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チョコレートを食べると脳機能が改善photoACより使用バレンタインデーが近づいてきました。コロナ禍になってから、飲み会とかこういう行事とか鳴りを潜めているように思います。私は、チョコレートなんてもう数年、誰からももらっていないです。いや、ひがんでいるわけではないです。さて、チョコレートの消費量とノーベル賞の相関関係が示された研究が2012年に発表され、話題になりました1)。しかしながら、いろいろなリミテーションがある研究だと指摘され、当時喧々囂々と議論されました。Sasaki A, et al. Cacao Polyphenol-Rich Dark Chocolate Intake Contributes to Efficient Brain Activity during Cognitive Tasks: A Randomized, Single-Blinded, Crossover, and Dose-Comparison fMRI Study. Nutrients. 2023 Dec 21;16(1):41.この研究は、機能的MRI(fMRI)を用いて、認知テスト中の脳機能改善に対するダークチョコレート摂取の効果を検討するという、珍しいランダム化単盲検クロスオーバー用量比較試験です。26人の健康な成人被験者が、低濃度(211.7mg)または高濃度(635mg)のカカオポリフェノール入りのダークチョコレート(25g)を摂取しました。いやー、美味しそう。摂取後25分、摂取後50分の2回、fMRIを用いて実行機能に関連するテスト中の脳活動を分析しました。チョコレート摂取と脳活動測定セッションの間に、左背外側前頭前皮質と左下頭頂小葉における有意な交互作用が観察され、ダークチョコレートを1回摂取することで、継続的かつ努力的な課題中の脳機能効率の向上に寄与することが示されました。これまでも、チョコレートと脳機能の関係はさまざまな研究で検証されています。今回はカカオポリフェノール入りのダークチョコレートでしたが、カカオフラバノール2)は血圧も低下させる作用があるとされています。こちらは、森永製菓がイチオシしている成分でもあります。1)Messerli FH. Chocolate consumption, cognitive function, and Nobel laureates. N Engl J Med. 2012 Oct 18;367(16):1562-1564.2)Tsukamoto H, et al. Flavanol-rich cocoa consumption enhances exercise-induced executive function improvements in humans. Nutrition. 2018 Feb;46:90-96.