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レビー小体病を画像診断で層別解析

 パーキンソン病(PD)、認知症を伴うパーキンソン病(PDD)、レビー小体型認知症(DLB)は、レビー小体病(LBD)と総称される。神経症状を欠く一次性レビー小体病(pure psychiatric presentation:PPP)は、明らかなパーキンソン症候がなく、長年にわたり認知障害が続くという精神症状において、第四のサブタイプといえるかもしれない。石川県・粟津神経サナトリウムの小林 克治氏らは、60例のmeta-iodobenzylguanidine(MIBG)心筋シンチグラフィー検査の解析を行い、層別解析結果を報告した。International Journal of Geriatric Psychiatry誌オンライン版2014年10月22日号の掲載報告。 本研究では、心筋MIBG検査で低集積がみられる被験者が、PPPを有するかを検討することが目的であった。心筋MIBGを受けた60例(女性28例、男性32例)を、精神医学的な画像診断に基づき、うつ病群(D群、27例)、単独幻視群(V群16例)、精神病群(P群17例)の3群に層別化した。56例については、脳SPECT検査も行われ、37例で血流低下が認められ、19例で異常所見はみられなかった。それらに基づき最終的な診断(PD、PDD、DLB、PPP)を、DSM-IV、統合パーキンソン病評価尺度(UPDRS)、Mini-mental state examination(MMSE)を用いて行った。 主な結果は以下のとおり。・D群(うつ病)患者のうち、40%はパーキンソン症候を伴わないうつ病と診断された。しかし、約50%は典型的なパーキンソン症候が認められた。・P群(精神病)患者の大半は、PDDまたはDLBの病像を呈した。・統計的分析により、「V-DLB後頭葉血流低下群」「SPECT異常なしD-PD群」「側頭葉血流低下P-PDD群」「SPECT異常なしD-PPP群」の4つの組み合わせが示された。・PPPは大うつ病性障害を特徴とし、LBD予備群、PDのうつの前駆症状の可能性がある。PDDを特徴付けるにあたり、精神病と認知症は質的に同等であった。関連医療ニュース レビー小体型認知症、パーキンソン診断に有用な方法は 認知症、アルツハイマー型とレビー小体型の見分け方:金沢大学 たった2つの質問で認知症ルールアウトが可能

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レビー小体型認知症、パーキンソン診断に有用な方法は

 パーキンソン症候群はレビー小体型認知症(DLB)の中核症状とされているが、ときに軽度であったり、症状が現れない場合もある。一方で、線条体取り込みの低下はニューロン喪失と関連していると考えられており、画像診断法123I-FP-CIT Brain SPECTは、その診断サポートツールになるとみなされていた。イタリア・ミラノ大学のDel Sole, Angelo氏らは、黒質線条体が変性する疾患と考えられているDLBにおける、123I-FP-CIT Brain SPECTとパーキンソン症候群との相関性について調べた。結果、SPECTは、パーキンソン症候群に関して疑いの余地がない場合(すなわち症候群が存在しない、もしくは明らかに認められる場合)には不要となるが、錐体外路症候群(EPS)が臨床的に認められる患者では、シナプス前部の黒質線条体変性を特定するのに有用である可能性を明らかにした。Clinical Nuclear Medicine誌オンライン版2014年10月6日号の掲載報告。 研究グループは、probable DLB(臨床的ほぼ確実DLB)患者を対象とした後ろ向き研究にて、線条体での123I-FP-CIT取り込みとEPSとの相関について調べ、運動機能障害と関連する123I-FP-CITの支持役割の範囲を明らかにすることを目的とした。半定量法で123I-FP-CIT取り込みを分析し、パーキンソン病統一スケール(UPDRS)パートIIIスコアと関連付けた。 主な結果は以下のとおり。・被験者は、probable DLBと診断され、広範なEPSが認められた22例であった。・123I-FP-CIT取り込みとUPDRSパートIIIスコアとの間には、有意な負の線形相関が、線条体を構成する尾状核(r=-0.69)、被殻(r=-0.72)で見つかった(p<0.001)。・EPSがみられないか疑われた患者における線条体取り込みは、年齢適合健常被験者の記録と類似していた(被殻における取り込みは99%[22%])。しかし、軽度および重度EPS患者では有意な低下がみられた(それぞれ43%[35%]、30%[17%]、p<0.0001だが軽度と重度の間には有意差なし)。関連医療ニュース 認知症、アルツハイマー型とレビー小体型の見分け方:金沢大学 せん妄はレビー小体型認知症のサインか レビー小体型認知症、アルツハイマー型との違いは?

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レビー小体型認知症(DLB)、アルツハイマー型(AD)との違いは?

 2014年9月19日、アルツハイマー型認知症(AD)治療薬アリセプト(一般名:ドネペジル)について、レビー小体型認知症(DLB)の効能・効果が承認された。都内で10月8日に開催されたエーザイ株式会社によるプレスセミナーでは、横浜市立大学名誉教授の小阪 憲司氏と、関東中央病院 神経内科部長の織茂 智之氏が講演した。世界で初めてDLB例を報告し、DLB家族を支える会の顧問でもある小阪氏は、「DLBは最もBPSD(行動・心理症状)を起こしやすい認知症であり、患者さんの苦しみも強く介護者の苦労も多い」と述べ、患者さんや介護者のQOLを高めるため、早期診断・早期治療の重要性を強調した。DLBは誤診されやすく、診断にはDLBの特徴を知ることが必要である。本稿では、織茂氏の講演からDLBの特徴を中心に紹介する。レビー小体型認知症とアルツハイマー型認知症の違い 剖検例の検討では、認知症例のうちDLBが12~40%を占める。わが国の久山町研究の剖検例ではDLBが41.4%と報告されており、従来認識されているより患者数は多いと考えられる。 織茂氏はまず、ADとは異なるDLBの特徴として、記憶障害の発症前に多くの身体症状が発現することを挙げた。90例のprobable DLB患者での検討では、記憶障害発症の9.3年前から便秘が、4.8年前からうつが、4.5年前からレム睡眠行動異常症が発現していたと報告されている。 DLBの症状の特徴として、以下の5つが挙げられる。1)幻視を主体とする幻覚2)パーキンソン症状(手足が震える・四肢が硬くなる・動作が遅くなる・歩行障害) ADでは発現しないため、これらの症状が発現すればDLBを疑う。3)認知機能の変動が大きい4)自律神経症状(血圧の変動・排尿障害・消化管運動障害・発汗障害など) ADでは発現しない。起立性低血圧による転倒骨折・頭部外傷、食事性低血圧による誤嚥、臥位高血圧による心臓・腎臓への負担や脳出血の危険がある。消化管運動障害としては、便秘のほか、時にイレウスを起こす危険がある。発汗障害としては、発汗減少や発汗過多が起こり、うつ熱、体温が外気温に左右されやすいなどがある。5)レム睡眠行動異常症 DLBでは病早期からみられるのに対し、ADではまれである。DLBを早期診断する努力の必要性を指摘 織茂氏は、DLBの臨床診断基準(CDLBガイドライン)における重要な点として、まず、必須症状である進行性認知機能障害について、病初期には記憶障害が必ずしも起こらないことを強調した。 DLBの診断基準では、3つの中核症状(認知機能障害の変動・繰り返す幻視・特発性パーキンソン症状)のうち2つあればprobable DLBと診断される。また、中核症状が1つでも、レム睡眠行動異常症、抗精神病薬への重篤な過敏性などの示唆的所見が1つ以上あればprobable DLBと診断される。 画像診断における特徴としては、脳MRI画像においてDLBでの海馬の萎縮はADほどではないという。また、MIBG心筋シンチグラフィにおいては、DLBは心臓が黒く写らないことからADとの鑑別が可能である。脳血流シンチグラフィやドパミントランスポーターシンチグラフィにおいても、ADとの違いが観察される。 小阪氏は、DLBの診断のポイントとして、認知症の存在にとらわれすぎないこと、早期には認知症が目立たないことが多いこと、特有な幻視・レム睡眠行動異常症・パーキンソン症状に注目することを挙げた。そのうえで、軽度認知障害のレベルでDLBを発見する努力の必要性を指摘している。DLBではさまざまな症状に対して適切な治療が必要 DLBでは、認知機能障害のほか、BPSD、パーキンソン症状、血圧変動や排尿障害などの自律神経症状など、さまざまな症状がみられることから、それぞれに対して治療を行う。 そのうち、認知機能障害に対しては、ADと同様、アセチルコリンの減少を防ぐコリンエステラーゼ阻害薬が有効である。DLBでは、中隔核のアセチルコリン系の神経細胞数がADより減少しているという。 織茂氏は、DLBではさまざまな症状に対して適切な治療が必要であるとし、また、薬剤治療を開始するときは、過敏性を考慮して少量から始めるよう注意を促した。

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エキスパートに聞く!「血栓症」Q&A Part2

CareNet.comでは特集「内科医のための血栓症エッセンス」を配信するにあたって、会員の先生方から血栓症診療に関する質問を募集しました。その中から、脳梗塞に対する質問に対し、北里大学 西山和利先生に回答いただきました。今回は、"かくれ脳梗塞"に抗血小板薬を使うべき?緊急を要する場合の見極めと対処法は?、高齢患者の内服コンプライアンスを改善するには?についての質問です。俗に使われている言葉で「かくれ脳梗塞」がありますが、かかる病態に抗血栓療法として、抗血小板薬を使う必要性(エビデンスではなく、病理学的な意味)を御教授ください。俗に言う「かくれ脳梗塞」とは、側脳室周囲に無症候性に多発するラクナ梗塞のことかと思います。これを想定して回答いたしますと、ラクナ梗塞に対する抗血栓療法の適応はあります。保険適応としてもラクナ梗塞には抗血小板薬は適応ありとなっていますし、治療ガイドラインでも同様です。ですので、「かくれ脳梗塞」が有症候性であれば、治療の適応があるわけです。脳梗塞の直接的な症状である片麻痺や構音障害などがなくても、「かくれ脳梗塞」に伴う認知症やパーキンソン症候群などがある場合は、ある意味で有症候性と考えられますので、治療の対象と考えるべきです。しかしながら、全くの無症候性の「かくれ脳梗塞」の場合に治療の適応があるかどうかはcontroversialです。年齢相応の「かくれ脳梗塞」の場合に、敢えて抗血小板薬を使用すべきかどうかについては明確な推奨はありません。日本人では抗血小板薬、特にアスピリン、による脳出血の合併が多いので、軽度の「かくれ脳梗塞」では無用なアスピリンの使用は避けるべきです。ラクナ梗塞型の「かくれ脳梗塞」は高血圧に基づく脳梗塞が多いわけですので、抗血小板薬投与ではなく、むしろ厳格な高血圧の治療を最初に行うべきであると考えられます。年齢相応を超えるような「かくれ脳梗塞」がある場合には、厳格な降圧療法などを行ったうえで、それでも「かくれ脳梗塞」が増加する場合には、抗血小板薬の使用を検討すべきでしょう。その場合、日本人ではアスピリンは脳出血や頭蓋内出血の合併が欧米よりもはるかに多いことが知られていますが、シロスタゾールやクロピドグレルはこうした出血性合併症が少ないというデータがあります。薬剤を選択する上での参考になるかも知れません。緊急を要する場合の見極めと対処法は?脳梗塞は、新規発症の場合は常に緊急の対応を要します。なぜなら、血管が閉塞して生じる脳梗塞では、血管再開通を得て完治をめざすには、発症からの数時間がカギであるからです。ではどのように脳卒中急性期と診断するかですが、急に生じた次のような症状は脳梗塞や脳卒中の可能性があるので、すぐに対応が必要であると考えていただきます。片麻痺(片側半身の運動麻痺)片側の感覚障害、構音障害(話しにくさ)運動失調発症から4.5時間以内であれば、rt-PA(recombinant tissue plasminogen activator)(アルテプラーゼ)静注療法による脳梗塞への超急性期治療が可能かもしれません。また最近ではカテーテルを用いた血栓回収治療などの血管内治療も普及しつつあります。こうした超急性期の治療が奏功すれば、脳梗塞の症状は劇的に改善します。ですので、発症後の時間が浅い脳梗塞症例では緊急で専門医療機関を受診させる必要があります。rt-PA静注療法に関しては、医療機関に到着してから治療開始までに行う検査などに1時間程度かかることが一般的です。発症後4.5時間を経過してしまうと、rt-PA静注療法の効果が減じるだけでなく、治療に伴う脳出血などの合併症の率が跳ね上がります。ですので、発症後4.5時間以内に治療開始というのが本邦でのルールであり、そのためには急性期医療機関に発症後3.5時間以内に到着できるかどうかが治療適応判定の目安になります。睡眠中に発症した脳梗塞など、いつ脳梗塞を発症したのか判然としないの症例もいます。そのような場合には、最後にその患者さんが元気だったことが確認できている時間(これを最終未発症時間と呼びます)をもって発症時間と計算するルールになっています。たとえば、目が覚めた時に片麻痺になっていた症例であれば、睡眠前に元気だったことが確認されている時間をもって発症時間と推定するわけです。高齢患者の内服コンプライアンスを改善するにはどのようにしたらよいのか?高齢者における内服のコンプライアンス不良、これは抗凝固薬に限らず、大きな課題です。若年者や中年までの患者さんでの内服コンプライアンス不良は、仕事や家事が忙しいといった理由が多いようです。ですので、内服回数を少なくしたり、内服しやすい時間帯に内服できるような工夫をしたり、出先でも内服できるような剤型にしたり、ということが大切です。一方、高齢患者での内服コンプライアンスは上記の事項以外にも、認知症のために内服を忘れる、といった理由もあるようです。これに対しては介護者が内服忘れが生じないように協力することが必要ですし、医療機関への受診頻度を上げて、適切に内服しているかどうかの確認をかかりつけ医がまめに行っていくことも重要でしょう。もちろん、高齢患者においても、内服回数が少なくてすむように工夫する、合剤を利用して錠数を減らす、といったことはコンプライアンスの改善につながると考えられます。

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パーキンソン病初期治療は、レボドパ単独が長期的に有益/Lancet

 パーキンソン病の初期治療は、レボドパ単独療法がレボドパ併用療法(ドパミンアゴニストまたはモノアミン酸化酵素B阻害薬[MAOBI])よりもごくわずかではあるが、患者評価の運動能スコアについて持続的有益性があることが示された。また初回併用療法としてはMAOBI併用がドパミンアゴニスト併用よりも有効であった。英国・バーミンガム大学PD MED共同研究グループが非盲検プラグマティック無作為化試験の結果、報告した。これまでパーキンソン病の早期患者について、レボドパ、ドパミンアゴニスト、MAOBIの3種のうちどれを初期治療として用いることが有用なのか確認されていなかった。Lancet誌オンライン2014年6月11日号掲載の報告。レボドパvs.ドパミンアゴニストvs. MAOBI 研究グループは3種のうち、どれが長期の症状コントロールおよび最良のQOLに有効なのかを明らかにするため、新規にパーキンソン病を診断された患者を対象に試験を行った。 被験者はバーミンガム大学の電話コールセンターサービスにより無作為に1対1対1の割合で、レボドパ併用療法(ドパミンアゴニストまたはMAOBI)もしくはレボドパ単独療法に割り付けられた。 主要アウトカムは、39項目からなる患者評価パーキンソン病質問票(PDQ-39)で評価した運動能力であった。またパーキンソン病のQOLへの影響を評価(範囲:0~100、6ポイント差以上を意味があると規定)し、費用対コストも評価した。分析はintention to treatにて行われた。7年間の運動能スコアの平均差、レボドパ単独群が有意に高値を維持 2000年11月9日~2009年12月22日に、1,620例の患者が各試験群に割り付けられた(レボドパ群:528例、ドパミンアゴニスト群632例、MAOBI群460例)。 追跡期間中央値3年においてPDQ-39運動能スコアは、レボドパ単独群がレボドパ併用療法群よりも平均1.8点(95%信頼区間[CI]:0.5~3.0、p=0.005)良好で、7年の観察期間中、この有益性についての増減はみられなかった。またMAOBI群とドパミンアゴニスト群の比較では、MAOBI群が平均1.4点(同:0.0~2.9、p=0.05)良好であった。 副次アウトカムのEQ-5Dスコア(一般的なQOL測定指標)は、レボドパ単独群がレボドパ併用群よりも平均0.03点(95%CI:0.01~0.05、p=0.0002)良好だった。認知機能障害(ハザード比[HR]:0.81、95%CI:0.61~1.08、p=0.14)、施設への入所(同:0.86、0.63~1.18、p=0.4)、死亡(同:0.85、0.69~1.06、p=0.17)とも有意差はみられなかったが、いずれのCI上限値ともにレボドパ単独群がレボドパ併用群よりも大幅に高値であった。 副作用により試験薬を中断したのは、レボドパ群11/528例(2%)であったのに対し、ドパミンアゴニスト群は179/632例(28%)、MAOBI群は104/460例(23%)であった(p<0.0001)。

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日本発!家族性パーキンソン病患者におけるGBA遺伝子変異研究

 グルコセレブロシダーゼ(GBA)遺伝子変異がレビー小体形成を促進し、その結果、より重篤な家族性パーキンソン病もしくはレビー小体型認知症を引き起こす可能性があることが、順天堂大学のYuanzhe Li 氏らによって明らかとなった。Neurobiology of aging誌2014年4月号掲載の報告。 パーキンソン病(PD)患者において、GBA遺伝子が危険因子であることが知られている。本研究では、日本人の144家族のうち147例の家族性パーキンソン病患者と対照被験者100例のデータから、GBA遺伝子のエクソン配列とエクソン/イントロンの境界配列を決定した。 主な結果は以下のとおり。・家族のなかで初めて罹患したPD患者144例のうち27例(18.8%)で、ゴーシェ病変異として知られるGBA遺伝子のヘテロ接合変異が認められ、GBA遺伝子のヘテロ接合変異が強く家族性パーキンソン病と関連していることが示唆された。(オッズ比: 22.9、95%信頼区間: 3.1~171.2)・関連する頻度は、常染色体劣性PDに比べて常染色体優性PD(ADPD)で有意に高かった。・臨床的評価によると、GBA遺伝子変異を有するPD患者では、精神医学的な問題および/または認知機能低下を伴うL-ドパ反応性パーキンソニズムのようなPDもしくはレビー小体型認知症(DLB)の典型的な症状を示した。・興味深いことに、GBA遺伝子変異を有するPD患者では、心筋I-123-メタヨードベンジルグアニジン取り込みが減少していた。・今回の知見では、GBA遺伝子のヘテロ接合変異が、とくに常染色体優性PDの家族性PDにおいて強い危険因子であることがわかった。・GBA遺伝子のヘテロ接合変異をもつ患者のなかには、DLBの臨床症状を示す患者もいた。

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自殺リスクの高いパーキンソン病患者の特徴は

 トルコのパーキンソン病患者において、若年発症、罹病期間、うつ、衝動制御障害(ICD)が自殺念慮の高いリスクと関連していることが、トルコ・Erenkoy Mental Health and Neurology Training and Research病院のBetul Ozdilek氏らによって明らかとなった。Neuropsychiatric disease and treatment誌2014年3月26日号掲載の報告。 本研究は、トルコのパーキンソン病患者において、自殺念慮と自殺企図を予測する因子を調査することを目的とした。 120例のパーキンソン病患者を対象とした。臨床所見は統一パーキンソン病評価尺度(UPDRS)を基に評価を行った。重症度はホーエン・ヤール(H&Y)分類、障害の程度はSchwab & England ADLスケールを用いて評価を行った。精神鑑定は、精神障害の診断・統計マニュアル(DSM-IV)第1軸障害に基づいた構造化面接を基準とし、一人の精神科医によって行われた。うつの重症度は、ハミルトンうつ病評価尺度を用いて評価した。自殺念慮と自殺企図については、患者が生存期間中に経験した場合を「あり」とした。自殺リスクを評価するために、自殺確率尺度を用いた。データは、自殺念慮と自殺企図に関連する変数を識別するために、ロジスティック回帰モデルによって解析した。 主な結果は以下のとおり。・ロジスティック回帰分析の結果、教育レベル、病気の発症年齢、罹病期間、うつ病、および過去にICD行動が認められることが、自殺念慮の有意な予測因子であった。・とくに、うつ病および過去にICD行動を認めた患者では、自殺念慮リスクはそれぞれ5.92倍、4.97倍に増加した。・自殺企図患者は一人もいなかったが、パーキンソン病患者のうち11.6%(14/120例)の患者が生涯の間に自殺念慮を経験していた。

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パーキンソン病患者の骨の状態は?―系統的レビューとメタ解析結果より―

 パーキンソン病患者は健常者と比較して、骨粗鬆症および骨量減少ともにリスクが高く、とくに男性よりも女性でリスクが高いことが、英・West Middlesex病院のKelli M Torsney氏らによって明らかとなった。著者らはまた、パーキンソン病の患者では骨密度(BMD)も低く、骨折リスクが高まっていると示している。Journal of neurology, neurosurgery, and psychiatry誌オンライン版2014年3月11日号掲載の報告。 パーキンソン病と骨粗鬆症は、共に加齢に伴う慢性疾患である。両疾患の関連を示したある研究結果では、骨折リスクが増加していた。この系統的レビューとメタ解析の目的は、パーキンソン病と骨粗鬆症、BMDおよび骨折リスクの関連を評価することである。 文献検索は、複数のインデックス作成データベースおよび関連する検索用語を使用して2012年9月4日に行われた。文献の妥当性をスクリーニングし、選択基準を満たし十分な水準であった研究からデータを抽出した。データは、標準的なメタ解析法を用いて統合した。 主な結果は以下のとおり:・23報の研究を対象に最終分析を行った。パーキンソン病患者は健常者に比べ、骨粗鬆症のリスクが高かった(オッズ比[OR]:2.61、95%信頼区間[CI]:1.69~4.03)。・男性患者は女性患者よりも骨粗鬆症や骨減少症のリスクが低かった(OR:0.45、95%CI:0.29~0.68)。 ・パーキンソン病患者は健常対照と比較して、股関節、腰椎および大腿骨頸部のBMDレベルが低かった。大腿骨頸部 差の平均値:-0.08、95%CI:-0.13~-0.02腰椎    差の平均値:-0.09、95%CI:-0.15~-0.03股関節   差の平均値:-0.05、95%CI:-0.07~-0.03・パーキンソン病患者は、骨折のリスクも高かった(OR:2.28、95%CI:1.83~2.83)。

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パーキンソン病の症状は栄養状態と関連しQOLにも影響

 パーキンソン病患者における栄養状態には、罹病期間と運動症状・精神症状(抑うつ・不安)・疲労感の重症度が関連していることが、イラン大学のSeyed-Mohammad Fereshtehnejad氏らによって明らかとなった。著者らはまた、健康関連QOL (HRQOL)のさまざまな側面が患者の栄養状態、とくに精神的安定と可動性領域に影響されることも示唆している。PLos One誌2014年3月7日号掲載の報告。 パーキンソン病患者では、その症状や薬剤、合併症により栄養状態が悪化しやすい環境にある。しかしながら、パーキンソン病における栄養失調の要因とその転帰については、ほとんど知られていない。本研究では、パーキンソン病患者の生活の質(QOL)のさまざまな側面における栄養失調の影響のみならず、栄養状態と運動症状ならびに精神症状、疲労感との関連を調査することを目的とした。 本研究では、150例の特発性パーキンソン病患者を対象とした。人口統計学的特性、統一パーキンソン病評価尺度(UPDRS)、不安と抑うつ尺度(HADS)、疲労重症度スケール(FSS)は、対面での聞き取りや臨床検査を経て行われた。また、HRQOLは、パーキンソン病質問票(PDQ-39)を用いて評価した。栄養状態の評価のために、簡易栄養状態評価表(MNA)アンケートを身体測定と一緒に行った。 主な結果は以下のとおり:・37例(25.3%)の患者で、栄養失調のリスクが高く、他3例(2.1%)は栄養失調を来していた。・UPDRS総スコア(r=-0.613、p<0.001)およびパーキンソン病罹病期間(r=-0.284、p=0.002)とMNA総スコアとの間には、有意な逆相関の関係が認められた。・ホーエン・ヤールの重症度分類の中央値は、栄養状態が悪化しているパーキンソン病患者で有意に高かった(2.5 vs. 2.0、p<0.001)。・より重度の不安(8.8 vs. 5.9、p=0.002)、抑うつ(9.0 vs. 3.6、p<0.001)および疲労(5.4 vs. 4.2、p<0.001)が、栄養状態が悪化しているパーキンソン病患者で観察された。・スティグマ(引け目)を除き、PDQ-39のすべての領域で、MNA総スコアとの有意な相関がみられた。

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パーキンソン病患者でみられる衝動性にセロトニンが関与か

 パーキンソン病では、たとえ衝動制御障害を認めない場合でも、一般に衝動性がよくみられる。それは、ドパミン過剰遊離、運動制御にかかわる前頭葉-線条体回路における構造変化など、複数の因子が関与していると思われる。さらに、動物による前臨床試験およびヒトの研究から、パーキンソン病における応答阻害に前脳へのセロトニン作動性投射の変化も寄与している可能性が示唆されている。英国・ケンブリッジ大学のZheng Ye氏らは、パーキンソン病患者でみられる衝動性のメカニズムを探り、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)の有用性を明らかにする検討を試みた。Brain誌オンライン版2014年2月27日号の掲載報告。 本研究では、SSRIシタロプラムが、行動および神経メカニズムという観点から応答阻害を改善するか否かについてマルチモーダル磁気共鳴イメージング(MRI)研究を行った。試験デザインは二重盲検無作為化プラセボ対照クロスオーバー試験とし、衝動性などの実行機能を測定する Stop-signal 課題や Go/NoGo 課題を用いて実施した。特発性パーキンソン病患者21例(46~76歳、男性11例、Hoehn & Yahr stage:1.5~3)を対象とし、2つの時期に分けて、通常使用しているドーパミン作動薬にシタロプラム30mgまたはプラセボを追加した。マッチさせた健常対照20例(54~74歳、男性12例)は薬物を投与せずに測定した。行動および局所脳活性に及ぼす疾患と薬物の影響について、一般線形モデルを用いて分析した。さらに、拡散テンソル画像法(DTI)とそれを用いたTract-Based Spatial Statistics(TBSS)法により解剖学的関連性を検討した。 主な結果は以下のとおり。・プラセボ追加群は健常対照群と比較して、Go reaction timeに影響を及ぼすことなくStop-Signal Reaction Timeが長く、NoGo errorsが大きかったことから、パーキンソン病では応答阻害障害が惹起されていることを確認した。・この現象は、右下前頭葉における運動の実行中止に特異的な活性の減弱と関連していたが、NoGoに関連する活性においてプラセボ追加群と健常対照群の間で差は認められなかった。・シタロプラムによる有益な効果は確認されなかったが、より重症例(Unified Parkinson's Disease Rating Scaleの運動スコア高値)においてStop-Signal Reaction Time とNoGo errorsの軽減がみられ、下前頭活性が増強されていた。・シタロプラムに誘発される前頭前野領域の脳賦活の促進と前頭葉-線条体回路における構造連関の保持増強が、行動に影響していた。・シタロプラムの応答阻害に対する行動性への影響は、個々の前頭前野領域の脳賦活および前頭葉-線条体回路連関の相違に依存することが示唆された。また、疾患の重症度とシタロプラムの効果との関連は、前脳へのセロトニン作動性投射の減弱による可能性があると思われた。・これらの結果を踏まえて著者は、「本研究の結果は、認知および行動制御におけるセロトニンの重要な役割に関する広い理解に寄与するとともに、パーキンソン病を対象としたセロトニン作動性薬の臨床試験において、患者を層別化する際の新たなストラテジーを提供しうるものとなる」とまとめている。関連医療ニュース 自閉症スペクトラム障害に対するSSRIの治療レビュー 早漏症にSSRI、NO濃度との関連を確認 閉経期ホットフラッシュにSSRIが有効

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日本発!MRIはパーキンソン病患者の黒質体積損失を検出できる──メタ解析の結果──

 パーキンソン病患者において、黒質体積の損失を知るためには、MRIのT1強調画像で得られる体積測定が最も感度の高い方法であることが、徳島大学大学院の佐光 亘氏らによって明らかとなった。Journal of Parkinson's disease誌オンライン版2月27日号掲載の報告。 パーキンソン病は、黒質におけるドパミン作動性ニューロンの変性を伴う。しかしながら、MRIが黒質体積の損失を検出できるかは、今なお議論を引き起こす問題である。著者らは、この問題を明らかにするために、メタ解析を用いて、黒質緻密部の体積測定について研究している論文結果を統合した。 文献検索の結果、8報が該当した。黒質体積は、健常者とパーキンソン病患者間の標準化平均差(SMD)として表した。また、サブグループ解析は、黒質体積測定のための適切な条件を同定するために行った。結果の不均一性をもたらす変動割合を算出し、I2として表した。 主な結果は以下のとおり:・8つの試験には、172例の健常者と193例のパーキンソン病患者が含まれていた。・全体的な結果では、同種試験において健常者に比べパーキンソン病患者で黒質体積が有意に小さいことが示された(SMD:-0.65、p<0.0001、I2: 47%)。・サブグループ解析の結果、3つのアプローチ(厚み/面積/体積)のうち、体積測定が最適であることが示された(厚み:SMD:-0.35、p=0.18、I2: 測定不能 / 面積:SMD:-0.39、p=0.14、I2: 0% / 体積:SMD: 0.82、p=0.0006、I2: 56%)。・T1強調画像による体積測定が、より大きな効果量をもたらした(T1強調画像による体積測定:SMD: -1.11、p<0.00001、I2: 36% / T1強調画像以外での体積測定:SMD: -0.32、p=0.04、I2: 0%)。

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日本発!イストラデフィリンに抗うつ効果~学習性無力感ラットでの実験

 イストラデフィリンが、脳内モノアミン伝達とは無関係なアデノシンA2A受容体活性の調節を介して、抗うつ様効果を発揮することがラットによる実験で明らかとなった。協和発酵キリン研究本部の山田 浩司氏らの検討によるもので、パーキンソン病の運動症状に加え、うつに対する新たな治療選択肢となる可能性が示唆された。Psychopharmacology誌オンライン版2月2日号掲載の報告。 アデノシンA2A受容体拮抗薬であるイストラデフィリンは、パーキンソン病動物モデルおよびパーキンソン病患者における運動機能障害を改善する。さらに、いくつかのA2A受容体拮抗薬は、強制水泳試験及び尾懸垂試験などでうつ病を誘発したげっ歯動物において、抗うつ様効果を発揮することがわかっている。 著者らは、学習性無力感モデルのラットを使って、うつ様行動に対するイストラデフィリンの効果を調査した。 主な結果は以下のとおり:・急性期・慢性期におけるイストラデフィリンの経口投与は、三環系抗うつ薬のデシプラミンと選択的セロトニン(5 -HT)再取り込み阻害薬であるフルオキセチンによる慢性治療に匹敵する有効性を示しながら、逃避不可能な電撃(IES)が引き起こす逃避のあきらめを有意に改善した。・A1受容体選択的拮抗薬のDPCPXではみられなかったが、A1/A2A受容体の非特異的拮抗薬であるテオフィリンと中等度の選択的拮抗薬であるCGS15943の両剤で、IESが引き起こす逃避のあきらめを改善した。・イストラデフィリンによる逃避反応の増強は、A2A特異的アゴニストであるCGS21680の局所注射(側坐核、尾状核被殻、視床下部の室傍核への局所注射)により効果が失われたが、A1特異的アゴニストであるR-PIAの側坐核への局所注射では、効果が失われなかった。・また、 5-HT2A/2C 受容体拮抗薬のメチセルジドやα2拮抗薬ヨヒンビン、またβ遮断薬のプロプラノロールのいずれも、イストラデフィリンによってもたらされた逃避反応の改善に影響を与えなかった。

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農薬によるパーキンソン病発症リスクの高い遺伝子多型は

 環境毒物によるパーキンソン病発症機序を考えるうえで、アルデヒド脱水素酵素(以下ALDH)の阻害が、とくに遺伝的に脆弱な集団において重要であることが、米国・UCLAデイヴィッド・ゲフィン医科大学院のArthur G Fitzmaurice氏らによって明らかとなった。Fitzmaurice氏らは今回の結果から、パーキンソン病の発症率を減らす、もしくはその進行を遅らせるための潜在的な介入の可能性を示唆している。Neurology誌2014年2月4日号掲載の報告。 本研究の目的は、環境もしくは遺伝による神経細胞ALDHの変化が、疫学的研究においてパーキンソン病発症リスクの増加に関連しているかどうかを検討することであった。 神経細胞のALDH活性を阻害しうる農薬を同定するために、生体外(ex vivo)で実施する新しい分析法が開発された。同定された農薬は、集団ベースの症例対照研究であるParkinson's Environment & Genes (PEG) Studyにおいて、パーキンソン病との関連を調べるために用いられた。ミトコンドリアALDH2遺伝子における共通変異は、遺伝子多型による農薬の影響をみるための効果測定の調節(統計的な相互作用)を評価するための遺伝子型として用いられた。 ※PEG研究:UCLAを中心とした複数の研究グループが共同で実施している、農業用の化学物質とパーキンソン病との関連を調べるための臨床試験http://www.ph.ucla.edu/peg/index.html 主な結果は以下のとおり:・試験対象となった金属配位性ジチオカルバミン酸化合物のすべて(例:maneb、ziram)、2-イミダゾール化合物(benomyl、triflumizole)、2-ジカルボキシミド化合物(captan、folpet)、および1-有機塩素系化合物(dieldrin)が、おそらく代謝副産物(例:二硫化炭素、チオホスゲン)を経て、ALDH活性を阻害した。・スクリーニングした15種類の農薬は、ALDHを阻害しなかった。・ALDHを阻害する農薬への曝露は、パーキンソン病発症のリスクを2倍から6倍に増加させ、とくにALDH2の遺伝的変異をもつ群では、パーキンソン病発症リスクが高かった。

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エキスパートに聞く!「睡眠障害」Q&A Part1

レストレスレッグス症候群におけるドパミンアゴニストの使い方のコツは?本邦でレストレスレッグス症候群(restless legs syndrome:RLS)治療薬として承認されているドパミンアゴニストには、プラミペキソール(商品名:ビ・シフロール)とロチゴチン(同:ニュープロパッチ)がある。プラミペキソールが錠剤(内服)で、ロチゴチンが経皮吸収剤(貼付)と投与方法が異なる点が使い分けの大きなポイントとなる。どちらの薬剤も、RLSならびにRLSに高頻度に伴う周期性四肢運動の両者に有効性が高い点は共通であるが、夜間の症状を主体とする場合には、プラミペキソールを夜に1回内服することで十分効果が得られる。日中症状を有する場合は、プラミペキソールを日中にも追加して服用する、あるいは血中濃度が一日を通じて一定となる貼付剤(ロチゴチン)が良い適応となる。副作用の観点からは、消化器症状は共通してみられる。ただし、ロチゴチンでは、初回の貼付時に消化器症状が出現しても、血中濃度が安定すると以後は消化器症状がみられなくなる場合もある。貼付剤に特有の問題としては、貼付部位の適応部位反応があり、貼付部位を毎日変える、適度な保湿をするなどの対策が必要である。両薬剤は代謝・排泄経路が異なっており、プラミペキソールが腎排泄性の薬剤であるのに対し、ロチゴチンは肝臓で代謝される。腎不全患者ではRLSは高頻度にみられ、日中症状もしばしば伴うが、肝臓で代謝されるロチゴチンは、腎不全患者においても血中濃度が健常者とほぼ同様に推移することから、安全に使用できると考えられる。レストレスレッグス症候群の原因として、鉄不足以外にどういったものがありますか?レストレスレッグス症候群(RLS)は、特発性と二次性に大別される。RLSはあらゆる年齢層でみられるが、中年期以降のRLSでは二次性RLSの可能性が高まる。二次性RLSの原因疾患としては、鉄欠乏性貧血、胃切除後のほかに、慢性腎不全、妊娠、神経疾患(パーキンソン病、末梢神経障害、脊髄疾患等)、リウマチ性疾患などがあげられる。薬剤性RLSの原因としては、ドパミンに拮抗する薬剤(抗精神病薬、メトクロプラミド)、抗うつ薬(選択的セロトニン再取込み阻害薬)などがあり、アルコール、カフェイン、ニコチンもRLSの増悪因子である。慢性腎不全、とくに透析患者においてはRLSは高頻度で、国内外の報告では約2~4割にRLSがみられ、周期性四肢運動障害の合併も多い。妊娠中のRLSは、妊娠後期に増悪する傾向があり、出産前後に消失もしくは改善することが多い。妊娠を繰り返すごとに症状が増悪するケースもある。神経疾患に伴うRLSでは、下肢の異常感覚が神経疾患に伴うものか、神経疾患による二次性RLSによるものかの判断が時に困難であり、両者が併存する場合もある。こうした症例では、RLS治療薬の効果が必ずしも十分得られない。不眠症は薬物療法で改善する症例が少ないように感じるのですが、いかがでしょうか?プライマリ・ケアにおける不眠症治療は、(非)ベンゾジアゼピン系薬剤を中心とする薬物療法に偏りがちであるが、不眠の背景にある睡眠習慣や睡眠衛生の問題、不眠を呈する睡眠障害が見過ごされているケースも多い。不眠≠不眠症であり、不眠の背景要因の把握がまず不可欠といえる。たとえば、不眠があり夜眠れないからと日中に2時間以上も昼寝をしていれば、日中の長時間の昼寝が夜の入眠を妨げ、不眠の解消を阻害してしまう。高齢者では夜間の睡眠時間は減少する傾向となるが、9時間以上も寝床で過ごすことで、夜中に何度も目が覚める、熟眠感が得られないといった訴えにつながっている場合もあり、睡眠習慣の見直しが先決である。また、睡眠時無呼吸症候群では夜間の覚醒や熟眠障害を生じうるが、本人は多くの場合いびきや無呼吸を自覚しておらず、原因をそのままに睡眠薬を処方されても不眠は解消しない。薬物治療で改善がみられない多くの症例では、このような背景が見過ごされており、うつ病等の精神疾患による不眠の可能性も含めて、睡眠障害、睡眠衛生の問題にも留意する必要がある。不眠症治療薬についても、現状では薬剤の使い分けが必ずしも十分なされていない。たとえば、体内時計の乱れが不眠の背景にある場合には、睡眠・覚醒リズムの調整を図りつつ、体内時計機構に作用する薬剤を選択することが有用である。脳の覚醒システムであるオレキシンをターゲットとした新たな不眠症治療薬も現在承認申請中であり、治療の選択肢も増えつつある。高血圧や糖尿病などでは薬剤のタイプによる使い分けが一般的に行われており、不眠症治療においても病状に応じた薬剤の選択が行われるようになることが期待される。外来で睡眠時無呼吸症候群を疑うチェックポイントなどありますか?睡眠時無呼吸症候群(sleep apnea syndrome : SAS)は、睡眠中の無呼吸・低呼吸といった呼吸イベントにより、睡眠の質的低下、低酸素状態を生じる疾患である。心疾患および循環疾患リスクを高めることが知られており、生活習慣病のマネジメントのうえでも注目すべき疾患といえる。しかし、患者の多くはいびきや無呼吸を症状として自覚しておらず、多くは周囲がこれらの症状に気づくことで受診につながっている。SASが注目されるようになったきっかけの一つは、新幹線運転手の居眠り事故である。これにより、SASと眠気の関連がクローズアップされたが、眠気を自覚していないSAS患者も少なくないことから、眠気の有無は必ずしもSASを疑う(あるいは否定する)ポイントとはなりえない。SASを疑ううえでは、いびきや無呼吸に気づいている可能性が高いベッドパートナーへの問診は非常に有用である。本人のみが受診している場合には、周囲からそのような指摘があるかどうかを尋ねるとよい。いびきによる覚醒、窒息感を伴う覚醒を本人が自覚している場合もある。無呼吸を指摘されたことがなくても、習慣的な大きないびきの指摘があれば、SASを疑い精査することが望ましい。本人が自覚しうるその他の症状としては、夜間頻回の(トイレ)覚醒、熟眠感の欠如、起床困難、起床時の頭痛、日中の眠気、集中力の低下などがあげられる。いびきの指摘に加えてこうした自覚症状を伴っていれば、SASを疑うポイントとなりうる。理学的所見も重要である。SASのリスクとして肥満はよく知られているが、扁桃腺肥大、顎顔面形態(小顎や下顎後退)も必ず確認する。とくにアジア人において非肥満のSASも多いことに留意する。逆に、不眠や夜間の異常行動といった何らかの睡眠の訴えがある場合には、その背景にSASが存在する可能性を常に考慮する必要があるともいえる。必ずしも自覚症状が明らかではない患者も多いこと、終夜パルスオキシメトリ等のスクリーニング検査が比較的安価に施行できることを考慮すれば、SASが多少なりとも疑わしい場合には積極的にスクリーニングすることが望ましい。※エキスパートに聞く!「睡眠障害」Q&A Part2はこちら

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糖尿病患者はパーキンソン病発症リスク低い!?

 糖尿病とパーキンソン病。両疾患の異種性にもかかわらず、症例対照研究の結果、糖尿病患者ではパーキンソン病の発症率が低い可能性が、中国・温州医科大学のLin Lu氏らによって示唆された。著者は、この関連性を明確に理解するために、より多くの研究が行われるべきとしている。PloS One誌1月21日号掲載の報告。 糖尿病が、パーキンソン病のリスクを増加させるかどうかについては定かではない。このメタ解析の目的は、糖尿病とパーキンソン病発症リスクとの関連性について評価した症例対照研究のエビデンスを統合することにある。 糖尿病とパーキンソン病との関連性を評価した症例対照研究を特定するため、7つのデータベースで検索を行った。本研究の方法論の質は、ニューキャッスル・オタワ・スケールを用いて評価した。すべてのデータは、Review Manager 5.15.1ソフトウエアを用いて分析した。性別、地理的位置、対照群、喫煙、糖尿病治療薬の処方と糖尿病罹病期間によって層別化したサブ解析も、同様のソフトウエアを用いて分析された。 主な結果は以下のとおり。・メタ解析の基準を満たした研究は14報あり、パーキンソン病患者計2万1,395 人、対照被験者は計8万4,579人にのぼった。・両疾患の異種性にもかかわらず、糖尿病患者ではパーキンソン病発症リスクが低かった(オッズ比: 0.75、95%信頼区間: 0.58~0.98)。・サブ解析では、北米からの研究、一般市民を対照群とした研究、非喫煙者、およびアンケートや自己申告に基づく糖尿病患者群においても、やはり負の相関があることが示唆された。・性別および、糖尿病罹病期間で層別化した結果、有意な関連性は認められなかった。・欧州およびアジア患者、病院対照群を対照とした研究、喫煙者、医療記録や医師の診断に基づく糖尿病患者群、および糖尿病でのインスリン処方について層別化した場合でも、関連性は認められなかった。

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進行期パーキンソン病に対する新たな遺伝子治療/Lancet

 進行期パーキンソン病に対し、新たな遺伝子治療「ProSavin」の有効性と安全性、忍容性を検討した第1/2相試験の結果が発表された。フランス・パリ第12大学のStephane Palfi氏らが同患者15例を、低・中・高用量投与の3群で12ヵ月間検討した結果、いずれの投与群でも安全性と忍容性が認められ、また全患者について運動症状の改善がみられたことを報告した。パーキンソン病では経口ドパミン補充療法が行われているが、治療が長期にわたると、運動合併症や衝動制御障害が起きることから根治につながる治療が求められている。Lancet誌オンライン版2014年1月9日号掲載の報告より。レンチウイルス・ベクターベースの遺伝子治療ProSavin ProSavinは、レンチウイルス・ベクターベースの遺伝子治療で、進行期パーキンソン病患者のドパミン産生機能を回復させることを目的とする。レンチウイルス・ベクターは、ドパミン合成に必要な3つの酵素の遺伝子コードを含む生成ベクターで、ProSavinの治療原理は、この生成ベクターを線条体(被殻)の運動野に送達し線条体細胞を「ドパミン工場」に転化して、パーキンソン病で失われるドパミンの恒常的な供給源を置き換えていくというものだという。ベクター活用には挿入細胞に腫瘍形成を招くリスクも指摘されているが、レンチウイルス・ベクターではそのリスクが最小である可能性が示唆されているという。 研究グループは、英国とフランスの2地点で12ヵ月間追跡の第1/2相非盲検試験を行い、パーキンソン病患者の被殻に、両側性にProSavinを注射投与した後の安全性と有効性を評価した。患者は全員、引き続き長期安全性を評価する別個の非盲検追跡試験に組み込まれた。各群コホートは、3つの投与量(低用量:1.9×107TU、中用量:4.0×107TU、高用量:1×108TU)について評価を受けた。 被験者の試験適格基準は、年齢48~65歳、罹病期間5年以上、運動症状の日内変動あり、経口ドパミン薬による運動症状改善50%超とした。 第1/2相試験の主要エンドポイントはベクター注射投与後6ヵ月時点の、ProSavin関連有害イベントの発生件数と重症度、およびパーキンソン病統一スケール(UPDRS)パート3(off時)で評価した運動症状の改善だった。3用量群で検討した15例全例で6ヵ月後、運動症状が有意に改善 患者15例がProSavinを投与され追跡を受けた(低用量群3例、中用量群6例、高用量群6例)。 当初12ヵ月の追跡期間中、試験薬関連有害イベントは54例報告された(51例は軽度、3例が中程度)。最も頻度が高かったのは、on時ジスキネジア(20件、11例)、on-off現象(12件、9例)の増大だった。試験薬および手技に関連した重篤な有害イベントは報告されなかった。 UPDRSパート3の平均スコアは、6ヵ月時点、12ヵ月時点ともにベースライン時との比較で全患者に有意な改善がみられた。6ヵ月時点の平均スコアは、38[SD 9]vs. 26[8](p=0.0001)、12ヵ月時点は38vs. 27[8](p=0.0001)だった。

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SSRI/SNRIへの増強療法、コストパフォーマンスが良いのは

 うつ病患者において、抗うつ薬単独療法で寛解が得られるのは約3分の1にすぎず、その他の抗うつ薬に変更した場合でも累積寛解率は50~55%にとどまる。このような背景から、治療抵抗性うつ病のマネジメントとして増強療法への関心が高まっている。米国・IMS HealthのRolin L. Wade氏らは、選択的セロトニン再取り込み阻害薬/ 選択的セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SSRI/SNRI)に、第二世代非定型抗精神病薬(SGAs)またはL-メチルフォレートを併用する増強療法時のアドヒアランス、ならびに医療コストについて比較検討した。その結果、L-メチルフォレートのほうがSGAと比べて、抗うつ薬のアドヒアランスが高く保たれ、うつ病に特化したコストおよび全医療コストが低いことが示されたことを報告した。Journal of managed care pharmacy誌2014年1月号の掲載報告。 本研究では、以下の2点について検討を行った。・SGAsまたはL-メチルフォレートを併用する増強療法時のSSRI/SNRIのアドヒアランスについて。アドヒアランスは、Healthcare Effectiveness Data and Information Set(HEDIS)急性薬物マネジメント(AMM)の改訂アプリケーションにより評価。・2種類の増強療法について、うつ病に特化したコストおよび全医療コストを比較する。 2006年1月1日~2009年12月31日(index date)にうつ病と診断され、SSRI/SNRIが投与され、SGAまたはL-メチルフォレートのいずれか(augmentation date)を併用した患者をMarketScan databaseにより特定し、231日間追跡した。index date前90日に抗うつ薬またはSGAを服用した者、index date前6ヵ月にL-メチルフォレートを服用した者、index date時18歳未満、index date前12ヵ月に妊娠していた、または認知症、精神病に関連する精神障害、アルツハイマー病、パーキンソン病と診断された者は除外した。 最終的な試験コホートの選択に当たり、年齢、性別、併存症、index SSRI/SNRIおよび index SSRI/SNRI 用量を共変数とし、傾向スコアマッチング(非定型抗精神病薬とL-メチルフォレートの比率は3:1)を行った。抗うつ薬のアドヒアランスは、augmentation date以降から測定し、改訂HEDIS(mHEDIS)AMMアプリケーションの急性期、慢性期、6ヵ月治療期を含めた。保険利用とコストの状況については、増強療法開始後6ヵ月間評価し、うつ病に特化したコストと、全医療コストを算出した。SGAおよびL-メチルフォレートコホート間の比較は、バイナリ変数に関してはカイ二乗検定で、連続変数に関してはt検定で比較した。 主な結果は以下のとおり。・傾向スコアマッチング後、index date 12ヵ月以内のindex SSRI/SNRIにおいて、SGAによる増強療法が4,053例、L-メチルフォレートによる増強療法が1,351例に行われた。・比較グループは年齢、性別、併存症およびSSRI/SNRI の種類・用量において偏りがなくバランスがとれていた。・両群で効果増強が行われた主な抗うつ薬は、エスシタロプラム、デュロキセチン、ベンラファキシン(国内未承認)であった。・index dateからaugmentation dateまでの平均日数(標準偏差:SD)は、SGAが73.5(96.7)日、L-メチルフォレートが105.9(108.7)日であった(p <0.001)。・増強療法に最も多く使用されたSGAsは、クエチアピン、アリピプラゾール、リスペリドンであった。・L-メチルフォレートに関しては、主に7.5mg/日の用量が使用された。・mHEDIS AMM 急性期のアドヒアランスは、SGAコホートが68.7%、L-メチルフォレートコホートが78.7%であった(p<0.001)。・増強療法後のmHEDIS継続期のアドヒアランスは、SGAコホートが50.3%、L-メチルフォレートコホートが62.1%であった(p <0.001)。・医療費(入院、救急、外来)はSGA群で有意に高かったが、合計処方数はL-メチルフォレート群で有意に高かった。・増強療法後6ヵ月間の平均(SD)コストは、SGA群が8,499(1万3,585)ドル、L-メチルフォレート群が7,371(1万2,404)ドルであった(p=0.005)。・増強療法後6ヵ月間のうつ病関連コストは、SGA群が2,688(4,201)ドル、L-メチルフォレート群が1,613(2,315)ドルであった(p<0.001)。・以上より、SGAまたはL-メチルフォレート併用による増強療法において、mHEDIS AMM急性期のSSRI/SNRIのアドヒアランスは69~79%、継続期では50~62%であった。・これらのスコアは、2012年に国のベンチマークとして示された改訂前HEDIS AMMの値を上回るものであった。・以上のように、L-メチルフォレートによる増強療法は、SGAによる増強療法と比較して抗うつ薬のアドヒアランスが高く保たれることが示された・さらに、L-メチルフォレート増強療法群はSGAによる増強量群に比べてうつ病に特化したコストおよび全医療コストが低いことも示された。関連医療ニュース 日本人のうつ病予防に期待?葉酸の摂取量を増やすべき SSRI+非定型抗精神病薬の併用、抗うつ作用増強の可能性が示唆 難治性うつ病にアリピプラゾールはどの程度有用か

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精神症状を有するパーキンソン病にピマバンセリンは有用/Lancet

 精神症状を有するパーキンソン病患者に対し、セロトニン5-HT2A受容体選択的拮抗薬ピマバンセリンは陽性症状を改善することが、第3相臨床試験の結果、報告された。米国・Cleveland Clinic Lou Ruvo Center for Brain HealthのJeffrey Cummings氏らが発表した。パーキンソン病患者では精神症状(幻覚や妄想を含む)を有する頻度が半数以上と高く、同患者の衰弱の要因になっているが難治性である。今回の結果を受けて著者は「治療法がほとんどない精神症状を有するパーキンソン病患者に、ピマバンセリンは有用である可能性がある」と述べている。Lancet誌オンライン版2013年11月1日号掲載の報告より。試験開始後43日目のSAPS-PDスコアの変化を比較 研究グループは、2010年8月~2012年8月にかけて、米国とカナダの医療機関を通じ、パーキンソン病で精神症状のある40歳以上の患者199例を対象に、二重盲検無作為化比較試験を行った。被験者を無作為に2群に分け、一方にはピマバンセリンを40mg/日、もう一方にはプラセボを、それぞれ投与した。 試験開始後15日、29日、43日にそれぞれ評価を行った。主要評価項目は、試験開始43日後のパーキンソン病患者向けに改変した陽性症状評価尺度(SAPS-PD)スコアの変化だった。 被験者の平均年齢は72.4歳、女性の割合はプラセボ群が42%、ピマバンセリンが33%だった。ピマバンセリン群でプラセボ群に比べSAPS-PDスコアが約3ポイント減少 被験者のうち、プラセボ群90例、ピマバンセリン群95例について分析を行った。その結果、ピマバンセリン群では試験開始43日後のSAPS-PDスコアの変化は-5.79だったのに対し、プラセボ群では-2.73と、その格差は-3.06だった(95%信頼区間:-4.91~-1.20、p=0.001、Cohen's d=0.50)。 有害作用により服用を中止したのは、ピマバンセリン群では10例で、そのうち4例は服用後10日以内の精神障害または幻覚によるものだった。一方プラセボ群では、服用を中止したのは2例だった。 全体としては、ピマバンセリンの忍容性は良好で、安全性や運動機能悪化に対する有意な懸念はみられなかった。

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成人市中肺炎のリスクとなるライフスタイル・基礎疾患は?

 市中肺炎は、成人、とくに高齢者において高い罹患率および死亡率をもたらす。スペイン・バルセロナ大学のAntoni Torres氏らは、PubMedの構造化検索により、欧州における成人市中肺炎発症率の最新データとライフスタイルや市中肺炎の危険因子に関するデータを同定し、成人市中肺炎のリスク増加と喫煙などのライフスタイル因子や基礎疾患との関連を検討した。Thorax誌2013年11月号に掲載報告。市中肺炎のリスク増加に関連したライフスタイルの因子は? 主な結果は以下のとおり。・成人市中肺炎全体の年間発症率は、1,000人年当たり1.07~1.2、人口1,000人当たり1.54~1.7であり、年齢の上昇とともに増加した(65歳以上で1,000人年あたり14)。・男性のほうが、女性、慢性呼吸器疾患患者、HIV感染症患者より、市中肺炎発症率が高かった。・市中肺炎のリスク増加に関連したライフスタイルの因子は、喫煙、過度の飲酒、低体重、子どもや歯科衛生状態が悪い人々との定期的な接触であった。・合併症(慢性呼吸器疾患、慢性心血管疾患、脳血管疾患、パーキンソン病、てんかん、認知症、嚥下障害、HIV、慢性腎疾患、慢性肝疾患)が存在すると、市中肺炎リスクが2~4倍増加した。

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第1回国際ミトコンドリア学術集会開催のお知らせ(11月6~7日、東京)

 第1 回国際ミトコンドリア学術集会が、2013年11月6日(水)~7 日(木)、東京にて開催される(学術集会ホームページ)。世界のミトコンドリア研究における人と知識の融合を推進し、ミトコンドリア探索治療の発展に貢献することが期待されている。今回は、順天堂大学脳神経内科(大会長:服部信孝氏)が主催であるため、パーキンソン病などの難治性神経変性疾患についても中心的な演題として取り上げられる予定である。<学術集会概要>■会期 2013年11月6日(水)~11月7日(木)(2 日間)■会場 六本木アカデミーヒルズ49 東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー49 階 TEL: 03-6406-6220■学術集会大会長 服部信孝(順天堂大学脳神経内科 教授)■事務局 順天堂大学脳神経内科 担当 佐藤栄人 TEL:03-3813-3111(内3328)/ FAX:03-5800-0547(直通)■会議の目的と開催意義1)ヨーロッパ、アメリカ、アジア、オセアニアの地域ミトコンドリア研究ユニットから第一線の研究者を招き交流の場を設けることにより、今日まで実現困難であった世界ユニット形成の先駆けとする。2)ミトコンドリア関連疾患に関する病因研究と臨床研究を融合させ、ミトコンドリア探索治療の可能性を探る。3)次世代シークエンサーなどの新技術をトピックスとして取り上げ、さらなる病態研究に向けて世界規模での連携を推進する。■テーマ 『Prelude to the Translational Research in Mitochondrial Diseases』■学術プログラム1) 特別講演2) シンポジウム  神経変性疾患の分子病態から治療法に迫る  ミトコンドリア脳筋症の病態機序 日本から発信するミトコンドリア治療法3) ワークショップ  次世代シークエンサーを用いた病院遺伝子探索の紹介  ミトコンドリア関連疾患の病態機序と新規治療の検討4) 一般演題(ポスター)5) ランチョンセミナー など

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