2型糖尿病の診断時年齢が若いほど死亡・合併症リスクが高い

提供元:HealthDay News

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公開日:2021/01/14

 

 若い時期に2型糖尿病と診断された患者ほど、死亡や合併症のリスクが高いという研究結果が報告された。モナッシュ大学(オーストラリア)のNatalie Nanayakkara氏らが行ったシステマティックレビューとメタ解析の結果であり、詳細は「Diabetologia」に12月14日掲載された。

 Nanayakkara氏らは、MEDLINEなどのデータベースを用い、2018年7月までに公開された論文を対象とし、成人2型糖尿病患者の全死亡および大小血管合併症と、糖尿病診断時の年齢との関連を調査した研究論文を検索。2,219件がヒットし、その中からタイトルとアブストラクトをもとに156件を抽出。それらを独立した2人の研究者がレビューした結果、最終的に26件がメタ解析の対象として残った。

 26件の研究は、横断研究とコホート研究が各13件であり、登録者は30カ国から合計132万5,493人に及んだ。平均年齢は21.6~67.4歳、女性の割合が42.5~68.6%だった。メタ解析の結果、糖尿病診断時の年齢と、全死亡および大小血管合併症のリスクとの間に、有意な負の相関が認められた(すべてP<0.001)。詳細は以下のとおり。

 診断時年齢と全死亡リスクとの関係を報告した研究は5件あり、解析対象者は計84万4,081人だった。糖尿病診断時の年齢が1歳高齢であるごとに、全死亡のリスクが4%低下していた〔オッズ比(OR)0.96、95%信頼区間0.94~0.99〕。大血管合併症リスクとの関係を報告した研究は8件 あり、解析対象者は計35万6,008人。診断時の年齢が1歳高齢であるごとにリスクが3%低下していた(OR0.97、同0.96~0.98)。細小血管合併症リスクとの関係を報告した研究も8件で、解析対象者は計14万9,110人。診断時の年齢が1歳高齢であるごとにリスクが5%低下していた(OR0.95、同0.94~0.96)。

 この結果について、米マウントサイナイ心血管健康センターのJeffrey Mechanick氏は、「2型糖尿病では、インスリン抵抗性と高血糖の双方が血管障害の進展を加速させる。診断時年齢が若いことは、それらの変化が人生のより早い段階でスタートしていることを意味する。そのために健康を脅かす不吉なことが起こりやすくなるのは当然で、驚くべきことではない」と語っている。

 若年の患者は得てしてこのような問題を深刻に捉えず、リスクを過小評価する傾向があるという。この懸念を唱えるのは米ジョスリン糖尿病センターのJoanna Mitri氏だ。「若い2型糖尿病患者が自身の合併症リスクを抑制するには、定期的な受診を欠かさず、血糖値だけでなく血圧や血清脂質、そして体重を管理することが重要」と同氏はアドバイスしている。なお、Mechanick氏とMitri氏は、今回の研究には関与していない。

 血糖値以外の因子も含めた複合的な管理の重要性に関しては、Nanayakkara氏も同意し、「それらをコントロールすることで、疾患の予後を変えることが可能だ」と述べている。そして、若年2型糖尿病の多くが小児肥満を基盤に発症することを指摘した上で、「子どもたちが外で遊び、健康的な食品を摂取する環境を整える必要がある」と提言している。

[2020年12月15日/HealthDayNews]Copyright (c) 2020 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら