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3月13日以降のマスク、濃厚接触者は7日間着用を推奨/厚労省

 厚生労働省は2023年3月7日、自治体・医療機関向けの事務連絡「B.1.1.529系統(オミクロン株)が主流である間の当該株の特徴を踏まえた感染者の発生場所毎の濃厚接触者の特定及び行動制限並びに積極的疫学調査の実施について」を一部改正した。2023年2月10日に発表された「マスク着用の考え方の見直し等について」に基づき、2023年3月13日よりマスクの着用は、個人の判断を基本とすることとなるが、濃厚接触者については7日間のマスク着用が推奨されることとなった。 改正後の記載は以下のとおり。 令和5年3月13日以降は、「マスク着用の考え方の見直し等について」令和5年2月10日新型コロナウイルス感染症対策本部決定に基づき、マスクの着用については個人の判断を基本とすることとなりますが、7日間が経過するまでは、感染対策として、引き続きマスクの着用が推奨されます。また、引き続き、事業所等における保健所等による積極的疫学調査及び濃厚接触者の特定・行動制限は求めない点に変わりはありません。令和5年3月7日付けの改正は、マスク着用の考え方が見直される令和5年3月13日より適用します。 また、濃厚接触者の特定について、マスクを着用していないことだけで一律に濃厚接触者と特定するのではなく、周辺の環境や接触の状況など、個々の状況から感染性を総合的に判断してほしいと記載された。 改正後の記載は以下のとおり(事業所などで感染者が発生した場合の例を示す)。 濃厚接触者の特定は、「手で触れることの出来る距離(目安として1メートル)で、必要な感染予防策なしで、「患者(確定例)」と15分以上の接触があった者」が要件の一つとなっているが、マスクを着用していないことのみをもって一律に濃厚接触者と特定するのではなく、引き続き、周辺の環境や接触の状況等個々の状況から患者の感染性を総合的に判断いただくものであり、事業所等で感染者との接触を判断する上でも、同様に取り扱われたい。

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レムデシビル、コロナ入院患者の死亡リスクを低減/ギリアド

 ギリアド・サイエンシズ(日本)は3月6日付のプレスリリースにて、入院後2日以内の抗ウイルス薬レムデシビル(商品名:ベクルリー)投与により、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による入院患者において、重症度にかかわらず死亡率および再入院率が低下したことを示すデータが、50万人超のリアルワールド試験から得られたことを発表した。死亡率の低下は、免疫不全者の集団においても認められた。米国本社が2月21日に英語で発表したものの邦訳版。本結果は2月19~22日に米国・シアトルで開催された第30回レトロウイルス・日和見感染症会議(Conference on Retroviruses and Opportunistic Infections)にて発表された。 プレスリリースによると、U.S. Premier Healthcareデータベースに登録された臨床診療情報を基に、米国の病院800施設以上における成人のCOVID-19入院患者50万人超のデータが解析された。 主な結果は以下のとおり。・全体解析では、COVID-19入院患者の14日目および28日目の死亡率を検証した。入院後2日以内にレムデシビルを投与された患者群と、投与されなかった対照群を比較したところ、すべての酸素レベルにおいて、投与群の死亡率が有意に低かった。・ベースライン時に酸素療法使用の記録がない患者では、レムデシビル投与により、28日目の死亡リスクが19%(p<0.001)低下した。・低流量酸素療法を受けている患者では、28日目の死亡リスクが21%(p<0.001)低下し、高流量酸素療法を受けている患者では12%(p<0.001)低下した。・ベースライン時に侵襲的機械換気(IMV)/ECMOを必要とする患者では、28日目の死亡リスクが26%(p<0.001)低下した。・これらの結果は、オミクロン株を含む全変異株の流行期を通じて、すべてのレベルの酸素療法を受けている患者において認められた。・免疫不全者においても、レムデシビルの投与による死亡率の低下が認められた。28日目の死亡率は、入院後2日以内にレムデシビルを投与された場合、非投与群と比較して、すべての変異株の期間において、死亡リスクが25%(デルタ株以前35%、デルタ株期21%、オミクロン株期16%)有意に低下した。・レムデシビルを投与されたCOVID-19入院患者が30日以内に同じ病院に再入院する確率も27%有意に低下した。・in vitro解析によると、レムデシビルは、XBB、BQ.1.1、BA.2.75、BA.4/BA.5を含むオミクロン株亜種に対しても、抗ウイルス活性を保持していた。 今回の解析で認められたレムデシビルの死亡率低下に関する有効性は、2021年に同社が発表した約10万人のCOVID-19入院患者のリアルワールド解析において得られた生存率改善のエビデンスと一貫性を示している。

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治療抵抗性高血圧、超音波腎デナベーションが有用性示す/JAMA

 治療抵抗性高血圧に対する超音波腎デナベーションは、シャムとの比較において降圧薬なしで2ヵ月後の日中自由行動下収縮期血圧(SBP)を低下させ、重大な有害事象は認められなかったことが、フランス・Universite Paris CiteのMichel Azizi氏らが実施した多施設共同無作為化シャム対照臨床試験「RADIANCE II試験」の結果、示された。超音波腎デナベーションは、2件のシャム対照試験(RADIANCE-HTN SOLOおよびTRIO試験)において、軽度~中等度の高血圧および治療抵抗性高血圧患者の血圧を低下させることが認められていた。JAMA誌2023年2月28日号掲載の報告。2ヵ月後の日中自由行動下収縮期血圧を評価 研究グループは2019年1月14日~2022年3月25日の間に、米国の37施設および欧州の24施設において、異なるクラスの降圧薬最大2種類を服用しても、血圧コントロールが不良(診察室座位収縮期血圧[SBP]/拡張期血圧[DBP]が140/90mmHg以上、ただし180/120mmHg未満)で、心血管および脳血管イベントの既往がなく、推定糸球体濾過量(eGFR)が40mL/分/1.73m2以上の18~75歳の高血圧患者のうち、4週間の休薬期間後に日中自由行動下SBP/DBPが135/85mmHg以上および170/105mmHg未満で、適切な腎動脈解剖を有する患者を対象とした。 被験者を超音波腎デナベーション群またはシャム(腎血管造影)群に2対1の割合で無作為に割り付け追跡調査した(患者および評価者盲検)。なお、事前に規定された血圧基準を超え臨床症状を伴わない限り、2ヵ月後の評価まで降圧薬を使用しないこととした。 主要有効性アウトカムは、ITT解析による2ヵ月時点における日中自由行動下SBPの平均変化量であった。主要安全性アウトカムは、30日時点の死亡、腎不全、主要な塞栓性・血管性・心血管・脳血管・高血圧イベントの複合アウトカム、および6ヵ月時点の70%以上の腎動脈狭窄症とした。副次アウトカムは、2ヵ月時点の24時間自由行動下SBP、家庭SBP、診察室SBP、全DBPの平均変化量であった。2ヵ月後収縮期血圧の低下は、-7.9mmHg vs.-1.8mmHg 1,038例が登録され、このうち無作為化のためのすべての基準を満たした224例が超音波腎デナベーション群(150例)およびシャム群(74例)に無作為化された。平均(±SD)年齢55±9.3歳、女性が28.6%、黒人またはアフリカ系アメリカ人が16.1%であった。 日中自由行動下SBPの低下(平均±SD)は、超音波腎デナベーション群が-7.9±11.6mmHgであり、シャム群の-1.8±9.5mmHgと比較して有意に大きく(ベースライン補正後の群間差:-6.3mmHg、95%信頼区間[CI]:-9.3~-3.2mmHg、p<0.001)、24時間概日周期を通して超音波腎デナベーションの効果は安定していた。 副次アウトカムの血圧関連7項目のうち6項目が、シャム群と比較し超音波腎デナベーション群で有意に改善した。両群とも、重大な有害事象は報告されなかった。 なお、著者は、追跡調査期間が限られていたこと、心血管リスクが低い患者を対象としたこと、個々の患者における降圧効果の予測は困難であることなどを研究の限界として挙げている。

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SLEへのバリシチニブ、第III相SLE-BRAVE-I試験の結果/Lancet

 オーストラリア・モナシュ大学のEric F. Morand氏らは、活動性全身性エリテマトーデス(SLE)患者を対象としたバリシチニブの無作為化二重盲検プラセボ対照第III相試験「SLE-BRAVE-I試験」の結果、主要エンドポイントは達成されたものの、主要な副次エンドポイントは達成されなかったことを報告した。ヤヌスキナーゼ(JAK)1/JAK2の選択的阻害薬であるバリシチニブは、関節リウマチ、アトピー性皮膚炎および円形脱毛症の治療薬として承認されている。SLE患者を対象にした24週間の第II相試験では、バリシチニブ4mgはプラセボと比較して、SLEの疾患活動性を有意に改善することが示されていた。Lancet誌オンライン版2023年2月24日号掲載の報告。SLE患者760例をバリシチニブ4mg群、2mg群、プラセボ群に無作為化 SLE-BRAVE-I試験は、アジア、欧州、北米、中米、南米の18ヵ国182施設で実施された。 研究グループは、スクリーニングの24週間以上前にSLEと診断され、標準治療を行うも疾患活動性が認められる18歳以上の患者を、バリシチニブ4mg群、バリシチニブ2mg群またはプラセボ群に1対1対1の割合で無作為に割り付け、標準治療との併用で52週間1日1回投与した。グルココルチコイドの漸減が推奨されたが、プロトコールで必須ではなかった。 主要エンドポイントは、52週時のSLE Responder Index-4(SRI-4)レスポンダーの割合で、ベースラインの疾患活動性、コルチコステロイド量、地域および治療群をモデルに組み込んだロジスティック回帰分析により、バリシチニブ4mg群とプラセボ群を比較した。 有効性解析対象集団は修正intention-to-treat(ITT)集団(無作為化され少なくとも1回治験薬の投与を受けたすべての患者)、安全性解析対象集団は無作為化され少なくとも1回治験薬を投与され、ベースライン後の最初の診察時に追跡調査不能の理由で試験を中止しなかったすべての患者とした。 760例が無作為に割り付けられ、修正ITT集団はバリシチニブ4mg群252例、バリシチニブ2mg群255例、プラセボ群253例であった。52週時のSRI-4レスポンダー率はバリシチニブ4mg群57%、プラセボ群46% 52週時のSRI-4レスポンダー率は、バリシチニブ4mg群57%(142/252例)、プラセボ群46%(116/253例)であり、オッズ比(OR)1.57(95%信頼区間[CI]:1.09~2.27)、群間差10.8(95%CI:2.0~19.6)で有意差が認められた(p=0.016)。バリシチニブ2mg群は50%(126/255例)で、プラセボ群との有意差はなかった(OR:1.14[95%CI:0.79~1.65]、群間差:3.9[95%CI:-4.9~12.6]、p=0.47)。 初回の重度SLE flareが発現するまでの時間やグルココルチコイド漸減など主要副次エンドポイントに関しては、バリシチニブ群のいずれにおいてもプラセボ群と比較して有意差は認められなかった。 重篤な有害事象は、バリシチニブ4mg群で26例(10%)、バリシチニブ2mg群で24例(9%)、プラセボ群で18例(7%)に発現した。SLE患者におけるバリシチニブの安全性プロファイルは、既知の安全性プロファイルと一致していた。

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軽症から中等症のCOVID-19外来患者において、フルボキサミンはプラセボと比較して症状改善までの期間を短縮せず(解説:寺田教彦氏)

 本研究では、軽症から中等症のCOVID-19外来患者で、フルボキサミンが症状改善までの期間を短縮するか評価が行われたが、プラセボと比較して症状改善までの期間を短縮しなかったことが示された1)。 フルボキサミンは、うつ病や強迫性障害などの精神疾患に使用される選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)であり、比較的安価な薬剤である。COVID-19流行初期において、このフルボキサミンは、サイトカインの産生を制御するσ-1受容体のアゴニストとして機能することから、臨床転帰の改善効果を期待して臨床試験が行われた。初期の臨床試験では有効性を示した報告2)もあり、ブラジルで行われたプラセボ対照無作為化適応プラットフォーム試験(TOGETHER試験)でも有効性が示されていた3)。そして、これらの研究に基づいたsystematic review4)やCochrane COVID-19 Study Register5)では、フルボキサミンは28日の全死因死亡率をわずかに低下させる可能性や、軽症COVID-19の外来および入院患者の死亡リスクを低下させる可能性があると評されていた。 しかし、フルボキサミンの有効性を否定する報告6)や、新型コロナウイルスワクチンの開発に伴いワクチン接種の有無で治療薬の有効性が変化する可能性も考えられ、現時点でフルボキサミンの有効性がない可能性も考えられた。そのため、新型コロナウイルスワクチンの接種率が7割程度あり、流行株がデルタ株からオミクロン株の時期の米国において、フルボキサミンの有効性が再度検証され、結果は前述の通りであった1)。 これまでの経緯や今回の研究結果を踏まえ、私は、日本ではフルボキサミンを臨床的に使用する必要性はないと考える。 過去の研究と今回の研究を比較すると、初期に有効性を示した臨床研究2)では、試験の参加者が少なかったことや、経過観察期間が短かったために正確な結論が得られなかった可能性が懸念される。また、ブラジルで実施されたTOGETHER試験は重症の定義に「6時間以上の救急医療を要する患者」を含めており、フルボキサミンが真に重症化予防効果があったかの疑問が残る。 今回、検証された理由の1つである、新型コロナの流行株や国民の新型コロナウイルスワクチン接種率の観点からも、本邦では今回の研究参加者の背景が近いと考えられる。フルボキサミンの有用性を示せなかった理由に、薬剤の投与量が指摘されることもあるが7)、現在はCOVID-19の病態の解明も進み、ワクチンの効果や新型コロナウイルスの変異により、かつてよりも死亡率や重症化率はかなり低下している状況である。そのうえ、重症化リスクのある患者に対する有効な抗ウイルス薬も開発され、使用方法も確立している。これだけCOVID-19治療法が確立した現在の日本においては、いくら安価であるとはいえ、COVID-19に対する効果が不確定なフルボキサミンを使用するメリットはないだろう。 さて、欧米や本邦では、COVID-19の治療ガイドライン8)や薬剤使用方法の手引き9)が整備されており、われわれ医療従事者はこれらのエビデンスに容易にアクセスできるようになった。しかし、インターネットのホームページをみると、本原稿執筆時でも、フルボキサミンが有効だったことを報告した当初の論文のみを載せてフルボキサミンの販売をしている通販サイトが散見される。COVID-19診療を振り返ってみると、イベルメクチンなどのようにCOVID-19への治療が期待されたがために、本来投与が必要な患者さんの手に薬剤が回らないことが懸念された薬剤もあった。新興感染症の病態や有効な治療薬が不明確なときには、有効と考えられる薬剤の投与を通して、エビデンスを生み出す必要があるが、病態や治療方法が確立すれば、適切な治療を行うように努めるべきであろう。 また、治療の有効性が否定された薬剤はその結果を受け止め、本来医学的に必要とされる患者さんに同薬剤が行き渡るようにするべきであろう。医薬品が一般人でも入手しやすくなった現代では、非医療従事者にも適切な情報が届くように、インターネットを含めてFact-Checkを行ってゆく必要があると考える。【引用文献】1)フルボキサミン、軽~中等症コロナの症状回復期間を短縮せず/JAMA2)Lenze EJ, et al. JAMA. 2020;324:2292-2300.3)Reis G, et al. Lancet Glob Health. 2022;10:e42-e51.4)Lee TC, et al. JAMA Netw Open. 2022;5:e226269.5)Nyirenda JL, et al. Cochrane Database Syst Rev. 2022;9:CD015391.6)Bramante CT, et al. N Engl J Med. 2022;387:599-610.7)Boulware DR, et al. Lancet Glob Health. 2022;10:e329.8)Coronavirus Disease 2019 (COVID-19)Treatment Guidelines9)COVID-19 に対する薬物治療の考え方 第 15.1 版(2023年2月14日)

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それぞれの79歳【Dr. 中島の 新・徒然草】(467)

四百六十七の段 それぞれの79歳急に暖かくなったせいか、花粉がひどい!花粉飛散情報によれば、大阪は「非常に多い」になっています。これは4段階で最も悲惨な状況。私自身も花粉に苦しめられています。コロナ禍の3年間は花粉症のことは忘れるくらい何もなかったのに。安心して過ごせるのは空気濾過が行き届いている手術室くらい。後は花粉から逃げ回る毎日です。さて、最近のこと。初診で来た患者さんは79歳の女性でした。中島「あと5年だったらまあいいか」患者「5年ってどういうことですか?」中島「女性の平均寿命が85歳なんで、あと5年くらい生きるかと」何気なく言ったことですが、かなり間違っていることに後で気付きました。まず、日本人女性の平均寿命は小数点以下を四捨五入すると88歳。この方の正確な年齢は79歳なので、その差は9年です。また、すでに79歳まで生きていることを考慮しなくてはなりません。なので平均寿命ではなく、平均余命で考えるべきでしょう。調べてみると、日本人の79歳女性の平均余命は13年でした。最初に私がつぶやいた5年と13年では、ずいぶん大きな差があります。こういう発言は慎重にしなくてはなりませんね。なぜかこの日は79歳前後の女性の外来受診が多かったように感じました。が、皆さんそれぞれに言うことが違っています。ある自営業の女性。明日お迎えが来てもいいけど、できれば気持ち良く行きたい、と。ご主人も「ワシもすぐ追いかけるで」と明るく言っておられるそうです。別の女性は、前年にお店を始めたばかりなので、あと20年は頑張りたいとのこと。「『いつ行ってもいい』とか、それ本音と違うわよ」と仰っていました。さらに別の女性は、ご主人が亡くなったので会社を継いでいるそうです。もともと経理をしていたけど、今は社長と両方しているので大変!「一体、いつまで働くのかな。もう数えで80やのに」と嘆いています。そして、ついに79歳にして再婚した方も!お相手は1つ年下だそうですが、趣味が共通していました。双方とも最初の配偶者とは死別したものの、子供や孫はたくさんいるそうです。財産分与がややこしくならないよう、籍は入れないのだとか。この年齢になると、健康状態も人それぞれ。生きているのがつらい、という方は「そろそろ」と考えることでしょう。一方、心身共に元気いっぱいなら、まだまだこれからです。われわれ医師ができることは、皆さんが機嫌よく暮らすことのお手伝いですね。「明日お迎えが来ても」と言った女性には、トリガーポイント注射をしました。そうすると「楽になった!」と大喜び。私も徳を積んだような気がしてうれしくなりました。最後に1句花粉きて 鼻汁まみれで 徳を積む

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英語プレゼン、veryとyesばかり使っていない?【学会発表で伝わる!英語スライド&プレゼン術】第11回

英語プレゼン、veryとyesばかり使っていない?やや表面的な話になるかもしれませんが、一つ上のプレゼンテーションを目指すためには、バラエティ豊かな“副詞”を身に付けることが重要です。副詞をうまく使うことで、英語表現をより豊かなものにすることができるからです。英語は「繰り返しを好まない言語」ですから、繰り返し同じ副詞を何度も使うということを避ける必要があり、そのために、副詞にも意味別にいくつかのバリエーションを持っておくことが大切です。いくつか例を見てみましょう。“very”の反復を避けるための副詞典型的な日本人のプレゼンテーションでは、形容詞を強調するために、“very”が多用されるシーンをよく見ます。しかし、それではやや稚拙に聞こえてしまいます。この“very”を使いたくなるシーンで代わりに使える副詞は、実は無数にあります。たとえば、The proportion of A is very high.(Aの割合はとても高い)と言いたい場合に、“very”の代わりに“extremely”のような副詞を用い、The proportion of A is extremely high.と言うだけでも、より小慣れた英語に聞こえるでしょうし、割合の高さを効果的に強調することもできます。この“extremely”は、学会のようなフォーマルな場面でも用いることのできる副詞ですし、“substantially”などと置き換えても問題ないでしょう。それに引き続く形容詞などとの相性もあるので、語感にある程度慣れる必要がありますが、ほかにも…、very important → critically/crucially importantvery different → completely/entirely/totally differentなどと置き換えることができます。こうして効果的に副詞を使うことで、それぞれ重要性が高いこと、大きな相違があることを強調することができます。また、“very”よりもフォーマルな印象を与えることができるので学会発表に適しています。場合によっては、読み原稿に副詞をまったく入れていなかったものの、当日の緊張から、表現を強調したくなり、ついうっかり“very”を付けてしまった、という経験がある方もいるかもしれません。そんなときにも、あらかじめバラエティ豊かな副詞を習熟しておくことで、自然とよりスマートな英語を話すことができるでしょう。一方で、接続詞同様、使い過ぎると「主観的な話が多い」という印象を与えるリスクもありますので注意しましょう。“Yes”の反復を避けるための副詞副詞は、質疑応答における“Yes”の代わりとしても使用することができます。“definitely”、“absolutely”、“certainly”などの副詞がそれに当たります。たとえば学会での質疑応答で、“Could you show us Figure 1 again?”と聞かれたとき、典型的な日本人ならば反射で、“Yes”または“OK”と答えてしまうかもしれません。もちろん“Yes”を使うのも構いませんが、すべての質問に“Yes”というのはあまり好まれないものです。ここで“Certainly”などと答えると、小慣れた英語になると思います。文章全体を修飾する副詞さらに、副詞は文章全体を修飾する形でも用いることができます。「接続詞」のところでもいくつかご紹介しましたが、たとえば“Additionally”は副詞ですが、文頭に置くことで、「さらに」という接続詞として用いることができます。あるいは、文頭で“Unfortunately”と言えば、次にうまくいかなかった話をすることを暗示させ、聴衆に事前の心の準備をさせる効果を持ちます。これとは対照的に、“Interestingly”や“Surprisingly”と言って文章を始めれば、この後、興味深い知見ないし驚くような知見の説明があることを予見させ、聴衆の心をつかむことができるでしょう。このように、副詞を適材適所で用いることで、聴衆の関心を惹くためのツールとしても使うことができるのです。講師紹介

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3月9日 世界腎臓デー【今日は何の日?】

【3月9日 世界腎臓デー】〔由来〕腎臓病の早期発見と治療の重要性を啓発する取組として、国際腎臓学会などにより2006年から、3月第2木曜日を「世界腎臓デー」と定め、毎年、世界各地で腎臓病に関する啓発に向けてイベントが開催されている。関連コンテンツCKDで使うSGLT2阻害薬のポイント【診療よろず相談TV】CKD(慢性腎臓病)の定義【患者説明用スライド】Albってなあに?【患者説明用スライド】CKDを抑制、植物油よりも魚油/BMJSGLT2阻害薬は非糖尿病CKDにおいてもなぜ腎イベントを軽減するか?(解説:栗山 哲 氏)-1614

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第35回 新型コロナの入院時スクリーニング検査のやめどきは?

「5類」化によって間引くべきところを考えているご存じのとおり5月8日から「5類感染症」にスイッチするわけですが、どう引き算をしていけばよいのか迷われている医療機関は多いのではないでしょうか。当院でも侃々諤々と議論が交わされています。コロナ禍におけるその象徴が「入院時スクリーニング検査」です。そもそもPCR検査やそれに準ずる検査は、スクリーニングに用いる意義はそこまで大きくないというのが定説でしたし、コロナ禍当初、私もそう理解していました。基本的には確定診断にこそ用いるべき技術であろう、と。当たり前になった入院時スクリーニングしかし、急速な検査キャパシティの拡大により、どこの病院でもスクリーニング検査を行うことが当たり前になりました。これにより入院時スクリーニングが可能になりました。検査入院で入院してきた人が陽性になり、入院できなくなった事例、また陰性だったのに院内で発症した事例が、あるのも事実。2つ研究を紹介しましょう。1つ目は、2020年12月3日~2021年3月20日に東京都内の急性期病院に入院し、鼻咽頭スワブを用いたSARS-CoV-2の抗原定量検査(ルミパルス)と、症状・ウイルス曝露を評価するアンケート調査です1)。5,000例を超える患者のうち、抗原定量が陽性になったのは、わずか53例(1.02%)でした。判定保留は19例です。抗原定量陽性だった53例のうち、37例は典型的な症状などがあり、COVID-19と診断がついています。検査しておいてよかったね、という症例です。ただこの研究は、無症状の人にやみくもに採取した研究ではありません。抗原定量陽性であったものの入院時にCOVID-19と診断されなかった16例と、判定保留の19例については、全員隔離した後、3日以内にPCR検査を実施しました。このうち、PCR陽性は8例でした。残り27例はPCR陰性で、COVID-19ではありませんでした。他方、抗原定量陰性だった大多数のうちCOVID-19だったのはわずか2人でした(2人ともPCR陽性)。しかしこの2人についても、問診時点でCOVID-19が疑わしかったので、しっかりと隔離できていました。つまり、しっかり問診・診療しておれば、スクリーニング検査があってもなくても院内に広めるリスクはそれほど高くないのでは…ということも言えます。2つ目の研究は、実際に入院時スクリーニングを行っている患者のその後の感染を追跡した観察研究です。症例数は約1,100例です2)。この研究では、上記と違って当然COVID-19の事前確率がかなり低いわけです。PCR陽性で感染性があると判断されたのは、10例のみという結果でした。PCR陽性はちょいちょい引っかかるのですが、蓋を開けてみるとほとんどは感染性がない事例でした。となると、COVID-19の事前確率が高い場合はともかくとして、無症状の入院患者にスクリーニング検査を行う費用対効果はそこまで高くない印象を持っています。基本的に入院時に陰性を確認しても、その翌日や翌々日などにCOVID-19を発症することがありうるため、「その瞬間の陰性をみること」にどのくらいの価値を見出せるかどうか、でしょうか。参考文献・参考サイト1)Morishima M, et al. Universal admission screening for COVID-19 using quantitative antigen testing and questionnaire screening to prevent nosocomial spread. PLoS One. 2022;17:e0277426.2)山室亮介, 他. 新型コロナウイルスの入院時スクリーニングにおける抗原定性検査およびRT-PCR検査が院内感染に与える影響. 感染症学雑誌. 2023;97:1-5.

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尿酸と認知機能障害との関係~新規双極性障害患者の横断研究

 認知機能障害は、双極性障害患者の主要な症状の1つである。また、認知機能障害に対しプリン体関連の障害が重要な影響を及ぼしていることが示唆されている。しかし、双極性障害における認知機能障害とプリン体作動性代謝との関連を調査した研究は十分ではない。中国・The Second Xiangya Hospital of Central South UniversityのSujuan Li氏らは、これらの関連性とその潜在的な生死学的メカニズムについて調査を行った。その結果、尿酸値レベルの上昇は、双極性障害患者の認知機能に対する潜在的なメカニズムである可能性があり、尿酸値のコントロールが双極性障害の予防や治療においての新たな戦略となりうる可能性が示唆された。Journal of Affective Disorders誌2023年4月14日号の報告。 薬物治療未実施の新規双極性障害患者205例と健康対照者97例を対象に、横断的研究を実施した。尿酸値の測定は、生化学自動分析装置を用いた。認知機能の評価には、神経心理検査アーバンズ(RBANS)およびストループ色彩単語検査を用いた。また、一般的な情報および臨床症状を収集し、評価を行った。 主な結果は以下のとおり。・双極性障害患者は、健康対照者と比較し、尿酸値レベルが有意に高かった(U=8,475.000、p=0.038)。・双極性障害患者は、健康対照者と比較し、RBANSスコア(t=-11.302、p<0.001)およびストループ検査スコア(t=-6.962、p<0.001)が有意に低かった。・性別サブグループ分析では、女性は、尿酸レベルが低く、RBANSスコアが高かった。・相関分析では、双極性障害患者の認知機能において、注意(r=-0.23、p=0.001)および遅延記憶(r=-0.16、p=0.022)と尿酸値レベルとの有意な負の相関が認められた。

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アルツハイマー病治療薬lecanemab、FDAフル承認への優先審査に指定/エーザイ・バイオジェン

 エーザイとバイオジェン・インクは3月6日付のプレスリリースにて、同社のアルツハイマー病治療薬lecanemab(米国での商品名:LEQEMBI)について、迅速承認かららフル承認への変更に向けた生物製剤承認一部変更申請(supplemental Biologics License Application:sBLA)が米国食品医薬品局(FDA)に受理されたことを発表した。本申請は優先審査に指定され、審査終了目標日であるPDUFA(Prescription Drugs User Fee Act)アクションデートは2023年7月6日に設定された。 本剤は、米国において、2023年1月6日にアルツハイマー病の治療薬として迅速承認され、同日にフル承認に向けたsBLAがFDAに提出されていた。ヒト化IgG1モノクローナル抗体のlecanemabによる治療は、アミロイドβ病理が確認されたアルツハイマー病による、軽度認知障害または軽度認知症患者を対象としている。今回のsBLAは、大規模グローバル臨床第III相検証試験であるClarity AD試験のデータに基づく。

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クライオ生検vs.従来法、日本人末梢肺病変の診断率と安全性/Lung Cancer

 2017年に本邦でも使用可能となったクライオ生検は、従来の経気管支肺生検よりも大きく、かつ良質な検体が得られる手法である。しかし、末梢肺病変の診断率について、クライオ生検と従来法を直接比較した報告は、ほとんどないのが現状である。そこで、国立がん研究センター中央病院の古瀬 秀明氏らは、診断的気管支鏡検査を受けた患者のデータを後ろ向きに解析し、クライオ生検は従来法と比べて末梢肺病変の診断率が高かったことを報告した。本研究結果は、Lung Cancer誌2023年4月号に掲載された。クライオ生検は従来法と比べて末梢肺病変の診断率が高いことが明らかに 末梢肺病変を有し、2015年10月~2020年9月までに診断的気管支鏡検査を受けた患者2,724例のデータを後ろ向きに解析した。クライオ生検を受けた患者492例(クライオ生検群)、従来の経気管支肺生検を受けた患者2,232例(従来法群)について、傾向スコアマッチングを行い、各群481例を比較した。 クライオ生検と従来法を末梢肺病変の診断率について比較した主な結果は以下のとおり。・傾向スコアマッチング後の診断率は、従来法群が77.6%であったのに対し、クライオ生検群は89.2%であり、有意に高率であった(オッズ比[OR]:2.36、95%信頼区間[CI]:1.65~3.38、p<0.001)。・傾向スコアを用いた層別化(OR:2.35、95%CI:1.71~3.23)、回帰分析(OR:2.54、95%CI:1.83~3.52)においても、クライオ生検の診断における有用性が示された。・サブグループ解析において、とくに中葉舌区、右/左下葉の病変、すりガラス陰影、胸部X線検査で検出できない病変について、クライオ生検の診断における有用性が示された。・Grade2および3の出血の発現率は、従来法群がそれぞれ10.2%、0.8%であったのに対し、クライオ生検群ではそれぞれ38.0%、1.5%と有意に高率であった(p<0.001)。Grade4の出血はクライオ生検と従来法のいずれの群にも認められなかった。 著者らは、「クライオ生検は従来法と比べて末梢肺病変の診断率が高いことが明らかになった。ただし、クライオ生検は出血リスクが増加するため注意が必要である」とまとめた。

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コロナへのイベルメクチン、最大用量でも効果認められず/JAMA

 軽症~中等症の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)外来患者へのイベルメクチン治療について、最大目標用量600μg/kgの6日間投与はプラセボ投与と比較して、持続的回復までの期間を改善しなかった。米国・デューク大学のSusanna Naggie氏らが、約1,200例を対象に行った無作為化二重盲検プラセボ対照プラットフォーム試験「ACTIV-6試験」の結果を報告した。著者は、「結果は、軽症~中等症のCOVID-19患者へのイベルメクチン使用を支持しないものであった」とまとめている。JAMA誌オンライン版2023年2月20日号掲載の報告。発症から7日以内の軽症~中等症を対象に試験 ACTIV-6試験は、軽症~中等症のCOVID-19外来患者における既存治療転用を評価するようデザインされた、進行中のプラットフォーム無作為化試験。 被験者は2022年2月16日~7月22日にかけて、米国の93施設で登録された、2種以上の急性感染症の症状があり発症から7日以内のCOVID-19感染が確認された30歳以上の外来患者1,206例であった。最終フォローアップは同年11月10日。 被験者は無作為に2群に割り付けられ、一方にはイベルメクチン最大目標用量600μg/kgを(602例)、もう一方にはプラセボが(604例)、それぞれ6日間投与された。 主要アウトカムは、持続的な回復(3日以上無症状が続く状態と定義)までの期間だった。副次アウトカムは、複合アウトカム(28日以内の入院、死亡、緊急/救急外来受診)など7項目だった。持続的回復までの期間中央値、両群とも11日 無作為化を受けた1,206例は、年齢中央値48歳(四分位範囲[IQR]:38~58)、女性が713例(59.1%)、SARS-CoV-2ワクチンの2回以上接種者は1,008例(83.5%)だった。 持続的回復までの期間中央値(IQR)は、イベルメクチン群、プラセボ群ともに11日(IQR:11~12)だった。症状回復までの期間改善に関するハザード比(HR)は1.02(95%信用区間[CrI]:0.92~1.13、p=0.68)。 複合アウトカム発生は、イベルメクチン群34例(5.7%)、プラセボ群36例(6.0%)だった(HR:1.0、95%CrI:0.6~1.5、p=0.53)。また、イベルメクチン群で死亡が1例、入院が4例(0.8%)発生したが、プラセボ群では死亡例はなく、入院は2例(0.3%)だった。有害事象は両群共にまれであった。

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尿路感染症疑い高齢者への抗菌薬、医師への適正使用支援で6割減/BMJ

 尿路感染症が疑われる70歳以上のフレイル高齢者について、医療者に対して適切な抗菌薬使用決定ツールの提供や教育セッションなどの多面的抗菌薬管理介入を行うことで、合併症や入院の発生率などを上げずに、安全に抗菌薬投与を低減できることが示された。オランダ・アムステルダム自由大学のEsther A. R. Hartman氏らが、ポーランドやオランダなど4ヵ国の診療所などで行ったプラグマティックなクラスター無作為化試験の結果を報告した。ガイドラインでは限定的な抗菌薬使用が推奨されているが、高齢患者においては、処方決定の複雑さや異質性のため推奨使用の実施には困難を伴うとされていた。BMJ誌2023年2月22日号掲載の報告。38クラスターを対象に7ヵ月追跡 研究グループは2019年9月~2021年6月にかけて、ポーランド、オランダ、ノルウェー、スウェーデンの一般診療所(43ヵ所)と高齢者ケア組織(43ヵ所)のうち、1ヵ所以上を含む38クラスターを対象に、ベースライン期間5ヵ月、追跡期間7ヵ月のプラグマティックなクラスター無作為化試験を行った。 被験者は70歳以上のフレイル高齢者1,041例(ポーランド325例、オランダ233例、ノルウェー276例、スウェーデン207例)で、追跡期間は411人年だった。 介入群の医療者には、多面的抗菌薬管理介入として、適切な抗菌薬使用の決定ツールや教材の入ったツールボックスを提供。参加型アクションリサーチ・アプローチのほか、教育・評価セッションや、介入の地域に即した変更を行った。対照群では、医療者が通常の治療を行った。 主要アウトカムは、尿路感染症疑いのある患者への抗菌薬処方数/人年だった。副次アウトカムは、合併症率、全原因による紹介入院、全原因による入院、尿路感染症疑い後21日以内の全死因死亡、全死因死亡などだった。尿路感染症疑いへの抗菌薬投与、介入で0.42倍に 尿路感染症が疑われた患者への抗菌薬処方数は、介入群54件/202人年(0.27/人年)、対照群121件/209人年(0.58/人年)だった。介入群の被験者は、対照群の被験者と比べて尿路感染症疑いで抗菌薬の処方を受ける割合が低く、率比は0.42(95%信頼区間[CI]:0.26~0.68)だった。 合併症率(介入群0.01未満/人年vs.対照群0.05/人年)、紹介入院率(0.01未満/人年vs.0.05/人年)、入院率(0.01/人年vs.0.05/人年)、尿路感染症疑い後21日以内の死亡(0/人年vs.0.01/人年)、全死因死亡(両群とも0.26/人年)は、両群で差はみられなかった。

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2023年度コロナワクチン接種スケジュールを発表/厚労省

 厚生労働省は3月7日、新型コロナワクチンの2023年4月以降の接種についてスケジュールの方針を発表した。2023年度も、すべての国民に自己負担なしで新型コロナワクチンを接種できる「特例臨時接種」が延長される。 12歳以上については、重症化リスクの高い高齢者(65歳以上)や基礎疾患を有する人、および医療従事者は、5月8日から、オミクロン株対応2価ワクチンの追加接種を開始する。年2回の接種が可能となる。高齢者は春~夏に1回、秋~冬に1回の接種が推奨されている。いずれの対象者も、最終接種からの接種間隔は少なくとも3ヵ月以上となる。 それ以外の12歳以上の者は、2022年度秋接種開始分のオミクロン株対応2価ワクチンの追加接種を5月7日に終了し、9月以降に、年1回の追加接種を再開する。使用するワクチンは再度検討される予定。 5~11歳の小児については、3月8日から、追加接種がオミクロン株対応2価ワクチンとなる。2価ワクチンは、1・2回目接種を完了した者が対象で、最終接種から少なくとも3ヵ月以上間隔をあけて接種する。基礎疾患を有する小児は、5月8日~8月の期間に、さらにもう1回の2価ワクチンの追加接種が可能。 生後6ヵ月~4歳の小児については、初回免疫として従来型の1価ワクチンを随時接種することができる。

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パーキンソン病の淡蒼球超音波アブレーション試験(解説:内山真一郎氏)

 淡蒼球内節の片側超音波アブレーションの非盲検試験では、パーキンソン病の運動症状を軽減する効果があった。本試験では、運動障害またはジスキネジアを有するパーキンソン病患者94例を3対1の比率で無作為割り付けし、休薬時において症状の強い側と反対側に対する超音波アブレーションを疑似手技と比較した。 一次評価項目は、パーキンソン病の運動障害重症度尺度であるMDS-UPDRS IIIまたはジスキネジア重症度尺度であるUDysRSの3ヵ月後の服薬中での3点以上の低下であった。実治療群で反応があった割合は69%であり、対照群の32%より有意に多かった。実治療群でみられた副作用は、構音障害、歩行障害、味覚脱失、視覚障害、顔面麻痺などであった。主要な外科療法として行われている脳深部刺激療法も同様の効果があるが、開頭を必要とし、頭蓋内出血や感染症のリスクがあり、拒否する患者もいる。FDAは内科的治療に反応しにくくなった本態性振戦や振戦優位型のパーキンソン病に視床超音波アブレーションを承認している。本治療法の有効性と安全性を確立するにはより長期の大規模な試験が必要である。

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ドイツ医師免許試験対策のコツ【空手家心臓外科医のドイツ見聞録】第23回

前回の記事で書かせていただいたのですが、ドイツで医師免許を取得するためには専門用語試験“Fachsprachpruefung”に合格する必要があります。ぶっちゃけネイティブ並みのドイツ語が話せるのであれば問題ないのですが、現実問題はそうはいきません。実際、私が試験に合格した時点では、まだまだ十分なドイツ語コミュニケーションが取れている状態ではありませんでした。しかし、そこはやはり試験ですので、ある程度の対策を練ることはできます。前回お話しした通り、Fachsprachpruefungは原則的に「患者問診→カルテ記載→上級医へのプレゼン」の順番に進みます(州によって順番が違うこともあります)。患者問診の攻略法初めの患者問診とカルテ記載はとにかく時間勝負になります。患者問診の対策として、私はどんな疾患が来ても大丈夫なくらいしっかりした定形文を作成しました。とにかく時間が足りませんし、模擬患者に好き勝手に喋らせると、聴き取れないドイツ語を話し始める可能性があるので、基本的に“closed question”でまくし立てるように質問攻めにできるような定型文に仕上がっています。“Ja(はい)/Nein(いいえ)”、もしくは「3日前」や「刺すような」などの単語だけで答えさせるように工夫を凝らした自慢の作品です(内科の先生に聞かれたら怒られそうですが)。試験の際、模擬患者は不安や怒りなどの感情をぶつけて来たり、やたらと病名を知りたがったりすることがあります。しかしこういった「難しいシチュエーション」もある程度パターン化されていて、「あなたの不安はもっともです。それを解決するために、引き続き私の質問に答えてくれますか?」や「この問診の内容を上級医に報告し、検査を行った後に再度病名について話をします」など、切り返しもすべて用意しておきました。ここまでやり込むことで、どんな意地悪な模擬患者が相手でも、大体20分ジャストくらいで問診を終えることができるようになりました。カルテ記載の攻略法続くカルテ記載は形式が州ごとに差が大きいのが特徴です。こちらも手がつるくらい全速力で書いても20分ギリギリの分量となります(これはどこの州でも同じみたいです)。とにかく焦りながら書くことになりますので、多少の誤字・文法ミスは目をつむってくれます。しかし、大事なのは記載の際には「『接続法1式』という、かなり特殊な文法を用いて書かなくてはならない」ということです。これはドイツ語で、「伝聞」した内容を伝えるときに用いられる文法形態です(日本語で言うところの「患者がこう言っていた」という言い回しのことです)。これは結構マニアックな文法で、実際にドイツに住んでいても、ニュースや新聞くらいでしか耳にすることも、目にすることもないような表現形態です。ドイツ語の文法の教科書でもしっかりしたものでないと、勉強することはできません。とはいっても、一度理解してしまえば割と簡単です。プレゼンの攻略法最後に「上級医へのプレゼン」が最大の難関となります。プレゼンの最中に、上級医はどんどん質問を挟んできます。「鑑別疾患は何だ」、「必要な検査は?」などから、「話しているときの患者の様子はどうだった? 苦しそうだったか? お腹を押さえたりしていなかったか?」「それは緊急事態じゃないか! こんなところでプレゼンしている場合じゃない。まず何から始めないといけないの?」などなど、非常にバリエーションに富んだ質疑がなされます。あくまでドイツ語の試験であるため、本来は「わからないことはわからない」と答えてディスカッションすれば問題ないのですが…。正直そちらの方が難しいと言えます。取り上げられる疾患はある程度絞られていますので、疾患をドイツ語である程度説明できるように準備しておくことが重要になります。画像上部のKHKはいわゆる「冠動脈疾患」です。私は、こんな感じで疾患のポイントをまとめた資料を暗記して、上級医の質問に備えました。ドイツ医師免許対策はなかなか情報が集まらず、受験時は苦労するかも知れません。Approbation受験をされる際の参考になれば幸いです。

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第151回 島津製作所のX線撮影装置故障偽装で思い出した、医療機器の商習慣“定価の半値八掛け二割引”の落とし穴

島津製作所が故障偽装の報告書公表こんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。いよいよ明日、3月9日からWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)が開幕します。今回は日本のNPBファン、米国のMLBファンともに楽しめる大会になりそうです。一次ラウンドでは、大谷 翔平、ダルビッシュ 有、佐々木 朗希、山本 由伸の4人の先発投手を連日観戦できるわけで、それだけでも野球ファンはお腹一杯になるでしょう。ただ、一つ気になるのはメディア含め、日本全体が「日本の優勝間違いなし」といったムードになっている点です。米国だけでなくドミニカ共和国も相当強い布陣です。一次ラウンドはともかく、準決勝以降は厳しい戦いになるに違いありません。さて、今回は1ヵ月ほど前に島津製作所(京都市)が調査報告書を公表した、子会社である島津メディカルシステムズ(大阪市)によるX線装置故障偽装について書いてみたいと思います。2022年8月に中日新聞のスクープで表沙汰となったこの事件。6ヵ月余りの間、島津製作所は調査の途中経過を関係各署に報告することもせず、今回の調査報告書公表もホームページに載せただけで記者会見を開きませんでした。行政や医療関係者、メディアを少々ナメたかのような対応で、今後の同社の医療機器販売に影響が出ないかが心配です。故障を装って修理費用を請求する不正は疑い事例含めて計43件島津製作所の子会社で、同社の医療機器の販売、修理、保守点検などを行う島津メディカルシステムズ(以下、島津メディカル)が、熊本県内の医療機関に納入したX線装置を巡り、故障を偽装して部品を有償で交換していた問題で、島津製作所は2月10日、外部の弁護士らによる外部調査委員会の調査報告書を公表しました1)。それによれば、島津メディカルにおいて、X線撮影装置に一定時間が経過すると電力が止まるタイマーを仕掛け、故障を装って医療機関に修理費用を請求するという不正が、疑い事例を含めて計43件あったとのことです。不正は事件発覚当初に報道された熊本県内の病院だけでなく、九州地方の他の3県でも確認されました。調査報告書によると、 2016年から2018年にかけ、熊本県内の5つの医療機関において、島津メディカルのサービス技術者がX線撮影装置に市販のタイマーを勝手に取り付け、一定期間が経過すると一時的に電力が供給されないようにし、X線照射ができないようにしていました。装置の故障としてX線装置の部品(X線管装置又はX線高電圧装置)の交換を1件につき約150万~200万円で行っていました。調査委員会の調べでは、証拠が明らかになった5つの医療機関のほかにも、2009~19年に熊本、宮崎、鹿児島、長崎の4県の医療機関でも、証拠が残っていない疑わしい事例が38件確認されました。計43件の医療機関の所在地は熊本県15件、宮崎県13件、鹿児島県12件、長崎県3件でした。なお、島津製作所は具体的な医療機関名については明らかにしていません。2017年に内部通報あるも調査せず隠蔽計43件の売上額は9,000万円超とのことです。部課長級にあたる幹部社員である営業所長5人を含む計7人の技術者が関わっていました。これまで島津製作所は、2022年4月の内部通報で初めて不正の疑いを把握し、5月から調査を開始したと説明していましたが、調査報告書では、2017年に島津メディカルの社員が証拠となる写真と録音を同社の執行役員企画管理本部長(当時)に提出し、内部通報していたとしています。この通報は社長らに報告されず、被害を受けた医療機関にも説明されず、結果として隠蔽されていました。調査報告書は不正の動機として、各営業所に厳しい業績目標が割り当てられ、不正を行った社員がノルマ達成のプレッシャーにさらされていたことを挙げ、組織上の問題点を指摘しています。具体的には、2010年から2016年まで九州支店長を務めた人物が「人事権を背景に(九州各県の)営業所長らへの支配力を確立させ、業績目標の達成を強く求め続けていたようだ」としています。嫌疑濃厚とされた7人のうち営業所長ら4人は、この支店長から「直接的な圧力を強く受けていたことがうかがわれ、それが不正の動機につながったのではないか」と報告書は書いています。ちなみに、不正やその疑いがある計43件のうち、7割近い29件はこの支店長の在任期間に起きていました。島津製作所は「当社は、当社子会社における本件の発生を重く受け止め、今後このような事態を再び起こすことがないよう、外部調査委員会が認定した事実、発生原因及び再発防止策の提言を真摯に受け止め、速やかに具体的な再発防止策を策定、実行してまいります。医療機関様、患者様をはじめとする関係者の皆様には、多大なるご迷惑とご心配をおかけしましたことを、深くお詫び申し上げます」とコメントしています。中日新聞の報道をきっかけに「不適切な行為があった疑いがある」と公表この事件は、2022年8月25日付の中日新聞のスクープによって発覚しました。記事によれば、最初の被害が発覚したのは熊本県の山間部に位置する公立病院に導入されていたX線テレビシステム。2009年に1,417万円で購入した機種で、月約20万円のメンテナンス契約を結んでいたとのことです。島津メディカルの担当者がタイマーを仕掛けたのは2017年9月とみられ、その後、X線が出なくなり、X線管球を228万円払って交換しました。島津製作所は報道があった8月25日、「島津メディカルで、X線撮影装置のサービスを提供する際に不適切な行為があった疑いがある」と発表しました。なお、この時点で同社は「本件によって誤診や医療事故を生む可能性はなく、不適切な行為の疑義は一部地域に限られる」としていました。当初、島津製作所によれば4月に内部通報があって調査に乗り出したとしていました。ただ、その時点では故障偽装があったことは公表していません。中日新聞の報道を受けて公表に踏み切った形となり、対応のまずさが際立つ結果となりました。なお、中日新聞はこの時の報道で、島津製作所が防衛省から受注した事業で装備品修理の作業時間を過大に計上し、費用を水増し請求した問題で2013年に指名停止処分を受けたことや、2017年にも同省との修理契約で、必要な手続きをせずに部品を修理して取り付けるなどした問題で再度指名停止処分を受けた事実についても報じ、修理やメンテナンスで不当に稼ぐ企業体質の存在を指摘しています。「○○○タイマー」という都市伝説このニュースを聞いて、かつて、家電やオーディオなどで「○○○(メーカー名)タイマー」という都市伝説があったことを思い出しました。どんなに人気の定番商品でも、数年経つと計ったように故障し、新製品の購入を余儀なくされてしまうという噂です。私自身も確かに、「またこのメーカー、故障かよ」と思ったことは少なからずありますが、それらの製品に実際にタイマーが内蔵されていたかどうかは不明です。その存在を証明できた人もいないようです。医療機器メーカーにおいて、機器の販売台数ではなく、修理や故障のメンテナンス費用の売上ノルマがあったことも驚きです。故障しない、あるいは故障が少ないことを目指すのが、あらゆる機器メーカーの目標であるはずなのに、逆に故障を願う体制となっていたとは、呆れて物が言えません。かつて常識だった大型医療機器“定価の半値八掛け二割引き”ひょっとしたら、そこには、昔からよく言われている医療機器の不透明な価格設定の問題も少なからず関係しているのかもしれません。X線CTやMRI、そしてX線撮影装置などの大型医療機器は、かつては”定価の半値八掛け二割引き”が当たり前と言われていました。「半値八掛け二割引き」とは、元々は証券業界で使われていた言葉です。株式相場において上昇相場だった銘柄の株価が頭打ちとなり下落し始めたときに、再度買い付けるときの安値の目安が「半値八掛け二割引き」なのだそうです。ただ、この言葉は長く大型医療機器の実際の購入価格についても使われてきました。この計算で行くと、定価1億円の機器ならば売値は3,200万円、約3分の1になります。要は「定価はあってないようなもの」が大型医療機器だったわけです。そんなに安く売ってもメーカーが痛くも痒くもなかったのは、ランニングコスト(保守点検や修理費)などで長い時間かけて元をしっかり取る仕組みができていたからです。購入価格の安さを目くらましに、高い保守点検費用や修理費用を医療機関に請求していたメーカーは結構あったと聞いています。ただ、この”定価の半値八掛け二割引き”の不透明な商習慣を改めようという動きもたびたび沸き起こり、一時大型医療機器の価格は正常化に向かった、と聞いたこともあります。しかし、今回の島津製作所と島津メディカルの故障偽装の事件を見ると、「医療機器は売った後の保守や点検で稼ぐ」という旧来のメーカーの販売手法はまだしぶとく生きていそうです。調査報告書では、島津メディカルでは「サービス技術者の業績評価において部品販売の実績が考慮されており、かつサービス技術者がコントロール不可能な事後(販売後)交換も評価項目になっていた」と指摘されています。もっとも、調査報告書はそうした医療機器独特の商習慣の存在にまでは踏み込んではいません。あえて踏み込まなかったのか、今回の故障偽装とは関係ないと判断したのか、その点はわかりません。いつの時代にも言えることですが、メーカーからすれば、医療機関(医師も事務方も)は騙しやすい存在です。とくに高額な大型医療機器の導入・運用・保守にあたっては、メーカーや販売業者の言葉を鵜呑みにせず、購入価格や保守費用などの料金交渉には、疑いの目を持って臨むようにしてください。参考1)外部調査委員会からの調査報告書受領及び当社の対応について/島津製作所

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エリスリトールが血栓、主要心血管イベントの発生リスクと関連

 人工甘味料は砂糖の代用として広く使用されているが、人工甘味料の摂取が2型糖尿病や心血管疾患と関連するという報告もある。米国・クリーブランドクリニック・ラーナー研究所のMarco Witkowski氏らは、アンターゲットメタボロミクス研究において、糖アルコールに分類される甘味料エリスリトール(多くの果物や野菜に少量含まれる)が3年間の主要心血管イベント(MACE:死亡、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中)の発生と関連していることを発見し、その後の米国および欧州の2つのコホートを用いた研究でも、その関連は再現された。また、エリスリトールはin vitroにおいて血小板反応性を亢進し、in vivoにおいて血栓形成を促進することを明らかにした。健康成人にエリスリトールを摂取させたところ、血小板反応性の亢進および血栓形成の促進についての閾値を大きく超える血漿中エリスリトール濃度の上昇が引き起こされた。Nature Medicine誌オンライン版2023年2月27日号の報告。エリスリトールへの曝露で血栓形成リスクが高まる可能性のある期間が持続 米国において、心臓カテーテル検査を受けた患者1,157例を対象として、アンターゲットメタボロミクスにより3年間のMACE発生と関連のある物質を検討し、エリスリトールが同定された。その結果を受けて、米国において同様に2,149例(上記の1,157例とは重複しない)を対象に、血清中エリスリトール濃度で四分位に分類し、3年間のMACE発生との関係を検討した。また、欧州において慢性冠症候群の疑いで待機的冠動脈造影検査を受けた833例を対象に、血清中エリスリトール濃度で四分位に分類し、3年間のMACE発生との関係を検討した。さらに、米国の18歳以上の健康成人8人を対象に、エリスリトール30g(市販の人工甘味料入り飲料1缶、ケトアイス1パイントなどに相当)入りの飲料を摂取させ、血漿中のエリスリトール濃度を7日間測定した。 エリスリトールの血小板への作用を検討するため、健康成人の多血小板血漿(PRP)を用いて血小板凝集反応とエリスリトール濃度の関係を検討した。また、血小板を分離し、エリスリトールの血小板機能への影響も検討した。エリスリトールの血栓形成への影響は、ヒト全血における血小板の接着、頸動脈損傷モデルマウスにおける血栓形成率および血流停止までの時間により評価した。 エリスリトールと主要心血管イベントや血栓形成との関連を研究した主な結果は以下のとおり。・アンターゲットメタボロミクス研究において、血清中エリスリトール濃度第4四分位群は第1四分位群と比べて有意にMACE発生リスクが高く(調整ハザード比[aHR]:2.95、95%信頼区間[CI]:1.70~5.12、p<0.001)、MACE関連候補分子の中で非常に上位に位置していた。・米国および欧州のコホート研究においても、血清中エリスリトール濃度第4四分位群は第1四分位群と比べて有意にMACE発生リスクが高く、aHR(95%CI)はそれぞれ1.80(1.18~2.77)、2.21(1.20~4.07)であった(それぞれp=0.007、p=0.010)。・エリスリトール濃度とMACE発生リスクの関連は、米国および欧州のコホート研究において男女問わず観察され、年齢(70歳以上/未満)、高血圧の有無、eGFR(60mL/min/1.73m2以上/未満)などのサブグループ解析においても同様であった。・ADPまたはTRAP6存在下で、エリスリトールは用量依存的にPRPにおける血小板凝集反応を増加させ、トロンビン(0.02U/mL)曝露後の血小板の細胞内Ca2+濃度を増加させた。また、ADP(2μM)存在下の血小板において、エリスリトールは用量依存的にP-セレクチンの発現およびGP IIb/IIIaの活性化を増加させた(いずれもin vitro)。・ヒト全血においてエリスリトールは血小板の接着を増加させ(in vitro)、頸動脈損傷モデルマウスにおいて血栓形成率を上昇、血流停止までの時間を短縮させた(in vivo)。・健康成人にエリスリトールを摂取させた研究では、摂取後数時間は血漿中濃度がベースライン(中央値3.84μM)より千倍以上高い状態(30分後の中央値5.85mM)が続き、血小板反応性の亢進および血栓形成の促進についての閾値を大きく超えていた。すべての被験者において、ベースラインからの増加は2日以上継続した。 本論文の著者らは、「エリスリトールおよび人工甘味料の長期的な安全性を評価する試験が必要であることが示唆された。エリスリトールへの曝露後、血栓形成のリスクが高まる可能性のある期間が持続することが示され、これは心血管疾患の発症リスクの高い患者(糖尿病、肥満、CVDの既往、腎機能障害を有する患者)における懸念事項である」とまとめた。

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