理髪店で糖尿病をスクリーニング

提供元:HealthDay News

印刷ボタン

公開日:2020/02/25

 

 米国の黒人男性には糖尿病未治療者が多く、他の人種・民族に比べて合併症の有病率が高くて70歳代まで生きる割合が低い。この現状に対し、黒人コミュニティーで信頼されている理髪店で、来客に糖尿病のスクリーニングを行うことが有用とする研究結果が「JAMA Internal Medicine」1月27日オンライン版に報告された。

 米ニューヨーク大学(NYU)のDavid Lee氏らは、黒人経営の理髪店8店でHbA1cの迅速診断検査(POCT)によるスクリーニングの有用性を検討した。来店した黒人男性895人に協力を依頼したところ、312人が検査に同意した。

 測定を正確に行えた290人のうち、未診断の糖尿病が強く疑われるHbA1c6.5%以上の人が26人(9.0%)存在した。さらに1.0%の人はHbA1cが7.5%以上だった。また糖尿病前症に該当するHbA1c5.7~6.4%の人の割合は28.3%に及んだ。スクリーニングを受けた人の平均BMIは29.3であり、未診断の糖尿病が見つかった26人のうち16人はBMI30以上の肥満だった。

 研究協力を拒否した583人のうち331人は拒否の理由を回答した。それによると約半数が「自分の健康状態を知っている」または「検査を受けたことがある」という理由を挙げ、35%は「自分は健康である」または「自分の健康状態を知りたくない」と答えた。「針の穿刺が怖い」との理由を挙げた人も8%存在した。

 スクリーニングの場所に理髪店を選んだ理由について、Lee氏は「理髪店は長期にわたり、特に黒人から信頼を得ているため」とし、「理髪店と協力したことで来店客は我々を信用してくれた」という。

 理髪店を利用した黒人男性の慢性疾患スクリーニングは、既に高血圧についても試行され良好な結果が報告されている。米デトロイト医療センターのAnthony Clarke氏は本研究には関与していないが、「男性は医師の診察を受けないことが多く、特に黒人男性はその傾向が強い。理髪店を使うのは優れた方法と言え、患者が医者のもとに来ないなら医者の方が患者のいるところに行けば良いということだ。理髪店は男性が集まる場所である」と述べている。

 なお、今回の研究はニューヨーク市のブルックリン区で実施された。ここが選ばれたのは、血糖管理が良くない患者が多数暮らしている地区だからという。Lee氏は「今回のアプローチが他の都市や農村部でも有効かどうかはわからない」としている。

[2020年1月27日/HealthDayNews]Copyright (c) 2020 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら