心臓発作を経験後に生活習慣を一変させた52歳の男性―AHAニュース

提供元:HealthDay News

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公開日:2022/01/05

 

 米国コネチカット州出身のMichael Capalboさんは今年52歳になる。昨年4月、勤務先の薬局内の通路に立っていた時、肩から胸にかけて激しい灼熱感を感じ、上司にテキストメッセージで状況を伝えた。すると彼の上司は直ちに911(日本の119)番に連絡し、続いてCapalboさんにアスピリンを服用するよう指示した。

 椅子に座って救急車の到着を待つ間、Capalboさんは体が締め付けられるような感覚を覚えた。やがて到着した救急車に収容されたことまでは覚えている。しかし次に目が覚めたのは、2日後の集中治療室内でのことだった。「あなたが助かったのは奇跡に近い。もし一人で家にいた時に発作が起きていたとしたら、あなたは亡くなっていただろう」と、心臓病専門医に告げられた。Capalboさんの心臓の左前下行枝という血管は100%閉塞して、心筋梗塞を起こしていた。医師たちは血管内治療により閉塞部位を拡張し、ステントを留置した。

 Capalboさんは、心筋梗塞の発作が起きた責任は自分にあると感じている。彼は1年以上もの間、腕のうずきや胸の痛み、かすみ目などの断続的な症状を自覚していた。しかしそれを消化不良のせいだと思い込み、胃薬を服用してしのいでいた。また一時期は禁煙していたが、数年前からまた吸い始めていたし、運動はせず、食生活も非健康的だった。

 「独り暮らしの私はほぼ毎晩外食を続け、ピザとハンバーガーと鶏肉を食べ、ビールを1~2杯飲んでいた」。また、そのような食事に加え、毎日のようにビックサイズの甘いアイスティーを2杯飲み、菓子を半袋食べていた。さらに彼には濃厚な家族歴があった。父と祖父は心臓発作で亡くなっており、2人の兄弟はともに心臓発作を経験していて、兄は脳卒中も経験していた。

 「数々の警告があったにもかかわらず、無知と尊大さのためにそれらを無視していた。私は『自分には心臓発作など起きない』と思っていた。いや、『起こるわけがない』と自分に言い聞かせていた」。

 Capalboさんの発作はコロナパンデミック下の2020年4月に発生したため、見舞いに訪れてくれた人に会うことができなかった。高校卒業を控えた娘とは毎日電話で話していたが、長い間、直接会っていなかった。そのつらい体験が、以前の生活パターンを終わらせる覚悟を生んだ。「馬鹿なことを言っているように聞こえるかもしれないが、心臓発作の経験は私の人生で最高の出来事だった」。

 退院から1年半が経過したが、Capalboさんはタバコを吸わず、赤肉を口にしていない。自分自身で料理をするようになり、40ポンド(約18kg)減量した。週に数回、4~5マイル(6~8km)のウォーキングもしている。

 退院後の最初の外出の目的は、自分を病院へ搬送してくれた救急車スタッフへの訪問だった。感謝を伝えたかったし、救急車の中で自分に何が起きていたのかも知りたかった。

 応対したのは、偶然にもCapalboさんの搬送を担当した男性スタッフの一人だった。「あなたがここに立っているなんて信じられない!」。そのスタッフはCapalboさんを抱きしめた。スタッフの説明によると、Capalboさんは救急車内で呼吸が停止。除細動による蘇生も必要とされたという。

 「私は今、生きていることに深く感謝している」とCapalboさんは語る。彼は娘が高校を卒業する姿を目にすることができた。

 パンデミックのために心臓リハビリテーションの開始が遅れたものの、いったんスタートすると、トレッドミルやエルゴメーターなどに取り組み、食事療法と栄養について学び、ジム通いも始めた。「今は料理と運動が大好きだ。かつてこれらは二つとも私の人生に無縁のものだった」。

 別れた妻であるDonna Capalboさんは、もと夫の変化を「スイッチが切り替わったようだ。今の彼は間違いなく以前とは別人だ」と語る。一緒に暮らしていた時は、夫が料理をすることなどあり得なかったという。しかし今、彼女は娘とともに、彼が料理するところをネット経由で見ることを楽しみにしている。

 かつての夫が人生を再始動させた姿は、彼女をも変えつつある。「私はもっと運動して、友達と街を出歩くようにする。それに、彼が毎晩楽しそうに料理を作るのを見ながら自分は冷凍食品を温めるという生活を、続けたいとは思わない」。

[2021年11月30日/American Heart Association] Copyright is owned or held by the American Heart Association, Inc., and all rights are reserved. If you have questions or comments about this story, please email editor@heart.org.