スマホアプリで心筋梗塞後の再入院リスクが低下

提供元:HealthDay News

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公開日:2021/10/22

 

 心筋梗塞後の再発予防のための自己管理にスマートフォン(スマホ)のアプリケーション(アプリ)を利用することで、退院後1カ月以内の再入院リスクが半減する可能性のあることが明らかになった。米ジョンズ・ホプキンス大学医学部のFrancoise Marvel氏らによるこの研究結果は、「Circulation:Cardiovascular Quality and Outcomes」7月号に掲載された。

 米国心臓協会(AHA)によると、心筋梗塞を起こした患者の6人に1人は、退院後30日以内に再入院するという。そのような再入院の約75%は、予防可能な誤薬か、食生活などのライフスタイルで変更すべきところをきちんと変更できていないことに起因すると、専門家たちは指摘する。

 Marvel氏は、「われわれの病院でも、これまでは心筋梗塞の再発予防に関する複雑なガイダンスを記した大量の書類を患者に手渡していた。その後は、患者が自発的にライフスタイルを変えることを期待するだけだった。しかし、もっと良い方法があるはずだ。例えば、心筋梗塞後の患者の回復プロセスを一から設計し直すと何か変わるのではないか。われわれはそう考えた」と振り返る。

 そこでMarvel氏らは、同大学の医師や看護師、薬剤師、エンジニア、公衆衛生専門家など、さまざまな分野の専門家を集めた学際的なチームを立ち上げ、Corrie(コリー)と名付けられたアプリを開発した。このアプリは、服薬時間の通知や経過観察の予約取りなどの管理ツールとして、また心臓の健康に良いライフスタイルに関する情報を提供する教育アプリとして機能する。それだけでなく、スマートウォッチで計測された患者の心拍数と毎日の活動量のほか、ワイヤレス接続した血圧計からの血圧データの追跡もできる。

 研究チームは、米国内4カ所の病院の心筋梗塞患者200人(平均年齢59.3歳、女性30%)にこのアプリとスマートウォッチ、ワイヤレス血圧計を配布し、入院中と退院後の30日間、これらを使用させた(デジタルヘルス介入群)。そして、これらの患者から集められたデータを、退院後に標準的なケアを受けた心筋梗塞患者864人(対照群、平均年齢60.1歳、女性29%)のデータと比較した。

 その結果、あらゆる原因による再入院率は、デジタルヘルス介入群で6.5%、対照群で16.8%と、前者の方が低いことが判明した。病院の立地や患者の年齢、性別、人種、心筋梗塞のタイプ、併存疾患などを調整して解析したところ、デジタルヘルス介入群では対照群に比べて、退院後30日以内に再入院に至るリスクが52%低いことが明らかになった。また、アプリ使用者では、生活の質(QOL)の向上に対する意気込みがより高く、90%以上の人が、「自宅で自分の健康管理を行う準備は万全だ」と述べた。

 Marvel氏は同大学のニュースリリースの中で、「この研究から、退院後の心筋梗塞患者に、ケアとして必要なことを患者自身に頻繁に行わせるようにすると、患者は頑張ってそれをこなそうとすることが分かった」と述べている。

[2021年9月27日/HealthDayNews]Copyright (c) 2021 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら