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英語で「また連絡します」は?【1分★医療英語】第6回

第6回 英語で「また連絡します」は?Thank you for seeing our patient.(私たちの患者を診てくれてありがとうございます)Anytime. I’ll touch base with you later.(もちろんです。あとでまた連絡しますね)《例文1》I believe ischemia is unlikely, but I will dig into this case and touch base with you later.(虚血の可能性は低いと思いますが、もう少し症例の詳細を見てからまた連絡します)《例文2》Let’s touch base on our project today.(私たちのプロジェクトについて今日話し合いましょう)《解説》“I’ll touch base with you later.”英語圏で働いたことのない方には、あまりなじみのない表現かもしれません。意味は“I’ll contact you.”と同じで、「また連絡するよ」といった意味です。しかし、“contact”では味気がないので、ちょっとスパイスの効いたこの表現が頻繁に用いられるのでしょう。“base”は野球の「ベース」がその由来となっているようです。野球の世界でベースに触れていればセーフ(=安心)、という意味から派生して、さまざまな意味で「アウト」にならないように「連絡を取り合う」という意味の慣用句となったようです。この“touch base”を用いる場合、単なる「連絡する」ではなく、「何か共通の課題やプロジェクトがある際に連絡を取る」というニュアンスで用いられます。米国の病院で研修医として働いていると、たとえば指導医から「あの症例についてあとでまた話そう、いろいろ調べてまた伝えるよ」といった状況で、よくこの“I’ll touch base with you.”と声を掛けられます。臨床現場に限らず、とても使いやすい表現なので、ぜひ身に付けてください。英語表現で1つ先の“塁”を狙えるかもしれません。講師紹介

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メチニコフの長寿論―楽観主義的人生観の探求

100年前から唱えられていたヨーグルト「不老長寿論」「ヨーグルト不老長寿説」で知られるノーベル賞学者・メチニコフ(Elie Metchnikoff)が1907年に仏語で発表した老化研究の名著『Essais Optimistes(楽観主義的試論)』の完全翻訳版。老化プロセスの解明だけでなく、「生命とは」「死とは」「人間とは」といった根源的なテーマを追求した原著完訳に、「現代の視点から見た専門用語の定義づけとその今日的意義」の脚註を加え、巻末には「メチニコフ小伝」および写真や年譜を掲載。なお、脚注等の執筆に村上 陽一郎氏、岩田 誠氏、池田 清彦氏、五十嵐 隆氏、細野 明義氏の編集協力を得た。また、パスツール研究所名誉教授のジャン=マルク・カヴァイヨン氏よりカバー原画提供、「日本語新版刊行によせて」を寄稿いただいた。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。    メチニコフの長寿論―楽観主義的人生観の探求定価2,970円(税込)判型菊判上製頁数432頁発行2021年12月著者エリ・メチニコフ訳者森田 由紀(オランダ語公認翻訳家)

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日本人外来患者の片頭痛予防に対するフレマネズマブの長期安全性と忍容性

 従来の片頭痛に対する長期的な予防効果は、早期の治療中止やアドヒアランス不良による影響を受ける。そのため、長期にわたり安全性が良好な片頭痛予防薬が求められる。埼玉精神神経センターの坂井 文彦氏らは、日本人の慢性または反復性片頭痛患者に対するフレマネズマブによる予防的治療の長期的な安全性および忍容性を評価するため、検討を行った。Drug Safety誌2021年12月号の報告。 本研究は、52週間のランダム化非盲検並行群間試験として実施された。新たにエントリーされた日本人の慢性または反復性片頭痛患者を対象に、フレマネズマブを月1回投与する群と四半期ごとに投与する群にランダムに割り付けた。安全性は、注射部位の反応、検査値、バイタルサインを含む、治療による有害事象(TEAE)のモニタリングにより評価した。新たにエントリーされた患者、以前の第IIb/III相試験でフレマネズマブが投与されなかったロールオーバー患者、合計587例を免疫原性試験コホートに含めた。有効性アウトカムは、1ヵ月当たりの平均片頭痛日数のベースラインからの変化、1ヵ月当たりの中等度~高度の頭痛日数のベースラインからの変化などであった。その他の有効性アウトカムとして、障害スコアの変化を評価した。 主な結果は以下のとおり。・新たにエントリーされた日本人患者数は50例で、慢性片頭痛患者では、フレマネズマブ月1回投与群17例、フレマネズマブ四半期ごと投与群17例、反復性片頭痛患者では、フレマネズマブ月1回投与群8例、フレマネズマブ四半期ごと投与群8例であった。・最も多く認められたTEAEは、鼻咽頭炎(64.0%)、次いで注射部位の反応(紅斑:24.0%、硬結:10.0%、痛み:8.0%、そう痒:6.0%)であった。・治療中止率は低く(有害事象による中止:4.0%、有効性不十分による中止:2.0%)、死亡例は認められなかった。・抗薬物抗体の発生率は低かった(2.4%)。・フレマネズマブは、初回投与1ヵ月後から1ヵ月当たりの片頭痛日数および中等度以上の頭痛日数の減少が認められ、その効果は12ヵ月間持続していた。・フレマネズマブにより、12ヵ月時点での急性頭痛薬の使用および頭痛関連障害の持続的な減少が認められた。 著者らは「日本人の慢性または反復性片頭痛患者に対するフレマネズマブ使用は、十分に許容されており、12ヵ月間を通じて1ヵ月当たりの片頭痛日数および中等度以上の頭痛日数の持続的な減少が期待できる」としている。

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抗TROP2抗体薬物複合体Dato-DXd、TN乳がんでの第I相試験最新データ(TROPION-PanTumor01)/SABCS2021

 抗TROP2抗体薬物複合体datopotamab deruxtecan(Dato-DXd、DS-1062)の固形がんを対象とした第I相TROPION-PanTumor01試験のうち、切除不能なトリプルネガティブ(TN)乳がんにおける安全性と有効性に関する最新データについて、米国・Dana-Farber Cancer InstituteのIan Krop氏がサンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS 2021)で発表した。本データから、Dato-DXdが管理可能な安全性プロファイルと有望な抗腫瘍活性を示すことが示唆された。 本試験は進行中の多施設非盲検第I相試験で、進行/転移乳がん、非小細胞肺がん(NSCLC)、その他のがんを対象に安全性と有効性が評価されている。今回、TN乳がんコホートにおける更新結果を発表した。・対象:標準治療後に病勢進行した切除不能なTN乳がん(ECOG PS 0~1)44例・投与スケジュール:42例はDato-DXd 6mg/kgを3週間ごとに静脈内投与、2例は8mg/kgを投与・評価項目:[主要評価項目]安全性、忍容性[副次評価項目]有効性(盲検下独立中央評価[BICR]による奏効率)、薬物動態など 主な結果は以下のとおり。・データカットオフ(2021年7月30日)時点で、44例中13例(30%)が治療を継続し、30例(68%)が病勢進行、1例(2%)が有害事象により治療を中止していた。・年齢中央値は53歳(範囲:32〜82歳)で、30例(68%)が前治療を2ライン以上受けていた。前治療は、19例(43%)が免疫療法、13例(30%)は別のトポイソメラーゼ阻害薬が結合した抗体薬物複合体(うち10例はsacituzumab govitecan)が投与されていた。・BICRによる奏効率は34%(確定したCR/PR:14例、確定前のCR/PR:1例)で、病勢コントロール率(DCR)は77%だった。・別のトポイソメラーゼI阻害薬が結合した抗体薬物複合体による治療歴のない27例のサブグループ解析において、奏効率は52%(確定したCR/PR:13例、確定前のCR/PR:1例)で、DCRは81%だった。・奏効期間中央値は未到達(範囲:2.7〜7.4+ヵ月)だった。・治療中の有害事象(TEAE)は、全Gradeが98%、Grade3以上が45%に発現し、治療関連TEAEは全Gradeが98%、Grade3以上が23%に発現した。重篤な治療関連TEAEは5%に発現し、死亡例はなかった。・発現の多かった有害事象は、悪心、口内炎、嘔吐、倦怠感、脱毛症で、血液毒性と下痢の頻度は低かった。薬物関連の間質性肺疾患は報告されていない。 なお、本試験におけるHR+/HER2-乳がんコホートについては登録が完了している。ほかにも、TN乳がんに対してDato-DXd+デュルバルマブの有効性と安全性を評価するBEGONIA試験が進行中である。また、HR+/HER2-乳がんに対する第III相TROPION-Breast01試験が開始されており、今後、TN乳がんに対する第III相試験も予定されている。

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第81回 医師79人の残業代未払い計1億円、3回目の勧告で支払いへ

<先週の動き>1.医師79人の残業代未払い計1億円、3回目の勧告で支払いへ2.オミクロン株懸念、海外渡航歴のある全陽性者に入院要請/厚労省3.年収200万円以上の後期高齢者の自己負担2割、来年10月から4.コロナ病床確保のため、感染症法改正案を来年の通常国会に提出へ5.自宅療養者へアビガンの不適切処方が問題に/千葉県6.介護老人保健施設で殺人事件、看護師が逮捕/茨城県警1.医師79人の残業代未払い計1億円、3回目の勧告で支払いへ医師の時間外労働について、すべての医師を管理職と位置付けて割増賃金を支給していなかったとして、宮城県の気仙沼市立病院が労働基準監督署から是正勧告を受けた。勧告に従い、未払いの賃金について、医師79人に計約1億円を年度内に支払う。これまでに同院は2017~2021年にかけて3回、同じ趣旨の勧告を受けていた。現在は診療科長以上を管理職とするよう規則を改めている。(参考)「医師は全て管理職」に是正勧告 残業代1億円支払いへ 気仙沼市立病院(河北新報)医師79人に残業代計1億円を未払い 宮城・気仙沼市立病院 病院側は全員に計1億円余り支払う方針(東日本放送)2.オミクロン株懸念、海外渡航歴のある全陽性者に入院要請/厚労省厚生労働省は、国内での新型コロナウイルスの変異型「オミクロン株」の感染予防策として、新型コロナウイルスの陽性者のうち、過去14日以内に海外渡航歴があるすべての人を入院させるよう、自治体に要請した。陽性者がオミクロン株に感染しているかどうかを調べるには時間がかかるため、結果が出るまではオミクロン株感染疑い例として扱うこととなる。オミクロン株の感染症例は、症状がある人は回復後に、無症状の場合は陽性確認6日後に、それぞれ2回連続で陰性を確認後に退院が可能となる。(参考)入国2週間以内の全陽性者を入院へ 厚労省、オミクロン警戒で要請(朝日新聞)オミクロン株 検疫外で初確認…岐阜の男性(読売新聞)3.年収200万円以上の後期高齢者の自己負担2割、来年10月から政府は、75歳以上の高齢者の医療費負担について、原則1割負担から年収200万円以上の場合2割へ引き上げる時期を来年10月とする方向で検討に入った。来年以降、団塊世代が後期高齢者に入ることを踏まえ、医療費の増加が見込まれている。政府は現役世代の負担増加を抑えるため、今年6月に医療制度改革関連法で2割負担の導入を決めており、来年の予算編成で導入時期を正式に決める。75歳以上の高齢者の窓口負担が2割となる対象者は約370万人だが、今後の医療費抑制策についてさらに検討を進めると見られる。(参考)75歳以上の医療費2割負担 来年10月から実施で検討 政府(NHK)75歳以上医療費2割負担、22年10月から 厚労省調整(日経新聞)4.コロナ病床確保のため、感染症法改正案を来年の通常国会に提出へ政府は、新型コロナウイルス感染症対策を強化するため、来年の1月に開会される通常国会に感染症改正案などを提出する見通しだ。新型コロナ患者に対応する病床を確保するために、国や自治体と医療機関が結ぶ協定を法律上の仕組みで実効性を高め、民間病院に対しても協議に応じるよう義務付け、平時から取り組みを進めるのが狙い。また、都道府県に対しても、自宅や宿泊施設での療養者の健康観察を義務付け、新たな公費負担医療制度を創設する見込み。(参考)感染症法改正案、22年国会提出 コロナ病床確保、検疫強化へ(東京新聞)医療機関と協定法定化 感染症法改正案全容判明(産経新聞)5.自宅療養者へアビガンの不適切処方が問題に/千葉県今年の8~9月、千葉県いすみ市の公立病院「いすみ医療センター」で、自宅療養中の新型コロナウイルス感染者90例以上に対して、抗インフルエンザ薬「ファビピラビル(商品名:アビガン)」を処方していた問題で、12月7日に記者会見を開き、不適切な処方だったとして謝罪した。厚労省は、ファビピラビルのコロナ患者への投与については研究名目で、患者の同意を前提に入院患者に限って認めていた。病院によれば、8月中旬は病床が逼迫した状況であり、当時同院のアドバイザーだった医師が、いすみ市が開催した会議で自宅療養者に対してファビピラビルを含めた複数の薬剤を投与する旨を発言し、保健所長も同意していたという。現在のところ、重篤な健康被害は確認されていない。(参考)自宅療養者へのアビガン処方 担当医「やむをえなかった」(朝日新聞)アビガン処方、車の窓越しに医師「コロナに打ち勝つぞ」…患者「説明理解できず」(読売新聞)10代含む自宅療養者90人にアビガン投与 厚労省通知に違反か 千葉・いすみ医療センター(東京新聞)コロナ未承認薬のアビガン処方、保健所長も同意…病院関係者の聞き取り開始(千葉日報)6.介護老人保健施設で殺人事件、看護師が逮捕/茨城県警茨城県古河市の介護老人保健施設「けやきの舎(いえ)」で、去年7月に入所中の男性が殺害されたとして、殺人容疑で当時介護職員として勤務していた元職員を茨城県警が8日に逮捕した。捜査関係者によると、この施設では複数の入所者の不審死が確認されており、県警が関連について調べている。死亡した76歳男性の死因は空気塞栓による急性循環不全であり、当日に同容疑者が普段は使わないシリンジ(注射筒)を使っているのを目撃され、同日に退職していた。容疑者は看護師の資格を持ち、昨年4月から介護職員として同施設で勤務し、研修中だった。(参考)76歳死亡の介護施設 複数不審死を確認 県警、関連調べる 茨城(毎日新聞)注射筒使用を同僚が目撃 逮捕の元職員、通常扱わず(日経新聞)古河の入所者男性殺害事件 遺体に「多量の空気注入」痕跡(NHK)

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1日の集患数がわかる?「診療圏調査」を信じて開業すると…【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第31回

第31回 1日の集患数がわかる?「診療圏調査」を信じて開業すると…漫画・イラスト:かたぎりもとこ「診療圏調査」、開業を検討したことのある方であれば、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。開業時のテナントや物件を検討する際に、この場所で開業するとどれくらい患者さんが集まるかを把握するための調査を指します。「どうやって計算するの?」と思われるかもしれませんが、開業支援を行う各社が開発したシステムがあり、わずか数分で1日当たりの外来数の推定値を出すことができるのです。計算の基になるのは「該当エリアに住む人口」「競合医院の数」などです。ここでひとつ問題なのは、いずれの数値も現時点での動向を反映していない可能性があることです。人口については、5年に一度実施される国勢調査を基にすることが多く、時期が悪ければ5年前のデータで計算されています。競合医院の数についてもしかりで、直近1年で開設された診療所は含まれていないことが一般的です。こうしたデータの特性を知らせないまま、診療圏調査で算出された情報を、あたかも実際に集患できるかのように開業希望の医師に伝えている事業者が多いのです。こうしたことを前提に、診療圏調査で出た数値は参考程度にし、新規開業の場合は予定地の周囲を自分の足で歩いて調査する、承継においては承継予定の診療所の決算データなどの実勢値を重視して意思決定することをお勧めします。

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第44回 相関関係とは?【統計のそこが知りたい!】

第44回 相関関係とは?関数関係がある場合には、xの値が決まると必然的にyの値が決まります。ところが、xの値が決まったからといってyの値が正確には定まらず、そうかといって両者がまったく関係がないともいえないこともあります。このような現象の代表例としてよく取り上げられるのが「身長と体重との関係」です。以下に相関関係について説明します。■相関関係(Correlation)次の表はある10人の学生について身長と体重を測定した結果です。表 対象者の体重と身長の一覧身長をy軸(縦軸)、体重をx軸(横軸)にとり、点グラフを描くと図になります。この図のことを「相関図」または「散布図」といいます。図 身長と体重の相関図(散布図)相関図で体重と身長の関係をみると「体重が決まれば身長が決まる」という明確な関係はみられません。そのため、体重と身長との関係を関係式で表すことはできません。しかし、体重が重ければ身長が高くなる傾向はみてとれ、体重と身長は「まったく無関係」ともいえません。このように、2つの項目がかなりの程度の規則性をもって、同時に変化していく性質を「相関」といいます。また、2つの項目xとyについて、xの値が決まれば必然的にyの値が決まるわけではないにしろ、両者の間に関連性が認められるとき「xとyとの間には相関関係がある」といいます。相関関係の程度の強さを表す指標を「相関関係」といいます。また、相関関係を用いて変数相互の因果関係を調べることを「相関分析(Correlation analysis)」といいます。■さらに学習を進めたい人にお薦めのコンテンツ統計のそこが知りたい!第42回 相関分析とは?「わかる統計教室」第4回 ギモンを解決!一問一答質問10 2項目間の関連性を把握する際の統計学的手法の使い分けは?(その1)質問10 2項目間の関連性を把握する際の統計学的手法の使い分けは?(その2)質問10 2項目間の関連性を把握する際の統計学的手法の使い分けは?(その3)

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コロナワクチン3種の有効性、流行株で変化?/NEJM

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するBNT162b2(Pfizer/BioNTech製)、mRNA-1273(Moderna製)、Ad26.COV2.S(Janssen/Johnson & Johnson製)の3種類のワクチンの有効性は、デルタ変異株が優勢になるに伴ってやや低下したものの、COVID-19による入院に対する有効性は高いまま維持されていた。ただし、65歳以上でBNT162b2またはmRNA-1273ワクチン接種者に限ってみると、COVID-19による入院に対する有効率はわずかに低下していたという。米国・ニューヨーク(NY)州保健局のEli S. Rosenberg氏らが、同州データベースを用いた前向きコホート研究の解析結果を報告した。FDAが承認した3種類のCOVID-19ワクチンの有効性に関する、米国の地域住民を対象としたデータは限られており、ワクチンの有効性の低下が、免疫の減弱、デルタ変異株または他の原因に起因するかどうかについても不明であった。著者は、「今回の結果は、COVID-19患者を減少させるためには、予防行動に加えてワクチンが引き続き有効であることを支持するものである」とまとめている。NEJM誌オンライン版2021年12月1日号掲載の報告。NY州869万人における3種類のワクチンの有効性を検証 研究グループは、NY州における4つのデータベース(CIR、NYSIIS、ECLRS、HERDS)※を連携して、同州居住18歳以上の成人869万825例を対象とするコホートを構築し、BNT162b2、mRNA-1273およびAd26.COV2.Sワクチンの有効性を評価した。 評価項目は、2021年5月1日~9月3日における検査で確認されたCOVID-19に対するワクチンの有効性、ならびに2021年5月1日~8月31日におけるCOVID-19による入院(入院時または入院後にCOVID-19と確定診断)に対するワクチンの有効性で、接種したワクチンの種類、年齢、ワクチン接種完了月に準じて定義したコホートと、年齢別のワクチン未接種コホートを比較した。※CIR(Citywide Immunization Registry):NY市居住者のCOVID-19ワクチン接種に関する全データ、NYSIIS(New York State Immunization Information System):NY州およびその他の地域のCOVID-19ワクチン接種に関するデータ、ECLRS(Electronic Clinical Laboratory Reporting System):NY州のすべてのCOVID-19検査結果、HERDS(Health Electronic Response Data System):NY州内全入院施設の日次電子調査(COVID-19の診断が確認された人の全新規入院に関するデータ日次新型コロナ入院データを収集)2021年5月~8月に、3種類すべてで有効性が低下 対象期間中に、COVID-19は15万865例、COVID-19による入院は1万4,477例確認された。 流行中の変異株に占めるデルタ変異株の割合が1.8%だった2021年5月1日の週において、COVID-19に対する有効率中央値は、BNT162b2で91.3%(範囲:84.1~97.0)、mRNA-1273で96.9%(93.7~98.0)、Ad26.COV2.Sで86.6%(77.8~89.7)であった。 その後、有効率は全コホートで同時に低下し、全体の有効率中央値は5月1日の週の93.4%(範囲:77.8~98.0)から、デルタ変異株が85.3%を占めた7月10日頃には73.5%(13.8~90.0)、デルタ変異株が99.6%を占めた8月28日の週には74.2%(63.4~86.8)となった。 一方、COVID-19による入院に対する有効率は、18~64歳では明らかな経時変化はみられず、ほぼ86%以上で維持されていた。65歳以上では、BNT162b2またはmRNA-1273は5月から8月にかけて有効率が低下し(それぞれ94.8%→88.6%、97.1→93.7%)、Ad26.COV2.Sは経時的な変化はないものの他のワクチンよりも有効率が低かった(範囲:80.0~90.6%)。

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新薬elacestrantがHR+進行乳がん2~3次治療でPFS改善、初の経口SERD(EMERALD)/SABCS2021

 ホルモン受容体陽性/ HER2陰性の転移を有する閉経後乳がん患者への2次および3次治療において、経口選択的エストロゲン受容体分解薬(SERD)elacestrantが、医師選択の標準治療と比較して死亡または疾患進行リスクを有意に減少させ、無増悪生存期間(PFS)を改善した。第III相EMERALD試験の中間解析結果を、米国・Mass General Cancer CenterのAditya Bardia氏がサンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS2021)で発表した。 現在、同患者に対しては主に内分泌療法とCDK4/6阻害薬による治療が行われているが、ほとんどの患者は最終的にこれらの治療に対する耐性を獲得し、その耐性機序の一つとしてESR1変異が考えられている。 SERDとして乳がん治療で唯一承認されているフルベストラントは筋肉内注射による投与であり、経口SERDとして第III相試験が実施されたのは今回のelacestrantが初。Bardia氏はelacestrantはフルベストラントと比較して吸収が大きく、薬物動態が改善され、ERの阻害が強化されていると説明した。EMERALD試験は多施設共同無作為化比較試験で、北米・ヨーロッパの他アルゼンチン、韓国、オーストラリアなど17カ国228施設が参加。日本からの参加はない。・対象:ホルモン受容体陽性/ HER2陰性の転移を有し、CDK4/6阻害薬治療後に進行した男性および女性の閉経後乳がん患者(1~2ラインの内分泌療法歴[うち1ラインはCDK4/6阻害薬との併用]と1ライン以下の化学療法歴有、ECOG PS 0/1) 477例・elacestrant群:elacestrant(400mg/日) 239例・標準治療群:治験担当医選択によるフルベストラントまたはアロマターゼ阻害薬 238例・評価項目:[主要評価項目]ITT集団およびESR1変異を有する患者におけるPFS[副次評価項目]全生存期間(OS) 主な結果は以下のとおり。・ベースライン時点での患者特性は両群でバランスがとれており、年齢中央値はelacestrant群63.0歳vs.標準治療群63.5歳、内臓転移を有する患者は68.2% vs.70.6%、1ラインの化学療法歴を有する患者は20.1% vs.24.4%だった。・主要評価項目であるITT集団におけるPFS中央値は、elacestrant群2.79ヵ月に対し標準治療群1.91ヵ月となり、elacestrant群で有意に改善した(ハザード比[HR]:0.697、95%信頼区間[CI]:0.552~0.880、p=0.0018)。・ESR1変異を有する患者におけるPFS中央値は、elacestrant群3.78ヵ月に対し標準治療群1.87ヵ月となり、elacestrant群で有意に改善した(HR:0.546、95%CI:0.387~0.768、p=0.0005)。・ITT集団における6ヵ月時点でのPFS率は34.3% vs.20.4%、12ヵ月時点では22.32% vs.9.42%だった。ESR1変異を有する患者においては6ヵ月時点でのPFS率は40.8% vs.19.1%、12ヵ月時点では26.76% vs.8.19%だった。・elacestrantによるPFSのベネフィットは、フルベストラントによる治療歴(HR:0.679、 95%CI:0.438~1.029)および内臓転移を有する患者(HR:0.665、95%CI:0.607~0.869)を含む、事前に設定されたほとんどのサブグループにおいて観察された。 一方、アジア人(HR:1.091、95%CI:0.456~2.642)およびその他の人種(HR:1.075、95%CI:0.309~3.580)ではみられなかった。ただし、これらのサブグループは例数が少ない(32例、14例)。・副次評価項目であるOS中央値は、未成熟なデータではあるが、ITT集団 (HR:0.751、 95%CI:0.542~1.038、p=0.0821) およびESR1変異を有する患者(HR:0.592、95%CI:0.361~0.958、p=0.0325)においてともにelacestrant群で良好な傾向がみられている。・全Gradeの治療関連有害事象(TRAE)で多くみられたのは悪心(35.0% vs.18.8%)、倦怠感(19.0% vs.18.8%)、嘔吐(19.0% vs.8.3%)、食欲不振(14.8% vs.9.2%)、関節痛(14.3%vs.16.2%)。Grade3/4では、悪心(2.5% vs.0.9%)、背部痛(2.5% vs.0.4%)、ALT上昇(2.1% vs.0.4%)がみられた。TRAEによる治療中止はelacestrant群3.4%、標準治療群0.9%で報告され、両群とも治療関連の死亡は発生していない。 Bardia氏は同患者に対するelacestrant単剤療法は新しい標準治療となる可能性があるとし、OSの最終結果は来年以降発表される見通しとした。また、より早期の治療ラインにおける有効性および他の治療薬と組み合わせたときの有効性を評価する必要があるとし、脳転移のある患者を対象に、アベマシクリブと組み合わせたelacestrantの有効性を評価する第II相試験が計画されているとした。

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医師が選ぶ「2021年の漢字」TOP5を発表!【CareNet.com会員アンケート】

毎年12月に発表される「今年の漢字」(主催:日本漢字能力検定協会)に先立ち、CareNet.com会員の先生方にも今年の漢字を選んでいただきました! 皆さんは、今年1年の世相を漢字1文字で表すとしたら、何を思い浮かべますか?それでは、医師に選ばれた「2021年の漢字」TOP5を発表します。イラスト内の漢字は、日本習字高等師範免許を持つケアネット社員による書き下ろしです!第1位「禍」第1位は、第2位と倍の差をつけた「禍」。2021年も、昨年に続き新型コロナウイルス感染症の影響が色濃い1年でした。医療現場にとっての第5波は、東京オリンピックよりも大きいインパクトだったようです。来年こそは、平穏な日常を取り戻したいですね。「禍」を選んだ理由(コメント抜粋)コロナ禍という一言に尽きると思う。(60代 整形外科/大阪)コロナ第5波が印象に残っているから。(30代 消化器内科/東京)まだまだコロナの影響が根強いため。(40代 内科/福岡)コロナに巻き込まれ、国も自治体も、個人も人生がかき回された1年だった。(30代 心臓血管外科/大分)コロナによる医療崩壊や度重なる自然災害など禍が絶えない年でした。(50代 泌尿器科/岩手)第2位「輪」第2位にランクインした「輪」は、1年遅れで開催された東京オリンピック・パラリンピックを連想させます。五輪の「輪」だけでなく、世界や人とのつながりを感じたという趣旨のコメントも多数寄せられました。開催には賛否両論ありましたが、無事に閉会でき安堵した方も多かったのではないでしょうか。同じく五輪から連想される「金」や「五」と答えた方もいらっしゃいました。 「輪」を選んだ理由(コメント抜粋)五輪があったとともに、「人の輪」を再認識したから。(30代 糖尿病・代謝・内分泌内科/京都)オリンピック。ワクチン接種が世界各国で行われており世界の輪を感じたから。(30代 精神科/茨城)諸外国と比較しまずまずの感染水準で東京オリンピック、パラリンピックを遂行できたため。記念すべきイベントだったと思います。(30代 耳鼻咽喉科/東京)激動の時代だったと思うがそこからの回復、復興をしている皆の協力をもっての輪、オリンピックの輪。(40代 麻酔科/静岡)■第3位「耐」第3位は「耐」でした。長らく続いた緊急事態宣言による大型商業施設や飲食店の休業、移動制限など、全国民が我慢を強いられた1年でした。医療従事者はさらに第5波への対応やワクチン接種業務などもあり、耐えに耐え抜いた年だったことと思います。1年間本当にお疲れさまでした。 「耐」を選んだ理由(コメント抜粋)2020年に続き、コロナウイルスのために耐える1年だった。(50代 内科/茨城)なかなか収束しない感染状況、自粛生活に耐え、勤務先でも急な退職が相次ぎ、業務増加に耐え…と耐える1年だった。(40代 精神科/熊本)生活、仕事のさまざまな局面で自粛を求められ、耐える一年であったから。(40代 消化器内科/茨城)第4位「忍」第4位の「忍」は、コメントにもあるように、「耐え忍んだから」という理由で選んだ方が多かったようです。とくに医療従事者の皆さんは我慢を強いられる場面も少なくなかったことでしょう。新たな変異株が現れ、先行きが不透明な状況ではありますが、年末年始は少しでも気の休まる時間が取れるとよいです。 「忍」を選んだ理由(コメント抜粋)コロナで国民みんなが耐え忍んだ年だから。(40代 内科/新潟)県外への移動禁止、3密回避など、我慢の一年だったから。(30代 その他診療科/静岡)コロナ禍も2年目となり、オリンピックや選挙などもあったが、大きな混乱もなくさまざまな社会活動を行えるようになっているのは、大勢の人々の忍耐力によるものだったと思う。(50代 麻酔科/兵庫)第5位「乱」第5位は、過去にも何度か登場している「乱」でした。コロナによる世の中や生活の「混乱」を連想した方が多かったようです。来年こそは、落ち着いた気持ちで過ごしたいものですね。同様の理由で「混」を選んだ方もいらっしゃいました。 「乱」を選んだ理由(コメント抜粋)コロナ、政治などいろいろなところで混乱があったから。(30代 泌尿器科/神奈川)新型コロナですべてが乱されたから。(50代 内科/埼玉)自分の生活が目まぐるしく変化して乱れた。(40代 呼吸器内科/大阪)これまで未経験な事態が重なった。(40代 循環器内科/東京)アンケート概要アンケート名『2021年振り返り企画!今年の漢字と印象に残ったオリパラ選手をお聞かせください』実施日   2021年11月15日~21日調査方法  インターネット対象    CareNet.com会員医師有効回答数 1,059件

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ドイツで産んでみた(3) ドイツの育児制度【空手家心臓外科医のドイツ見聞録】第8回

予定より1ヵ月早く出産切迫早産を乗り切り、36週で双子の女の子が誕生しました(緊急カイザーでした。ドイツでは“Kaiserschnitt”[カイザーシュニット]と言います)。NICUには10日ほど滞在し、無事に退院することができました。生後10分の娘2人とスリーショット子供が産まれた! と言うことを職場に伝えたら、いつもよくしてくれる医事課のおばさんから電話がかかってきました。「“Elternzeit”の申請と、“Elterngeld”の申請はちゃんとできてる? 忘れずに申請しなさい!」とのことでした。“Eltern”はドイツ語で「親」と言う意味です。“Zeit”は「時間」、“Geld”は「お金」です。直訳すると「両親の時間」「両親のお金」、ざっくり言うと「育休」と「両親手当」と言ったところでしょうか。そう言う制度があるのは知っていたのですが…。出産予定日が1ヵ月先だったので、正直あんまり調べてなくて…慌ててネットで調べました。日本も見習って欲しい手厚いドイツの出産育児制度ドイツは両親のどちらも育休を取る権利があります。最大で3年だったかな? 申請すれば必ず取れます。まとめて取らなくてもよい制度です。子供が3歳になるまで、気が向いたときに親はいつでも取れるという、素晴らしいシステムです。育休の後は、育休前のポジションが法律で保証されています。ちなみにその間の給料については、父母のうちの「働く側の親」に関して2ヵ月間は支払われます。「育児に専念する側の親」はもっと長い期間支払われるそうです(うちの奥様は専業主婦だったので請求できなかったんです…)。そして、それとは別に子供1人に対し、ベーシックインカムが支払われます。一人当たり月に200ユーロ(約2万5,000円)が18歳まで支払われます。オムツは安くて病院もタダ。とにかくドイツは育児に費用がかからない国なので、子供ができると黒字になるようにできています。休みも取れて、お金も儲かる。私の同僚は子供ができたときに「休みが取れる!」と言ってガッツポーズをしていました。ドイツも少子化が大きな社会問題となっていますので、国が非常に明解な対策を取っていることがわかります。

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腎不全患者の在宅中心静脈栄養の輸液設計を提案【うまくいく!処方提案プラクティス】第43回

 今回は、腎機能低下時の中心静脈栄養(以下、TPN)の設計についてです。腎機能低下時はタンパク質の利用制限があるため負荷量の制限が必要です。そのため、タンパク質の利用効率の指標であるNPC/N比(非タンパクカロリー/窒素比)を考慮して輸液設計を提案しました。患者情報80歳、男性(在宅)基礎疾患びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、前立腺がん(多発骨転移・リンパ節転移)、慢性心不全、心房細動、陳旧性脳梗塞、慢性腎不全、腹部大動脈瘤術後介護度要介護4服薬管理妻(点滴交換も妻が実施)介護状況毎週月曜日ルート交換、訪問看護処方内容 ※内服薬は誤嚥リスクのため中止1.エルネオパNF2号輸液 1,000mL 24時間投与2.フロセミド注20mg 1A 静脈注射本症例のポイントこの患者さんは、在宅医療で介入した当初よりBUN:49.8mg/dL、血清クレアチニン値:2.66mg/dLと高度の腎機能低下がありました。心不全もあるため水分量が多く、浮腫を繰り返して治療に難渋している状態でした。ある日、医師より電話連絡があり、「Alb値(1.9g/dL)、総タンパク(5.4g/dL)が低いので、がん末期で悪液質があることは承知のうえだが、栄養改善のために今の輸液内容にアミノ酸輸液を追加したいと考えているがどうか」と相談がありました。そこでポイントを整理することにしました。<NPC/N比(非タンパクカロリー/窒素比)>アミノ酸は十分な糖質や脂質を摂取できている状態ではタンパク合成に利用されるが、糖質や脂質が不足している状態ではエネルギーとして消費され、タンパク合成に利用されない。アミノ酸が効率よくタンパク質の合成に利用されるかどうかをみる指標としてNPC/N比が用いられる。NPC/N比=(総エネルギー量)-(タンパク質エネルギー量)/(タンパク質重量)÷6.25現行のエルネオパNF2号輸液1,000mLのNPC/N比は149で、腎不全時の推奨NPC/N比は300~500です。患者は腎不全があることからアミノ酸合成能力は低下しており、タンパク質の異化(分解)が亢進している状態と考えられます。タンパク質負荷が増加してアミノ酸利用能を超えると、BUN上昇から尿毒症や高NH3血症などが惹起される可能性が高くなります。輸液内容全体を見直して、アミノ酸利用効率の高い輸液設計が必要と考えました。処方提案と経過医師への折り返し電話の前に、トレーシングレポートで下記の輸液設計プランを送付しました。現在のエルネオパNF2号は電解質+糖質+アミノ酸+ビタミン剤+微量元素を含有した製剤であり、ここにアミノ酸輸液を上乗せするとさらにNPC/N比が低下します。そのため、電解質+糖質の製剤であるハイカリックRF輸液への変更を提案しました。ハイカリックRFの「RF」はRenal Failure(腎不全)の略で、腎不全患者用に調整された製剤です。また、本剤のみでは不足する成分もあるため、総合ビタミン剤や微量元素も追加し、アミノ酸輸液も腎不全用の低タンパク質製剤で個々に調整することが適当と考えました。提案内容1.ハイカリックRF輸液 500mL2.10%塩化ナトリウム注射液キット 20mL3.塩化カリウム注射液キット 20mEq4.高カロリー輸液用総合ビタミン剤キット 1キット5.腎不全用アミノ酸製剤(1-2)注射液200mL 2袋Total:1,094.4kcal、NPC/N比:312.5、水分量:900mL医師より上記の設計プランが承認され、投与内容を変更するよう指示がありました。変更対応後10日目に高Na血症(155mEq/L)が発現したことで10%塩化ナトリウム注射液キットが中止になりましたが、それ以外の輸液内容は継続となりました。その後、栄養評価に関する検査値の改善は認められませんでしたが、電解質も含めて悪化なく経過し、看取りまで点滴内容は継続となりました。日本静脈経腸栄養学会・大塚製薬工場. やさしく学ぶための輸液・栄養の第一歩 第4版.

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新作用機序のアトピー性皮膚炎外用薬「モイゼルト軟膏0.3%/1%」【下平博士のDIノート】第87回

新作用機序のアトピー性皮膚炎外用薬「モイゼルト軟膏0.3%/1%」今回は、アトピー性皮膚炎治療薬「ジファミラスト(商品名:モイゼルト軟膏0.3%/1%、製造販売元:大塚製薬)」を紹介します。本剤は、ホスホジエステラーゼ4(PDE4)阻害作用を有する外用のアトピー性皮膚炎治療薬であり、既存薬とは異なる作用機序で皮膚の炎症を抑制します。<効能・効果>本剤は、アトピー性皮膚炎の適応で、2021年9月27日に承認されました。<用法・用量>通常、成人には1%製剤を1日2回、小児には0.3%製剤を1日2回、適量を患部に塗布します。小児でも、症状に応じて1%製剤を使用することができますが、症状が改善した場合は0.3%製剤への変更を検討します。なお、1%製剤で治療開始4週間以内に症状の改善が認められない場合は、使用を中止します。<安全性>国内でアトピー性皮膚炎患者を対象に行われた第III相試験では、本剤1%を投与した15歳以上182例中1例(0.5%)、2~14歳85例中3例(3.5%)、同様に本剤0.3%を投与した2~14歳83例中5例(6.0%)で副作用が報告されました。また、長期投与試験では本剤1%を投与した15歳以上166例中14例(8.4%)、2~14歳56例中8例(14.3%)、同様に本剤0.3%を投与した2~14歳144例中8例(5.6%)で副作用が報告されました。主な副作用は、色素沈着障害、毛包炎、掻痒症、ざ瘡などでした。<患者さんへの指導例>1.この薬は、体内の炎症物質の活性を阻害することで、皮膚の炎症を抑えてアトピー性皮膚炎の症状を改善します。2.通常、人差し指の指先から第一関節まで(約2.5cm)チューブから押し出した量が、成人の手のひら2枚分の広さを塗るために必要な量です。3.粘膜や傷がある部位には塗らないでください。4.(女性に対して)この薬を使用している間および使用終了から一定期間は確実な方法で避妊してください。<Shimo's eyes>アトピー性皮膚炎(AD)の薬物療法は、ステロイド外用薬やタクロリムス軟膏、保湿薬を中心として行われてきました。近年は新しい治療薬として、2018年に皮下注射薬のデュピルマブ(商品名:デュピクセント)、2020年に外用薬のヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬のデルゴシチニブ軟膏(同:コレクチム)が発売され、治療選択肢が増えています。本剤は、既存のAD外用薬とは作用機序が異なり、PDE4の酵素活性を選択的に阻害して抗炎症作用を示す油脂性軟膏です。既存のPDE4阻害薬としては、2017年3月にアプレミラスト錠(同:オテズラ)が乾癬などの適応で発売されています。本剤の塗布量は、ステロイド外用薬を塗る際の目安となる1FTU(finger-tip unit)に順じ、人差し指の先端から第一関節まで押し出した量(約2.5cm、0.35g)が成人の手のひら約2枚分の皮疹面積に必要な塗布量となります。小児についても同様に、1FTUが小児の手のひら約2枚分の面積に相当すると考えてよいでしょう。服薬指導では、皮膚の清潔や保湿などのスキンケア、室内の清潔、適度な室温・湿度の保持、ストレスを避けるなど生活指導についてもフォローしましょう。なお、2歳未満の幼児を対象とした臨床試験は行われていません。妊婦への使用については、ラットにおいて大量に使用した場合に胎児死亡率などが高くなったことが報告されており、投与しないことが望ましいとされています。授乳婦については、ラットにおいて授乳中の移行が報告されているので有益性投与です。参考1)PMDA 添付文書 モイゼルト軟膏0.3%/モイゼルト軟膏1%

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英語で「検査をしてほしい」は?【1分★医療英語】第5回

第5回 英語で「検査をしてほしい」は?I might have been exposed to COVID.Can I get tested for it?(コロナウイルスに曝露してしまったかもしれません。検査を受けることはできますか?)Okay,do you have any symptoms?(わかりました、何か症状はありますか?)《例文1》He needs to get tested for Hepatitis B before the surgery.(彼は手術前にB型肝炎検査を受ける必要があります)《例文2》You haven’t got tested for STI for the past three years. Would you like?(ここ3年間性病検査を受けていないようですね。検査されますか?)《解説》“get tested for A”で、「Aの検査を受ける」という表現になります。医療現場でも“want to get tested for COVID”という表現で、患者から検査を要求されることが頻繁にあります。この言い回しは使い勝手が良く、たとえば医師が患者に説明する際にも、“You need to get tested for A(Aの検査を受ける必要があります)”などと説明することができます。ちなみに、日本ではメディアが「新型コロナウイルス」という表現を使って報道しているのに対して、医療現場を除いた日常会話では「コロナ」という略称を使うことが多いかと思います。一方、米国のメディアは“COVID-19”や“Coronavirus”という表現で報道することが多いです。そして、日常ではほとんどの人が“COVID(コービッ)”と言います。“Coronavirus”や“Corona”を聞くことはまずありません。「COVID-19の検査を受けたい」という表現では、“I want a COVID test”という非常にシンプルな伝え方もあります。こちらの表現も日常的によく使われます。“I want to get tested for COVID”と同じ意味ですが、ネイティブからすると、“I want a COVID test”のほうがやや楽観的な印象を受けるようです。講師紹介

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mRNAコロナワクチンによる心筋炎・心膜炎、「重大な副反応」に追加/厚労省

 厚生労働省は12月3日、新型コロナウイルス感染症のmRNAワクチンに対し『重大な副反応』の項に「心筋炎」と「心膜炎」を追記するよう、使用上の注意の改訂指示を発出した。対象製剤はファイザー社の「コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン(SARS-CoV-2)」(商品名:コミナティ)とモデルナ社の「コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン(SARS-CoV-2)」(商品名:(COVID-19ワクチンモデルナ筋注)。 今年7月の時点で重要な基本的注意に追記されていたが、その後の解析で各2回接種後の若年男性(10~20代)で頻度が高いことが示唆された。 このほか、『その他の注意』の項に注射部位反応に関する記載が新設され、「海外において、皮膚充填剤との関連性は不明であるが、皮膚充填剤注入歴のある被接種者において、コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン(SARS-CoV-2)接種後に、皮膚充填剤注入部位周辺の腫脹(特に顔面腫脹)が報告されている」旨が追記された。

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臓器間癒着や切除部の表現~腹腔鏡下S状結腸切除術~【誰も教えてくれない手術記録 】第9回

第9回 臓器間癒着や切除部の表現~腹腔鏡下S状結腸切除術~こんにちは! 手術を描く外科医おぺなかです。本連載ではこれまで、オペレコの作成手順や活用方法を中心に紹介してきましたが、今回からはもう少し踏み込んだ内容として、実際のオペレコ※を題材に、おぺなか流のこだわりポイントについてご紹介します! 今回は、腹腔鏡下S状結腸切除術のオペレコから、臓器間の癒着と切除部位の表現方法について解説します。オペレコを描く楽しさや重要性がさらに伝わるとうれしいです。※個人情報保護の観点から、オペレコは本連載用に描き下ろしています。《術式解説》腹腔鏡下S状結腸切除術は、S状結腸がんに対する標準的な術式です。S状結腸がんを中心にその前後の腸管と周囲のリンパ節を一塊りに切除します。切除した腸管は臍の小開腹創から摘出します。切除後の再建は、腸管同士を自動吻合器で吻合します。例:腹腔鏡下S状結腸切除術のオペレコ(完成図)大まかな手術の流れがひと目でわかるオペレコになっているでしょうか? イラストの細部に注目し、こだわりポイントをいくつか紹介したいと思います。こだわり1:臓器や組織間のつながり(癒着)は線の密度で表現する腹腔内臓器は、腹膜などにより固定されています。がんの手術では、そのような固定や臓器間の癒着を適切に外し、標的臓器を摘出できる状態にしなければなりません。とくに癒着の程度は、がんの進行度や症例ごとにさまざまで、たとえば腹部手術の既往があれば想定以上に癒着していることもありえます。僕は、癒着やがんの浸潤など、臓器間のつながりを、線の密度に差をつけて描いています。癒着が強い部分は密に、弱い部分は疎に線を描き込むと、強弱が生まれわかりやすくなります。参考:臓器間癒着の表現部分を拡大こだわり2:剥離や切除の範囲を矢印などで図示同じ手術でも、臓器や病変部の状態によって剥離や切除の範囲が異なるので、その範囲をイラストに矢印などを用いて図示するとわかりやすいです。正確に手術内容を記載するためにも重要なポイントですね。参考:矢印で図示した部分を拡大僕流のこだわりポイントを紹介しましたが、いかがでしたか? オペレコの描き方は人それぞれですが、目指すところは一緒で「手術内容がわかりやすく伝わる」ことです。今後も僕の専門である消化器外科分野の手術を中心に、“伝わるオペレコ”のポイントをお伝えしていきたいと思います。次回もお楽しみに!

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第27回 有名だけれども意外と見落とされがちな意識障害の原因は?【救急診療の基礎知識】

●今回のPoint1)意識障害の原因は主軸を持って対応を!2)忘れがちな意識障害の原因を把握し対応を!【症例】62歳男性。意識障害仕事場の敷地内で倒れていた。●受診時のバイタルサイン意識20/JCS血圧128/51mmHg脈拍95回/分(整)呼吸20回/分SpO295%(RA)体温36.0℃瞳孔4/4 +/+既往歴高血圧内服薬定期内服薬なし所見麻痺の評価は困難だが、明らかな左右差なし意識障害の原因は?1)救急外来では意識障害患者にしばしば遭遇します。以前に取り上げた意識障害のアプローチに準じて対応しますが、今回の原因は何らしいでしょうか。意識障害というとどうしても頭蓋内疾患を考えがちですが、一般的に頭蓋内疾患が原因の意識障害では血圧は高くなるため、この時点で明らかな麻痺も認めないことから脳卒中は積極的には疑いません。クモ膜下出血の多くは左右差を認めないため、突然発症であった場合には注意が必要ですけどね。それでは原因は何でしょうか?意識障害の原因は多岐に渡り、“AIUEOTIPS”などの語呂合わせで覚えている人も多いのではないでしょうか。急性発症の意識障害であれば、低血糖を除外し、その後頭部CTを検査するというのは一般的な流れかと思います。診療の場において頻度は異なりますが、救急外来を受診する患者では感染症、脳卒中、痙攣、薬剤性、外傷が多く、その他、血糖異常やアルコール、電解質異常などもそれなりに経験します。今回はその中でも見逃しがちな意識障害の原因を見逃される理由と併せて整理しておきましょう。細菌性髄膜炎2)頻度として高くはありませんが、病態として敗血症が考えられる状況においては常に考える必要があります。見逃してしまう理由は、そもそも鑑別に挙げることができない、鑑別に挙げても発熱がない、項部硬直を認めないなどから除外してしまう、その他腰椎穿刺は施行したものの細胞数の上昇を認めなかったため除外してしまったなどが一般的でしょう。ワクチンの普及によって、以前と比較し細菌性髄膜炎は減少傾向にあるものの、毎年私の施設でも数例を経験します。忘れた頃にやってくる疾患といったイメージでしょうか。救急外来では、qSOFA陽性患者では鑑別に挙げ、他のフォーカスが明らかでない場合には積極的に腰椎穿刺を施行し、たとえ細胞数が上昇していなくてもグラム染色所見や培養結果で根拠を持って否定できるまでは、細菌性髄膜炎として対応するようにしています。髄膜刺激徴候は重要ですが、ケルニッヒ徴候やブルジンスキー徴候など特異度が比較的高い所見はあるものの、感度が高い身体所見は存在しないことに注意が必要です(項部硬直は感度46.1%、特異度71.3%)。単一の指標ではなく、総合的な判断が必要であるため、髄膜刺激徴候は1つ1つ確認しますが、結果の解釈を誤らないようにしましょう。細菌性髄膜炎は内科的エマージェンシー疾患であり、安易な除外は禁物です。レジオネラ症(legionellosis)「レジオネラ肺炎」。誰もが聞いたことがある病気ですが、早期に疑い適切な介入を行うことは簡単なようで難しいものです。呼吸困難を主訴に来院し、低酸素血症を認め、X線検査所見では明らかな肺炎像、尿中抗原を提出して陽性、このような状況であれば誰もが考えると思いますが、実臨床はそんなに甘くはありません。肺炎球菌と並んで重症肺炎の代表的な菌であるため、早期発見、早期治療介入が重要ですが、入り口を把握し疑うポイントを知らなければ対応できません。レジオネラ肺炎を見逃してしまう理由もまた同様であり、そもそも鑑別に挙がらない、疑ったものの温泉入浴などの感染経路がなく否定してしまった、尿中抗原陰性を理由に除外してしまったなどが挙げられます。市中肺炎患者に対して肺炎球菌をカバーしない人はいないと思いますが、意外とレジオネラは忘れ去られています。セフトリアキソン(CTRX)やアンピシリン・スルバクタム(ABPC/SBT)などの抗菌薬は、しばしば救急外来で投与されますが、これらはレジオネラに対しては無効ですよね。重症肺炎、喀痰グラム染色で起因菌が見当たらない、紹介症例などでCTRXなどβラクタム系抗菌薬が無効な場合には積極的にレジオネラ肺炎を疑う必要があります。難しいのは入り口が肺炎を示唆する症状ではない場合です。レジオネラ症の初期に認めうる肺外症状を頭に入れておきましょう(表)。これらを認める場合、他に説明しうる原因があれば過度にレジオネラを考える必要はありませんが、そうではない場合、「もしかしてレジオネラ?!」と考え、改めて病歴や身体所見をとるとヒントが隠れているかもしれません。また、意識すれば発熱の割に脈拍の上昇が認められない比較的徐脈にも気付くかもしれません。尿中抗原は診断に多々利用されていますが、これも注意が必要です。特異度は比較的高いとされますが、偽陽性の問題もあります。また、感度は決して高くないため陰性であっても否定できません。(1)重症肺炎、(2)βラクタム系抗菌薬が効かない肺炎、(3)グラム染色で有意な菌が認められない場合、(4)肺外症状を認める場合、(5)比較的徐脈を認める場合、このような場合にはレジオネラを意識して対応するようにしています。表 レジオネラ肺炎の肺外症状画像を拡大するウェルニッケ脳症4)アルコール多飲患者では鑑別に挙げ対応することが多いと思いますが、それ以外の場合には忘れがちです。フレイル患者など低栄養の患者さんでは常に考えるべき疾患であると思います。ウェルニッケ脳症が見逃されがちな5つの誤解があります。それは、「(1)非常にまれである、(2)慢性アルコール患者のみに起こる、(3)3徴(意識障害、眼球運動障害、歩行失調)が揃っていなければならない、(4)チアミンを静注するとアナフィラキシーのリスクが高い、(5)他の診断があれば除外できる」です。正確な頻度は不明であるものの、私たちが行わなければならないのはウェルニッケ脳症を診断すること以上に治療介入のタイミングを逃さないことです。意識障害患者に対するビタミンB1の投与は経静脈的に行いますが、迷ったら投与するようにしましょう。典型的な症状が揃うまで待っていてはいけません。重要なこととして(5)の他の診断があれば除外できるという誤解です。フレイル患者が脳梗塞を起こした場合、肺炎を起こした場合、その場合にビタミンB1が欠乏している(しかけている)ことも考え対応するようにしましょう。意識すると撮影した脳梗塞のMRIに典型的な所見が映っているかもしれませんよ。今回の症例の最終診断は「レジオネラ肺炎」でした。診断へのアプローチは紙面の都合上割愛しますが、意識障害のアプローチは主軸を持ちつつ、そのアプローチで見逃しがちな点を把握し、対応することが重要です。私は重度の意識障害患者に対するアプローチ方法を決め、そこから目の前の患者さんでは必要のない項目を引く形で対応しています。これもあれもと足し算で対応すると忘れたり、後手に回ることがありますからね。1)坂本 壮、安藤 裕貴著. 意識障害。あなたも名医!. 日本医事新報社;2019.2)Akaishi T, et al. J Gen Fam Med. 2019;20:193-198.3)Cunha BA. Infect Dis Clin North Am. 2010;24:73-105.4)坂本 壮 編著. 救急外来、ここだけの話. 医学書院;2021.

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HPVワクチンの接種個別勧奨を自治体へ指示/厚労省

 11月26日、厚生労働省は「ヒトパピローマウイルス感染症に係る定期接種の今後の対応について」の通知を全国の自治体に向けて発出した。 同省は、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染症に係る予防接種の積極勧奨について、ワクチンとの因果関係を否定できない持続的な疼痛が接種後に特異的にみられたことから、定期接種を積極的に勧奨すべきではないとし、平成25年6月14日発出の通知により接種の積極的な勧奨とならないよう留意するなどの対応を勧告してきた。 今回の通知はその勧告を変更するもので、先の平成25年の通知は廃止され、令和4年4月よりHPVワクチン接種対象者に予防接種法第8条に基づき勧奨を行うこととなる。現在の状況を終わらせフォローを厚く 厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会および薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会での同ワクチンの有効性・安全性、接種後に生じた症状への対応、ワクチンについての情報提供の取組みなどについて議論が行われた。その結果、第72回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和3年度第22回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)で最新の知見を踏まえ、改めて同ワクチンの安全性について特段の懸念が認められないこと、接種による有効性が副反応のリスクを明らかに上回ることが認められたことから、現在の状態を終了させることが妥当とされた。 ただし、引き続き同ワクチンの安全性の評価、接種後に生じた症状の診療に係る協力医療機関の診療実態の継続的な把握や体制強化は行い、都道府県や地域の医療機関などの関係機関の連携を強化し地域の支援体制の充実、同ワクチンの情報提供の充実はさせていく。具体的な動きについて1)HPVワクチンの個別の勧奨について 市町村長は、予防接種法第8条規定による勧奨を行うこと。具体的には、対象者またはその保護者に対し、予診票の個別送付を行うことなどにより、接種を個別に勧奨することが考えられる。2)HPVワクチンの個別勧奨および接種を進めるに当たっての留意点(1)個別勧奨を進めるに当たり、標準的な接種期間に当たる者(13歳となる日の属する年度の初日から当該年度の末日までの間にある女子)に対して行うことに加え、これまで個別勧奨を受けていない令和4年度に14~16歳になる女子についても、同ワクチンの供給・接種体制などを踏まえつつ、必要に応じて配慮する。(2)同ワクチンの接種を進めるに当たっては、対象者などに対しワクチン接種について検討・判断するために必要な情報提供が行われるとともに、被接種者が接種後に体調の変化を感じた際に、地域において適切に相談や診療などの対応が行われるよう、医療機関や医師会などの関係者の連携の下、十分な相談支援体制や医療体制の確保に遺漏なきを期す。(3)市町村長は、管内の医療機関に対して、HPV感染症に係る定期接種の対象者などが接種のために受診した場合には、同ワクチン接種の有効性および安全性などについて十分に説明した上で、対象者などが接種を希望した場合に接種することを引き続き周知する。(4)HPV感染症の定期接種を含め、予防接種による副反応疑いの報告が適切に行われるよう、市町村長は管内の医療機関に対し「定期の予防接種等による副反応疑いの報告等の取扱いについて」の周知を引き続き図る。3)その他 平成25年通知が廃止されるまでの間、積極的な勧奨の差控えにより接種機会を逃した方への対応については、公費による接種機会の提供などに向けて対象者や期間などについての議論を開始した。今後、方針が決定次第、速やかに周知する予定。 なお、この通知にともない「予防接種法第5条第一項の規定による予防接種の実施について」も改訂され、令和3年11月26日より施行された。

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