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166)手軽な食材の飽和脂肪酸に要注意【脂質異常症患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話患者薬をできるだけ使わずにコレステロールを下げたいんですが、どんな食品に気を付けたらいいですか?医師キーワードは「飽和脂肪酸」です。患者飽和脂肪酸?医師そうです。肉の脂身や菓子パンに含まれている脂肪のことです。患者なるほど。医師とくにハンバーグ、ハムやソーセージなどの加工肉の摂り過ぎには注意が必要です。これらの摂り過ぎと心臓病による死亡には関連があると言われています。患者全部、よく食べています。これから食べ過ぎに注意します。●ポイント飽和脂肪酸を含む食品として加工肉に注目することと、心血管死のリスクが増強することを説明します1)O'Sullivan TA, et al. Am J Public Health. 2013;103:e31-42.

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20歳頃~中年での体重増、慢性疾患リスクを増大/JAMA

 20歳前後から55歳にかけて体重が2.5~10.0kg増加した人は、ほぼ安定していた人に比べ、2型糖尿病や高血圧症、心血管疾患などの発症リスクが有意に高く、慢性疾患や認知機能・身体的障害などを有さずに健康な状態で年を重ねられる割合は低減することがわかった。米国・ハーバード大学公衆衛生大学院のYan Zheng氏らが、看護師健康調査(Nurses’ Health Study:NHS)と医療従事者追跡調査(Health Professionals Follow-Up Study:HPFS)を基に行ったコホート研究の結果で、JAMA誌2017年7月18日号で発表した。女性18歳と男性21歳、55歳での体重変化と健康アウトカムを検証 研究グループは、NHS(1976~2012年6月30日)に参加した女性およびHPFS(1986~2012年1月31日)に参加した男性で、女性は18歳時、男性は21歳時の体重について記憶があり、55歳時の体重を報告した人を対象に、20歳前後から中年にかけての体重変化とその後の健康アウトカムとの関連を調べた。 被験者の疾患アウトカム発生について、55歳時からフォローアップを行った。心血管疾患、がん、死亡については、診療記録やNational Death Index(国民死亡記録)で確認。また、11種の慢性疾患、主な認知機能障害または身体的障害がない状態として定義した複合健康加齢アウトカムを評価した。2型糖尿病発症率、中程度体重増加群は安定群に比べ2倍近く 分析対象者は、女性9万2,837例(うち白人は97%、37年間の平均[SD]体重増:12.6[12.3]kg)と、男性2万5,303例(うち白人は97%、34年間の平均[SD]体重増:9.7[9.7]kg)だった。 2型糖尿病発症率(10万人年当たり)について体重増加の程度で比較したところ、中程度増加群(2.5kg以上10kg未満)の女性では207に対し、安定群(体重減2.5kg以下、体重増2.5kg未満)の女性では110だった(10万人年当たり群間絶対率差[ARD]:98、95%信頼区間[CI]:72~127)。男性では、それぞれ258と147だった(ARD:111/10万人年、同:58~179)。 高血圧症発症率は、女性はそれぞれ3,415と2,754(ARD:662、95%CI:545~782)、男性はそれぞれ2,861と2,366(同:495、281~726)。心血管疾患の発症率は、女性はそれぞれ309と248(同:61、38~87)、男性はそれぞれ383と340(同:43、-14~109)。 肥満に関連したがん発症率は、女性がそれぞれ452と415(同:37、4~73)、男性がそれぞれ208と165(同:42、0.5~94)だった。 複合健康加齢アウトカムの達成者の割合は、体重が中程度増加群では、女性24%(3,651例)、男性37%(2,405例)に対し、安定群は、女性27%(1,528例)、男性39%(989例)だった。複合健康加齢アウトカムについて、体重が中程度増加群の安定群に対する多変量補正後オッズ比は、女性が0.78(95%CI:0.72~0.84)、男性は0.88(同:0.79~0.97)だった。 体重増が大きいほど主な慢性疾患発症のリスクは増大し、複合健康加齢アウトカムの達成低下との関連が認められた。

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健康的な生活で妊娠高血圧症候群後の高血圧リスク低下/BMJ

 女性の妊娠高血圧症候群(HDP)後の慢性高血圧症のリスクは、健康的な生活習慣を順守すれば明らかに低減することが可能であり、とくに健康的な体重の維持が重要であることが示された。米国・ブリガム&ウィメンズ病院のSimon Timpka氏らによる、看護師健康調査II(Nurses' Health Study II:NHS II)の観察研究の結果で、BMJ誌2017年7月12日号で発表された。これまでの研究で、HDP歴のある女性は慢性高血圧症や心血管疾患のリスクが高いことが示されている。一方で、一般集団において、健康的な生活習慣は慢性高血圧症を低減可能なことが示唆されていた。リスクを低減する生活習慣因子を調査 研究グループは、生活習慣のリスク因子と慢性高血圧症の関連をHDP歴別に調べ、さらに生活習慣因子別に、HDPから慢性高血圧症への進行の修正範囲について調べた。 対象はNHS II(1991~2013年)に参加した、経産婦で妊娠に関するデータが得られた32~59歳の女性5万4,588例で、いずれも慢性高血圧症、脳卒中、心筋梗塞の既往歴はなかった。 主要評価項目は、医師による診断または看護師被験者の自己申告に基づく慢性高血圧症。多変量Cox比例ハザードモデルを用いて、HDP歴別に、4つの生活習慣リスク因子(妊娠後BMI、身体活動度、高血圧予防[Dietary Approaches to Stop Hypertension:DASH]食の順守、食餌性ナトリウム/カリウム摂取量)と慢性高血圧症の関連を調べ、次に、各生活習慣因子とHDP既往の潜在的な修正効果(相互作用)を、過剰相対リスクを算出して調べた。とくに健康的な体重の維持が重要 ベースライン対象集団のうちHDP既往者は10%(5,520例)であった。追跡期間中の慢性高血圧症例は、68万9,988人年中1万3,971例であった。 生活習慣因子のうち過体重または肥満だけが、慢性高血圧症のリスクとの関連が一貫して高かった。とくに、BMI高値も、HDP歴と関連する慢性高血圧症のリスクを増大した(全年齢層で相互作用による過剰相対リスクのp<0.01)。たとえばHDP既往の40~49歳で、肥満度1(BMI値30.0~34.9)の女性では、慢性高血圧症リスクの25%(95%信頼区間[CI]:12~37)が、潜在的に肥満の影響に起因しており、HDP既往女性に特異的なものであった。 なお、身体活動度、DASH食、食餌性ナトリウム/カリウム摂取による、HDPと慢性高血圧症との関連への修正効果については、明白なエビデンスが示されなかった。 著者はこれらの結果を踏まえて、「妊娠糖尿病を有した女性に関して、医師はとくにHDP歴のある女性が妊娠後に健康な体重を達成・維持できるように支援を行う必要がある」と述べている。

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糖尿病患者の野菜摂取習慣と夜間頻尿が逆相関

 日本人の2型糖尿病患者において、野菜摂取習慣と夜間頻尿との間に逆相関が認められたことを愛媛大学の古川 慎哉氏らが報告した。愛媛県内の関連病院による多施設共同研究である道後Studyの研究。Journal of diabetes investigation誌オンライン版2017年7月1日号に掲載。 これまで、糖尿病患者における食事習慣と夜間頻尿の関連についての報告はなかった。本研究は、2型糖尿病患者785例を対象に、自記式調査票を用いて食事習慣を調査した。野菜摂取習慣は「毎日野菜や海草を摂取しますか?」という質問で調査した。アウトカムは夜間頻尿(夜間排尿2回以上)と重度夜間頻尿(夜間排尿3回以上)の2つを用い、喫煙、飲酒、運動習慣、脳卒中、虚血性動脈疾患、糖尿病腎症、糖尿病神経障害、糖尿病網膜症について調整した。 主な結果は以下のとおり。・夜間頻尿および重度夜間頻尿の罹患率はそれぞれ39.9%と14.4%で、野菜摂取習慣のある人の割合は67.3%であった。・交絡因子調整後、野菜摂取習慣は夜間頻尿(調整OR:0.67、95%CI:0.48~0.94)および重度夜間頻尿(調整オッズ比[OR]:0.46、95%CI:0.30~0.71)と独立して逆相関していた。・男性患者において、野菜摂取習慣は、重度夜間頻尿と独立して逆相関していた(調整OR:0.51、95%CI:0.29~0.88)が、夜間頻尿とは関連しなかった。・女性患者において、野菜摂取習慣は、夜間頻尿(調整OR:0.44、95%CI:0.24~0.79)、重度夜間頻尿(調整OR:0.34、95%CI:0.15~0.78)とも、独立して逆相関していた。

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心不全の突然死、科学的根拠に基づく薬物療法で減少/NEJM

 収縮能が低下した心不全の外来患者では、突然死の発生率が経時的に大きく低下していることが、英国心臓財団グラスゴー心血管研究センターのLi Shen氏らの調査で明らかとなった。研究の成果は、NEJM誌2017年7月6日号に掲載された。ACE阻害薬、ARB、β遮断薬、ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬などの登場以降、科学的根拠に基づく薬物療法の使用が増えるに従って、収縮能が低下した症候性心不全患者の突然死のリスクは、経時的に低下している可能性が指摘されているが、その詳細の調査は十分ではないという。駆出率≦40%の症候性心不全患者約4万例を解析 研究グループは、駆出率≦40%の症候性心不全患者(NYHAクラスII~IV)を対象に、過去20年間に実施され、1,000例以上を登録した臨床試験の参加者(植込み型除細動器[ICD]装着例は除外)のデータを解析した(中国国家留学基金管理委員会と英国グラスゴー大学の助成による)。 重み付き多変量回帰を用いて、突然死の発生率の経時的な動向の検討を行った。また、Cox回帰モデルを用いて、各試験の突然死の補正ハザード比(HR)を算出した。突然死の累積発生率は、無作為化後の複数の時点(30、60、90、180日、1、2、3年)で、心不全の診断から無作為化までの期間別(≦3ヵ月、3~6ヵ月、6~12ヵ月、1~2年、2~5年、>5年)に評価した。 1995~2014年に実施された12件の臨床試験の参加者4万195例が、解析の対象となった。突然死は3,583例(8.9%)で発生した。突然死のリスクが19年間で44%低下 ベースラインの全体の平均年齢は65歳で、77%が男性であった。95%がNYHAクラスII/IIIの患者で、駆出率の平均値は28%(試験ごとの平均値の範囲:23~32%)、心不全の原因の62%が虚血性であった。 ACE阻害薬とARBは90%以上の患者が使用していた(ACE阻害薬非使用例を対象とした1試験を除く)。一般的な傾向として、より最近の試験ほど、β遮断薬とミネラルコルチコイド受容体拮抗薬の使用例が多かった。 突然死を起こした患者は起こさなかった患者と比較して、高齢、男性、低い駆出率、高い心拍数、重い心不全症状、心不全の原因が虚血性、既往歴に心筋梗塞、糖尿病、腎機能障害、といった患者が多かった。また、突然死を起こした患者は、冠動脈血行再建術施行例が少なかった。 突然死の年間発生率は、最初期の試験(1998年に終了)の6.5%から、最近の試験(2014年に終了)の3.3%まで、経時的に低下した(傾向検定:p=0.02)。試験全体の突然死のリスクは、19年間で44%低下した(HR:0.56、95%信頼区間[CI]:0.33~0.93、p=0.03)。 無作為化後90日時の突然死の累積発生率は、最初期の試験が2.4%、最近の試験は1.0%であった。概して、180日時の突然死の累積発生率は90日時の約2倍となり、最近の試験になるほど、同様の傾向を示しつつ発生率が低下した。また、心不全の診断後の経過が短い患者は、長い患者と比較して、突然死の発生率は高くなかった。 駆出率別の解析では、どのサブグループも、試験全体と同様に突然死発生率が低下する傾向がみられ、駆出率が低いサブグループで突然死が多かった。 著者は、「これらの知見は、突然死に対するエビデンスに基づく薬物療法の蓄積されたベネフィットと一致する」としている。

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デグルデクvs.グラルギン、2型糖尿病低血糖リスクに違い/JAMA

 2型糖尿病患者において、基礎インスリン デグルデク(以下、デグルデク)はインスリン グラルギンU100(以下、グラルギン)と比較して、低血糖発現頻度の低下と関連することが示された。米国・ワシントン大学のCarol Wysham氏らによる無作為化試験「SWITCH 2」の結果で、JAMA誌2017年7月4日号で発表された。インスリン治療を受ける2型糖尿病患者において、低血糖は重大なリスクであり血糖コントロールに負の影響を及ぼす。デグルデク→グラルギン投与またはグラルギン→デグルデク投与に1対1の割合で割り付け SWITCH 2試験は2014年1月~2015年12月に、米国152施設において、2×32週間の治療期間(それぞれ、至適用量調整期16週+維持期16週)で実施された二重盲検無作為化クロスオーバーtreat-to-target試験。被験者は、低血糖リスクを1つ以上有する基礎インスリン治療を受ける2型糖尿病患者で、経口血糖降下薬の服用の有無は問わなかった。 被験者は721例で、デグルデク→グラルギン投与(361例)またはグラルギン→デグルデク投与(360例)に1対1の割合で、およびそれぞれ投与時期を朝1回投与または夕方1回投与に1対1の割合で、無作為に割り付けられた。 主要評価項目は、維持期におけるすべての重大な(米国糖尿病学会の定義に基づく)、または血糖値(<56mg/dL)で確定した、症候性低血糖の発現頻度(件/曝露患者年[patient-years of exposure:PYE])。副次評価項目は、夜間の症候性低血糖(0:01 am~5:59 amに発現した重大なまたは血糖値確定症候性低血糖)の発現頻度、維持期に重大な低血糖を発現した患者の割合などであった。デグルデクのほうがグラルギンより症候性低血糖の発現頻度が低い 無作為化された721例(平均年齢61.4[SD 10.5]歳、男性53.1%)のうち、580例(80.4%)が試験を完遂した。 維持期におけるすべての症候性低血糖の発現頻度は、デグルデク群185.6件/100PYE、グラルギン群265.4件/100PYEで、デグルデク群が有意に低かった(率比[RR]:0.70[95%信頼区間[CI]:0.61~0.80]、p<0.001、差:-23.66件/100PYE[95%CI:-33.98~-13.33])。同エピソードを発現した患者の割合は、デグルデク群22.5%、グラルギン群31.6%であった(差:-9.1%、95%CI:-13.1~-5.0)。 夜間の症候性低血糖の発現頻度は、デグルデク群55.2件/100PYE、グラルギン群93.6件/100PYEで、デグルデク群が有意に低かった(RR:0.58[95%CI:0.46~0.74]、p<0.001、差:-7.41件/100PYE[95%CI:-11.98~-2.85])。同エピソードを発現した患者の割合は、デグルデク群9.7%、グラルギン群14.7%であった(差:-5.1%、95%CI:-8.1~-2.0)。 維持期において重大な低血糖を発現した患者の割合は、デグルデク群1.6%(95%CI:0.6~2.7)、グラルギン群2.4%(95%CI:1.1~3.7)であった(McNemar検定のp=0.35、リスク差:-0.8%[95%CI:-2.2~0.5])。 なお、全治療期間においても、すべてのおよび夜間の症候性低血糖の発現頻度について、デグルデク群がグラルギン群よりも有意に低かったことが認められた。

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老人性紫斑

老人性紫斑【皮膚疾患】◆病状腕(とくに手首と肘の間)、手の甲、前胸部などにできる暗い赤紫色の斑です。通常は痛みはありませんが、時には痛いこともあります。◆原因軽くぶつけたり、掻いたりすることで毛細血管が破れ、出血することで起こります。老化で血管がもろくなることが主な原因ですが、抗凝固薬の服用、糖尿病などの要因があると起きやすいです。◆治療と予防・数週間で消えますので特別な治療は不要ですが、褐色・黄色の跡が残る場合があります。・内服薬が影響している場合、薬の変更など主治医と相談が必要です。●一言アドバイス他の病気と鑑別するため、出血傾向の有無の検査が必要となる場合があります。監修:ふくろ皮膚科クリニック 院長Copyright © 2017 CareNet,Inc. All rights reserved.袋 秀平氏

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血友病患者の高齢化で新たな対応へ

 2017年6月27日、都内においてバイオベラティブ・ジャパン株式会社は、血友病患者啓発ツール“Graphemophilia”の発刊に合わせ、「血友病治療の進歩と今後の課題」をテーマにプレスセミナーを開催した。セミナーでは、血友病治療の現在の状況のほか、高齢の血友病患者への対応など、現下の問題や今後について解説する講演も行われた。■血友病の現在 はじめに鈴木 隆史氏(荻窪病院 血液凝固科 部長)が、「血友病治療の進歩と今後の課題 ~患者さんのさらなる QOL 向上を目指して~」と題した講演を行った。 血友病は、遺伝性出血性疾患であり、基本的には男性に発症する。先天性凝固第VIII因子が欠乏する「血友病A」と、先天性凝固第IX因子が欠乏する「血友病B」に分けられる。全世界では合わせて約17万例の患者が推定され、わが国では約6,200例の患者がいるとされる。 その症状として、急性出血では、関節内、筋肉内、皮下、頭蓋内、腎、口腔内の出血などがみられ、これらが慢性化することで血友病関節症、慢性滑膜炎、関節拘縮などに進展する。とくに関節内出血は血友病の出血症状の中で最も多く、幼児期には足首、膝、股関節の出血が中心となるが、学童期には肘関節の出血も増加する。出血をするとひどく痛み、むくみや歩行困難を伴う。終局的には、人工関節置換が必要となる場合もある。そうならないためにも、「医師は日ごろの患者の歩行の様子に注意を払い、早期介入ができるようにする必要がある」と鈴木氏は説明する。■血友病の治療薬の進化と今後の課題 治療では、1960年代から出血時投与による全血または新鮮凍結血漿治療が開始された。70年代には血漿由来濃縮製剤が登場、80年代には薬害の反省から加熱処理凝固因子製剤やモノクローナル精製製剤が、90年代には遺伝子組み換え第VIII因子、第IX因子製剤が登場し、出血時投与から定期補充療法へと治療法が変遷した。さらに、2000年代になるとプラズマ・アルブミンフリー遺伝子組み換え第VIII因子製剤が登場した。そして、2014年には半減期延長型第IX因子製剤であるエフトレノナコグ アルファ(商品名:オルプロリクス 静注)が、2015年には半減期延長型第VIII因子製剤であるエフラロクトコグ アルファ(同:イロクテイト 静注)が登場し、輸注回数を減らすことによる患者負担の軽減、高いトラフ値の維持、個別化医療のさらなる進展につながると期待が持たれている。 血友病治療における定期補充療法は、生涯にわたり行われる必要かつ標準的な治療であり、現在では幼児期から行われている。こうした新しい治療薬が登場したことで、患者個々の希望や病状を把握した治療、製剤特性と患者特性に合わせた選択、活動時間内の必要凝固因子活性の決定、PKやモニター値を基にした投与量の調整などを目指せるようになった。それらによりテーラーメイド治療が行われることで、将来は「出血のない暮らしの実現」が患者にもたらされることを目指すとしている。 また、今日の治療薬の進歩により、患者の高齢化が進んでいる点を指摘。C型肝炎やHIVの感染症合併患者も今では多くの患者が生存でき、エイジングケアが必要な時代へと入りつつあるという。血友病という基礎疾患から関節症→肥満→生活習慣病の疾患サイクルが形成され、この生活習慣病から派生する糖尿病や脂質異常症、高血圧、痛風による心筋梗塞や脳出血、脳梗塞にも注意を払う時代になってきたと現在の課題を提起し、鈴木氏は講演を終えた。 最後に同社マーケティング部の小野 有以子氏が、今回の“Graphemophilia”発刊について説明した。同社にとってこれは「新しい貢献、新しい挑戦である」とし、続けて「患者が疾患の勉強に役立てられるように、本誌を患者向け疾患啓発ツールとして活用してもらいたい」と抱負を語り、セミナーは終了した。■参考バイオベラティブ・ジャパン「ヘモフィリアToday」

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ACC/AHAガイドラインの費用対効果を他ガイドラインと比較

 2013年改訂の米国心臓病学会/米国心臓協会(ACC/AHA)の脂質異常症管理ガイドラインでは、アテローム性心血管疾患の1次予防のためのスタチン使用の推奨が拡大されたが、その費用対効果について他のガイドラインとの比較はなされていない。今回、米国・マウントサイナイ医科大学のDavid J. Heller氏らが費用対効果を比較したところ、ACC/AHAガイドラインは、集団レベルでは男女共により多くの人々を治療し、より多くの命を救い、費用はATP IIIガイドラインより削減されると推計された。個人レベルではスタチンの長期使用から恩恵を受けるかどうかは、心血管リスクの程度よりも錠剤数の負担(pill burden)による負の効用(disutility)に大きく左右されるという。Circulation誌オンライン版2017年7月7日号に掲載。 本研究では、心血管疾患(CVD)Policy Modelを使用し、2016~25年の10年間で、ACC/AHAガイドラインを用いた場合の費用対効果について、現在の使用、Adult Treatment Panel III(ATP III)ガイドライン、45~74歳のすべての男性と55~74歳のすべての女性における中強度スタチンの使用と比較した。主要アウトカムは、増分費用効果比(ICER)および質調整生存年当たり10年間の治療必要数(NNT/QALY)とした。 主な結果は以下のとおり。・各々の方法は現状より大幅なベネフィットと正味の費用削減をもたらすと推定された。・ATP IIIガイドラインを完全に順守した場合、現状よりスタチン使用者が880万人多くなり、NNT/QALYは35である。・ACC/AHAガイドラインは、ATP IIIガイドラインよりもスタチン使用者が最大1,230万人多くなる可能性があり、限界NNT/QALYは68である。・45~74歳の男性と55~74歳の女性における中強度スタチン使用は、ACC/AHAガイドラインよりスタチン使用者が2,890万人多くなり、限界NNT/QALYは108である。・ベネフィットはすべての場合において女性より男性で大きい。・これらの結果はスタチン開始やスタチンの毒性に関するリスクの違いにより異なるが、日々の薬物使用(錠剤数の負担)による負の効用に大きく依存する。

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1型糖尿病の低血糖リスク、デグルデク vs.グラルギン/JAMA

 1型糖尿病患者において、低血糖は良好な血糖コントロールの大きな障壁であり、重大な低血糖は昏睡や死亡につながるおそれがある。米国・Mountain Diabetes and Endocrine CenterのWendy Lane氏らは、1型糖尿病患者における症候性低血糖の発現について、インスリン デグルデク(以下、デグルデク)とインスリン グラルギンU100(以下、グラルギン)を比較した無作為化試験「SWITCH 1」で、デグルデクによる32週間の治療はグラルギンと比較して、症候性低血糖の発現を低下させることを明らかにした。JAMA誌2017年7月4日号掲載の報告。低血糖の発現についてデグルデクのグラルギンに対する非劣性を検証 SWITCH 1試験は2014年1月~2016年1月12日に、米国84施設およびポーランド6施設において、低血糖のリスク因子を1つ以上有する1型糖尿病成人患者501例を対象に、2×32週間の治療期間(それぞれ、至適用量調整期16週+維持期16週)で実施された二重盲検無作為化クロスオーバー非劣性試験であった。 被験者は、デグルデク→グラルギン投与(249例)およびグラルギン→デグルデク投与(252例)に1対1の割合で、かつそれぞれ投与時期を朝1回投与または夕方1回投与に1対1の割合で、無作為に割り付けられた。 主要評価項目は、維持期におけるすべての重大な(米国糖尿病学会の定義に基づく)、または血糖値(<56mg/dL)で確定した、症候性低血糖の発現頻度(件/曝露人年[person-years’ exposure:PYE])。副次評価項目は、夜間の重大なまたは血糖値確定症候性低血糖の発現頻度、重大な低血糖を経験した患者の割合(どちらも維持期)などであった。主要評価項目などの非劣性マージンは、発現頻度の率比(RR)の両側95%信頼区間の上限値が1.10以下とし、非劣性が認められた場合は優越性を検証する両側検定を実施した。デグルデクのほうが全症候性低血糖の発現頻度が低い 無作為化された501例(平均年齢45.9歳、男性53.7%)のうち、395例(78.8%)が試験を完遂した。 維持期におけるすべての症候性低血糖の発現頻度は、デグルデク群2,200.9件/100PYE、グラルギン群2,462.7件/100PYEで、デグルデク群が有意に低かった(発現頻度のRR:0.89[95%信頼区間[CI]:0.85~0.94]、非劣性のp<0.001、優越性のp<0.001、発現頻度の差:-130.31件/100PYE[95%CI:-193.5~-67.16])。 維持期における夜間の症候性低血糖の発現頻度も、デグルデク群が有意に低いことが認められた(デグルデク群277.1件/100PYE、グラルギン群428.6件/100PYE、発現頻度のRR:0.64[95%CI:0.56~0.73]、非劣性のp<0.001、優越性のp<0.001、発現頻度の差:-61.94件/100PYE[95%CI:-83.85~-40.03])。 維持期に重大な低血糖を経験した患者の割合も、デグルデク群が低かった(デグルデク群10.3%[95%CI:7.3~13.3%]、グラルギン群17.1%[95%CI:13.4~20.8%]、McNemar検定のp=0.002、リスク差:-6.8%[95%CI:-10.8~-2.7])。

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高力価スタチンで糖尿病発症リスク2.6倍

 脂質降下薬が糖尿病発症に関連するかどうか調べるために、日本大学薬学部の大場 延浩氏らが、脂質異常症の日本人労働者約7万例を対象とした後ろ向きコホート研究を実施した。その結果、糖尿病の臨床的危険因子の調整後も、スタチン使用により糖尿病発症リスクが1.9~2.6倍に増加したことが示された。BMJ open誌2017年6月30日号に掲載。 本研究は、大企業の日本人従業員とその扶養家族のうち、健康診断の臨床検査データから2005年1月1日~2011年3月31日に脂質異常症を発症した20~74歳が対象。脂質異常症の基準に当てはまった最初の日をindex dateと定義した。脂質降下薬を服用していた場合、またはindex date前6ヵ月間に糖尿病の診断や治療、糖尿病を示唆する検査結果(ヘモグロビンA1c≧6.5%もしくは空腹時血糖≧126mg/dL)が示されていた人は除外した。主要アウトカムは糖尿病の新規発症とした。 主な結果は以下のとおり。・脂質異常症6万8,620例が同定された。・平均追跡期間1.96年の間に、3,674例が脂質降下薬による治療を開始していた(低力価スタチン979例、高力価スタチン2,208例、フィブラート系薬487例)。・脂質降下薬の新規使用例3,674例のうち3,621例では、使用前にどの脂質降下薬も使用していない期間があった。・糖尿病の新規発症率は、スタチン非使用例の22.6例/1,000人年に対し、スタチン使用例では124.6例/1,000人年であった。・Cox比例ハザードモデルによる、交絡因子(健康診断での臨床データを含む)調整後のハザード比は、低力価スタチンで1.91(95%CI:1.38~2.64)、高力価スタチンで2.61(同:2.11~3.23)であった。

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中国人における糖尿病、前症含めると約5割に/JAMA

 先行研究で中国の糖尿病有病率の上昇が示されていたが、同国は今や世界最大の糖尿病蔓延国であることが明らかになった。2013年時点で、中国本土の成人における糖尿病有病率は10.9%、糖尿病前症有病率は35.7%と推定されたという。中国疾病予防管理センターのLumin Wang氏らが、3年ごとに実施している慢性疾患とリスク因子サーベイランス調査(China Chronic Disease and Risk Factors Surveillance study)の2013年の結果を報告したもので、JAMA誌2017年6月27日号で発表した。なお、同調査では、糖尿病および糖尿病前症の推定有病率は、中国の民族によって異なることも明らかにされている。これまで、中国の少数民族の糖尿病有病率を調べた疫学研究はほとんどなかった。約17万例が参加、全員に血液検査とブドウ糖負荷試験を実施し、有病率を分析 研究グループは、2013年の全国的な横断研究に参加した18歳以上の成人17万287例を対象に、参加者全員の空腹時血糖値およびHbA1c値を測定するとともに、経口ブドウ糖負荷試験(2時間値)を実施した。 主要評価項目は、2010年の米国糖尿病学会基準に基づく糖尿病および糖尿病前症(HbA1c 5.7~6.4%、空腹時血糖値100~125mg/dLまたはブドウ糖負荷試験140~199mg/dL)の総計とした。糖尿病治療中の参加者では、HbA1cが7.0%未満を血糖コントロール良好と判定した。また、参加者が1,000例以上の少数民族(チベット族、チワン族、満州族、ウイグル族、回族)について、漢族と比較した。糖尿病総有病率は10.9%、ただしチベット族や回族は漢族より有意に低い 中国の成人人口全体における糖尿病(未診断の糖尿病[空腹時血糖値126mg/dL以上、ブドウ糖負荷試験2時間値200mg/dL以上、HbA1c 6.5%以上]を含む総計)の標準化有病率は10.9%(95%信頼区間[CI]:10.4~11.5%)、糖尿病前症は35.7%(95%CI:34.1~37.4%)と推定された。糖尿病と確定診断されていたのは4.0%(95%CI:3.6~4.3%)で、診断結果を認識していた患者は36.5%(95%CI:34.3~38.6%)、治療を受けていた患者は32.2%(95%CI:30.1~34.2%)であった。治療を受けていた患者のうち、49.2%は血糖コントロールが良好であった。 民族別の糖尿病有病率は、チベット族4.3%、回族10.6%、チワン族12.0%、ウイグル族12.2%、満州族15.0%で、漢族の14.7%(95%CI:14.6~14.9%)と比較し満州族を除いていずれも有意に低かった(チベット族、回族、チワン族:p<0.001、ウイグル族:p=0.002)。多変量ロジスティックモデルによる解析の結果、漢族と比較した補正後オッズ比は、チベット族で糖尿病0.42(95%CI:0.35~0.50)、糖尿病前症0.77(95%CI:0.71~0.84)、回族で糖尿病0.73(95%CI:0.63~0.85)、糖尿病前症0.78(95%CI:0.71~0.86)であった。

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DEVOTE 試験の臨床的意義

 2型糖尿病治療、とくにインスリン治療において低血糖管理は重要な問題だ。重症低血糖は心血管イベントリスク増加に関与し、患者さんの心理的負担も大きい。臨床でも、低血糖リスクの低いインスリン製剤を選択することが重要となる。これに関して今後の薬剤選択に影響を与えるデータが先日、ADAで発表された。心血管系リスクの高い2型糖尿病患者を対象にしたDEVOTE試験である。 DEVOTE試験の発表を受け、2017年7月4日都内にて、「インスリン治療の最新動向と今後の展望~第77回米国糖尿病学会の最新報告より~」と題するセミナーが開かれた(主催:ノボ ノルディスク ファーマ株式会社)。演者は、門脇 孝氏 (東京大学大学院医学系研究科糖尿病・代謝内科教授)。 以下、セミナーの内容を記載する。二重盲検CVOT試験であるDEVOTE 試験 DEVOTE試験は、基礎インスリンのインスリン デグルデクとインスリン グラルギンU100の2製剤を比較した二重盲検CVOT(心血管アウトカム)試験である。インスリン注射の臨床試験はオープンラベルで行われるものが多いが、本試験はバイアルを用いた二重盲検試験だ。この点について、門脇氏は「グラルギンかデグルデクか医療者側もわからない、という点は試験結果を評価するうえでも重要な点だ」とコメントした。 試験対象は、心血管リスクが高い2型糖尿病の成人患者7,637例(デグルデク群3,818例、グラルギン群3,819例)で、1日1回夕食~就寝の間に、デグルデク群またはグラルギン群に1対1の割合で無作為に割り付けられた。デグルデク群はグラルギン群に対して、MACEで非劣性を示した 主要評価項目として、3-point MACE(心血管死、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中)が設定された。その結果、デグルデクのグラルギンに対する非劣性が検証され(ハザード比:0.91、95%信頼区間[CI]:0.78~1.06、非劣性のp<0.001)、デグルデクはグラルギンと比較して心血管リスクを増加させないことが示された。 24ヵ月時点での2群の平均HbA1c値に有意差はなく、平均空腹時血糖値は、デグルデク群がグラルギン群よりも有意に低下していた(128±56 vs.136±57mg/dL、p<0.001)。重大な低血糖発現では、デグルデク群が優越性を示した 副次評価項目である重大な低血糖の発現件数に関しては、デグルデク群が優越性を示した(率比:0.60、95%信頼区間[CI]:0.48~0.76、優越性のp<0.001)。さらに、デグルデク群は夜間の重大な低血糖の発現件数を53%有意に低下させた。その他の有害事象の発生については、両群で差はなかった。 今回のDEVOTE試験では、心血管系リスクの高い2型糖尿病患者においてデグルデクが対照薬よりも重大な低血糖リスクが低いことが示された。これはデグルデクの他の臨床試験(BEGIN、SWITCH2)とも一貫性のある結果であった。「低血糖の心配がなければ、もっと積極的に治療する」と考える医師は多い インスリン治療において低血糖管理は重要な問題である。インスリン療法に対する医師の考えを調査した結果によると、「低血糖の心配がなければもっと積極的に治療する」との回答が7割を占めるという。医学的アウトカムも重要だが、低血糖への懸念が払拭され、患者さんのQOLが保たれるという、心理的アウトカムも同時に達成されることは、インスリン治療では重要といえるだろう。 門脇氏は、この点を踏まえ「DEVOTE試験で、デグルデクのMACEに関する非劣性と重大な低血糖リスクの有意な減少が検証されたことは、今後の治療選択においても意義深い結果である」と述べ、講演を終えた。

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カナグリフロジンによる心血管・腎イベントの抑制と下肢切断、骨折の増加(解説:吉岡 成人 氏)-694

SGLT2阻害薬による心血管イベント抑制 SGLT2阻害薬であるエンパグリフロジンが、心血管イベントの既往がある2型糖尿病患者において心血管死、総死亡、さらに腎イベント(顕性腎症の発症、血清クレアチニン値の倍増、腎代替療法の導入、腎疾患による死亡)を抑制するとEMPA-REG OUTCOME試験およびそのサブ解析で示されて以降、カナダ糖尿病学会、米国糖尿病学会の提唱するガイドラインでは、心血管リスクの高い患者におけるSGLT2阻害薬の使用を推奨している。 心血管イベント、腎イベントの抑制の機序に関しては、SGLT2阻害薬の利尿作用、腎における腎尿細管糸球体フィードバック機構への影響のみならず、血中ケトン体が増加することによる心筋や腎におけるエネルギー代謝の変化、ヘマトクリットの増加による腎への酸素供給の増加などの、一般の臨床医が想像しなかったようなメカニズムが提唱されている。このような背景をもとに、エンパグリフロジン以外のSGLT2阻害薬でも同様な臨床効果が期待されるのかどうか、カナグリフロジンを用いたCANVAS(Canagliflozin Cardiovascular Assessment Study)プログラムの結果に大きな興味が持たれていた。CANVASプログラムとCANVAS試験、CANVAS-R試験 CANVASプログラムはカナグリフロジンの第III相試験として2009年に開始されたCANVAS試験と、米国でのカナグリフロジン発売後に開始されたCANVAS-R試験によって構成されている。CANVAS試験のみでは心血管安全性を評価するための追跡人・年が不足するためにCANVAS-Rが追加試験として2014年に開始され、アルブミン尿の進展抑制を主要評価項目とし、心血管安全性を副次評価項目としている。 今回の心血管安全性の評価では、CANVASとCANVAS-Rを統合して解析がなされている。対象は心血管疾患リスクが高い2型糖尿病10,142例。標準的な薬物療法にカナグリフロジンないしはプラセボを追加する無作為化二重盲検試験で、追跡期間は平均3.6年であった。主要評価項目は心血管死、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中の複合イベントの発生率であり、カナグリフロジン投与によりこれらの心血管リスクが有意に低下(カナグリフロジン群:26.9/1,000人年、プラセボ群:31.5/1,000人年、ハザード比:0.86、95%信頼区間:0.75~0.97、p=0.02)しており、非劣性のみならず優越性が示された。さらに、カナグリフロジン群ではアルブミン尿の進展が27%抑制され、腎複合エンドポイント(eGFR低下、腎代替療法の開始、腎疾患による死亡)において40%の抑制が認められた。下肢切断と骨折のリスク 心血管イベントや腎リスクの低下は確認されたものの、カナグリフロジン群で下肢切断のリスクが約2倍に増加していた(カナグリフロジン群:6.30/1,000人年、プラセボ群:3.37/1,000人年、ハザード比:1.97、95%信頼区間:1.41~2.75)。足趾、中足骨レベルでの切断のみならず、足関節、膝下、膝上のレベルでの切断の総計も2.03倍増加している(カナグリフロジン群:1.82/1,000人年、プラセボ群:0.93/1,000人年、ハザード比:2.03、95%信頼区間:1.08~3.82)。さらに、骨折についても転倒骨折の頻度がCANVAS試験単独で1.56倍(カナグリフロジン群:12.98/1,000人年、プラセボ群:8.31/1,000人年、ハザード比:1.56、95%信頼区間:1.18~2.06)増加しており、全骨折の頻度もCANVAS試験単独で1.55倍、CANVASプログラムとして1.26倍に増加している。 平均年齢63.3歳、女性比率35.5%という対象において、下肢切断の頻度、骨折の頻度は日本人よりもはるかに高い。足病変の進展については体内の水分量の減少に伴う下肢末梢における血圧や血液循環の低下、骨折については、Ca利尿の増加、血中リン濃度やPTHの上昇による骨塩量の減少などが原因として推定されるが結論は得られていない。米国保健局(FDA)からは、2015年9月、2016年5月にカナグリフロジンと骨折、下肢切断に関する安全性情報がすでに報告されており、今回さらにリスクが強調される結果となった。カナグリフロジンの投与量と国内における情報提供 CANVASプログラムはカナグリフロジン100mg、300mg、プラセボ群がそれぞれ1:1:1の割合で、CANVAS-Rでは、100mgから開始され300mgまで増量が可能な群とプラセボ群が1:1の割合で構成されている。日本国内におけるカナグリフロジンの投与量は100mgであり、国内で認められている用量を超えた試験であるため、CANVASプログラムについて製薬メーカーが国内でプロモーションを行うことが規制されている。「ディオバン事件」の影響かと思われるものの、事実を歪曲した広告は厳に慎むべきではあるが、過剰とも思われる規制もいかがなものであろうか。

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BMI正常でも低体重で生まれた女性の糖尿病に注意

 出生時体重は成人発症型糖尿病(DM)の胎児決定因子とみなされているが、BMIとの関連における公衆衛生上の重要性は不明である。今回、国立がん研究センターの片野田 耕太氏らが実施した女性看護師コホートでの研究で、出生時体重およびその在胎期間でのパーセンタイルスコアが成人発症型DMと関連すること、またBMIが正常低値の女性において出生時体重が2,500g未満だった人は成人発症型DMリスクが高いことが示唆された。Journal of epidemiology誌オンライン版2017年6月20日号に掲載。 本研究では、日本ナースヘルス研究(JNHS)コホートにおける2001~07年のベースライン調査として自記式調査を実施した。女性看護師のボランティア参加者4万9,927人のうち、年齢30歳未満もしくは不明、現在妊娠中、30歳以前のDM発症、コア変数が不明な参加者を除外し、30歳以上の2万6,949人のデータを用いた。DM診断歴と出生時体重との関連性についてロジスティック回帰を用いて解析した。 主な結果は以下のとおり。・年齢、BMI、親のDM既往歴の調整後、出生時体重とDMの間に線形の逆相関が認められた。・出生時体重100g増加当たりのDM発症のオッズ比は0.93(95%CI:0.90~0.96)であった。・在胎期間により出生時体重をパーセンタイルスコアに変換しても、関連性は同様であった。・BMIの層別解析では、BMIが正常低値(18.5~20.9)である女性において、出生時体重2,500g未満群の3,000~3,499g群に対するDMのオッズ比は4.75(95%CI:1.22~18.44)であった。

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認知症予防の新たな標的、グルコースピーク

 平均血糖値の指標であるヘモグロビンA1c(HbA1c)は、認知症および認知障害のリスクと関連している。しかし、この関連における血糖変動やグルコース変動の役割は不明である。米国・ジョンズホプキンス大学公衆衛生学大学院のAndreea M. Rawlings氏らは、1,5-アンヒドログルシトール(1,5-AG)レベルの測定により、中年期におけるグルコースピークと認知症および20年の認知機能低下リスクとの関連を調査した。Diabetes care誌7月号の報告。 コミュニティにおけるアテローム性動脈硬化症リスク(ARIC)研究の約1万3,000例を対象に調査を行った。認知症は、動向調査、神経心理学的テスト、対象者またはその代理人との電話、認知症による死亡より確認した。認知機能は、3回の神経心理学的テストを20年間にわたり3回実施し、zスコアで示した。Coxモデル、線形混合効果モデルを使用した。1,5-AGレベルの10μg/mLで二分し、HbA1cの臨床的カテゴリ内で調査した。 主な結果は以下のとおり。・21年間の中央期間において、認知症は1,105例で発症した。・糖尿病患者では、1,5-AGの5μg/mL減少ごとに、推定認知症リスクが16%増加した(ハザード比:1.16、p=0.032)。・糖尿病およびHbA1c7%(53mmol/mol)未満の対象者の認知機能低下については、グルコースピークを有する患者は、ピークのない患者と比較し、20年間で0.19のzスコア上昇を示した(p=0.162)。・糖尿病およびHbA1c7%(53mmol/mol)以上の対象者の中で、グルコースピークを有する患者は、ピークのない患者と比較し、0.38のzスコア上昇を示した(p<0.001)。・糖尿病のない患者では、有意な関連が認められなかった。 著者らは「糖尿病患者では、グルコースピークが認知機能低下や認知症の危険因子となることが示唆された。平均血糖に加え、グルコースピークを標的とすることは、予防のための重要な手段となりうる」としている。■関連記事1日1時間のウオーキングで認知症リスク低下:東北大認知症予防に柑橘類は効果的か:東北大認知症の糖尿病合併、どのような影響があるか

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インスリン デグルデク vs.グラルギン、心血管転帰は?/NEJM

 2つの基礎インスリン製剤デグルデク(商品名:トレシーバ)とグラルギン(同:ランタスほか)について、心血管イベントリスクが高い2型糖尿病患者を対象に有効性および安全性を比較検討した結果、デグルデクはグラルギンに対して、主要な心血管イベントの発生に関して非劣性であることが示された。米国・リサーチメディカルセンターのSteven P. Marso氏らが行った「DEVOTE」試験の結果で、NEJM誌オンライン版2017年6月12日号で発表された。デグルデクは1日1回投与の持効型インスリンで、小児~成人への使用が承認されている。先行研究では非盲検試験において、デグルデクはグラルギンよりも血糖降下の日内・日差変動が小さく低血糖の発生頻度も低いことが示されていたが、心血管安全性についてはデータが示されていなかった。20ヵ国438施設で7,637例について二重盲検無作為化試験 DEVOTE試験は20ヵ国438施設で、二重盲検無作為化、treat-to-target、心血管アウトカムevent-driven法にて行われた。対象は、心血管リスクが高い2型糖尿病の成人患者で、1日1回夕食~就寝の間に、インスリン デグルデクまたはインスリン グラルギン U100を投与する群に1対1の割合で無作為に割り付けられた。 主要評価項目は、主要な心血管イベント(心血管死、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中)の初発の複合で、評価はtime-to-event解析にて行われた。事前に規定された非劣性マージンは1.3であった。また、副次評価項目として重大な低血糖(米国糖尿病学会の定義で判定)、その夜間発生の頻度、イベント発現頻度などについて評価した。 2013年11月~2014年11月の間に、7,637例の患者が無作為化を受けた(デグルデク群3,818例、グラルギン群3,819例)。このうち6,509例(85.2%)が、心血管疾患または慢性腎臓病(CKD)と診断されていた。被験者のベースライン時の平均年齢は65.0歳、糖尿病の平均罹病期間は16.4年、平均糖化ヘモグロビン値は8.4±SD 1.7%。また、83.9%(6,409例)がベースラインでインスリン投与を受けていた。主要心血管イベントの発生、デグルデクはグラルギンに対し非劣性 主要アウトカムの発生は、デグルデク群325例(8.5%)、グラルギン群356例(9.3%)であった(ハザード比:0.91、95%信頼区間[CI]:0.78~1.06、非劣性のp<0.001)。 24ヵ月時点で、平均糖化ヘモグロビン値は、各群で7.5±1.2%で有意差はなかった(事後解析において推定治療差0.01%、95%CI:-0.05~0.07、p=0.78)。一方で、平均空腹時血糖値は、デグルデク群がグラルギン群よりも有意に低下した(128±56 vs. 136±57mg/dL、p<0.001)。 事前規定の重症低血糖の発生頻度は、デグルデク群187例(4.9%)、グラルギン群252例(6.6%)、絶対差は1.7%であった(率比:0.60、優越性のp<0.001、オッズ比:0.73、優越性のp<0.001)。 有害事象の発生について、両群で差はなかった。

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昼顔【不倫はなぜ「ある」の?どうすれば?】Part 3

不倫はして良いの?これまで、なぜ不倫は「ある」のかという問いへの答えが分かってきました。それでは、不倫はして良いのでしょうか? バレなければ良いのでしょうか?その答えは、不倫は、価値観や生き方の違いであるため否定はしないですが、そのリスクやダメージを考えると推奨もしない、つまり、しない方が良いということです。ここで誤解がないようにしたいのは、一夫一妻の心理と同じように不倫の心理も進化の産物だからといって、不倫が肯定されるわけでは全くないです。例えば、私たちが甘いものをつい口にしてしまうのは原始の時代に生存のために進化した嗜好です。だからと言って、飽食の現代に甘いものを食べ過ぎて糖尿病になることを私たちは決して良しとはしないでしょう。同じように、原始の時代と違い、現代の社会構造が大きく違うため、不倫は適応的とはならないということです。その社会構造の違いを主に3つあげてみましょう。1)少子化1つ目は、少子化です。合計特殊出生率は、戦後しばらくまで4後半であったのが、2016年には1前半にまで下がり続けています。つまり、かつては子どもが4、5人いるのが当たり前だったのに、現代は1、2人でしかも一人っ子の方が多いという状況です。先ほどにも触れましたが、子どもが数人いる状況で不倫をして1人くらい婚外子がいても、許される傾向にありますが、子どもが少ない状況で不倫をすると、許されない傾向にあり、離婚のリスクが高まります。実際に、2人の子どもがいる利佳子の夫は離婚を回避しましたが、子どもがいない紗和の夫はけっきょく離婚を選択しています。よって、現代は、少子化によって、不倫による離婚リスクがますます上がるため、不倫は適応的とはならないことが分かります。2)情報化2つ目は、情報化です。1990年代以降の情報革命により、お互いの行動が、良くも悪くも、透明化されるようになりました。かつては不倫してバレそうになってもうやむやで済んでいたのに、現代はSNSをチェックしたり、携帯電話の履歴を確認したり、GPSを駆使すれば、証拠が揃い、ほとんどバレてしまいます。実際に、利佳子の夫は、GPSを使って利佳子の不倫の現場を押さえています。さらに、子どもができた場合は、DNA鑑定により、夫の子なのか不倫相手の子なのかはっきりさせることもできます。よって、現代は、情報化によって、不倫の露見リスクがますます上がるため、不倫は適応的とはならないことが分かります。3)パトロール化3つ目は、パトロール化です。不倫は、少子化や情報化によりバレやすく許されにくい状況から、個人だけでなく、社会の厳しい目にさらされるようになりました。有名人の不倫や隠し子(婚外子)にしても、かつては噂や週刊誌の報道があっても個人の問題として緩く扱われていたのに、現代は詳細な証拠がネット上に上がり、個々人のツイッターなどで意見が発信されることで社会の問題として議論され、厳しく取り締まられ、パトロールされるようになりました。実際に、紗和の不倫を知ったパート先の同僚たちは、紗和に冷たい態度を取ります。ちなみに、この世間のパトロール化は、不倫に限らず、いじめ、体罰、パワハラ、DV、虐待など様々なモラルの問題にも広がっています。よって、現代は、パトロール化によって、不倫への排斥リスクがますます上がるため、不倫は適応的とはならないことが分かります。不倫をしないためにどうすれば良いの?先ほどの不倫はして良いのかという問いへの答えは、しない方が良いでした。さらに強調したいのは、原始の社会から環境が大きく変わってしまった現代の文明社会において、甘いものへの嗜好を知ることで糖尿病にならないようにするのと同じように、不倫の心理をよく知ることで不倫に陥らないようにすることができるのではないかということです。利佳子は、まだ不倫をしていない紗和との初対面の時、何となく万引きしてしまった紗和を見抜いて、「ご主人と温かい家庭を築いてらっしゃる?」と皮肉を言い、紗和の満たされない気持ちを言い当てています。つまり、不倫をするには、先ほど整理した不倫の危険因子が潜んでいる可能性があるということです。逆に言えば、不倫の危険因子をよく知り、その対策を練ることで、予防することができるのではないかということです。ここから、不倫をしないためにどうすれば良いかの問いへの答えを、3つにまとめてみましょう。1)ルールの共有1つ目は、ルールを夫婦で共有することです。利佳子は、夫が一方的に決めたルールに完全服従をしていたため、不満がたまっていました。紗和は、夫と表面的なかかわりしか持たず、満たされていません。このように結婚生活での相手への不満を、感情的にネガティブに押さえ込むのではなく、改善点としてポジティブに理性的に言い合い、夫婦のルール作りをすることです。また、家事や育児などで協力や連携をあえてすることです。これは、お互いの仕事にほとんど干渉しない完全分業制ではなく、仕事を時間で分担するシフト制にすることでもあります。もちろん、分担の比率は、共稼ぎであれば半々であったり、夫が正社員で妻がパートの場合は3対7になるなど夫婦の働き方の状況によっても様々でしょう。ポイントは、0対10にしないようにすることです。そうすることで、お互いのやっていることを評価し合うことができます。さらに、ルールを達成したことによるご褒美やルールに反したことによるペナルティを事前に相談して決めることです。ご褒美としては、趣味、スポーツ、旅行などいっしょに楽しむ時間を設けるのも良いでしょう。ペナルティとしては、肩もみなどの奉仕も良いでしょう。そうすることで、物理的であれ心理的であれ、その夫婦の距離を縮めることができます。2)セックスの共有2つ目は、セックスを夫婦で共有することです。セックスが一方的であったり、紗和の夫のようにセックスレスのままであるのではなく、どんなセックスを望むか夫婦でオープンにしていることです。その前段階として、普段からスキンシップやキスなどの愛情表現をまめにしていることも重要です。そして、お互いがセックスで満足するため、そのバリエーションやシチュエーションを変えるのも良いでしょう。場合によっては、妻の排卵期で、夫はより野性味を演出する必要があるかもしれません。そうすることで、夫婦の性的な距離を縮め、お互いの性処理の不足を満たすことができます。3)心の共有3つ目は、心を夫婦で共有することです。利佳子が「3年で冷蔵庫扱い」と表していたように、「愛は4年で終わる」と唱える学者もいます。これは、子どもが4歳になり身体的自立ができる年数であり、進化心理学的には、愛が4年続きさえすれば生殖の適応度を保てたのでしょう。しかし、現代の夫婦関係は、原始の時代のように性欲という「愛」だけでつながっているわけではありません。お互いがお互いを特別な相手として大事にし合い必要とし合う連帯意識でもつながっています。そのわけは、社会が高度に複雑化した現代だからこそ、子どもが心理的自立をする10代まで引き続き子育てを協力してできるように、家族機能を維持する必要があるからです。例えば、それは、いっしょに苦労をして、その苦労をねぎらい、相手の幸せを願うことです。つまり、夫婦関係は、愛情だけでなく「情」でもつながっているということです。そして、大事なことは、夫婦関係とは、性欲による単純なものではなく、「情」が愛情を強化し維持するという複合的なものであるということを理解することです。そうすることで、夫婦の愛情欲求と承認欲求を満たすことができます。「倫(みち)」とは?不倫に陥った紗和、利佳子、裕一朗のそれぞれの夫婦が、もしも先ほどのルールの共有、性の共有、心の共有を行っていたら?おそらく不倫に陥ることはなく、このドラマは成り立たないことになってしまうでしょう。彼らから私たちが学ぶことは、夫婦のより良い信頼関係を築くことです。さらには、親子の、家族の、地域の、そして社会のより良い信頼関係を築くことでもあります。そのためには、相手のことだけでなく、相手の家族、友人、ご近所、職場などより多くの見えない人たちにも思いを馳せることです。その大切さを理解した時、私たちは、決して「不倫」ではなく、より良い「倫(みち)」を、相手といっしょに突き進んでいくことができるのではないでしょうか?<< 前のページへ1)亀山早苗:人はなぜ不倫をするのか、SB新書、20162)ジャレド・ダイアモンド:人間の性はなぜ奇妙に進化したのか、草思社文庫、20133)榎本知郎:性器の進化論、化学同人、2010

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1分でわかる家庭医療のパール ~翻訳プロジェクトより 第37回

第37回:潜在性甲状腺機能亢進症はどのような時に治療すべきか?監修:表題翻訳プロジェクト監訳チーム TSH、Free T4を臨床の場や人間ドックで測定することはよくありますが、FreeT4が正常、TSHが基準値より低値を示す場合があり、稀に潜在性甲状腺機能亢進の状態を認める患者と遭遇することがあるかと思います。こういった場合にどのようなリスクを考え、どのような患者に対して治療や専門家への相談を行うべきでしょうか。今回の記事では、潜在性甲状腺機能亢進症に対する米国甲状腺学会の治療方針について紹介したいと思います。 以下、American Family Physician 2017年6月1日号より1) より<潜在性甲状腺機能亢進症とは>潜在性甲状腺機能亢進症はFreeT4とT3値が正常であるが、TSHが低値または検出されない状態と定義される。潜在性甲状腺機能亢進症はTSH値で2つのカテゴリーに分類される。1)TSH値が低値だが検出される(たいていは0.1~0.4mlU/L)2)TSH値が0.1mlU/L以下である潜在性甲状腺機能亢進症は、内因性に過剰に甲状腺ホルモンが作られたり、甲状腺がんを抑制するために甲状腺ホルモンの内服を行っていたり、甲状腺機能低下症の患者に対し過剰に甲状腺ホルモン補充療法を行った結果生じる。内因性の潜在性機能亢進症の最も頻度の高い原因としては、Graves(Basedow)病、中毒性甲状腺結節、中毒性多結節性甲状腺腫(プランマー病)が挙げられる。一時的な甲状腺TSHの抑制の原因としては、亜急性甲状腺炎、無痛性甲状腺炎、産後甲状腺炎が挙げられる。潜在性甲状腺機能亢進症の最も多い原因は、甲状腺ホルモン補充療法によるものである。低TSHが、潜在性甲状腺機能亢進症によるものか、その他の甲状腺の機能亢進と関係しない原因によるものかを病歴などから鑑別する必要があり、その他の原因としては、ドパミンやグルココルチコイドの使用、Sick Euthyroid Syndrome(低T3症候群)、TSH産生下垂体腺腫などが挙げられる。<どのような影響があるのか?>これまでの研究では、潜在性甲状腺機能亢進症と心血管系イベントや骨折のリスクについての関係性が示唆されている。最新の研究では、TSH値が0.1以下の潜在性甲状腺機能亢進症の患者で、とくに高齢者における心血管系イベントや骨折のリスクに対してのエビデンスが明らかとなってきている。<心血管系への影響>平均心拍数の増加、心房細動と心不全のリスク、心左室の腫瘤形成、拡張不全、心拍数の変動性を減少させる。とくに65歳以上の患者において、Euthyroidの患者と比較すると、潜在性甲状腺機能亢進症の患者は心血管系のイベントが多くなる。<骨・ミネラルの代謝への影響>すべての甲状腺機能亢進を来す病態において、骨代謝回転の増加や、骨密度(とくに皮質骨)の減少を認め、骨折のリスクとなることが明らかとなっている。<いつ治療を考慮するべきか?>米国甲状腺学会では、以下のような推奨を出している。治療を行うべき場合TSH値が持続的に0.1mlU/L未満の患者の中で、1)年齢が65歳以上の場合2)65歳未満においては、心疾患・骨粗鬆症の既往や、甲状腺機能亢進による症状を有する場合3)65歳未満、閉経後でエストロゲンやビスホスホネートの内服がない場合治療を考慮すべき場合TSH値が持続的に0.1mlU/L未満の患者の中で、1)TSH値が0.1~0.4mlU/Lである65歳以上の患者2)TSH値が0.1mlU/L未満で無症状の65歳未満の患者3)TSH値が0.1~0.4mlU/Lで無症状だが心疾患の既往がある、または甲状腺機能亢進による症状が存在する65歳未満の患者4)TSH値が0.1~0.4mlU/Lで無症状の閉経後女性で、エストロゲンやビスホスホネートの内服のない65歳未満の患者※本内容にはプライマリ・ケアに関わる筆者の個人的な見解が含まれており、 詳細に関しては原著に当たることを推奨いたします。 1) DONANGELO I,et al. Am Fam Physician. 2017;95:710-716

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米国内科専門医試験、出題内容と実臨床の一致率は約7割/JAMA

 米国で内科医の資格を得るには、米国内科試験委員会(American Board of Internal Medicine:ABIM)の認定資格維持(Maintenance of Certification:MOC)試験に合格することが必須である。その出題内容について、実際に内科医が遭遇する割合は、およそ7割であることが、米国・ABIMのBradley Gray氏らが行った検討で明らかにされた。結果について著者は、「現行の内科(IM)-MOC試験内容は、実際の診療内容を反映した妥当なものと言えるが、31%の設問が実態と合致しておらず、この点については改善の余地がある」とまとめている。JAMA誌2017年6月13日号掲載の報告。全米外来診療調査と全米退院調査を基に、実際の診療内容を調査 研究グループは、2010~13年のIM-MOC試験の内容について、出題された設問のうち、糖尿病、虚血性心疾患、肝臓病といった186カテゴリーの病状に関するものが、実際の外来・入院患者の診療において内科医が遭遇する状況と、どの程度合致するのかを検証した。 全米の状況を反映する一般内科の診療内容については、2010~13年の全米外来診療調査(National Ambulatory Medical Care Surveys)の1万3,832件の主診断と、2010年の全米退院調査(National Hospital Discharge Survey)の10万8,472件の主診断を活用した。 IM-MOC試験に出題された病状のうち、一般内科医が実際に遭遇した病状との一致率を算出した。外来診療のみでは約6割、入院診療のみでは約4割の一致 2010~13年のIM-MOC試験で出題された問題数は合計3,600題だった。そのうち、186の病状カテゴリーに関連した設問は3,461題(96.1%)だった。症状カテゴリー当たりの平均設問数は18.6題。 出題された3,461題のうち、実際の外来・入院患者の診療内容と一致したのは2,389題(158病状カテゴリー)だった(69.0%、95%信頼区間[CI]:67.5~70.6)。 個別にみると、外来診療のみでは、実際の診療内容と一致したのは2,010題(145病状カテゴリー)で一致率は58.08%(95%CI:56.43~59.72)。入院診療のみでは1,456題(122病状カテゴリー)で一致率は42.07%(同:40.42~43.71)だった。

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