中等度~重度うつ病に対するpsilocybin vs.エスシタロプラム/NEJM

英国・インペリアル・カレッジ・ロンドンのRobin Carhart-Harris氏らは、6週間の第II相無作為化二重盲検比較試験の結果、中等度~重度大うつ病性障害に対しpsilocybinは選択的セロトニン再取り込み阻害薬のエスシタロプラムと比較して、6週時のQIDS-SR-16うつ症状スコアの変化に基づく抗うつ作用に有意差はないことを明らかにした。psilocybinおよびその代謝物のシロシンは催幻覚物質で、その作用は主に5-HT2A受容体アゴニスト作用による。これまでに、治療抵抗性うつ病患者を対象とした小規模な非盲検試験ではpsilocybinの抗うつ症状改善効果が報告されていた。しかし、確立された既存のうつ病治療薬とpsilocybinの直接比較は行われていなかった。著者は今回の結果に基づき、「psilocybinと既存の抗うつ薬を比較検証する、より大規模で長期的な試験が必要である」とまとめている。NEJM誌2021年4月15日号掲載の報告。