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服薬負担を考慮した剤形・服用回数の変更提案【うまくいく!処方提案プラクティス】第15回

 今回は患者さんの服薬負担を考慮した処方提案を紹介します。さまざまな薬の剤形や規格を把握している薬剤師だからこそ提案できる場面は多くあります。薬学的な判断を行いつつ、患者さんの想いも実現できるように寄り添いましょう。患者情報90歳、女性(施設入居)体  重:50kg基礎疾患:心房細動、閉塞性動脈硬化症、高血圧症、糖尿病、褥瘡既 往 歴:とくになし直近の血液検査:TG:151mg/dL処方内容1.ジゴキシン錠0.125mg 1錠 分1 朝食後2.エソメプラゾールカプセル20mg 1カプセル 分1 朝食後3.スピロノラクトン錠25mg 2錠 分1 朝食後4.アピキサバン錠2.5mg 2錠 分2 朝夕食後5.トコフェロールニコチン酸エステルカプセル200mg 2カプセル 分2 朝夕食後6.ニコランジル錠5mg 3錠 分3 毎食後7.イコサペント酸エチルカプセル300mg 6カプセル 分2 朝夕食後8.ポラプレジンク口腔内崩壊錠75mg 2錠 分2 朝夕食後本症例のポイントこの患者さんは、以前より両下肢の冷感と違和感を自覚しており、定期訪問診療で閉塞性動脈硬化症による血流障害を指摘され、イコサペント酸エチル(以下EPA)が開始となりました。EPAには300mgの軟カプセル(直径約18mm)と、300mg/600mg/900mgの3規格の小さな粒状カプセル(直径約4mm)の分包包装があります。今回、軟カプセルが処方されたのは、いつもの定期薬と一包化することで服薬アドヒアランスに影響を与えることなく治療が可能と判断されたためです。処方提案と経過しかし、実は患者さんはこれ以上薬を増やすことが嫌で、大きい薬は服用が難しいということを話されていました。また、併用注意のアピキサバンを服用していることから、EPA1,800mg/日では出血に関わる副作用を助長する可能性があり、開始用量も慎重に検討したほうがいいと考えました。そこで、患者さんの想いに沿って、負担の少ない剤形と用法用量への変更を医師に提案することにしました。医師への疑義照会を電話で行い、アピキサバンの出血リスクからEPAは900mg/日に減量し、患者さんの心理的負担を軽減するために小さい粒状カプセルに変更して1日1回服用にまとめるのはどうか提案しました。その結果、出血リスクを懸念した医師に提案を承認してもらうことができました。現在、患者さんはEPA900mgを夕食後に1包服用しており、薬剤は増えたものの問題なく服薬を続けて症状は改善傾向にあります。

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レビー小体病とアルツハイマー病の生存率の違い

 アルツハイマー病(AD)とレビー小体病(LBD)は、2種類の代表的な認知症である。LBD患者の臨床経過がAD患者よりも不良であるかどうかについては、よくわかっていない。中国・香港大学のYat-Fung Shea氏らは、中国人LBD患者とAD患者の生存率や合併症発症について、レトロスペクティブレビューを行った。Singapore Medical Journal誌オンライン版2019年9月6日号の報告。 2008~16年にクイーン・メアリー病院のメモリークリニックに来院したADおよびLBD患者を対象に、すべてのバイオマーカーをレトロスペクティブにレビューした。ADおよびLBD診断は、臨床診断基準およびバイオマーカーによりサポートした。LBDには、レビー小体型認知症(DLB)およびパーキンソン病認知症(PDD)を含めた。ベースライン時の人口統計、臨床的特徴、認知機能障害の重症度、特定の臨床結果を収集した。 主な結果は以下のとおり。・対象は、AD患者31例、LBD患者25例(DLB:18例、PDD:7例)であった。・疾患発症時より測定した場合、LBD患者は、AD患者と比較し、全生存期間が短い(p=0.02)、転倒の早期発生(p<0.001)、嚥下困難(p<0.001)、肺炎(p=0.01)、褥瘡(p=0.003)、施設入所(p=0.03)といった特徴が認められた。・Cox回帰分析では、LBDは転倒(ハザード比[HR]:5.86、95%信頼区間[CI]:2.29~15.01、p<0.001)、嚥下困難(HR:10.06、95%CI:2.5~40.44、p=0.001)、褥瘡(HR:17.39、95%CI:1.51~200.1、p=0.02)、施設入所(HR:2.72、95%CI:1.12~6.60、p=0.03)、死亡(HR:2.96、95%CI:1.18~7.42、p=0.02)の予測因子であることが示唆された。 著者らは「LBD患者は、AD患者と比較し、生存期間が短く、事前に指定したいくつかの長期イベントが早期に発生していた。また、LBDは、これら長期イベントの独立した予測因子であることが示唆された」としている。

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第11回 陰部・肛門部の痛み【エキスパートが教える痛み診療のコツ】

第11回 陰部・肛門部の痛み陰部や肛門部の痛みを訴えられる難治性の患者さんも、少なからず見られます。しかも、座位などを取ることで、常に圧迫刺激が加わるため、仕事に影響を及ぼすことも多くなります。そのため、愁訴が複雑になることもありますので、治療に苦労することも珍しくありません。今回は、この陰部・肛門部痛を取り上げたいと思います。陰部・肛門部の痛みを5分類で考える陰部・肛門部の痛みは、感染症に伴う痛み、がんに由来する痛み、不対神経節に由来する痛み、仙骨硬膜外癒着に由来する痛み、身体表現型疼痛障害に由来する痛みに分類されます。1)感染症に伴う痛み痔ろうなどの感染によって生じる炎症痛が挙げられます。臀部の圧迫などによって生じた、褥瘡の炎症症状に由来する陰部・肛門部の痛みも存在します。2)がんに由来する痛み直腸がんや、大腸がんなどの悪性腫瘍による皮膚浸潤転移、Douglas窩転移、仙骨転移などの由来によって生じる陰部・肛門部の痛みが代表的なものです。手術歴や、再発所見があれば診断できます。3)不対神経節に由来する痛み不対神経節は、人体の交感神経節の中で最も尾側に位置しており、仙骨と尾骨の接合部の前面正中の後腹膜腔に存在しています。上位から連なって、腰仙骨の前面へと左右に走行してきた交感神経幹が、ほぼ仙尾関節の前面の高さで1つになるため、不対神経節という名称が付いています。この神経節由来の痛みとして考えられるのは、痔疾や、直腸がん手術後および同部位の外傷後に持続する陰部・肛門部の痛みです。肛門からの内診によって、仙骨部に痛みを再現できることがあります。4)仙骨硬膜外癒着に由来する痛みその他、気を付けなければならない陰部・肛門部の痛みとしては、仙骨硬膜外癒着に由来する痛みがあります。スケートなどで尻もちを着くなどして、陰部・肛門部・臀部の痛みが生じ、2~3ヵ月経過しても痛みが緩和されない場合に、仙骨硬膜外腔組織の癒着が原因となることがあります。5)身体表現型疼痛障害に由来する痛み陰部や肛門部の痛みを訴える患者さんの中には、精神的ストレスが原因になることがあります。特別な器質的な原因もなく、座位での保持が困難で、一般のベッドではうまくフィットしないため、睡眠障害も認められます。このような場合には、心理社会的な要因が存在する、身体表現型疼痛障害に由来する痛みが認められることがありますので注意が必要です。次回は、痛みの治療について述べます。1)花岡一雄ほか監修. 痛みマネジメントupdate 日本医師会雑誌. 2014;143:S148-149

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患者の死への立ち合い方-医学部で教わらなかった大切なこと

 医師として働いている以上、何百回と患者の死に立ち合う。死は医療者にとっての日常だが、患者と家族には人生で数回しかない出来事だ。ある意味、死に慣れている医療者の悪気ない言動は、時に家族の悲しみを深めてしまうことがある。死に立ち合うとき、医療者は何に気を付ければよいのだろうか? 『地域の多職種で作る「死亡診断時の医師の立ち居振る舞い」についてのガイドブック』1)作成者の日下部 明彦氏(横浜市立大学 総合診療医学教室)に話を聞いた。-当直医の心ない振る舞いが、ガイドブック作成の原点 緩和ケア病棟で責任者をしていたとき、ある当直医の先生に対して、何人もの看護師や遺族から苦情を受けていました。 患者の死亡診断時にバタバタと入室して死亡時刻だけ告げて去っていくといった医師の振る舞いが、遺族を蔑ろにしているように感じられるというのです。医療スタッフの中には、そうした当直医の言動で、それまでに緩和ケアチームで行ってきたケアを台無しにされたと感じる人もいました。 態度を改めるよう注意しようと思っても、当直医の先生は私よりもはるかに年上です。年下の私から指摘されても反発されるだけだろうと悩みました。考えた末の結論が、研究や論文として形にすることです。医師同士で話すための説得力があると思い、アンケート調査とハンドブック作成に至りました。-医師が患者の死亡診断に向かうまでの望ましい振る舞いを時系列で例示 ガイドブックでは、医師が患者の死亡診断に向かうまでの準備から退出までの望ましい振る舞いを、時系列で例示しています。 患者のカルテを確認し、お名前をフルネームで覚える、病気の経過を把握する、身だしなみを整える、自分の名前を名乗る、経過・死因の説明を行う、携帯電話ではなく時計で死亡時刻を確認するといったことです。 これらは遺族・訪問看護師・在宅医へのアンケートから、遺族が重要だと感じた項目を基にしています。 ガイドブックは1つの参考として、ご家族や先生方の働いている環境に応じて、その場の空気感を大切にしてもらえたらと思います。-患者の死期を予測してチームに周知することが医師に求められる役割 ガイドブックは死亡診断時の振る舞いに特化していますが、医師にしかできないことがほかにあります。 それは患者の死期を予測することです。なぜなら、人生の最終段階の医療・ケアは予後予測に基づいて計画されるべきだからです。 予後数週間のがん患者に対して、輸液で延命効果は得られないというコンセンサスがあります2)。また、予後数日と考えられる老衰の患者への褥瘡処置は、治癒を目的としたものではないはずです。 予後予測のエビデンスとしては、がん、老衰、慢性疾患それぞれに経過が異なることが知られています。がんの場合は、急激にADLが低下し、そのまま回復を遂げることなく数ヵ月のうちに亡くなることが一般的です。ですから、がん患者の予後予測は比較的容易といえます。老衰では徐々にADLが衰えていきます。慢性疾患では、入院を要する急性増悪のたびに亡くなる可能性がありますが、入院加療で回復する場合とそうでない場合を事前に予測することは困難です3)。 Palliative Prognosis Score4)といった指標も有用です。身体活動や食事摂取状況などをスコアリングして、1ヵ月単位の中期的な余命を算出することができます。週単位の予測指標(Palliative Prognostic Index)もあります。これらを参考に日々の身体診察を行うことで、予後予測の能力は上がっていくものと考えます。 そして予後予測は、患者に関わる多職種チームに必ず共有してほしい。その情報が共有されてこそ、患者の余命に即した治療・ケアを行うことができるからです。 老衰や慢性疾患といった予測が難しい場合も、そのときの病状で可能な限りの予測を立て、病状が変わるたびに更新し、チームに周知することが医師に求められる役割だと思っています。-患者の死が予期できなかった場合に遺族の悲しみが長期化・深刻化 予後予測は、医療スタッフと共有するためだけに行うのではありません。残された時間を家族に伝えることも重要です。それも、わかりやすい言葉で。 はっきりと伝えることで家族を傷つけるのではないかと、心配される先生もおられるかもしれません。ですが、実際はその反対です。 がん患者の家族に予後1ヵ月程度と伝えたときに、「それならば、頑張って自宅で看取ります」と前向きな返答をもらうことはしばしばあります。 患者の死が予期できなかった場合、遺族の悲しみが長期化・深刻化して複雑性悲嘆となり、疾患に発展しやすいことが知られています。配慮をもって余命をお伝えすることは、亡くなるまでの時間をより有意義に過ごすため、そして遺族の今後のために医師にしかできない最善のサポートだと思います。-医師が患者の死期を告げるには遠回しな言葉では伝わらない 医師が家族に予測を伝えるときの言葉も重要です。私たちも人間ですから、患者の死期を告げるのは心苦しいものです。「何が起きてもおかしくありません」「急変の危険があります」といった遠回しな表現になってしまうのは致し方ないことだと思います。 ただ、こうした言い方では家族に伝わらないということをぜひ知ってほしい。 ではどういった言い方がよいのか。たとえば、「数日のうちにお亡くなりになると思います」「今夜あたりお別れになると思います」といった表現は一例です。亡くなる、お別れ、といった言葉を使うと伝わりやすくなります。 言い方以上に重要なのは、予後をお伝えする意図も併せてお話しすることだと思っています。医師が患者の死期をお伝えするのは、亡くなるまでの時間をより良く過ごせるように願っているからにほかなりません。そして、最期まで家族ができることも、ぜひ伝えてほしい大切な点です。 たとえば、患者の聴覚は最期まで残っています。好きな音楽をかけたり話し掛けたりすれば、患者が明確に反応できなくても伝わっている、というようなことです5)。 患者が亡くなるまでの間に家族ができることを伝えることで、一見つらいお話をする意図が伝わりやすくなると感じています。-患者の死を遺族が健全な形で受容し立ち直っていけるサポートが緩和ケア 死はとてもデリケートな場面ですが、どのように振る舞えばいいかを医学部で教わることはありませんでした。精いっぱいの医療を提供していても、振る舞い方を知らないばかりに医療者が遺族を傷つけてしまうというのは、双方にとって悲しいことです。 WHOの定義によると、緩和ケアには遺族の悲嘆ケアも含まれています。遺族が患者の死を健全な形で受容し立ち直っていけるよう、診断から患者の死後に至るまでのサポートが緩和ケアということです。 このスキームは現在の医学部教育にも組み込まれていて、遺族ケアの視点に根差した関わり方は、今後さらに求められていきます。 私は、治療のゴールは「遺族に良い医療を受けたと思ってもらえること」だと思うのです。そうでなければ、将来にわたって医療者が信頼されることはないのではないかと。死亡診断を行う医師は、たとえ当直医であっても、遺族から見れば医療チームの1人です。医療者を代表して、遺族に良い医療を受けたと思ってもらえる振る舞いをしていくことが、医療の継続につながると信じています。 日下部 明彦(くさかべ あきひこ)氏横浜市立大学 総合診療医学教室 准教授1996年、横浜市立大学医学部卒業。横浜甦生病院ホスピス病棟長(2007年)、みらい在宅クリニック副院長(2012年)を経て、2014年より現職。初期研修修了後、消化器内科、ホスピス、在宅医を経験し、各医療機関から見た緩和ケアや終末期医療の課題解決に取り組む。■関連コンテンツCareNeTV「死への立ち合い方‐死亡診断書の書き方から遺族への接し方まで」※視聴には有料の会員登録が必要です。

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024)意外と多い、乳房下の皮膚トラブル【Dr.デルぽんの診察室観察日記】

第24回 意外と多い、乳房下の皮膚トラブルしがない皮膚科勤務医デルぽんです☆今回は、高齢者でよく見かける皮膚トラブルについて描きました。高齢者の皮膚トラブルは、爪白癬、皮脂欠乏性湿疹、褥瘡、おむつ皮膚炎などさまざまですが、意外とあるのが“乳房下の間擦疹”。間擦疹とは、乳房下や腋窩など、皮膚がくっついてこすれる部分(間擦部)に起こる皮疹のことです。一般的には高温多湿の夏に起こりやすく、とくに肥満や多汗症の人によく見られます。老人性円背の方にも多く、“やっとの思いで間擦部を広げて診察をする”といったパターンも少なくありません。お胸の大きさにかかわらず起こりうる疾患ですが、とくにお胸のたわわな方は間擦部も広いため、症状が広範囲にわたってしまいます(大きなお胸の思わぬ罠…!?)。こうした乳房下の間擦疹。紅斑を見たときにまず考えたいのが、真菌感染の有無。蒸れる間擦部では真菌感染が起こりやすいため、必ず顕微鏡検査をして、真菌がいないことを確認したうえでステロイド軟膏の外用を行います(真菌が確認されたら、抗真菌薬の外用を行います)。いずれにしても、患部を乾燥した状態に保つことが必要なため、亜鉛華軟膏の重層塗布や、ガーゼを挟み込むなどの方法で、間擦部の乾燥を促すことも大切です。高齢者に意外と多い、乳房下の間擦疹についてでした。それでは、また~!

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地方病院の認知症やせん妄患者に対するボランティア介入が再入院率に及ぼす影響

 地方の急性期病院における、認知症、せん妄、せん妄リスクを有する患者に対するパーソン・センタード(person-centered)のボランティアプログラムが臨床アウトカムに及ぼす影響について、オーストラリア・Southern NSW Local Health DistrictのAnnaliese Blair氏らが検討を行った。International Psychogeriatrics誌オンライン版2018年8月13日号の報告。 本研究は、非無作為化比較試験として実施された。対象は、オーストラリアの農村部にある急性期病院7施設に入院している高齢患者。介入群270例は、65歳超の認知症またはせん妄の診断を受けた、もしくはせん妄のリスク因子を有する患者で、ボランティアサービスを受けていた。対照群188例は、ボランティアプログラム開始12ヵ月前に同じ病院に入院し、時期が違えばボランティアプログラムの適格基準を満たしていただけであろう患者。ボランティアプログラム介入では、訓練を受けたボランティアスタッフによる、栄養・水分補給、聴覚・視覚補助、活動、オリエンテーションに焦点を当てた1:1のパーソン・センタード・ケアを提供した。ボランティアの訪問、診断、入院日数、インシデント行動、再入院、指定率、死亡、介護施設への入所、転倒、褥瘡、薬剤使用について、医療記録より評価した。 主な結果は以下のとおり。・全施設において、介入群では、1:1指定率、28日再入院率に有意な低下が認められた。・入院日数は、対照群において有意に短かった。・介入群と対照群において、その他のアウトカムに差は認められなかった。 著者らは「ボランティア介入は、地方の病院における認知症、せん妄、せん妄のリスク因子を有する急性期の高齢患者をサポートするうえで、安全かつ効果的で、再現可能な介入である。今後は、コストへの影響、家族の介護者、ボランティア、スタッフ経験に関しても報告を行う予定である」としている。■関連記事日本の認知症者、在院期間短縮のために必要なのは認知症患者と介護者のコミュニケーションスキル向上のために米国の長期介護における向精神薬を使用した認知症ケア改善に関する研究

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第4回 施設内でオペ!流血あり(>_

在宅訪問専任薬剤師のはらこし なみです。褥瘡の外科処置が目の前で・・・!高齢者専用住宅で外科的処置を経験しました...。訪問医のA先生は麻酔科出身。外科的処置も慣れていらっしゃいます。褥瘡の処置+デブリードマン(感染、壊死組織を除去し創を清浄化する)を、その場で行います。「はい、デブリするよ!」麻酔なしで痛くないのだろうか・・・。患者さんは普通の顔しています。新聞紙敷いて、ガーゼ敷いて、「はい、消毒」「はい、メス」。ザクザク皮膚を切っていきます。出血する人もいれば、そうでない人も・・・。(は~終わった。)最近、外科的な褥瘡の処置には慣れてきました。最初の頃はオロオロして見ていられませんでした。次のお部屋・・・足の親指の腫れに外用抗菌薬で様子を見ていた患者さんにオペ!足の親指が腫れて、フロモックス®錠+ゲンタマイシン®軟膏で様子を見ていた患者さんが、一向に良くなりません。点滴は嫌だとおっしゃるので、内服+外用で対応していたのですが、爪の下に膿が溜まっている様子。A先生:こりゃ~切ったほうが早いかな。私:き、切るって?どこを?(私は患者さんと同じ反応・・・汗)A先生:ん?指だよ。爪とっちゃったほうがいいよ私:爪を剥ぐってことですか?(無理です!無理です!)と思いきや、患者さんは意外に、「それでよくなるん?痛くないん?(いやいやいや、痛いだろ~!)A先生:麻酔するし大丈夫。とりあえず爪は残して下から膿み出そう!看護師さんがちゃちゃっと準備し、キシロカイン®注登場。アンプルにシリンジ。「麻酔の注射がちょっと痛いけど・・」。チューとシリンジに吸引して、足の指に何箇所も刺す。爪の周りに6箇所くらい。(ああ、だめ~!あれ?でも、最近注射針が見られるようになったかも)患者さんは口を押さえて我慢。そして、注射が終わってすぐに「消毒・メス!」爪の周りをザクザク切っていく。ひえ~血だらけ・・・どんどん下のガーゼは真っ赤になり「ガーゼだして!」。看護師さんは足を持って補助しているし、ガーゼを出すのは...私ですか!(はい、はい、はい、はい・・・ドキドキドキドキ)処置を見ながら、患者さんに痛くないですか?と聞くと、全然大丈夫と。すごいな~麻酔って。あんなにすぐ効果が出るのかあ。「はい、おしまい。あとは圧迫止血して!」看護師さんに代わり、先生はグローブを取る。お~、ドラマみたいだ。いや~現場ってすごい!先生、看護師さんてすごい!そして、やっぱり血は怖い。この頻脈・・・ケアマネさんに伝達しているときも続いていました。

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第14回 オンライン診療、対象となるケースとならないケース【患者コミュニケーション塾】

オンライン診療、対象となるケースとならないケース情報通信機器の登場によって、離島やへき地などで遠隔診療を行えば医師不足を補えるのではないか、という考えのもと、1997年に遠隔診療と「医師は、自ら診察しないで治療を(中略)してはならない」という医師法第20条との関係が整理されました。その際、対象となるのは「離島、へき地、別表の患者」として、(別表)「在宅酸素療法を行っている患者、在宅難病患者、在宅糖尿病患者、在宅喘息患者、在宅高血圧患者、在宅アトピー性皮膚炎患者、褥瘡のある在宅療養患者、在宅脳血管障害療養患者、在宅がん患者」が示されたのです。ところが、2015年に「“遠隔診療の対象は1997年に示した患者に限定されず”、別表の患者は単なる“例示”であって、それ以外の患者でも認められる」としたことから、急速に対象が広がっていきました。さらに、2016年に「対面診療を行わず遠隔診療だけで診療を完結することは医師法違反になりうる」とされた通知が、翌2017年には「患者側の理由で診療が中断した場合は、ただちに医師法違反にならない」として、禁煙外来での柔軟な対応が認められ、テレビ電話や電子メール、SNSなどを組み合わせた診療が可能との通知が発出され、さらに一部で広がりをみせました。そこで、今後適切な普及を図るためにも、一定のルールが必要ということで、今年3月にオンライン診療のガイドライン(「オンライン診療の適切な実施に関する指針」)がまとめられました。その検討会に構成員として参加した立場から、このガイドラインについてご紹介したいと思います。このガイドラインでは、そもそも「遠隔医療」とは、情報通信機器を活用した健康増進や医療に関する行為と広く定義しています。そして、その遠隔医療の一部として、医師と患者が情報通信機器を通して診察をリアルタイムで行う行為を「オンライン診療」と定義しました。また、情報通信機器を用いて患者の状態を確認し、症状や訴えから疑わしい病気を判断して、受診すべき適切な科を選択するなど、最低限の医学的判断を行う行為を「オンライン受診勧奨」と位置付けて、これもガイドラインの対象にしています。一方、常識的にどう考えても受診するほどではない症状の人に「しばらく様子をみてはどうか」「受診の必要はない」といった指示を行うことや、医学的な判断を行わず「気になるようだったら内科を受診してみては?」といった一般的な受診の勧めをした場合は「遠隔医療相談」とし、ガイドラインの対象にはなりません。ただ、これらはいずれの境目にもグレーゾーンが存在するだけに、なかなか微妙なニュアンスによって判断が難しくなる部分もあるように思います。「医師と患者の直接的な関係がすでに存在していること」が基本ガイドラインでは、オンライン診療の基本理念として、①患者から日常生活の情報も得て、医療の質のさらなる向上に結び付けていくこと②情報通信機器へのアクセスしやすさを確保して、患者がより良い医療を得る機会を増やすこと③患者が治療に能動的に参画することで、治療の効果を最大化することとしています。これは何もオンライン診療に特別のことではなく、通常の医療でも基本となる事柄です。そして、医師と患者の直接的な関係がすでに存在している場合にオンライン診療が利用されることを基本として、最初から一度も直接会うことなくオンライン診療を行わないよう、「原則として初診は対面診療」を求めています。また、オンライン診療を行っている途中で、十分な情報が得られず適切な診断ができないと判断すれば、オンライン診療を中断して対面による診療に切り替えること、としています。また、オンライン診療では触診や聴診などができず、視覚的にも画像によっては直接見る場合と色合いなどが異なる場合があります。そのため、オンライン診療では対面診療に比べて、医師が直接取得できる情報が限定されます。そのようなオンライン診療上の不利益についても、事前に患者に説明しなければならない、としています。当然ながら、治験や臨床試験などを経ていないような、安全性が未確立な医療はオンライン診療で行うべきでないと明記されました。そして、オンライン診療における利点、生じる恐れのある不利益などについて患者がしっかり理解したうえで、患者が望んだ場合に実施されるべきであり、医師側の都合のみでオンライン診療を行ってはいけないとされています。次回はより具体的な場面を想定して、ガイドラインに示されているオンライン診療の適用について、例を挙げてご紹介します。

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褥瘡(床ずれ)

褥瘡(床ずれ)【皮膚疾患】◆病状主に寝具があたる腰、かかとなどの皮膚が壊死して潰瘍となる疾患です。寝たきりの高齢者に多く、できた傷の深さや色合いなどでさまざまに分類されます。◆原因長時間の同じ姿勢による外力(圧迫やずれなど)による血流障害が原因です。とくに高齢者では、低栄養状態も原因となります。◆治療と予防・状況に応じて外用治療、切開、外科的治療を選択します。・リスクアセスメントを行い、体圧分散マットの使用や家族・介護者による早期発見が重要です。●一言アドバイス褥瘡治療は長期戦です。ご家族も含めて、ケアのチームを作りましょう。監修:ふくろ皮膚科クリニック 院長Copyright © 2017 CareNet,Inc. All rights reserved.袋 秀平氏

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突然やってくる!? 外国人患者さん対応エピソード集 第5回

第5回 強い不信感を持つ外国人患者の心はいかに開かれたのか?<Case5>母国で受けた医療により食道再建が必要となった外国人患者さんが、手術を受けるため来日。自国での経験に加え、日本で複数の医療機関に受け入れを断られたことから、患者さんの医療に対する不信感は最高潮に。そんな中、ようやく都内のある病院への入院が決まりました。最初は、担当医師の回診頻度についてなど、たびたび不満を訴えなかなか心を開かなかった患者さんが、最後には感謝の手紙を送るまでに変化したのはなぜだったのでしょうか。対談相手一般社団法人 徳洲会 国際医療支援室 渡部 昌樹 氏澤田:今回は徳洲会グループ全体の国際部機能を取りまとめている、一般社団法人 徳洲会の医療コーディネーター、渡部さんにお話を伺います。貴グループでは、湘南鎌倉総合病院を中心に、早くから外国人患者受け入れ体制を整備されてきましたが、実際の現場ではどのようなチームで外国人患者さんへの対応をされているのでしょうか。渡部:湘南鎌倉総合病院の場合、5~6人で外国人患者さんに対応する医療チームを構成しており、受け入れ前から受け入れ後まで一貫して患者さんをサポートしています。トラブルを避けるために、受け入れ前の患者選定基準を厳格に運用することや、受け入れ時も治療費の概算を事前に伝えるなどの自費診療のルールを徹底しています。澤田:素晴らしい取り組みですね。今回の事例では、どのように患者さんとの関係を構築していったのでしょうか。渡部:この事例では手術の成功と、数ヵ月にわたる入院期間で褥瘡専任看護師や、ほかの医療チームメンバーが献身的に患者さんをサポートした結果、患者さんが徐々に心を開いていったと聞いています。澤田:チーム全員で一丸となり、手厚いケアを実践したことによって、患者さんの心を動かしたということですね。そのような外国人患者さんに満足してもらえる医療を提供するために、貴グループではどのような工夫をされていますか。渡部:ポイントの1つは、患者さん自身の治療に対する真剣さを受け入れ前に確認することです。訪日患者さんの場合、言語等の問題から患者さん自身ではなく、仲介業者や知人・家族が病院と治療に関するやりとりをすることが多いため、患者さん本人の治療に対する意向と、仲介人から病院が聞いている情報との間にズレが生じるケースが少なくありません。そのような温度差があると、突然来院をキャンセルしたり、治療しても満足度が低い、という結果になりがちです。澤田:来日前からかなり密に、患者さん本人とコミュニケーションをとっているのですね。受け入れが決まって、患者さんが来院されてからは、医療コーディネーターの役割はどのようになりますか?渡部:医療はチームで行うものですので、受け入れ後、医療コーディネーターはチーム全員が気持ちよく快適に働けるように注力します。澤田:患者さんでなく医療チームに注力するのですか。意外でした。渡部:はい、とくに医師をサポートすることに力を入れます。いうまでもなく医師もコーディネーターも、医療チーム全員は、患者さんのために仕事をしています。そして基本的にその全責任を持つ医師は、大きなプレッシャーを抱えています。チームのリーダーである医師の気持ちを少しでも楽にして、医師がチームメンバーと一緒に患者さんに向き合えるよう、後ろから支えるような役割を果たすことができればと思っています。澤田:患者さんに寄り添うために、医師に寄り添う、というイメージでしょうか。渡部:はい。外国人患者さんの診察は1日の診察の最後にアレンジする場合が多いのですが、まずは前の患者さんを診察する時に医師へ労いの言葉をかけます。それだけではありますが、後に控えている外国人患者さんの診察に入る前に、少しでも医師の気持ちを楽にすることができればいいと思っています。澤田:新たな視点をいただきました。ありがとうございました。<本事例からの学び>医師に寄り添いサポートするプロがいれば、医師はもっと患者に寄り添える

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術後の栄養管理、診療科ごとの傾向と課題は?

 術後の栄養管理は、患者の回復に大きな影響を及ぼす。2010年より「栄養サポートチーム加算 200点(週1回)」の算定が可能となり、さまざまな病院で栄養サポートチーム(Nutrition Support Team、以下NST)の活動をはじめとした栄養管理に対する関心がますます高まっている。 そこで、今回は稲葉 毅氏(帝京大学医学部附属病院 外科)らによる、NSTなどの活動を通じて明らかになった各診療科の栄養管理における傾向と課題、さらにNSTの関わり方を考察した論文「外科系病棟の栄養管理 ―診療科による栄養管理の相違―」1)を紹介する。 著者の勤務する大学病院では、2006年にNSTが設置されたが、NSTへのコンサルト数は十分とは言えなかった。そこで、2010年度より褥瘡対策チームとの合同回診を開始し、栄養不良状態の患者に対応し始めた。その結果、褥瘡を有する患者には栄養不良患者が多いことが明らかになり、NSTが対応する診療科・症例が増加した。併せて、2008年から参加している欧州代謝栄養学会のnutritionDay栄養調査から、栄養管理のさらに詳しい状況を探ることができた。これらの活動における、従来NSTにコンサルトのなかった診療科との接触を通じて、術後における栄養管理の特色が明らかになった。内科系・外科系にみられる術後の栄養管理の傾向 2つの活動から示された、主な診療科における術後の栄養管理の傾向は以下のとおり。【外科系】・消化器外科:悪性腫瘍や消化管狭窄などのため、栄養状態不良の患者が多く、積極的な栄養療法が日常的に行われていた。・脳神経外科:手術後に経腸栄養を投与されているケースが多かった。術後高血糖を考慮し、糖尿病用の栄養剤を多く用いられていた。・心臓血管外科:栄養過多患者が多く、水分量を厳密に管理される傾向があるため、経腸栄養が必要なケースは少なかった。・耳鼻咽喉科:咽喉頭がんに対して栄養管理が必要なケースがあり、中心静脈栄養や末梢静脈栄養で対応されていた。また、経管栄養には習熟していない印象であった。【内科系】・神経内科:胃瘻を造設するケースが多く、経管栄養を積極的に用いる傾向にあった。しかし、栄養投与量は他科に比べて低かった(成人男性で900kcal/day程度であった)。・血液内科・呼吸器内科:慢性的に栄養不良な患者が多いが、基本的に経口摂取可能であるため栄養補助療法が十分に行われていない傾向にあった。各診療科における術後の栄養管理の課題とは さらに、著者は、各診療科において、患者の性質ごとに術後の栄養管理の課題が存在することを指摘した。 まず、内科系の診療科は、実際の摂食量にかかわらず、入院時に設定されたエネルギー制限食が漫然と投与されているケースがみられる。これに対して、外科系の診療科は、こうした漫然とした投与は少ないものの、中心静脈栄養使用時の脂肪製剤投与不足や、経腸栄養使用時の微量元素製剤の投与欠如などがみられる。 そのうえで著者は、今後このような問題症例をどのように発見していくかが課題であると強調した。さらに、NSTは自施設における各診療科の各特長を踏まえたうえで、各科の栄養治療法を学びながら栄養管理を進めていく必要があると考察した。 原著には、より詳細な調査結果や考察が記載されている。術後の栄養状態が不良な患者を抱えている先生方にはぜひ一読いただき、NSTへのコンサルトを含めた栄養管理方法を改めて検討していただきたい。

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薬剤師業務 対物から対人業務へ 第8回日本在宅薬学会学術大会

 7月19・20日、第8回日本在宅薬学会学術大会が幕張メッセ国際会議場(千葉県千葉市)で開催された。2日間で1,184人が参加し、「理論から実践へ」をテーマに、8シンポジウム34演題と一般演題78題が発表された。 基調講演には厚生労働省の鈴木 康裕氏が登壇した。団塊の世代が75歳以上となる2025年問題に触れ、高齢者の割合増加に伴い生活習慣病患者の割合が増え、服薬の機会が増加していくという社会環境の変化について説明した。それにより深刻化が懸念される残薬問題に関しては効果や安全面だけでなく、医療費の有効活用の面からも課題であるという見解を示した。また、国は今後病床数を増やさない方針であるため、在宅医療や介護人材の確保が急務であり、3~4年以内に体制をつくる必要性について説明した。 医薬分業の現状については、期待されてきた薬局の「かかりつけ機能」が十分に発揮されていない状況を指摘し、薬剤師業務は物販業務から対人業務へ転換が求められているとした。そして、来年の調剤報酬改定以降、医薬品の供給に関する点数を減らし、かかりつけ機能や在宅サービスに関わる業務の評価を上げていく方向性を示した。 日本医師会と合同開催されたシンポジウム1では、医師、看護師、薬剤師がそれぞれの立場から地域包括ケアに求められる連携について意見を述べた。在宅医療に取り組む薬剤師からは、薬剤師が処方提案したことで褥瘡が改善されたケースや減薬につながった症例が報告された。また、医師や看護師からは、患者本人の能力を超える薬剤管理が必要な処方がされた症例や、複数の医療機関からの多剤併用による有害事象などのケースについて発表がされ、より積極的な薬剤師の介入を求める声が聞かれた。また、退院支援の協力事例や病院と薬局の合同勉強会による知識や情報共有の改善事例の発表がされ、病診連携や薬薬連携強化の重要性が確認された。 学会理事長の狭間 研至氏は会見にて、薬剤師の在り方が変わるということは薬剤師だけの問題ではなく、治療方針や治療結果に関わることであるため、医師をはじめ、他職種の人々と共に考えていく必要があるとの考えを示した。そして、今回日本医師会より後援を受け、合同シンポジウムを開催できたことを評価し、来年度以降も議論を続けていきたいとした。 また、今年1月に17名が認定された在宅療養支援認定薬剤師制度について触れ、認定要件の1つとして課された症例報告から薬剤師が介入することで在宅医療の結果が変わってきていることや、学会のホームページに公開されている認定薬剤師の情報から、実際に在宅医との連携が始まったことを例に挙げ、薬剤師による在宅療養支援が実践の時代に入ってきているという所感を述べた。一方で、薬剤師の在宅業務が軌道に乗っている例はまだ少数であるため、求められる知識・技能教育の提供に加え、今後は経営面での課題解決支援や、公的な形で行政や教育機関へ実態をフィードバックしていく方針を示した。

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慢性創傷には遠隔医療による専門家のアドバイスが有用

 慢性創傷の管理はますます大きな問題となってきており、遠隔医療が効果的なアプローチとして広く認められている。これまで創傷管理における遠隔医療の臨床効果に関するエビデンスはなかったが、デンマーク・コペンハーゲン大学のKian Zarchi氏らは、前向き集団無作為化試験を行い、慢性創傷の管理の改善には、訪問看護師を創傷の専門家チームとつなげる遠隔医療の使用が有用であることを報告した。Journal of Investigative Dermatology誌2015年3月号(オンライン版2014年10月7日号)の掲載報告。 選択基準を満たした在宅ケアの慢性創傷患者90例を遠隔医療群50例、従来治療群40例に分け、1年間追跡した。褥瘡、手術創およびがん創傷の患者は除外された。 主な結果は以下のとおり。・1年後において、完全創傷治癒は遠隔医療群で35例(70%)に認められたのに対し、従来治療群は18例(45%)であった。・遠隔医療を介して創傷治癒に関するアドバイスを提供することは、従来治療と比較して治癒の有意な増加と関連した。・遠隔医療 vs 従来治療の調整済みハザード比は2.19(95%信頼区間:1.15~4.17、p=0.017)であった。

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小児救急での鎮静プロトコルは有効か/JAMA

 急性呼吸不全で人工呼吸器を装着した小児に対し看護師による目標指向型の鎮静プロトコルを行っても、通常ケアと比較して呼吸器装着期間は短縮しなかったことが示された。検討は米国・ペンシルベニア大学のMartha A. Q. Curley氏らが、31ヵ所の小児ICU(PICU)で2,449例を対象に行った集団無作為化試験の結果、報告した。探索的副次アウトカムの評価からは、挿管中の覚醒患者の割合は介入群で有意に高率であった一方、疼痛や興奮のエピソードも介入群で有意に高率であるなど、説明が困難な介入との関連が示されたという。これまでに、鎮静プロトコルは成人の救急疾患ではアウトカムを改善するが、小児への有効性については不明であった。JAMA誌2015年1月27日号掲載の報告より。31ヵ所のPICUで急性呼吸不全、人工呼吸器装着の小児2,449例集団無作為化試験 試験は2009~2013年に全米31ヵ所のPICUで行われ、急性呼吸不全で人工呼吸器装着の小児(生後2週間~17歳)2,449例が登録され、オピオイド中止後72時間まで、または28日時点もしくは退院時まで行われた。 介入PICU群(17ヵ所、1,225例)には、目標指向型の鎮静、覚醒評価、抜管準備テスト、8時間ごとの鎮静調整、鎮静離脱などを含む鎮静プロトコルが行われた。一方、対照PICU群(14ヵ所1,224例)には通常ケアに基づく鎮静が行われた。 主要アウトカムは、人工呼吸器装着期間とした。副次アウトカムは、急性呼吸不全からの回復までの期間、人工呼吸器離脱までの期間、神経学的検査、PICU入室および入院の期間、院内死亡率、鎮静関連の有害事象、鎮静薬曝露の評価(覚醒、疼痛、興奮)、離脱症状の発生率などだった。人工呼吸器装着期間に有意差なし、有害事象の発生は因果関係が混迷 結果、人工呼吸器装着期間は、両群で有意差は示されなかった。介入群の中央値6.5日(IQR:4.1~11.2)、対照群の同6.5日(同:3.7~12.1)であった。 鎮静関連の有害事象(疼痛および鎮静管理不十分、臨床的に明らかな離脱症状、不意の気管内チューブ等の抜去など)も両群間で有意な差はみられなかった。 介入群では、抜管後喘鳴を経験した患者がより多かった(7%vs. 4%、p=0.03)が、ステージ2以上の褥瘡は少なかった(<1%vs. 2%、p=0.001)。 探索的分析の結果、介入群患者のほうが対照群患者よりも、オピオイド投与日数が短く(中央値9日[IQR:5~15] vs. 10日[同:4~21]、p=0.01)、使用された鎮静薬の種類が少なく(中央値2種[IQR:2~3] vs. 3種[2~4]、p<0.001)、また挿管中の覚醒の頻度が高かった(報告があった試験日割合中央値86%[IQR:67~100] vs. 75%[50~100]、p=0.004)。 一方で介入群患者のほうが対照群患者よりも、スコア4以上の疼痛を報告した日の割合が高く(同中央値50%[IQR:27~67]vs. 23%[0~46]、p<0.001)、興奮を報告した日の割合も高かった(同中央値60%[IQR:33~80]vs. 40%[13~67]、p=0.003)。

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事例32 薬剤使用に対する病名もれでの査定【斬らレセプト】

解説事例では処置に使用した薬剤が査定となった。主に病名もれを指摘するA事由(医学的に適応と認められないもの)であったためにカルテを確認した。カルテには蜂巣炎が一部潰瘍化し、プロスタンディン®を塗布して処置を行なったことが記入されており、レセプト通りの内容であった。同薬剤の添付文書を確認すると、効能・効果には「褥瘡、皮膚潰瘍(熱傷潰瘍、糖尿病性潰瘍、下腿潰瘍、術後潰瘍)」と記載されており、潰瘍に対して使用される薬剤であった。蜂巣炎の症状が重い場合には潰瘍形成もあり得るが、レセプトには左下腿蜂巣炎のみであり、潰瘍形成の有無が読みとれない。したがって、レセプトから潰瘍形成が認められないのに潰瘍治療薬を使用しているとしてA査定となったものであろう。病名に状態が含まれる場合であっても、その状態が必然的に伴うものでない限り、病名の追加またはコメント記載が必要なのである。事例では、院外処方せんで処方した軟膏に対してもA事由で調剤薬局報酬分との相殺通知が届いた。

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事例08 トラフェルミン(商品名: フィブラストスプレー500)の査定【斬らレセプト】

解説事例のトラフェルミンが、C事由(その他の医学的理由により適当と認められないもの)にて査定となった。同剤の添付文書を見てみると効能・効果に「褥瘡、皮膚潰瘍(熱傷潰瘍、下腿潰瘍)」とあった。傷病名には褥瘡があり、部位も明記されている。左肘には熱傷潰瘍もある。トラフェルミンの査定の理由がわからなかった。しかし、レセプトの摘要欄に目をやると、トラフェルミンの使用目的が臀部から大腿にかけての皮膚潰瘍であることがコメントされていた。つまり、レセプトとコメントの傷病名と部位が一致しておらず、薬剤の用途外使用が疑われた内容である。おそらくここを根拠に査定されたものと思われる。電子レセプトチェックでは問題がなかったものの、目視のコメント精査にて査定されたものと思われる。医師に確認したところ、カルテ内容は褥瘡で問題はないが、コメント時に皮膚潰瘍と誤って記載していたとのことであった。コメントは、査定を防ぐために有効な手段であるが、レセプト本体との整合性が無い場合や説明しすぎる場合は、査定が増える傾向にある。レセプトにコメントを記入する時は、レセプト提出前に必ずレセプトとコメントの間に矛盾や過剰記載が無いように見直すことが必要である。

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在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション

かかりつけ医の在宅医療参入の教育的支援と市町村単位の多職種チームビルディングの促進を目的とした東京大学高齢社会総合研究機構の教育プログラムから、在宅医療の実践で、必ず知っておくべき疾患の基本と臨床知識を身につける領域別セッションをお届けします。取りあげる疾患は、11月からの「認知症」を皮切りに、12月「摂食嚥下・口腔ケア」、1月「栄養」、2月「褥瘡」、4月「リハビリテーション」を予定しています。対象者は、開業医、病院医師、歯科医師、薬剤師、訪問看護師、病院看護師、介護支援専門員、病院ソーシャルワーカー等です。はじめに ワークショップとグループワークのすすめ方認知症【全3回】 講義:認知症の基本的理解 事例検討:行動心理徴候(BPSD)へのアプローチ ミニレクチャー:行動心理徴候(BPSD)へのアプローチ摂食嚥下・口腔ケア【全6回】 講義1:摂食・嚥下への対応の基本 講義2:口腔ケア 事例検討1:栄養摂取方法 ミニレクチャー1:栄養摂取方法 事例検討2:嚥下リハビリテーション ミニレクチャー2:嚥下リハビリテーション栄養【全4回】 講義:在宅での栄養管理の基本 事例検討:在宅での栄養管理の基本 ミニレクチャー1:嚥下食の作り方 ミニレクチャー2:身体計測の仕方褥瘡【全3回】 講義:褥瘡のケア 事例検討:褥瘡のケア ミニレクチャー:褥瘡のケアリハビリテーション【全3回】講義:在宅でのリハビリテーションの取り組み方事例検討:脳卒中での在宅リハビリテーションの導入事例ミニレクチャー:虚弱高齢者の片麻痺の方のマネジメント講師

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