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日本初の抗PD-L1抗体アベルマブ、他の抗体との違いも

 抗PD-L1抗体として日本で初めて、アベルマブ(商品名:バベンチオ)が9月27日に承認された。アベルマブは、今回承認されたメルケル細胞がん(MCC)以外に、胃がん、非小細胞肺がん、頭頸部がん、腎細胞がん、尿路上皮がん、リンパ腫、固形がんに対して、国内で臨床試験を実施している。11月6日、共同開発を進めるメルクセローノ株式会社とファイザー株式会社によるプレスセミナーが開催され、西川 博嘉氏(国立がん研究センター研究所腫瘍免疫研究分野/先端医療開発センター免疫トランスレーショナルリサーチ分野 分野長)と山﨑 直也氏(国立がん研究センター中央病院皮膚腫瘍科 科長)が講演した。アベルマブは他の抗PD-L1抗体にはないプラスαがある可能性 抗PD-L1抗体と抗PD-1抗体の抗腫瘍効果は、T細胞活性化を調節する免疫チェックポイント経路の1つであるPD-L1/PD-1経路の阻害による。がん細胞は免疫から逃れるために、PD-L1を発現しT細胞のPD-1に結合することによって、T細胞活性化を抑制する。そこで、抗PD-L1抗体はがん細胞のPD-L1に、抗PD-1抗体はT細胞のPD-1に結合することによって、PD-L1 とPD-1の結合を阻害してT細胞を活性化し、抗腫瘍効果を発揮する。 抗PD-1抗体としては、すでにニボルマブとペムブロリズマブが承認されているが、抗PD-L1抗体ではアベルマブが国内で初めて承認された。現在、アベルマブ以外の抗PD-L1抗体はatezolizumab、durvalumabが開発されているが、西川氏によると、アベルマブは他の2剤とは異なるという。すなわち、アベルマブはヒト化IgG1抗PD-L1モノクローナル抗体(他の2剤はIgG4)であり、がん細胞のPD-L1に結合したアベルマブに、NK細胞やマクロファージのFc受容体が結合することによってがん細胞を直接攻撃するADCC(抗体依存性細胞傷害)活性があることがマウスで認められているという。西川氏は「このようなプラスαの作用があることがヒトではいいのかどうか、今後の臨床データ次第ではあるが注目すべき点だ」と述べた。アベルマブは標準治療がなかったMCCに対する初めての治療薬 今回承認されたMCCは、米国では2006年の新規患者が約1,600人で、10年で2倍に増加している。わが国の年間新規患者は100人前後と推定され、山﨑氏によると「国立がん研究センターにおける今年の新規患者は月に1人くらい」だという。 MCCは悪性度の高い皮膚がんの1つで、遠隔転移症例では1~2年以内に死亡する。進行期における標準治療は確立されておらず、従来の化学療法(プラチナ製剤±エトポシド)による1次治療の奏効率は55%である。しかし、いったん小さくなってもすぐに無効となるため、奏効期間(DOR)中央値は約3ヵ月で非常に短かったと山﨑氏は説明した。一方、アベルマブによる臨床試験成績は、転移MCCに対する1次治療のコホートの中間解析時の奏効率が62.5%、2次治療以降のコホートでは、奏効率31.8%、6ヵ月奏効持続率93%、12ヵ月奏効持続率74%と、効果が持続することを強調した。 山﨑氏はアベルマブを「進行が速く予後不良ながんでありながら承認薬剤がなかったMCCに初めて標準治療薬が承認され、その効果も高い」と評価し、さらに今後、術後再発予防として使用できる可能性についても期待を示した。

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BRCA1レベルに基づくNSCLCアジュバントは生存率を上昇させたか(SCAT)/WCLC2017

 Stage II~IIIAの非小細胞肺がん(NSCLC)切除患者では、プラチナベースの術後補助化学療法が標準治療である。しかし、他レジメンとの直接比較研究はない。一方、BRCA1は、二本鎖DNA切断を修復する作用を有し、またその発現レベルにより予後および効果予測因子ともなる。SCAT研究は、BRCA1発現レベルに基づき個別化した術後補助化学療法が上記患者の生存率を改善するかを評価したSpanish Lung Cancer Cooperative Groupの試験。横浜市で開催された第18回世界肺癌会議(WCLC)において、スペイン・Alicante University HospitalのBartomeu Massuti氏が結果を発表した。 BRCA1低発現ではシスプラチン感受性を示し、BRCA1高発現ではシスプラチン耐性、タキサン感受性を示すといわれる。この研究では、完全切除したStage II~IIIAのNSCLC患者500例を、コントロール群(108例)と試験群(392例)に、無作為に割り付けた。コントロール群には標準治療のシスプラチン+ドセタキセル治療を、試験群はBRCA1発現レベルにより異なる化学療法治療を行った。BRCA1低発現患者にはシスプラチン+ゲムシタビン、BRCA1中程度発現患者にはシスプラチン+ドセタキセル、高BRCA1高発現患者にはドセタキセル単独治療を行った。主要評価項目は全生存期間(OS)、副次評価項目は無病生存期間、毒性などであった。 追跡期間中央値53ヵ月後のコントロール群のOSは69.3ヵ月、試験群では82.4ヵ月(HR:0.946)、5年OSは54%と56%と両群で同等であった。両群のBRCA1発現によるサブ解析の結果、BRCA1低発現群において、シスプラチン+ゲムシタビンのOSは74ヵ月、シスプラチン+ドセタキセルは40.1ヵ月と、シスプラチン+ゲムシタビンで有意に良好(HR:0.622、p=0.005)であった。一方、BRCA1高発現において、ドセタキセル単独のOSは80.2ヵ月、シスプラチン+ドセタキセルは未到達(HR:1.289、p=0.436)と、レジメンによる差は示されなかった。 結果として、BRAC1発現レベルに基づいた化学療法による生存率の上昇は示されなかったものの、BRCA1はコントロール群における唯一の予後因子であった。また、ドセタキセル単独療法は他の療法と比べ、コンプライアンスが良好で(p<0.001)、減量も少なく(p<0.01)、がんによる死亡発生率も同等であった。Massuti氏は最後に、高BRCA1患者において、プラチナを用いないタキサン単独による術後補助療法は、プラチナの短期・長期毒性を回避できる可能性があると述べた。■参考SCAT試験(Clinical Trials.gov)WCLC2017プレスリリース

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非小細胞肺がんへのatezolizumab、OAK試験の日本人解析/日本肺癌学会

 2017年10月14日、第58回日本肺癌学会学術集会で、岡山大学病院の久保 寿夫氏が、国際共同第III相臨床試験OAK試験の日本人集団の解析結果を発表した。OAK試験は、プラチナ製剤を含む化学療法中または後に増悪した局所進行・転移性非小細胞肺がん(NSCLC)患者1,225例を対象に、抗PD-L1抗体atezolizumabの有効性と安全性をドセタキセルと比較検討したオープンラベル無作為化試験。主要評価項目は、全患者およびPD-L1で選別されたサブグループ患者の全生存期間(OS)、副次評価項目は客観的奏効率(ORR)、無増悪生存期間(PFS)、安全性などである。すでに発表されている全集団における解析では、ドセタキセル群と比較してOSを4.2ヵ月延長し(OS中央値:13.8ヵ月 vs.9.6ヵ月、ハザード比[HR]:0.73、95%信頼区間[CI]:0.62~0.87)、良好な安全性が示されている。 日本人集団(OS解析対象の64例)のOS中央値はatezolizumab群で21.3ヵ月、ドセタキセル群で17.0ヵ月、ハザード比は0.80(95%CI:0.41~1.57)であり、全集団同様PD-L1の発現状態にかかわらず、atezolizumab群で改善が認められた。 有害事象については日本人101例を対象に解析され、Grade 3 以上の有害事象の発現率はatezolizumab群が26.8%、ドセタキセル群が91.1%とatezolizumab群で低かったが、免疫関連有害事象を含む投与中止に至った有害事象についてはatezolizumab群で多かった(17.9% vs.6.7%)。外国人集団との比較においては、Grade 3 以上の有害事象は日本人集団で少なかった(26.8% vs.40.1%)。日本人集団で多くみられたのは発熱(35.7%)、鼻咽頭炎(19.6%)などであった。 なお、atezolizumabはOAK試験ならびに第II相無作為化臨床試験であるPOPLAR試験の結果に基づき、上記患者に対して2016年10月に米国食品医薬品局(FDA)、2017年9月に欧州委員会(EC)により承認されている。■参考OAK試験(Clinical Trials.gov)中外製薬のプレスリリース■関連記事抗PD-L1抗体atezolizumab、非小細胞肺がんのOSを延長/Lancet抗PD-L1抗体atezolizumab、肺がんに承認:FDA

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濾胞性リンパ腫治療、新規抗体薬vsリツキシマブ/NEJM

 濾胞性リンパ腫の1次治療において、obinutuzumabをベースとする免疫化学療法と維持療法は、リツキシマブをベースとする同様の治療に比べ、無増悪生存(PFS)期間を有意に延長することが、英国・キングス・カレッジ病院のRobert Marcus氏らが行ったGALLIUM試験で示された。研究の成果は、NEJM誌2017年10月5日号に掲載された。抗CD20モノクローナル抗体リツキシマブと化学療法の併用は、新規に診断された濾胞性リンパ腫の転帰を改善し、導入療法後のリツキシマブによる維持療法は良好なPFSおよび全生存(OS)をもたらすが、最終的に多くの患者が再発する。obinutuzumabは糖鎖改変型タイプII抗CD20モノクローナル抗体であり、補体依存性細胞傷害活性はリツキシマブよりも低いが、抗体依存性の細胞傷害活性や食作用活性が高く、直接的なB細胞の除去作用が強いことが示されている。濾胞性リンパ腫の治療法を無作為化試験で比較 GALLIUM試験は、未治療の進行期低悪性度非ホジキンリンパ腫(濾胞性リンパ腫、辺縁帯リンパ腫)の治療において、obinutuzumab+化学療法またはリツキシマブ+化学療法による導入療法を施行後に、それぞれ同じ抗体医薬による維持療法(最長2年)を行うアプローチの有効性と安全性を比較する、非盲検無作為化第III相試験である(F. Hoffmann-La Roche社の助成による)。今回は、濾胞性リンパ腫の解析結果が報告された。 対象は、年齢18歳以上、前治療歴がなく、組織学的に診断が確定され、進行病変(Stage III/IVまたはbulk病変[最大径≧7cmの腫瘍]を伴うStage II)を有するCD20陽性の濾胞性リンパ腫(Grade 1~3a)で、全身状態(ECOG PS)が0~2の患者であった。 被験者は、導入療法として、obinutuzumab(1,000mg)を1サイクル目の第1、8、15日、2サイクル目以降は第1日に点滴静注する群、またはリツキシマブ(375mg/m2)を各サイクルの第1日に点滴静注する群に、1対1の割合でランダムに割り付けられ、6または8サイクルの治療が行われた。化学療法レジメンは、各施設がCHOP(シクロホスファミド+ドキソルビシン+ビンクリスチン+プレドニゾン)、CVP(シクロホスファミド+ビンクリスチン+プレドニゾン)、ベンダムスチンの中から1つを選び、個々の施設の患者はすべて同じレジメンの投与を受けた。 導入療法終了時に完全寛解(CR)または部分寛解(PR)を達成した患者は、導入療法と同じ抗体医薬による維持療法を2ヵ月ごとに2年間、または病勢進行か患者が同意を撤回するまで行われた。治療のクロスオーバーは許容されなかった。 主要評価項目は、担当医判定によるPFSであった。濾胞性リンパ腫の病勢進行/再発/死亡のリスクが34%低減 2011年7月6日~2014年2月4日に日本人患者を含む1,202例が登録され、obinutuzumab群に601例、リツキシマブ群にも601例が割り付けられた(ITT集団)。それぞれ557例、551例が導入療法を、361例、341例が維持療法を完遂し、カットオフ日に60例、54例が維持療法を継続していた。ベースラインのITT集団の年齢中央値は59歳、女性が53.2%を占めた。化学療法レジメンは、ベンダムスチンが57.1%、CHOPが33.1%、CVPは9.8%だった。 フォローアップ期間中央値34.5ヵ月(範囲:0~54.5)における計画された中間解析では、担当医判定による推定3年PFS率はobinutuzumab群が80.0%と、リツキシマブ群の73.3%に比べ有意に良好であった(ハザード比[HR]:0.66、95%信頼区間[CI]:0.51~0.85、層別log-rank検定p=0.001)。独立評価委員会判定による推定3年PFS率は、それぞれ81.9%、77.9%であり、obinutuzumab群が有意に優れた(HR:0.71、95%CI:0.54~0.93、p=0.01) 推定3年OS率は、obinutuzumab群が94.0%、リツキシマブ群は92.1%であり、両群間に差を認めなかった(HR:0.75、95%CI:0.49~1.17、p=0.21)。また、導入療法終了時の寛解率(CR+PR)はそれぞれ88.5%、86.9%(p=0.33)、CR率は19.5%、23.8%(p=0.07)であり、いずれも有意差はなかった。事後解析では、女性でobinutuzumabのPFSが有意に良好であった(HR:0.49、95%CI:0.33~0.74)のに対し、男性では有意差を認めなかった(HR:0.82、95%CI:0.59~1.15)(性別と治療の交互作用:p=0.06)。 Grade 3~5の有害事象(74.6 vs.67.8%)および重篤な有害事象(46.1 vs.39.9%)の頻度はobinutuzumab群のほうが高かったが、死亡の原因となった有害事象の発現率は両群で同等であった(4.0 vs. 3.4%)。担当医判定による最も頻度の高い有害事象は注入関連イベントであり、obinutuzumab群の59.3%、リツキシマブ群の48.9%に発現した(p<0.001)。次いで、悪心(46.9 vs.46.6%)および好中球減少(48.6 vs.43.6%)の頻度が高かった。obinutuzumab群の35例(5.8%)、リツキシマブ群の46例(7.7%)が死亡した。 著者は、「最近のデータでは、比較的強度が高くない化学療法と併用しても、obinutuzumabはリツキシマブに比べ高い効果を有することが示唆されており、フレイルが高度なためベンダムスチンやCHOPの適応が困難な患者で有用となる可能性もある」と指摘している。

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化学療法抵抗性膀胱がんへのラムシルマブは有用か?/Lancet

 プラチナ製剤化学療法で病勢進行が認められた、進行性・転移性尿路上皮がん患者に対し、抗VEGF-R2抗体ラムシルマブ(商品名:サイラムザ)+ドセタキセルの併用療法は、ドセタキセル単独に比べて無増悪生存期間(PFS)を有意に延長したことが示された。米国・イェール大学のDaniel P. Petrylak氏らが、530例を対象に行った第III相無作為化二重盲検試験「RANGE」の結果で、Lancet誌オンライン版2017年9月12日号で発表された。結果を踏まえて著者は「ラムシルマブ+ドセタキセルレジメンは、われわれが知る限り、プラチナ療法抵抗性の進行性尿路上皮がん患者において化学療法よりも優れたPFSを示した、第III相試験では初となるレジメンである」と述べ、「今回のデータにより、抗VEGF-R2抗体は、尿路上皮がん患者の新たな治療選択肢となりうることが確認された」と、まとめている。 ラムシルマブ(10mg/kg)をドセタキセルと併用投与 研究グループは2015年7月~2017年4月にかけて、23ヵ国124ヵ所の医療機関を通じて、プラチナ製剤化学療法で治療中または治療後に病勢進行が認められた、進行性・転移性尿路上皮がん患者530例を対象に試験を行った。以前の治療で、1種類の免疫チェックポイント阻害薬を投与していた患者も対象に含まれた。 被験者を無作為に2群に分け、一方にはドセタキセル(75mg/m2)とラムシルマブ(10mg/kg)を(併用群:263例)、もう一方にはドセタキセルとプラセボを(対照群:267例)、いずれも1日1回静脈投与した。1サイクル21日間とし、病勢進行やその他の治療中止の基準が認められるまで継続した。 主要エンドポイントは、437例が無作為化された時点で評価したPFSだった。PFS中央値、併用群4.07ヵ月 vs.対照群2.76ヵ月 PFSの中央値は、対照群2.76ヵ月(95%信頼区間[CI]:2.60~2.96)に対し、併用群は4.07ヵ月(同:2.96~4.47)と有意に延長した(ハザード比:0.757、95%CI:0.607~0.943、p=0.0118)。盲検化独立中央解析においても同様の結果が示された。 奏効率も、対照群14.0%(95%CI:9.4~18.6、221例中31例)に対し、併用群は24.5%(同:18.8~30.3、216例中53例)と高率だった。 なお、Grade 3以上の有害事象の発現率は、併用群60%(156/258例)、対照群62%(163/265例)と同程度であり、予期していない毒性は認められなかった。治療に関連すると研究者が判断した重篤有害事象は、併用群24%(63/258例)、対照群20%(54/265例)で認められた。 治療中または治療中止後30日以内に死亡した患者の割合は、併用群15%(38/258例)、対照群16%(43/265例)で、そのうち治療が原因と研究者が判断したのはそれぞれ3%(8例)と2%(5例)だった。敗血症は、治療中の死亡で最も共通してみられた有害事象であった(2%[4例] vs.0%[発生なし])。また、併用群で致死的な好中球減少性敗血症1例が報告された。

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既治療の非小細胞肺がんに対するnab-パクリタキセル、単独およびdurvalumabとの併用が有望(abound2L+)/ESMO2017

 既治療の進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者に対する2次、3次治療は免疫チェックポイント阻害薬の登場で進化した。しかし、長期間のベネフィットを得られる患者は一部であり、最終的に化学療法を追加することになる患者も少なくない。nab-パクリタキセル(nab-P)はカルボプラチンとの併用で、進行NSCLCの1次治療の認可を得ているが、2次治療における効果も報告されている。またアザシチジン(CC-486)のようなDNAメチル基転移酵素阻害薬は免疫チェックポイント阻害薬と同様に化学療法の効果を上げるとされる。スペイン・マドリードで開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO2017 Congress)において、nab-Pの単独療法とCC-486、およびPD-L1阻害剤durvalumabとの併用における安全性と有効性を評価したabound2L+試験の結果が、米国Washington University School of MedicineのDavid Morgenszter氏により発表された。 abound2L+試験は2つの無作為化群と1つの非無作為化群の3群で行われている。無作為化群では、化学療法既治療の進行非扁平上皮NSCLC患者161例が、nab-P単独群とnab-P+CC-486群に1:1で割り付けられた。その後、プロトコルを改訂し、無作為化群としてnab-P+durvalumab群を追加した。nab-P+durvalumab群では、扁平上皮がん、免疫チェックポイント阻害薬既治療患者の登録も許容した。主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目は安全性、全生存期間(OS)、奏効率(ORR)、病勢コントロール率(DCR)である。 3群の患者背景は同様であったが、nab-P+durvalumab群においては、扁平上皮がんが29.1%、免疫チェックポイント阻害薬既治療例が11.4%含まれた。 主要評価項目であるPFSは、nab-P+CC-486群の3.2ヵ月に対しnab-P単独群は4.2ヵ月であった(HR:1.3)。副次評価項目のOSは、nab-P+CC-486群の8.4ヵ月に対しnab-P単独群は12.7ヵ月であった(HR:1.4)。ORRは13.6%に対し13.8%(HR:0.99)。nab-PへのCC-486追加によるPFS、OS、ORRの改善は見られなかった。一方、nab-P+durvalumab群の79人の患者の中間解析におけるPFSは免疫チェックポイント阻害薬未治療例では4.4ヶ月、既治療例では6.9ヵ月であった。ORRは26.6%と他の2群より高い結果を示した。OS中央値は未達である。 3群全体(240例)における治療関連有害事象(AE)で頻度の高かったものは、呼吸困難、末梢神経障害、好中球減少、貧血であった。 nab-P単独療法は、既治療の非扁平上皮NSCLCに対し期待できる効果を示した。しかし、同剤へのCC-486の追加は、ベネフィットがみられなかった。また、nab-Pとdurvalumabの併用については、2次、3次治療にける実現可能な治療法であることが示された。

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切除不能大腸がん、FOLFOX6/CapeOX対S-1+CPT-11/日本臨床腫瘍学会

 FOLFOXおよびCapeOXレジメンは切除不能大腸がん(mCRC)の1次治療として最も多く用いられる。しかし、オキサリプラチンベースレジメンの有害事象である末梢神経障害は、治療中断の原因となり、またQOLの低下をもたらす。一方、S-1+イリノテカン(CPT-11)療法は、2次治療におけるFOLFIRIレジメンとの非劣性が証明されているものの、1次治療での有用性は確立していない。大崎市民病院の蒲生 真紀夫氏は、S-1+CPT-11+ベバシズマブ(Bmab)のmFOLFOX6/CapeOX+Bmabに対する非劣性および優越性を検証する無作為化第III相試験TRICOLORE試験を実施し、その結果を第15回日本臨床腫瘍学会で発表した。 TRICOLORE試験では、化学療法未施行のmCRC患者を、mFOLFOX6/CapeOX+Bmab(A群1:mFOLFOX6+Bemab 2週ごと、A群2:CapeOX+Bmab 3週ごと)またはS-1+CPT-11+Bmab(B群1:CPT-11+Bmab 3週ごと、S-1 14日間投与7日間休薬、B群2:TS-1+CPT-11+Bmab 4週ごと、S-1 14日間投与14日間休薬)に無作為に割り付けた。主要評価項目はPFSとし、A群とB群のPFS中央値をそれぞれ11ヵ月、12ヵ月と想定し、ハザード比(HR)の非劣性マージンを1.25とした。 2012年6月~2014年9月に487例が登録され、A群244例、B群243例に割り付けられた。PFS中央値は、A群10.8ヵ月、B群14.0ヵ月(HR:0.84、95%CI:0.70~1.02)と、非劣性が証明された(非劣性p<0.001)。優越性p値は0.082であった。治療成功期間は、A群7.7ヵ月、B群9.6ヵ月と、B群で有意に良好であった(p<0.002)。全生存期間はA群33.6ヵ月、B群34.9ヵ月であった(p=0.28)。 Grade3以上の全有害事象発現はA群64.9%、B群58.6%であった。Grade3以上の主な項目はA群B群でそれぞれ、白血球減少2.5%と8.8%、好中球減少13.6%と24.3%、下痢6.6%と13.4%、末梢神経障害21.9%と0.0%、手足症候群6.2%と0.8%であった。 同第III相試験において、S-1+CPT-11+BmabはmFOLFOX6/CapeOX+Bmabに対するPFS非劣性を証明。mCRCに対する1次治療レジメンとなりうることが示された。

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進行子宮頸がんのベバシズマブ併用、第III相試験の最終解析/Lancet

 米国・カリフォルニア大学のKrishnansu S. Tewari氏らが、進行子宮頸がん患者を対象に血管新生阻害薬ベバシズマブ併用の有効性と安全性を評価した「米国婦人科腫瘍グループ(GOG)240試験」の、全生存期間(OS)と有害事象に関する最終解析結果を報告した。2012年の第2回中間解析でOSの改善が認められ、その結果に基づき2014年8月14日、米国で進行子宮頸がんに対するベバシズマブの使用が承認されたが、今回の最終解析においても、ベバシズマブ併用の有用性が全生存曲線により示され、追跡期間が延長しても持続していることが確認された。また、ベバシズマブ投与中に増悪しベバシズマブの投与を中止しても、その後の生存期間が化学療法単独療法中止後より短縮するという負のリバウンド作用は認められなかった。Lancet誌オンライン版2017年7月27日号掲載の報告。化学療法へのベバシズマブ追加の有効性を2×2要因デザインで評価 GOG240試験は、米国・カナダ・スペインの81施設にて実施された第III相無作為化非盲検比較試験。対象は、転移あり(Stage IVB)または治療抵抗性または再発の子宮頸がん患者で、シスプラチン(1日目または2日目に50mg/m2)+パクリタキセル(1日目に135mg/m2または175mg/m2)投与群、トポテカン(1~3日目に0.75mg/m2)+パクリタキセル(1日目に175mg/m2)投与群、および各化学療法にベバシズマブ(1日目に15mg/kg)を併用する群に1対1対1対1の割合で無作為に割り付け、疾患の増悪や許容できない毒性の発現、患者の同意撤回または完全奏効に達するまで21日を1サイクルとして治療を継続した。なお、割り付けは、GOG PS(0 vs.1)、放射線増感剤としてのプラチナ製剤治療歴(有 vs.無)、病勢(再発/治療抵抗性 vs.転移あり)で層別化した。主要評価項目は、OS(intention-to-treat解析)および有害事象(解析対象は治療を受けた全患者)とした。 2009年4月6日~2012年1月3日に452例が登録され(化学療法単独群225例[50%]、ベバシズマブ併用群227例[50%])、2014年3月7日までに348例が死亡、最終解析のデータカットオフ基準(被験者450例、死亡346例)は満たしていた。最終解析でも化学療法+ベバシズマブ併用群のOS延長が持続 ベバシズマブ併用群では、化学療法単独群と比較しOSの有意な改善が持続していることが認められた(ベバシズマブ併用群16.8ヵ月 vs.化学療法単独群13.3ヵ月、ハザード比[HR]:0.77、95%信頼区間[CI]:0.62~0.95、p=0.007)。骨盤内放射線療法歴がない患者の最終OSはそれぞれ24.5ヵ月および16.8ヵ月であった(HR:0.64、95%CI:0.37~1.10、p=0.11)。増悪後のOSは、ベバシズマブ併用群と化学療法単独群で有意差は確認されなかった(8.4ヵ月 vs. 7.1ヵ月、HR:0.83、95%CI:0.66~1.05、p=0.06)。 瘻孔(全Grade)は、ベバシズマブ併用群220例中32例(15%)、化学療法単独群220例中3例(1%)にみられた。全例が放射線療法歴を有する患者であった。Grade 3の瘻孔は13例(6%)vs.1例(<1%)であった。緊急手術、敗血症または死亡に至った瘻孔はなかった。

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ニボルマブ、MSI-H転移性大腸がんに承認/FDA

 ブリストル・マイヤーズ スクイブ社(NYSE:BMY/本社:米国ニューヨーク/CEO:ジョバンニ・カフォリオ)は2017年8月1日、米国食品医薬品局(FDA)が、フルオロピリミジン、オキサリプラチンおよびイリノテカンによる治療後に病勢進行した高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)またはミスマッチ修復機構欠損(dMMR)の転移性大腸がん(mCRC)の成人および小児(12歳以上)患者の治療薬として、ニボルマブ(商品名:オプジーボ)を承認したことを発表した。この適応は、奏効率(ORR)および奏効期間に基づき、迅速承認された。この適応の承認の継続条件は、検証試験において臨床的有用性を証明し記載すること。推奨用量は240mgで、病勢進行または忍容できない毒性が認められるまで、2週間ごとに60分以上かけて静脈内投与する。 CheckMate-142試験では、フルオロピリミジン、オキサリプラチンおよびイリノテカンによる治療歴を有する患者(74例中53例)において、ニボルマブの投与により28%(95%CI:17~42、53例中15例)の奏効が認められた。完全奏効(CR)は1.9%(53例中1例)、部分奏効(PR)は26%(53例中14例)であった。これらの奏効患者における奏効期間中央値は未達(2.8+~22.1+ヵ月)であった。登録された全患者では、ニボルマブのORRは、32%(95%CI:22~44、74例中24例)であり、CRは2.7%(74例中2例)、PRは30%(74例中22例)であった。■参考ブリストル・マイヤーズ スクイブ(米国)ニュースリリースCheckMate-142試験(Clinical Triakls.gov)■「MSI-H」関連記事 いよいよ臨床へ、がん種を問わないMSI-H固形がんをどう診断し、治療していくか

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ペルツズマブはHER2陽性乳がんの再発を有意に減少させる(解説:下村 昭彦 氏)-706

 HER2陽性乳がんに対する術後薬物療法としてのトラスツズマブの有用性については広く知られており、実臨床で必須の標準治療となっている。また、ペルツズマブの上乗せはHER2陽性転移再発乳がんの1次治療として、ドセタキセル+トラスツズマブに対して有意に予後を改善させることが広く知られている1)。 今回の大規模臨床試験は、HER2陽性乳がんに対する標準術後薬物療法である化学療法+トラスツズマブに対し、ペルツズマブの上乗せを検証した二重盲検ランダム化比較第III相試験である2)。腫瘍径1cm以上、または腫瘍径0.5~1.0cmでハイリスクの条件を満たすもの(組織/核Grade3、ホルモン受容体陰性、35歳未満)を対象とした。中間解析でイベント数が少ないことが予想されたため、3,655例の症例が登録された段階で、リンパ節転移陽性のみを適格とするようプロトコール変更が行われた。主要評価項目は3年無浸潤疾患生存率(invasive disease free survival:IDFS)で、プラセボ群の89.2%に対しペルツズマブ群が91.8%(ハザード比:0.75)を仮説とし、各群379イベントが必要とされた。 2011年11月~2013年8月に2,400例がペルツズマブ群に、2,405例がプラセボ群に割り付けられた。3年IDFSはペルツズマブ群で94.1%、プラセボ群で93.2%(ハザード比:0.81、95%CI:0.66~1.00、p=0.045)であり、ペルツズマブ群で有意に良好であった。サブグループ解析では、リンパ節転移陰性では97.5% vs.98.4%(ハザード比:1.13、p=0.64)、リンパ節転移陽性では92.0% vs.90.2%(ハザード比:0.77、p=0.02)と、リンパ節転移陽性ではペルツズマブ群で有意に良好であったものの、陰性では両群に差は認めなかった。 術後薬物療法におけるペルツズマブの有効性が示されたものの、その絶対リスク減少は3年IDFSで0.9%であり、真に上乗せ効果の期待できる症例の絞り込みが必要である。

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新たなエビデンスを生み続けるMAMS(解説:榎本 裕 氏)-704

 STAMPEDE試験といえば、2016年のLancet誌に出た報告が記憶に新しい。未治療の進行前立腺がんに対し、標準的なADTにドセタキセル(DTX)化学療法を6コース追加することで全生存率の有意な改善を示したものである。前年に同様の結果を報告したCHAARTED試験とともに、未治療進行前立腺がんの治療を変容しつつある(本邦では保険適応の問題から、普及にはまだ遠いが)。 STAMPEDE(Systemic Therapy in Advancing or Metastatic Prostate cancer: Evaluation of Drug Efficacy)は、初回ホルモン治療(ADT)を行う局所進行ないし転移性前立腺がん患者を対象とした前向き臨床試験で、複数のRCTを同時進行で行うMAMS(multiarm, multistage)プラットフォームを特徴としている。今回の報告は、ADT単独療法を対照として、アビラテロン(ABI)+プレドニゾロン(PSL)の追加がOSを改善するかどうかを検討した。 STAMPEDEでは、未治療転移性がんだけではなく、未治療局所進行がん、さらには前立腺全摘や根治照射後の再発例も対象に含んでいる。今回の解析対象患者のうち再発症例は4~7%のみであるが、遠隔転移がなく根治照射を予定している患者が41%程度含まれていることは注意が必要だ。遠隔転移のある症例では病勢進行までADT(またはADT+ABI+PSL)が継続されるが、遠隔転移がなく根治照射を行った例では病勢進行がない場合、薬物治療は最長2年間となっている。 今回の試験結果では、転移性がんではABI+PSLの追加が有意なOS改善をもたらした(HR:0.61)。この結果は、同時に発表されたLATITUDE試験の結果を再現している。転移のない症例でもOSは改善傾向であったが、40ヵ月という追跡期間では十分な差を出せていない。転移性がんについていえば、ADT+DTXが引き続き今後の標準治療になるのか、ADT+ABI+PSLが取って代わるのか、はたまたADT+DTX+ABI+PSLの併用に進んでいくのか、今後の研究に期待したい。

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転移性前立腺がんの初期治療の行方は?(解説:榎本 裕 氏)-702

 1941年のHuggins and Hodgesの報告以来、転移性前立腺がん治療の中心はアンドロゲン除去療法(ADT)であった。近年、去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)に対する治療薬が次々に登場し、治療戦略が大きく変容しているが、転移性前立腺がんの初期治療に関しては70年以上にわたってほとんど進歩がなかった。第1世代の抗アンドロゲン薬(ビカルタミド、フルタミドなど)を併用するMAB(maximum androgen blockade)療法が広く行われているが、OSに対するベネフィットを示す報告は少ない。 この状況に風穴をあけたのが2015-16年に報告されたCHAARTED試験、STAMPEDE試験である。未治療の進行前立腺がんに対し、標準的なADTにドセタキセル(DTX)化学療法を6コース追加することで全生存率の有意な改善を示した。CRPCに対して予後改善効果のある薬剤をホルモン感受性のうちに「前倒しして」投与することでPFSのみならずOSまで改善するという報告は強いインパクトを与えた。 今回の報告は、ホルモン感受性の転移性前立腺がんに対し、第2世代の抗アンドロゲン薬であるアビラテロンをADTに併用するプラセボ対照の前向きRCTである。アビラテロンの追加は、死亡リスクを有意に低下させた(HR:0.62)。直接比較はできないものの、この数値はDTX追加によるベネフィット以上である可能性があり、非常に有望なアプローチといえる。一方、長い治療期間(DTX 6コースは18週間だが、アビラテロンは2年以上)による副作用とコスト増は懸念されるところであろう。とくにアビラテロンではプレドニゾロンの併用が必須であり、ステロイドによる副作用も懸念される。より長期間の追跡調査が必要である。 さらに、ADTにアビラテロンとDTX両方を上乗せする臨床試験が行われている。作用機序の異なる薬剤の併用は、さらなる予後改善をもたらすのか? 続報に期待したい。

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多くのがん種で開発中、ペムブロリズマブの最新トピックス

 2017年7月4日、MSD株式会社はメディアラウンドテーブルを開催し、同社グローバル研究開発本部オンコロジーサイエンスユニット統括部長の嶋本 隆司氏が、ASCO2017の発表データを中心にキイトルーダ(一般名:ペムブロリズマブ)の最新トピックスを解説するとともに、併用療法を含めた今後の開発戦略について語った。 本邦において、ペムブロリズマブは2016年に「根治切除不能な悪性黒色腫」および「PD-L1陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」に対する適応を取得。2015年に「治癒切除不能な進行・再発の胃がん」に対して「先駆け審査指定品目」の指定を受けているほか、現在は「再発または難治性の古典的ホジキンリンパ腫」および「局所進行性または転移性の尿路上皮がん(優先審査対象)」が承認申請中、13がん種以上で後期臨床開発プログラムが進んでいる。米国でNSCLCは適応拡大、尿路上皮がんとMSI-H/dMMR固形がんで承認取得 ASCO2017では、ペムブロリズマブについて16のがん種に対する50以上のデータが発表された。肺がん領域は、欧州臨床腫瘍学会(ESMO 2016)の続報が中心となった。初回治療でEGFRまたはALK変異がなく、かつPD-L1発現不問の進行非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)患者を対象に、化学療法との併用を評価したKEYNOTE-021試験(コホートG)では、統計学的な有意差は得られなかったものの、長期フォローアップで全生存期間(OS)の延長傾向が示された。米国ではすでにPD-L1発現を問わず、化学療法との併用でNSCLCの1次治療に適応が拡大され、現在、日本も参加して第III相試験(KEYNOTE-189試験)を実施中という。 米国で2017年5月に相次いで承認された、尿路上皮がん(1次治療、2次治療)、高度マイクロサテライト不安定(MSI-H)またはミスマッチ修復欠損(dMMR)を示す進行固形がんに対する試験結果も発表された。がん種によらない、バイオマーカーに対する初の薬剤承認として注目されたMSI-H/dMMR固形がん患者に対する単剤療法を評価した試験としては、1レジメン以上の治療歴のある大腸がん以外の進行固形がん患者対象のKEYNOTE-158試験、2レジメン以上の治療歴のある進行大腸がん患者対象のKEYNOTE-164試験の結果が発表され、それぞれ全奏効率(ORR)が38%(29/77例)、28%(17/61例)、病勢コントロール率が58%(45/77例)、51%(31/61例)という結果が得られている。進行胃がん、トリプルネガティブ乳がんでも有望な結果 2ライン以上の治療歴のある進行胃がん患者(259例)を対象に単剤療法を評価したKEYNOTE-059試験(コホート1)では、42.4%の患者で何らかの腫瘍縮小効果がみられ、ORRは11.6%であった。この結果を基に、米国では優先審査の対象に指定され承認審査が進んでいる。嶋本氏は「ORRだけをみると目を見張るような結果ではないが、治療の選択肢がすでに非常に限られた対象であること、多くの患者で腫瘍縮小効果がみられたことが評価され、優先審査につながったと考えている」と話した。 また、トリプルネガティブ乳がん患者を対象に、術前化学療法との併用を評価したKEYNOTE-173試験では、病理学的完全奏効率(pCR)がコホートA(ペムブロリズマブ+パクリタキセル→ペムブロリズマブ+ドキソルビシン/シクロホスファミド[AC])で50~60%、コホートB(ペムブロリズマブ+パクリタキセル+カルボプラチン→ペムブロリズマブ+AC)で80%という結果が得られた。「従来の術前化学療法のpCRは20~30%であることから、ペムブロリズマブの乳がんに対する効果を示す有望な予備データといえる」と嶋本氏。同じく術前化学療法との併用を評価したI-SPY2試験では、トリプルネガティブ乳がん患者において、ペムブロリズマブ群(ペムブロリズマブ+パクリタキセル→AC)の推定pCRがコントロール群(パクリタキセル→AC)の3倍となるという結果が得られている。この結果を受け、現在、日本も参加して第III相試験が進行中という。IDO阻害薬との併用、単剤よりも高い奏効率 IDO(indoleamine 2,3-dioxygenase)阻害薬epacadostatとの併用を評価したECHO-202試験の結果も発表されている。本試験は複数のがん種に対して行われているが、そのうちNSCLC、転移性または再発性の扁平上皮頭頸部がん(SCCHN)、進行性尿路上皮膀胱がん(UC)、進行性腎細胞がん(RCC)の結果が紹介された。NSCLCでORRが35%(14/40例)、SCCHNで34%(13/38例)、UCで35%(14/40例)、RCCで33%(10/30例)と、いずれもペムブロリズマブ単剤よりも高い奏効率が得られている。日本人を含む第III相試験が進行中または準備を進めている段階で、早期の承認取得を目指すという。安全性については、本試験の安全性解析対象集団である進行がん患者294例を対象としたプール解析の結果、Grade 3以上の有害事象は患者の18%に認められ、最も高頻度のものはリパーゼ上昇(無症候性)4%、次いで発疹3%であった。この結果について嶋本氏は、「単剤と比較して大きく毒性が増すものではないとみられる」と話した。 IDO阻害薬のほか、化学療法や分子標的治療薬、新規ワクチンなどとの併用療法について、現在300以上の臨床試験が進行中だという。嶋本氏は、「がん種ごと、さらには肺がんのように多様性のあるがん種では患者背景ごとにアプローチしていくことも視野に入れて、ペムブロリズマブを核に、それぞれ適切な併用薬を検証していく」と結んだ。■関連記事ペムブロリズマブ、尿路上皮がんの優先審査対象に指定:MSDNSCLC1次治療におけるペムブロリズマブ+化学療法の追跡結果/ASCO2017尿路上皮がんにペムブロリズマブを承認:FDAペムブロリズマブ、臓器横断的ながんの適応取得:FDA進行胃がん、ペムブロリズマブの治療効果は?KEYNOTE-059/ASCO2017早期乳がんにおける免疫療法の役割の可能性

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ニボルマブ、転移・再発NSCLCの1次治療で予後改善せず/NEJM

 未治療のStage IVおよび再発の非小細胞肺がん(NSCLC)の治療において、抗PD-1抗体製剤ニボルマブは標準的な化学療法と比較して予後を改善しないことが、米国・オハイオ州立大学総合がんセンターのDavid P. Carbone氏らが行ったCheckMate 026試験で示された。研究の成果は、NEJM誌2017年6月22日号に掲載された。ニボルマブは、既治療の転移のあるNSCLCの2つの第III相試験でドセタキセルよりも全生存(OS)期間が優れ、未治療のNSCLCの第I相試験では持続的奏効や良好な安全性プロファイルが報告されている。一方、PD-L1を超えるバイオマーカーの探索が進んでおり、腫瘍の遺伝子変異負荷(tumor-mutation burden:TMB)が高度な患者は、免疫療法からベネフィットを得る可能性が高いことが示唆されている。541例で有用性を直接比較する無作為化試験 本研究は、Stage IV・再発NSCLCの1次治療におけるニボルマブの安全性と有効性を評価する国際的な非盲検無作為化第III相試験である(Bristol-Myers Squibb社などの助成による)。 対象は、組織学的に扁平上皮がんまたは非扁平上皮がんが確認されたStage IV・再発NSCLCで、全身状態(ECOG PS)が0/1、登録前6ヵ月以内の生検で採取された検体のPD-L1発現が、中央判定で1%以上の患者であった。 被験者は、ニボルマブ3mg/kgを2週ごとに静脈内投与する群または担当医が選択したプラチナ製剤ベースの2剤併用化学療法を3週ごとに4~6サイクル施行する群に、1対1の割合でランダムに割り付けられた。化学療法群の患者は、病勢進行後、ニボルマブへのクロスオーバーが可能とされた。 主要評価項目はPD-L1の発現が≧5%の患者における無増悪生存(PFS)とし、評価は独立審査委員会によって盲検下の中央判定で行われた。また、探索的検討として、TMB別の有効性の解析も行った(全エクソームシーケンスで検出された腫瘍の体細胞ミスセンス変異数が0~99個の場合を低TMB、100~242個を中TMB、243個以上を高TMBと定義)。 2014年3月~2015年4月に1,325例が登録され、541例(41%)がランダム化の対象となった。ニボルマブ群に271例が、化学療法群には270例が割り付けられた。実際に治療を受けたのは530例(98%)だった。ベースラインの全体の年齢中央値は64歳(範囲:29~89歳)、女性が39%であった。Stage IVが92%、再発は8%だった。PFS期間中央値、ニボルマブ群4.2ヵ月、化学療法群5.9ヵ月  PD-L1≧5%の423例(ニボルマブ群:211例、化学療法群:212例)の解析では、PFS期間中央値はニボルマブ群が4.2ヵ月と、化学療法群の5.9ヵ月に比べむしろ短かった(ハザード比[HR]:1.15、95%信頼区間[CI]:0.91~1.45、p=0.25)。1年PFS率は、それぞれ24%、23%であった。 PD-L1≧5%の患者のOS期間中央値にも、有意な差は認めなかった(14.4 vs. 13.2ヵ月、HR:1.02、95%CI:0.80~1.30)。1年OS率は、それぞれ56%、54%だった。なお、化学療法群212例のうち128例(60%)が、後治療としてニボルマブの投与を受けていた。 PD-L1≧5%の患者の最良総合効果は、ニボルマブ群が26%(完全奏効[CR]:4例、部分奏効[PR]:51例)、化学療法群は33%(1例、70例)であった。奏効までの期間中央値は両群でほぼ同様であった(2.8 vs. 2.6ヵ月)のに対し、奏効期間中央値はニボルマブ群が2倍以上長かった(12.1 vs. 5.7ヵ月)。 TMB別の探索的解析では、高TMB例においてニボルマブ群が化学療法群に比べ奏効率(47 vs. 28%)、PFS期間中央値(9.7 vs. 5.8ヵ月)が良好であった。しかし、OS期間に差は認めなかった。 治療関連有害事象は、ニボルマブ群が71%、化学療法群は92%に発現した。このうちGrade 3/4は、それぞれ18%、51%であった。ニボルマブ群で最も頻度の高い有害事象は疲労(21%)であり、次いで下痢(14%)、食欲減退(12%)、悪心(12%)、皮疹(10%)の順であり、皮疹は免疫学的原因による可能性が示唆された。 著者は、「化学療法群は、患者の多くがニボルマブによる後治療を受け、ベースラインの背景因子のうちいくつかが良好な予後と関連した可能性が高い(わずかだが肝転移例が少なく、標的病変径和が小さく、女性が多い)が、ニボルマブ群は、ニボルマブ治療で予後が良好となる可能性が高い因子(PD-L1≧50%、高TMB)を持つ患者が少なかったことが、これらの結果に影響を及ぼした可能性がある」と考察している。

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進行期大腸がん、1次治療での最適な分子標的薬とは/JAMA

 未治療の進行期または転移のある大腸がんでKRAS野生型遺伝子を有する患者において、化学療法と組み合わせる分子標的治療として、セツキシマブ(商品名:アービタックス)とベバシズマブ(同:アバスチン)を比較検討する無作為化試験が、米国・カリフォルニア大学のAlan P. Venook氏らにより行われた。結果、全生存期間(OS)について有意な差は認められなかった。分子標的治療の上乗せは、進行期または転移のある大腸がんの患者に臨床的有益性をもたらすが、いずれの分子標的薬が未治療患者への至適な選択であるかは不明であった。JAMA誌2017年6月20日号掲載の報告。セツキシマブ上乗せ vs.ベバシズマブ上乗せの無作為化試験 研究グループは、KRAS野生型遺伝子を有する進行期または転移性大腸がんの初回治療として、mFOLFOX6レジメン(ロイコボリン+フルオロウラシル+オキサリプラチン)またはFOLFIRIレジメン(ロイコボリン+フルオロウラシル+イリノテカン)に、セツキシマブとベバシズマブのどちらを上乗せすることが優れるかを検討した。 2005年11月~2012年3月に、米国およびカナダのNational Clinical Trials Networkを通じて、地域および大学のセンターで18歳以上の患者1,137例を登録し、無作為にセツキシマブ上乗せ群(578例)またはベバシズマブ上乗せ群(559例)に割り付けた。担当医と患者の選択によるmFOLFOX6レジメンまたはFOLFIRIレジメンに、それぞれの試験薬を併用して投与し追跡した。 主要評価項目はOSであった。また、副次評価項目は、無増悪生存(PFS)、全奏効率、各部位の完全もしくは不完全奏効または部分奏効などであった。OSはセツキシマブ群30.0ヵ月、ベバシズマブ群29.0ヵ月で有意差なし 被験者1,137例は、年齢中央値59歳、女性が440例(39%)。このうち1,074例(94%)が適格基準を満たした。 最終追跡日の2015年12月15日時点で、生存患者(263例)の追跡期間中央値は47.4ヵ月(範囲:0~110.7ヵ月)であった。また、82%(938/1,137例)の患者で疾患進行が認められた。 OS中央値は、セツキシマブ群30.0ヵ月、ベバシズマブ群29.0ヵ月で、層別化ハザード比(HR)は0.88(95%信頼区間[CI]:0.77~1.01、p=0.08)であった。 PFS中央値はセツキシマブ群10.5ヵ月、ベバシズマブ群10.6ヵ月で、層別化HRは0.95(95%CI:0.84~1.08、p=0.45)であった。奏効率も有意差はみられず、セツキシマブ群59.6%、ベバシズマブ群55.2%であった(差:4.4%、95%CI:1.0~9.0、p=0.13)。

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アビラテロン+ADT、転移前立腺がんのOSを38%改善/ASCO2017

 アンドロゲン除去療法(ADT)+ドセタキセルはホルモン療法未治療前立腺がん(mHNPC)の標準治療となっている。一方、去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)は増加しており、米国では前立腺がんの3%、欧州では6%、さらにアジア・パシフィックでは60%を占める。CRPCでは早期から、アンドロゲン受容体のシグナル伝達再活性化がみられADT耐性を誘導する可能性がある。去勢抵抗性発現以前に、CRPC治療薬であるアビラテロン酢酸エスエル(AA)を投与することで、mHNPCの生存は改善するのか。LATITUDE試験は、高リスクmHNPC患者において、ADTにAA+P(プレドニゾロン)を追加した臨床的利益を評価する第III相プラセボ対照二重盲検試験である。本試験の初回中間解析の結果が、フランスInstitute of Gustave RoussyのKarim Fizazi氏らにより米国臨床腫瘍学会年次大会(ASCO2017)で発表された。 対象患者は、3つの危険因子(グリソンスコア8以上、3つ以上の骨病変、測定可能な内臓転移の存在)のうち2つ以上を有するmHNPC(ECOG PS 0~2)。登録された1,199例を1:1でADT+AA+P群またはADT+プラセボ群に無作為に割り付けた。主要評価項目は、全生存期間(OS)および画像上の無増悪生存期間(rPFS)であった。 結果、OSについては、ADT+AA+P群では未達、ADT+プラセボ群では34.7ヵ月であり、ADT+AA+P群で有意に改善し、リスク低下は38%であった(HR:0.62、95%CI:0.51~0.76、p<0.0001)。rPFSについては、ADT+AA+P群で33.0ヵ月、ADT+プラセボ群では14.8ヵ月と、ADT+AA+P群で有意に改善し、リスク低下は53%であった(HR:0.47、95%CI:0.39~0.55)。今回の初回中間解析では、副次的評価項目もほとんどの項目がADT+AA+P群で有意に支持されていた。Grade3/4の有害事象の発現はADT+AA+P群で63%、ADT+プラセボ群で48%。ADT+AA+P群で頻度が高かったものは高血圧、低カリウム血症、ALT上昇、AST上昇などであった。 この試験の結果は、学会での発表と同時にNew England Journal of Medicine誌に掲載された。

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III期NSCLCの化学放射線同時併用療法に適用するレジメンは?本邦のランダム化試験の結果発表/ASCO2017

 化学放射線同時併用療法(CCRT)は、手術不能なIII期非小細胞肺がん(NSCLC)患者に対する標準治療であるが、最良の化学療法レジメンは特定されていない。S-1とシスプラチン(CDDP)の併用(SP)は進行NSCLCに対する標準化学療法レジメンの1つであり、CCRTにおける良好な成績も報告されている。day1、8に分割したドセタキセルとCDDPの併用(DP)を用いたCCRTは、旧世代のCDDPレジメンとの比較試験で、良好な結果(2年生存割合)を示しているが、全生存については有意な差は認めていない。そこで、日本医科大学の久保田 馨氏らは、NSCLC患者に対するCCRTにおいて、SPとday1のみにドセタキセル+CDDPを投与するDPの2つの併用化学療法レジメンの成績を評価するランダム化第II相試験TORG1018を行い、その結果を米国臨床腫瘍学会年次大会(ASCO2017)で発表した。 対象は手術不能なIII期NSCLC患者で、化学療法、放射線療法、外科療法歴なし。登録された患者をSP群またはDP群にランダムに割り付けた。SP群ではS-1 80~120mg/m2/日(day1~14)とCDDP 60mg/m2(day1)を4週ごとに、DP群ではドセタキセル50mg/m2とCDDP 80mg/m2(両薬ともday1)を4週ごとに投与した。同時併用する放射線療法(60Gy/30分割)は、両群ともにday1から開始した。CCRT後、両群の患者は、3週ごとの地固め化学療法をさらに2回受けた。主要評価項目は2年生存割合(2yOS)、副次評価項目は全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)、毒性プロファイル、用量強度、奏効割合(ORR)。期待2yOSは65%、閾値2yOSは50%とした。 結果、2011年5月~2014年8月に、19施設から110例の患者が登録され、106例(各群53例)が評価対象となった。男性83例、女性23例、年齢中央値は65歳(42~74)であった。観察期間39.3ヵ月での2yOSはSP群で79%(95%CI:66~88%)、DP群では69%(95%CI:55~80%)であり、両群共に主要評価項目を達成した。OS中央値はSP群で55.23ヵ月、DP群で50.83ヵ月、ORRとPFSはSP群でそれぞれ71.7%、11.63ヵ月、DP群では67.9%、19.91ヵ月であった。 DP群におけるGrade3/4の白血球減少および好中球減少はSP群より有意に高かった。また、発熱性好中球減少症、肺臓炎はDP群でより高い傾向があった。毒性の少なさと共に2yOSはSP群で良好であり、将来はSPを放射線同時併用の適用レジメンとして選択する、と著者は結んでいる。■参考 ASCO2017 Abstract

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MEK1/2阻害薬、KRAS変異陽性NSCLCの予後改善示せず/JAMA

 既治療の進行KRAS変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)の治療において、ドセタキセル(DOC)にselumetinibを追加しても、DOC単剤に比べ無増悪生存(PFS)は改善されないことが、米国・ダナ・ファーバーがん研究所のPasi A.Janne氏らが実施したSELECT-1試験で示された。研究の成果は、JAMA誌2017年5月9日号に掲載された。KRAS変異は、肺腺がん患者の約25%に発現し、NSCLCで最も高頻度にみられる遺伝子変異であるが、これを標的とする分子標的薬で承認を得たものはない。KRAS変異は、MAPKキナーゼ(MEK)に関与するMAPK経路を含むシグナル伝達経路の下流の活性化によって腫瘍の増殖を促進する。selumetinibは、MEK1とMEK2を選択的に阻害する経口薬で、アロステリックにKRAS変異を抑制する。2次治療の上乗せ効果を評価するプラセボ対照無作為化試験 本研究は、KRAS変異陽性NSCLCの2次治療におけるselumetinib+DOC療法の有用性を評価するプラセボ対照無作為化第III相試験で、25ヵ国202施設の参加のもと、2013年10月~2016年1月に行われた(AstraZeneca社の助成による)。 前治療歴が1レジメンで、中央判定でKRAS変異陽性であったStage IIIB/IV NSCLC患者510例のうち、selumetinib+DOC群に254例、プラセボ+DOC群に256例がランダムに割り付けられた。selumetinib群は、selumetinib75mgを1日2回経口投与され、DOC 75mg/m2を21日ごとに静脈内投与された。プラセボ群も同様のスケジュールで治療が行われた。 主要評価項目は担当医評価によるPFSとし、副次評価項目には全生存(OS)、客観的奏効率(ORR)、奏効期間などが含まれた。第II相試験とは異なる結果 全体の平均年齢は61.4(SD 8.3)歳、41%が女性であった。505例(99%、selumetinib群:251例、プラセボ群:254例)が治療を受け、試験を完遂した。データカットオフ日(2016年6月7日)の時点で、447例(88%)に病勢進行のイベントがみられ、346例(68%)は死亡した。 PFS期間中央値は、selumetinib群が3.9ヵ月(IQR:1.5~5.9)、プラセボ群は2.8ヵ月(同:1.4~5.5)であり、両群に有意な差を認めなかった(群間差:1.1ヵ月、ハザード比[HR]:0.93、95%信頼区間[CI]:0.77~1.12、p=0.44)。 OS期間中央値は、selumetinib群が8.7ヵ月(IQR:3.6~16.8)、プラセボ群は7.9ヵ月(IQR:3.8~20.1)と、やはり有意差はみられなかった(群間差:0.9ヵ月、HR:1.05、95%CI:0.85~1.30、p=0.64)。 ORRは、selumetinib群が20.1%(完全奏効:2例、部分奏効:49例)、プラセボ群は13.7%(0例、35例)であった(群間差:6.4%、オッズ比[OR]:1.61、95%CI:1.00~2.62、p=0.05)。また、奏効期間中央値は、それぞれ2.9ヵ月(IQR:1.7~4.8、95%CI:2.7~4.1)、4.5ヵ月(2.3~7.3、2.8~5.6)だった。 頻度の高い有害事象は、selumetinib群が下痢(61%)、悪心(38%)、皮疹(34%)、末梢浮腫(30%)であり、プラセボ群は下痢(35%)、疲労(31%)、脱毛(25%)、悪心(24%)であった。Grade 3以上の有害事象は、selumetinib群が67%(脱力:9%、呼吸困難:8%、下痢:7%、好中球減少:7%など)と、プラセボ群の45%に比べ高頻度であった。 これらの知見は、以前に同じデザインで行われた第II相試験の結果とは異なっており、有効性は、プラセボ群は第II相よりも今回の第III相試験が優れ、selumetinib群は第II相よりも第III相試験のほうが不良であった。著者は、「この差は試験デザインによるとは考えられず、両試験とも多くの国で行われた国際研究であるため地域差の影響もないと思われる」としている。

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VEGF阻害剤アフリベルセプト ベータ、大腸がんに承認:サノフィ

 サノフィ株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:ジャック・ナトン)は、2017年3月30日、抗悪性腫瘍剤/VEGF(血管内皮増殖因子)阻害剤アフリベルセプト ベータ(商品名:ザルトラップ点滴静注 100mg/200mg、以下ザルトラップ )について、「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌」の効能・効果で厚生労働省より製造販売承認を取得したと発表。 アフリベルセプト ベータは、がんの増殖や転移に関与するVEGF-A、VEGF-Bおよび胎盤増殖因子(PlGF)に作用する分子標的治療薬。オキサリプラチンを含む化学療法で治療中または治療後に増悪した転移性結腸・直腸がんの2 次治療として、FOLFIRI療法(イリノテカン、レボホリナートおよびフルオロウラシル)との併用でプラセボと比較した海外III相臨床試験(VELOUR試験)では、主要評価項目である全生存期間(OS)を13.50ヵ月と、プラセボ群の12.06ヵ月に対し、有意に改善した(HR:0.817、95.34%CI:0.713~0.937、p=0.0032)。また、副次的評価項目の無増悪生存期間(PFS)も有意に改善している( HR:0.758、 95%CI:0.661〜0.869、p<0.0001)。  ザルトラップは2017年3月現在、70以上の国と地域で承認されており、日本では、2016年4月にサノフィが製造販売承認申請を行っていた。なお、日本での製造販売はサノフィが行い、プロモーションはサノフィとヤクルト本社が共同で行う。(ケアネット 細田 雅之)参考VELOUR試験(Clinical Trials.gov)

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PD-L1発現肺がん、ペムブロリズマブで長期生存を得る確率

 ペムブロリズマブの非小細胞肺がん(以下、NSCLC)に対する効果は、一部の患者で非常に持続的である。ペムブロリズマブの長期生存の恩恵を受ける患者の割合はどの程度なのだろうか?このテーマに関する知見が、本年(2017年)のASCO-SITC(SITC:society of immune therapy of cancer)で発表された。 ペムブロリズマブは、KEYNOTE-001研究で進行NSCLCへの有望な効果を示し、KEYNOTE-010試験ではドセタキセルと比べ全生存期間(OS)の有意な延長を示した。しかし、ペムブロリズマブの長期生存の恩恵を受ける患者の割合については、典型的なパラメトリックな生存モデルでは解析できない。研究者らはそれに代わり、長期生存時間解析と呼ばれる確立された統計モデルを用いて、5年を超える長期生存を達成した患者の割合を「長期生存率」として直接推定している。  分析には、KEYNOTE-001およびKEYNOTE-010試験における既治療のPD-L1発現(腫瘍比率スコアTPS≧1%)患者からのデータが用いられた。KEYNOTE-001試験のデータはペムブロリズマブの初期の長期生存率の推定に、KEYNOTE-010試験のデータはその後の独立した因子の検証に用いられた。 主な結果は以下のとおり。・KEYNOTE-001試験(n=306)におけるペムブロリズマブ治療患者の推定長期生存率は25.4%(95%CI、15.2~33.3)であった。・KEYNOTE-010試験(n=690)では25.3%(95%CI、8.9~36.9)であった。・KEYNOTE-010試験におけるドセタキセル群(n=343)の推定長期生存率は3.2%(95%CI:0~17.4)であった。 2つの独立したデータセットでは、既治療のPD-L1発現NSCLCの患者の25%が、ペムブロリズマブ単剤療法から長期間の利益を得ることができると推定された。今後の長期的なフォローアップが、当知見の検証をさらに進めるであろう。(ケアネット 細田 雅之)参考KEYNOTE-001試験(Clinical Trials.gov)KEYNOTE-010試験(Clinical Trials.gov)

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