生殖補助医療で生まれても若年成人期のメンタルヘルスは良好

提供元:HealthDay News

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公開日:2022/01/18

 

 体外受精(IVF)や顕微授精法(ICSI)などの生殖補助医療技術(ART)により生まれた子どもでも、10代や若年成人期にメンタルヘルスに問題を抱えるリスクは増加しないとする研究結果が報告された。同研究では、ARTが強迫性障害(OCD)のわずかなリスク上昇と関連することが示されたものの、この上昇は親の持つ背景要因に関係するものだったという。カロリンスカ研究所(スウェーデン)のAnna Sara Öberg氏らによるこの研究結果は、「JAMA Psychiatry」に12月15日発表された。

 ARTにより誕生した子どもの数は、1978年以来、世界で900万人以上に上る。過去の研究では、ARTと先天性欠損、早産、低出生体重との関連が報告されているものの、ARTが子どもの健康面に及ぼす長期的な影響については限定的な知見しか得られていない。

 今回Öberg氏らは、ARTにより生まれた子どもを中央値で18年間追跡し、10代や若年成人期を迎えた時点でのメンタルヘルスに着目してデータを解析した。対象者は、1994年1月1日から2006年12月31日の間にスウェーデンで生まれた122万1,812人(男児51.4%)で、このうちの2.6%(3万1,565人)はARTにより生まれていた(ART群)。研究終了時には、対象者は12〜25歳を迎えていた。

 解析の結果、ARTの使用と、青年期を迎えた対象者のメンタルヘルス問題との間に関連は認められないことが明らかになった。ただし、ART群では非ART群に比べて、OCDのリスクが35%高かった。しかしこの関連は、親の特徴(出産時の年齢、学歴、居住地域など)を考慮して解析すると統計的に有意ではなくなり(調整ハザード比1.10、95%信頼区間0.98〜1.24)、さらに対象を不妊が判明しているカップルから生まれた子どもに限ると関連は認められなくなった(同1.02、0.89〜1.17)。

 Öberg氏は、「最終的に、われわれの研究では、ARTの使用が青年期に入った若者のメンタルヘルスに有害な影響を及ぼすことはないという結論に至った」と述べている。

 研究論文の筆頭著者である同研究所のChen Wang氏は、「われわれの研究は、ARTにより生まれた子どもを青年期に入るまで追跡して、ARTのメンタルヘルスに及ぼす影響を検討した初めてのものだ。ARTにより生まれた子どものメンタルヘルスという点では、全体的に人々を安堵させる結果だと言えるだろう」と述べている。

[2021年12月21日/HealthDayNews]Copyright (c) 2022 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら