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心血管系の健康に良いとされるアボカドの一日摂取量は?

 アボカドは、食物繊維、カリウム、マグネシウム、一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸など、健康に良いとされる栄養素を豊富に含むが、アボカド摂取と長期的な心血管疾患(CVD)リスクとの関連を示す情報は不足している。今回、米国・ハーバード大学のLorena S.Pacheco 氏らは、2つの大規模前向きコホートを用いて成人男女約11万人を30年間追跡し、アボカド摂取が心血管系の健康に及ぼす影響を調査し、その結果が2022年4月5日、Journal of the American Heart Association誌に掲載された。週2日以上のアボカド摂取、さらには乳製品や加工肉などの動物性食品の一部をアボカドに置き換えると、心臓にとって健康的な食事に変わるかもしれない。アボカドを一日平均約40g摂取した群はCVD発症リスクが16%低かった 本研究は、前向きコホート研究HPFS(Health Professionals Follow-up Study)の男性参加者とNHS(Nurses'Health Study)の女性参加者を対象として、ベースライン時にがん、冠動脈性心疾患(CHD)、脳卒中がなかった者(女性:6万8,786人、男性:4万1,701人)が登録された。食事は、ベースライン時およびその後4年ごとに食物頻度調査票(FFQs)で評価され、COX比例ハザードモデルを用いて解析した。主要評価項目は、全CVD(致死性・非致死性の心筋梗塞と脳卒中の複合)の発症。 アボカド摂取が心血管系の健康に及ぼす影響を調査した主な結果は以下のとおり。・30年間(中央値:男性13.3年、女性14.2年)の追跡で、男性6,661例、女性7,613例、合計1万4,274例のCVD発症が記録された(CHD:9,185例、脳卒中:5,290例)。・ライフスタイルおよびその他の食事因子で調整後、アボカドをもっとも摂取した群(週2日以上)は、摂取しなかった群と比較してCVD発症リスクが16%低かった(統合HR:0.84、95%CI:0.75-0.95)。アボカドをもっとも摂取した群の一日平均摂取量は約40g(アボカド1個の4分の1程度)だった。・アボカドを週2日以上摂取した群において、CHDの発症リスクは21%低かった(統合HR:0.79、95%CI:0.68-0.91)一方で、脳卒中との有意な関連は認められなかった。・1日に摂取するマーガリン、バター、卵、ヨーグルト、チーズ、加工肉の半分を同量のアボカドに置き換えると、CVDのリスクが16~22%低下した。 研究者らは、「アボカド摂取量の多さがCVD発症リスクの低さと関連していた。また、特定の脂肪含有食品をアボカドに置き換えることでも、CVDのリスクを低下させることができるかもしれない」と結論付けた。

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第97回 巨額のコロナ補助金による公立病院の収益改善を問題視/財務省

<先週の動き>1.巨額のコロナ補助金による公立病院の収益改善を問題視/財務省2.GW中も新型コロナ患者に対応できる体制確保を求める通知/厚労省3.コロナ禍で自殺者数が増加、自殺総合対策大綱の見直しへ/政府4.「かかりつけ医」以外の受診に定額負担、フリーアクセス抑制5.精神科の医療保護入院、「廃止」の文言を撤回/厚労省6.岸田首相、リフィル処方箋の推進を/経済財政諮問会議1.巨額のコロナ補助金による公立病院の収益改善を問題視/財務省13日に開催された財政制度等審議会の分科会において、財務省が新型コロナウイルス対策に投じられた巨額の補助金をめぐって医療機関経営実態の「見える化」を提言した。感染拡大中の病床確保支援、医療従事者への慰労金、院内感染対策、ワクチン接種体制確保などのために、緊急包括支援交付金として6兆円、病床確保のための緊急支援金0.3兆円などと、低く見積もっても約8兆円が使われた。病床確保料を受け取りながらも新型コロナ患者の受入れをしなかった病院が問題視されたこともあり、医療機関などへの財政支援の効果の検証が求められる。2020年度決算では、新型コロナ関連の補助金に支えられた形で、国公立病院の収益が急改善している。853病院ともっとも数が多い公立病院の合計収益は、2019年度における980億円の赤字から2020年度には1,251億円の黒字になるなど、国立病院機構傘下の140病院、地域医療機能推進機構の57病院を含む国公立病院の決算の分析結果を示した。費用対効果の面で補助金額が適切だったかどうか、問題提起する狙いがある。(参考)国公立病院の収益が急改善 20年度、コロナ巨額補助金で(東京新聞)コロナ対応に国費16兆円、4割が医療体制強化に…財務省幹部「検証が必要」財務省(読売新聞)コロナ対策、病院に8兆円 無駄排除へ実態検証欠かせず(日経新聞)2.GW中も新型コロナ患者に対応できる体制確保を求める通知/厚労省厚生労働省は、今年のゴールデンウィークを前に、各医療機関や自治体に対して、連休中に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者や疑い患者の増加が想定されるとして、引き続き診療・検査体制や入院体制を維持・確保することが重要とする通知を13日に発出した。とくに高齢者施設等における医療支援の更なる強化を始めとした流行再拡大への対応が求められる。連休時における発熱患者等の診療・検査医療機関やコロナ患者の受入れ医療機関など、十分な医療提供体制の事前調整や、COVID-19疑い例の相談窓口など、連休時においてもその体制を引き続き確保することなどが全9項目にまとめられている。(参考)ゴールデンウィーク等の連休時の保健・医療提供体制の確保について(厚労省)連休時も確保病床など即座に稼働できる準備を 厚労省、診療・検査・入院体制確保を要請(CBnews)ゴールデンウィーク中も十分な医療提供が行える体制を地域関係者で協議し、準備・周知を―厚労省(Gem Med)3.コロナ禍で自殺者数が増加、自殺総合対策大綱の見直しへ/政府厚労省「自殺総合対策の推進に関する有識者会議」は15日に報告書をとりまとめ、公表した。わが国では1998年以降、14年連続して年間自殺者数が3万人を超えていたものの、2006年に制定された自殺対策基本法や政府の自殺総合対策大綱に基づく取り組みの結果、2万人台に減少するなど、成果を挙げていた。しかし、2021年は女性や小中高生の自殺者が増え、総数は11年ぶりに前年を上回った。このため、女性や子供への支援強化として相談窓口の拡充や、若者の自殺対策のさらなる推進、報道等への対応を含め、今年の夏に政府は、現在の自殺総合対策大綱を見直す方針。(参考)女性、子ども「深刻な状況」 自殺対策の指針、見直しに向け報告書(朝日新聞)自殺対策、精神科医療につなぐ連携体制強化を 厚労省が有識者会議の報告書を公表自殺総合対策の推進に関する有識者会議報告書(厚労省)4.「かかりつけ医」以外の受診に定額負担、フリーアクセス抑制13日に開催された財務省財政制度等審議会の分科会において、「かかりつけ医」以外を受診した場合に、患者に対して新たな定額負担を求める意見が出された。これは2015年にも政府内で検討されていたが、「かかりつけ医」の定義が曖昧なため見送られた経緯がある。2025年には団塊世代が75歳以上となるため医療費の抑制が課題となっており、これに対して「量重視」のフリーアクセスを、必要な時に必要な医療にアクセスできる「質重視」に切り替えていく必要があるとし、財務省はこれを今年の夏の「骨太方針2022」に盛り込みたいとしている。なお、今年の夏には参議院選挙もあり、どこまで具体化するか注目したい。(参考)外来受診時の定額負担、再び俎上に「かかりつけ医」制度とセットで財務省提案(CBnews)「かかりつけ医」と医療の今後(読売新聞)5.精神科の医療保護入院、「廃止」の文言を撤回/厚労省厚労省は、14日に開催された「地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会」において、精神科病院に強制的に入院させる「医療保護入院」について、将来的な「廃止」という文言を削除した。民間団体「精神医療人権センター」によると、日本の精神科の強制入院率は欧州の3~4倍、人口100万人当たりで比較すると約15倍と世界的に見ても大きい。前回の検討会では、将来的な廃止も視野に入れ縮小する考えを示していたが、日本精神科病院協会(日精協)の委員が反発したため、表現を後退させた形。今後も、医療保護入院の見直しについては、できる限り入院治療に頼らない治療を行うことを原則として、それでも入院治療が必要な場合、できる限り本人の意思を尊重する形で任意入院を行うことが重要であるとした。入院医療を必要最小限にするための予防的取り組みの充実や、医療保護入院から任意入院への移行、退院促進に向けた制度・支援など、より一層の権利擁護策の充実を求めている。(参考)医療保護入院、廃止も視野に縮小へ 「任意」や退院促す(福祉新聞)医療保護入院、「廃止」を削除 精神科、厚労省が表現後退(東京新聞)第9回「地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会」6.岸田首相、リフィル処方箋の推進を/経済財政諮問会議今年の診療報酬改定で導入されたリフィル処方だが、現場では再診料が減ることを懸念した医療機関などによりあまり活用されていない。この現状に対して、岸田総理は13日に開催された経済財政諮問会議で、リフィル処方の使用促進を含む医療・介護サービス改革の継続・強化に取り組むことを明らかにした。民間議員からは、コロナの感染拡大を機に外来の受診回数が減少したデータを提示し、薬のみの診療は患者にとって過度な通院負担であった可能性があると指摘。患者の希望を確認、尊重する必要性があると求めた。(参考)岸田首相 諮問会議でリフィル処方の使用促進求める コロナ禍の経験踏まえた医療改革の継続・強化を(ミクスオンライン)「リフィル処方箋」医師及び腰「薬剤師が管理」抵抗 患者ニーズ置き去り(日経新聞)

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医療マンガ大賞2021「たった一時間されど一時間」受賞者描き下ろし作品(ささき かずよ氏)

医療マンガ大賞2021「たった一時間されど一時間」受賞者描き下ろし作品(ささき かずよ氏)ケアネット部門受賞者・ささき かずよ(ぴよ)氏からのコメント治療の限界を感じたとき、家族に何をしてあげられるか。これは、闘病中の家族が向き合う切実な気持ちです。原作ではそんなご家族を支える支援者の心も感じたので、両方が伝わるように心がけて描きました。実際、命の瀬戸際で自宅へ帰ることは大変です。ご本人の意思確認が難しいこともあります。しかし、最期を自宅で迎えることは、ご本人の気持ちはもとより、見送るご家族を支えることにもつながるのではないでしょうか。正解の形はない中、そんな気持ちを少しでも伝えられたなら幸いです。この場をいただきありがとうございます。原作者様、ケアネット様、お読みいただいた皆様に感謝いたします。看護師/NHA認定トレーナーが看護・介護にNHAをお届けします!

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元サラリーマンの精神科医が教える 働く人のためのメンタルヘルス術

コロナ禍で増えるメンタル不調、五月病対策にも!働く人の心に寄り添うメンタル回復法とは?「最近、なんだか元気が出ない……」「気持ちが沈んで、何にも興味が持てない……」、そんな状態が続いてはいませんか?メンタル不調には、うつ、抑うつ状態など、いろいろな呼び方がありますが、そうした“心の水位”が下がっている状況とはどういうものなのかを理解し、早めのケアすることが大切です。本書では、〈メンタル不調とは何か?〉〈誰に相談したらいいか?〉にはじまり、〈病院選び〉や〈薬のこと〉、〈復職〉に至るまで、メンタル不調を自覚した段階からよりよい自分を取り戻すまでに、知っておいてほしいことをQ&Aを交えてわかりやすく解説します。元サラリーマンで、年間3,000~4,000人のメンタルケアに向き合ってきた精神科医・産業医の著者がお教えいたします。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。    元サラリーマンの精神科医が教える 働く人のためのメンタルヘルス術定価1,650円(税込)判型四六版・ソフトカバー頁数248頁発行2022年3月仕様四六判・ソフトカバー・248ページ著者尾林 誉史

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国内コロナ患者の血栓症合併、実際の抗凝固療法とは/CLOT-COVID Study

 国内において、変異株により感染者数の著しい増加を認めた第4波以降に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に罹患した際の血栓症の合併頻度や予防的抗凝固療法の実態に関するデータが不足している。そこで尼崎総合医療センターの西本 裕二氏らは国内16施設共同で後ろ向きコホート研究を実施した。その結果、とくに重症COVID-19患者で予防的抗凝固療法が高頻度に行われていた。また、血栓症の全体的な発生率は実質的に低いものの、COVID-19が重症化するほどその発生率は増加したことが明らかになった。ただし、画像検査を受けた患者数が少ないため実質的な発生率が低く見積もられた可能性もあるとしている。Journal of Cardiology誌オンライン版2022年4月5日号掲載の報告。 研究者らが実施したCLOT-COVID Study(日本におけるCOVID-19患者での血栓症・抗凝固療法の診療実態を明らかにする研究)は、2021年4~9月に国内16施設でPCR検査によりCOVID-19と診断された入院患者を登録した後ろ向き多施設共同研究で、第4波と第5波でのCOVID-19患者の血栓症の合併頻度や予防的抗凝固療法の実態を把握することなどを目的に実施された。対象者は予防的抗凝固療法の種類と用量に応じて7グループ(予防用量の未分画ヘパリン[UFH]、治療用量のUFH、予防用量の低分子ヘパリン[LMWH]、治療用量のLMWH、直接経口抗凝固薬[DOAC]、ワルファリン、その他)に分類された。 主な結果は以下のとおり。・COVID-19と診断されて入院したのは2,894例で、平均年齢(±SD)は53±18歳、男性は1,885例(65%)であった。また、平均体重(±SD)は68.9±18.5kg、平均BMI(±SD)は25.3±5.4kg/m2であった。・D-ダイマーが測定された患者(2,771例)の中央値は0.8μg/mL(四分位範囲:0.5~1.3)であった。・1,245例(43%)が予防的抗凝固療法を受け、その頻度は軽症9.8%、中等症61%、重症97%とCOVID-19の重症度が高くなるほど増えた。・抗凝固療法に使用された薬剤の種類や投与量は、参加施設間で大きく異なったが、予防用量UFHは55%(685例)、治療用量UFHは13%(161例)、予防用量LMWHは16%(204例)、治療用量LMWHは0%、DOACは13%(164例)、ワルファリンは1.5%(19例)、その他は1.0%(12例)で使用された。・入院中、下肢の超音波検査は38例(1.3%)、下肢の造影CTは126例(4.4%)が受け、55例(1.9%)で血栓症を発症した。そのうち39例(71%)は静脈血栓塞栓症(VTE)で、VTE診断時のD-ダイマーは18.1μg/mL(四分位範囲:6.6~36.5)、入院から発症までの日数の中央値は11日(四分位範囲:4〜19)であった。・血栓症の発生率は、軽症0.2%、中等症1.4%、重症9.5%とCOVID-19が重症化するにつれて増加した。・57例(2.0%)で大出血が発生した。・158例(5.5%)が死亡し、その死因の81%はCOVID-19肺炎による呼吸不全であった。 研究者らは、COVID-19入院患者への予防的抗凝固療法は重症例になるほど高頻度に行われていたが、治療方針が参加施設間で大きく異なっており、各施設の判断や使用可能な薬剤が異なっていた可能性を示唆した。また今後、国内のCOVID-19患者に対する至適な予防的抗凝固療法についてその適応や抗凝固薬の種類、用量を明らかにすべく、さらなる研究が望まれると結んだ。

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年収3千万円以上の医師のアルバイト代は?/1,000人アンケート

 ケアネットでは、3月10日(木)に会員医師1,000人を対象に、インターネットによる「年収に関するアンケート」を行った。その中で昨年度のアルバイト代について尋ねたところ、62%の医師が年間で200万円未満と回答、次いで14%が200~400万円、9%が300~600万円と回答した。一方、1,000万円以上と回答した医師は6%であった。年収3千万円以上の医師、36%がバイト代1千万円以上と回答 アルバイト代を年収別にみると、アルバイト代200万円未満と回答した医師の割合は、年収1,000万円未満では67%、年収1,000~2,000万円未満では65%、年収2,000~3,000万円未満では51%、年収3,000万円以上では52%だった。 一方でアルバイト代1,000万円以上と回答した医師の割合は、年収2,500~3,000万円未満では18%、年収3,000万円以上では36%に上った。大学病院勤務の医師では40%がバイト代600万円以上 勤務先別にみると、一般病院、診療所、その他勤務の医師でアルバイト代200万円未満が約60~70%を占めたの対し、大学病院勤務の医師では、アルバイト代200万円未満の医師は20%に留まり、40%は600万円以上と回答した。 その他、年齢別、男女別、病床数別、診療科別の医師のアルバイト代について、以下のページで結果を発表している。医師の年収に関するアンケート2022【第2回】アルバイト代

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060)外来処置の後、涙目になる理由【Dr.デルぽんの診察室観察日記】

第60回 外来処置の後、涙目になる理由ゆるい皮膚科勤務医デルぽんです☆皮膚科では常日頃、鶏眼処置、爪甲除去、粉瘤の切開排膿、創傷・熱傷処置など、さまざまな外来処置を行います。そんな中、私だけかわかりませんが、処置の後に両目が涙目になっていることがあり、「目が疲れたな〜」と感じることが時々あります。ちょっと集中し過ぎたかなと、今まではあまり気にとめていなかったのですが、最近ふと、処置の時にまばたきが減っているのかも、ということに気付きました。とくに削り処置や爪切りなど根気のいる処置では、知らず知らずのうちに患部を凝視し過ぎているのかも…? そんなに注意力を要する手技というわけでもないので、意識の問題かと思いますが、集中するうちに、おそらくまばたきの回数が減っていたのでしょう。肩が凝った、腰が疲れた、というよりも先に「目が疲れた〜!(涙目)」となる理由がわかり、なんとなくすっきりしました。(自己解決!)今後、処置の際には意識してまばたきするようにしたいと思います☆なお、最近、筋トレや有酸素運動を生活に取り入れるようになり、診察中の肩凝りや体の疲れがぐっと減りました。体の凝りや不調にお悩みの皆さま、ぜひストレッチで体をほぐしてみてください!それでは、また~!

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高齢者のうつ病治療ガイドラインのポイント~日本うつ病学会

 2020年、日本うつ病学会の気分障害の治療ガイドライン検討委員会は、『高齢者のうつ病治療ガイドライン』を作成した。高齢者のうつ病治療ガイドラインは、世界的な専門家の提言や最新のエビデンスに基づいた作成および改訂が行われている。順天堂大学の馬場 元氏らは、高齢者のうつ病治療ガイドラインのポイントについて、報告を行った。Psychiatry and Clinical Neurosciences誌オンライン版2022年3月11日号の報告。高齢者のうつ病治療ガイドラインに各種療法の有用性 高齢者のうつ病治療ガイドラインの主なポイントは以下のとおり。・高齢者うつ病の診断では、双極性障害や身体疾患および脳器質性疾患を原因とするうつ症状、薬物治療による症状、認知症と慎重に鑑別し、高齢者うつ病と認知症との併存を判断することが重要となる。・高齢者うつ病の臨床的特徴や心理社会的背景の十分な理解、患者の状態の評価、これらの因子に基づいた基本的な介入を行う必要がある。・抑うつ症状の軽減には、問題解決療法、回想療法/ライフレビュー療法、行動活性化療法、その他の心理療法が有効である。・高齢者うつ病に対する薬物療法に関しては、新規抗うつ薬または非三環系抗うつ薬を用い、初めに最小有効用量を決定することが推奨されている。・治療抵抗性患者に対しては、抗うつ薬の切り替えおよびアリピプラゾール増強療法が使用可能である。・高齢者うつ病に対し、電気けいれん療法および反復経頭蓋磁気刺激療法が有用であることが確認されている。・運動療法、高照度光療法、食事療法は、ある程度の有用性が認められている。

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新型コロナ後遺症、多岐にわたる症状と改善時期/東京感染症対策センター

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の第7波が懸念される中で新規の陽性患者だけでなく、COVID-19の後遺症の報告も医療機関で上がっている。厚生労働省は、2021年12月に「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 別冊 罹患後症状のマネジメント(暫定版)」を作成し、全国の医療機関に診療の内容を示したところである。 今回、東京都は、3月24日に開催された東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議で「都立・公社病院の外来を受診した後遺症患者の症例分析」を発表した。これは、都の感染症に関する政策立案、危機管理、調査・分析などの感染症対策を行う東京感染症対策センター(東京iCDC)が取りまとめたもの。 分析の結果、症状では「倦怠感」「息切れ」「頭痛」などの症状が多く、出現時期も2週間未満での発症が多かった。 東京都では、HP上で後遺症の症状、体験談、相談窓口などを紹介する「新型コロナウイルス感染症 後遺症リーフレット」を作成・公開し、後遺症診療の啓発につとめている。調査の概要・対象:都立・公社病院のコロナ後遺症相談窓口から自院の外来受診につながった症例など、都立・公社病院の外来を受診した後遺症が疑われる患者の症例・期間:令和3年5月10日~令和4年1月28日に受診した症例・症例数:230例 年齢:50代、40代、30代の順 性別:男(60%)、女(40%) 重症度:軽症(54%)、不明(28%)、中等症I(8%)の順COVID-19後遺症の主訴の多くが倦怠感、息切れ、頭痛の3つ 次に調査結果の概要を示す。【1.後遺症の症状】・全症状(複数回答)倦怠感(93人)、息切れ(44人)、頭痛(38人)の順で多く、その他が128人・主症状(単一回答)倦怠感(52人)、息切れ(25人)、頭痛(23人)の順で多く、その他が49人・後遺症の症状の数(症例データ)1つ(35%)、2つ(27%)、3つ(27%)の順・訴える症状の数(相談窓口データ)2つ(34%)、1つ(30%)、3つ(19%)の順 症状は上位3つの主訴が多いが、「その他」も多く、多岐にわたる症状が多い。また、全体の65%が2つ以上の症状を訴えていたことが判明した。【2.後遺症の出現時期と改善状況】・後遺症の出現時期[発症からの期間](n=213)2週間未満(116人)、2週間以上1ヵ月未満(46人)、1ヵ月以上3ヵ月未満(40人)の順・直近受診日における改善状況(n=125)改善(68人)、症状継続(54人)、他院紹介(3人)の順 全体の約54%がCOVID-19発症から2週間未満であり、症状が継続していた。また、改善状況では全体の54%が直近受診日において改善していた。【3.治療・検査】 後遺症の治療法は確立されていないが、都立・公社病院では、症状に応じた検査・薬の処方など、対症療法を行っている。(1)倦怠感(n=52)・検査:血液検査(33人)、胸部X線(17人)、脳・頭部MRI(14人)など・治療:漢方薬(23人)、抗うつ薬(5人)、解熱鎮痛薬(4人)など(2)息切れ(n=25)・検査:胸部X線(20人)、血液検査(14人)、心電図(8人)など・治療:漢方薬(4人)、解熱鎮痛薬(4人)、咳止め薬(4人)など(3)頭痛(n=23)・検査:血液検査(16人)、脳・頭部MRI(9人)、心電図、胸部X線(ともに7人)など・治療:解熱鎮痛薬(9人)、漢方薬(4人)など 改善時期では、倦怠感が発症から1~3ヵ月、3~6ヵ月がほぼ同じ割合で多く、息切れは1~3ヵ月、頭痛は3~6ヵ月の回答が多かった。 東京iCDCは、以上の結果から「時間の経過とともに改善がみられる事例がある一方で、コロナ罹患時よりも重い症状となる事例、症状が長期に遷延し、仕事などを休まざるをえない事例もみられた。コロナ発症時から1~2ヵ月以上症状が継続するなど、後遺症が疑われる場合は、無理な活動は避け、かかりつけの医療機関や相談窓口などへ相談をしてほしい」と結んでいる。

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下がり続ける薬剤師国家試験の合格率【早耳うさこの薬局がざわつくニュース】第87回

3月末に薬剤師国家試験の合格発表がありました。最近の合格率はどのくらいなのでしょうか? 厚生労働省は3月24日、2021年度薬剤師国家試験の結果を発表し、合格基準が相対評価に変わった2015年度以降、合格率で過去最低を更新したことを明らかにした。1万4,124人の受験者に対し、合格者は9,607人で、合格率は前回2020年度から▲0.64ポイントの68.02%だった。合格率は年々、低下している傾向にある(中略)合格者のうち6年制新卒者は7,386人で、合格率は前回からの▲0.31ポイントの85.24%。6年制既卒者は2,126人で、▲0.54ポイントの40.75%だった。(2022年3月25日付 RISFAX(一部改変))ここ最近の薬剤師国家試験の合格率は70%くらいを推移しています。新卒者は約85%ですので多少ホッとしましたが、全体で約68%というのはやっぱり低いなという感想です。とくに私立大学では50%以下の大学が10校以上あり、厳しい結果となっています。最近では、厚生労働省や文部科学省が、薬剤師のあり方や教育を検討するための検討会を開催するなど、薬学部の教育カリキュラムにメスが入るのはもはややむなしという状況なのかもしれません。薬局の現場では、合格者は毎年大勢いるのになかなか新人薬剤師が入ってこないなぁ、とぼやいている人もいるかもしれません。合格者9,607人のうち約60%が薬局に勤めると仮定すると、新人薬局薬剤師は6,000人弱という計算になります。一見多そうに見えますが、日本の薬局数は約6万軒ですので、単純計算で10店舗に1人しかいません。新人を獲得することがいかに難しいことなのかがよくわかります。そんな希少な新人薬剤師さんで今このコラムを読んでくれている方もいるかもしれません。今後はさらに新しい通知や施策にも対応していくことが必要になるでしょう。そのために、おおまかでいいので「薬剤師数は33万人」「薬局数は6万軒」という現時点の数字を覚えておくと何かのときに考えるヒントになるかもしれません。数字は人や仕事を助けてくれることがあります。新人薬剤師は実務で覚えることが多くて大変だと思いますが、ご縁があって就職できたわけですので、ぜひ薬剤師業務を楽しみ、各所で新しい風を吹かせてくださいね。

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手術イラストを活用した院内向けレクチャーの一例【誰も教えてくれない手術記録 】第13回

第13回 手術イラストを活用した院内向けレクチャーの一例こんにちは! 手術を描く外科医おぺなかです。連載が始まって早くも1年がたちました! 連載を見て手術イラストを描き始めてくださった先生方も、この1年間で相当上達したのではないでしょうか? 自身のイラストのレベルアップが、手術の上達やカンファレンスでの反応で実感できるとすごくうれしいですよね。手術イラストを描き続けていると、日々のオペレコ作成にとどまらず、さまざまな場面で活用できることに気付きます。そんな気付きを与えてくれた1つのきっかけは、「先生のイラストをいつも予習に使っています!」と手術室看護師さんから言われたことでした。手術イラストは、外科医だけでなく幅広い職種への外科教育にも大いに役立つかもしれません。今回は、学生・研修医・メディカルスタッフへの手術イラストを活用した外科教育について、実例を交えて紹介します。(1)病棟看護師へのミニレクチャー画像を拡大する画像を拡大する昨年、病棟看護師の皆さんに向けて、一般的な外科手術についてのミニレクチャーを行いました。病棟看護師さんの中には、「普段から消化器外科の患者さんを担当しているけど、手術は見たことがないし内容もよくわからない」という方もいらっしゃいます。実際の手術動画を見てもらいながら、イラスト資料を使って手術の手順や起こりうる合併症を解説しました。「動画だけだとよくわからないところも、イラストと照らし合わせて理解がかなり深まりました」と大変好評だったようです。(2)学生・研修医の手術の予習画像を拡大する僕がまだ学生のころ、情けないことに予習する余裕がないまま手術に参加してしまい、内容がまったく理解できず、無駄に終わることが多々ありました。そんな僕も今は学生・研修医の指導に多少関わる立場になり、「せっかく手術に入るのだから、少しでも理解を深めてもらおう」と、予習のためのイラスト資料を渡すようにしています。資料では手術のキーポイントや覚えるべき解剖構造を強調し、簡潔にまとめてあります。予習のおかげか、「この血管の名前はわかる?」など、手術中に解剖に関する質問をしてもほとんどの皆さんが答えてくれます。「飽きずに手術に参加できました!」と、こちらもうれしい感想をいただきました。外科に興味のある学生や研修医には、さらなるステップアップとして、参加した手術のイラストを実際に描いてもらうこともあります。資料や教科書のイラストのトレースでも十分勉強になると思いますが、中には自分でオリジナルの手術イラストを描き上げてしまう人もいて驚かされることもしばしばです。ひとりの外科医が積み上げてきた貴重な手術経験を、自身の手でわかりやすくイラスト化する。そしてそれを共有することで、医療者全体の理解を深める。外科医自身がイラストを描くべき理由の1つとも言えそうですね!今後も、外科医の皆さんがイラストを描きたくなるようなトピックを紹介していきたいと思います。次回もお楽しみに!

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英語で「治療方針が一致している」は?【1分★医療英語】第23回

第23回 英語で「治療方針が一致している」は?Do you have a minute to discuss our mutual patients?(お互いに関わる患者たちについて話し合う時間はありますか?)Yes, let’s talk to make sure that we are on the same page.(はい、同じ方針であることを確認するために話しましょう)《例文1》Everyone should be on the same page before we move on.(先に進む前に、皆が共通認識を持っておく必要があります)《例文2》Am I on the same page with you?(私は、あなたと考えが一致していますか?)《例文3》Let’s run the list to be on the same page.(方針を統一するために、[患者の]リストを順番に確認しましょう)《解説》今回覚えていただきたいのは、この“We are on the same page.”(われわれは同じ方針で考えている)という表現です。“be on the same page”というのは、本の「同じページを見ている」という表現に由来しています。「友人と、同じ本の同じページを見ながら話をしている」というシーンを想像してみてください。本の同じページを見て話をしているのであれば、同じ物事について考えている=同じ方向を見ている、といえそうです。反対に、違うページを見ていれば、きっと自分とは異なることを考えるでしょう。このことから派生して、“be on the same page”は「共通認識を持っている」「同じ方針で考えている」という意味になります。今回の会話例は、主治医とコンサルタントが「治療方針にずれがないか」「同じ見解で考えているか」を確認するために話し合おうという場面です。別の表現としては、“think in a similar way”“have the same understanding”というような言い方もできますが、“be on the same page”をさらりと使えれば、より「こなれた英語」になるでしょう。医療者として、現場のコミュニケーションを円滑に進めるために大切な表現ですので、ぜひ身に付けてください。きっと、英語表現の新たな1ページが開けると思います。講師紹介

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抗精神病薬使用中の患者に対する心電図モニタリングの実践

 急性期および慢性期の精神症状の管理における抗精神病薬の使用は、不整脈による死亡率の増加と関連しているとされるが、心電図(ECG)モニタリングのタイミングや頻度に関するコンセンサスは十分に得られていない。米国・Zucker School of MedicineのLiron Sinvani氏らは、抗精神病薬を使用している成人患者(とくに入院患者)に対するECGモニタリングの現在の実施状況に関して調査を行った。Journal of Psychiatric Practice誌2022年3月3日号の報告。 2010~15年に8施設の医療機関で、入院中に抗精神病薬で治療された成人患者を対象に、マルチサイト・レトロスペクティブ・チャートレビューを実施した。主要アウトカムは、抗精神病薬使用後のECG実施とした。 主な結果は以下のとおり。・調査期間中に抗精神病薬で治療された入院患者数は2万6,353例(平均年齢:61.4歳、女性の割合:50.1%、白人の割合:64.8%)であった。・平均併存疾患スコアは1.4、入院期間の中央値は8.3日であった。・対象患者のうち、入院中にECGを実施した患者は60.6%(1万5,977例)、抗精神病薬使用後にECGを実施した患者は41.2%であった(1万865例)。・ECGのフォローアップを実施した患者の入院期間(中央値:11.3日)は、実施しなかった患者の入院期間(中央値:7.0日)と比較し長かった。・ECGのフォローアップ実施率が高かった患者の特徴は以下のとおりであった。 ●心不全の既往歴(オッズ比[OR]:1.17、95%信頼区間[CI]:1.06~1.30、p=0.002) ●抗精神病薬の多剤併用(OR:1.3、95%CI:1.24~1.36、p<0.001) ●その他のQT間隔延長リスクを有する薬剤の使用(OR:1.09、95%CI:1.07~1.1、p<0.001) ●リスペリドンの使用(OR:1.12、95%CI:1.004~1.25、p=0.04) ●QTcの延長(10ms増加当たりのOR:1.02、95%CI:1.01~1.04、p=0.003)・入院前に抗精神病薬を使用していた患者では、ECGのフォローアップを実施する可能性が低かった(OR:0.93、95%CI:0.87~0.997、p=0.04)。 著者らは「本研究では、抗精神病薬を使用している入院患者に対するECGモニタリングは、十分に行われていない可能性が示唆された。急性期治療環境におけるECGモニタリングにより、最もベネフィットが示される患者を特定するためには、さらなる研究が求められる」としている。

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第96回 COVID-19レジストリ研究“ダッシュボード”公開/国立国際医療研究センター

<先週の動き>1.COVID-19レジストリ研究“ダッシュボード”公開/国立国際医療研究センター2.感染拡大を懸念し、新型コロナウイルス感染症対策分科会が緊急メッセージ3.医師大量退職の大津市民病院、理事長に次いで院長も辞任4.2021年の救命救急センター評価、S評価は96ヵ所/厚労省5.ヤングケアラー実態調査で小学6年生の15人に1人が家族の世話6.精神病院での身体拘束後の死亡事件、遺族と病院が和解1.COVID-19レジストリ研究“ダッシュボード”公開/国立国際医療研究センター国立研究開発法人 国立国際医療研究センターは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の症例データベース研究「COVID-19 REGISTRY JAPAN(COVIREGI-JP)」に登録されたデータ等を活用したダッシュボードを公開した。COVID-19と診断され、日本国内の医療機関に入院した患者を対象として、以下の情報が登録されている。(1)基本情報(年齢、性別、出生国、人種、感染に関する疫学的情報、基礎疾患、内服歴・治療歴など)(2)入院や治療に関する情報(症状、入院期間、治療方法、血液・画像検査の結果など)(3)感染症に関する情報(COVID-19の検査結果、その他病原体検査結果など)(4)その他(妊婦:妊娠期間、妊娠中の異常、妊娠転帰/小児:出生歴、ワクチン接種の有無など)本研究は、国際感染症センターと全国700余りの医療機関が共同で6万3,000例以上の症例を登録し、わが国で最大級のCOVID-19入院患者データを蓄積するレジストリとなっている。今後も研究を推進させるため、引き続きデータ登録や研究への参画を呼びかけている。ダッシュボードでは、重症患者の推移、年齢男女構成、症状、併存疾患、薬物治療、呼吸補助治療、喫煙状況などを一覧することができる。2022年4月11日時点のダッシュボード画面画像を拡大する(参考)コロナ入院患者の症状推移や治療状況などまとめたサイト公開(NHK)COVIREGI-JPダッシュボード公開について~COVID-19・レジストリ登録データを見える化しました~(国立研究開発法人 国立国際医療研究センター)2.感染拡大を懸念し、新型コロナウイルス感染症対策分科会が緊急メッセージ政府は8日、新型コロナウイルス感染症対策分科会を開催した。今後の急激な感染拡大を防止して、社会経済活動を継続するための緊急メッセージを発信し、国民へ可能な限り早めの3回目接種などを呼び掛けた。まん延防止等重点措置の解除後、わが国でも海外と同様に、陽性者でオミクロン株BA.2が占める割合が増加し、感染再拡大の兆候が見られているため、適切なマスク着用など基本的感染対策の徹底が求められる。また、医療機関や自治体に対しては、高齢者施設で感染が疑われる人が出た場合、早期の医療介入や施設での感染対策のために手厚い支援をするよう求めている。(参考)高齢者対策重点に 感染急拡大で医療逼迫も 分科会(産経新聞)急拡大防止“追加接種やマスク着用を”分科会が緊急メッセージ(NHK)第7波対策、分科会で議論 社会経済活動の制限に賛否(日経新聞)3.医師大量退職の大津市民病院、理事長に次いで院長も辞任京都大学から派遣されている外科・消化器外科・乳腺外科などの医師19人の相次ぐ退職見込みが報道されている滋賀・大津市民病院は、若林 直樹院長が一連の責任をとる形で辞任することを明らかにした。後任の院長には、京都府立医大出身の日野 明彦氏(現・済生会滋賀県病院 院長補佐)が4月18日に就任する。なお、院長を辞任した若林氏は副理事長として、引き続き病院運営や診療に携わり新院長をサポートしていくとされる。一方、後任の理事長はまだ決まっておらず、大津市長が人選を急いでいる。(参考)大津市民病院 院長辞任発表“多くの医師退職問題で責任とる”(NHK)院長辞任→院長代行に 大津市民病院(読売新聞)大津市民病院の院長が辞任「責任を痛感」 医師大量退職問題、副理事長は継続(京都新聞)4.2021年の救命救急センター評価、S評価は96ヵ所/厚労省厚生労働省が、2021年「救命救急センターの充実段階評価の評価結果」を公表した。全国298ヵ所の救命救急センターが対象に行われた本調査は、1999年度から救命救急センター全体のレベルアップを図ることを目的として実施されており、最もランクの高い「S」評価を得たのは、東北大学病院、福島県立医科大学附属病院、筑波大学附属病院、自治医科大学附属病院、埼玉医科大学総合医療センター、手稲渓仁会病院、東京都立墨東病院、亀田総合病院、慈泉会相澤病院など96ヵ所。評価としては「A」が196ヵ所で最も多く、「B」は5ヵ所、「C」は1ヵ所となっている。評価の結果は、救命救急センター運営事業費の補助額と診療報酬に反映される。たとえば診療報酬では、「S」評価であれば救命救急入院料に救急体制充実加算1(1,500点)、「A」なら同加算2(1,000点)、「B」なら同加算3(500点)がそれぞれ上乗せされる。(参考)2021年の救命救急センターの評価、S:96か所、A:196か所、B:5か所、C:1か所に―厚労省(Gem Med)21年の充実段階評価「S」、救命センター96カ所「C」は1カ所、厚労省(CB news)5.ヤングケアラー実態調査で小学6年生の15人に1人が家族の世話厚労省は今年1月、介護など家族の世話をしている子供や若者(ヤングケアラー)の実態調査を行った。その結果、小学6年生の15人に1人、大学3年生では16人に1人が実際に家族の介護などをしていることが明らかとなった。平日1日あたり7時間以上を費やすと回答したヤングケアラーは7.1%であり、割合は家事や幼い兄弟姉妹の世話が多く、学業や健康面への影響が心配だ。(参考)“ヤングケアラー”国が初調査 小学生15人に1人「家族を世話」(NHK)ヤングケアラー、小6の15人に1人 1日7時間費やす例も 厚労省調査(日経新聞)小学生の15人に1人はヤングケアラー 長時間ケアが学校生活に影響(朝日新聞)6.精神病院での身体拘束後の死亡事件、遺族と病院が和解東京都足立区の精神科病院で、患者(当時54歳)が死亡したのは違法な身体拘束によるものとして、遺族が病院側に約6,200万円の損害賠償を求めた訴訟があり、東京高裁(足立 哲裁判長)で4月7日に和解が成立した。被告となった病院は、再発防止に努めるとともに、解決のため和解金を支払うこととなったが、金額は明らかにされていない。東京地裁の判決によると、双極性障害と診断されていた患者が2016年1月、足立区内の精神科病院を受診し、夫の同意下で入院したが、医療者側の指示に従わないため、医師の指示によって両腕・胴の拘束を開始した。7日後に解除されたが、直後に容体が急変し、肺塞栓症にて亡くなった。(参考)身体拘束後死亡、遺族と病院和解 東京高裁(日経新聞)身体拘束後に死亡、精神科病院側と遺族が和解 「一層の配慮」を約束(朝日新聞)

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「急ぎ」のお宝承継をゲットできる医師は…?【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第38回

第38回 「急ぎ」のお宝承継をゲットできる医師は…?漫画・イラスト:かたぎりもとこ前回の仲介業者が考える「お宝物件」の記事では、「伸び代が大きい」「リスクを最小化できる」という観点を紹介しました。今回はまた少し違った観点の「お宝物件」の探し方を紹介します。それは、一言で説明すれば「急ぎの案件」です。「売り主が急いで承継相手を探している」という案件には、大きく分けて下記のケースがあります。(1)院長が体調不良などの事情から、急いで買い手を探す(2)分院展開をする法人で管理医師が退職し、次が見つからずに急いで買い手を探す(1)院長が体調不良などの事情から、急いで買い手を探す院長が急病、ときには急逝された、という状況で相談を頂くケースは非常に多くあります。このような場合、家族や親族が主体となって医業承継を検討しますが、早く買い手を見つけなければ閉院となり患者や従業員に大きな影響が出てしまう、といった事情から大急ぎで後継者探しをしているのです。2021年に弊社が受けたご相談全体のうち、このパターンが2割程度を占めていました。急ぎであることに加え、医業や経営に詳しくない家族・親族の意向として「譲渡額はさほどこだわらなくてよいので、患者や従業員の引き継ぎをしてほしい」というケースが多く、相場の半額以下で成約することも多くあります。(2)分院展開をする法人で管理医師が退職し、次が見つからずに急いで買い手を探す3月末や12月末まで、といったように年や期の変わり目に多い相談です。医師が転職する時期で最も多いのが4月で、この時期に多くの医師が新しい環境へ移りますが、その中には分院長を務めていた管理医師もいます。分院長が辞める場合、雇用していた医療法人は次の管理医師候補を探しますが、医師は圧倒的な売り手市場で、新たな管理医師を3ヵ月や半年の期間で探すことは大変です。ここで管理医師候補を探すことができず、「分院を切り離し、開業したい医師へ譲渡したい」というケースが出てくるのです。こうした背景から、「急ぎ」を理由としたお宝物件が発生するのですが、買い手候補の医師の多くはこれらの話を受けることができません。それは「医局に所属しており、退局や引き継ぎに1年はかかる」という方が大半だからです。一方、数は少ないながら、開業を決意し、医局を辞めてフリーランスの立場になって承継案件を真剣に探す方もいます。「お宝物件」は、こうした覚悟と準備のできた方が承継するケースがほとんどなのです。

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第48回 単回帰式の求め方は?【統計のそこが知りたい!】

第48回 単回帰式の求め方は?相関図における散布点に直線的な傾向がみられるとき、直線を当てはめれば(直線を引けば)、y軸の項目とx軸の項目の関係が明確になります。直線を当てはめることを「関係式の当てはめ」と言います。そして関係式を求める統計的手法を「単回帰分析」、あるいは「直線回帰分析」と言います。単回帰分析によって求められる直線の関数式(y=ax+b)を「単回帰式」と言います。そして、単回帰式y=ax+bは次の公式で求められることがわかっています。●計算式y=ax+bの傾きaとy軸切片b※Sxy、Sxxは第47回で示した積和と偏差平方和具体的に下表の男子学生の体幹部の周囲径(cm)と体脂肪率(%)の相関図に単回帰分析によって求めた直線を描いた例で説明します。この直線単回帰式を求めてみましょう。図 直線の当てはめ第47回の手順を用いると下表のように数値が求められます。画像を拡大するこれより y=ax+bのaとbは下記のように求められます。 b=74-1.76×17=44.08よって、直線単回帰式は「y=1.76x+44.08」となります。■相関関係における「強さ」と「大きさ」とは単相関係数をr 、単回帰式をy=ax+bとします。rは「強さ」、aは「大きさ」を把握する指標です。では、体幹部の周囲径と体脂肪率の関係における「強さ」と「大きさ」とは何でしょうか。単相関係数rは、「体脂肪率が増えれば、体幹部の周囲径が太くなる傾向があるか」、すなわち「体脂肪率は体幹部の周囲径に影響を及ぼしているか」を把握するツールです。rは傾向(影響)の程度を数値にしたもので、体幹部の周囲径に対する体脂肪率の「強さ」を示します。単回帰式の係数aは、「体脂肪率が△%増えれば、体幹部の周囲径は〇cm太るのか」、すなわち「体幹部の周囲径に対する体脂肪率の影響はどの程度であるか」を把握するツールです。aはその影響を数値にしたもので、体幹部の周囲径に対する体脂肪率の「大きさ」を示すものです。では、下表のように先程の事例の女子学生について調べた結果を比べて、それぞれの体脂肪率の体幹部の周囲直径に対する「強さ」と「大きさ」をみてみましょう。画像を拡大する下表および下図の通り、体脂肪率の体幹部の周囲径に対する「強さ」は、男子学生は0.81、女子学生は0.99で、男子学生のほうが女子学生よりも強さの度合いが弱いということがわかります。また、体脂肪率の体幹部の周囲径に対する「大きさ」は、男子学生1.76cm、女子学生1.21cmで男子学生のほうが女子学生よりも大きさの度合いが大きいということがわかります。つまり、「単相関係数rの数値が大きい(強い)からといって、体脂肪率の増加に対する体幹部の周囲径の太り具合も大きくなる」ということではないのです。●男子学生●女子学生■さらに学習を進めたい人にお薦めのコンテンツ統計のそこが知りたい!第14回 Cox比例ハザードモデルってどんなモデル?「わかる統計教室」第4回 ギモンを解決! 一問一答質問8 Cox比例ハザードモデルとは?(その1)質問8(続き) Cox比例ハザードモデルとは?(その2)

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会員医師の昨年度の最多年収帯は?/1,000人アンケート

 ケアネットでは、3月10日(木)に会員医師1,000人を対象に、インターネットによる「年収に関するアンケート」を行った。その結果、82%の医師が昨年度の年収額を1,000万円以上と回答し、その中で最も多い年収帯は2,000~2,500万円であった(全体の15%)。また、全体の58%の医師が1,000~2,000万円の年収帯に分布し、2,000~3,000万円は20%、3,000万円以上は4%であった。46~65歳では6割以上が1,600万円以上と回答 最多年収帯を年代別にみると、35歳以下が1,000~1,200万円(21%)、36~45歳が1,200~1,400万円(17%)、46~55歳が1,600~1,800万円および2,000~2,500万円(ともに19%)、56~65歳および66歳以上が2,000~2,500万円(22%、14%)だった。 年収1,000万円以上が占める割合は、35歳以下が64%、36~45歳が87%、46~55歳が91%、56~65歳が92%と年齢が上がるごとに増加したが、66歳以上では76%と減少した。また、46~65歳では6割以上が1,600万円以上と回答した。診療科別の傾向は? 診療科別に昨年度の年収が1,600万円以上と回答した医師の割合をみると、内科系と比較して外科系で多い傾向がみられた(以下は30人以上の回答が得られた診療科から抜粋):内科系循環器内科(54%)精神科(54%)内科(48%)消化器内科(45%)神経内科(38%)小児科(37%)呼吸器内科(36%)糖尿病・代謝・内分泌内科(30%)外科系消化器外科(67%)外科(60%)脳神経外科(50%)整形外科(47%)耳鼻咽喉科(40%) その他の診療科、男女別、病床数別、勤務先別の医師の年収分布についても、以下のページで結果を発表している。医師の年収に関するアンケート2022【第1回】昨年度の年収

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NOGA血流維持型汎用血管内視鏡ガイドブック

あらゆる臓器の動脈硬化の概念が変わる!NOGA(血流維持型汎用血管内視鏡)を開発した児玉 和久・小松 誠らのグループを中心とした執筆陣が、NOGAの基本、画像の見方、手技の実際、実臨床への応用などについて、多くの画像・動画を用いて解説。冠動脈をはじめ大動脈、肺動脈、腎動脈、下肢動脈などでのNOGAの有用性を示すとともに、あらゆる臓器の動脈硬化の概念を変革し、老化の仕組みにまで迫ろうとするものである。本書の特徴血流維持型汎用血管内視鏡(Non-obstructive General Angioscopy:NOGA)は、日本で開発された血管内腔の動脈硬化や損傷を直接観察するデバイスである。数年前に大動脈への応用が可能となり、従来CTなどでは観察できなかった大動脈内プラークを生体画像としてリアルタイムにとらえられるようになった。本書はNOGAを開発した児玉 和久・小松 誠らのグループを中心とした執筆陣が、NOGAが有用な患者像、画像の見方、手技の実際、実臨床への応用などについて、多くの画像・動画を用いて解説。臨床でのNOGAの有用性を示すとともに、あらゆる臓器の動脈硬化の概念に変革をもたらし、老化の仕組みにまで迫ろうとするものである。本文中のQRコードから、貴重な動画78点を閲覧できるほか、多数の文献もWeb上で閲覧できる。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。    NOGA血流維持型汎用血管内視鏡ガイドブック定価7,150円(税込)判型B5判頁数240頁発行2022年4月監修児玉 和久(NPO法人日本血管映像化研究機構名誉理事長/大阪暁明館病院特別顧問)編集小松 誠(大阪暁明館病院心臓血管病センター長)

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乳がん術前・術後補助療法、乳がん死亡率とその他の死亡率への影響~系統的レビュー

 乳がん治療における術前補助療法や術後補助療法は、乳がんによる死亡率を低下させる可能性がある一方、乳がん以外による死亡率を増加させる可能性がある。今回、英国・オックスフォード大学のAmanda J. Kerr氏らが系統的レビューを実施したところ、ほとんどの比較試験で、がんによる死亡率または再発率が10〜25%減少し、乳がん以外による死亡率の増加はみられなかったが、アントラサイクリンでの化学療法と放射線療法については乳がん以外による全死亡率が増加していた。Cancer Treatment Reviews誌オンライン版2022年3月4日号に掲載。 本レビューでは、ガイドラインを検索し、早期浸潤性乳がんで推奨されている術前・術後補助療法を特定。各治療において最も高いレベルのエビデンスを、系統的に文献検索した。 主な結果は以下のとおり。・米国やその他の国において、化学療法(アントラサイクリン、タキサン、プラチナ、カペシタビン)、抗HER2療法(トラスツズマブ、ペルツズマブ、トラスツズマブエムタンシン、ネラチニブ)、内分泌療法(タモキシフェン、アロマターゼ阻害薬、卵巣摘出/卵巣機能抑制)、ビスホスホネートなどの治療が推奨されていた。・放射線療法の選択肢として、乳房温存術後において全乳房照射・乳房部分照射・腫瘍床ブースト照射・局所リンパ節照射、乳房切除術後において胸壁照射・局所リンパ節照射があった。・推奨されている治療選択は、無作為化比較試験(1万例超の試験が8件、1,000〜1万例の試験が15件、1,000人未満での試験が1件)で支持されていた。・ほとんどの比較試験で、乳がんによる死亡率または再発率が10〜25%減少し、乳がん以外による死亡率は増加しなかった。・アントラサイクリンでの化学療法と放射線療法は、乳がん以外による全死亡率を増加させた。アントラサイクリンリスクは心疾患と白血病によるものだった。・放射線リスクは主に心疾患、肺がん、食道がんによるものであり、心臓、肺、食道の放射線量の増加に伴い、それぞれの疾患が増加した。・タキサンは白血病リスクを上昇させた。

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