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税理士の先生の紹介だから安心…、それホント?漫画・イラスト:かたぎりもとこ診療所の売買に仲介業者を利用する意味はこの連載で何度もお伝えしてきましたが、気になるのは仲介手数料ではないでしょうか。ズバリ、医業承継の仲介手数料の相場は譲渡価格×10% ※最低報酬500~550万円程度です。また、着手金は掛からないことが一般的です。一方、一般の事業会社の承継案件の場合、仲介手数料の相場は大きく異なり「最低報酬2,000万円程度」とする仲介業者が多くなります。そして、一般の事業会社の承継をメインに事業を行っている仲介業者の場合、医業承継においても事業会社の基準に合わせて「最低報酬1,000~2,000万円」と設定するケースが大半です。またこのような仲介業者の場合、着手金を50万円程度で設定することも多いようです。経済合理性を考えれば、同じ働きをする仲介業者ならば、仲介手数料は安価なほうがよいに決まっています。それなのに、倍以上する手数料が必要となる仲介業者に依頼する医師がいるのはなぜでしょうか?ケアネットが行ったアンケート調査によると、全体の4割の開業医が「医業承継を検討する際に、まず税理士に相談した」という結果が出ています。売り手の開業医からすれば、長年の付き合いのある税理士が紹介する会社であれば大丈夫、という心理が働き、他社と比較検討することなくそのまま依頼してしまう、という構造があるようです。下記のコラムでは、仲介業者を選ぶ際のポイントを解説しています。知っておきたい!医業承継コンサルティング会社を選定時のポイント今回は税理士からの紹介でしたが、ほかにも開業医と関連する薬剤卸の事業者などが仲介業者と連携しており、承継が成約したらマージンが支払われる、という契約をしているケースもあります。このような構造も知ったうえで、仲介業者は自らの目で選定されることをお勧めします。