米国人6人に1人が何らかの食事療法を実践

提供元:HealthDay News

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公開日:2020/11/24

 

 友人数人での会食の際に、その中の1人から、例えば「糖質制限をしているからパンは無理」と、料理の選択肢を減らすようなことを言われた経験はないだろうか。糖質制限以外にも、脂質制限やパレオ食(旧石器時代食)などを実践している人も少なくない。

 米国成人の約6人に1人は、何らかの食事療法を行っているというデータが報告された。米国立保健統計センター(NCHS)のBryan Stierman氏らの研究によるもので、詳細は米疾病対策センター(CDC)発行の「NCHS Data Brief」11月号に掲載された。

 食事療法のタイプは、肥満者が減量するための摂取制限、糖尿病患者が血糖コントロールをするための低炭水化物食、セリアック病患者のグルテン除去食など多岐にわたる。Stierman氏によると、米国の成人の約半数は、心血管疾患、高血圧、2型糖尿病などの食生活が発症や進行に影響を及ぼす慢性疾患を患っているといい、「そのような疾患を予防・治療するための手段の一つが食事療法だ」と解説する。

 一方で、「慢性疾患がなく健康であるなら、おそらく特別な食事療法は必要ない」と話すのは、米オハイオ州立大学ウェクスナー医療センターのLiz Weinandy氏だ。同氏は、「多くの米国人が体重を減らす必要があるのは確かだが、食事療法は一般的にうまくいくものではない。たいていは長続きしないものだ」と述べ、最初にすべきことは不健康な食生活を送っていないかをチェックすることだとアドバイスしている。具体的には、高度に加工された食品を食べ過ぎていないか、果物や野菜を十分とっているかといったことの確認から始めるべきだという。

 今回発表された研究は、米国の国民健康栄養調査のデータを解析したもので、2017~2018年には20歳以上の米国成人の17.1%が何らかの食事療法を行っていたことが明らかになった。実践者が最も多かったのは、減量目的または低カロリーの食事で、成人の9.3%が実践していた。その他に、糖尿病食は2.3%、低炭水化物食は2.0%、低脂肪(低コレステロール)食は1.8%が実践していた。

 性別で比較すると、男性(15.1%)よりも女性(19.0%)の方が、食事療法実践者の割合が高かった。また、年齢層別では、20~39歳(男性は10.8%、女性は15.8%)は食事療法実践者の割合が低く、40~59歳(男性17.6%、女性20.7%)と60歳以上(男性17.7%、女性20.7%)は高かった。体重別では、普通体重またはやせでは実践者率が8.3%、過体重では17.1%、肥満では23.1%であり、教育歴別では、高卒未満が14.1%、高卒17.0%、大卒以上18.6%だった。

 10年前(2007~2008年)からの経年的な変化を見ると、何らかの食事療法を行っている米国成人の割合は、14.3%から17.4%へと増加していた。食事療法のタイプ別では、減量目的または低カロリー食が7.5%から10.0%に増加し、また低炭水化物食も0.9%から2.2%に増加していた。反対に低脂肪(低コレステロール)食は、2.7%から1.5%に減少していた。糖尿病食の実践者率は有意な変動がなかった。

 この結果について、米レノックスヒル病院のKatrina Hartog氏は、「人々が慢性疾患のリスクを抑えようと食事療法を実践している現状を理解するのには役立つ」と述べている。ただしWeinandy氏と同様に同氏も、「減量のための食事療法のメリットは、一般的に短期間にとどまる傾向がある」としている。そして、「極端な低カロリー食や流行の食事療法は継続が難しく、多くの人がリバウンドしてしまう。食事療法だけを考えるのではなく、生活習慣全般の改善を心がけてほしい」と述べている。

 なお、「減量目的ではなく、疾患治療のための食事療法は順守すべき」とWeinandy氏は指摘する。例えば、てんかんの患者では、ケトン食が治療に役立つ可能性が高く、セリアック病やグルテン不耐症の人は、小麦などのタンパク質を避け、特定の食品にアレルギーのある人はその食品を避ける必要がある。また、過敏性腸症候群の患者も、いくつかの食品を避けることが病状改善につながることがある。ただしこのようなケースでも、重要な栄養素が不足しないように、「何をどのように食べると良いかを栄養士に相談してほしい」とWeinandy氏は語っている。

[2020年11月4日/HealthDayNews]Copyright (c) 2020 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら