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第4回 チアゾリジン薬による治療のキホン【糖尿病治療のキホンとギモン】

【第4回】チアゾリジン薬による治療のキホン―チアゾリジン薬はどのような患者に適しているのでしょうか。 チアゾリジン薬は、脂肪前駆細胞から脂肪細胞への分化を促進させ、アディポネクチン※を分泌する小型脂肪細胞の増加や大型脂肪細胞のアポトーシス(細胞死)を惹起したり、脂肪細胞への脂肪酸の取り込み増加により、骨格筋や肝に取り込まれる脂肪酸の量を減少させることなどにより、末梢組織でのインスリン感受性を高め、インスリン抵抗性を改善して、血糖を低下させます。そのため、インスリン抵抗性のある肥満患者が適しています(BMI≧24、あるいは空腹時血中インスリン値≧5μU/mL)1)。 チアゾリジン薬では、循環血液量の増加による浮腫や心不全に注意する必要があります。浮腫は女性で多いことが報告されているため、女性では最小用量の15mg(1日1回)から開始します1)。副作用は効果の裏返しともいえます。チアゾリジン薬の市販後調査でも、女性のほうが本剤の感受性が強いことが報告されています。2),3)。女性のほうが効果が出やすいので、15mgでも浮腫が出るようであれば、減量しながらみていきます。 また、海外で、女性でチアゾリジン薬による骨折リスクが報告されていますので4)、骨粗鬆症や、閉経後の女性では注意が必要です。 私のこれまでの臨床経験から、チアゾリジン薬では明らかに効果が出る患者さん(レスポンダー)がいると感じています。そのため、そういった患者さんでは、効果と安全性のバランスをみながら、適宜増減を考慮し、治療を進めていくとよいと思います。 ※脂肪細胞から分泌される生理活性物質(アディポサイトカイン)で、骨格筋や肝における脂肪酸の燃焼と糖の取り込みを促進し、インスリン感受性を増強させる5)。また、マウスにおける動脈硬化の抑制や、アディポネクチン欠損マウスにおける血管の炎症性内膜肥厚の亢進が示されていることから、動脈硬化抑制作用を持つと考えられている6,7)。―どの程度の心疾患既往者であれば使用してよいのでしょうか。 チアゾリジン薬は心不全および心不全既往例では禁忌で、心不全発症の恐れのある心筋梗塞、狭心症、心筋症、高血圧性心疾患などの心疾患患者さんには慎重投与です1)。つまり、心不全以外の既往症であれば投与できますが、心疾患既往例では、心不全のリスクが高いことを念頭に置き、投与中は、浮腫や急激な体重増加、息切れや動悸といった心不全の症状がないかどうか、十分注意します。患者さんにも、あらかじめ、これら異常がみられた場合には、すぐに受診するよう伝えます。 また、定期的に血中BNP値や心電図、胸部X線検査などでモニタリングするとよいでしょう。とくに、心室で合成され、血中を循環する心臓ホルモンであるBNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド;Brain Natriuretic Peptide)は、心室への負荷の程度を反映する生化学的マーカーで、広く臨床現場で使用されています。「慢性心不全治療ガイドライン(2010年改訂版)」では、心不全の所見に加え、BNP>100pg/mLであれば、心不全を想定して検査を進めるとされています8)。心不全のリスクが高い患者さんでは、BNP値を測定し、上昇してくるようであれば、診察時には毎回検査するなど、注意が必要です。―膀胱がんの危険性について教えてください。 海外の研究で、ピオグリタゾンを投与した患者さんで膀胱がん発生リスクが増加する恐れがあり、投与期間が長くなるとリスクの増加傾向があることが示されています9)。そのため、膀胱がん治療中の患者さんには投与を避けることとされています1)。また、「膀胱がん既往例には、薬剤の有効性および危険性を十分に勘案したうえで、投与の可否を慎重に判断する」となっていますが1)、私は膀胱がん既往例に対しては、ピオグリタゾン以外の選択肢がない場合にしか用いていません。 ピオグリタゾンの膀胱がんのリスクについては、海外でリスクが増加する恐れがあるという報告があることを患者さんに伝え、投与期間が長くなってきたら、定期的な尿検査を行うなど、注意する必要があります。また、投与終了後も継続して、十分観察します。―浮腫・体重増加がみられる女性患者への対応を教えてください。 前述したように、女性は効果がある反面、浮腫が出現しやすいため、“むくみが出る可能性がある”こと、“塩分摂取量にはとくに注意する必要がある”ことを事前に伝えます。体重増加がみられれば、それが浮腫によるものなのか(急激な体重増加、手足のむくみ、息苦しさ、動機など)、あるいは生活習慣の乱れによる体重増加なのかを見極め、浮腫の場合には、心不全でないことを確認したうえで、浮腫に対する対応として、塩分制限や利尿剤投与などの対応を検討します。 チアゾリジン薬では、小型脂肪細胞が増加し、大型脂肪細胞のアポトーシスが惹起されることでインスリン抵抗性を改善する働きがあるとお話ししましたが、小型脂肪細胞が治療前より増加するため、過食などによる体重増加にも注意する必要があります。実際に、チアゾリジン薬を投与された2型糖尿病患者さんでは、内臓脂肪は減少するものの、皮下脂肪が増加することがわかっています10)。1)アクトス製品添付文書(2015年3月改訂)2)医薬品インタビューフォーム アクトス錠15・30,アクトスOD錠15・30(2015年11月改訂).p533)Kawamori R, et al. Diab.Res.Clin.Pract. 76(2007)229-235.4)Habib ZA, et al. J Clin Endocrinol Metab. 2010;95:592-600.5)Shindo T, et al. Nat Med. 2002;8:856-863.6)Kubota N, et al. 2002;277:25863-25866.7)Yamauchi T, et al. J Biol Chem. 2003;278:2461-2468.8)日本循環器学会ほか.慢性心不全治療ガイドライン(2010年改訂版).In:循環器病の診断と治療に関するガイドライン(2009年度合同研究班報告).9)Lewis JD, et al. Diabetes Care. 2011;34:916-922.10)Miyazaki Y, et al. J Clin Endocrinol Metab. 2002;87:2784-2791.

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骨粗鬆性脊椎骨折への椎体形成術、急性期が至適/Lancet

 発症後6週未満の急性期有痛性骨粗鬆性脊椎骨折に対する椎体形成術は、偽処置より除痛効果に優れていることが認められた。オーストラリア・St George Private HospitalのWilliam Clark氏らが、多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果、報告した。椎体形成術の至適時期については議論の的となっており、発症後12ヵ月までの骨粗鬆性脊椎骨折患者を対象とした2件の無作為化二重盲検プラセボ対照試験では有益性が認められなかった。しかし、これらの研究で6週未満の患者は少なく、急性期患者に対する椎体形成術の有効性の評価は不十分であった。著者は今回の結果から、「椎体形成術は、急性疼痛を伴う骨粗鬆性脊椎骨折患者の新たな疼痛コントロール法となりうる」とまとめている。Lancet誌オンライン版2016年8月17日号掲載の報告。発症後6週未満の患者で、椎体形成術の鎮痛効果を偽処置と比較 研究グループは、疼痛コントロール不良の急性期骨粗鬆性脊椎骨折患者における椎体形成術の鎮痛効果を検証するため、無作為化二重盲検プラセボ対照試験(the Vertebroplasty for Acute Painful Osteoporotic fractURes trial:VAPOUR試験)をシドニーの4施設にて行った。 対象は、腰痛発症後6週未満、疼痛スコア(Numeric Rated Scale:NRS、0~10)が7以上、MRIにより1~2椎体の骨粗鬆性脊椎骨折が確認された60歳以上の患者で、国立保健医療研究審議会(NHMRC)から提供された自動電話無作為化サービスを使用し、椎体形成術群または偽処置(プラセボ)群に1対1の割合で割り付けられた(年齢・椎骨圧迫の程度・外傷・ステロイド剤の使用・施設で層別化)。追跡期間は6ヵ月で、評価者も盲検化された。 主要評価項目は、intention-to-treat集団における術後14日時点の疼痛スコアが4未満の患者の割合であった。鎮痛効果が得られた患者の割合は椎体形成術で偽処置の約2倍 2011年11月4日~2014年12月5日の間に120例が登録された(椎体形成術群61例、プラセボ群59例)。 術後14日時点での疼痛スコア4未満の患者の割合は、椎体形成術群44%(24例)、プラセボ群21%(12例)であった(群間差23%、95%信頼区間[CI]:6~39%、p=0.011)。 各群3例の死亡が報告されたが、処置とは関連のない原因によるものであった。処置に関連した重篤な有害事象として、椎体形成術群で手術開始前の鎮静薬投与開始後の呼吸停止(回復)1例、撮影台への移動時の不全麻痺側上腕骨骨折1例の計2例が、またプラセボ群では、試験登録後の状態悪化による脊髄圧迫2例が報告された。

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閉経後の骨粗鬆症性骨折、開発中のabaloparatideが有用/JAMA

 骨粗鬆症を有する閉経後女性に対し、abaloparatideはプラセボと比較して新規椎体および非椎体の骨折を低下することが、米国・Colorado Center for Bone ResearchのPaul D. Miller氏らによる第III相二重盲検無作為化試験ACTIVE(Abaloparatide Comparator Trial In Vertebral Endpoints)の結果、示された。abaloparatideは、開発中の副甲状腺ホルモン1型受容体選択的活性薬。18ヵ月間の試験期間中、新規椎体骨折を有意に抑制、非椎体骨折は有意差は示されなかったが減少が認められた。結果を踏まえて著者は、「さらなる検討を行い、リスク差の臨床的意義、abaloparatide治療のリスク・ベネフィット、その他の骨粗鬆薬との有効性の比較などを行う必要がある」とまとめている。JAMA誌2016年8月16日号掲載の報告。対プラセボ、テリパラチドで18ヵ月間の無作為化試験 骨粗鬆症性骨折の予防には付加的治療が必要とされる。研究グループは、abaloparatideの有効性と安全性を確認するため、骨粗鬆症性骨折のリスクがある閉経後女性の新規脊椎骨折予防について、同薬80μg対プラセボの試験を行った。ACTIVE試験は、10ヵ国28地点で2011年3月~2014年10月に行われた。 閉経後女性で、骨密度(BMD)Tスコアが腰椎または大腿骨頚部で-2.5以下-5.0超、放射線学的エビデンスで≧2の軽度または≧1の中等度の腰部または胸部の椎体骨折、または過去5年以内に低度の外傷性非椎体骨折歴を有するものを適格とした。 試験には、閉経後女性(65歳超)で、骨折基準を満たすTスコア-2.0以下-5.0未満、または骨折基準を満たさないTスコア-3.0以下-5.0未満が登録された。 被験者は、abaloparatide 80μg群、テリパラチド20μg群、プラセボ群の3群に無作為に割り付けられ、abaloparatide群とプラセボ群は盲検下で、テリパラチドには非盲検下でそれぞれ1日1回皮下注投与が18ヵ月間行われた。 主要エンドポイントは、abaloparatide vs.プラセボの新規椎体骨折患者の割合であった。サンプルサイズは、両群間で4%の差(57%リスク低下)を検出するようセットされた。副次エンドポイントは、abaloparatide vs.プラセボの総大腿骨、大腿骨頚部、腰椎それぞれのBMDの変化、新規椎体骨折発生までの期間などであった。また、事前規定の安全性エンドポイントとして、abaloparatide vs.テリパラチドの高カルシウム血症を評価した。対プラセボで新規椎体骨折について有意に減少 2,463例(平均年齢69歳[範囲:49~86])が無作為化を受け、abaloparatide群(824例)、プラセボ群(821例)、テリパラチド群(818例)に割り付けられた。試験を完了したのは1,901例(606例、637例、658例)であった。 骨折(新規椎体骨折、非椎体骨折)の発生は、abaloparatide群は4例(0.6%)、18例(2.7%)、プラセボ群30例(4.2%)、33例(4.7%)、テリパラチド群6例(0.8%)、24例(3.3%)であった。 主要アウトカムについてabaloparatide vs.プラセボの新規椎体骨折のリスク差は-3.64(95%信頼区間[CI]:-5.42~-2.10)、リスク比(RR)は0.14(95%CI:0.05~0.39、p<0.001)であった。なお、テリパラチド vs.プラセボでも同様の結果がみられている(リスク差:-3.38[95%CI:-5.18~-1.80]、RR:0.20[95%CI:0.08~0.47、p<0.001])。 また、副次エンドポイントとしてKaplan-Meier法で評価した非椎体骨折の発生について、abaloparatide群のほうがプラセボ群と比べて減少が認められた。リスク差は-2.01(95%CI:-4.02~-0.00)、ハザード比(HR)は0.57(95%CI:0.32~1.00、p=0.49)であった。 BMD変化は、いずれの部位でもプラセボ群よりabaloparatide群で有意に上昇した(すべてp<0.001)。 高カルシウム血症の発生は、abaloparatide群3.4%、テリパラチド群6.4%でリスク差は-2.96(95%CI:-5.12~-0.87、p=0.006)であった。

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ロコモって何ですか?

骨粗鬆症】【ロコモティブシンドローム】ロコモティブシンドロームについて、教えてください骨や筋肉が弱くなる寝たきりや要介護状態になる転んで簡単に骨折●ロコモティブシンドローム(ロコモ)とは、骨粗鬆症などで運動機能が弱くなり、介護が必要となったり、寝たきりになる可能性が高い状態のことです。●日ごろから体調を確認し、運動を行うようにしましょう。監修:習志野台整形外科内科 院長 宮川一郎 氏Copyright © 2016 CareNet,Inc. All rights reserved.

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肥満外科手術の骨折リスク、術前も術後も高い/BMJ

 肥満外科手術患者は術前も術後も骨折リスクが高いことが、カナダ・ケベック州CHU研究センターのCatherine Rousseau氏らによる検討の結果、明らかにされた。年齢・性別で適合した肥満者と非肥満者を対照群としたコホート内症例対照試験の結果による。また、発生部位も特定され、術前は肥満に関連した骨折だったが術後は骨粗鬆症にみられる骨折パターンに変化していた。胆膵路転換術(biliopancreatic diversion)を受けた人では明らかな骨折リスクが認められたことも判明、胃バイパス手術(Roux-en-Y gastric bypass)、スリーブ状胃切除術(sleeve gastrectomy)については断定的な結果は得られなかったという。BMJ誌オンライン版7月27日号掲載の報告。コホート内症例対照試験で手術群と肥満・非肥満対照群を比較 肥満外科手術が骨折リスクを増大するのかどうかを調べる検討は、2001~14年にカナダ・ケベック州で同手術を受けた患者を、同州の医療管理データベースから選択し後ろ向きコホート内症例対照試験にて行われた。該当患者は1万2,676例(介入群、女性72.3%、平均年齢42[SD 11])、年齢・性別で適合した肥満者3万8,028例と非肥満者12万6,760例(対照群)を組み込んだ。 骨折の発生率および部位を介入群と対照群で比較。また、骨折リスクについて、各群、および2006~14年については手術法別に、術前と術後を比較した。骨折既往、併存疾患数、社会的貧困度、居住地域で補正した条件付き多変量ポアソン回帰分析モデルを用いた。術後の骨折は骨粗鬆症パターンに変化 肥満外科手術を受けた介入群の患者は、術前においても、肥満・非肥満者の対照群よりも骨折の発生率が高い傾向が認められた。介入群の術前の骨折発生率10.5%に対し、肥満群は8.1%、非肥満群は6.6%であった。 術後平均4.4年後では、介入群のほうが骨折が起きやすい状況であることがみてとれた。同群の発生率は4.1%で、肥満群は2.7%、非肥満群は2.4%であった。介入群の術後補正後骨折相対リスクは、対肥満群1.38(95%信頼区間[CI]:1.23~1.55)、対非肥満群1.44(同:1.29~1.59)と有意に高率であった。 また術前では、介入群は対照群と比べて、下肢遠位部の骨折リスクが高く、上肢骨折リスクは低く、脊椎、股関節・大腿骨・骨盤の骨折リスクは同程度であった。しかし術後は、下肢遠位部の相対リスクは低減し(0.66、95%CI:0.56~0.78)、変わって上肢(1.64、1.40~1.93)、脊椎(1.78、1.08~2.93)、骨盤・股関節・大腿骨(2.52、1.78~3.59)のリスクが増大した。  術式別にみた検討では、骨折リスクの増大は、胆膵路転換術例でのみ認められた。 これらの結果を踏まえて著者は、「骨折リスクアセスメントとマネジメントを肥満外科手術の一連として行う必要がある」とまとめている。

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うつ病女性に対する避妊法に関するレビュー

 うつ病や双極性障害の女性は、望まない妊娠をするリスクが高い。米国疾病対策予防センターのH Pamela Pagano氏らは、うつ病や双極性障害女性に対するホルモン避妊法の安全性を検討した。Contraception誌オンライン版2016年6月27日号の報告。 2016年1月までに発表された論文を対象に、うつ病や双極性障害を有する女性のうち臨床的診断またはスクリーニングツールによる検証で閾値レベル以上であった女性における、任意のホルモン避妊法を使用した際の安全性に関する論文を検索した。症状変化、入院、自殺、薬物療法の変更(増量、減量、薬剤変更)をアウトカムとした。 主な結果は以下のとおり。・2,376件中、6件が選択基準を満たした。・臨床的にうつ病や双極性障害と診断された女性に対する研究は以下のとおり。 1)経口避妊薬(OCs)は、双極性障害女性の月経周期全体にわたって気分を変動させなかった。一方、OCsを使用しなかった女性では月経周期全体にわたって気分が有意に変動した。 2)デポ型酢酸メドロキシプロゲステロン(depot medroxyprogesterone acetate:DMPA)、子宮内避妊用具(IUDs)、不妊手術を用いた女性における精神科入院頻度に有意な差は認められなかった。 3)OCsの使用有無にかかわらず、fluoxetine、プラセボのどちらの治療群においても、うつ病女性のうつ病尺度のスコア増加は認められなかった。・スクリーニングツールでの測定によりうつ病の閾値を満たした女性における結果は以下のとおり。 1)OCsを併用した思春期女性は、プラセボ群と比較し、3ヵ月後のうつ病スコアが有意に改善した。 2)OC使用者は、非使用者と比較し、フォローアップ時にうつでなかった割合は同程度であった。 3)OC併用者では、IUD使用者と比較して、11ヵ月にわたりうつ頻度が少ないことが示唆された。 著者らは「6件の限られた研究から得られた結果によると、OC、レボノルゲストレル放出IUD、DMPAを使用したうつ病または双極性障害の女性では、ホルモン避妊法を使用しなかった女性と比較して、症状の臨床経過の悪化との関連はみられなかった」としている。関連医療ニュース 妊娠中のSSRI使用、妊婦や胎児への影響は 妊娠に伴ううつ病、効果的なメンタルヘルス活用法 妊娠初期のうつ・不安へどう対処する

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転倒しやすい場所を覚える

骨粗鬆症】【転倒防止対策】転びやすい場所、注意する場所を教えてください●家の内外の転びやすい場所とその特徴を覚えましょう!●特に床が濡れている(例.お風呂場、雨上りのマンホールなど)階段や段差(例.駐車場の車止め、部屋の仕切りなど)地面が不安定(例.路上のデコボコなど)こうした場所は特に注意してください。監修:習志野台整形外科内科 院長 宮川一郎 氏Copyright © 2016 CareNet,Inc. All rights reserved.

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アジソン病〔Addison's disease〕

1 疾患概要■ 概念・定義慢性副腎皮質機能低下症(アジソン病)は、アルドステロン(ミネラルコルチコイド)、コルチゾール(グルココルチコイド)、デヒドロエピアンドロステロンとデヒドロエピアンドロステロンサルフェート(副腎アンドロゲン)の分泌が生体の必要量以下に慢性的に低下した状態である。アジソン病は、副腎皮質自体の病変による原発性副腎皮質機能低下症であり、その病因として、副腎皮質ステロイド合成酵素欠損症による先天性副腎過形成症、先天性副腎低形成(X連鎖性、常染色体性)、ACTH不応症などの責任遺伝子が明らかとされた先天性のものはアジソン病とは独立した疾患として扱われるため、アジソン病は後天性の病因による慢性副腎皮質機能低下症を指して用いられる。■ 疫学わが国における全国調査(厚生労働省特定疾患「副腎ホルモン産生異常症」調査分科会)によるとアジソン病の患者は1年間で660例と推定され、病因としては特発性が42.2%、結核性が36.7%、その他が19.3%であり、時代とともに特発性の比率が増加している。先天性副腎低形成症は約12,500人出生に1人である。副腎不全症としては、10,000人に5人程度(3人が下垂体性副腎不全、1人がアジソン病、1人が先天性副腎過形成症)の割合である。■ 病因病因としては、感染症、その他の原因によるものと特発性がある。感染症では結核性が代表的であるが、真菌性、後天性免疫不全症候群(AIDS)に合併するものが増えている。 特発性アジソン病は、抗副腎抗体陽性の例が多く(60~70%)、21-水酸化酵素、17α-水酸化酵素などに対する自己抗体が原因となる自己免疫性副腎皮質炎であり、その他の自己免疫性内分泌疾患を合併する多腺性自己免疫症候群と呼ばれる。I型は特発性副甲状腺機能低下症、皮膚カンジダ症を合併するHAM症候群、II型は橋本病などを合併するシュミット症候群などがある。その他の原因によるものとしては、がんの副腎転移、副腎白質ジストロフィーなどがある。また、最近使用される頻度が増えている免疫チェックポイント阻害薬の免疫関連有害事象(irAE)として内分泌障害があり、副腎炎によるアジソン病もみられる(約0.6%)。■ 症状コルチゾールの欠乏により、易疲労感、脱力感、食欲不振、体重減少、消化器症状(悪心、嘔吐、便秘、下痢、腹痛など)、血圧低下、精神症状(無気力、嗜眠、不安、性格変化)、発熱、低血糖症状、関節痛などを認める。副腎アンドロゲン欠乏により女性の腋毛、恥毛の脱落、ACTHの上昇により、歯肉、関節、手掌の皮溝、爪床、乳輪、手術痕などに色素沈着が顕著となる。■ 分類副腎皮質の90%以上が障害されて起きる原発性副腎皮質機能低下症(アジソン病)と続発性副腎皮質機能低下症にまず大きく分類できる。続発性副腎皮質機能低下症には、下垂体性(ACTH分泌不全)と視床下部性(CRH分泌不全)に分けられる。■ 予後欧州の大規模疫学研究によると、原発性副腎不全症患者の全死亡リスクは、男性で2.19、女性では2.86との報告がある。長期予後が悪い理由は、グルココルチコイドの過剰投与によるQOLの低下、心血管イベントや骨粗鬆症のリスクの増加などが、生存率の低下につながると考えられている。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)一般検査では、低血糖(血糖値が70mg/dL以下)、低ナトリウム血症(135mEq/L以下)、正球性正色素性貧血(男性13g/dL以下、女性12g/dL以下)、血中総コレステロール値低値(150mg/dL以下)、末梢血の好酸球増多(8%以上)、相対的好中球減少、リンパ球増多、高カリウム血症を示す。内分泌学的検査では、非ストレス下で早朝ACTHとコルチゾール値を測定する(絶食で9時までに)。早朝コルチゾール値が18μg/dL以上であれば副腎不全症を否定でき、4μg/dL未満であれば副腎不全症の可能性が高いが、4~18μg/dLでは可能性を否定できない。血中コルチゾール基礎値が18μg/dL未満のときは、迅速ACTH負荷試験(合成1-24 ACTHテトラコサクチド[商品名:コートロシン]250μg静注)を施行する。血中コルチゾール頂値が18μg/dL以上であれば副腎不全症を否定でき、18μg/dL未満であれば副腎不全症を疑うほか、15μg/dL未満では原発性副腎不全症の可能性が高い。迅速ACTH負荷試験では、原発性と続発性副腎皮質機能低下症の鑑別ができないため、ACTH連続負荷試験、CRH負荷試験、インスリン低血糖試験などを組み合わせて行う(図)。画像を拡大する3 治療 (治験中・研究中のものも含む)可能な限り、生理的コルチゾールの分泌量と日内変動に近い至適な補充療法が望まれる。コルチゾールを1日当たり10~20mg補充するのが生理的補充量の目安である。日本人は食塩摂取量が多いので、ヒドロコルチゾン(同:コートリル)10~20mg/日を2~3回に分割服用する(2分割投与の場合は、朝2:夕1、3分割投与では朝:昼:夕=3:2:1)。4 今後の展望現在、使用されているヒドロコルチゾンは放出が早く、内因性コルチゾールの日内リズムを完全に再現できない。わが国では使用できないが、欧州を中心にヒドロコルチゾン放出時間を遅らせる徐放型ヒドロコルチゾンの開発研究が進んでおり、生理的補充に近い薬理動態を再現できることが期待される。5 主たる診療科内科(とくに内分泌代謝内科)※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報日本内分泌学会臨床重要課題(副腎クリーゼを含む副腎皮質機能低下症の診断基準作成と治療指針作成)(医療従事者向けのまとまった情報)難病情報センター アジソン病(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)1)Charmandari E, et al. Lancet.2014;383:2152-2167.2)南学正臣 総編集.内科学書 改訂第9版.中山書店; 2019. p.153-160.3)矢崎義雄 総編集.内科学 第11版.朝倉書店; 2017. p.1630-1633.公開履歴初回2015年01月08日更新2016年07月19日更新2022年02月28日

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統合失調症患者、そもそもプロラクチン値が高い

 ドパミン受容体遮断の副作用である高プロラクチン血症は、統合失調症や他の精神病性障害患者において一般的であり、無月経、乳汁漏出、性腺機能低下、低受胎、骨粗鬆症につながる可能性がある。ギリシャ・イオアニナ大学のPetros Petrikis氏らは、統合失調症および他の精神病性患者において、抗精神病薬治療開始前に高プロラクチン血症が発症するかを検討した。International journal of psychiatry in clinical practice誌2016年9月号(オンライン版2016年6月23日号)の報告。 対象は、新規に統合失調症および他の精神病性障害と診断された薬物治療未実施の患者群40例と年齢性別をマッチさせた健康成人群40例。血清プロラクチン、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、トリヨードサイロニン(T3)フリーテトラヨードサイロニン(FT4)、コルチゾールレベルが測定された。 主な結果は以下のとおり。・中央プロラクチン値は、患者群で12.5ng/ml(範囲:2~38 ng/ml)、健康成人群で8.6ng/ml(範囲:4~17.6 ng/ml)であった(p=0.011)。・患者群(平均:1.08ng/ml、SD:0.16)は、健康成人群(平均:1.18ng/ml、SD:0.18)と比較しT3レベルが低かった(p=0.008)。・血清TSH、FT4、コルチゾールレベルは、両群間で差はなかった。・重回帰分析によると、血清プロラクチン値の差は、甲状腺機能(TSH、FT4、T3)や血清コルチゾールレベルと関連していないことが明らかとなった。 ・新規に統合失調症および他の精神病性障害と診断された薬物治療未実施の患者において、健康成人と比較し、抗精神病薬開始前でも高血清プロラクチンレベルが認められた。関連医療ニュース 各種非定型抗精神病薬、プロラクチンへの影響を比較 抗精神病薬ナイーブ統合失調症患者におけるプロラクチンレベルは リスペリドン誘発性高プロラクチン血症への補助療法

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転倒防止、靴選びは慎重に

骨粗鬆症】【転倒防止対策】転ばないために、注意することを教えてください靴がブカブカかかとがない足の裏が平らでない●転ばないように、靴は慎重に選びましょう!足の大きさに合わない(サイズ違い)つまずきやすい(つっかけ、草履など)バランスを崩しやすい(ハイヒールなど)これらの靴やサンダル、はき物はダメ!!監修:習志野台整形外科内科 院長 宮川一郎 氏Copyright © 2016 CareNet,Inc. All rights reserved.

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混合性結合組織病〔MCTD : mixed connective tissue disease〕

1 疾患概要■ 概念・定義混合性結合組織病(mixed connective tissue disease: MCTD)は、1972年にGC Sharpが提唱した疾患概念である。膠原病の中で2つ以上の疾患の特徴を併せ持ち(混合性)、しかも抗U1-RNP抗体と呼ばれる自己抗体が陽性となるものである。これは治療反応性がよく、予後も良好であったことから独立疾患として提唱された。その後、この疾患の独立性に疑問がもたれ、とくに欧米では全身性エリテマトーデスの亜型、あるいは強皮症の亜型と考えられ、英語文献でもあまりみられなくなった。しかし後述するように、高率に肺高血圧症を合併することや膠原病の単なる重複あるいは混合のみからは把握できないような特異症状の存在が明らかとなってきたことから、その疾患独立性が欧米でも再認識されている。■ 疫学本症は厚生労働省の指定難病に認定されており、その個人調査票を基にした調査では平成22年だけでおよそ9,000名の登録が確認されている。性別では女/男比で15/1と圧倒的に女性に多く、年齢分布では40代にもっとも多く、平均年齢は45歳である。また、推定発症年齢は30代が多く、平均年齢は36歳である。■ 病因本症の病因は他の膠原病と同様、不明である。全身性自己免疫疾患の1つであり、疾患に特徴的な免疫異常は抗U1-RNP抗体である。本抗体を産生するモデル動物も作成されており、関与する免疫細胞や環境因子について研究が進められている。■ 症状1)共通症状レイノー現象が必発である。また手指や手背部の浮腫傾向がみられ、「ソーセージ様手指」「指または手背の腫脹」が持続的にみられる。これらの症状は、多くの例で初発症状となっている。なお手指や手背部の浮腫傾向は強皮症でも初期にみられるが、強皮症ではすぐに硬化期に入り持続しない。2)混合所見全身性エリテマトーデス、強皮症、多発性筋炎/皮膚筋炎の3疾患にみられる臨床症状あるいは検査所見が混在してみられる。しかもそれぞれの膠原病の完全な重複ではなく、むしろ不完全な重複所見がみられることが多い。混合所見の中で頻度の高いものは、多発関節痛、白血球減少、手指に限局した皮膚硬化、筋力低下、筋電図における筋原性異常所見、肺機能障害などである。3)肺高血圧症肺高血圧症は一般人口では100万人中5~10人程度と非常にまれな疾患であり、しかも予後不良の疾患である。このまれな疾患がMCTDでは5~10%と一般人口の1万倍も高率にみられ、さらに本症の主要な死因となっていることから重要な特異症状として位置付けられている。大部分の症例では肺動脈そのものに病変がある肺動脈性の肺高血圧症である。心エコー検査などのスクリーニング検査やその他の画像・生理検査などが重要であるが、確定診断には右心カテーテル検査が必要である。4)その他の特徴的症状肺高血圧症以外にもMCTDに比較的特徴的な症状がある。三叉神経II枝、III枝の障害による顔面のしびれ感を主体とした症状は、MCTDの約10%にみられる。レイノー現象と同じく、神経の血流障害と推測されている。また、イブプロフェンなどの非ステロイド性抗炎症薬による無菌性髄膜炎が、本症の約10%にみられる。MCTDあるいは抗U1-RNP抗体陽性患者では、この薬剤性髄膜炎に留意が必要である。5)免疫学的所見抗U1-RNP抗体が陽性である。間接蛍光抗体法による抗核抗体では斑紋型を示す。抗Sm抗体や抗Jo-1抗体、抗トポイソメラーゼ1抗体など他の膠原病の疾患特異的自己抗体が出現しているときには、本症の診断は慎重にすべきである。6)合併症上記以外にシェーグレン症候群(25%)、橋本甲状腺炎(10%)などがある。■ 予後当初は、治療反応性や予後のよい疾患群として提唱されてきた。確かに発病からの5年生存率は96.9%、初診時からの5年生存率は94.2%と高い。しかし、死亡者の死因を検討すると、肺高血圧症、呼吸不全、心不全など心肺系の死因が全体の60%を占めている。とくに肺高血圧症は、一般人口にみられる特発性肺高血圧症よりもさらに予後不良であり、その治療の進歩が望まれる。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)わが国では1982年に厚生省の特定疾患に指定され調査研究班が結成されて以来、研究が続けられ、1993年には特定疾患治療研究対象疾患に指定された。1988年に「疫学調査のための診断の手引き」が作成され、何度か改訂されてきた。わが国の診断基準は国際的にも評価されていて、最も普遍的なものである。2004年の改訂では、共通所見に肺高血圧症が加えられ、中核所見と名称が変更された。この3所見のうち1所見以上の陽性と抗U1-RNP抗体陽性が必須であり、さらに混合所見の中で3疾患のうち2疾患以上の項目を併せ持てばMCTDと診断する(表1)。たとえば混合所見で多発関節炎とCK高値があれば、前者が全身性エリテマトーデス様所見、後者が多発性筋炎様所見として満たすこととなる。表1 MCTD診断の手引き(2004年度改訂版)■MCTDの概念全身性エリテマトーデス、強皮症、多発性筋炎などにみられる症状や所見が混在し、血清中に抗U1-RNP抗体がみられる疾患である。I.中核所見1.レイノー現象2.指ないし手背の腫脹3.肺高血圧症II.免疫学的所見抗U1-RNP抗体陽性III.混合所見A.全身性エリテマトーデス様所見1.多発関節炎2.リンパ節腫脹3.顔面紅斑4.心膜炎または胸膜炎5.白血球減少(4,000/μL以下)または血小板減少(10万/μL以下)B.強皮症様所見1.手指に限局した皮膚硬化2.肺線維症、肺拘束性換気障害(%VC:80%以下)または肺拡散能低下(%DLCO:70%以下)3.食道蠕動低下または拡張C.多発性筋炎様所見1.筋力低下2.筋原性酵素(CK)上昇3.筋電図における筋原性異常所見■診断1.Iの1所見以上が陽性2.IIの所見が陽性3.IIIのA、B、C項のうち、2項目以上につき、それぞれ1所見以上が陽性以上の3項目を満たす場合をMCTDと診断する。■付記抗U1-RNP抗体の検出は二重免疫拡散法あるいは酵素免疫測定法(ELISA)のいずれでもよい。ただし二重免疫拡散法が陽性でELISAの結果と一致しない場合には、二重免疫拡散法を優先する。(近藤 啓文. 厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患克服研究事業 混合性結合組織病に関する研究班 平成16年度研究報告書:2005.1-6.)また、肺高血圧症については、予後不良であり早期発見、早期治療が必要なこともあり、その診断にはとくに継続的な注意が必要である。確定診断には、右心カテーテル検査が必要であるが、侵襲的検査であり、専門医の存在が必要なため、スクリーニング検査として心臓超音波検査が重要である。これを基にした「MCTD肺高血圧症診断の手引き」(図1)が作成されており、肺高血圧症を疑う臨床所見や検査所見がある場合には、早急に心臓超音波検査をすべきである。画像を拡大する<脚注>1)MCTD患者では肺高血圧症を示唆する臨床所見、検査所見がなくても、心臓超音波検査を行うことが望ましい。2)右房圧は5mmHgと仮定。3)推定肺動脈収縮期圧以外の肺高血圧症を示唆するパラメーターである肺動脈弁逆流速度の上昇、肺動脈への右室駆出時間の短縮、右心系の径の増大、心室中隔の形状および機能の異常、右室肥厚の増加、主肺動脈の拡張を認める場合には、推定肺動脈収縮期圧が36mmHg以下であっても少なくとも1年以内に再評価することが望ましい。4)右心カテーテル検査が施行できない場合には慎重に経過観察し、治療を行わない場合でも3ヵ月後に心臓超音波検査を行い再評価する。3)肺高血圧症の臨床分類、重症度評価のため、治療開始前に右心カテーテル検査を施行することが望ましい。(吉田 俊治ほか. 厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患克服研究事業 混合性結合組織病に関する研究班 平成22年度研究報告書:2011.7-13.)3 治療 (治験中・研究中のものも含む)■ 総論本症は自己免疫疾患であり、抗炎症薬と免疫抑制療法が治療の中心となる。非ステロイド性抗炎症薬もしばしば用いられるが、前述のごとく、時に無菌性髄膜炎が誘発されるので、その使用には慎重な配慮が必要である。急性期には、多くの場合で副腎皮質ステロイド薬が治療の中心となる。他の膠原病と同様、臓器障害の種類と程度により必要なステロイド量が決定される(表2)。表2 臓器障害別の重症度分類a)軽症レイノー現象、指ないし手の腫脹、紅斑、手指に限局する皮膚硬化、非破壊性関節炎b)中等症発熱、リンパ節腫脹、筋炎、食道運動機能障害、漿膜炎、腎障害、皮膚血管炎、皮膚潰瘍、手指末端部壊死、肺線維症、末梢神経障害、骨破壊性関節炎c)重症中枢神経症状、無菌性髄膜炎、肺高血圧症、急速進行性間質性肺炎、進行した肺線維症、重度の血小板減少、溶血性貧血、腸管機能不全(三森 経世 編. 混合性結合組織病の診療ガイドライン(改訂第3版). 厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患克服研究事業 混合性結合組織病の病態解明と治療法の確立に関する研究班:2011.)前表のように、中枢神経障害、急速に進行する肺症状・腎症状、血小板減少症を除いて大量のステロイドを必要とすることは比較的少ない。ただ、ステロイドを長期に使用することが多いため、骨粗鬆症や糖尿病、感染症の誘発などの副作用には留意が必要である。■ 肺高血圧症MCTDの生命予後を規定する肺高血圧症(PH)については、病態からみて肺動脈性のもの以外に間質性肺炎によるもの、慢性肺血栓塞栓症によるもの、心筋炎など心筋疾患によるものなどがあり、これらは治療方法も異なるため、右心カテーテル検査などで厳密に識別する必要がある。もっとも頻度の高い肺動脈性肺高血圧症については、しばしば大量ステロイド薬や免疫抑制薬が奏効するため、これらの薬剤の適応を検討すべきである。また、通常の特発性肺動脈性肺高血圧症に用いられる血管拡張薬も有用性が確認されているため、プロスタサイクリン系薬、エンドセリン受容体拮抗薬、ホスホジエステラーゼ5阻害薬を併用して用いる(図2)。画像を拡大する<脚注>*ETR拮抗薬エンドセリン受容体拮抗薬(アンブリセンタン、ボセンタン)**PDE5阻害薬ホスホジエステラーゼ5阻害薬(シルデナフィル、タダラフィル)(三森 経世 編. 混合性結合組織病の診療ガイドライン(改訂第3版). 厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患克服研究事業 混合性結合組織病の病態解明と治療法の確立に関する研究班:2011.)その後、マシテンタン(ETR拮抗薬)、リオシグアート(可溶性グアニルシクラーゼ刺激薬)なども使用できるようになっており、治療の幅が広がっている。これらは肺血管拡張作用に加えて肺動脈内皮細胞の増殖抑制作用も期待されている。ただ、肺血管のリモデリングが進行した場合や強皮症的要素の強い場合、これらの薬剤はしばしば無効であり、心不全のコントロールなども重要になるため、循環器内科などと共同して治療に当たることが必要になる。4 今後の展望遺伝子多型の検討やゲノムワイド関連解析によって、MCTDやMCTD合併肺高血圧症になりやすい危険因子が解明されつつある。これにより、さらに精度が高くこれらの診断を早期に行えることが期待される。また、予後に大きな影響を与える肺高血圧症に関する薬剤が少なからず開発されつつある。これらの出現により一段とMCTD合併肺高血圧症の治療成績が上昇する可能性がある。5 主たる診療科リウマチ膠原病内科※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報難病情報センター 混合性結合組織病(一般利用者と医療従事者向けの情報)患者会情報全国膠原病友の会(膠原病全般について、その患者と家族向け)1)近藤 啓文. 厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患克服研究事業 混合性結合組織病に関する研究班 平成16年度研究報告書:2005.1-6.2)近藤 啓文. 厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患克服研究事業 混合性結合組織病に関する研究班 平成16年度研究報告書:2011.7-13.3)三森 経世編. 混合性結合組織病の診療ガイドライン(改訂第3版). 厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患克服研究事業 混合性結合組織病の病態解明と治療法の確立に関する研究班:2011.7-13.公開履歴初回2014年10月07日更新2016年07月05日

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日常生活でできる運動はあるの?

【運動療法】日常生活でできる運動を教えてください【骨粗鬆症】料理、洗濯、掃除などの日常家事も立派な運動になります!また、普段の生活で、なるべく階段を使うことも、運動になります。意識的に体を動かして、骨を鍛えましょう。監修:習志野台整形外科内科 院長 宮川一郎 氏Copyright © 2016 CareNet,Inc. All rights reserved.

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女性の片頭痛は心血管疾患イベントおよび死亡リスクを増大(解説:中川原 譲二 氏)-556

 ドイツ・ベルリン大学附属シャリテ病院のTobias Kurth氏らは、約12万例の女性を対象とした20年以上に及ぶ前向きコホート研究を解析し、女性の片頭痛と心血管死を含む心血管疾患イベントとの間に一貫した関連が認められたことを報告した(BMJ誌オンライン版2016年5月31日号掲載の報告)。NHS IIの女性約12万例を、20年にわたって追跡 研究グループは、米国看護師健康調査II(Nurses' Health Study II:NHS II)に参加した、ベースライン時に狭心症および心血管疾患のない25~42歳の女性看護師11万5,541例を対象に、1989年~2011年6月まで追跡調査を行った(累積追跡率90%以上)。主要評価項目は、主要心血管疾患(心筋梗塞・脳卒中・致死的心血管疾患の複合エンドポイント)、副次評価項目は心筋梗塞、脳卒中、狭心症/冠動脈血行再建術および心血管死の個々のイベントとした。主要心血管疾患のリスクは1.5倍、心血管死のリスクは1.37倍 11万5,541例のうち、医師により片頭痛と診断されたと報告した女性は1万7,531例(15.2%)で、20年間の追跡期間中に、1,329件の主要心血管疾患イベントが発生し、223例の女性が心血管疾患で死亡した。潜在的交絡因子の補正後、片頭痛を有する女性では片頭痛のない女性と比較し、主要心血管疾患(ハザード比[HR]:1.50、95%信頼区間[CI]:1.33~1.69)、心筋梗塞(同:1.39、1.18~1.64)、脳卒中(1.62、1.37~1.92)、狭心症/冠動脈再建術(1.73、1.29~2.32)のリスクが増加していた。さらに、片頭痛は心血管死の有意なリスク増大とも関連していた(HR:1.37、95%CI:1.02~1.83)。また、サブグループ解析(年齢[<50歳/≧50歳]、喫煙歴[現在喫煙中/過去に喫煙歴あり/なし]、高血圧[あり/なし]、閉経後ホルモン療法[現在治療中/現在治療なし]、経口避妊薬使用[現在使用/現在使用なし])でも、類似の結果であった。女性においては、片頭痛は心血管疾患の重要なリスク因子 片頭痛は虚血性脳卒中のリスク増加と関連していることは知られていたが、冠動脈イベントや心血管死との関連はほとんど示されていなかった。著者らは、「今後、片頭痛患者の将来の心血管疾患リスクを低下させる予防的戦略を明らかにするため、さらなる研究が必要である」としている。 なお、著者らは今回の結果について、医師による片頭痛の診断が自己報告に基づくものであること、片頭痛の前兆が不明であり、対象がすべて看護師であることなど、他の女性集団に対する一般化には限界があることを付け加えている。今後は、本邦の女性集団においても、片頭痛が同様の生物学的機序によって心血管疾患のリスクを増大させるかどうかを検討する必要がある。

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運動は効果あるの?

【運動療法】運動の効果について、教えてください運動前【骨粗鬆症】運動後運動は、骨量の維持や増加に役立ちます!毎日できそうな、自分に合った運動を見つけ、継続しましょう(その際、少し息があがるくらいの運動が良い効果をうみます。脈拍は1分間に110~130くらいが目安です)。監修:習志野台整形外科内科 院長 宮川一郎 氏Copyright © 2016 CareNet,Inc. All rights reserved.

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女性の片頭痛は心血管疾患のリスク因子/BMJ

 女性においては、片頭痛は心血管疾患の重要なリスク因子と考えるべきであるという。ドイツ・ベルリン大学附属シャリテ病院のTobias Kurth氏らが、20年以上追跡した前向きコホート研究の米国看護師健康調査II(Nurses' Health Study II:NHS II)のデータを解析し、片頭痛と心血管イベントとの間に一貫した関連が認められたことを踏まえて報告した。片頭痛は虚血性脳卒中のリスク増加と関連していることは知られていたが、冠動脈イベントや心血管死との関連はほとんど示されていなかった。著者は、「今後、片頭痛患者の将来の心血管疾患リスクを低下させる予防的戦略を明らかにするため、さらなる研究が必要である」とまとめている。BMJ誌オンライン版2016年5月31日号掲載の報告。NHS IIの女性約12万例を、20年にわたって追跡 研究グループは、NHS IIに参加した、ベースライン時に狭心症および心血管疾患のない25~42歳の女性看護師11万5,541例を対象に、1989年~2011年6月まで追跡調査を行った(累積追跡率90%以上)。 主要評価項目は、主要心血管疾患(心筋梗塞・脳卒中・致死的心血管疾患の複合エンドポイント)、副次評価項目は心筋梗塞、脳卒中、狭心症/冠動脈血行再建術および心血管死の個々のイベントとした。片頭痛のある女性、主要心血管疾患のリスクは1.5倍 11万5,541例のうち、片頭痛と診断されたと報告した女性は1万7,531例(15.2%)で、20年間の追跡期間中の主要心血管疾患の発生は1,329件であり、223例が心血管疾患で死亡した。 潜在的交絡因子の補正後、片頭痛を有する女性では片頭痛のない女性と比較し、主要心血管疾患(ハザード比[HR]:1.50、95%信頼区間[CI]:1.33~1.69)、心筋梗塞(同:1.39、1.18~1.64)、脳卒中(1.62、1.37~1.92)、狭心症/冠動脈再建術(1.73、1.29~2.32)のリスクが増加していた。さらに、片頭痛と心血管疾患死リスク増大との有意な関連が認められた(HR:1.37、95%CI:1.02~1.83)。 サブグループ解析(年齢[<50歳/≧50歳]、喫煙歴[現在喫煙中/過去に喫煙歴あり/まったくなし]、高血圧[あり/なし]、閉経後ホルモン療法[現在治療中/現在治療を行っていない]、経口避妊薬使用[現在使用/現在使用していない])でも、類似の結果であった。 なお、著者は今回の結果について、医師による片頭痛の診断は自己報告に基づくものであること、前駆症状が不明であり、試験対象がすべて看護師であるなど、限定的なものであることを付け加えている。

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複合ピルの肺塞栓症リスク、低用量エストロゲンで低減/BMJ

 複合経口避妊薬は肺塞栓症のリスクを増大することが知られるが、エストロゲンの用量を低量(20μg)とすることで、同高用量(30~40μg)の場合と比べて、肺塞栓症、および虚血性脳卒中、心筋梗塞のリスクは低減することが示された。フランス全国健康保険組織公衆衛生研究部門のAlain Weill氏らが、フランス人女性500万例を対象としてコホート研究の結果、報告した。結果を踏まえて著者は、「エストロゲン20μg用量のレボノルゲストレルを組み合わせた経口避妊薬が、全体として肺塞栓症、動脈血栓塞栓症の低リスクと関連していた」とまとめている。BMJ誌オンライン版2016年5月10日号掲載の報告。ピル服用歴のあるフランス人女性500万例を対象に観察コホート研究 研究グループは観察コホート研究にて、エストロゲン(エチニルエストラジオール)とプロゲステロンの組み合わせ用量が異なる複合経口避妊薬と、肺塞栓症、虚血性脳卒中、心筋梗塞発生との関連を調べた。 フランス全国健康保険組織のデータベースと、フランス病院退院データベースを活用。2010年7月~2012年9月に、フランスで生活をしている15~49歳の女性494万5,088例のデータを包含した。被験者は、経口避妊薬について1回以上の償還払いを受けており、がん、肺塞栓症、虚血性脳卒中、心筋梗塞について入院歴がなかった。 主要評価項目は、初発の肺塞栓症、虚血性脳卒中、心筋梗塞の相対リスクおよび絶対リスクとした。20μgレボノルゲストレル使用群では、肺塞栓症、虚血性脳卒中、心筋梗塞が低減 経口避妊薬使用が認められた544万3,916人年において、3,253例のイベント発生が観察された。肺塞栓症が1,800例(10万人年当たり33例)、虚血性脳卒中1,046例(同19例)、心筋梗塞は407例(同7例)であった。 プロゲステロンおよびリスク因子補正後、20μgの低用量エストロゲン使用群の30~40μgエストロゲン使用群に対する相対リスクは、肺塞栓症について0.75(95%信頼区間[CI]:0.67~0.85)、虚血性脳卒中は0.82(同:0.70~0.96)、心筋梗塞は0.56(同:0.39~0.79)であった。 エストロゲン用量およびリスク因子補正後、レボノルゲストレルとの比較において、デソゲストレルlおよびgestodeneの肺塞栓症の相対リスクは統計的に有意に高く、それぞれ2.16(95%CI:1.93~2.41)、1.63(同:1.34~1.97)であった。 エストロゲン20μg用量のレボノルゲストレルは、同30~40μg用量のレボノルゲストレルと比べて、3つの重大有害イベントいずれの発生リスクについても統計的に有意に低かった。

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抗精神病薬ナイーブ統合失調症患者におけるプロラクチンレベルは

 ドパミンアンタゴニストの抗精神病薬の使用は、高プロラクチン血症と関連しているが、統合失調症および関連障害の抗精神病薬ナイーブ患者においてプロラクチン濃度の上昇がみられる。スペイン・オビエド大学のLeticia Gonzalez-Blanco氏らは、これら疾患の抗精神病薬ナイーブ患者におけるプロラクチンに関する研究のシステマティックレビューおよびメタ解析を行った。Schizophrenia research誌オンライン版2016年4月5日号の報告。 PubMed(Medline)、PsycInfo、Web of Scienceより、1950年以降の英語文献を検索した。統合失調症または関連障害の抗精神病薬ナイーブ患者および対照群の血中プロラクチンデータと男女それぞれの利用可能なデータを含む男性対象の研究7件(患者群:141例、対照群:191例)、女性対象の研究5件(患者群:67例、対照群:116例)が基準を満たした。データは、著者1名が論文から抽出し、独立した2名により検証を行った。 主な結果は以下のとおり。・平均エフェクトサイズは、男性1.02(95%CI:0.77~1.26、p<0.001)、女性0.43(95%CI:0.11~0.76、p<0.01)であった。・年齢、喫煙、BMI、出版年、コルチゾールによるメタ回帰分析は、有意ではなかった。・Funnel plotを用いて評価したところ、出版バイアスの存在は示されなかった。 著者らは、「症例数が少なく限られた研究であったが、本メタ解析では、統合失調症および関連障害を有する抗精神病薬ナイーブ患者において、男女共にプロラクチンレベルが有意に上昇していることが示された。長期の高プロラクチン血症は、性機能不全や骨粗鬆症につながる可能性があり、抗精神病薬にはプロラクチン濃度をさらに上昇させるものもある」と結論付けた。抗精神病薬ナイーブ患者に対するドパミンアンタゴニストの抗精神病薬使用にあたっては、プロラクチンレベルに対し、とくに注意が必要であると考えられる。関連医療ニュース リスペリドン誘発性高プロラクチン血症への補助療法 抗精神病薬誘発性高プロラクチン血症、乳がんリスクとの関連は プロラクチン上昇リスクの低い第二世代抗精神病薬はどれか

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ビタミンKを含む食材は何

骨粗鬆症】【食事療法】ビタミンKの入っている食材を、教えてくださいビタミンKは、カルシウムの定着を助ける栄養素です。納豆のほか、ホウレンソウ、アシタバなど軟弱野菜(収穫後鮮度が早く落ちる野菜)にも、多く含まれています!監修:習志野台整形外科内科 院長 宮川一郎 氏Copyright © 2016 CareNet,Inc. All rights reserved.

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