サイト内検索|page:42

検索結果 合計:10256件 表示位置:821 - 840

821.

人工呼吸器離脱のための最適なスクリーニング頻度と手法は?/JAMA

 侵襲的人工呼吸器を24時間以上装着した重症成人患者において、自発呼吸トライアル(SBT)のスクリーニングの頻度(1日1回vs.より頻回)および手法(pressure support[PS]SBT vs.TピースSBT)は、抜管成功までの期間に影響を及ぼさないことが示された。一方で、プロトコール化された頻回なスクリーニング+PS SBTは、初回の抜管成功までの期間を延長するという予期せぬ統計学的に有意な交互作用が確認されたという。カナダ・トロント大学のKaren E. A. Burns氏らCanadian Critical Care Trials Groupが無作為化試験の結果を報告した。人工呼吸器から離脱するためのSBTの最適なスクリーニング頻度と手法は、明らかになっていなかった。JAMA誌オンライン版2024年10月9日号掲載の報告。スクリーニングの頻度と手法の違いによる抜管成功までの期間への影響を評価 研究グループは、SBTのスクリーニングの頻度(1日1回vs.より頻回)と手法(PS SBT[PS:>0~8cm H2O、PEEP:>0~5cm H2O]vs.TピースSBT)の抜管成功までの期間への影響を比較する2×2要因デザイン無作為化試験を行った。 被験者は、侵襲的人工呼吸器を24時間以上装着した、自発呼吸開始や人工呼吸器作動が可能な、吸入酸素濃度(FiO2)≦70%またはPEEP≦12cm H2Oの重症成人患者で、2018年1月~2022年2月に北米23ヵ所の集中治療室(ICU)で登録が行われた。最終追跡日は2022年10月18日。プロトコール化されたスクリーニング(1日1回vs.より頻回)を受け、持続的な30~120分のPS SBTまたはTピースSBTを受ける基準を満たした患者を早期に特定するため、被験者は早期に登録された。 主要アウトカムは、抜管成功(自発呼吸を開始し、抜管後48時間以上持続)とした。頻度や手法による統計学的な有意差は認められず 797例が無作為化された(1日1回のスクリーニング+PS SBT群198例、1日1回のスクリーニング+TピースSBT群204例、頻回なスクリーニング+PS SBT群195例、頻回なスクリーニング+TピースSBT群200例)。平均年齢は62.4(SD 18.4)歳、男性472例(59.2%)だった。 スクリーニングの頻度(ハザード比[HR]:0.88[95%信頼区間[CI]:0.76~1.03]、p=0.12)あるいはSBT手法(1.06[0.91~1.23]、p=0.45)によって、抜管成功に統計学的な有意差は認められなかった。 抜管成功までの期間中央値は、1日1回のスクリーニング+PS SBT群2.0日(95%CI:1.7~2.7)、1日1回のスクリーニング+TピースSBT群3.1日(2.7~4.8)、頻回なスクリーニング+PS SBT群3.9日(2.9~4.7)、頻回なスクリーニング+TピースSBT群2.9日(2.0~3.1)であった。 スクリーニング頻度とSBT法の間には予期せぬ交互作用が認められ、ペアワイズ比較によって、頻回なスクリーニング(vs. 1日1回のスクリーニング)+PS SBTは抜管成功までの期間を延長することが明らかになった(HR:0.70[95%CI:0.50~0.96]、p=0.02)。しかし、1日1回のスクリーニング+PS SBT(vs.TピースSBT)は、抜管成功までの期間を短縮しなかった(1.30[0.98~1.70]、p=0.08)。

822.

TAV in TAV承認で見えてきた課題と新アプリの役割/日本心不全学会

 大動脈弁狭窄症(AS)の非侵襲的治療としてカテーテル大動脈弁植え込み術(TAVI)が日本で使用されるようになり、今年で11年目を迎える。従来TAVIの適応は80歳以上の高齢者や、バイパス術などの開胸術の既往を有するなどの高リスク症例が対象であったが、低リスク症例への適応拡大や世界的に平均寿命が延伸する昨今、弁機能不全を呈して再治療を必要とする患者が増加傾向にある。2023年には再治療の選択肢として本邦でもSAPIEN3(以下、S3)によるTAV in TAV(現在はS3 in S3に限定)が承認されたことで、TAV in TAVの課題理解は急務とも言える。一方で、外科的大動脈弁置換術(SAVR)の時点でも、将来のTAV in SAVの可能性を踏まえた弁選択が問われるところである。 今回、Redo TAVアプリ1)の開発に携わった岡田 厚氏(国立循環器病研究センター心不全・移植部門/Minneapolis Heart Institute Foundation, Valve Science Center)が『ついに始まったTAV in TAV~見えてきた新たな課題とRedo-TAVアプリの役割~』と題し、10月4~6日に開催された第28回日本心不全学会学術集会のシンポジウムで、現状の課題と解決策について解説した。TAV in TAVで見えてきた2つの課題 一見簡単そうに見えるTAV in TAVだが、実際の症例を目の当たりにした同氏には2つの課題(Feasibility[実現可能性]、planningの複雑性)が見えてきたという。1つ目の課題である “安全に施行できる可能性”について、S3 in S3あるいはEvolut in S3は57~70%、S3 in EvolutあるいはEvolut in Evolutでは18~77%と報告2-7)されており、「以前にTAVIを受けた患者さんのうち約20~30%にはTAV in TAVが行えない可能性」に直面していると同氏はコメントした。また、2つ目の課題については、「TAV in SAVと比べると、TAV in TAVでは弁のデザインがさまざまで、留置の深さが症例ごとに異なる、in vitroとin vivoでは形や広がり方が異なる、組み合わせごとにプランニングが変わる」などを指摘し、TAV in TAV時に冠動脈血流へのリスクを理解するためには「透視で見えないLeaflet/Skirtの挙動を十分考える必要があるなど、入念なプランニングを要する」と同氏は説明した。TAV in TAVが安全に施行可能か評価するための新たな用語や概念 また、TAV in TAVを安全に施行可能かFeasibilityの評価を行うためには、以下に示す新たな用語や概念を押さえておく必要もあり、その一部を以下に示す。◯Neoskirt/Neoskirt plane TAV in TAV後、1つ目の弁のLeafletが”pinned open”されることによって形成される、血流もカテも通らない筒状の構造物。Tube graftと表現されることもある。冠動脈血流との干渉を評価するために必須で、弁の組み合わせごとにNeoskirtの高さ(Neoskirt plane)は変わり、Feasibility評価の肝となる。◯Leaflet overhang 主にShort in Tallの組み合わせ(主にS3 in Evolut)で起きうる現象。Leafletがsecond TAVの上に乗り出した状態。ベンチテストでは弁機能への影響は少ないとされているが、実臨床でのデータはまだ十分ではない。◯Sinus sequestration Sequestrationという単語は隔離・没収を意味し、Neoskirt planeがsinotubular junction(STJ)より上になり、かつVTSTJ(後述で説明)が短い場合に、Valsalva洞全体の血流が途絶する現象。◯VTSTJ Neoskirt(もしくは弁)からSTJまでの距離。Sinus sequestrationのリスク評価の際には、冠動脈入口部との距離(VTC)ではなく、VTSTJが重要となる。 TAV in TAVが安全に施行可能か評価するためには、上記のような比較的新しい用語・概念の理解が必要であり、Redo TAVアプリ内には、用語の解説や実例などの教育的コンテンツもふんだんに含まれていると紹介した。TAV in TAVに関する情報をまとめた新アプリ登場 今年にTAV in TAVに関する情報をまとめたRedo TAVアプリが追加され、Vinayak N. Bapat氏らのチームにより作成された4作目のアプリとなった。その中でも本アプリの特徴として、「Procedure guideセクションには手技動画や注意点に加え、メーカーの垣根を超えて各TAVI弁の情報を集約している。CT Planningセクションではあらゆる弁の組み合わせに対応したシステマティックなリスク評価が可能で、最後のStepで解剖学的な位置関係とリスクが一目でSummarizeされるように仕上がっている」と、1つのアプリで情報収集から手技のシミュレーションまで一貫してできる点を説明した。 最後に、同氏は「今後は、初回のTAVI治療の前から、将来の再治療(TAV in TAV)の可能性まで視野に入れた大動脈弁疾患のLifetime managementが重要となる」と発表を締めくくった。■参考1)Minneapolis Heart Institute Foundation:Digital Apps for Physicians2)Okada A, et al. Circ Cardiovasc Interv. 2024;17:e013903.3)Fukui M, et al. Circ Cardiovasc Interv. 2023;16:e013497.4)Miyawaki N, et al. JACC Asia. 2024;4:25-39. 5)Kawamura A, et al. J Thorac Cardiovasc Surg. 2024;168:76-85.6)Ochiai T, et al. JACC Interv. 2023;16:1192-1204.7)Ishizu K, et al. Am J Cardiol. 2022;165:72-80.

823.

脳刺激療法で頭部外傷後の手や腕の機能が回復か

 脳卒中や外傷性脳損傷(TBI)で手や腕の機能を失った患者に対し、脳深部刺激療法(DBS)を施行することで一部の機能が回復する可能性のあることが、米ピッツバーグ大学物理療法学助教のElvira Pirondini氏らの研究で示された。この研究結果は、「Nature Communications」に10月1日掲載された。 DBSは、手術で脳に電極を植え込み、特定の活動を制御している脳領域に電気信号を送って刺激を与える治療法で、パーキンソン病による運動障害の治療目的で施行されることが多い。Pirondini氏は、「腕や手の麻痺は、世界の何百万人もの人々の生活の質(QOL)に大きな影響を与えている。現在、脳卒中やTBIを経験した患者に対する効果的な解決策はないが、脳を刺激して上肢の運動機能を改善するニューロテクノロジーへの関心が高まりつつある」と説明する。 脳損傷は、随意運動の制御に不可欠な脳領域である運動皮質と筋肉との間の神経接続を障害する可能性がある。これらの接続が弱まると、筋肉の効果的な活性化が妨げられ、腕や手の部分麻痺や完全麻痺などの運動障害が生じる。研究グループは、弱まった神経の接続を活性化させるためにはDBSが有効ではないかと考えた。DBSは、過去数十年にわたり、パーキンソン病などの神経疾患の治療に革命をもたらしてきた。 Pirondini氏らは、脳卒中患者の腕の機能を回復するために脊髄の電気刺激を使用して成功したピッツバーグ大学の別のプロジェクトからヒントを得て、運動制御の重要な中継ハブとして機能する運動性視床核と呼ばれる部分をDBSで刺激すると、物をつかむなど日常生活に不可欠な動作を回復できるのではないかとの仮説を立てた。 ただ、この脳領域へのDBSが実際に行われたことがなかったため、まずサルにDBSを施行する実験を行った。サルは人間と同様に、運動皮質と筋肉が神経経路を通じて連携しているため、実験対象として適当と考えられたのだという。その結果、刺激を加え始めるとすぐにサルの筋肉の活動性と握力が著しく改善することが確認された。不随意運動は認められなかった。 そこで、両腕に高度の麻痺をもたらした脳損傷に起因する腕の震えを改善する目的で、DBSの植え込み手術を予定していた人間のボランティアを対象に、サルの実験のときと同じ設定でDBSを行った。その結果、研究参加者にDBSの刺激を加えると、コップを取ろうと手を伸ばす、つかむ、持ち上げるといった動作を、刺激を加えなかった場合よりも効率的かつスムーズに行えるようになることが示され、人間でもDBSにより運動の範囲や強度が改善することが確認された。 論文の共著者でピッツバーグ大学てんかん・運動障害プログラムのJorge Gonzalez-Martinez氏は、「DBSは多くの患者にとって人生を変える治療法となってきた。DBSは世界中の数百万人もの人々に新たな希望を与える治療法だ」と同大学のニュースリリースの中で述べている。 Gonzalez-Martinez氏らの研究グループは現在、DBSの長期的な効果を検証し、刺激を継続することでTBIまたは脳卒中の患者の腕や手の機能をさらに改善できるかどうかを確かめるための研究を行っている。

824.

英語で「異なるケアレベルに移行する」は?【1分★医療英語】第153回

第153回 英語で「異なるケアレベルに移行する」は?《例文1》The patient has stabilized, so we are transitioning him to an alternate level of care.(患者の状態が安定したので、異なるケアレベルに移行します)《例文2》We need to discuss an ALOC option for Mrs. Johnson as she no longer requires acute hospital care.(ジョンソン夫人はもはや急性期の入院治療を必要としないので、ALOCの選択肢について話し合う必要があります)《解説》“We are transitioning him/her to an alternate level of care.”という表現は、患者のケアレベルを変更する際に使用される医療用語です。この文脈での“alternate level of care”とは、「現在の治療レベルとは異なる、より適切なケアレベルへの移行」を意味します。急性期病院でこの言葉を使う場合は、「患者が安定し、急性期治療が必要な状態を脱したために退院を待つフェーズに入った」ことを意味します。“alternate level of care”は略して“ALOC”とも呼ばれます。この概念は、患者の医療ニーズに適したケアを提供し、医療資源を効率的に利用するために、病院システム内で患者のケアレベルを適切に変更することを目的としています。“ALOC”は、急性期病院から亜急性期施設、リハビリテーション施設、長期療養型施設、在宅ケアなど、さまざまなレベルのケアへの変更を意味する可能性がありますが、一般的には急性期病院内で退院待機の間にケアのレベルを下げ、1日おきに診療するようなレベルへの変更を意図する際に用いられます。日本ではあまりなじみがないものかもしれません。医療現場では、患者の状態や利用可能な医療資源に応じて、適切なケアレベルを選択することが重要です。“alternate level of care”や“ALOC”を適切に使用することで、より効果的な患者ケアとリソース管理が可能になります。米国の臨床現場ではよく耳にする言葉として紹介しました。講師紹介

825.

BRCA1/2変異保有者の避妊薬使用、乳がんリスクとの関連/JCO

 生殖細胞系列BRCA1/2変異保有者において、ホルモン避妊薬が乳がんリスクを増加させるかどうかは不明である。今回、オーストラリア・Peter MacCallum Cancer CentreのKelly-Anne Phillips氏らの研究で、ホルモン避妊薬は、とくに長期使用で、BRCA1変異保有者の乳がんリスク上昇と関連することが示された。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2024年10月2日号に掲載。 本研究では、4つの前向きコホート研究からプールされた観察データを用いて、避妊薬使用とBRCA1/2変異保有女性の乳がんリスクとの関連についてCox回帰を用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・BRCA1変異保有者3,882人およびBRCA2変異保有者1,509人のうち、それぞれ53%および71%で1年以上の避妊薬使用歴があり、累積使用期間中央値はそれぞれ4.8年、5.7年だった。・BRCA1変異保有者488人とBRCA2変異保有者191人が、それぞれ追跡期間中央値5.9年と5.6年の間に乳がんを発症した。・BRCA1変異保有者では、現在/以前の使用とも1年以上の避妊薬使用歴は乳がんリスクと有意な関連はみられなかったが、使用歴ありは有意な関連がみられた。使用歴なしと比べたハザード比[HR](95%信頼区間[CI])は以下のとおり。 現在使用:1.40(0.94~2.08)、p=0.10 1~5年前に使用:1.16(0.80~1.69)、p=0.4 6~10年前に使用:1.40(0.99~1.97)、p=0.05 10年より前に使用:1.27(0.98~1.63)、p=0.07 使用歴あり:1.29(1.04~1.60)、p=0.02・避妊薬の累積使用期間が長いほど乳がんリスクが上昇し、1年増えるごとに3%(95%CI:1~5、p=0.002)のリスク上昇が推定された。・BRCA2変異保有者では、現在使用(HR:0.70、95%CI:0.33~1.47、p=0.3)および以前使用(HR:1.07、95%CI:0.73~1.57、p=0.7)とも乳がんリスクの上昇と関連していなかった。 これらの結果から、著者らは「BRCA1変異を有する女性における避妊薬の使用については、個々人のリスクとベネフィットを慎重に検討する必要がある」としている。

826.

心血管疾患リスクの予測にはBMIよりも体丸み指数が有用

 過体重が人の心臓の健康に与える影響を予測する上では、「体丸み指数(body roundness index;BRI)」の方がBMIよりも優れた指標である可能性のあることが、新たな研究で明らかになった。6年にわたって継続的にBRIが高かった人では低かった人に比べて、心血管疾患(CVD)リスクが163%高いことが示されたという。南京医科大学(中国)Wuxi Center for Disease Control and PreventionのYun Qian氏らによるこの研究結果は、「Journal of the American Heart Association」に9月25日掲載された。 2013年に提唱されたBRIは、ウエスト周囲径と身長を基に算出する腹部肥満の指標で、BMIやウエスト周囲径などよりも体脂肪や内臓脂肪の割合を正確に反映すると考えられている。一方、従来から使われているBMIは体重と身長のみから算出する。そのため、筋肉量が非常に多い人では値が高くなることもあり、肥満度の指標としては不正確だとして批判されることもある。 この研究では、CHARLS(中国の健康と退職に関する長期研究)の参加者9,935人を対象に、2011年から2016年の間のBRIの推移と2017年から2020年の間のCVD発症(脳卒中、心臓イベント)との関連を調査した。参加者の平均年齢は58.85±9.09歳で、男性5,263人、女性4,672人だった。2011年から2016年の間のBRIの推移に基づき、参加者を、低いBRIを維持していた群(低BRI群)、中程度の高さのBRIを維持していた群(中BRI群)、高いBRIを維持していた群(高BRI群)の3群に分類した。 その結果、低BRI群に比べて中BRI群と高BRI群ではCVDリスクがそれぞれ61%(ハザード比1.61、95%信頼区間1.47〜1.76)と163%(同2.63、2.25〜3.07)有意に上昇することが示された。このような有意なリスク上昇は、参加者の人口統計学的属性や病歴、血圧などの健康指標等を調整した後も認められた(ハザード比は同順で、1.22〔95%信頼区間1.09〜1.37〕、1.55〔同1.26〜1.90〕)。 こうした結果を受けてQian氏は、「われわれの研究により、BRIが6年間、中程度以上のレベルであった場合、CVDリスクが上昇する可能性のあることが示された。これは、BRIの値をCVD発症の予測因子として使用できる可能性があることを示唆している」と話す。同氏はさらに、「この結果は、肥満と高血圧、高コレステロール、2型糖尿病の相関関係によって説明できる。これらは全て、CVDのリスク因子だ。肥満は、心臓や心機能に影響を及ぼす可能性のある炎症やその他のメカニズムを引き起こすことも分かっている。本研究結果がCVDの予防にどのように応用できるかを確認し、完全に理解するには、さらなる研究が必要だ」と述べている。

827.

その関節痛、炎症疾患が原因?

患者さん、それは…関節痛 かもしれません!関節は、痛むだけの時もあれば、炎症を起こしていることもあります。また、症状が1つの関節で生じる場合と複数の関節で生じる場合があるので、ご自身の身体のどこがどのように痛いのか、痛み以外にも以下のような症状がないか、確認してみましょう。□熱感がある□腫れている□痛みが出たのは2週間以内だ□症状は朝に出る□赤みを帯びた皮疹がある□痛みが出たのは1ヵ月以上前からだ□症状は30分以上続く◆その関節痛は…炎症疾患のせいかも!?・発熱や倦怠感はありますか・朝の手のこわばりは1時間以上続きますか・関節が腫れたり赤くなっていませんか出典:MSDマニュアルプロフェッショナル版_複数の関節の痛み、単関節および単関節周囲の痛み監修:福島県立医科大学 会津医療センター 総合内科 山中 克郎氏Copyright © 2022 CareNet,Inc. All rights reserved.

828.

患者と家族の要望が対立―どのように治療方針を決める?【こんなときどうする?高齢者診療】第6回

CareNeTVスクール「Dr.樋口の老年医学オンラインサロン」で2024年9月に扱ったテーマ「意思決定に関わる”もやもや“とどう付き合う?」から、高齢者診療に役立つトピックをお届けします。高齢者診療では、積極的治療の差し控えや中止といった選択を迫られる場面が必ず訪れます。そのような厳しい決断に直面する中で、「これでよかったのだろうか?」と、言葉にできない感情を抱えた経験は誰しもが持つものだと思います。こうした状況で、患者や家族と共に最良の選択を見つけるために、老年医学の型「5つのM」の4つめ「Matters Most大切なこと」を扱います。75歳女性。進行性の大腸がんで在宅療養中。訪問診療と在宅看護で定期的なケアを行っている。疼痛や呼吸苦などの症状が悪化してきているが、本人は可能な限り自宅での生活を希望している。しかし夫を含めた家族は、ケア負担が増加していることや、夫自身の体調に不安が出始めていることを理由に、患者の施設入所を検討したいと考えている。このケースのように、患者の病状と家族のケアキャパシティ(ケア・介護能力や体力・精神的余裕)が同時に変化している状況で、患者と家族の希望が異なることは珍しくありません。どのように落としどころを見つけるのか見ていきましょう。事前指示では不十分!ACPの本当の意味―たとえば「何かあったときに挿管はしないでください」といった事前指示だけでは、いざその場に立ち合ったときに「これでよかったのか?」と悩むことになるかもしれません。なぜなら、事前指示をした時点と実際に決断をする時点では、患者や家族の状況が変わっていることが多いからです。医療・ケアの現場で本当に求められるのは、予後を予想し、情報を共有しながら患者・家族の価値観を掘り下げ、ケアプランを患者と医療者が協力して紡いでいくACP(アドバンスドケアプランニング)です。このACPの目的は、患者が希望することの背景にある価値観を知ること。価値観を知ることが、状況が変わった場合でも患者の意図に沿った支援を提供するための基盤となります。事前指示そのものが「ダメ」なのではなく、それだけでは不十分であるという点を押さえておきましょう。ACPが勧められる3つのシチュエーションACPの時間を持つことを勧めるタイミングはおもに3つあります。まずは患者が健康なとき、次に重大な病にかかった際、そして予後が短いと感じたときです。まず、患者が健康なときを考えてみましょう。この時期は、患者と家族が時間に追われることなく価値観を共有し始めるよいタイミングです。また、患者自身が判断できなくなった場合に誰に代わりに判断してほしいかをあらかじめ考えておくと、後の話し合いも円滑に進められます。次に、命にかかわる疾患に罹患し、それが進行している段階です。この段階では、将来の選択肢について具体的に話し合い、患者の価値観を再確認することが重要です。最後に余命1年以内と予想される場合。この時期は、患者がこれからどのようなケアや治療を望むのか、再度価値観を明確にするのに適したタイミングです。こうしたタイミングで役立つコミュニケーションの型はいくつかありますが、今回のケースのように状況が変化したときにおすすめのものをひとつご紹介します。協働意思決定の型―REMAPたとえば、ステージIのがんに転移が見つかりステージIVと診断し直されたとします。つまり完治の可能性がなくなるという事実です。完治する見込みだったものが完治しないとわかったとき、病状を「完治する」から「完治しない」という新しい枠組みで捉え直すことが必要です。この変化を関係者全員が共有できていないと、患者が大切にしたいことや治療に求めることを正確に理解することができないからです。REMAPは前提条件が変わったときに、新しい枠組みで捉えなおすことを助けるフレーム。これを使うと、状況の変化によって新しく生じた患者・家族の「大切なこと」を理解し、それに沿った治療やケアの提案することができるようになります。具体的な手順をみていきましょう。(1)Reframe状況の変化を伝える(2)Expect emotion感情に対応する(3)Map重要な価値観を掘り下げる(4)Align価値観に基づいた治療ゴールの確認(5)Plan具体的な治療計画を立てるまず、Reframeで状況の変化を伝えます。これには、ニュースのヘッドラインのようにシンプルで的確な一文を使うと効果的です。状況が変われば、患者に必ず感情が伴います。この感情に対応するために、NURSE1)などの手法を使って感情に寄り添い、サポートします。医療者は正しい医学的情報を伝えれば患者に十分伝わると誤解しがちですが、感情に寄り添わないと、どんなに正確な情報でも患者には届きません。感情に対応するExpect emotionは、とても大切なプロセスです。次にMapの段階で患者の価値観を探ります。たとえば予後が3年から3ヵ月になった場合、やりたいこと、会いたい人、時間の使い方などが変わることがあります。新しい状況で新たに気付いた価値観を丁寧に引き出します。そして、その価値観をもとに治療の提案をするAlignを行い、最後にPlanで具体的な治療計画を立てます。今回のケースでは、もともと「可能な限り痛みを管理しながら自宅で過ごす」という当初の計画から、家族の負担が増し「自宅での生活が難しくなるかもしれない」という状況に変わりました。この状況の変更を伝えた後、患者にはさまざまな感情が生じるでしょう。その際、感情に寄り添うことで、患者が感じている不安や葛藤に共感しやすくなり、価値観を丁寧に引き出すことができるようになるでしょう。それに基づいた治療やケアの提案をすることが重要です。事前にExpect EmotionやMapのプロセスを想像しておくことで、患者や家族との話し合いによりよい準備をもって臨むことで、さらによい支援が可能となります。ぜひ皆さんの現場でも役立ててみてください! オンラインサロンではもやもや症例検討会を実施オンラインセッションでは、メンバーが体験した意思決定に関するもやもや症例を取り上げています。人工透析を拒否していた患者が専門病院入院を機に透析を導入して帰ってきたケース、認知症が進行して本人の希望とは異なる施設入所に至ったケース。それぞれでもやもやしたポイント、専門医とジェネラリストの思考パターンの違いなど、意思決定に関するさまざまなトピックをお話いただいています。参考1)樋口雅也ほか.あめいろぐ高齢者診療. 181-182.2020. 丸善出版

839.

医師国家試験、不合格となる学生の特徴は?

 岐阜大学医学部医学科の学生を対象として、医師国家試験に不合格となる学生の特徴を検討する研究が実施された。本研究の結果が、塩入 俊樹氏(岐阜大学大学院医学系研究科 脳神経科学講座 精神医学分野)らによって、BMC Medical Education誌2024年8月27日号で報告された。 本研究では、2012~18年に岐阜大学医学部医学科に入学した学生637人を対象として、入学時と1、2、4、6年次の5つの時点のデータを収集した。データには、大学入学前の情報(性別、年齢、出身高等学校の所在地、成績など)および大学在学中の成績(基礎医学、臨床医学、CBT-IRT、卒業試験の成績など)が含まれた。これらのデータを用いて、ロジスティック回帰分析を実施し、医師国家試験の予測合格率を算出した。 主な結果は以下のとおり。・不合格となる学生が多かった因子は以下のとおりであった。【大学入学前の因子】 男性、入学時の年齢が高い、高等学校の所在地が岐阜県・愛知県以外、高等学校のGPAが低い、センター試験(現:共通テスト)の点数が低い【大学入学後の因子】 基礎医学の成績が低い、臨床医学の成績が低い、CBT-IRTの成績が低い、Pre-CC OSCEの成績が低い、クリニカルクラークシップの成績が低い、留年経験あり・ロジスティック回帰分析において、合格者と不合格者の間で有意差が認められた因子は以下のとおりであった。【入学時】 入学時の年齢、高等学校の所在地【1年次終了時】 入学時の年齢、高等学校の所在地、基礎科学の成績【2年次終了時】 入学時の年齢、高等学校の所在地、基礎医学の成績【4年次終了時】 入学時の年齢、高等学校の所在地、CBT-IRTの成績、Pre-CC OSCEの成績【6年次終了時】 入学時の年齢、高等学校の所在地、CBT-IRTの成績、Pre-CC OSCEの成績、卒業試験の成績、クリニカルクラークシップの成績・ロジスティック回帰分析により予測合格率を推定し、学生を高リスク群(予測合格率95%未満)と低リスク群(予測合格率95%以上)に分類した。その結果、医師国家試験合格率は、6年次終了時に低リスク群に分類された学生が99.2%であったのに対し、高リスク群では64.4%であった。 本研究結果について、著者らは「多変量解析に基づくリスク分析は、模擬試験の成績などの単変量解析に基づくリスク分析よりも、より効果的な対策を行うための情報を提供することが可能である。不合格となることを防ぐため、早急に具体的な対策(再履修など)を講じる必要がある」とまとめた。

840.

10月25日開催『第6回ヘルスケアベンチャー大賞』最終審査会【ご案内】

 2024年10月25日(金)に『第6回ヘルスケアベンチャー大賞』最終審査会が開催される。「アンチエイジングからイノベーションを!」をテーマに、アンチエイジングに資するヘルスケア分野のビジネスプランやアイデアを企業から募集。その中から書類審査を経て、見事に選ばれたファイナリスト5社がヘルスケアベンチャー大賞の獲得を目指し、最終ピッチを行う。そのほか、中村 雅也氏(慶應義塾大学医学部整形外科学教室)による特別講演や、イベント後には、最終審査会を終えたばかりのファイナリストとの交流の場として懇親会などが設けられる。 最終審査会には事前登録をすれば無料で参加可能で、申し込みは10月24日(木)まで。 開催概要は以下のとおり。開催日時:10月25日(金)15:00~17:00(懇親会 17:00~18:00)開催形式:会場開催とWEBのハイブリッド参加方法:無料(事前参加登録制)会場:日本橋ライフサイエンスハブ   (東京都中央区日本橋室町1-5-5 室町ちばぎん三井ビルディング8階)申込締切:10月24日(木)参加登録はこちら【プログラム】1.開会のあいさつ2.本日の進行についての説明3.ファイナリストによるプレゼンテーション <ファイナリスト 5社>※五十音順 株式会社Genics 「全自動歯ブラシによる口腔および全身の健康維持支援事業」 株式会社CCHサウンド 「軟骨伝導による高齢者が生き生きと活躍するための窓口の実現と認知症の予防」 tantore株式会社 「舌筋トレーニング向けシート状グミ「tantore sheet」の開発で無呼吸症候群と誤嚥性肺炎の予防」 株式会社レナートサイエンス 「人工脂肪を活用した乳房再建・豊胸の実現」 株式会社Rhelixa 「日本人の遺伝的背景に適合する第2世代エピジェネティック・クロックを利用した生物学的年齢評価および抗老化ソリューション開発事業[エピクロック(R)事業]」4.特別講演「私たちが目指す近未来の医療・介護・ヘルスケアとは」  中村 雅也氏(慶應義塾大学医学部整形外科学教室)5.審査結果発表と各賞表彰式6.総評【主催】日本抗加齢協会【共催】日本抗加齢医学会【後援】厚生労働省 経済産業省 日本医師会 三井不動産 LINK-J 読売新聞 「第6回ヘルスケアベンチャー大賞」ホームページはこちら【同日開催「AgeTechX DEMO DAY 2024」】 AgeTechXは、生活者発想でシニアビジネスを創造していく「博報堂シニアビジネスフォース」と、シリコンバレーと日本を拠点にしているベンチャーキャピタルであるスクラムベンチャーズの関連会社、スクラムスタジオが立ち上げたグローバル事業共創プログラム。 本プログラムを通じ、「健康・長寿・人生100年時代」をテーマとしたエイジング課題を、テクノロジーで解決するサービス・アプリケーションの社会実装を目指す。 DEMO DAYでは、5ヵ月間の成果披露も含めた事業のプレゼンテーションを実施予定で、「第6回ヘルスケアベンチャー大賞」と併せて登録が可能である。参加登録はこちら開催日時:10月25日(金)12:30~14:20開催形式:会場開催とWEBのハイブリッド参加方法:無料(事前参加登録制)会場:日本橋ライフサイエンスハブ(東京都中央区日本橋室町1-5-5 室町ちばぎん三井ビルディング8階)申込締切:10月24日(木)【お問い合わせ先】 ヘルスケアベンチャー大賞事務局 E-mail:healthcare-v@anti-aging.gr.jp TEL:03-5651-7503 ※審査に関するお問い合わせには応じられません。 AgeTechX運営事務局 E-mail:agetechx@scrum.vc

検索結果 合計:10256件 表示位置:821 - 840