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各抗うつ薬に対する患者の主観的満足度の比較

 現在、異なる作用機序を有するさまざまな抗うつ薬が利用可能であるが、その有効性および安全性に有意な差があるかは、よくわかっていない。また、各抗うつ薬に対する主観的な経験に関するデータを組み込んだ検討は、ほとんど行われていなかった。アルゼンチン・AREA(Assistance and Research in Affective Disorders)のSebastian Camino氏らは、各抗うつ薬に対する患者の主観的満足度について、比較検討を行った。Psychological Medicine誌オンライン版2022年3月29日号の報告。使用されている抗うつ薬で満足度が高かった薬剤 薬剤に関する患者評価のWebサイト(www.askapatient.com)から、さまざまな抗うつ薬についての投稿を定性的および定量的に分析した。1,000件の投稿をランダムサンプルとして確認した。 さまざまな抗うつ薬の評価を定性的および定量的に分析した主な結果は以下のとおり。・包含基準および除外基準を適用し、450件の投稿が分析サンプルに含まれた。・450件には、最も使用されている抗うつ薬(セルトラリン、citalopram、パロキセチン、エスシタロプラム、fluoxetine、ベンラファキシン、デュロキセチン、ミルタザピン、bupropion)それぞれの投稿50件が含まれた。・全体的な満足度が高かった薬剤は、bupropion、citalopram、ベンラファキシンであった。・セルトラリン、パロキセチン、fluoxetineでは感情鈍麻の報告が多く、bupropionでは少なかった。・抗うつ薬治療に対する全体的な満足度は、自殺傾向、過敏性、感情鈍麻、認知機能障害、禁断症状などの有害事象との逆相関が認められた。・交絡因子で調整した後、セロトニン作動性薬を使用した患者では、非セロトニン作動性薬と比較し、感情鈍麻のみ報告頻度が高かった。 著者らは「抗うつ薬は薬剤間に違いがあることから、選択する際には、治療中の患者の主観的な経験を考慮すべきであることが示唆された。感情鈍麻を引き起こす可能性の低い薬剤である非セロトニン作動性薬の選択は、患者の満足度の向上につながる可能性がある」としている。

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医師の年収額に対する満足度、コロナ前より微増か/1,000人アンケート

 ケアネットでは、3月10日(木)に会員医師1,000人を対象に、インターネットによる「年収に関するアンケート」を行った。その中で、ご自身の年収額が妥当と思うかと尋ねたところ、27%が「そう思う」、36%が「ややそう思う」と回答し、63%の医師が、現在の年収におおむね満足していることがわかった。コロナ禍以前の3年前の同調査と比較すると、4%の上昇だ。1,000万円未満の年収帯の満足度が上昇 年収額の妥当性について年収帯別にみると、600万円未満のうち58%が、600~800万円のうち55%が、800~1,000万円の55%が「そう思う」または「ややそう思う」と回答していた。1,000~1,200万円の年収帯では50%にやや落ち込むが、1,200~1,400万円で59%に続き、1,400~1,600万円で60%を超えた。3年前と比較すると、1,000万円未満の年収帯で、総じて満足度が上昇していた。 年収額の妥当性について年代別では、どの年代でも半数以上が「そう思う」「ややそう思う」のいずれかを回答しており、年代が上がるごとに上昇していた。35歳以下:54%36~45歳:58%46~55歳:63%56~65歳:68%66歳以上:74% 3年前と比較して、もっとも顕著に変化したのは「年代別・病床数別」の35歳以下・20床未満の項目で、2019年は「そう思う」「ややそう思う」の回答が22%と低めだったのに対し、2022年では69%まで上昇していた。 上記のほか、男女別、勤務先別、診療科別の集計についても、以下のページで発表している。医師の年収に関するアンケート2022【第3回】年収額の妥当性医師の年収に関するアンケート2019【第3回】年収額の妥当性

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オミクロン株患者の症状報告、喉の痛みや嗅覚障害の割合は?/Lancet

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の症状研究のアプリとして知られる「ZOE COVID」の登録者について調べたところ、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)オミクロン変異株を特徴付ける症状の有病率と、デルタ変異株の同有病率は異なることが示された。英国・キングス・カレッジ・ロンドンのCristina Menni氏らが、ZOE COVIDに登録した6万例超を対象に行った解析結果を報告した。オミクロン変異株の症状は、明らかに下気道に関与したものが少なく、入院となる可能性も低かった。オミクロン変異株はデルタ変異株よりも重症化リスクは低いことが明らかになっている。結果を踏まえて著者は、「オミクロン変異株は、発症の期間は短いが感染性の可能性はあることを示している。今回得られたデータは、労働衛生政策および公衆衛生アドバイスに影響を与えると思われる」とまとめている。Lancet誌オンライン版2022年4月7日号掲載の報告。COVID-19症状研究アプリの登録者データを解析 研究グループは、ワクチン接種を受けた集団における、発症率、入院リスクおよび症状の持続期間の違いを定量化する前向き縦断観察研究を行った。「ZOE COVID」に登録し、検査結果と症状を自己報告した参加者のデータを収集して解析。英国在住の16~99歳、BMI値15~55で、いずれかのCOVID-19ワクチンを2回以上接種しており、症候性PCR検査陽性またはSARS-CoV-2イムノクロマトグラフィの結果を、試験期間中ログに記録していた参加者を適格とした。 主要アウトカムは、発症(アプリでモニタリングした32症状)または入院で、陽性検査結果の判定前後7日以内の発生率について、オミクロン変異株流行中とデルタ変異株流行中を比較した。喉の痛みはオミクロン株のほうが有意に多い 2021年6月1日~2022年1月17日に、ZOEアプリでSARS-CoV-2陽性の検査結果と症状を報告した6万3,002例を特定し解析した。被験者を、年齢、性別、ワクチン接種回数でマッチングし、1対1の割合でデルタ変異株流行期間(2021年6月1日~11月27日、デルタ変異株罹患率70%超、4,990例)とオミクロン変異株流行期間(2021年12月20日~2022年1月17日、オミクロン変異株罹患率70%超、4,990例)の群に割り付けた。 嗅覚障害は、オミクロン変異株流行期間中のほうがデルタ変異株流行期間よりも有意に少なかった(16.7% vs.52.7%、オッズ比[OR]:0.17、95%信頼区間[CI]:0.16~0.19、p<0.001)。 喉の痛みは、オミクロン変異株流行期間中のほうがデルタ変異株流行期間よりも有意に多かった(70.5% vs.60.8%、OR:1.55、95%CI:1.43~1.69、p<0.001)。 入院率は、オミクロン変異株流行期間中のほうがデルタ変異株流行期間よりも有意に低率だった(1.9% vs.2.6%、OR:0.75、95%CI:0.57~0.98、p=0.03)。

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de novo転移の去勢抵抗性前立腺がん、3剤併用でPFSとOS改善/Lancet

 de novo転移のある去勢抵抗性前立腺がんに対し、アンドロゲン除去療法+ドセタキセルにアビラテロンを追加したトリプレット療法は、画像診断による無増悪生存(PFS)および全生存(OS)を改善することが示された。有害事象については、主に高血圧症の発生率が上昇したが、好中球減少症、神経障害などの発生率は増加しなかった。フランス・パリ・サクレー大学のKarim Fizazi氏らが、欧州7ヵ国1,173例を対象に行った第III相の非盲検無作為化2×2因子デザイン試験「PEACE-1試験」の結果を報告した。転移のある去勢抵抗性前立腺がんに対する現行標準治療は、ドセタキセル、第2世代ホルモン療法もしくは放射線療法いずれかとアンドロゲン除去療法による併用療法となっている。今回の結果を踏まえて著者は「トリプレット療法は標準治療となりうるものだろう」と述べている。Lancet誌オンライン版2022年4月8日号掲載の報告。ベルギー、フランスなどでオープンラベル無作為化2×2因子デザイン試験 研究グループは、放射線治療の有無を問わず、標準治療+アビラテロン+プレドニゾンの有効性と安全性を評価する目的で、2013年11月~2018年12月にかけて、欧州7ヵ国(ベルギー、フランス、アイルランド、イタリア、ルーマニア、スペイン、スイス)の77病院で「PEACE-1試験」を行った。 組織学的または細胞学的に確認されたde novo転移のある前立腺がんで、ECOGパフォーマンス・ステータス0~1(または骨痛による2)の18歳以上の男性を無作為に4群に分け、(1)標準治療(アンドロゲン除去療法単独または同療法とドセタキセル75mg/m2静注3週ごと)、(2)標準治療+放射線治療、(3)標準治療+アビラテロン(経口アビラテロン1,000mg/日+経口プレドニゾン5mgを1日2回)、(4)標準治療+放射線治療+アビラテロンをそれぞれ実施した。研究者と患者は、治療割り付けをマスキングされなかった。 主要評価項目は2つで、画像診断によるPFSおよびOS。アビラテロンの有効性は、まず被験者全集団で行い、次に標準治療としてアンドロゲン除去療法+ドセタキセル投与を行った集団で評価された。アビラテロン群のPFSハザード比0.54 2013年11月27日~2018年12月20日に、1,173例が登録され(その後1例がデータ解析について承諾を取り下げ)、(1)標準治療(296例)、(2)標準治療+放射線治療(293例)、(3)標準治療+アビラテロン(292例)、(4)標準治療+放射線治療+アビラテロン(291例)を受けた。 画像診断によるPFSに関する追跡期間中央値は3.5年(IQR:2.8~4.6)、OSに関する追跡期間中央値は4.4年(3.5~5.4)だった。 補正後Cox回帰モデルにより、アビラテロンと放射線治療に相互作用が認められなかったため、アビラテロンの有効性についてはプール解析が行われた。被験者全集団では、アビラテロン群(583例)は、非アビラテロン群(589例)に比べ、画像診断によるPFS期間(ハザード比[HR]:0.54、99.9%信頼区間[CI]:0.41~0.71、p<0.0001)、OS期間(0.82、95.1%CI:0.69~0.98、p=0.030)のいずれにおいても延長が認められた。 アンドロゲン除去療法+ドセタキセルが投与された被験者(アビラテロン投与・非投与を含む355例)においても、画像診断によるPFSのHR(0.50、99.9%CI:0.34~0.71、p<0.0001)、同OSのHR(0.75、95.1%CI:0.59~0.95、p=0.017)に一貫性が認められた。 アンドロゲン除去療法+ドセタキセルが投与された被験者において、Grade3以上の有害事象の発生は、アビラテロン追加群217/347例(63%)、アビラテロン非追加群181/350例(52%)で、なかでも高血圧症の発生率の差が最も大きかった(76例[22%]vs.45例[13%])。一方で、アンドロゲン除去療法+ドセタキセルにアビラテロンを追加投与した群は、アビラテロンを追加しなかった群に比べ、好中球減少症、発熱性好中球減少症、疲労感、神経障害の発生率が増加しなかった。

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日本人乳がん経験者、皮膚関連副作用で困っていること

 がん治療後の皮膚関連症状の多くは生命予後にあまり影響しないことから軽視されがちであり、患者自身も治療から長期間経った場合に医療関係者に相談してよいものか悩んでいるケースがある。しかしその実態は十分に調査されていない。身原皮ふ科・形成外科クリニックの身原 京美氏らは国内の乳がん経験者約370人に対してアンケート調査を実施。その結果をProgress in Medicine誌2022年3月号に報告した。乳がん生存者を対象に皮膚関連症状のアンケート調査を実施 本研究では、日本国内の9つの乳がん患者会を通じて20歳以上の女性の乳がん生存者を対象にアンケート調査を実施した。調査票は、1)回答時点における主要な皮膚関連症状の有無と、Numerical Rating Scale(NRS)を用いた0~10の11段階で困っている程度を評価、2)症状の低減が期待できる治療(一般薬、医薬部外品などを含む)に対する1ヵ月当たりの自己負担での支出意欲の確認、3)皮膚関連の国際的なQOL評価尺度であるSkindex-29を用い、回答時点の直近1週間における皮膚関連症状に起因する現状のQOLの評価から構成された。乳がん生存者の50%以上が乾燥、色素沈着、しびれ・感覚異常を訴えた 乳がん生存者を対象に皮膚関連症状のアンケート調査を実施した主な結果は以下のとおり。・369人の回答者の平均年齢は60.3歳で50代が最も多かった(33.9%)。・乳がんと診断されてからの経過年数は最短が5ヵ月、最長が35年0ヵ月(平均8年10カ月)と広く分布しており、全体の7割は10年以内であった。・乳がんの治療内容は、手術に関しては乳房温存手術が55.3%、乳房切除術が48.0%であった。放射線治療は62.1%が受けたと回答した.薬物療法に関しては、59.6%が化学療法、19.0%が分子標的薬による治療、78.0%がホルモン療法を受けていた。再発・転移について「ある」と回答したのは15.2%であった。・乳房およびその周辺での乳がん治療薬あるいは放射線治療による皮膚関連症状の有無については、63.1%が「副作用がある」と回答した。・皮膚症状として50%を超えたのは、カサカサ・乾燥(70.8%)、色素沈着(50.6%)、しびれ・感覚異常(50.6%)であった。・困っている程度は、NRSスコアが高い順に、むくみ(4.78)、しびれ・感覚異常(4.65)、つっぱる・かたい(4.78)であった。・脱毛や髪質の変化については58.3%が「ある」と回答し、困っている程度はNRSスコアが5.41と、今回確認した項目の中で最も高かった。・手や足の爪については、3割前後が変色や変形、爪が折れやすいなどの症状の持続を自覚しており、困っている程度はNRSスコアが高い順に、爪が折れやすい(4.53)、爪の変形(4.26)、爪の変色(3.98)であった。・症状軽減を目的とした治療費の支払い意思額は、「月額3,000円まで」が最も多かった(38.5%)。・皮膚関連症状の有無を治療内容別に比較したところ、乳房温存手術と乳房切除術の比較において、カサカサ・乾燥、かゆみ、汗が出ないの3症状は乳房温存手術で有意に多く認められ、しびれ・感覚異常は乳房切除術で有意に多く認められた。・放射線治療ありとなしの比較において、放射線治療ありで、カサカサ・乾燥、色素沈着、汗が出ないが有意に多く認められた.・化学療法ありとなしの比較において、化学療法ありで、むくみ、爪の変色、爪の変形、爪が折れやすい、脱毛や髪質の変化が有意に多く認められた.・ホルモン療法は、その有無で症状の頻度に有意な差を認めなかった.・乳がん診断からの経過年数と、それぞれの皮膚関連症状のために困っている程度(NRSスコア)や支出意欲との相関をみると、脱毛や髪質の変化のみで時間経過に伴う有意な低減がみられたが、これ以外の項目で有意差はなかった。 著者らは、個人差はあるものの、60%以上が何らかの皮膚関連症状を有しており、各皮膚関連症状の困りごとの程度や治療に対する支出意欲は、乳がんと診断されてからの期間による大きな変化はなく、乳がん経験者の多くは長期にわたり皮膚に関連する症状に悩み、負担を感じていることが示唆されたとしている。

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デルタ株、オミクロン株感染に対するBNT162b2の3回目接種の感染/発症、入院予防効果(解説:山口佳寿博氏/田中希宇人氏)

 今回取り上げたMoreiraらの論文(Moreira ED Jr, et al. N Engl J Med. 2022 Mar 23. [Epub ahead of print])はBNT162b2(商品名:コミナティ筋注)の3回目接種の効果を検証した第III相試験の結果を提示したものである。この論文の解釈において注意しなければならない点は、試験が施行された時期の背景ウイルスが現在の問題ウイルスであるオミクロン株ではなく、それ以前のVOC(Variants of concern)であるという事実である。すなわち、Moreiraらの論文に示された内容は、現在、あるいは近未来において、“Real-world”で深刻な問題を提起するであろうオミクロン株に対する抑制効果を示すものではない。それ故、本論評ではMoreiraの論文に基づき一世代前の変異株であるデルタ株に対するBNT162b2の3回目接種による予防効果とAndrewsら(Andrews NA, et al. N Engl J Med. 2022 Mar 2.)が発表したオミクロン株に対する3回目接種の予防効果を比較し、両者の差を説明する液性免疫、細胞性免疫の動態について考察する。デルタ株に対するBNT162b2の3回目接種による感染、入院予防効果 Moreiraらは2回目ワクチン接種より中央値で約11ヵ月後に3回目接種を施行した18歳以上の症例を対象として3回目接種より中央値で2.5ヵ月の経過を観察した。治験開始は2021年7月1日、デ-タ集積締め切りは2021年10月5日であった。この時期の主たる背景ウイルスはデルタ株であり、治験の結果はデルタ株に対する予防効果を示すものである。3回目接種後のデルタ株感染予防効果は2ヵ月未満で94.8%、2~4ヵ月で93.3%であった。ワクチン2回接種後の感染予防効果は3%/月の割合で低下するので(Thomas SJ, et al. N Engl J Med. 2021;385:1761-1773.)、2回接種11ヵ月後には60%前後まで低下していたはずである。すなわち、2回接種後の時間経過に伴い低下したデルタ株に対する感染予防効果は、3回目接種により2回目接種後の最大値付近(90~95%)まで回復した。しかしながら、一度回復したデルタ株感染予防効果はその後の時間経過に伴い再度低下した。 重症化予防の1つである入院予防効果は2回目接種5ヵ月後にも90%台の高い値を維持し(Tartof SY, et al. Lancet. 2021;398:1407-1416.)、3回目ワクチン接種による入院予防効果の底上げは著明なものではない(Thompson MG, et al. Morb Mortal Wkly Rep. 2022;71:139-145.)。オミクロン株に対するBNT162b2の3回目接種による感染、入院予防効果 Andrewsらはオミクロン株に対するBNT162b2の2回接種、3回接種の効果を報告した。オミクロン株に対する発症予防効果(感染予防効果とほぼ同等)はワクチン2回接種2~4週後に65.5%であったものが接種後25週以上経過すると8.8%まで低下した。定性的に同様の結果は英国健康安全保障庁(UKHSA)からも報告されている(UKHSA. Technical Briefing. 2021 Dec 31.)。ワクチン2回接種後25週以降に8.8%まで低下したワクチンの発症予防効果は3回目ワクチン接種2~4週後には67.2%まで回復した。しかしながら、3回目接種から10週以上経過するとワクチンの発症予防効果は45.7%まで再度低下した。 オミクロン株に対する入院予防効果は2回目接種2~24週後には72%であったものが25週以上で52%まで低下するが、3回目接種2週以降には88%まで回復する(UKHSA. Technical Briefing. 2021 Dec 31.)。しかしながら、それ以降は再度低下する(UKHSA. Technical Briefing. 2022 Jan 14.)。以上のようにオミクロン株に対するワクチンの感染/発症、入院予防効果はデルタ株に対する予防効果に比べ、いかなる時間帯でも低値を維持する。デルタ株、オミクロン株に対するワクチン接種後の液性免疫、細胞性免疫の動態 まず初めにBooster(免疫増強)という言葉について考えたい。従来、ワクチン接種による生体の免疫反応において1回目接種による免疫記憶細胞(B細胞、T細胞)の誘導をPriming、2回目接種による免疫記憶細胞の賦活化をBoostingと表記されてきた。コロナRNAワクチンに関する論文では3回目接種をBoosterと呼称されることが多いが、厳密には、2回目ワクチンを1回目のBooster、3回目ワクチンを2回目のBoosterと定義すべきである。また、液性免疫(B細胞)と細胞性免疫(T細胞)に対するPrimingとBoostingは必ずしも並行しないことにも注意する必要がある。 1回目ワクチン接種(Priming)から2~4週以降に液性免疫を形成するのは記憶B細胞の賦活化である。2回目ワクチン接種(1回目Booster)より3.5ヵ月後における賦活化された記憶B細胞の変異株S蛋白RBD(Receptor binding domain)に対する認識は、デルタ株で85%であるがオミクロン株では42%と低い(Tarke A, et al. Cell. 2022;185:847-859.)。その結果、オミクロン株に対する中和抗体価は2回目接種後でも検出限界近傍の低値を呈する(山口. 日本医事新報. 2022;5111:28.)。これはオミクロン株S蛋白に存在する数多くの遺伝子変異による強力な液性免疫回避に起因する。すなわち、オミクロン株に対する液性免疫においては2回目までのワクチン接種はPriming効果しかなく、3回目接種以降に初めてBooster効果を発現する。一方、デルタ株に対する液性免疫においては2回目接種以降にBooster効果が発現する。 オミクロン株に対するワクチン2回接種後の感染/発症予防効果は6ヵ月以内には低いながらも有効域に存在し、感染/発症予防効果の動態をほぼ無効の液性免疫からは説明できず、細胞性免疫(記憶CD4+-T、記憶CD8+-T細胞)の関与を考慮する必要がある。S蛋白にはCD4+-T細胞によって認識される抗原決定基(Epitope)が167個、CD8+-T細胞によって認識されるEpitopeが224個存在する(Ahmed SF, et al. Viruses. 2022;14:79.)。デルタ株ではCD4+-T細胞に対するEpitopeの91%、CD8+-T細胞に対するEpitopeの94%が保持されるため、デルタ株に対する細胞性免疫は野生株に対する細胞性免疫とほぼ同じレベルに維持される。一方、オミクロン株ではCD4+-T細胞に対するEpitopeの72%、CD8+-T細胞に対するEpitopeの86%が保持されるので、オミクロン株に対する細胞性免疫は有効ではあるがデルタ株に比べ少し低い(Tarke A, et al. Cell. 2022;185:847-859.)。2回目のワクチン接種により賦活化されたCD4+-T細胞は液性免疫と共同してデルタ株感染を抑制する。一方、2回目ワクチンのオミクロン株感染抑制には液性免疫の寄与はほぼゼロで、主としてCD4+-T細胞がその役割を担う。CD8+-T細胞の賦活化はデルタ株、オミクロン株に感染した生体細胞を殺傷/処理し重症化を阻止する。 3回目ワクチン接種後にはオミクロン株に対する記憶B細胞の賦活化が初めて有効化し、オミクロン株に対する感染予防はデルタ株の場合と同様に液性免疫とCD4+-T細胞賦活の共同作業として発現する。ワクチン接種後のCD4+-T細胞、CD8+-T細胞性免疫は時間経過と共に緩徐ではあるが低下することが報告されており(Barouch DH, et al. N Engl J Med. 2021;385:951-953.)、オミクロン株における2回目ならびに3回目ワクチン接種後の感染/発症予防効果、入院予防効果の時間的低下を招来する。 現状のRNAワクチンは武漢原株のS蛋白をPlatformとして作成されたものである。それ故、オミクロン株が有する多数の変異がワクチン接種後の記憶B細胞(液性免疫)、記憶T細胞(細胞性免疫)の働きを抑制/修飾する。その結果、現状ワクチンのオミクロン株制御効果は不十分で、2022年1月3日にイスラエルで、3月29日に米国で、高齢者に対する4回目のワクチン接種(3回目Booster)が開始された(Magen O, et al. N Engl J Med. 2022 Apr 13. [Epub ahead of print]; The Washington Post. updated. 2022 Mar 29.)。このように、現状ワクチンを用いたオミクロン株制御は複雑な様相を呈し、今後、何回のワクチン接種が必要であるかを結論できない混沌とした時代に突入している。この問題を解決するためにはオミクロン株特異的ワクチンの開発が必要である。2022年1月下旬、Pfizer社とModerna社はオミクロン株のS蛋白をPlatformにしたオミクロン株特異的ワクチンの臨床治験を開始したと発表した。これらの新ワクチンの開発が成功すれば、現在混沌としているオミクロン株に対するワクチン脆弱性に関する多くの問題が解決する可能性があり、両製薬会社の努力に期待したい。

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「がんゲノム難民」をなくせ!完全リモート治験開始【Oncologyインタビュー】第39回

出演愛知県がんセンター 薬物療法部 室 圭氏、谷口 浩也氏「がん遺伝子パネル検査」は、患者を最適な治療に導く。しかし、治験施設が限られているため、治療に結び付く変異が見つかっても、地理的な条件などで治験に参加できない「がんゲノム難民」が問題となっている。この問題を解決するため、愛知県がんセンターでは、かかりつけ病院と協力した「完全オンライン治験」を開始した。今回の取り組みを実施する、同センターの室 圭氏と谷口 浩也氏に、実施に至る背景と治験の実際について聞いた。参考愛知県がんセンタープレスリリース

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第105回 進まないリフィル処方に首相も「使用促進」を明言、日医や現場の“抵抗”の行方は?

マリンスタジアムの“野球感染”リスクを現地取材こんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。この日曜日は、「第76回 『空気感染』主流説報道続々“野球感染”リスクは球場によって大きく異なる可能性も」でも書いた、千葉のZOZOマリンスタジアムに、“野球感染”リスクの取材がてら野球観戦に出かけて来ました。ちょうど1週間前に完全試合を成し遂げた千葉ロッテマリーンズ・佐々木 朗希投手の登板日とあって、球場は超混雑。試合途中、スクリーンには「満員御礼」の掲示が出るほどでした。この日も佐々木投手は8回までパーフェクトピッチングで、「まさか2回連続か」と、球場全体がざわつき始めた9回は100球を超えたと言うことでマウンドには上がらず、ファンを大層残念がらせました。降板については議論が分かれるところです。スポーツライターの浜田 昭八氏は日本経済新聞のコラムで、2007年の日本シリーズ、中日-日ハム戦での中日・山井 大介投手の降板を例に出し、「野球的には正しい。だがエンターテインメントとしてはどうか」と問題提起しています。一方、佐々木投手の育ての親でもあるロッテのピッチングコーディネーター・吉井 理人氏は自身のブログに「マリーンズベンチもよく8回で降板させました。(6回で代えてほしかったけど)」と書いています。私自身は浜田氏の意見も一理あると思います。いずれにせよ、佐々木投手は本当に大事に育てられているなと感じた次第です。豪速球投手はとにかく故障が心配です。MLB挑戦の日まで、腕、肘が壊れないことを願うばかりです。そうそう、“野球感染”リスクについては、プロの球団本拠地球場の中でも海に至近で風が強いZOZOマリンスタジアムは、感染リスクが最も低いだろうと実感しました。熱狂的といわれるロッテ・ファンですが、皆さん、観戦中、礼儀正しくマスクをきちんと着用していました。リフィル利用化可のチェック欄があらかじめ線で消された処方箋もさて今回は、本連載でも「第92回 改定率で面目保つも「リフィル処方」導入で財務省に“負け”た日医・中川会長」「第96回 2022年診療報酬改定の内容決まる(前編)オンライン診療初診から恒久化、リフィル処方導入に日医が苦々しいコメント」で取り上げたリフィル処方について再び書いてみたいと思います。今年の診療報酬改定で4月から処方箋様式が変更され、「リフィル可」「調剤実施回数」の項目が追加、一定期間内、処方箋を反復利用できるようになりました。しかし、現場の医師や医師の団体の“抵抗”もあってか、リフィル処方は当初の予想よりも進んでいないようです。メディファクス等の報道によれば、リフィル利用化可のチェック欄が印刷時に最初から線で消された(リフィルの指示を医師も出せない)処方箋が出回っている地域もあるようです。大阪保険医協会は「リフィル処方反対」を表明日本医師会の中川 俊男会長は3月27日に開かれた臨時代議委員会において、リフィル処方について「医師の判断で処方し、健康観察も医学管理も医師が行う。薬剤師はこれまで通り医師の処方に基づいた調剤を行う。薬剤師の医学的判断が介入する余地はない」とこれまでの見解を改めて強調するとともに、「慎重に判断していただきたい」と呼び掛けたそうです。また、大阪保険医協会は「リフィル処方反対」を表明しています。同協会は「当院ではリフィル処方(処方箋の使いまわし)は患者さんの健康上の観点から原則行っておりません」という文面の院内掲示用ポスターを会員に配布したとのことです。「使いまわし」という表現に、強い忌避感が感じられます。なお、このポスターは同協会のホームページにも掲載、ダウンロードできるようになっています。「患者・国民目線からその積極的活用が図られるべき」と財務省そうした普及への医師側の“抵抗”が続く中、財務省主計局は、社会保障がテーマとなった4月13日の財政制度等審議会財政制度分科会で、2022年度診療報酬改定で導入されたリフィル処方について、「患者・国民目線からその積極的活用が図られるべき」と強く主張しました。財政制度等審議会財政制度分科会の資料によれば、財務省主計局は、「『長期Do処方』に代表される、診療密度が薄く頻繁な外来受診こそが、待合室の混雑、待ち時間の長さ、その割に短い診療時間といった国民が日頃体験する我が国外来医療の実態につながっており、頻回の受診による身体的・経済的負担と相俟って、患者の通院負担を重いものとし、利便性も損なわせてきた」と従来の「長期Do処方」に代表される漫然とした外来診療を批判しています。そして、「リフィル処方箋の導入により、患者は、医療機関に行かずとも、医師及び薬剤師の適切な連携のもと、一定期間内に処方箋を反復利用できるようになる。患者の通院負担が軽減され、利便性が向上する効果は明らかであり、もとより国民の導入への期待は高いものがあった。感染防止の観点から不要不急の通院を避けたい事情が患者側に生じている新型コロナ禍において、導入のニーズは高まっており、 時宜を得た導入となった」と、今改定でのリフィル処方導入を高く評価しています。「対応しない方針を掲げている事例を精査する必要がある」その上で、「患者・国民目線からその積極的活用が図られるべきである。令和4年度診療報酬改定において見込まれた再診の効率化による医療費適正化効果を着実に達成すべきことは当然である。患者の希望やニーズの充足を阻害する動きがないかといった運用面を含めたフォローアップを徹底するとともに、制度の普及促進に向けて周知・広報を図るべきである。あわせて、積極的な取組を行う保険者を各種インセンティブ措置により評価していくべきである」と、普及促進やインセンティブ導入の必要性を強調しています。また、「患者の症状によってではなく医療機関としてリフィル処方に対応しない方針を掲げている事例や、処方箋のリフィル可欄に患者への特段の説明や患者の同意がなく打消し線が入っている事例等について、精査する必要がある」と、“抵抗”の動きを暗に牽制しています。岸田首相は「リフィル処方の使用促進」を明言財務省が提案してきた様々な改革案の中で、やっと導入が実現したリフィル処方。昨年末の大臣合意では、リフィル処方の導入・活用促進による医療費効率化効果は改定率換算でマイナス0.10%(医療費470億円程度)と見込まれています。その普及・定着は、医療費削減のため、そしてこれからの「効率的で質の高い医療提供体制の整備」のためにも、財務省がなんとしても取り組まなければならないことなのです。財政制度等審議会財政制度分科会が開かれた4月13日には、経済財政諮問会議も開かれています。そこで岸田 文雄首相は、「コロナ禍での経験や受診行動の変容を踏まえ、かかりつけ機能が発揮される制度整備や新たに導入したリフィル処方の使用促進など、医療・介護サービス改革の継続・強化に取り組む」と述べました。また、鈴木 俊一財務大臣も「大臣合意に基づき導入したリフィル処方箋は、診療報酬改定の目玉であり、周知・広報の徹底や、保険者のインセンティブ措置の活用により、利用促進が図られるべき」と語っています。本連載の「第80回 『首相≒財務省』vs.『厚労省≒日本医師会』の対立構造下で進む岸田政権の医療政策」でも詳しく述べたように、岸田首相の医療政策については、「首相≒財務省」の構造は現在も変わっていません。改定率がプラスだったからといって、それに安心し、後出しのようにリフィル処方に「慎重な判断」を求め“抵抗”する日本医師会のスタンスは、「財務省≒首相」に盾を突いているようにも見えます。リフィル処方は普通に考えても患者の利便性が高まる制度です。開業医の利害だけを考え、このまま闇雲に反対していても、日本医師会や現場の開業医たちにあまり良いことは起こらないと思うのですが…。皆さん、どう思われますか。

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世界血栓デーWEB講演会の開催について【ご案内】

 世界血栓症デーとは、国際血栓止血学会(ISTH)が「血栓症に関する正しい知識を広め、血栓症に起因する障害や死亡を減らす」ことを目的に制定したものである。一般社団法人日本血栓止血学会では日本における血栓症の啓発活動の一環として取り組んでおり、2022年度最初の世界血栓症デーWEB講演会として2022年5月17日(火)に『がん関連血栓症:がんと血栓の新たな関係』をテーマとしてWEB開催する。今回の講演内容は医療関係者を対象としているが、誰でも無料で視聴可能である。 開催概要は以下のとおり。【日時】2022年5月17日(火) 19:00~20:30【参加条件】登録方法:オンライン参加登録が可能(下記URLからお申込み可能)https://coubic.com/morishita/622935参加費:無料【テーマ】『がん関連血栓症:がんと血栓の新たな関係』-perspective of cancer-associated thrombosis-司会:向井 幹夫氏(大阪国際がんセンター成人病ドック科)1.「がん関連血栓症の成因と病態」森下 英理子氏(金沢大学大学院医薬保健学総合研究科 金沢大学附属病院血液内科)2.「がん関連脳卒中-動脈塞栓症の新展開」野川 茂氏(東海大学医学部付属八王子病院脳神経内科)3.「がん治療関連血栓症とその対応」向井 幹夫氏(大阪国際がんセンター成人病ドック科)4.質問・討論【主催】一般社団法人 日本血栓止血学会【お問い合わせ】WTD講演会担当E-mail:kanazawa.u.hoken.morishita@gmail.com

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5~11歳への新型コロナワクチンの副反応の頻度は?/厚生労働省

 厚生労働省の厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会と薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会は、4月13日に合同会議を開催し、最新のワクチン(新型コロナウイルス感染症[COVID-19]を含む)の動向の報告が行われ、その内容が公表された。 とくにCOVID-19ワクチンの5~11歳への接種では、接種による副反応報告は医療機関からの報告が6件(0.0028%)、製造販売業者からの報告数が2件(0.0009%)だった(推定接種回数:21万5,368接種)。なお、重篤な副反応や死亡の報告はなかった。■副反応疑い報告の状況について・集計期間:2022年2月21日~3月20日・推定接種回数:1回目 21万5,368接種・副反応疑い報告:医療機関報告数 6(0.0028%)製造販売業者報告数 2(0.0009%)・副反応報告について医療機関、製造販売業者合わせて21件あり(4月1日現在)、いずれも軽快、回復している。(重篤度が重い2例)組織球性壊死性リンパ節炎(10歳・女)心筋炎、心膜炎、ウイルス性咽頭炎の所見(7歳・男)(重篤度が重くない症状など)血管迷走神経反射、異常感、嘔吐、苦悶感など 審議会では、上記の報告から小児ワクチン接種に関する論点として次の2点を提起し、今後も検討を行っていく。・小児(5~11歳用)ワクチン接種後の事例についても、国内外における報告状況を注視していくとともに、引き続き評価・分析を行っていく。また、最新の報告状況などを踏まえ、必要に応じ、周知・注意喚起を行っていく。・小児(5~11歳用)ワクチン接種後の報告状況についても、現時点においては、引き続き、ワクチンの接種体制に影響を与える程の重大な懸念は認められないと考えてよいか。※4月13日現在、5~11歳に適応承認がされているCOVID-19ワクチンはBNT162b2(Pfizer-BioNTech製)のみである。

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1年間の減塩食、心不全の予後を改善するか/Lancet

 心不全患者では、1年間の減塩食(ナトリウム目標値1,500mg未満/日)の摂取は塩分制限食に関する一般的な助言を含む通常治療と比較して、全死因死亡、心血管関連の入院、心血管関連の救急診療部受診から成る複合アウトカムの発生を減少させないものの、生活の質(QOL)やNYHA心機能分類の改善効果がわずかに良好であることが、カナダ・アルバータ大学のJustin A. Ezekowitz氏らが実施した「SODIUM-HF試験」で示された。研究の詳細は、Lancet誌2022年4月2日号で報告された。6ヵ国26施設の実践的な無作為化対照比較試験 本研究は、心不全患者への減塩食による食事療法は将来の臨床イベントの発生を抑制するかの検証を目的とする実践的な非盲検無作為化対照比較試験であり、2014年3月~2020年12月の期間に、6ヵ国(オーストラリア、カナダ、チリ、コロンビア、メキシコ、ニュージーランド)の26施設で参加者の登録が行われた(カナダ保健研究機構[CIHR]などの助成を受けた)。 対象は、年齢18歳以上、慢性心不全(NYHA心機能分類のII度とIII度)で、ガイドラインで規定された至適な薬物治療を受けている患者であった。駆出率やナトリウム利尿ペプチドによる選択基準や除外基準は設けられなかった。 被験者は、ナトリウム100mmol未満/日(=1,500mg未満/日)の減塩食を摂取する群、または各地域のガイドラインに準拠した通常治療(日常診療と共に塩分制限食に関する一般的な助言を行う)を受ける群に、1対1の割合で無作為に割り付けられ、12ヵ月間の介入が行われた。 主要アウトカムは、intention-to-treat(ITT)集団における12ヵ月以内に発生した心血管関連の入院、心血管関連の救急診療部受診、全死因死亡の複合とされた。6分間歩行距離に差はない 806例が登録され、減塩食群に397例、通常治療群に409例が割り付けられた。全体の年齢中央値は67歳(IQR:58~74)、268例(33%)が女性であった。551例(68%)が登録の1年以上前に心不全を発症し、270例(33%)が12ヵ月以内に心不全による入院歴を有していた。ベースラインの中央値はそれぞれ、駆出率36%(IQR:27~49)で、BNPは197pg/mL(IQR:83~492)、NT-proBNPは801pg/mL(IQR:335~1,552)だった。 ナトリウム摂取量中央値は、減塩食群ではベースラインの2,286mg/日(IQR:1,653~3,005)から12ヵ月後には1,658mg/日(1,301~2,189)に、通常治療群では2,119mg/日(1,673~2,804)から2,073mg/日(1,541~2,900)に、それぞれ減少した。 ベースラインから12ヵ月後までに、主要アウトカムを構成するイベントは、減塩食群が15%(60/397例)、通常治療群は17%(70/409例)で発生し(ハザード比[HR]:0.89、95%信頼区間[CI]:0.63~1.26)、両群間に有意な差は認められなかった(p=0.53)。 主要アウトカムの各項目については、全死因死亡(減塩食群6%[22例]vs.通常治療群4%[17例]、HR:1.38、95%CI:0.73~2.60、p=0.32)、心血管関連の入院(10%[40例]vs.12%[51例]、0.82、0.54~1.24、p=0.36)、心血管関連の救急診療部受診(4%[17例]vs.4%[15例]、1.21、0.60~2.41、p=0.60)のいずれにおいても、有意差はみられなかった。 また、QOLの指標であるカンザスシティー心筋症質問票(KCCQ)の総合要約スコア(補正後群間差:3.38ポイント、95%CI:0.79~5.96、p=0.011)とKCCQの身体制限スコア(3.77ポイント、0.67~6.87、p=0.017)は、ベースラインから12ヵ月後までの変化量の差の平均値がいずれも減塩食群で有意に良好であった。 一方、12ヵ月後の6分間歩行距離に差はなかった(補正後群間差:6.60m、95%CI:-9.0~22.2、p=0.41)が、NYHA心機能分類の1度の改善(オッズ比:0.59、95%CI:0.40~0.86、p=0.0061)は減塩食群で有意に良好だった。 試験関連の安全性(各施設で評価し、有害事象の特定の判定基準は使用されなかった)のイベントは、両群とも報告がなかった。 著者は、「減塩食による食事療法は、利益の蓄積に長い時間がかかる可能性があるため、12ヵ月を超える長期の追跡を行えば、主要アウトカムの発生により大きな差が生じる可能性もある」とし、「食事の塩分をどの程度削減すれば臨床イベントの低下が得られるかはいまだ明確ではないため、臨床医と患者は、食事療法を他の薬物療法と同様に検討し、個々の患者で潜在的な利益の均衡を保つようにすべきである」と指摘している。

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KRASG12C変異非小細胞肺がんに対するソトラシブの2年生存率32.5%(CodeBreak100)/アムジェン

 アムジェンは、2022年4月10日、KRASG12C変異を有する非小細胞肺がん(NSCLC)患者を対象としたソトラシブの第I/II相CodeBreaK100試験の長期有効性および安全性データの発表を発表。ソトラシブの有効性は継続して確認された。  高度な前治療歴のある患者174例を2年間分析した結果、ソトラシブの客観的奏効率は40.7%(CR5例、PR65例)、病勢制御率は 83.7%、奏効期間中央値は12.3ヵ月であった。また、無増悪生存期間中央値は6.3ヵ月を示し、全生存期間(OS)12.5ヵ月、2年OS率は32.5%であった。長期追跡においてもソトラシブの新たな安全性シグナルは確認されていない。 この2年間の追跡データは米国学会年次総会(AACR2022)で提示されている。

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尿路上皮がんニボルマブのアジュバントに期待/小野・BMS

 ニボルマブに尿路上皮がんに対する術後補助療法の適応が追加された。なかでも、筋層浸潤性尿路上皮がん(MIUC)の術後補助療法には課題が残っており、ニボルマブの適応追加に期待が寄せられている。弘前大学 泌尿器科学講座の大山力氏は、小野薬品/ブリストル・マイヤーズ スクイブ共催プレスセミナーにて、MIUC治療のアンメット・ニーズとニボルマブ補助療法の位置付けについて紹介した。筋層浸潤性膀胱がん(MIBC)は手術+術前補助療法(NAC)で治療成績向上 尿路上皮がんの90%は膀胱がん、残りを腎盂がんと尿管がんが2対1で占める。進行度からみると、腫瘍が固有筋層におよぶMIUCは、尿路上皮がんの3割である。MIUCは拡散リスクが高く、急速に生命を脅かす1)。 MIUCの大部分を占める筋層浸潤性膀胱がん(MIBC)の標準治療は膀胱全摘である。膀胱全摘によりMIBCの5年生存率は約50%まで改善した。 そのあと50年にわたり大きな変化は見られなかったが、NACを加えると、治療成績は向上した。M-VAC療法※によるNACを評価した日本のJCOG0209試験の5年生存率は70%を超える2)。※M-VAC療法:メトトレキサート、ビンブラスチン、アドリアマイシン、シスプラチンの併用レジメン筋層浸潤性膀胱がん(MIBC)のNAC実施例では再発に有効な手段がない NACの導入でMIBCの再発は減った。しかし、NAC実施例(NAC+)の術後再発はNACを実施しなかった例(NAC−)よりも早期に起こる。さらに、NAC+例での再発は化学療法抵抗性であることが弘前大学の研究でも示されている。NAC+例が再発すると、現状では有効な手段がない状況であった。ニボルマブによる術後補助療法承認の意義 上記の臨床課題が残る中、ニボルマブのMIUCのへの術後補助療法の有用性を評価するCheckMate−274試験が行われた。CheckMate−274試験の対象は根治的切除術を受けたMIUC患者で、NAC実施例も含まれる。この試験でのニボルマブ群の無病生存期間(DFS)は20.76ヵ月で、10.84ヵ月のプラセボ群と比べ有意に再発までの期間を延長した([ハザード比]HR:0.70、p=0.0008)。PD-L1≦1%の症例ではHR0.55、とさらに良好な結果を示す(p=0.0005)。 MIUCの切除後再発例は予後不良であり治療手段がない。そのため、再発を抑えることが重要だ、と大山氏は述べる。ニボルマブの術後補助療法は、DFSを改善し再発を抑える有望な選択肢として期待される。(ケアネット 細田 雅之)1)NICE Guideline, No. 2 Bladder Cancer Diagnosis and Management2)Kitamura H,et al.Ann Oncol. 2014;25:1192-1198.

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サブスぺ領域、新たに3領域が追加の見通し/日本専門医機構

 4月18日開催の日本専門医機構定例記者会見で、サブスペシャルティ領域の新規機構認定の進捗状況について寺本 民生理事長が報告し、「放射線カテーテル治療」「集中治療科」「脊椎脊髄外科」の3領域が新たに追加される見通しであることが示された。日本専門医機構認定のサブスペシャリティ領域として今夏を目途に3領域 各基本領域のサブスぺシャリティ連絡協議会から提案のあった13領域のうち、サブスペシャルティ領域検討委員会での議論の結果推薦がなされた6領域について、同機構理事会で議論された。理事会での議論を経て、主として専門医像がはっきりしていること、社会的使命等の総合的な判断から今回は3領域が認定された。3領域の基本領域については、「放射線カテーテル治療」が放射線科、「集中治療科」が救急科、「脊椎脊髄外科」が整形外科となる。今後はプログラム整備基準等について審議され、今夏を目途に正式な日本専門医機構認定のサブスペシャリティ領域を目指すという。 日本専門医機構認定のサブスペシャリティ領域としては、すでに認定されている下記の23領域一覧に今回の3領域を加えて、26領域となる見通し。今回、サブスペシャリティ認定とならなかったサブスペシャリティ領域について、寺本氏は再審議の可能性はあるとしたうえで、今後サブスペシャリティをどのように認定していくかには課題がいくつかあるとし、現在ワーキンググループを設置して議論をしており、現理事会の会期中には何らかの結論を出す予定とした。既認定のサブスペシャリティ領域一覧[内科領域]消化器病、肝臓、消化器内視鏡、循環器、呼吸器、血液、内分泌代謝、糖尿病、神経内科、腎臓、リウマチ、アレルギー、感染症、老年病、がん薬物療法[外科領域]消化器外科、呼吸器外科、心臓血管外科、小児外科、乳腺、内分泌外科[放射線科領域]放射線診断、放射線治療

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ノババックス製ワクチン承認、添付文書を公開/厚生労働省

 厚生労働省は4月19日、ノババックス製の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンについて製造販売を承認(国内の申請者は武田薬品工業)。併せて、ノババックス製ワクチンの添付文書を公開した。一般名は組換えコロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチン、販売名はヌバキソビッド筋注。国内で承認を得た4種類目のワクチンとなる。ノババックス製は添付文書によると2~8℃の冷蔵保管が可能ノババックス製は、ファイザー製とモデルナ製のメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチン、アストラゼネカ製のウイルスベクターワクチンとは異なる、遺伝子組換えスパイク蛋白ナノ粒子ワクチンで、添付文書によると冷蔵保管(2~8℃)が可能。これまでのワクチン接種でアレルギー反応が出た人への使用を想定している。<ノババックス製COVID-19ワクチンの添付文書情報>6. 用法及び用量初回免疫:1回0.5mLを2回、通常、3週間の間隔をおいて、筋肉内に接種する。追加免疫:1回0.5mLを筋肉内に接種する。7. 用法及び用量に関連する注意7.1 接種対象者本剤の接種は18歳以上の者に行う。SARS-CoV-2の流行状況や個々の背景因子等を踏まえ、ベネフィットとリスクを考慮し、追加免疫の要否を判断すること。7.2 接種回数初回免疫:本剤は2回接種により効果が確認されていることから、原則として、他のSARS-CoV-2に対するワクチンと混同することなく2回接種するよう注意すること。7.3 接種間隔初回免疫:1回目の接種から3週間を超えた場合には、できる限り速やかに2回目の接種を実施すること。追加免疫:通常、本剤2回目の接種から少なくとも6ヵ月経過した後に3回目の接種を行うことができる。 本ワクチンについて、米国およびメキシコで行われた第III相無作為化プラセボ対照試験では、ワクチンの有効性は90.4%(95%CI:82.88~94.62)。英国で行われた第III相無作為化プラセボ対照試験では、ワクチンの有効性は89.7%(95%CI:80.2~94.6)であった。 厚労省は1億5,000万回分の供給を受ける契約を結んでおり、来月下旬から約10万回分を自治体に配送する予定。

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強迫症患者における統合失調症への診断変更の可能性

 いくつかのエビデンスにおいて、強迫症と統合失調症との関係が報告されている。しかし、強迫症から統合失調症への診断変更を予測する可能性のある因子は、明らかになっていない。この予測因子を特定するため、台湾・国立陽明交通大学のMu-Hong Chen氏らが、検討を行った。European Archives of Psychiatry and Clinical Neuroscience誌オンライン版2022年3月24日号の報告。強迫症から統合失調症への粗累積進行率は6%、推定進行率は7.80% 2001~10年に強迫症(ICD-9-CM:300.3)と診断された青少年および成人3万5,255例を対象とし、2011年末まで、新たに統合失調症(同:295)と診断されているかを特定するフォローアップ調査を行った。発生率の推定にはカプランマイヤー法を用い、予測因子の有意性を評価するためCox回帰を用いた。 強迫症から統合失調症への進行の予測因子を検討した主な結果は以下のとおり。・11年間のフォローアップ期間中における、強迫症から統合失調症への粗累積進行率は6%、推定進行率は7.80%であった。・強迫症から統合失調症への診断変更の可能性を上昇させる因子は、以下のとおりであった。 ●男性(ハザード比:1.23) ●肥満(同:1.77) ●自閉スペクトラム症(同:1.69) ●双極性障害(同:1.69) ●心的外傷後ストレス障害(同:1.65) ●クラスターAパーソナリティ障害(同:2.50) ●統合失調症の家族歴(同:2.57) 著者らは「強迫症から統合失調症への診断変更の根底にある病態メカニズムを解明するためには、さらなる研究が求められる」としている。

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ビジュアル診断をクイズ形式で楽しめる『今日の所見』が始まります

2022年5月中旬に、ビジュアル診断クイズ『今日の所見』がスタートします。日替わりで1日1症例、心電図・内視鏡画像・皮膚所見・CT画像などを提示。その診断を問います。ぜひ、毎日挑戦して、診断スキルの向上にお役立てください。出典は著名な医学系出版社の書籍から!※2022年5月時点※年末年始を除いて平日毎日更新月曜日金原出版https://www.kanehara-shuppan.co.jp/火曜日医学書院https://www.igaku-shoin.co.jp/水曜日中外医学社http://www.chugaiigaku.jp/木曜日南江堂https://www.nankodo.co.jp/金曜日羊土社https://www.yodosha.co.jp/月曜日金原出版https://www.kanehara-shuppan.co.jp/火曜日医学書院https://www.igaku-shoin.co.jp/水曜日中外医学社http://www.chugaiigaku.jp/木曜日南江堂https://www.nankodo.co.jp/金曜日羊土社https://www.yodosha.co.jp/『今日の所見』にチャレンジする方法5月中旬以降、メルマガ「日刊医療ニュース」に『今日の所見』の出題バナー画像が掲載されます。例)バナー画像をクリックするとクイズに挑戦できます。また、CareNet.comサイトでは、パソコン画面の左側(「本日の臨床○✕クイズ」の下)、スマホ画面のトップページに『今日の所見』の出題バナー画像が表示されます。CareNet.comトップへ

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閉経後HR+HER2-進行乳がんの1次治療におけるCDK4/6阻害剤のOSに対する意義(解説:下村昭彦氏)

 3月10日のNew England Journal of Medicine誌に、閉経後ホルモン受容体(HR)陽性HER2陰性進行乳がんに対するレトロゾールへのribociclibの上乗せを検証したMONALEESA-2試験の全生存期間(OS)の結果が公表された。OSは63.9ヵ月vs.51.4ヵ月(ハザード比:0.76、95%CI:0.63~0.93、two sided p=0.008)と、ribociclib群で有意に良好という結果であった。ribociclibの1次治療への上乗せでは、MONALEESA-7試験(閉経前HR+HER2-乳がん1次ホルモン療法[TAM/AI + LHRHa +/- ribociclib]Im SA, et al. N Engl J Med. 2019;381:307-316.)に次いで2つ目の試験である。 現在、世界的に広く承認されているCDK4/6阻害剤は、パルボシクリブ、アベマシクリブ、そしてribociclibである。ribociclibは日本人で忍容性が低く、欧米や日本以外のアジアの推奨用量である600mgに増量することができず(Yap YS, et al. Cancer Sci. 2020;111:3313-3326.)、日本からはその後の試験に参加できていないため、MONALEESA-2やMONALEESA-7の結果をそのまま日本国内で用いることはできない。しかしながら、2次治療におけるribociclibのMONALEESA-3試験、アベマシクリブのMONARCH-2試験ではOSベネフィットが統計学的有意に示されており、パルボシクリブのPALOMA-3試験でも有意差はないもののOSベネフィットは臨床的にはあると考えられている。 1次治療におけるパルボシクリブ、アベマシクリブ上乗せのメリットについてはまだ結果が発表されていないものの、MONALEESA-2の結果からはアップフロントに用いることの有用性が期待される。CDK4/6阻害剤は毒性を熟知してうまくコントロールしていくことで、生存期間の延長に寄与する薬剤となってきた。

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新機序の難治性慢性咳嗽治療薬「リフヌア錠45mg」【下平博士のDIノート】第96回

新機序の難治性慢性咳嗽治療薬「リフヌア錠45mg」今回は、選択的P2X3受容体拮抗薬「ゲーファピキサントクエン酸塩錠(商品名:リフヌア錠45mg、製造販売元:MSD)」を紹介します。本剤は、P2X3受容体を標的とした非麻薬性の咳嗽治療薬で、難治性の慢性咳嗽への効果が期待されています。<効能・効果>本剤は、難治性の慢性咳嗽の適応で、2022年1月20日に承認されました。なお、効能または効果に関連する注意として「最新のガイドライン等を参考に、慢性咳嗽の原因となる病歴、職業、環境要因、臨床検査結果等を含めた包括的な診断に基づく十分な治療を行っても咳嗽が継続する場合に使用を考慮すること」、重要な基本的注意として「本剤による咳嗽の治療は原因療法ではなく対症療法であることから、漫然と投与しないこと」が記載されています。<用法・用量>通常、成人にはゲーファピキサントとして1回45mgを1日2回経口投与します。なお、重度腎機能障害(eGFR 30mL/min/1.73m2未満)で透析を必要としない患者には、本剤45mgを1日1回投与すること。<安全性>難治性の慢性咳嗽患者を対象とした国際共同第III相試験および海外第III相試験の併合データにおいて認められた主な副作用は、味覚不全(40.4%)、味覚消失、味覚減退、味覚障害、悪心、口内乾燥などでした。味覚に関連する副作用の大多数は軽度または中等度であったものの、投与を中止している症例も認められたことから、医薬品リスク管理計画書(RMP)において「味覚異常」が重要な特定されたリスクとされています。<患者さんへの指導例>1.この薬は、気道の神経の伝達を遮断して感覚神経の活性化や咳嗽反射を鎮めることで、慢性の咳を緩和します。2.苦味、金属味、塩味などを感じて食事がおいしく感じられなくなることがあります。不快感が強く、食事が取れないなど日常生活に支障を来す場合はご相談ください。 <Shimo's eyes>咳嗽は、医療機関を受診する患者さんの主訴として最も頻度が高い症候で、持続期間が3週間未満の場合は「急性咳嗽」、3週間以上8週間未満は「遷延性咳嗽」、8週間以上は「慢性咳嗽」と分類されています。これまで使用されてきた咳嗽治療薬としては、コデイン類のような麻薬性鎮咳薬や、デキストロメトルファンのような非麻薬性の中枢性鎮咳薬などがありますが、慢性咳嗽患者の中には治療抵抗性を示す例や、原因がわからず改善が不十分な例があります。本剤は世界で初めて承認された選択的P2X3受容体拮抗薬であり、非麻薬性かつ末梢に作用する経口の慢性咳嗽治療薬です。咳嗽が1年以上継続している治療抵抗性または原因不明の慢性咳嗽患者を対象としたプラセボ対照国際共同第III相試験(027試験)および海外第III相試験(030試験)において、52週投与の結果、本剤45mg投与群はプラセボ群と比較して、4週時から24時間の咳嗽頻度の有意な減少がみられ、12週時もしくは24週時まで持続しました。副作用については、上記試験の併合データにおいて、味覚不全、味覚消失、味覚減退、味覚障害等の味覚関連の副作用が63.1%に発現しました。多数は投与開始後9日以内に発現し、軽度または中等度でしたが、味覚関連の有害事象により服用中止に至った症例も13.9%ありました。なお、味覚関連の副作用は曝露量依存的に増加する傾向が認められており、その多くは本剤の投与中または投与中止後に改善するとされています。相互作用については設定されていませんが、本剤の有効成分であるゲーファピキサントはスルホンアミド基を有するため、スルホンアミド系薬剤に過敏症の既往歴のある患者では交叉過敏症が現れる可能性があり、注意が必要です。本剤は腎排泄型であり、腎機能の低下が疑われる患者さんに投与する場合は定期的に腎機能検査値を確認しましょう。参考1)PMDA 添付文書 リフヌア錠45mg

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