を受けた患者において、アスピリンの延長投与の有効性と安全性を評価する二重盲検無作為化対照比較試験である(カナダ保健研究機構の助成による)。 待機的に、片側の初回または再置換(revision)THA/TKAを受ける患者が、術後5日までリバーロキサバン(10mg、1日1回)の投与を受けた後、アスピリン(81mg/日)へ切り替える群またはリバーロキサバンを継続する群にランダムに割り付けられた。TKA例は9日間、THA例は30日間の投与が行われ、追跡期間は90日であった。 有効性の主要アウトカムは症候性VTEであり、安全性の主要アウトカムは出血性合併症(大出血、大出血ではないが臨床的に問題となる出血)であった。VTE発生率:0.64% vs.0.70%、非劣性を確認 2013年1月~2016年4月の期間に、カナダにある15の大学関連医療センターに3,424例(THA:1,804例、TKA:1,620例)が登録され、アスピリン切り替え群に1,707例(THA:902例、TKA:805例)、リバーロキサバン継続群には1,717例(THA:902例、TKA:815例)が割り付けられた。 全体の平均年齢は62.8歳、47.8%が男性であった。初回手術例が90%以上を占め、術後の平均入院期間は3.5日だった。 VTEの発生率は、切り替え群が0.64%(11/1,707例)と、継続群の0.70%(12/1,717例)に比べ優越性は認めなかったが、非劣性が確認された(群間差:0.06ポイント、95%信頼区間[CI]:-0.55~0.66、優越性:p=0.84、非劣性:p<0.001)。 大出血の発生率は、切り替え群が0.47%(8例)、継続群は0.29%(5例)であり(群間差:0.18ポイント、95%CI:-0.65~0.29、p=0.42)、大出血ではないが臨床的に問題となる出血の発生率は、それぞれ1.29%(22例)、0.99%(17例)であった(群間差:0.30ポイント、95%CI:-1.07~0.47、p=0.43)。 著者は、「症候性VTEの発生率は両群とも低く、ほぼ同じであった」とまとめ、「いくつかの限界はあるが、これらの知見は臨床的に重要である。本試験は規模が大きく、アスピリンのリバーロキサバンに対する非劣性を示すに十分な検出力を持っている」としている。

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境界性パーソナリティ障害治療におけるω3脂肪酸とバルプロ酸併用

 境界性パーソナリティ障害(BPD)患者に対するオメガ3(ω3)脂肪酸の有効性について、いくつかのエビデンスが報告されている。以前行われたBPD患者43例を対象とした12週間のランダム化比較試験において、バルプロ酸単独療法と比較し、イコサペント酸エチル(EPA)およびドコサヘキサエン酸エチル(DHA)とバルプロ酸の併用療法の有効性が評価されている。併用療法は、バルプロ酸単独療法(対照群)との比較で、衝動性行動制御、怒りの噴出、自傷行為など、いくつかのBPD症状に対し、より有効であった。イタリア・トリノ大学のPaola Bozzatello氏らは、ω3脂肪酸の投与中止後、両群間の有効性の差が維持されているかを評価するため、24週間のフォローアップ試験を行った。Clinical drug investigation誌オンライン版2018年1月5日号の報告。 12週間のランダム化比較試験を完了した34例に対し、フォローアップを行った。12週間の試験後に両群間で有意な差を認めた評価尺度を用い、フォローアップ期間の開始時および終了時に評価を行った。評価尺度には、境界性パーソナリティ障害重症度指数(Borderline Personality Disorder Severity Index:BPDSI)の「衝動性(impulsivity)」および「怒りの噴出(outbursts of anger)」の項目、バラット衝動性尺度(Barratt Impulsiveness Scale-Version 11:BIS-11)、自傷行為インベントリ(Self Harm Inventory:SHI)が含まれた。統計分析には、反復測定による分散分析(ANOVA)を用いた。 主な結果は以下のとおり。・フォローアップ期間終了時、併用療法群内では、評価を行った4つの尺度すべてにおいて有意な差が維持されていたが、群間比較では、怒りの噴出のみで有意な差が維持されていた。・フォローアップ期間中の忍容性に関しては、臨床的に有意な副作用は認められなかった。 著者らは「BPD患者に対するバルプロ酸とω3脂肪酸の併用療法は、怒りのコントロールに関して、併用中止後も継続的な効果を示した」としている。■「DHA効果と脳」関連記事EPA、DHA、ビタミンDは脳にどのような影響を及ぼすか

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初回エピソード統合失調症の灰白質に対するω-3脂肪酸の影響

 初回エピソード統合失調症患者に対する追加療法としての、n-3多価不飽和脂肪酸(PUFA)使用に関連する皮質厚の変化について、ポーランド・ウッチ医科大学のTomasz Pawelczyk氏らが評価を行った。Schizophrenia research誌オンライン版2017年10月24日号の報告。 イコサペント酸エチル(EPA)およびドコサヘキサエン酸エチル(DHA)、またはプラセボ(オリーブ油)2.2g/dを含む濃縮魚油で26週間の介入を行う、二重盲検ランダム化比較試験を実施した。皮質厚の変化を評価するため、介入前後にMRIスキャンを行った。各対象者のT1強調画像は、FreeSurferを用いて解析した。 主な結果は以下のとおり。・適切な品質のデータが得られた対象者は29例であった。・統合失調症への関連を示唆する機能不全である、左脳半球のブロードマン7野と19野の頭頂後頭領域において、群間に皮質厚減少の有意な差を認めた。・本結果は、高齢者および軽度認知障害を有する患者において実施されたこれまでの研究結果を支持し、とくに統合失調症のような神経変性疾患の初期段階にn-3PUFAが神経保護作用を有することが示唆された。 著者らは「本結果が再現されれば、n-3PUFAは、統合失調症の長期治療において抗精神病薬の有望な併用薬として、臨床医に推奨される可能性がある」としている。■関連記事統合失調症とω3脂肪酸:和歌山県立医大統合失調症患者の暴力行為が魚油摂取で改善初発統合失調症患者の脳変化を調査

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WATCHMAN留置後の血栓症の特徴を調査

 左心耳は非弁膜症性心房細動患者における血栓塞栓症の主要な発生源と考えられ、経皮的に左心耳を閉鎖することが、長期の抗凝固療法に代わる治療として使用される頻度が増えている。米国においては、WATCHMANが米国食品医薬局(FDA)が承認した唯一の左心耳閉鎖デバイスである。しかし一方で、WATCHMAN留置後、残存するデバイス周囲からの閉鎖漏れや予期できないデバイス関連血栓が懸念されている。Cedar-Sinai 医療センターのShunsuke Kubo氏、Saibal Kar氏ら研究グループは、心房細動患者におけるWATCHMANに関連した血栓形成の特徴や、その影響を調べた。Journal of American College of Cardiology誌2017年8月号に掲載。心房細動患者119例が対象、デバイス関連血栓症の発生率は3.4% 本研究では、2006~14年に連続してWATCHMANの植込みを受けた心房細動患者119例を対象とした。植込み後の経食道エコー(TEE)は、45日後、6ヵ月後、12ヵ月後に実施された。TEEで同定されたデバイス関連血栓の発生率、特徴と臨床経過が評価された。フォローアップのTEEにより、デバイス上に形成された血栓が4例(3.4%)に同定された。血栓が見つかった患者はいずれも慢性心房細動を有しており、血栓のない患者における慢性心房細動の有病率(40%)よりも高かった。また、血栓を有する患者においては、留置されたデバイスのサイズが大きかった(29.3±3.8mm vs. 25.7±3.2mm)。血栓を有するすべての症例で、研究のプロトコールで求められる抗凝固もしくは抗血小板療法が中断されていた。ワルファリンおよびアスピリンによる治療再開後、全症例で血栓の完全な消失がTEEにより確認された。全症例において、ワルファリンは6ヵ月で中止されたが、血栓の再発は認められなかった。フォローアップ期間の平均は1,456±546日で、血栓を有する患者における死亡、脳梗塞、全身の血栓症は認められなかった。短期間のワルファリン療法がデバイス関連血栓症に有効 本研究では、心房細動の頻度、デバイスのサイズ、抗凝固・抗血小板療法が、WATCHMAN留置後に生じるデバイス関連血栓に関与しうることがわかった。また、短期間のワルファリン療法はデバイス関連血栓症に有効であることが示され、その後の再発も認められなかった。■参考Incidence, Characteristics, and Clinical Course of Device-Related Thrombus After Watchman Left Atrial Appendage Occlusion Device Implantation in Atrial Fibrillation Patients(カリフォルニア大学アーバイン校 循環器内科 河田 宏)関連コンテンツ循環器内科 米国臨床留学記

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うつ病リスクが低下する日本人に適切な魚類の摂取量は

 魚類の消費やイコサペント酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)などのn-3多価不飽和脂肪酸(PUFA)レベルがうつ病のリスク低下と関連していることが、観察研究のシステマティックレビューにより明らかとなっている。また、n-3PUFAの逆J字型効果が示唆されている。しかし、魚類の消費量の多い集団からのエビデンスは限られており、うつ病の標準的な精神医学的ベースの診断を用いた研究はない。国立がん研究センターの松岡 豊氏らは、日本人における魚類、n-3PUFA、n-6PUFAの消費とうつ病リスクとの関連を、集団ベースのプロスペクティブ研究にて調査を行った。Translational psychiatry誌2017年9月26日号の報告。 長野県佐久地域住民1万2,219例(1990年)を対象に、1995、2000年に食物摂取頻度調査を完了し、2014~15年にメンタルヘルス検査を受けた63~82歳の参加者1,181例を抽出した。魚類の摂取量およびPUFAの四分位に基づき、うつ病のオッズ比(OR)および95%信頼区間(CI)を算出した。 主な結果は以下のとおり。・95例が現在うつ病と診断されていた。・うつ病リスクが低下していたのは、魚類の摂取量の第3四分位(111.1g/日、OR:0.44、95%CI:0.23~0.84)、EPAの第2四分位(307.7mg/日、OR:0.54、95%CI:0.30~0.99)、ドコサペンタエン酸(DPA)の第3四分位(123.1mg/日、OR:0.42、95%CI:0.22~0.85)であった。・がん、脳卒中、心筋梗塞、糖尿病で調整後のORは、魚類およびDPA摂取において有意なままであった。 著者らは「高齢者のうつ病予防に対し、中程度量の魚類の摂取が推奨される」としている。■関連記事たった2つの質問で、うつ病スクリーニングが可能魚を食べると認知症は予防できるのか統合失調症とω3脂肪酸:和歌山県立医大

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統合失調症とω3脂肪酸:和歌山県立医大

 統合失調症患者の機能的アウトカムに認知機能障害は強く関連しているが、その病態生理はよくわかっていない。健常人および精神神経疾患患者の認知機能に対するω3脂肪酸の関与が注目されている。和歌山県立医科大学の里神 和美氏らは、統合失調症患者におけるω3脂肪酸と認知機能、社会的機能、精神症状との関連を調査した。Schizophrenia research誌2017年5月18日号の報告。 対象は、統合失調症または統合失調感情障害患者30例。精神症状、認知機能、社会機能は、それぞれPANSS(陽性・陰性症状評価尺度)、BACS(統合失調症認知機能簡易評価尺度)、SFS(社会的機能尺度)を用いて評価した。血清ω3脂肪酸は、ガスクロマトグラフィーを用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・BACS総スコアは、EPAおよびDHAレベルと有意な相関が認められた。・また、抗精神病薬の1日投与量は、DHAレベルおよびBACS総スコアと有意な負の相関が認められた。・ステップワイズ重回帰分析では、SFSスコアがBACS総スコアと有意に関連していることが示唆された。 著者らは「血清ω3脂肪酸の減少は、認知機能障害と関連しており、統合失調症における社会的機能アウトカムに影響を及ぼす」としている。■関連記事統合失調症患者の暴力行為が魚油摂取で改善統合失調症に対するメマンチン補助療法に関するメタ解析脳内脂肪酸と精神症状との関連を検証:富山大

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統合失調症患者の暴力行為が魚油摂取で改善

 統合失調症患者の症状や暴力行為の減少と、毎日の魚油(DHA 360mgとEPA 540mg)摂取との関係について、中国・上海交通大学医学院のYi Qiao氏らが検討を行った。Schizophrenia research誌オンライン版2017年8月19日号の報告。 ICD-10基準を満たし、攻撃的行動尺度(MOAS)4点以上で、抗精神病薬治療を受けている統合失調症入院患者50例を対象に、魚油群(28例)またはプラセボ群(22例)に無作為に割り付け、12週間の投与を行った。評価は、ベースライン時および4、8、12週目に行った。 主な結果は以下のとおり。・PANSSおよびCGIスコアは、4、8、12週目に減少が認められたが、両群間で差は認められなかった。・MOASスコアは、4、8、12週目で有意に低下した。・12週目の魚油群のMOASスコアは、プラセボ群より有意な低下が認められた(t=-2.40、p<0.05)。 著者らは「暴力的な統合失調症患者に対する魚油(DHA 360mgとEPA 540mg)の投与による治療は、プラセボと比較して暴力性の減少を示したが、陽性および陰性症状の改善については優れていなかった」としている。■関連記事統合失調症患者の家庭での暴力行為に関する調査:東京大学日本人統合失調症、暴力行為の危険因子は:千葉大魚を食べると認知症は予防できるのか

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抗凝固薬の中和薬:マッチポンプと言われないためには…(解説:後藤 信哉 氏)-715

 手術などの侵襲的介入時におけるヘパリンの抗凝固効果はプロタミンにより中和可能であり、経口抗凝固薬は外来通院中の症例が使用しているので、ワルファリンの抗凝固効果は新鮮凍結血漿により即座に、ビタミンKの追加により緩除に中和できることを知っていても、中和薬の必要性を強く感じる場合は少なかった。止血と血栓は裏腹の関係にあるので、急性期の血栓、止血の両者を管理する必要のある症例の多くは入院症例であり、その多くは調節可能な経静脈的抗凝固療法を受けていた。 モニタリングせずに使用する経口抗トロンビン、抗Xa薬(いわゆるNOACs、DOACs)は、血栓イベントリスクの高い機械弁、僧帽弁狭窄症では使われていない。緊急手術が必要な状態になった場合、重篤な出血が薬剤により惹起されたとき、薬剤投与を中止して止血できるまで、どの程度の時間が必要であるかがわからない。プロトロンビンを濃縮した血液製剤などを使うと直感的に止血を実感できる。本研究ではトロンビンの酵素作用を直接阻害するダビガトランに中和抗体を作用させれば、即座に抗トロンビン効果は消失することを示した。臨床的な止血効果をおそらく医師は現場で実感したと想定するが、臨床試験にて有効性を数値で示すことはできなかった。 血液凝固カスケードは液相の反応が広く知られるが、現実の血液凝固の重要部分は活性化血小板膜上にて起こる。Xaは血小板上のプロトロンビナーゼ複合体の形成に未知の複雑なメカニズムで作用するので、Xaのおとりではプロトロンビン時間が正常化しても血栓イベントは増えるような結果であった。ダビガトランの抗体の作用は、Xa阻害薬の中和薬よりは作用が直線的である。それでも、「抗凝固薬を不必要に多用して、自然歴ではない出血イベントを多発させ、抗凝固薬の中和薬を多用する」のは、マッチポンプ的で患者にも社会にも不利益をもたらす。抗Xa薬の中和薬よりは直線的だがダビガトラン抗体に価値があるのかどうか、現時点では筆者にもわからない。 放置すれば近未来ほぼ確実に血栓イベントが起こる症例に、抗凝固薬を限局的に使用する世界が筆者には効率的に思える。

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循環器内科 米国臨床留学記 第20回

第20回 米国の電子カルテ事情日本でも電子カルテが一般的になっていますが、米国では電子カルテのことをElectrical Medical Record (EMR)と言います。今回は、米国におけるEMR事情について書いてみたいと思います。米国のEMRの特徴の1つとして、どこからでもアクセスできるというのが挙げられます。「今日は疲れたから、残りのカルテは家で書きます」といった感じで、インターネットで世界中のどこからでも電子カルテにアクセスできます。実際、私も帰国時に日本から米国の患者に処方したり、カルテをフォローしたりすることがあります。日本でも電子カルテが登場して久しいですが、インターネットを介して患者のカルテにアクセスするのはまだ一般的でないかもしれません。Medscapeのリポートによると、2016年の段階で91%の医師が電子カルテを使用しており、これは2012年の74%から比べても大幅な増加です。その中でも、41%と圧倒的なシェアを誇るのがEPICというシステムです。ほかのEMRと比べても、EPICはuser friendlyで使いやすく、日常臨床を強力にサポートしてくれます。私のいるカリフォルニア大学アーバイン校では、現在はEPICと異なるシステムを使っていますが、評判が悪いため、来年EPICに移行します。乱立していたEMRの会社も徐々に淘汰され、数社に絞られてきているようです。また、同じEMRシステムを使うと、異なる病院間でも情報が共有できるといったサービスもあります。以前いたオハイオ州のシンシナティーという町にはEPIC everywhereというシステムがあり、EPICを使っているシンシナティー市内すべての病院の情報が共有されていました。ほかの病院の情報に簡単にアクセスできると、無駄な検査を減らすことができます。EMRは、入院時に必要なオーダーを入れないとオーダーを完了できないシステムになっています。例えば、深部静脈血栓症(DVT)予防は、入院時に必須のオーダーセットに入っているため、オーダーせずに患者を入院させようとすると、ブロックサインが現れ、入院させることが難しくなっています。このようなシステムは日本の電子カルテにもあると思います。また、代表的なEMRのシステムには、ガイドラインに準じたクリニカルパスが組み込まれています。 主なものとしては、敗血症ショックセット、糖尿病ケトアシドーシス(DKA)セット、急性冠動脈症候群(ACS)セットなどが挙げられます。例えばACSで入院すると、ヘパリン、アスピリン、クロピドグレル、スタチン、β遮断薬をクリック1つで選択するだけですから、確かに処方し忘れなどは減ります。オーダーセットは非常に楽ですし、DKAなどは勝手に治療が進んでいき、うまくいけば入院時のワンオーダーで、ほぼ退院まで辿り着けるかもしれません。しかしながら、一方で医者が状況に応じて考えなければいけないことが減り、時には危険なことも起こります。患者の状態は、1人ずつ異なりますから、tailor madeな治療が必要になります。実際、DKAで入院した患者がDKAオーダーセットによる多量の生理食塩水で心不全を起こすというようなことは、何度も見てきました。このほか、EMRで問題となっているのは、いわゆる“copy and paste”です。デフォルトのカルテでは、正常の身体所見が自動的に表示されます。注意を怠ると、重度の弁膜症患者にもかかわらず「雑音がない」とか、心房細動なのに脈拍が“regular”などといった不適切な記載となります。実際に、このようなことはしょっちゅう見受けられます。他人のカルテをコピーすることも日常茶飯事なので、4日前に投与が終わったはずの抗生剤が、カルテの記載でいつまでも続いているということもあります。Medscapeの調査でも66%の医者が“copy and paste”を日常的に(時々から常に)使用しているとのことでした。外来でのEMRは、Review of System、服薬の情報、予防接種(インフルエンザ、肺炎球菌)、スクリーニング(大腸ファイバーなど)などをすべて入力しなければ、カルテを終了(診察を終了)できなくなっています。こうした項目を入力しないと医療点数(診療費)に関わってくるからです。その結果、EMRに追われてしまい、患者を見ないでひたすらコンピューターの画面を見て診療しているような状況に陥りがちです。こうなると、自分がEMRを操作しているのか、EMRに操作されているのかわからなくなります。いろいろな問題がありますが、EMRは日々進歩している印象があります。使い勝手は良いのですが、最終的には医者自身が頭を使わければ患者に不利益が被ることもあるため、注意が必要です。

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知ってますか?「derivation」と「validation」の意義と違い(解説:中川 義久 氏)-661

 PCI術後には、ステント血栓症などの血栓性イベント予防のために抗血小板薬としてアスピリンとチエノピリジン系薬剤に代表される、ADP受容体P2Y12阻害薬の併用投与(Dual Anti-platelet Therapy:DAPT)が主流となっている。DAPTを継続することは出血性合併症を増す危険性がある。血栓性イベントリスクと出血リスクの両者のトレードオフで比較すべき問題である。DAPTを継続すべき期間については明確な指針はないが、全患者に画一的な期間を設定するよりも、リスク評価に基づいて患者層別化することにより個々の患者に至適DAPT期間を設定することが医療の質を高める。このような個別化医療は時代の潮流であり、患者層別化のための方法論も進化している。 今回、スイス・ベルン大学のFrancesco Costa氏らは、新しい出血リスクスコアである「PRECISE-DAPTスコア」をLancet誌2017年3月11日号に発表した。これは、「年齢・クレアチニンクリアランス・ヘモグロビン値・白血球数・特発性出血の既往」という入手が簡易な5項目を用いて算出するものである。論文のタイトルは長いが紹介しよう。「Derivation and validation of the predicting bleeding complications in patients undergoing stent implantation and subsequent dual antiplatelet therapy(PRECISE-DAPT)score:a pooled analysis of individual-patient datasets from clinical trials.」である。このタイトルの文頭の「derivation and validation」という用語について考察してみたい。 症状・徴候・診断的検査を組み合わせて点数化して、その結果から対象となるイベントを発症する可能性に応じて患者を層別化することをclinical prediction rule(CPR)という。この作業は2つに大別される。モデル作成段階(derivation)と、モデル検証段階(validation)である。(1)モデル作成段階とは、データを元にCPRモデルを作成する段階である。このモデル作成のためにデータを使用した患者群をderivation sample(誘導群)という。この群のデータから誘導されたモデルであるから、この患者群におけるモデルの内的妥当性が高いことは当然である。この段階では、このモデルを他の患者群に当てはめても正しいかどうかは明らかではない。(2)モデル検証段階とは、別のデータを用いてモデルの検証を行う段階である。このためにデータを用いる患者群をvalidation sample(確認群)という。CPRモデルを一般化して当てはめて良いかどうか、つまり外的妥当性を検証する作業である。PRECISE-DAPTスコアを提唱する本論文においては、多施設無作為化試験8件の患者合計1万4,963例をderivation sampleとし、PLATO試験(8,595例)およびBernPCI registry(6,172例)をvalidation sampleとしている。本論文は、患者層別化のためのスコアリングモデルの作成作業を教科書的に遂行している。CPRモデル提唱論文における、derivationとvalidationについて語るに相応しい題材でありコメントさせていただいた。

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魚を食べると認知症は予防できるのか

 ここ20年の研究では、魚類およびDHAなどのn-3脂肪酸が高齢者のアルツハイマー病を含む認知機能低下を抑制することが示唆されている。スウェーデン・ウプサラ大学のTommy Cederholm氏は、2015~16年の研究結果をレビューした。Current opinion in clinical nutrition and metabolic care誌オンライン版2016年12月12日号の報告。 主な結果は以下のとおり。・1件のプロスペクティブコホート研究より、高齢者ケア施設入居者の脳解剖では、海産物の摂取と神経性プラークおよび神経原線維変化との関連が認められた。・5年間の大規模介入研究より、n-3脂肪酸補充患者または対照患者において、認知機能への影響は認められなかった。・コミュニティ患者を対象とした2件のメタアナリシスより、高魚類摂取は、認知機能を保持することが認められた。・記憶愁訴の高齢者は、n-3脂肪酸の補充により、記憶課題に関する皮質血流を改善する可能性がある。・アルツハイマー病患者のレポートからの再計算では、血清n-3脂肪酸の増加と認知機能改善には用量反応性が示唆された。・しかし、コクランレビュー(3件の無作為化対照試験)では、n-3脂肪酸は、軽度/中等度アルツハイマー病患者において任意の6ヵ月間でメリットがないと結論付けた。 著者らは「魚類やDHAの摂取は、記憶愁訴やMCI高齢者において予防的メリットを有する可能性があり、軽度/中等度アルツハイマー病患者のサブグループにおいても、このようなメリットがあると考えられる」とし、「より一層の研究が必要である」としている。関連医療ニュース 日本食は認知症予防によい:東北大 魚を食べるほどうつ病予防に効果的、は本当か EPA、DHA、ビタミンDは脳にどのような影響を及ぼすか

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