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スポーツの「観戦」にも有意な健康効果―日本人対象の縦断的研究

 スポーツを「する」のではなく、「見る(観戦する)」ことも、健康増進につながることを示した、国内での縦断的研究の結果が報告された。観戦頻度の高い人は1年後のメンタルヘルスや生活習慣の指標が良好だったという。ただし、テレビなどのメディアでの観戦では、一部の身体疾患のリスクが上昇する可能性も示唆されたとのことだ。公益財団法人明治安田厚生事業団体力医学研究所の川上諒子氏らの研究によるもので、詳細は「Preventive Medicine」12月号に掲載された。 スポーツを含む身体活動を実践することの健康効果については、膨大なエビデンスの裏付けがある。しかし、スポーツを観戦することが健康に与える影響については、因果関係の証明にはならない横断研究の報告があるものの、因果関係を検討可能な長期間の縦断研究は過去に行われていない。これを背景として川上氏らは、健診受診者対象の前向きコホート研究「明治安田ライフスタイル研究(MYLSスタディ)」のデータを用いた縦断的解析を行った。 この研究の解析対象は、2017~2019年度にMYLSスタディに参加した6,327人。主な特徴は、平均年齢50.7歳、女性48.9%、既婚者71.8%、大学卒以上81.7%であり、27.8%が週に1日以上、メディアでスポーツの試合を観戦し、21.7%は年に2日以上、現地で直接観戦していた。 ベースライン時点から1年後、身体的な健康や生活習慣、幸福感などに関する20項目のアウトカムを評価。結果に影響を及ぼし得る因子(年齢、性別、教育歴、就労状況、婚姻状況、独居/同居、暮らし向き、高血圧・糖尿病・脂質異常症・高尿酸血症・睡眠障害に対する処方薬数)を調整後、以下のような関連が明らかになった。 まず、現地でのスポーツ観戦が過去1年間に1日もなかった群(65.5%)に比較して、2日以上観戦していた群(21.7%)は、中等度の心理的ストレスを抱えるリスクが17%低く(リスク比〔RR〕0.83〔95%信頼区間0.72~0.95〕)、重度の心理的ストレスの該当者も有意に少なかった(オッズ比0.43〔同0.23~0.79〕)。 また、現地での観戦頻度が高いほど心理的ストレスを抱えるリスクが低下するという関連が認められた(傾向性P値が中等度ストレスについては0.011、重度ストレスは0.016)。同様に、現地で観戦した人は脂質異常症のリスクが低く(1年間に2日以上観戦でRR0.89〔0.79~1.00〕、傾向性P=0.049)、さらに生活習慣の改善に前向きであった(行動変容ステージが前熟考期であることのRRが0.77〔0.64~0.93〕、傾向性P=0.005)。 次に、メディアでの観戦が過去1カ月間に1日もなかった群(41.6%)に比較して、週に1日以上観戦していた群(27.8%)は、身体活動不足であることが少なく(RR0.94〔0.88~1.00〕、傾向性P=0.038)、朝食欠食が少なく(RR0.85〔0.75~0.96〕、傾向性P=0.008)、幸福感が高かった(RR1.08〔1.00~1.17〕、傾向性P=0.048)。 ただし、メディアでの観戦は、BMIの上昇(β=0.03〔0.00~0.05〕、傾向性P=0.025)のほか、高血圧(RR1.09〔1.01~1.19〕、傾向性P=0.026)や糖尿病(RR1.16〔1.02~1.31〕、傾向性P=0.018)のリスク上昇と関連していた。 著者らは本研究を「スポーツ観戦の頻度と健康状態などとの関連を、大規模かつ縦断的に解析した初めての研究」と位置づけ、「現地観戦でもメディアでの観戦でも、スポーツを見ることでメンタルヘルスや生活習慣が良好になる可能性が示された。一方で、メディアでの観戦には肥満や生活習慣病のリスクが潜んでいることも示唆された」と総括している。なお、メディア観戦がいくつかのアウトカムに負の影響を及ぼし得る点については、「座ったままで飲食をしながら観戦するという、いわゆる“カウチポテト”になりやすいことの影響も考えられる」と考察している。

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慢性心血管系薬のアドヒアランス不良、リマインドメッセージでは改善せず/JAMA

 心血管系薬剤のリフィル処方を先延ばしにする患者にリマインダーのテキストメッセージを送っても、薬局の処方データに基づく服薬アドヒアランスの改善や、12ヵ月時の臨床イベントの減少は得られなかった。米国・Kaiser Permanente ColoradoのP. Michael Ho氏らが、プラグマティックな無作為化非盲検試験において示した。患者の行動変容にテキストメッセージが用いられるようになってきているが、これまで厳密な検証は行われていないことが多かった。著者は、「服薬アドヒアランスの不良には、複数の要因が関与していると考えられることから、今後の介入ではアドヒアランスに影響を与える複数の要因に対処するよう取り組む必要があるだろう」とまとめている。JAMA誌オンライン版2024年12月2日号掲載の報告。服薬アドヒアランスが不十分な患者を4群に無作為化、1年後のPDCを比較 研究グループは、米国の3つの医療システム(Denver Health and Hospital Authority、Veterans Administration (VA) Eastern Colorado Health Care System、UCHealth's University of Colorado Hospital)において、1つ以上の心血管関連疾患(高血圧症、脂質異常症、糖尿病、冠動脈疾患[CAD]、心房細動)の診断を有し、その治療のために1種類以上の薬剤が処方されている18歳以上90歳未満の成人患者を特定した。対象となる心血管系薬剤のリフィル処方に7日以上間隔が空いた患者を、次の4群に無作為に割り付けた。(1)一般的リマインダー群(処方間隔が空いた場合に処方を促すテキストメッセージを送信)、(2)行動ナッジ群(行動ナッジを組み込んだリマインダーメッセージを送信)、(3)行動ナッジ+チャットボット群(行動ナッジを組み込んだリマインダーメッセージに、服薬アドヒアランスの一般的な障壁を評価するチャットボットを追加)、(4)通常ケア群(テキストメッセージを送信しない)。 主要アウトカムは、無作為化後12ヵ月間における処方日数の割合(proportion of days covered:PDC)で定義したリフィルアドヒアランスであった。いずれのメッセージを送っても、送らない場合と差はなし 2019年10月~2022年4月に9,501例が無作為化され、2023年4月11日まで追跡した。このうち追跡データがない232例を除外した9,269例が解析対象となった。平均年齢は60歳、女性が47%(4,351例)、黒人が16%(1,517例)、ヒスパニック系が49%(4,564例)であり、4群の患者背景はほぼ同等であった。 12ヵ月時の平均PDCは、一般的リマインダー群62.0%、行動ナッジ群62.3%、行動ナッジ+チャットボット群63.0%、通常ケア群60.6%であった(p=0.06)。 通常ケア群との補正後絶対差は、一般的リマインダー群2.2(95%信頼区間:0.3~4.2、p=0.02)、行動ナッジ群2.0(0.1~3.9、p=0.04)、行動ナッジ+チャットボット群2.3(0.4~4.2、p=0.02)であったが、多重比較の調整後はいずれも統計学的有意差は認められなかった。 副次アウトカムである救急外来受診、入院および死亡の臨床イベントまでの期間についても、群間で差はなかった。

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国内高齢者の4人に1人、75歳以上では3人に1人がCKD

 日本人高齢者の4人に1人は慢性腎臓病(CKD)であり、75歳以上では3人に1人に上ることが明らかになった。広島大学医系科学研究科疫学・疾病制御学分野の福間真悟氏、東京慈恵会医科大学腎臓・高血圧内科学の小林亜理沙氏らが、全国約60万人の健診データを用いて推計した結果であり、詳細は「Clinical and Experimental Nephrology」に10月5日掲載された。 国内のCKD患者数は、2009年に行われた調査を基に「成人の約13%、約1330万人が該当する」とされている。しかしこの調査から15年たち、平均寿命の延伸、CKDリスクに関連のある糖尿病などの生活習慣病の有病率の変化により、CKD患者数も変化していると考えられる。特に腎機能は加齢とともに低下することから、高齢者の最新のCKD有病率を把握することが重要と考えられる。これらを背景として福間氏らは、全国規模の医療費請求データおよび健診データの商用データベース(DeSCヘルスケア株式会社)を用いた新たな解析を行った。 2014~2022年度の65~90歳のデータベース登録者数は298万1,750人だった。このうち健診で推定糸球体濾過量(eGFR)と蛋白尿が2回以上測定されていた58万8,089人(19.7%)を解析対象とした。CKDは、eGFR60mL/分/1.73m2未満または蛋白尿が+1以上の場合と定義した。なお、疫学研究では1時点の記録で有病率を推計することが少なくないが、本研究では上記のように記録が1回のみの場合は除外した。その理由は、臨床においてCKDは90日以上の間をおいた2時点ともに有所見の場合に診断されるためである。 解析対象者の年齢は中央値69.9歳(四分位範囲67.9~76.2)、女性57.4%で、56.8%が高血圧、48.4%が脂質異常症、14.7%が糖尿病を有していた。基本的に、医療機関を受診するような健康状態が悪い集団は健診を受けにくい。そのため、健診受診者のみを分析する従来の集計方法では、健康状態の良い偏った集団の結果となり、CKDの有病割合を過小評価する可能性があった。本研究では、逆確率重み付け法という統計学的手法により、健診を受けていない群との年齢や性別、保険加入状況、過去の健診受診回数の影響を調整した解析を行い、一般集団のCKD有病割合を適切に推定した。その結果、65歳以上でのCKD有病率は25.3%と、ほぼ4人に1人が該当すると考えられた。 75未満/以上で層別化すると、65~74歳での有病率は11.8%だったが、75歳以上では34.6%と、3人に1人以上が該当した。より細かく5歳刻みで見た場合、65~69歳は9.6%、70~74歳は13.43%、75~79歳は25.47%、80~84歳は36.21%、85~89歳は49.41%だった。 また、CKDステージについては、G2(eGFR60~89mL/分/1.73m2〔腎機能が正常または軽度低下〕)が77.09%と多くを占め、次いでG3a(同45~59〔軽度~中等度低下〕)が17.68%、G3b(30~44〔中等度~高度低下〕)が4.44%だった。蛋白尿区分ではA1(正常)が95.5%、A2(微量アルブミン尿)が4.22%、A3(顕性アルブミン尿)が0.28%だった。 このほか、併存疾患に着目すると、高血圧はCKD群の66.8%、非CKD群の54.8%に見られ、糖尿病は同順に18.2%、13.9%、肥満(BMI25以上)は31.8%、23.0%に認められ、群間差が有意だった(全てP<0.01)。 これらの結果に基づき著者らは、「日本の高齢者人口におけるCKDの有病率は約25%と推計された。この有病率は加齢とともに増加するが、多くの患者は軽度の腎機能低下にとどまっている」と総括。また、CKDは心血管イベントや末期腎不全への進行リスクが高いとは言え、大半の高齢CKD患者は比較的軽症だと明らかになったことから、「特に高齢者では、CKDの基準を満たす者の中で医療介入の必要性がより高い集団を抽出し得る因子の特定が必要」と述べ、このテーマに関する研究を進めることを現在計画しているという。

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ダイナペニック肥満は心血管疾患のリスク因子―久山町24年間の縦断解析

 肥満でありながら筋力が低下した状態を指す「ダイナペニック肥満」が、心血管疾患(CVD)発症の独立したリスク因子であることが、久山町研究から明らかになった。九州大学大学院医学研究院衛生・公衆衛生学分野の瀬戸山優氏、本田貴紀氏、二宮利治氏らの研究によるもので、「Journal of Cachexia, Sarcopenia and Muscle」に論文が10月8日掲載された。 筋肉量の多寡にかかわらず筋力が低下した状態を「ダイナペニア」といい、筋肉量と筋力がともに低下した状態である「サルコペニア」と並び、死亡リスク上昇を含む予後不良のハイリスク状態とされている。さらに、その状態に肥満が加わったサルコペニア肥満やダイナペニック肥満では、CVDのリスクも高まる可能性が示されている。しかしダイナペニック肥満に関してはCVDとの関連の知見がまだ少なく、海外からの報告がわずかにあるのみであり、かつ結果に一貫性がない。これを背景として本研究グループは、1961年に国内疫学研究の嚆矢として福岡県糟屋郡久山町でスタートし、現在も住民の約7割が参加している「久山町研究」のデータを用いた検討を行った。 解析対象は、1988~2012年に毎年健康診断を受けていて、ベースライン時にCVD既往のなかった40~79歳の日本人2,490人(平均年齢57.7±10.6歳、男性42.5%)。握力が年齢・性別の第1三分位群(握力が弱い方から3分の1)に該当し、かつ肥満(BMI25以上)に該当する場合を「ダイナペニック肥満」と定義すると、全体の5.4%がこれに該当した。 中央値24年(四分位範囲15~24)の追跡で482人にCVDイベント(脳卒中324件、冠動脈性心疾患〔CHD〕209件)が発生した。交絡因子(年齢、性別、喫煙・飲酒・運動習慣、高血圧、糖尿病、脂質異常症、心電図異常など)を調整後に、握力の最高三分位群かつ普通体重(BMI18.5~24.9)の群(全体の23.9%)を基準として、ほかの群のCVDリスクを比較した。 その結果、ダイナペニック肥満群でのみ、CVD(ハザード比〔HR〕1.49〔95%信頼区間1.03~2.17〕)および脳卒中(HR1.65〔同1.06~2.57〕)の有意なリスク上昇が認められた。肥満でも握力低下のない群(第2~3三分位群)のCVDリスクは基準群と有意差がなく、また、やせ(BMI18.5未満)や普通体重の場合は握力にかかわらずCVDリスクに有意差がなかった。なお、CHDについてはダイナペニック肥満群のリスクも、基準群と有意差がなかった(HR1.19〔0.65~2.20〕)。 65歳未満/以上で層別化した解析では、65歳未満でダイナペニック肥満によるCVDリスクがより高いことが示された(HR1.66〔1.04~2.65〕)。一方、65歳以上では有意な関連を認めなかった(HR1.18〔0.61~2.27〕)。 続いて行った媒介分析からは、ダイナペニック肥満とCVDリスク上昇との関連の14.6%を炎症(高感度C反応性蛋白〔hs-CRP〕)、9.7%をインスリン抵抗性(HOMA-IR)で説明可能であり、特に65歳未満ではhs-CRPが13.8%、HOMA-IRが12.2%を説明していて、インスリン抵抗性の関与が強いことが示唆された。 著者らは、「握力とBMIで定義したダイナペニック肥満は、日本の地域住民におけるCVD発症のリスク因子であることが明らかになった。この関連性は、65歳未満でより顕著であり、炎症とインスリン抵抗性の上昇がこの関連性を部分的に媒介している」と総括。また、「われわれの研究結果は、CVD予防における中年期の筋力の低下抑止と、適切な体重管理の重要性を示唆するものと言える」と付け加えている。

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新薬muvalaplin、心血管リスク患者のリポ蛋白(a)を大幅減少/JAMA

 心血管イベントのリスクが高く、リポ蛋白(a)濃度が上昇した患者において、プラセボと比較して経口低分子リポ蛋白(a)阻害薬muvalaplinは、12週間の投与でリポ蛋白(a)を大幅に減少させ、忍容性も良好であることが、オーストラリア・モナシュ大学のStephen J. Nicholls氏らが実施した「KRAKEN試験」で示された。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2024年11月18日号で報告された。国際的な無作為化プラセボ対照第II相試験 KRAKEN試験は、リポ蛋白(a)濃度が上昇した患者におけるmuvalaplinのリポ蛋白(a)抑制効果の評価を目的とする二重盲検無作為化プラセボ対照第II相試験であり、2022年12月~2023年11月に日本を含む8ヵ国43施設で患者の無作為化を行った(Eli Lilly and Companyの助成を受けた)。 年齢40歳以上で心血管イベントのリスクが高く、リポ蛋白(a)濃度が175nmol/L以上の患者233例(年齢中央値66歳、女性33%)を対象とした。心血管リスクが高い状態は、冠動脈疾患、虚血性脳卒中または末梢動脈疾患の既往歴があるか、2型糖尿病、家族性高コレステロール血症を有する場合と定義した。 これらの患者を、muvalaplin 10mg/日(34例)、同60mg/日(64例)、同240mg/日(68例)、またはプラセボ(67例)を12週間経口投与する4つの群に無作為に割り付けた。 主要エンドポイントは、12週の時点におけるリポ蛋白(a)のモル濃度のベースラインからのプラセボで補正した変化率とし、インタクトなリポ蛋白(a)の測定法と従来のアポリポ蛋白(a)ベースの測定法を用いて評価した。アポリポ蛋白Bも用量依存性に低下 インタクトなリポ蛋白(a)測定法では、プラセボ群と比較したmuvalaplin群のリポ蛋白(a)濃度のプラセボ群で補正した低下率は、10mg/日群で47.6%(95%信頼区間[CI]:35.1~57.7)、60mg/日群で81.7%(78.1~84.6)、240mg/日群で85.8%(83.1~88.0)であった。また、アポリポ蛋白(a)測定法による低下率は、それぞれ40.4%(28.3~50.5)、70.0%(65.0~74.2)、68.9%(63.8~73.3)だった。 副次エンドポイントであるアポリポ蛋白Bのベースラインから12週までの変化率は、プラセボ群に比べ用量依存性に低下し、muvalaplin 10mg群で8.9%(95%CI:-2.2~18.8)、60mg群で13.1%(4.4~20.9)、240mg群で16.1%(7.8~23.7)の低下率であった。 高感度C反応性蛋白については、muvalaplinの3つ用量群のいずれにおいてもプラセボ群と比較して有意な変化はみられなかった。安全性、忍容性に関する懸念は認めなかった 安全性および忍容性に関する懸念は、muvalaplinのいずれの用量にも認めなかった。試験期間中の治療関連有害事象の発現は3つの用量で同程度(49.2~52.9%)、重篤な有害事象は3用量とも6%未満(2.9~5.9%)であり、試験薬の投与中止に至った有害事象は240mg/日群で6例(8.8%)にみられた。 いずれかの用量群で少なくとも5%の患者に発現した治療関連有害事象は、下痢、悪心、インフルエンザ、背部痛、筋肉痛、貧血などであった。 著者は、「市販のリポ蛋白(a)測定法では、muvalaplinと結合したアポリポ蛋白(a)や遊離アポリポ蛋白(a)に加えて、インタクトなリポ蛋白(a)粒子中のアポリポ蛋白Bと結合したアポリポ蛋白(a)を測定するため、muvalaplinのような薬剤によるリポ蛋白(a)の低下の程度を過小評価する可能性があるが、インタクトなリポ蛋白(a)測定法は臨床では使用できず、まだ広く評価されていない」「muvalaplinが臨床イベントを減少させ、心血管疾患の予防において役割を果たすかについては、今後の研究が必要である」としている。

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CKDの早期からうつ病リスクが上昇する

 腎機能低下とうつ病リスクとの関連を解析した結果が報告された。推定糸球体濾過量(eGFR)が60mL/分/1.73m2を下回る比較的軽度な慢性腎臓病(CKD)患者でも、うつ病リスクの有意な上昇が認められるという。東京大学医学部附属病院循環器内科の金子英弘氏、候聡志氏らの研究によるもので、詳細は「European Journal of Clinical Investigation」に9月27日掲載された。 末期のCKD患者はうつ病を併発しやすいことが知られており、近年ではサイコネフロロジー(精神腎臓学)と呼ばれる専門領域が確立されつつある。しかし、腎機能がどの程度まで低下するとうつ病リスクが高くなるのかは分かっていない。金子氏らは、医療費請求データおよび健診データの商用データベース(DeSCヘルスケア株式会社)を用いた後ろ向き観察研究により、この点の検討を行った。 2014年4月~2022年11月にデータベースに登録された患者から、うつ病や腎代替療法の既往者、データ欠落者を除外した151万8,885人を解析対象とした。対象者の年齢は中央値65歳(四分位範囲53~70)、男性が46.3%で、eGFRは中央値72.2mL/分/1.73m2(同62.9~82.2)であり、5.4%が尿タンパク陽性だった。 1,218±693日の追跡で4万5,878人(全体の3.0%、男性の2.6%、女性の3.3%)にうつ病の診断が記録されていた。ベースライン時のeGFR別に1,000人年当たりのうつ病罹患率を見ると、90mL/分/1.73m2以上の群は95.6、60~89の群は87.4、45~59の群は102.1、30~44の群は146.5、15~29の群は178.6、15未満の群は170.8だった。 交絡因子(年齢、性別、BMI、喫煙・飲酒・運動習慣、高血圧・糖尿病・脂質異常症)を調整後に、eGFR60~89の群を基準として比較すると、他の群は全てうつ病リスクが有意に高いことが示された。ハザード比(95%信頼区間)は以下のとおり。eGFR90以上の群は1.14(1.11~1.17)、45~59の群は1.11(1.08~1.14)、30~44の群は1.51(1.43~1.59)、15~29の群は1.77(1.57~1.99)、15未満の群は1.77(1.26~2.50)。また、尿タンパクの有無での比較では、陰性群を基準として陽性群は1.19(1.15~1.24)だった。 3次スプライン曲線での解析により、eGFRが65mL/分/1.73m2を下回るあたりからうつ病リスクが有意に上昇し始め、eGFRが低いほどうつ病リスクがより高くなるという関連が認められた。 これらの結果に基づき著者らは、「大規模なリアルワールドデータを用いた解析の結果、CKDの病期の進行とうつ病リスク上昇という関連性が明らかになった。また、早期のCKDであってもうつ病リスクが高いことが示された。これらは、CKDの臨床において患者の腎機能レベルにかかわりなく、メンタルヘルスの評価を日常的なケアに組み込む必要のあることを意味している」と総括。また、「今回の研究結果は、サイコネフロロジー(精神腎臓学)という新たな医学領域の前進に寄与すると考えられる」と付け加えている。 なお、eGFRが90以上の群でもうつ病リスクが高いという結果については、「本研究のみではこの理由を特定することは困難だが、CKD早期に見られる過剰濾過との関連が検出された可能性がある」と考察されている。

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禁煙後に体重が3kg以上増えると高血圧リスクが上昇

 禁煙後に体重が3kg以上増加すると、高血圧の発症リスクが有意に高くなることを示唆する研究結果が報告された。ただし、喫煙を継続していた場合は体重増加が3kg未満であっても、高血圧発症リスクが有意に高くなるという。日本医科大学衛生学公衆衛生学分野の大塚俊昭氏らの研究によるもので、詳細は「The American Journal of Medicine」に9月14日掲載された。 タバコは言うまでもなく体に悪く、高血圧発症リスク因子でもあり、全ての喫煙者に禁煙が推奨される。しかし、禁煙によってニコチンの持つ空腹感抑制作用がなくなることや、味覚・嗅覚および胃粘膜の血流改善によって、食欲が高まることがあり、体重増加を介して禁煙による健康へのプラス作用を弱めてしまう可能性がある。その悪影響の一つとして、血圧の上昇が挙げられる。ただ、禁煙後の体重変化と高血圧リスクとの関連については、不明点が少なくない。大塚氏らは、日本人労働者の健診データを用いた縦断的解析により、この点を検討した。 解析対象は、国内精密機器開発メーカーの従業員のうち、健診データと高血圧発症を判定可能な情報がそろっている男性1万354人(平均年齢38.4±8.8歳)。ベースライン時点(2008~2009年)における高血圧既往者、過去喫煙者(喫煙歴があるが既に禁煙していた人)、追跡期間中の新規喫煙者、およびサンプル数不足のため女性は除外されている。 全体の68.0%は喫煙歴がない「非喫煙群」であり、2.2%は2008~2009年の間に禁煙に成功した「新規禁煙群」で、残りの29.8%は喫煙を続けていた「喫煙継続群」だった。 平均2.9±0.4年の追跡期間中に、1,032人(10.0%)が高血圧を発症した。発症率を喫煙状態別に見ると、非喫煙群は8.3%、新規禁煙群は12.4%、喫煙継続群は13.6%だった。交絡因子(年齢、BMI、飲酒・運動習慣、高血糖、脂質異常症、高尿酸血症、血圧カテゴリー、高血圧家族歴)を調整後、非喫煙群を基準とする高血圧発症オッズ比は、喫煙継続群は有意に高いものの(調整オッズ比〔aOR〕1.39〔95%信頼区間1.18~1.63〕)、新規禁煙群は非有意だった(aOR1.21〔同0.76~1.91〕)。 次に、禁煙後の体重変化の影響を検討するため、追跡期間中の体重変化幅が+3kg以上/未満で分け、全体を6群に群分けした上で、非喫煙かつ体重変化が3kg未満の群(5,642人〔全体の54.5%〕)を基準とする解析を行った。前記同様の交絡因子を調整後、非喫煙群では体重が3kg以上増加した場合に高血圧発症率の上昇傾向を示したがわずかに非有意であり、新規禁煙群では体重が3kg以上増加していた場合のみ有意に上昇、喫煙継続群では体重の変化にかかわらず有意に上昇という結果が示された。 各群の高血圧発症の調整オッズ比は以下の通り。非喫煙群で3kg以上体重が増えた人(1,405人〔全体の13.6%〕)はaOR1.27(0.99~1.62)、新規禁煙群で体重変化が3kg未満の人(169人〔同1.6%〕)はaOR0.90(0.52~1.58)、新規禁煙群で3kg以上体重が増えた人(56人〔0.5%〕)はaOR2.95(1.37~6.35)、喫煙継続群で体重変化が3kg未満の人(2,431人〔23.5%〕)はaOR1.35(1.13~1.61)、喫煙継続群で3kg以上体重が増えた人(651人〔6.3%〕)はaOR1.90(1.43~2.52)。 著者らは、血圧に影響を及ぼし得る禁煙補助薬の処方状況が考慮されていないことなどを本研究の限界点として挙げた上で、「喫煙を継続した場合、および禁煙後に体重が3kg以上増加した場合に高血圧発症リスクが上昇すると考えられ、高血圧予防のため、現喫煙者に対する禁煙と禁煙後の体重管理が強く推奨される」と結論付けている。

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日本におけるアルツハイマー病への多剤併用と有害事象との関連〜JADER分析

 アルツハイマー病は、世界的な健康関連問題であり、有病率が増加している。アセチルコリンエステラーゼ阻害薬(AChEI)やNMDA受容体拮抗薬などによる現在の薬物治療は、とくに多剤併用下において、有害事象リスクと関連している。香川大学の大谷 信弘氏らは、アルツハイマー病治療薬の組み合わせ、併用薬数と有害事象発生との関係を調査した。Medicina誌2024年10月6日号の報告。 日本の医薬品副作用データベース(JADER)より、2004年4月〜2020年6月のデータを分析した。対象は、AChEI(ドネペジル、ガランタミン、リバスチグミン)またはNMDA受容体拮抗薬メマンチンで治療された60歳以上のアルツハイマー病患者2,653例(女性の割合:60.2%)。有害事象とアルツハイマー病治療薬の併用および併用薬数との関連を評価するため、ロジスティック回帰モデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。・JADERに報告されたアルツハイマー病治療薬の使用状況は、ドネペジル単剤療法41.0%、リバスチグミン25.0%、ガランタミン17.3%、メマンチン7.8%、メマンチン+AChEI 8.9%であった。・併用薬数は、併用薬なし17.5%、1種類10.2%、2種類8.6%、3種類10.0%、4種類6.1%、5種類以上47.7%であった。・主な併存疾患の内訳は、高血圧35.2%、脂質異常症13.6%、糖尿病12.3%、脳血管疾患10.7%、睡眠障害7.4%、虚血性心疾患6.1%、うつ病4.7%、パーキンソン病4.3%、悪性腫瘍3.1%。・有害事象の頻度は、徐脈6.4%、肺炎4.6%、意識変容状態3.6%、発作3.5%、食欲減退3.5%、嘔吐3.5%、意識喪失3.4%、骨折3.4%、心不全3.2%、転倒3.0%。・メマンチン+AChEI併用療法は、徐脈リスク上昇と関連していた。・ドネペジル単独療法は、骨折、転倒リスク低下との関連が認められた。・多剤併用療法は、有害事象、とくに意識変容状態、食欲減退、嘔吐、転倒の発生率上昇と有意な相関が認められた。・5種類以上の薬剤を使用した場合としなかった場合の調整オッズ比は、意識変容状態で10.45、食欲減退で7.92、嘔吐で4.74、転倒で5.95であった。 著者らは「アルツハイマー病治療における有害事象発生率は、アルツハイマー病治療薬の既知の有害事象や併用パターンとは無関係に、併用薬数と関連している可能性が示唆された」と結論付けている。

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入院前の胸部レントゲン【日常診療アップグレード】第17回

入院前の胸部レントゲン問題75歳女性。2日前からの39.3℃の発熱と腰痛を主訴に内科外来を受診した。昨日から頻尿と残尿感がある。既往歴に脂質異常症と白内障がある。身体診察では右のCVA叩打痛以外は異常を認めなかった。尿検査で白血球尿を認めた。腎盂腎炎を疑い、血液培養と尿培養を施行し入院治療の方針となった。入院前に胸部レントゲン撮影を施行した。

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EPA製剤など、重大な副作用に「心房細動、心房粗動」追加/厚労省

 2024年11月13日、厚生労働省はイコサペント酸エチルならびにオメガ-3脂肪酸エチルの添付文書の改訂指示を発出した。重大な副作用の項に「心房細動、心房粗動」の追記がなされる。 今回、イコサペント酸エチル、オメガ-3脂肪酸エチル投与後の心房細動、心房粗動に関連する公表文献を評価、専門委員の意見も聴取した結果、心房細動または心房粗動のリスク増加を示唆する報告1-3)があることから、使用上の注意を改訂することが適切と判断された。 対象医薬品は以下のとおり。◯イコサペント酸エチル(商品名:エパデールカプセル300、同S300、同S600、同S900、エパデールEMカプセル2gなど)◯オメガ-3脂肪酸エチル(ロトリガ粒状カプセル2g)<重大な副作用>心房細動、心房粗動イコサペント酸エチル(4g/日)の海外臨床試験において、入院を要する心房細動または心房粗動のリスク増加が認められたとの報告がある。また、イコサペント酸エチルを含むオメガ-3脂肪酸の国内外臨床試験において、心房細動のリスク増加が認められたとの報告がある。注)高脂血症において本剤の承認された1日最高用量は、2,700mgである※※300mg・600mg・900mg製剤にのみ記載

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成人ADHDに対するメチルフェニデート+SSRI併用療法

 うつ病は、成人の注意欠如多動症(ADHD)の一般的な併存疾患であるため、このような患者には、メチルフェニデート(MPH)と選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)の併用療法が行われる。しかし、成人ADHDにおけるMPHとSSRI併用療法の安全性に関する臨床的エビデンスは、限られている。韓国・亜洲大学のDong Yun Lee氏らは、うつ病を併発した成人ADHD患者に対するMPHとSSRI併用療法の安全性を評価した。JAMA Network Open誌2024年10月1日号の報告。 2016年1月〜2021年2月の韓国請求データベースよりデータを収集した。対象は、ADHDおよびうつ病と診断され、MPHを処方された18歳以上の成人患者。処方内容により4群に分類し、比較を行った。より好ましい治療オプションを検討するため、SSRI+MPH(SSRI群)、MPH単剤(MPH群)、MPH+fluoxetine(fluoxetine群)、MPH+エスシタロプラム(エスシタロプラム群)の比較を行った。データ分析は、2023年7〜12月に実施した。神経精神医学的およびその他のイベントを含む17の主要および副次的アウトカムを評価した。対照アウトカムとして、呼吸器感染症を用いた。交絡因子を調整するため傾向スコアを用い、各群1:1でマッチングした。ハザード比(HR)および95%信頼区間(CI)を算出するため、Cox比例ハザード回帰モデルを用いた。性別によるサブグループ解析およびさまざまな疫学的設定での感度分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・対象は、成人ADHD患者1万7,234例(研究参加時の平均年齢:29.4±10.8歳、女性:9,079例[52.7%])。・MPH群とSSRI群におけるアウトカムのリスクに差は認められなかったが、SSRI群では、頭痛リスクが低かった(HR:0.50、95%CI:0.24〜0.99)。・fluoxetine群とエスシタロプラム群における感度分析では、fluoxetine群はエスシタロプラム群よりも、高血圧(HR[1:nマッチング]:0.26、95%CI:0.08〜0.67)、脂質異常症(HR[1:nマッチング]:0.23、95%CI:0.04〜0.81)のリスクが低かった。 著者らは「うつ病を併発した成人ADHD患者に対するSSRI+MPH併用療法は、MPH単独と比較し、有害事象の有意な増加は確認されなかった。SSRI併用は、頭痛リスクの低下と関連している可能性が示唆された」と結論付けている。

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実臨床のスタチン、ロスバスタチンvs.アトルバスタチン

 ストロングスタチンに分類されるロスバスタチンとアトルバスタチンは、実臨床で広く用いられているが、実臨床におけるエビデンスは限られている。そこで、中国・南方医科大学のShiyu Zhou氏らの研究グループは、中国および英国のデータベースを用いて、両薬剤の有効性・安全性を比較した。その結果、ロスバスタチンはアトルバスタチンと比較して全死亡、主要心血管イベント(MACE)、肝重症有害事象(MALO)のリスクをわずかに低下させることが示唆された。本研究結果は、Annals of Internal Medicine誌オンライン版2024年10月29日号に掲載された。 本研究では、China Renal Data System(CRDS)およびUKバイオバンクのデータベースを用いて、心血管疾患予防を目的としてロスバスタチンまたはアトルバスタチンが処方された成人患者28万5,680例を抽出した。両薬剤の比較にはtarget trial emulationの手法を用い、1対1の割合で傾向スコアマッチングを行った。主要評価項目は全死亡とした。 主な結果は以下のとおり。・6年間の全死亡率(100人年当たり)は、ロスバスタチン群がアトルバスタチン群よりも低かった(CRDS:2.57 vs.2.83、UKバイオバンク:0.66 vs.0.90)。・累積全死亡率の群間差(ロスバスタチン群-アトルバスタチン群)はCRDSでは-1.03%(95%信頼区間[CI]:-1.44~0.46)、UKバイオバンクでは-1.38%(同:-2.50~-0.21)であり、ロスバスタチン群が低かった。・両データベースの対象患者において、ロスバスタチン群はアトルバスタチン群と比較して、MACEとMALOのリスクが低かった。・UKバイオバンクの対象患者において、ロスバスタチン群はアトルバスタチン群と比較して、2型糖尿病発症リスクが高かった。慢性腎臓病発症リスクや、その他のスタチンに関連する有害作用のリスクは同程度であった。 本研究結果について、著者らは「複数の評価項目において、ロスバスタチンとアトルバスタチンでリスクの差がみられたが、その差は比較的小さく、これらの知見を臨床現場で確信をもって活用するには、さらなる研究が必要である」とまとめた。

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まるで暗号解読!米国のカルテの略語や言い回し【臨床留学通信 from Boston】第5回

まるで暗号解読!米国のカルテの略語や言い回しMGHに来て3ヵ月。業務にそろそろ慣れてきましたが、だんだん疲れも出てくるころです。朝5時に起きて、6時半から診察、終わるのはだいたい6時。7~8時になることもあります。そして平日に1度、週末は月に1度のオンコールがあり、それが夜中に呼ばれると、翌日の業務がかなり辛くなります。さて今日のテーマは、気分転換ということで、カルテの略語や難しい言い回し。アメリカでは略語だらけで、何が何だかわからなかったのが6年前でした。円安も少しはマシになり、コロナも落ち着いて、学生や将来渡米を考えている初期、後期研修医の方などが、いわゆるオブザーバーシップのプログラムに参加すると、必ずぶち当たる問題だと思います。日本とは違う略語もたくさんあります。いくつか列挙してみましょう。pt:patient患者。AMA:against medical adviceこちらではよくあることですが、患者さんが医師の言うことを聞かずに帰ってしまうというもの。帰りたい人には説得してみて、だめならサインをしてもらいます。最初はそもそもAMAがわからないし、説明されてもそんなことあるんだと思いました。ちなみに、患者さんが勝手にいなくなることもあり、その際は「That pt eloped」と言います。BRBPR:bright red blood per rectum下血の時に使いますが、略語だと何だかわかりませんよね。BIBA: brought in by ambulance救急搬送。CAT scanCTのことをCAT scanと言うことが多いです。Computed tomographyがCTなのに、なぜCATなのか、猫なのか?と思った記憶があります。c/b:complicated by合併症。2/2:due to、secondary to〜による。「pt underwent PCI c/b cardiac tamponade 2/2 wire perforation」(患者はPCIを受け、ワイヤーの穿孔による心タンポナーデを合併)と書いたりします。DC:dischargedDCはdischarged(退院)です。defibrillator(除細動器)をDCと言うことはないです。VFに対しては「cardiac arrest with x6 shock」といいます。ちなみに、discontinue(中止)もDCと言うのでややこしいです。Fx:fracture骨折。GOC:goals of careケアの目標、とくに緩和ケアなどが介入しDNRなどを決める時の家族会議をいいます。gttsラテン語のgutta=dropとなるため、「heparin drip」などを「heparin gtt」と言います。HCP:health care proxy何か重要な決定を本人の代わりにする人のことを指します。文書によって、本人が選定しサインすることが求められます。KVO:keep venous line open静脈ラインを開けておくという意味です。看護師サイドでよく使われますNGTD:no growth to date「bld cx NGTD」とかいうと、血液培養が今のところ陰性、となります。NKDA:no known drug allergy既知の薬物アレルギーなし。Pass awayお亡くなりになる。Pass out気を失う。夜勤をしていて、日勤者への申し送りに、「he passed out」と言おうとして「he passed away」と間違って言ってしまい、ものすごく驚かれたことがあります。PERRLA:pupils equal round reactive to light and accommodation瞳孔は左右対称で、円形、光に反応し、調節反応が正常である。PSU:polysubsutance useコカインなど麻薬の薬物乱用のことを指します。日本では麻薬を使用している人を見つけたら警察に通報ですが、アメリカでは必要ありません。ちなみに、渡米してから「警察に通報する必要はないの?」と同僚に聞いたら笑われました。SOB:shortness of breath呼吸困難。s/p:status post「CAD s/p PCI」などと、PCIをすでに患者が受けていることを言います。Utox:urine toxicology尿中薬物検査。これをするとどんな薬の乱用者かわかります。医療従事者も新しい仕事に就く前にスクリーニングとして検査することが多いです。こうした略語を使って、たとえば以下のようにサマリーします。77 yo F with PMH of HTN, HLD, DM, PSU, CAD s/p PCI c/b cardiac tamponade 2/2 wire perforation, HFrEF (EF 30%) s/p ICD, BIBA for SOB, found to have ADHF, now s/p IV diuresis, pending GOC with HCP and DC planning.(77歳の女性。既往歴に高血圧、脂質異常症、糖尿病、薬物乱用歴、冠動脈疾患があり、PCIの際にワイヤーの穿孔による心タンポナーデを合併した。HFrEF[左心駆出率30%]で植込み型除細動器を挿入済み。呼吸困難で救急搬送され、急性増悪型心不全と診断された。静注利尿薬の投与後、現在ケアの目標と退院計画についてヘルスケアプロキシーとの相談待ち)Column本連載ボストン編のアイコンになっている州議会の写真です。夜間はライトアップされて、きれいな建物ですね。ボストン観光をする暇があまりないのですが、そろそろしていきたいと思います。画像を拡大する

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呼吸機能低下が認知機能低下に関連―SONIC研究

 スパイロメトリーという機器による簡便な呼吸機能検査の結果が、高齢者の認知機能と関連のあることが報告された。大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻の橘由香氏、神出計氏らの研究結果であり、詳細は「Geriatrics & Gerontology International」に8月20日掲載された。著者らは、高齢者対象の保健指導に呼吸機能を鍛えるプログラムの追加を検討する必要性があるとしている。 認知機能低下の主要な原因は加齢だが、喫煙や大量飲酒、糖尿病や高血圧といった生活習慣病など、介入可能なリスク因子も存在する。また、潜在的なリスク因子の一つとして近年、呼吸機能の低下が該当する可能性が指摘されている。ただし、呼吸機能の簡便な検査法であるスパイロメトリーで評価できる範囲の指標が、高齢者の認知機能と関連しているのかという点は明らかになっていない。これを背景として橘氏らは、兵庫県の地域住民対象に行われている高齢者長期縦断研究(SONIC研究)のデータを用いた検討を行った。 解析対象は、73±1歳の419人(73歳群)と83±1歳の348人(83歳群)という二つの年齢層の集団。各群ともに約半数が女性であり(73歳群は50.1%、83歳群は51.4%)、認知症と診断されている人は除外されている。認知機能は、教育歴の影響が調整される尺度であるモントリオール認知機能尺度の日本語版(MoCA-J)を用いて評価。MoCA-Jは30点満点で、スコアが高いほど認知機能が良好であると判定する。 解析ではまず、スパイロメトリーによる最大呼気流量(PEF)の実測値と、年齢・性別・身長などが一致する人の平均に対する比(%PEF)から、気流制限の重症度を4段階に分類。ステージ1は%PEFが80%以上、ステージ2は50~80%未満、ステージ3は30~50%未満、ステージ4は30%未満としてMoCA-Jスコアを比較した。すると83歳群では、気流制限の程度が強いほどMoCA-Jスコアが低いという有意な関連が認められた(傾向性P=0.002)。73歳群でもその傾向があったが有意ではなかった。 次に、MoCA-Jが25点以下で定義した「軽度認知障害(MCI)」を従属変数とし、性別、喫煙歴、飲酒習慣、握力低値(男性26kg未満、女性18kg未満)、高血圧、糖尿病、脂質異常症、冠動脈心疾患、脳卒中、および気流制限(FEV1/FVCが70%未満)を独立変数としてロジスティック回帰分析を施行。なお、握力低値を独立変数に含めた理由は、呼吸には筋力が必要であり、握力が呼吸機能と独立して関連していることが報告されているためである。 解析の結果、83歳群では気流制限が、唯一の独立した正の関連因子として抽出された(オッズ比〔OR〕3.44〔95%信頼区間1.141~10.340〕)。反対に飲酒習慣は、MCIに対する唯一の保護的因子だった(OR0.37〔同0.189~0.734〕)。73歳群では性別(女性)が唯一の独立した正の関連因子であり(OR2.45〔同1.290~4.643〕)、保護的因子は特定されなかった。 続いて、年齢層と性別とで4群に分けた上で、それぞれの群におけるMCIに独立した関連因子を検討。その際、独立変数として気流制限以外は前記と同様に設定し、呼吸機能に関しては気流制限の有無に変えて、%VC、FEV1/FVC、%PEFという三つの指標を個別に加えて解析した。その結果、4群全てにおいて、%PEFが高いことがMCIのオッズ比低下と関連していた(男性は73歳群と83歳群の両群ともにOR0.98、女性は両群ともに0.99)。%PEF以外では、83歳群の女性において、%VC(年齢・性別・身長などが一致する人の平均に対する肺活量の比)のみ、有意な関連因子だった(OR0.98)。 著者らは、「われわれの研究結果は、%PEFの低下が地域在住高齢者の認知機能低下に関連していることを示唆している。また、喫煙歴はこの関連に影響を及ぼしていなかった。よって喫煙習慣の有無にかかわらず、高齢者の認知機能維持を目的とした保健指導プログラムに、呼吸機能訓練などを組み込むべきではないか」と総括。さらに、本研究ではスパイロメトリーを用いたが、「%PEFのみであれば患者自身が日常生活下で使用可能なピークフローメーターでも測定できる」とし、「%PEFの自己測定を、高齢者の呼吸機能の自己管理に加え、認知機能低下抑止のための行動変容にもつなげられるのではないか」とも付け加えている。

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スタチンが必要、でも継続できない患者の対処法【脂質異常症診療Q&A】第22回

スタチンが必要、でも継続できない患者の対処法Q22LDL-C 220mg/dLなのでスタチンでの治療を試みていますが、どのスタチンを投与してもLDL-Cはあまり下がりませんし、さらにどのスタチンでもCKが800~1,200U/Lに上昇するので、スタチンを継続できません。どのように対応すればよいでしょうか?

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高血圧、脂質異常症、糖尿病で服薬遵守率が高い疾患は?

 高血圧、脂質異常症および糖尿病患者の服薬遵守率を、同一対象内で比較した結果が報告された。慶應義塾大学医学部衛生学公衆衛生学教室の松元美奈子氏、武林亨氏らの研究によるもので、詳細は「Pharmacoepidemiology and Drug Safety」に8月15日掲載された。服薬非遵守の関連因子が、疾患ごとに異なることも明らかにされている。 過去にも服薬遵守率に関する研究報告は少なくない。しかし、異なる診療環境で治療を受けている多数の患者集団を対象として、複数の疾患治療薬の服薬遵守率を比較検討した研究は限られている。これを背景として松元氏らは、山形県鶴岡市で進行中の鶴岡メタボロームコホート研究(TMCS)のデータを医療請求データにリンクさせて、心血管疾患の主要リスク因子である、高血圧、脂質異常症、糖尿病の患者の服薬遵守状況に関する検討を行った。 TMCSは2012~2014年度に、35~74歳の鶴岡市内の住民コホートおよび被雇用者コホート、計1万1,002人が参加登録し、非感染性疾患のリスクに関する追跡調査が続けられている。なお、同市に居住している当該年齢人口の89%がTMCSの住民コホートに参加している。 今回の研究では、TMCS住民コホートのうち、2016~2019年度の追跡調査に参加し、データ欠落のない7,538人から、前記3疾患いずれかの治療薬が処方され継続的に受診していた3,693人を解析対象とした。そのうち男性が47.5%で、65歳以上の高齢者が80.9%であり、BMI25以上の肥満が36.5%、高血圧が73.2%、脂質異常症が57.2%、糖尿病が17.9%だった。また、自記式質問票に含まれていた既往症を問う質問に対して、処方薬に一致した病名が正しく回答されていた場合を「服薬理解度良好」と判定したところ、87.4%がこれに該当した。 服薬遵守率は、追跡開始から1年以内の処方日数カバー比率(PDC)で評価した。PDCは、ある期間において患者が処方薬を受け取った日数の比率であり、1(100%)であれば患者は飲み忘れることなく服用を続けていると推測される。心血管疾患リスク因子の管理において、PDC0.8以上をアドヒアランス良好の目安とすることが多いため、本研究でも0.8以上/未満で遵守/非遵守と二分した。なお、服薬の中断が連続180日以上の場合は「休薬」と判断した。ただしその該当者は51人とわずかだった。 解析の結果、併存疾患がない患者では、高血圧のみの場合の服薬遵守率が90.2%で最も高く、次いで糖尿病のみが81.2%、脂質異常症のみが80.8%であり、高血圧のみの患者と脂質異常症のみの患者の服薬遵守率に有意差が認められた。併存疾患のある患者における服薬遵守率は86.7~89.0%の範囲で有意差は見られず、一部の組み合わせの遵守率は脂質異常症のみの患者よりも有意に高かった。 次に、多変量解析により、性別、高齢(65歳以上)、自記式質問票で把握した生活習慣や服薬理解度などを説明変数とした上で、3疾患それぞれの服薬非遵守に独立して関連する因子を検討したところ、以下の結果が得られた。 まず、高血圧については、朝食欠食が非遵守の正の関連因子であり(調整オッズ比〔aOR〕1.90〔95%信頼区間1.13~3.21〕)、服薬理解度良好は負の関連因子であった(aOR0.48〔同0.26~0.89〕)。脂質異常症については、男性(aOR0.71〔0.52~0.97〕)、併存疾患あり(aOR0.64〔0.49~0.82〕)、心疾患の既往(aOR0.51〔0.33~0.79〕)という三つが、全て負の関連因子として抽出された。糖尿病については、睡眠の質が良くないこと(aOR2.06〔1.02~4.16〕)と朝食欠食(aOR2.89〔1.19~7.00〕)の二つが、いずれも正の関連因子だった。喫煙・飲酒・運動習慣、教育歴、行動変容ステージ、摂食速度、夕食の時間帯などは、いずれの治療薬の非遵守とも独立した関連はなかった。 著者らは、本研究では被雇用者コホートの医療費請求データを利用できなかったため、解析対象が高齢者の多い住民コホートのみであったことなどを研究の限界点として挙げた上で、「高血圧、脂質異常症、糖尿病に対する治療薬は、全体として高い服薬遵守率が示されたが、治療状況による違いも認められた。また、非遵守に関連する因子は、疾患によって異なった。これらの知見は、服薬アドヒアランスを高めるサポートに生かせるのではないか」と結論付けている。 なお、朝食欠食が高血圧と糖尿病における服薬非遵守の関連因子であったことについて、「欠食習慣のある患者では『朝食後に服用』と指示すると遵守率が低下する懸念がある。低血糖を来し得る薬剤を除き、『食事を食べない朝も服用してよい』と伝えることが推奨される」といった考察が述べられている。

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糖尿病合併症があると歯周病がより起こりやすい

 糖尿病でその合併症がある場合、歯周病のリスクがより高まることを示すデータが報告された。オーフス大学(デンマーク)のFernando Valentim Bitencourt氏らの論文が「Journal of Dental Research」に8月5日掲載され、また欧州糖尿病学会(EASD 2024、9月9~13日、スペイン・マドリード)で発表された。 糖尿病が歯周病のリスク因子であることはよく知られている。しかし、糖尿病の細小血管合併症(網膜症や神経障害など)を有する場合に、歯周病のリスクがより高まるのかについては、これまでに行われた研究は研究対象者数が少なく、調整されていない交絡因子が存在するといった限界点があり、結論が得られていない。Bitencourt氏らはこれらの点について、デンマークの大規模疫学研究(Health in Central Denmark study)のデータを用いた検討を行った。 解析対象は2型糖尿病患者1万5,922人。社会人口統計学的因子、生活習慣関連因子、健康状態などの潜在的な交絡因子を調整した統計解析の結果、網膜症(オッズ比〔OR〕1.21〔95%信頼区間1.03~1.43〕)および神経障害(OR1.36〔同1.14~1.63〕)の存在が、中等度から重度の歯周病と有意な関連のあることが明らかになった。また、網膜症と神経障害が併存している場合はそのオッズ比がより高かった(OR1.51〔1.23~1.85〕)。脂質異常症がある場合に、重度の歯周病が増加することも示された。 歯周病は自覚症状が乏しい病気だが、その影響について研究者らは、「治療せずに放置すると、歯を支えている組織が破壊され、最終的には歯を失う結果につながる」と解説。また論文の筆頭著者で歯科医師であるBitencourt氏は、「歯を失うと、噛む、話すといった基本的な機能に影響するだけでなく、自尊心にも影響する可能性がある。その結果として生活の質(QOL)が著しく低下してしまい、社会的交流に支障を来すこともある。よって、歯周病のリスクがより高い集団の特徴を見いだし、早期介入することが非常に重要だ」と、本研究の背景を語っている。 今回の結果について研究者らは、糖尿病によって生じる細小血管のダメージと、中等度から重度の歯周病との明確な関連を示すものと解釈している。両者の関連のメカニズムについてBitencourt氏は、「糖尿病が適切にコントロールされていない場合、高血糖によって炎症が起こり、時間の経過とともに目にも炎症が波及して網膜症を引き起こしたり、足などの神経に波及して神経障害を引き起こしたりする。そのような過程で、歯周組織にも炎症が起こり、歯周病の発症につながる可能性がある」と解説。また、「歯周病の所見を口の中の健康問題として考えるのではなく、全身の炎症反応が亢進している人や糖尿病細小血管合併症のリスクが高い人を特定するのに役立てることが重要だ」と追加している。 さらに同氏は、「われわれの研究結果は、歯科医師が糖尿病患者の口腔状態に細心の注意を払う必要があることを示している。歯科と内科の医療従事者が協力することで、2型糖尿病患者、特に糖尿病合併症のリスクが高い患者が、より包括的な口腔ケアを受けられるようになり、その結果、口腔と全身の健康の双方が改善されるのではないか」と述べている。

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DPP-4iとBG薬で糖尿病性合併症発生率に差はない――4年間の後方視的解析

 血糖管理のための第一選択薬としてDPP-4阻害薬(DPP-4i)を処方した場合とビグアナイド(BG)薬を処方した場合とで、合併症発生率に差はないとする研究結果が報告された。静岡社会健康医学大学院大学(現在の所属は名古屋市立大学大学院医学研究科)の中谷英仁氏、アライドメディカル株式会社の大野浩充氏らが行った研究の結果であり、詳細は「PLOS ONE」に8月9日掲載された。 欧米では糖尿病の第一選択薬としてBG薬(メトホルミン)が広く使われているのに対して、国内ではまずDPP-4iが処方されることが多い。しかし、その両者で合併症の発生率に差があるかは明らかでなく、費用対効果の比較もほとんど行われていない。これを背景として中谷氏らは、静岡県の国民健康保険および後期高齢者医療制度のデータを用いた後方視的解析を行った。 2012年4月~2021年9月に2型糖尿病と診断され、BG薬またはDPP-4iによる治療が開始された患者を抽出した上で、心血管イベント・がん・透析の既往、糖尿病関連の入院歴、インスリン治療歴、遺伝性疾患などに該当する患者を除外。性別、年齢、BMI、HbA1c、併存疾患、腎機能、肝機能、降圧薬・脂質低下薬の処方、喫煙・飲酒・運動習慣など、多くの背景因子をマッチさせた1対5のデータセットを作成した。 主要評価項目は脳・心血管イベントと死亡で構成される複合エンドポイントとして、イベント発生まで追跡した。副次的に、糖尿病に特異的な合併症の発症、および1日当たりの糖尿病治療薬剤コストを比較した。追跡開始半年以内に評価対象イベントが発生した場合はイベントとして取り扱わなかった。 マッチング後のBG薬群(514人)とDPP-4i群(2,570人)の特徴を比較すると、平均年齢(68.39対68.67歳)、男性の割合(46.5対46.9%)、BMI(24.72対24.67)、HbA1c(7.24対7.22%)、収縮期血圧(133.01対133.68mmHg)、LDL-C(127.08対128.26mg/dL)、eGFR(72.40対72.32mL/分/1.73m2)などはよく一致しており、その他の臨床検査値や併存疾患有病率も有意差がなかった。また、BG薬、DPP-4i以外に追加された血糖降下薬の処方率、通院頻度も同等だった。 中央値4.0年、最大8.5年の追跡で、主要複合エンドポイントはBG薬群の9.5%、DPP-4i群の10.4%に発生し、発生率に有意差はなかった(ハザード比1.06〔95%信頼区間0.79~1.44〕、P=0.544)。また、心血管イベント、脳血管イベント、死亡の発生率を個別に比較しても、いずれも有意差はなかった。副次評価項目である糖尿病に特異的な合併症の発生率も有意差はなく(P=0.290)、糖尿病性の網膜症、腎症、神経障害を個別に比較しても、いずれも有意差はなかった。さらに、年齢、性別、BMI、HbA1c、高血圧・脂質異常症・肝疾患の有無で層別化した解析でも、イベント発生率が有意に異なるサブグループは特定されなかった。 1日当たり糖尿病治療薬剤コストに関しては、BG薬は60.5±70.9円、DPP-4iは123.6±64.3円であり、平均差63.1円(95%信頼区間56.9~69.3)で前者の方が安価だった(P<0.001)。 著者らは、本研究が静岡県内のデータを用いているために、地域特性の異なる他県に外挿できない可能性があることなどを限界点として挙げた上で、「2型糖尿病患者に対して新たに薬物療法を開始する場合、BG薬による脳・心血管イベントや死亡および糖尿病に特異的な合併症の長期的な抑制効果はDPP-4iと同程度であり、糖尿病治療薬剤コストは有意に低いと考えられる」と総括している。

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