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FDA、悪性黒色腫に初の抗LAG-3抗体relatlimabとニボルマブの併用を承認/BMS

 ブリストルマイヤーズスクイブは、2022年3月18日、米国食品医薬品局(FDA)が、切除不能または転移のある悪性黒色腫に対する、ニボルマブと抗LAG抗体relatlimab-rmbwの固定用量の合剤(海外製品名:Opdualag)の単回投与を承認したと発表。 この承認はOpdualagとニボルマブ単独を比較した第II/III相RELATIVITY-047試験に基づいている。 RELATIVITY-047 試験における、PFS中央値はニボルマブの4.6ヵ月に対し、Opdualagでは10.1ヵ月であった(ハザード比:0.75、95%信頼区間:0.62〜0.92、p=0.0055) Opdualagの安全性プロファイルはニボルマブ単独での報告と同様で、新たな安全性イベントは確認されなかった。Grade3/4の薬物関連有害事象は、ニボルマブ群の9.7%、Opdualagでは18.9%であった。投与中止につながる薬物関連の有害事象は、ニボルマブ群の6.7%に対して、Opdualag群では14.6%であった。

322.

Guardant360が固形がんの包括的ゲノムプロファイリング用リキッドバイオプシーとして承認

 ガーダントヘルスジャパンは、3月10日、固形がん患者における包括的がんゲノムプロファイリング(CGP)用リキッドバイオプシー検査 Guardant360 CDx がん遺伝子パネル(Guardant360 CDx)の医療機器プログラムとしての製造販売承認を取得したと発表。 Guardant360 CDxは、ペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ)の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)固形がんおよびニボルマブ(製品名:オプジーボ)のMSI-High結腸・直腸がんのコンパニオン診断としての承認も取得している。 また、2021年12月、KRAS G12C阻害薬ソトラシブ(製品名:ルマケラス)のKRAS G12C変異陽性の切除不能な進行・再発非小細胞肺がんに対するコンパニオン診断として承認された。

323.

ニボルマブ+イピリムマブ+2サイクル化学療法のNSCLC1次治療、アジア人でも有用(CheckMate9LA)

 非小細胞肺がん(NSCLC)1次治療、ニボルマブ+イピリムマブ+2サイクル化学療法の無作為化第III相CheckMate9LA試験の日本人含むアジア人サブセット解析の結果がInternational Journal of Clinical Oncology誌に発表された。アジア人患者においても全集団と同様に、同レジメンの有用性が示されている。CheckMate9LA試験ではアジア人患者においても全集団と同様に有用性を示した[CheckMate9LA試験]・対象:未治療のStage IVまたは再発NSCLC患者(PS 0~1)・試験群:ニボルマブ360mg 3週ごと+イピリムマブ1mg 6週ごと+組織型別化学療法(シスプラチン/カルボプラチン+ペメトレキセド+ペメトレキセド維持療法またはカルボプラチン+パクリタキセル)3週ごと2サイクル(NIVO+IPI+Chemo群)・対照群:組織型別化学療法 3週ごと4サイクル(Chemo群)・評価項目:[主要評価項目]全生存期間(OS)[副次評価項目]盲検下独立中央画像判定機関(BICR)評価の無増悪生存期間(PFS)、BICR評価の全奏効率(ORR)、PD-L1発現別抗腫瘍効果 CheckMate9LA試験の主な結果は以下のとおり。・アジア人患者の割り付けは、NIVO+IPI+Chemo群28例、Chemo群30例であった。・追跡期間は12.7ヵ月であった。・OS中央値は、NIVO+IPI+Chemo群では未到達、Chemo群13.3ヵ月であった(HR:0.47、95%CI:0.24〜0.92)。・ORRはニNIVO+IPI+Chemo群では57%、Chemo群では23%であった・Grade3/4の有害事象はNIVO+IPI+Chemo群の57%、Chemo群の50%で発現した。 CheckMate9LA試験でニボルマブ+イピリムマブ+化学療法レジメンはアジア人患者においても全集団と同様に有用性を示した。筆者は、ニボルマブ+イピリムマブ+化学療法レジメンはアジア人サブセットにおいても有効性を改善し、安全性についても管理可能であり、アジア人の進行NSCLC患者の1次治療への使用を支持するものだと述べている。

324.

ニボルマブの尿路上皮がんアジュバント、CHMPで推奨/BMS

 ブリストル・マイヤーズ スクイブは、2022年2月25日、欧州医薬品庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)が、根治切除後の再発リスクが高いPD-L11%以上の筋層浸潤性尿路上皮がんの成人患者の術後補助療法として、ニボルマブの承認を推奨したことを発表した。 この肯定的な見解は、全無作為化患者およびPD-L1発現1%以上の患者の両方において、ニボルマブがプラセボと比較して統計学的に有意かつ臨床的に意義のある無病生存期間(DFS)の延長を示した第III相CheckMate-274試験の結果に基づいたもの。 オプジーボの忍容性は全体的に良好で、安全性プロファイルはこれまでに報告されたオプジーボの固形がん患者における試験のものと一貫していた。

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ニボルマブ+化学療法の食道扁平上皮がん1次治療、CHMPで推奨/BMS

 ブリストル・マイヤーズ スクイブは、2022年2月25日、欧州医薬品庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)が、PD-L1発現1%以上の切除不能な進行、再発または転移のある食道扁平上皮がん(ESCC)成人患者の1次治療薬として、ニボルマブとフルオロピリミジン系およびプラチナ系薬剤を含む化学療法の併用療法の承認を推奨したことを発表した。 今回のCHMPの肯定的な見解は、第III相CheckMate-648試験の中間解析の結果に基づいている。同試験で、ニボルマブと化学療法の併用療法は化学療法と比較して、PD-L1発現1%以上の切除不能な進行、再発または転移のあるESCC患者において、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある全生存期間(OS)のベネフィットを示した(OS中央値:15.4ヵ月 vs.9.1ヵ月、ハザード比:0.54、99.5%信頼区間:0.37~0.80、p<0.001)。

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ニボルマブ+化学療法の非小細胞肺がんネオアジュバント、FDAが承認/BMS

 ブリストルマイヤーズスクイブは、2022年3月4日、切除可能非小細胞肺がん(腫瘍径≧4cmまたはリンパ節転移陽性)成人患者に対する、プラチナダブレット化学療法+ニボルマブ(3週間ごとに3サイクル)のネオアジュバント療法について、米国食品医薬品局(FDA)が承認したと発表した。承認条件にPD-L1の状態は問われていない。 今回の承認は、非小細胞肺がんに対する免疫治療薬ベースのネオアジュバントで初めての肯定的な結果を出した、第III相CheckMate-816試験に基づいたもの。 CheckMate-816試験の主要評価項目は、無イベント生存期間(EFS)と病理学的完全奏効(pCR)などである。中間解析におけるEFS中央値は、ニボルマブ+化学療法群で31.6ヵ月、化学療法群は20.8ヵ月で、ニボルマブ+化学療法群が統計学的に有意な改善を示した(ハザード比[HR] 0.63、95%信頼区間[CI]:0.45〜0.87、p=0.0052) 。また、pCRはニボルマブ+化学療法群の24%に対し、化学療法群は2.2%であった(p<0.0001)。OSのHRは0.57(95%CI:0.38〜0.87)とニボルマブ+化学療法群で良好だが、統計学的有意差は示していない。 同試験のEFSの解析結果は、2022年4月に開催されるAACR2022で発表される。

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ニボルマブ+イピリムマブの食道扁平上皮がん1次治療、CHMPで推奨/BMS

 ブリストル・マイヤーズ スクイブは、2022年2月25日、欧州医薬品庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)が、PD-L1発現1%以上の切除不能な進行・再発または転移のある食道扁平上皮がん(ESCC)の成人患者の1次治療薬として、ニボルマブとイピリムマブの併用療法の承認を推奨したことを発表した。 この肯定的な見解は、第III相CheckMate-648試験の中間解析に基づくもの。同試験で、ニボルマブとイピリムマブの併用療法は、フルオロピリミジン系およびプラチナ系薬剤を含む化学療法と比較して、PD-L1発現1%以上の切除不能な進行、再発または転移性ESCC患者において統計学的に有意かつ臨床的に意義のある全生存期間(OS)のベネフィットを示した(OSの中央値:13.7ヵ月 vs .9.1ヵ月、ハザード比:0.64、98.6%信頼区間:0.46~0.90、p=0.001)。 ニボルマブとイピリムマブの併用療法の安全性プロファイルは、これまでに報告された試験のものと一貫していた。

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ニボルマブ+化学療法による非小細胞肺がん術前補助療法がFDA優先審査対象に/BMS

 ブリストル・マイヤーズ スクイブは、2022年2月28日、米国食品医薬品局(FDA)が、切除可能な非小細胞肺がん(NSCLC)患者の術前補助療法として、化学療法との併用療法によるニボルマブの生物学的製剤承認一部変更申請(sBLA)を受理し、優先審査対象に指定したことを発表した。 今回の申請は、第III相試験であるCheckMate-816試験の結果に基づいたもの。同験では、術前に投与した際、ニボルマブと化学療法の併用療法群は、化学療法単独群と比較して、病理学的完全奏効(pCR)および無イベント生存期間(EFS)を統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善を示した。 また、ニボルマブと化学療法の併用療法の安全性プロファイルは、これまでにNSCLC試験で報告されているものと一貫していた。 CheckMate-816試験の結果は、以前に2021年米国がん学会(pCRデータ)および2021年米国臨床腫瘍学会(外科的予後)年次総会で発表されている。

329.

がん治療中の薬剤性間質性肺疾患、診断・治療における専門家の推奨/JCO

 抗がん剤は薬剤性間質性肺疾患の主な原因であり、原因薬剤としてブレオマイシン、エベロリムス、エルロチニブ、トラスツズマブ デルクステカン、免疫チェックポイント阻害薬などが挙げられる。薬剤性間質性肺疾患の特定と管理は難しく、抗がん剤によって引き起こされる間質性肺疾患の診断と治療に関する具体的なガイドラインは現在存在しない。今回、イタリア・IOV-Istituto Oncologico Veneto IRCCSのPierfranco Conte氏らの学際的グループが、公表文献と臨床専門知識に基づいて、がん患者の薬剤性間質性肺疾患の診断と治療における推奨事項を作成した。ESMO Open誌2022年2月23日号に掲載。 主な推奨事項は以下のとおりで、薬剤性間質性肺疾患の診断・治療における多職種連携の重要性を強調している。・診断手順の重要な要素は、身体検査と丁寧な病歴聴取、バイタルサイン(とくに呼吸数と動脈血酸素飽和度)の測定、関連のある臨床検査、スパイロメーターと一酸化炭素肺拡散能による呼吸機能検査、CT/画像診断である。・薬剤性間質性肺疾患の臨床症状やX線画像は、肺炎や間質性肺疾患と類似していることが多いため、感染性の原因を除外または確認するための微生物検査や血清学的検査を含む鑑別診断が重要である。・ほとんどの場合、薬剤性間質性肺疾患の治療には、抗がん剤の投与中止と短期ステロイド投与が必要である。薬剤性間質性肺疾患の再活性化を防ぐためにステロイドをゆっくり漸減する必要がある。・Grade3~4の薬剤性間質性肺疾患の患者は入院が必要で、多くの場合、酸素吸入と非侵襲的人工呼吸が必要である。侵襲的人工呼吸については、がんの予後を考慮して決定する必要がある。

330.

KRAS G12C変異陽性肺がんの新しい治療選択肢、ソトラシブ/日本臨床腫瘍学会

 2022年、KRAS G12C変異陽性非小細胞肺がんに対する2次治療の新たな選択肢として承認されたソトラシブについて、日本臨床腫瘍学会メディカルセミナーにて、愛知県がんセンターの藤原 豊氏が解説した。 肺がん、とくに肺腺がんには多くの遺伝子変異がある。今回ソトラシブが適応となるKRAS G12C変異は日本における扁平上皮非小細胞肺がんの4.1%程度であり、男性、喫煙者に多いことがわかっている。 KRAS G12C変異陽性非小細胞肺がんに対する従来の初回標準治療は、免疫チェックポイント阻害薬と細胞障害性抗がん剤の併用である。しかし、KRAS変異陽性の場合、陰性に比べて細胞障害性抗がん剤の効果が乏しく、とくに2次治療での効果は限定的であり、新しい治療選択肢が望まれていた。KRAS G12C変異陽性非小細胞肺がんに対するソトラシブの臨床試験成績 KRAS G12C変異陽性非小細胞肺がんに対するソトラシブの臨床試験、CodeBreaK100試験の概要は以下の通り。・対象:KRAS G12C変異陽性進行非小細胞肺がんで抗PD-1/PD-L1免疫治療および/またはプラチナ製剤を含む化学治療の前治療歴があり(前治療数は3つ以下)、RECIST1.1に基づく測定可能病変を有し、ESOG PS 0、1・方法:ソトラシブ960mgを1日1回経口投与(増悪、治療不耐性、同意撤回などまで投与を継続)・評価項目:[主要評価項目]客観的奏効率(ORR)[副次評価項目]奏効期間(DOR)、無増悪生存期間(PFS)、病勢コントロール率(DCR)、全生存期間(OS)、奏効までの期間(TTR)、安全性 患者背景は男女同等、アジアからは19名が参加している。前治療で化学療法、免疫療法を受けていた割合はどちらも9割を超えていた。 KRAS G12C変異陽性非小細胞肺がんに対するソトラシブの臨床試験主な結果は以下の通り。・主要評価項目であるORRは37.1%(95%信頼区間:28.6~46.2)であり、副次評価項目のDCRは80.6%(95%信頼区間:72.6~87.2)であった。DORの中央値は11.1ヵ月(95%信頼区間:6.9~NE)。・安全性については、全Gradeの副作用が69.8%、Grade3が19.8%、Grade4が0.8%であった。多く見られた副作用は下痢、悪心、ALT・AST増加などであった。KRAS G12C変異陽性肺がんの2次治療はどう変わるか 肺がん診療ガイドラインでは2021年の段階で、すでにソトラシブがKRAS G12C変異陽性に2次治療以降でソトラシブ単剤療法を推奨すると記載されている。 藤原氏は今後の治療戦略について、「1次治療開始時にKRAS G12C遺伝子変異検査を実施し、結果を把握しておけば、2次治療が必要になった場合にすぐにソトラシブを使えると考えている。初回の検査でKRAS G12C変異を確認しておくことが重要」と述べた。

331.

食道扁平上皮がん、術前の3剤併用化学療法でOS延長(JCOG1109)/日本臨床腫瘍学会

 切除可能局所進行食道がんの術前療法は、日本では5-FU+シスプラチン(CF療法)が標準療法だが、欧米においては化学放射線療法が標準となっている。日本と海外は術式や組織型が異なるため、海外の臨床試験の結果をそのまま受け入れるのは難しいと考えられていたが、CF療法にドセタキセルを加えたDCF療法が頭頸部がんなどで有望な効果を示しており、食道がん術前治療でも有望な成績が報告されている。JCOG1109試験が食道扁平上皮がんの術前DCF療法の有用性を世界で初めて示唆 これを受け、切除可能な局所進行扁平上皮食道がん患者を対象に、術前療法としてCF療法、DCF療法、CF療法+放射線療法(CF-RT)の3群を比較したJCOG1109試験が行われ、その結果を第19回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2022)で加藤 健氏(国立がん研究センター中央病院 頭頸部・食道内科)が発表した。[JCOG1109試験]・対象:治療歴のない切除可能局所進行食道がん患者(PS0~1)・試験群:以下の3群に1対1対1の割合で無作為に割り付けCF群:シスプラチン+5-FU(3週ごと2コース)DCF群:ドセタキセル+シスプラチン+5-FU(3週ごと3コース)CF-RT群:シスプラチン+5-FU+放射線(4週毎2コース)・評価項目:[主要評価項目]全生存期間(OS)[副次評価項目]無増悪生存期間(PFS)、奏効率、安全性など 切除可能局所進行扁平上皮食道がんの術前療法としてCF療法、DCF療法、CF療法+放射線療法を比較したJCOG1109試験の主な結果は以下のとおり。・2012年12月~2018年7月に日本の44施設から601例が登録され、CF群:199例、DCF群:202例、CF+RT群:200例に無作為に割り付けられた。・3年生存割合は、CF群62.6%(95%信頼区間:55.5~68.9%)に対しDCF群72.1%(95%信頼区:65.4~77.8%)と10%近く高く、ハザード比0.68(95%信頼区間:0.50~0.92、p=0.006)とDCF群の優越性が示された。また、CF+RT群の3年生存割合は68%(61.3~74.3%)で、CF群との比較においてハザード比0.84(0.63~1.12、p=0.12)と、CF+RT群の優越性は示されなかった。・有害事象については、Grade3以上の発熱性好中球減少がDCF群で16.3%とやや多かったが、支持療法を適切に行うことで対応可能な範囲だった。また周術期合併症発生割合については明らかな違いは見られなかった。 加藤氏はJCOG1109試験の結果は「1月に開催された米国臨床腫瘍学会消化器シンポジウム(ASCO-GI)で発表され、今後の食道扁平上皮がんに対する術前DCF療法の有用性を世界で初めて示した試験となった。今後同対象に対する新たな標準治療になると考えられる」とした。さらに免疫チェックポイント阻害薬を術前DCF療法に併用する研究(JCOG1804E)が進行中だという。

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食道がん1次治療におけるニボルマブ+イピリムマブとニボルマブ+化学療法、日本人サブ解析(CheckMate-648)/日本臨床腫瘍学会

 進行食道扁平上皮がんの1次治療における免疫チェックポイント阻害薬と化学療法の併用、および免疫チェックポイント阻害薬2剤併用の有用性を示したCheckMate-648試験。2022年2月に開催された第19回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2022)において、本試験の日本人サブグループの解析結果を、神奈川県立がんセンターの尾形 高士氏が発表した。[CheckMate-648試験]・対象:未治療の切除不能な進行または転移のある食道扁平上皮がん患者・試験群:以下の3群に1対1の割合で無作為に割り付けニボイピ群:ニボルマブ3mg/kgを2週ごと+イピリムマブ1mg/kgを6週ごとニボケモ群:ニボルマブ240mgを2週ごと+化学療法(4週を1サイクルとして、1~5日目までフルオロウラシル800mg/m2、1日目シスプラチン80mg/m2)ケモ群:化学療法単独・評価項目:[主要評価項目]PD-L1発現率が1%以上(TPS≥1%)の患者における全生存期間(OS)および無増悪生存期間(PFS)[副次評価項目]全体集団のOSおよびPFS、TPS≥1%および全体集団の奏効率(ORR) 日本人サブグループにおける主な結果は以下のとおり。・全970例のうち、日本人は394例(ニボイピ群:131例、ニボケモ群:126例、ケモ群:137例)が登録された。最短フォローアップ期間は12.9カ月であった。[OS中央値]TPS≥1%ニボイピ群 20.2カ月、ニボケモ群17.3カ月、ケモ群9.0カ月(ハザード比[95%信頼区間]ニボイピvs.ケモ群. 0.46[0.30~0.71]、ニボケモ群vs.ケモ群. 0.53[0.35~0.82])。日本人全体集団ニボイピ群 17.6カ月、ニボケモ群15.5カ月、ケモ群11.0カ月(ハザード比[95%信頼区間]ニボイピ群vs.ケモ群. 0.68[0.51~0.92]、ニボケモ群vs.ケモ群. 0.73[0.54~0.99])。[PFS中央値]TPS≥1%ニボイピ群5.4カ月、ニボケモ群7.0カ月、ケモ群4.2カ月(ハザード比[95%信頼区間]ニボイピ群vs.ケモ群. 0.84[0.54~1.32]、ニボケモ群vs.ケモ群. 0.56[0.36~0.89])。日本人全体集団ニボイピ群4.2カ月、ニボケモ群6.8カ月、ケモ群4.3カ月(ハザード比[95%信頼区間]ニボイピ群vs.ケモ群. 1.16[0.85~1.57]、ニボケモ群vs.ケモ群. 0.76[0.56~1.03])。[ORR]TPS≥1%ニボイピ群44(32~57)%、ニボケモ群65(51~76)%、ケモ群17(9~28)%日本人全体集団ニボイピ群36(28~45)%、ニボケモ群56(47~65)%、ケモ群24(17~32)%・治療関連有害事象はニボイピ群85%(うちGrade3以上37%)、ニボケモ群99%(同49%)、ケモ群93%(同36%)の発現率であった。 尾形氏は「日本人サブグループ解析の結果は全体集団と大きな差はなく、本結果より、日本人においても進行食道扁平上皮がんに対する1次治療としてニボイピまたはニボケモの併用療法は新しい治療選択肢になり得ると考えられる」としている。

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化学療法+ニボルマブ+ベバシズマブによるNSCLC1次治療の全生存期間(TASUKI-52)/日本臨床腫瘍学会

 非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)に対するニボルマブとプラチナダブレットおよびベバシズマブ併用の1次治療を評価する国際無作為化二重盲検第III相TASUKI-52試験の全生存期間(OS)の成績が、第19回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2022)で発表された。同併用群はOSについても改善を示した。・対象:未治療のStage IIIB/IVの非扁平上皮NSCLC患者(PD-L1発現問わず)・試験群:ニボルマブ(360mg)+カルボプラチン+パクリタキセル+ベバシズマブ(3週間ごと6サイクル)→ニボルマブ+ベバシズマブ(ニボルマブ群)・対照群:プラセボ+カルボプラチン+パクリタキセル+ベバシズマブ→プラセボ+ベバシズマブ(プラセボ群) ニボルマブ/プラセボ+ベバシズマブは、疾患進行または許容できない毒性発現まで継続・評価項目:[主要評価項目]独立放射線審査委員会(IRRC)評価の無増悪生存期間(PFS)[副次評価項目]全生存期間(OS)、全奏効率(ORR)、安全性 主な結果は以下のとおり。・最小追跡期間は19.4ヵ月であった。・OS中央値はニボルマブ群30.8ヵ月、プラセボ群24.7ヵ月、とニボルマブ群で有意に良好であった(HR:0.74、95%CI:0.58~0.94、p=0.0135)・18ヵ月OS率はニボルマブ群69.0%、プラセボ群61.9%、24ヵ月OS率はそれぞれ59.8%と50.3%で、その差は開いている。・OSのサブグループ解析では、ほとんどの項目でニボルマブ群が優位であった。・PD-L1発現レベルによるOSのHRはPD-L1<1%集団で0.84、1~49%集団で0.59、≧50%で0.83、と発現レベルをとわずニボルマブ群で良い傾向であった。・全Gradeの治療関連有害事象(TRAE)は、ニボルマブ群98.5%に対しプラセボ群99.6%、治療中止にいたったTRAEはそれぞれ16.5%と4.4%であった。 この結果は、非扁平上皮NSCLCの1次治療におけるニボルマブとプラチナ含有化学療法およびベバシズマブの併用をさらに支持するものだと発表者は述べている。

334.

PD-L1高発現NSCLC1次治療に対するアテゾリズマブ+ベバシズマブの効果(WJOG@Be)/ J Immunother Cancer

 非小細胞肺がん(NSCLC)において、免疫チェックポイント阻害薬と血管新生阻害薬の併用の可能性が議論されている。PD-L1阻害薬アテゾリズマブと血管新生阻害薬ベバシズマブの併用は第III相IMpower150試験で検討されているが、化学療法がベースの検討であり、アテゾリズマブ+ベバシズマブのみの有用性評価ではない。 そのような中、NSCLCに対するアテゾリズマブ+ベバシズマブの評価が、九州がんセンターの瀬戸貴司氏らによる第II相単群WJOG@Be試験で検討されている。同試験結果がJournal for immunotherapy of cancer誌で発表され、未治療のPD-L1高発現NSCLCに対するアテゾリズマブ+ベバシズマブの可能性が示唆されている。・対象:未治療のPD-L1高発現(TPS≧50)非扁平上皮NSCLC(PS 0〜1)・介入:アテゾリズマブ1,200mg+ベバシズマブ15mg/kg 3週ごと最大2年間、病勢進行あるいは忍容不能な副作用発現まで投与・評価項目:[主要評価項目]客観的奏効率(ORR)[副次評価項目]無増悪生存期間(PFS)、奏効期間(DoR)、全生存期間(OS)、安全性 主な結果は以下のとおり。・登録39例のうちCRは0例、PRは25例で、ORR は64.1%であった。・12ヵ月PFS率は54.9%、12ヵ月OS率は70.6%であった。・25例の奏効患者のDoR中央値は10.4ヵ月であった。・重篤な有害事象(AE)は12例23項目で発現したが、Grade4以上のものはなかった。・治療中断は19例で、12例は疾患進行、2例は免疫関連AEによるものであった。 今回の結果を受けて著者は、アテゾリズマブとベバシズマブの併用はPD-L1高発現の非扁平上皮NSCLCに対し、可能性のある治療法であると述べている。

335.

ニボルマブ+カボザンチニブ、腎細胞がん1次治療の2年間追跡で持続的な生存ベネフィットを示す(CheckMate-9ER)/BMS

 ブリストル・マイヤーズ スクイブとExelixis社は、2022年2月14日、第III相CheckMate -9ER試験の2年間の追跡調査の解析結果を発表した。同解析では、進行腎細胞がん(RCC)のファーストライン治療において、ニボルマブとカボザンチニブの併用療法が、スニチニブと比較して、持続的な生存および奏効ベネフィット、並びに健康関連の生活の質(HRQOL)の改善を示した。 これらの最新のデータは、米国臨床腫瘍学会(ASCO)2022年泌尿器がんシンポジウムのポスタープレゼンテーションで発表される。 全患者集団の結果は以下のとおり。・OS:OSの最終解析では、ニボルマブとカボザンチニブの併用療法群は、スニチニブ群と比較して、引き続き、OSの中央値(併用療法群37.7ヵ月 vs.スニチニブ群34.3ヵ月)で意義のある改善を示し、死亡リスクを30%低減した[ハザード比(HR):0.70、95%信頼区間(CI):0.55~0.90]。・PFS:PFSベネフィットは維持され、併用療法群はスニチニブ群と比較して、PFS中央値を2倍に延長した(併用療法群16.6ヵ月 vs.スニチニブ群8.3ヵ月、HR 0.56、95%CI:0.46〜0.68)。・ORRおよびDORORRベネフィットは維持され、併用療法群は、スニチニブ群と比較して、2倍近くのORRを示した(55.7%vs.28.4%)。DOR中央値は、スニチニブ群の15.1ヵ月と比較して、併用療法群で23.1ヵ月であり、奏効期間もより持続的であった。・CR:CR率は、併用療法群で12.4%、スニチニブ群では5.2%であった。・安全性:全Gradeの治療関連有害事象(TRAE)が、併用療法群(320例)の97.2%、スニチニブ群(320例)の93.1%に認められた。Grade3以上のTRAEは、併用療法群で60.5%%、スニチニブ群で54.1%であった。

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進行食道扁平上皮がんの1次治療、ニボルマブを含むレジメンが有望/NEJM

 進行食道扁平上皮がん患者の1次治療では、抗プログラム細胞死1(PD-1)モノクローナル抗体ニボルマブ+化学療法の併用と、ニボルマブ+抗細胞傷害性Tリンパ球抗原4(CTLA-4)抗体イピリムマブの併用は、化学療法単独と比較して、いずれのレジメンも全生存期間を有意に延長することが、大阪大学大学院医学系研究科消化器外科学の土岐祐一郎氏らが実施した「CheckMate 648試験」で示された。新たな安全性のシグナルは確認されなかったという。研究の成果は、NEJM誌2022年2月3日号に掲載された。3群を比較するアジア主体の国際的な無作為化第III相試験 本研究は、進行食道扁平上皮がんの1次治療における免疫チェックポイント阻害薬と化学療法の併用、および免疫チェックポイント阻害薬2剤併用の有効性と安全性の評価を目的とする非盲検無作為化第III相試験であり、2017年6月~2019年11月の期間に、日本を含む26ヵ国182施設で参加者の登録が行われた(Bristol Myers SquibbとOno Pharmaceuticalの助成を受けた)。 対象は、年齢18歳以上、根治治療の適用がなく、進行病変に対する全身療法の治療歴のない切除不能な進行、再発、転移性の食道扁平上皮がん患者であり、プログラム細胞死リガンド1(PD-L1)の発現の有無は問われなかった。 被験者は、ニボルマブ(240mg、2週ごと、静脈内投与)+化学療法(4週を1サイクルとして、1~5日目にフルオロウラシル800mg/m2[体表面積]を静脈内投与し、1日目にシスプラチン80mg/m2を静脈内投与)、ニボルマブ(3mg/kg[体重]、2週ごと、静脈内投与)+イピリムマブ(1mg/kg[体重]、6週ごと、静脈内投与)、化学療法単独の投与を受ける3つの群のいずれかに、1対1対1の割合で無作為に割り付けられた。 主要エンドポイントは、全生存期間と無増悪生存期間とし、盲検下に独立の中央判定委員会によって判定された。検定は階層的に行われ、最初に腫瘍細胞のPD-L1の発現率が1%以上の患者で、次いで患者全体(無作為に割り付けられた全患者)で実施された。 970例が無作為化の対象となった。ニボルマブ+化学療法群に321例(年齢中央値64歳、男性 79%)、ニボルマブ+イピリムマブ群に325例(63歳、83%)、化学療法単独群に324例(64歳、85%)が割り付けられた。680例(70%)がアジア人で、PD-L1の発現率が1%以上の患者は473例(49%)であった。奏効率と奏効期間も、ニボルマブを含むレジメンで良好な傾向 最も短い追跡期間が13ヵ月の時点における全生存期間中央値は、腫瘍細胞のPD-L1の発現率が1%以上の患者では、ニボルマブ+化学療法群が15.4ヵ月、化学療法単独群は9.1ヵ月(ハザード比[HR]:0.54、99.5%信頼区間[CI]:0.37~0.80、p<0.001)で、患者全体では、それぞれ13.2ヵ月および10.7ヵ月(HR:0.74、99.1%CI:0.58~0.96、p=0.002)であり、いずれもニボルマブ+化学療法群で有意に優れた。 また、全生存期間中央値のニボルマブ+イピリムマブ群と化学療法単独群との比較では、腫瘍細胞のPD-L1の発現率が1%以上の患者(ニボルマブ+イピリムマブ群13.7ヵ月vs.化学療法単独群9.1ヵ月、HR:0.64、98.6%CI:0.46~0.90、p=0.001)および全体(12.7ヵ月vs.10.7ヵ月、HR:0.78、98.2%CI:0.62~0.98、p=0.01)のいずれにおいても、ニボルマブ+イピリムマブ群で有意に良好だった。 一方、無増悪生存期間は、腫瘍細胞のPD-L1の発現率が1%以上の患者では、ニボルマブ+化学療法群が化学療法単独群よりも有意に延長した(6.9ヵ月vs.4.4ヵ月、HR:0.65、98.5%CI:0.46~0.92、p=0.002)が、全体では、両群間の差は事前に規定された有意差の境界(p=0.015)を満たさなかった(5.8ヵ月vs.5.6ヵ月、HR:0.81、98.5%CI:0.64~1.04、p=0.04)。 無増悪生存期間のニボルマブ+イピリムマブ群と化学療法単独群との比較では、腫瘍細胞のPD-L1の発現率が1%以上の患者(ニボルマブ+イピリムマブ群 4.0ヵ月vs.化学療法単独群4.4ヵ月、HR:1.02、98.5%CI:0.73~1.43、p=0.90)において統計学的有意差の基準を満たさなかったため、全体(2.9ヵ月vs.5.6ヵ月、HR:1.26、95%CI:1.04~1.52)での検定は行われなかった。 客観的奏効率(PD-L1発現率1%以上の患者:ニボルマブ+化学療法群53%、ニボルマブ+イピリムマブ群35%、化学療法単独群20%、全体:47%、28%、27%)はニボルマブ+化学療法群で最も高く、奏効期間中央値(8.4ヵ月、11.8ヵ月、5.7ヵ月/8.2ヵ月、11.1ヵ月、7.1ヵ月)はニボルマブ+イピリムマブ群で最も長かった。 Grade3または4の治療関連有害事象の発現率は、ニボルマブ+化学療法群が47%と最も高く、ニボルマブ+イピリムマブ群は32%,化学療法単独群は36%であった。重篤な治療関連有害事象はニボルマブ+化学療法群が24%、ニボルマブ+イピリムマブ群は32%にみられ、化学療法単独群の16%よりも高率であった。免疫学的原因の可能性がある治療関連有害事象の多くはGrade1または2だった。 著者は、「この研究は、ニボルマブ+化学療法とニボルマブ+イピリムマブの比較や、特定のサブグループにどの治療を用いるべきかを評価するようにはデザインされていない。ニボルマブを含む2つのレジメンの有効性を予測する人口統計学的因子の特性やベースラインの疾患特性を同定するには、新たな探索的な事後解析が、これに資する可能性がある」としている。

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肺がん2021Wrap Up (2)免疫チェックポイント阻害薬【肺がんインタビュー】 第74回

第74回 肺がん2021Wrap Up (2)免疫チェックポイント阻害薬出演:兵庫県立がんセンター 副院長(医療連携・医療情報担当) 兼 ゲノム医療・臨床試験センター長 呼吸器内科部長 里内 美弥子氏2021年肺がんの重要トピックを兵庫県立がんセンターの里内 美弥子氏が一挙に解説。これだけ見ておけば、今年の肺がん研究の要点がわかる。

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世界初、ニボルマブが原発不明がんの適応追加

 2022年1月19日、小野薬品工業とブリストル マイヤーズ スクイブは原発不明がんの治療薬として、適応追加承認を取得した免疫チェックポイント阻害薬ニボルマブ(商品名:オプジーボ)に関するプレスセミナーを開催した。 今回のセミナーでは、原発不明がんへの適応拡大の意義や臨床試験結果などについて、中川 和彦氏(近畿大学 内科学 腫瘍内科部門)が説明した。原発不明がん~診断・治療における課題~ 原発不明がんは十分な検索にもかかわらず、原発巣が不明で、組織学的に転移巣と判明している悪性腫瘍のことを指す。全がん種のうち1~5%が原発不明がんとされている。しかし、原発不明がんに承認されている薬剤はこれまで存在せず、治療を行うためには何らかの病名を付ける必要があることから、正確な患者数は不明だ。 原発不明がんの治療における課題は治療方法が確立されていないことである。 15~20%存在する“予後良好群”(原発巣の推定が可能な患者群)では、ガイドラインで推奨される治療を実施するが、残りの80~85%の患者は“予後不良群”とされ、特定の治療方針が定められておらず、確立された標準治療が存在していなかった。NivoCUP試験の結果 今回は、原発不明がん患者の“予後不良群”を対象に、近畿大学病院の主導の下、ニボルマブを評価した医師主導治験「NivoCUP試験」の結果に基づき、適応拡大承認を取得した。 同試験では、56例の原発不明がん患者(化学療法既治療:45例、化学療法未治療:11例)に、ニボルマブを最大52サイクル(約2年)投与した。主要評価項目は化学療法既治療例における奏効率(独立した中央判定によるCRまたはPRの割合)であり、副次評価項目は全体集団での奏効率などだった。 主要評価項目である化学療法既治療例における奏効率は22.2%(95%CI:11.2~37.1)、さらに、奏効期間の中央値は12.4ヵ月だった。 化学療法未治療例を含めた全体集団における奏効率は21.4%(95%信頼区間:11.6~34.4)だった。 安全面については、全Gradeの副作用は62.5%、Grade3または4の副作用は19.6%で発現した。重篤な副作用は発現率16.1%、肺臓炎や腹水などであった。死亡に至った副作用は認められなかった。安全性プロファイルに関して、他の疾患におけるニボルマブのプロファイルと大きな差はなかった。ニボルマブ承認の意義 ニボルマブの適応追加承認により、原発不明がんに対して、世界に先駆けて日本で初めて抗悪性腫瘍剤が承認されることとなった。原発不明がんが保険適用の対象疾患として認められる、つまり、今後原発不明がんは研究の対象となり、生物学的な特性の解明や薬剤開発が進んでいくことが期待される。このことに大きな意義があると中川氏は語る。 「研究の対象にならないことほど患者さんにとって恐怖はない。自分の疾患がどの研究者からも研究されないということは、可能性がないということを意味する。しかし、今回ニボルマブが承認されたということが、日本の研究者に原発不明がんが伝わる“好機”になる」と、中川氏はニボルマブ承認の意義について述べ、講演を終えた。

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