コロナワクチン、免疫不全患者には4回接種が必要か

提供元:HealthDay News

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公開日:2021/11/24

 

 疾患やそれに対する治療により免疫システムの機能が低下している免疫不全患者では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するmRNAワクチン(米ファイザー社製、または米モデルナ社製のワクチン)の防御効果を高めるために、4回目の接種が必要になるかもしれない。そんな研究結果が、米インディアナ大学のPeter Embi氏らによる研究で示唆された。この研究結果は、「Morbidity and Mortality Weekly Report」11月5日号に掲載された。

 免疫不全患者では通常、COVID-19の重症化リスクが高い。しかし、これらの人では、免疫システムが正常に機能している人に比べて、2回のmRNAワクチン接種により得られる防御効果が低い可能性のあることが指摘されている。

 そこでEmbi氏らは今回、米疾病対策センター(CDC)が運営するVISION Networkのデータを用いて、免疫不全患者におけるmRNAワクチン接種の有効性を調べた。データは、2021年1月17日から9月5日の間に、米国の9つの州にある187カ所の病院にCOVID-19関連の疾患で入院した患者に関するもので、免疫不全の成人2万101人(免疫不全群)、免疫システムが正常に機能している成人6万9,166人(免疫正常群)が含まれていた。これらの成人のうち免疫不全群の53%と免疫正常群の43%がmRNAワクチンの2回接種を完了していた。

 解析の結果、COVID-19に関連した入院に対するmRNAワクチン2回接種の有効性は、免疫不全群で77%、免疫正常群で90%であり、免疫不全群の方が低いことが明らかになった。この違いは、mRNAワクチンの種類や被接種者の年齢、デルタ株の蔓延時期に関わりなく認められた。また、ワクチンの有効性は、免疫不全群のサブグループ間で大幅に異なり、臓器移植患者または幹細胞移植患者の59%からリウマチ性疾患患者や炎症性疾患患者の81%までの幅があった。

 Embi氏は、「この結果は、免疫不全患者にとってもmRNAワクチンの2回接種は有益ではあるが、免疫システムが正常に機能している人に比べると、COVID-19重症化に対する防御力が大幅に低いことを示唆するものだ」と話す。同氏はさらに、同大学のニュースリリースで、「免疫不全患者では、ワクチンの2回接種後も防御力が十分ではないため、3回目の接種と、それにより得た免疫を持続させるためのブースター接種(4回目)を受けるべきだ。また、公共の場ではマスクを着用するなどの予防措置を講じ、新型コロナウイルスに感染した場合は、重症化を防ぐ効果が確認されている治療法で対処する必要がある」と主張している。

[2021年11月3日/HealthDayNews]Copyright (c) 2021 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら