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人違いの秋【Dr. 中島の 新・徒然草】(500)

五百の段 人違いの秋先週金曜日に広島に行ってきました。国立病院総合医学会という学会があったからです。小雨は降ったものの暑くもなく寒くもない、ちょうどいい気候でした。午前中は「医療従事者の心理的安全を確保するための工夫」というタイトルでの講演。午後からは「若手医師フォーラム」のディスカッサントです。今回は若手医師フォーラムについてお話ししましょう。これは毎年恒例のもので、卒後10年以下の若手医師が症例報告や研究発表を英語で行います。合計で8演題ですが、採点による上位2名は表彰されて豪華副賞が授与されるというものでした。4名のディスカッサントに2つずつの演題が割り当てられており、それぞれが質問をして場を盛り上げるという仕組みです。例年はディスカッサントの専門を考慮して、私には脳外科かせいぜい神経内科といった関連領域の演題しか割り当てられなかったのですが、今年はランダムです。私には膠原病と感染症が割り当てられてしまい、学会前に大急ぎで勉強する羽目になりました。隣に座っていたディスカッサントの先生は、専門が肝臓であるにもかかわらず脳動脈瘤の研究が当たってしまい「私は適当なことしか聞けないので、中島先生も質問をお願いします」と頼まれてしまいました。皆さんそれぞれに苦労されたようです。私自身も、にわかにリウマトイド血管炎やアスペルギルス性感染性心内膜炎を勉強しなくてはなりません。幸い前日くらいに、いくつかの質問を準備することができてホッとしました。リウマトイド血管炎の発表をしたのは卒後4〜5年前後の先生でしたが、single-cell spatial transcriptome analysisを使った野心的な研究です。生まれて初めて耳にする実験方法ですが、一通り勉強してみると「世の中は進んでいるなあ」と感心させられました。自分がまったく知らない分野も、勉強してみると何かと興味深いものです。たまたまですが、演者の名字が私の同級生の名字と一緒だったので、セッションの後で「ひょっとしてお父さんは○井×彦先生?」と彼女に尋ねてみると「阪大生の時代からよく聞かれたんですが、そうではありません。私の父はサラリーマンです」という答えでした。先入観のせいか、顔なんかよく似ていたような気がしたのですが……さて、英語での発表というのは誰にとってもハードルの高いもので、非常に上手な演者もいれば、そうでない演者も混在していました。が、こういうことは挑戦することが大切だと思います。そして、たとえうまくいかなかったとしても、そのことを勉強のモチベーションにつなぐべきですね。かくいう私も久しぶりの英語でのやり取りを何とか無難にこなしたものの、やはり勉強の必要性を感じさせられました。新たに英語の勉強を再開しましたが、こういうのは目標が必要です。オンライン英会話とか、英検・TOEICの受験とか、何か目標を見つけなくてはなりません。何らかの本番を設定して、迫りくる恐怖に怯えながら勉強するか、思うようにいかなかった悔しさをバネに勉強するか、あるいは両方ともでしょうか。引き続き精進を重ねたいと思います。次回は自分自身が発表した「医療従事者の心理的安全を確保するための工夫」について述べたいと思います。最後に1句秋深し 知人の娘は 別の人

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第68回 「沢井製薬、おまえもか!」ジェネリック医薬品クライシス

沢井製薬でも不正Unsplashより使用沢井製薬は、テプレノンカプセル50mgに関する安全性確認を巡って検査不正があったことを発表しました。現場としては、「もう勘弁しておくんなせー」と叫びたいくらい、検査不正が続いています。平成22年の沢井製薬社内試験で、有効期限を超えた4年目の保存カプセルを使用した場合、十分にカプセルが溶けず、薬剤溶出が低下していることがわかりました。工場長が原因を明らかにするために薬の詰め替えを指示したところ、現場担当者はそれが正規の手法であると誤認したことがきっかけとなり、保存3年目のカプセルから内容を取り出して別カプセルに詰め替えて試験を行う、という承認外の手順で試験を進めることになってしまいました。■当社九州工場でのテプレノンカプセル50mg「サワイ」安定性モニタリングにおける不正に関する調査について(沢井製薬2023年10月23日発表リリースより)本件不適切試験は、2013年に実施された本件製品の安定性モニタリングにおける溶出試験で規格外(OOS)の結果が発生した際に、当時の九州工場の上層部において、GMP(医薬品の製造管理及び品質管理の基準)に基づく手続を怠ったことを契機として実施されました。すなわち、当時の上層部において、規格外(OOS)の結果を受けて、溶出性の低下の原因を調査するためにカプセルを詰め替えて試験を実施することを指示したものの、GMPに基づく正式な社内報告や原因究明・是正措置等を行うことなく、カプセルを詰め替えて実施した試験による規格内の結果をもって、当該溶出試験に関するGMP上の手続を終了していました。このような処理を受けて、本件製品の安定性モニタリングにおける溶出試験では、カプセルを詰め替えて実施した試験による規格内の結果をもって処理することが、上層部からの指示であると考えた試験担当者らにより、本件不適切試験が継続的に行われていました。また、管理職以上の上層部が、本件不適切試験の実施を指示し又はこれを黙認した事実は認められませんでしたが、監督体制の不備により、本件不適切試験が実施されていることを検出することができず、長年にわたり本件不適切試験が継続されていました。行政処分は未定ですが、これまでの他社の経緯を踏まえると、さらにジェネリック医薬品の流通懸念が起こることは間違いないと思われます。現在でも外来で「薬がありません」と疑義照会が来ることがしばしばありますが、こういったことが今後頻繁に起こるのではないかと考えるだけで、背筋がゾワゾワします。日本の医薬品流通が崩壊する普通のメーカーは、原材料や人件費高騰とともに商品を値上げすることが可能です。これはもう、資本主義の原点です。しかし、薬剤は国が薬価を決め、さらに年々下げてくるので、粗利を出す行為から逆行していることになります。今回の問題になったテプレノンは1カプセルの薬価わずか6.3円です。うまい棒の半額くらいです。利益が出ない薬剤の供給責任を負わされるメーカーのストレスもかなりものだろうと、察するに余りあるところです。供給がいつ良化するのか未定ですが、COVID-19やインフルエンザの流行で不足しているとされている鎮咳薬や去痰薬については、厚労省は増産に向けた設備支援を行うことを検討していると報道されています。ただ、医薬品の流通懸念はこれらの薬剤に限らず、全医薬品の約20%、ジェネリック医薬品の約30%が通常出荷されていない状況です。ジェネリック医薬品の品目数は増加し続けており、同一製造ラインで多品目の少量生産を行うことで、単一薬剤の製造能力に余裕がありません。そのため、ジェネリック医薬品メーカーが出荷制限・停止に陥っても、他メーカーがその穴を埋めることができず、限定出荷が連鎖的に起こる脆弱な構造になっています。メーカーの設備投資への下支えは重要で、支援の裾野が広がることに期待したいです。長期的には、収載品目数を減らし生産を効率化させ、非効率品目については生産可能な企業でまとめて生産するなどの弾力的措置を進めていく必要があると考えます。とまあ、これは教科書的な理想論なのですが…。実際のメーカーの現場は、「詰み」に近い状態にあり、「進むも地獄、退くも地獄」だと聞いています。誰か助けて!

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高齢ドライバーは本当に事故を起こしやすいか/筑波大

 超高齢社会になり、わが国では高齢ドライバーによる交通加害事故の報道を目にする機会は多い。加齢による認知機能や運動機能の低下が自動車の運転に影響することは論をまたないが、実際高齢者の自動車事故は、それ以外の年代の運転者と比較して多いのだろうか。筑波大学医学医療系の市川 政雄氏らの研究グループは、高齢者の運転免許返上の政策と社会的圧力について、運転者の年齢層別に自動車衝突事故(MVC)のリスクを比較分析してこの疑問を研究した。Journal of Epidemiology誌2023年10月7日の報告。 リスクの比較では、2016~20年に発生した交通事故総合分析センター(警察庁)のMVCの全国データを用い、免許運転者1人当たりの過失MVCの発生件数(MVC率)と、過失MVC1件当たりの致死傷者数と非致死傷者数を、過失運転者の性・年齢層別に検討。 主な結果は以下のとおり。・高齢運転者のMVC率は中高年運転者より高かったが、若年運転者より低かった。・高齢運転者のMVC事故率は中高年運転者より高く、若年運転者より低かった。・高齢運転者のMVC事故1件当たりの負傷者数は、他の年齢層運転者より多くなかった。・高齢運転者による死亡事故では、衝突された相手よりもむしろ運転者自身または同乗者が死亡する傾向にあった。・全体として、これら結果は男・女の運転者の間でほぼ一致していた。

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治療抵抗性統合失調症患者に対するクロザピン治療は早期開始すべきか

 クロザピンは、治療抵抗性統合失調症患者に対して有効性が証明されている唯一の抗精神病薬である。藤田医科大学の波多野 正和氏らは、クロザピン治療開始の遅延が長期アウトカムに及ぼす影響を評価する目的で、多施設共同レトロスペクティブコホート研究を実施した。その結果、長期治療中の精神科再入院を防ぐため、治療抵抗性統合失調症患者に対するクロザピン治療は早期に開始すべきであることが示唆された。BMC Psychiatry誌2023年9月15日号の報告。 対象は、2009年7月~2018年12月にクロザピン治療を開始した患者。統合失調症の診断からクロザピン治療開始までの期間に応じて、早期開始群(9年以内)、中期開始群(10~19年)、後期開始群(20年以上)の3群に分類した。エンドポイントは、3年以内の精神科再入院およびすべての原因によるクロザピン治療中止とした。ハザード比(HR)および95%信頼区間(CI)の推定には、Fine and Gray法またはCox比例ハザードモデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。・3年以内の精神科再入院の発生率(累積発生関数)は、早期開始群32.3%、中期開始群29.7%、後期開始群62.2%であった。・後期開始群は、早期開始群よりも精神科再入院リスクが有意に高かった(HR:2.94、95%CI:1.01~8.55、p=0.016[Gray's test])。・早期開始群と中期開始群との間に、精神科再入院リスクの有意な差は認められなかった。・3年以内のすべての原因によるクロザピン治療中止の割合(カプランマイヤー法)は、早期開始群13.0%、中期開始群10.6%、後期開始群20.1%であった。・すべての原因によるクロザピン治療中止の割合は、各群間で有意な差は認められなかった。・後期開始群では、他の群よりも、身体疾患による死亡のためクロザピン治療が中止となった患者が多かった。

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死亡リスクを低下させる睡眠のとり方、睡眠時間よりも〇〇!?

 睡眠は健康と密接な関係があることが知られているが、研究の多くは睡眠時間に焦点が当てられており、睡眠の規則性と死亡リスクの関係は明らかになっていない。そこで、オーストラリア・Monash UniversityのDaniel P. Windred氏らの研究グループは、英国のUKバイオバンクの6万人超のデータを用いて、睡眠時間および睡眠の規則性と死亡リスクとの関連を検討した。その結果、睡眠時間と睡眠の規則性はいずれも全死亡リスクの予測因子であることが示されたが、睡眠の規則性のほうがより強い予測因子であった。Sleep誌オンライン版2023年9月21日号に掲載の報告。 本研究では、UKバイオバンクに登録された40~69歳のうち、手首に加速度センサーを7日間装着し、データが取得できた6万977人が対象となった。睡眠時間と睡眠の規則性は加速度センサーのデータを基に推定した。対象を睡眠時間と睡眠の規則性でそれぞれ五分位に分類し、第1五分位群(0~20パーセンタイル)に対する第2~5五分位群(20~40、40~60、60~80、80~100パーセンタイル)の全死亡、原因別死亡(がん、心代謝性疾患、その他)のリスクを検討した。Cox比例ハザードモデルを用い、最小限の調整をしたモデル(年齢、性別、民族で調整)と完全調整モデル(最小限の調整をしたモデルに身体活動レベルなどの10因子を追加して調整)の2つのモデルで解析した。 主な結果は以下のとおり。・本研究の対象となった6万977人の平均年齢は62.8歳、平均睡眠時間は6.77時間、平均追跡期間は6.30年であった。・追跡期間中の死亡数は1,859人であった(1,000人年当たり4.3人)。・睡眠の規則性の第2~5五分位群は、最小限の調整をしたモデルおよび完全調整モデルのすべての群で全死亡リスクが有意に低下した(20~48%低下)。・同様に、がん死亡リスク(16~39%低下)、心代謝性疾患による死亡リスク(22~57%低下)もすべての群で有意に低下し、その他の原因による死亡リスクも完全調整モデルの第2五分位群を除くすべての群で有意に低下した。・睡眠時間の第2~5五分位群も、同様にすべての群で全死亡リスクが有意に低下したが(18~31%低下)、がん死亡リスクとの関連はいずれの群でも認められなかった。・赤池情報量基準(AIC)に基づくモデル比較において、睡眠の規則性は睡眠時間よりも全死亡リスクの強い予測因子であった。 本研究結果について、著者らは「死亡リスクの予測において、睡眠時間が重要な役割を果たしていることが確認されたが、睡眠の規則性は睡眠時間よりも強い予測因子であることが明らかになった。睡眠の規則性を向上させるためには、睡眠時間を増やすことよりも、毎日の睡眠時間をそろえることのほうが現実的かもしれない」とまとめた。

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切除可能NSCLC、周術期ペムブロリズマブ上乗せでOS・EFS改善(KEYNOTE-671)/ESMO2023

 切除可能な非小細胞肺がん(NSCLC)患者を対象としたKEYNOTE-671試験の第1回中間解析において、術前補助療法としてペムブロリズマブ+化学療法、術後補助療法としてペムブロリズマブを用いた場合、術前補助療法として化学療法を用いた場合と比較して、無イベント生存期間(EFS)が有意に改善したことが報告されている1)。今回、KEYNOTE-671試験の第2回中間解析の結果が、カナダ・McGill UniversityのJonathan Spicer氏により、欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2023)で発表され、EFSと全生存期間(OS)が有意に改善したことが示された。本試験の結果から、米国食品医薬品局(FDA)は2023年10月16日に切除可能なNSCLC患者に対する術前・術後補助療法としてペムブロリズマブの使用を承認したことを発表している2)。・試験デザイン:国際共同無作為化二重盲検第III相試験・対象:切除可能なStageII、IIIA、IIIB(N2)のNSCLC患者(AJCC第8版に基づく)・試験群:ペムブロリズマブ200mg+化学療法(シスプラチン[75mg/m2]+ゲムシタビン[1,000mg/m2を各サイクル1、8日目]またはペメトレキセド[500mg/m2])を3週ごと最大4サイクル→手術→ペムブロリズマブ200mgを3週ごと最大13サイクル(ペムブロリズマブ群:397例)・対照群:プラセボ+化学療法(同上)を3週ごと最大4サイクル→手術→プラセボを3週ごと最大13サイクル(プラセボ群:400例)・評価項目:[主要評価項目]EFSおよびOS[副次評価項目]病理学的完全奏効(pCR)、病理学的奏効(mPR)など・解析計画:計2回の中間解析が事前規定され、今回の中間解析はEFSの最終解析とした。今回の解析におけるOSの有意水準は片側α=0.00543であった。・データカットオフ日:2023年7月10日 主な結果は以下のとおり。・追跡期間中央値は36.6ヵ月(範囲:18.8~62.0)であり、254例(31.9%)が死亡した。・OS中央値はプラセボ群が52.4ヵ月(95%信頼区間[CI]:45.7~推定不能)であったのに対し、ペムブロリズマブ群では未到達(同:推定不能~推定不能)であり、ペムブロリズマブ群が有意に改善した(ハザード比[HR]:0.72、95%CI:0.56~0.93、片側p=0.00517)。・3年OS率はプラセボ群64.0%、ペムブロリズマブ群71.3%、4年OS率はそれぞれ51.5%、67.1%であった。・OSのサブグループ解析においてもペムブロリズマブ群が良好な傾向であったが、PD-L1発現状況別にみたOSのHR(95%CI)は、PD-L1(TPS)50%以上が0.55(0.33~0.92)、1~49%が0.69(0.44~1.07)、1%未満が0.91(0.63~1.32)であり、PD-L1発現が少ないほどペムブロリズマブ群のベネフィットは減少する傾向にあった。また、東アジア人集団のHR(95%CI)は1.05(0.64~1.73)、喫煙歴のない集団は1.00(0.41~2.46)であった。・EFS中央値はプラセボ群が18.3ヵ月(95%CI:14.8~22.1)であったのに対し、ペムブロリズマブ群では47.2ヵ月(同:32.9~推定不能)であり、第1回の中間解析に続き、ペムブロリズマブ群が有意に改善した(HR:0.59[95%CI:0.48~0.72])。・Grade3以上の治療関連有害事象(TRAE)はプラセボ群37.8%、ペムブロリズマブ群45.2%に認められ、治療中止に至ったTRAEはそれぞれ5.3%、13.6%、死亡に至ったTRAEはそれぞれ0.8%、1.0%に認められた。 本結果について、Spicer氏は「OSの有意な改善が認められ、新たな安全性シグナルは検出されなかったことから、本試験の周術期レジメンは切除可能なStageII、IIIA、IIIBのNSCLCに対する新たな標準治療となる」とまとめた。

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ER+/HER2-乳がんの術前ニボルマブ、pCRを有意に改善(CheckMate 7FL)/ESMO2023

 高リスクのER陽性(+)/HER2陰性(-)早期乳がん患者を対象とした第III相CheckMate 7FL試験の結果、術前化学療法および術後内分泌療法にニボルマブを上乗せすることで、病理学的完全奏効(pCR)率が有意に改善し、さらにPD-L1陽性集団ではより良好であったことを、オーストラリア・Peter MacCallum Cancer CentreのSherene Loi氏が欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2023)で報告した。・対象:ER+/HER2-、T1c~2 cN1~2またはT3~4 cN0~2、Grade2(かつER 1~10%)またはGrade3(かつER≧1%)の新たに診断された乳がん患者 510例・試験群(ニボルマブ群):ニボルマブ(3週ごと)+パクリタキセル(毎週)→ニボルマブ+AC療法(隔週または3週ごと)→手術→ニボルマブ(4週ごと)+内分泌療法 257例・対照群(プラセボ群):プラセボ+パクリタキセル→プラセボ+AC療法→手術→プラセボ+内分泌療法 253例・評価項目:[主要評価項目]pCR(ypT0/is ypN0)[副次評価項目]PD-L1陽性集団のpCR、全体およびPD-L1陽性集団の腫瘍残存率(RCB)、安全性・層別化因子:PD-L1発現状況、Grade、腋窩リンパ節転移、AC療法の投与スケジュール 2022年4月に主要評価項目は修正ITT集団のpCR率のみに修正され、PD-L1陽性集団のpCR率は副次評価項目となった。今回がCheckMate 7FL試験結果の初報告で、全体およびPD-L1陽性集団のpCRとRCBが報告された。 主な結果は以下のとおり。・ニボルマブ群およびプラセボ群の年齢中央値は50歳/51歳、Grade3が98%/99%以上、StageIII期が46%/42%、PD-L1 IC≧1%が34%/33%、腋窩リンパ節転移陽性が80%/79%で、両群でバランスがとれていた。・修正ITT集団全体のpCR率は、ニボルマブ群24.5%、プラセボ群13.8%で、ニボルマブ群が有意に高かった(調整差10.5%[95%信頼区間[CI]:4.0~16.9]、オッズ比[OR]:2.05、p=0.0021)。・PD-L1陽性集団におけるpCR率は、ニボルマブ群44.3%、プラセボ群20.2%(調整差:24.1%[95%CI:10.7~37.5]、OR:3.11)であった。なお、PD-L1陰性集団では14.2%/10.7%であった。・リンパ節転移の有無、Stage、年齢、AC療法の治療スケジュールにかかわらずニボルマブ群のほうがpCR率は良好であった。・全体におけるRCB 0~1の割合は、ニボルマブ群30.7%、プラセボ群21.3%(調整差:9.2%[95%CI:2.0~16.5]、OR:1.65)であった。・PD-L1陽性集団におけるRCB 0~1の割合は、ニボルマブ群54.5%、プラセボ群26.2%(調整差:28.5%[95%CI:14.6~42.4]、OR:3.49)であった。・Grade3以上の治療関連有害事象は、ニボルマブ群35%、プラセボ群32%に発現し、安全性プロファイルは既報と一致していた。免疫介在性有害事象はニボルマブ群のほうが多かった。ニボルマブ群では死亡が2例(肺炎、肝炎)認められた。 これらの結果より、Loi氏は「高リスクのER+/HER2-早期乳がん患者の術前化学療法にニボルマブを追加することで、pCRは10.5%改善するとともにRCB 0~1率も9.2%改善した。この恩恵はPD-L1陽性集団でより大きかった。安全性プロファイルはこれまでと同様で、新たな有害事象は報告されなかった」としたうえで「バイオマーカーに関する追加データは今後の学会で発表する予定である」とまとめた。

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起立性低血圧ありの高血圧患者、厳格治療のベネフィットは?/JAMA

 ベースラインで起立性低血圧が認められる場合でも、厳格降圧治療が標準降圧治療と比べて心血管疾患(CVD)または全死因死亡リスクを低減し、また立位性低血圧の有無による治療効果の差はないことが、米国・ベス・イスラエル・ディーコネス医療センターのStephen P. Juraschek氏らによる検討で示された。起立性低血圧または立位性低血圧を有する成人において、厳格vs.標準降圧の有益性については懸念が続いていた。JAMA誌2023年10月17日号掲載の報告。CVDまたは全死因死亡リスクを比較 研究グループは、ベースラインで起立性低血圧または立位性低血圧を有する被験者におけるCVDまたは全死因死亡への降圧治療の影響を調べるため、血圧目標値がより低値の治療または積極的な治療と、血圧目標値が標準の治療またはプラセボによる治療を比較した。 2022年5月13日までのMEDLINE、EMBASE、CENTRALのデータベースを基に、起立性低血圧の評価を行い、薬物による厳格降圧治療(血圧目標値が厳格または積極的治療薬)を評価した無作為化試験を特定。PRISMAガイドラインに沿って被験者個人のデータを対象にメタ解析を行った。治療効果は、Cox比例ハザードモデルのシングルステージ・アプローチで評価した。 主要アウトカムは、CVDまたは全死因死亡。起立性低血圧は、座位から立位で収縮期血圧が20mmHg以上、拡張期血圧が10mmHg以上、いずれも低下する状態と定義した。立位性低血圧は、立位時の収縮期血圧110mmHg以下または拡張期血圧60mmHg以下と定義した。起立性低血圧有無にかかわらず、厳格降圧がCVDまたは全死因死亡リスクを低減 9試験(被験者総数2万9,235例)が解析に含まれ、追跡期間中央値は4年、平均年齢は69.0歳(SD 10.9)、女性は48%だった。ベースラインで起立性低血圧が認められたのは9%、立位性低血圧は5%だった。 厳格降圧治療は、ベースラインでの起立性低血圧の有無にかかわらず、CVDまたは全死因死亡リスクを同様に低下した(それぞれ、ハザード比[HR]:0.81[95%信頼区間[CI]:0.76~0.86]、0.83[0.70~1.00]、ベースライン起立性低血圧と治療の相互作用に関するp=0.68)。 立位性低血圧については、ベースラインで認められなかった被験者ではCVDまたは全死因死亡リスクの低下がみられたが(HR:0.80[95%CI:0.75~0.85])、認められた被験者では有意な低下はみられなかった(0.94[0.75~1.18])。ベースラインの立位性低血圧の有無による治療効果の差はみられなかった(ベースライン立位性低血圧と治療の相互作用に関するp=0.16)。

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1型DMへのteplizumab、β細胞機能を有意に維持/NEJM

 新規診断の1型糖尿病の小児・青少年患者において、抗CD3モノクローナル抗体のteplizumab(12日間投与の2コース)は、β細胞機能の維持(主要エンドポイント)に関してベネフィットがあることが示された。ただし、インスリン用量、糖化ヘモグロビン値などの副次エンドポイントに関しては、ベネフィットが観察されなかった。英国・カーディフ大学のEleanor L. Ramos氏らが、第III相の無作為化プラセボ対照試験の結果を報告した。teplizumabは、8歳以上のステージ2の1型糖尿病患者に対し、ステージ3への進行を遅らせるための投与が米国FDAに承認されている。新規診断の1型糖尿病患者におけるteplizumabの静脈内投与が疾患進行を抑制するかについては不明であった。NEJM誌オンライン版2023年10月18日号掲載の報告。78週後の負荷C-ペプチド値でβ細胞機能を評価 研究グループは、2019年3月~2023年5月にかけて、米国、カナダ、欧州の医療機関61ヵ所で、6週間以内に診断を受けた8~17歳のステージ3の1型糖尿病患者を対象に試験を行い、teplizumabまたはプラセボの12日間投与・2コースを比較した。 主要エンドポイントは、78週時点の負荷C-ペプチドの測定値でみたβ細胞機能のベースラインからの変化だった。重要な副次エンドポイントは、血糖値目標達成に要したインスリン用量、糖化ヘモグロビン値、血糖値目標範囲内の時間、臨床的に重要な低血糖イベントだった。C-ペプチドのピーク値維持はteplizumab群95%、プラセボ群80% 78週時点で、teplizumab群(217例)は、プラセボ群(111例)に比べ、負荷C-ペプチド値が有意に高かった(最小二乗平均群間差:0.13pmol/mL、95%信頼区間[CI]:0.09~0.17、p<0.001)。0.2pmol/mL以上の臨床的に有意なC-ペプチドのピーク値を維持した患者の割合は、teplizumab群が94.9%(95%CI:89.5~97.6)であったのに対し、プラセボ群では79.2%(67.7~87.4)だった。 重要な副次エンドポイントについて、両群で有意差はなかった。 有害事象は、主にteplizumabまたはプラセボの投与に関するもので、頭痛、消化器症状、発疹、リンパ球減少、軽度のサイトカイン放出症候群などだった。

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胃がん1次治療、周術期ペムブロリズマブはEFS延長せず(KEYNOTE-585)/ESMO2023

 切除可能な局所進行胃・胃食道接合部(G/GEJ)がん患者における免疫チェックポイント阻害薬の開発が進められているが、今年の米国臨床腫瘍学会(ASCO 2023)において術後療法にニボルマブの上乗せを検証したATTRACTION-5試験では上乗せ効果は示されなかった。同じくG/GEJがん患者を対象として、術前術後の化学療法にペムブロリズマブの上乗せ効果を検証した無作為化二重盲検第III相KEYNOTE-585試験においても、無イベント生存期間(EFS)に有意な延長はみられなかったことがすでに報告されている。本試験の詳細について、国立がん研究センター東病院の設楽 紘平氏が欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2023)で発表した。・対象:未治療の局所進行、切除可能G/GEJがん、PS0~1・試験群(メインコホート):術前にペムブロリズマブ200mg+化学療法(シスプラチン+カペシタビンまたはシスプラチン+5-FU)を3サイクル、術後にペムブロリズマブ+化学療法を3サイクル実施、さらにペムブロリズマブ単剤を最大11サイクル投与(ペムブロ群)・対照群:術前・術後にプラセボ+化学療法、さらにプラセボ単剤投与(プラセボ群)・評価項目:[主要評価項目]病理学的完全奏効率(pCR率)、EFS、全生存期間(OS)[副次評価項目]安全性 主な結果は以下のとおり。・804例が登録され、ペムブロ群とプラセボ群に1対1で割り付けられた。追跡期間中央値は47.7ヵ月だった。アジア人47%、欧米人26%、その他27%だった。・pCR率はペムブロ群で12.9%(95%信頼区間[CI]:9.8~16.6)、プラセボ群で2.0%(95%CI:0.9~3.9)だった。・EFSはペムブロ群で改善したが(中央値44.4ヵ月vs.25.3ヵ月、HR:0.81、95%CI:0.67~0.99、p=0.0198)、わずかな差であったものの、事前に規定された有意差を示すには至らなかった。・OS中央値はペムブロ群で60.7ヵ月、プラセボ群で58.0ヵ月で、有意差はなかった。・Grade3以上の薬物関連有害事象はペムブロ群で64%、プラセボ群で63%で発生した。 設楽氏は「未治療の局所進行切除可能G/GEJがん患者において、周術期のペムブロ+化学療法は残念ながらEFSに有意な改善はみられなかったが、pCR率は大幅に改善した。周術期における免疫チェックポイント阻害薬の有効性を確かめるためには、さらなる研究が必要だ」とした。 続いて発表された、本試験同様に胃がん周術期の免疫チェックポイント阻害薬投与を検討するMATTERHORN試験(術前化学療法にデュルバルマブ上乗せ)がポジティブな結果となったことを踏まえ、発表後のディスカッションでは、差異が出た要因や適切な化学療法の種類、恩恵を受ける患者の特性などについて、盛んな議論が交わされた。

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第184回 線虫がん検査『N-NOSE』、検査精度の疑惑が再燃、日本核医学会の中にあるPET核医学分科会・PETがん検診ワーキンググループが本格調査へ

たびたび疑惑が向けられてきた線虫検査の“実態”がやっと解明される?こんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。この週末は、新潟・弥彦競輪場で開かれた競輪のG1レース、第32回寛仁親王牌を、ネットのレース中継と、電話投票で楽しみました。決勝レースは大阪の古性 優作選手が他を寄せ付けない圧倒的な強さで優勝しました。なんと、古性選手は今年、全日本選抜、高松宮記念杯に次いで年間3度目となるG1制覇です。暮れのグランプリももぎ取りそうな勢いです。ちなみに私の車券はハズレました。かつては私もよく現場に足を運んだものです。弥彦山の麓、弥彦神社境内にある弥彦競輪場にも幾度か行ったことがあります。ただ最近は、もっぱらネットでレースを観戦しています。便利ですが、競輪場のあの猥雑さやB級グルメを楽しめないのは少々寂しいです。ひと昔、いやふた昔くらい前までは、“コーチ屋”と言われる人が、普通に競輪場にいました。コーチ屋とは、競馬場や競輪場、場外投票券発売所にいて、カモになりそうな客に「いい情報あるよ」と近づき、自分の“特別”の予想を教え、買い目を指示するなどの行為を行ってお金を騙し取る人々のことです。買い目を教えた場合、コーチ屋はレースが終わるまでその客をマークしていて、もし買い目通りに当たった場合、再び客の前に現れ、配当金の中からからコーチ料を支払うよう要求します。逆に外れてしまった場合は客の前からは消えて、知らんぷりを決め込みます。車券や馬券が当たった時だけ、「自分のおかげだ。報酬よこせ」とお金をせびるわけです。もっとも現在は、公営ギャンブルでの詐欺の仕組みは複雑化しており、場内で声をかける古典的コーチ屋は絶滅したと言われています。さて今回は、最近再び話題となっている線虫がん検査について書いてみたいと思います。体長約1mmの線虫を使って人の尿からがんの有無を調べる検査法の精度を検証するため、PET核医学分科会のPETがん検診ワーキンググループのチームが、実態調査を始めたとの報道が10月13日にありました。これまで、幾度か疑惑報道がありましたが、医学会が本格的に動くのは初めてです。検査の手法や精度について、たびたび疑惑が向けられてきた線虫検査の“実態”がやっと解き明かされるかもしれません。1回検査の料金は1万4,800円、50万人以上が検査を受ける線虫を使って人の尿からがんの有無を調べる検査法とは、「15種類のがんを判定できる」と全国展開中のHIROTSUバイオサイエンス(本社:東京都千代田区)の線虫がん検査キット『N-NOSE』です。数年前までは旧ジャニーズ事務所の社長になった東山 紀之氏、最近では女優の仲間 由紀恵氏がテレビCMで宣伝しています。『N-NOSE』は九州大学助教だった広津 崇亮氏が設立したHIROTSUバイオサイエンスが2020年1月に実用化したがんのリスク判定の検査です。がんの「診断」ではなく「リスク判定」と言っている点が、この検査の一つの肝だと言えます。『N-NOSE』は、すぐれた嗅覚を有する線虫(Caenorhabditis elegans)が、がん患者の尿に含まれるにおいに反応することを活用、わずかな量の尿で15種類のがんのリスクを判定する、というものです。同社によればこれまでに50万人以上が検査を受けているとのことです。健康保険適用外で、1回検査の料金は1万4,800円(税込)です。約200施設を対象に、線虫がん検査をきっかけとしてPET検診・検査に訪れた人を調査この『N-NOSE』の精度を検証しようと立ち上がったのは、日本核医学会の中にあるPET核医学分科会・PETがん検診ワーキンググループです。10月13日付けの朝日新聞などの報道によれば、『N-NOSE』の精度に懸念があるとして、PET核医学分科会・PETがん検診ワーキンググループが、共同研究としてアンケート形式による全国調査に着手したとのことです。約200施設を対象に、線虫がん検査をきっかけとしてPET検診・検査に訪れた人数や、実際にがんが見つかった人数、がんの種類、進行度などを10月20日までに報告してもらい、年内に結果をまとめ、この検査の有効性を科学的に評価したいとしています。『N-NOSE』は、尿を調べれば15種類のがんについて、がんになっているリスク(低いほうからA~Eの5段階)がわかると宣伝しています。今年6月に開かれた日本がん検診・診断学会総会では、この線虫がん検査でリスクを指摘された後、より詳しく調べたいと、PET(陽電子放射断層撮影)検査を受けた人の状況が3施設から報告されました。それによると、がんではないのにがんのリスクが高いと判定される「偽陽性」が極めて多いことがわかりました。さらに、ある施設では、がんと診断されたばかりの患者10人の尿を検査してもらったところ、10人全員が低リスク(A、B)の判定が返ってきたとのことです。朝日新聞の記事は、今回の全国調査の副代表を務める厚地記念クリニック(鹿児島市にあるPET検診クリニック)院長の陣之内 正史氏の「がんのない人が高リスクと判定されることで、各地で混乱を招いている恐れがある。また、実際にはがんなのに低リスクとされた結果、がん検診を受けるのが遅れて、がんが進行してしまう恐れもある」というコメントを紹介し、続けて、HIROTSUバイオサイエンス社は今回の調査開始について、「PETにはN-NOSEの感度を検証する能力はなく、PET以外の複数の検査方法を用いたとしても、アンケートは主観的なバイアスがかかりやすい手法だなどとして『信頼のおける検証にはなりえません』とコメントした」と書いています。この調査は別にPETで行うわけではなく、がんがあったかどうかの結果を分析しようというものなので、同社の反論の意味はちょっとよくわかりません。約2年前には週刊文春が“疑惑”を報道さて、『N-NOSE』については、約2年前、週刊文春2021年12月16日号が、「線虫がん検査「精度86%」は問題だらけ 『尿一滴でわかる』で話題」と報道した時に、本連載でも詳しく書きました(第89回:がんが大変だ!線虫がん検査に疑念報道、垣間見えた“がんリスク検査”の闇[後編])。結局、文春報道はこの記事だけに留まり、ほかのマスコミも動かず、真相は藪の中となってしまいました。その一つの大きな理由は、こうした「がん(病気)のリスクを判定する」と喧伝する検査のほとんどが、医療機器でもなく診断薬でもないため、薬機法や医師法、健康保険法といった、厚生労働省所管の法律外にある検査法であるためと考えられます。つまり、仮にインチキだとしてもそれを罰する法律は今のところ日本にはないのです。「罪がないからOK」とは言えないのが医学・医療の難しい点です。陣之内氏のコメントのように、無用な不安を与えたり、不要な検査を強いたり、逆に検査遅れを招いたりしていたとしたら、それはそれで大きな“罪”と言えるからです。NewsPicksに『N-NOSE』の実態に迫る記事が連続掲載今回、再び『N-NOSE』が話題となっているのは、先述の日本がん検診・診断学会総会において、線虫がん検査でリスクを指摘されたPET検診の結果が発表されたこともありますが、同時にニュースサイト、NewsPicksで今年9月11日から『N-NOSE』の実態に迫る記事が連続して掲載されたことも大きく関係していると思われます。NewsPicks副編集長で科学ジャーナリストの須田 桃子氏らの取材班が9月11日以降、NewsPicksに「虚飾のユニコーン 線虫検査の闇」のシリーズタイトルでこれまでに掲載した『N-NOSE』関連記事は実に7本に上ります。「【スクープ】世界初の『線虫がん検査』、衝撃の実態」「【実録】社員が止められなかった『疑惑のがん検査』」「【解剖】『疑惑のユニコーン』を肥大化させたエコシステム」…と刺激的なタイトルが付けられた一連の記事は、先述した6月に開かれた日本がん検診・診断学会総会で発表された偽陽性が極めて多く、がんであっても見逃される偽陰性も多数発生していることや、ベールに包まれた検査のアルゴリズムの中身、『N-NOSE』開発のきっかけとなった論文の実験が再現されないことなどについて、元社員らの証言も交えて詳細にレポートしています。また、9月15日に配信された「嘘をつく『動機がない』。疑惑の渦中で広津社長が語ったこと」というタイトルの記事は、HIROTSUバイオサイエンス社長の広津氏への直撃インタビューですが、検査のアルゴリズムや、日本がん検診・診断学会総会の発表内容、ランダム化比較試験の必要性などについて問われると、広津氏の答えが突然曖昧になっていくのが印象的でした。HIROTSUバイオサイエンスは一連の報道に反論NewsPicksの一連の報道に対し、HIROTSUバイオサイエンスは、「一部メディアの報道について」というプレスリリースを9月18日に出しています。そこでは、「看過しがたい重大かつ悪質な“誤情報”も含まれておりましたので、ここに当該箇所を指摘すると共に訂正いたします」として、なんと30ページにも及ぶ記事への反論を展開しています。ちょっと長過ぎるな、反論もよく理解できないな、と思っていたところ、記事発信サイトのnoteで「手を洗う救急医Taka」氏がこの反論を科学的に検証した記事「HIROTSUバイオサイエンスのNewsPicksに対する反論について」を見つけました。検査というものの感度、特異度、陽性・陰性的中率、そして有病率の意味を解説、その上でHIROTSUバイオサイエンスの反論の意図するところについてわかりやすく説明してくれていますので、興味のある方は読んでみてください。この記事の中で「手を洗う救急医Taka」氏はHIROTSUバイオサイエンスが使う「標準化変換」という独自の言葉に疑問を呈しています。その点は、私自身もプレスリリースを読んでいて、「なんじゃそりゃ?」と疑問を感じた部分です。「手を洗う救急医Taka」氏はその「標準化変換」について、「HIROTSUバイオサイエンスでは、一定数の検体を同時に検査し、その中で検査値が高いものから順にがんと判定しているということではないかと思います。(中略)カットオフを変える行為のことを『標準化変換』と読んでいるのでしょう」と書き、「バッチによってカットオフが変わるんだから、毎回感度と特異度が変わりません?(中略)『弊社は毎回の検査でカットオフを変えていますので、検査に感度と特異度は存在しません』と言わなければいけないのではないでしょうか?」と指摘しています。検査精度に本当に自信があるのならブラインド検査を実施するべき本連載の第89回でも書いたように、臨床検査には、「分析学的妥当性」「臨床的妥当性」「臨床的有用性」という3つの評価基準があります。この3つを証明するデータを、きちんとしたプロトコールによって行った臨床試験等で出し、それが評価されれば、保険診療において使用が認められるし、海外でも用いられるようになります。しかし、こうした「がん(病気)のリスクを判定する」と喧伝する検査の多くは、お金と時間が膨大にかかる臨床試験を敢えて避け、日本だけの一般向け検査でお茶を濁しています。また、お金と時間の節約のためではなく、単に自分たちの検査の精度に自信がない場合も、臨床での使用をはなから諦めて一般向け製品で妥協するケースもあります。HIROTSUバイオサイエンスも、もし検査精度に本当に自信があるのなら、意味不明な数字遊びではなく、「手を洗う救急医Taka」氏も主張するブラインド検査(ランダム化比較試験)を実施するべきでしょう。また、こうした検査によって無用の心配を被験者にさせたり、見落としによって手遅れになったりするケースが増えているとしたら、厚生労働省は法律を作って何らかの規制に乗り出すべきだと考えます。仮に見落としがあったとしたらコーチ屋よりもたちが悪い「第89回」でも書きましたが、検査を受けた人がアコギな医療機関に食いものにされる危険性もあります。提携医療機関の中には、『N-NOSE』陽性の人に対し、自費での高額な検査を勧めるところもあると聞きます。『N-NOSE』はあくまでリスク判定であるため、そこで陽性の判定が出ても、基本的にすぐには保険診療とはなりません。一度、高額な自費検査を挟んで、病気が見つかってはじめて保険診療に進む流れです。またそうではなく、『N-NOSE』で陽性と出て、すぐに保険診療を行っているとしたらそれはそれで問題です。その時点ではまだ“健常者”に保険診療を行っていることになるからです。明らかに健康保険法違反です。最終的にがんが見つかった時だけ、「ほら見つかったでしょう」では、競輪場のコーチ屋や占い師とそう変わりません。仮に見落としがあったとしたら、それはコーチ屋よりもたちが悪いと言えるでしょう。ということで、まずはPET核医学分科会・PETがん検診ワーキンググループの調査結果を待ちたいと思います。

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日本人の冠動脈石灰化リスクに関連する腸内細菌叢

 冠動脈疾患患者の腸内細菌叢は健康人とは異なるが、冠動脈疾患が発症する前に違いがあるのかどうかはわかっていない。今回、滋賀動脈硬化疫学研究SESSAにおいて、日本人における冠動脈石灰化(CAC)の進行や冠動脈疾患の発症における新たなリスクや予防因子を特定するべく、CACや冠動脈疾患に関連する腸内細菌叢を調査した。その結果、Firmicutes門とBacteroidetes門の比率(F/B比)、とくにFirmicutes門とLactobacillales目がCACスコアおよび冠動脈疾患の既往と関連しており、これらの細菌群にCAC進行のリスク因子または腸内バイオマーカーが含まれている可能性があることを、滋賀医科大学の岡見 雪子氏らが報告した。American Heart Journal誌オンライン版2023年10月5日号に掲載。 本横断研究では、日本人男性663人にCTおよび腸内細菌検査を行い、Agatston法を用いて算出したCACスコアにより、0、0<かつ≦100、100<、冠動脈疾患既往ありの4群に分けた。細菌の16SリボソームRNA遺伝子を増幅し、MiSeq SystemでDNA配列を決定した。また、QIIME2とLEfSeを用いて腸内細菌叢を解析し、4群間で比較した。 主な結果は以下のとおり。・参加者の平均年齢は68.4歳(範囲:46~83歳)だった。・CACスコア0が219人、0<かつ≦100が200人、100<が193人、冠動脈疾患既往ありが51人で、F/B比中央値は順に1.50、1.52、1.67、1.80だった(p=0.020)。・Firmicutes門、Bacilli綱、Lactobacillales目は冠動脈疾患リスクが1.3~1.4倍高く、また、CACスコアが高かった。・Streptococcaceae科、Streptococcus属は冠動脈疾患リスクが高かった。

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抗インフル薬、国内で最も処方頻度が高いのは?/NCGM国府台病院

 国立国際医療研究センター(NCGM)国府台病院総合内科の酒匂 赤人氏らの研究グループと国立国際医療研究センター病院は共同でわが国の全国規模のインフルエンザ診療の実態を調べ、その結果を報告した。 研究報告によると2017年度の抗インフルエンザ薬処方人数は1,339万例で、薬剤費は480億円。2018年度では処方患者数の約38%を20歳未満が占め、5~9歳では4例に1例が処方された計算だった。PLoS One誌2023年10月4日号の報告。世界的には特有な日本の抗インフルエンザ薬の処方実態 わが国には抗インフルエンザ薬としてザナミビル、オセルタミビル、ラニナミビル、ペラミビル、バロキサビルなどが承認・使用されている。世界的にはインフルエンザ迅速検査で陽性となった場合、若年で持病などがなければ治療薬の処方はされないが、わが国では抗インフルエンザ薬がこうした若く持病のない患者にも処方されている。これはわが国特有の状況とされるが、全国的な抗インフルエンザ薬の処方実態に関するデータは不足している。そこでリアルワールドデータを解析することで、わが国の抗インフルエンザ薬の使用状況を明らかにすることを目的に研究が行われた(アマンタジン、ファビピラビルは本研究では対象外)。 方法としてわが国の個々の患者の性別、年齢、受けた検査、処方、手術などのデータが含まれるレセプト情報・特定健診等情報データベース(National Database:NDB)を解析し、2014~20年度のNDBオープンデータを用いて記述疫学研究を実施した。その際、抗インフルエンザ薬を処方された年間患者数、処方された薬剤、患者の年齢・性別分布、薬剤費、地域格差を推定した。 主な結果は以下のとおり。・2014~19年に抗インフルエンザ薬が処方された患者数は年間670~1,340万例。・薬剤費は年間223~480億円と推定される。・インフルエンザ迅速抗原検査は2,110〜3,200万件実施され、その費用は301〜471億円だった。・2017年に最も処方頻度の多かった抗インフルエンザ薬はラニナミビル(48%)、オセルタミビル(36%)の順だった。・2018年は新たに登場したバロキサビルが40.8%を占めた。・新型コロナウイルス感染症の流行後、2020年に抗インフルエンザ薬を処方された推定患者数はわずか1万4,000例にまで減少した。・2018年、抗インフルエンザ薬が処方された37.6%が20歳未満の患者であったのに対し、65歳以上の患者は12.2%であった。・入院患者への抗インフルエンザ薬の処方は1.1%で、年齢が高くなるにつれて割合が増加し、入院中に抗インフルエンザ薬が処方されるのは女性よりも男性のほうが多かった。 今回の研究結果を踏まえ、酒匂氏らのグループは「わが国におけるインフルエンザの臨床管理の実態を明らかにしたうえで、今後は抗インフルエンザ薬を積極的に処方することについて臨床的・経済的側面を評価する必要がある」と展望を述べている。

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中等症~重症の乾癬、リサンキズマブの実臨床の有効性は?

 インターロイキン(IL)-23阻害薬リサンキズマブによる治療を受けた中等症~重症の乾癬患者は、治療開始1年後において、多くの患者が高い皮疹消失レベルを達成した。また、乾癬症状も改善し、労働生産性・活動障害も改善した。米国・イェール大学のBruce Strober氏らが、中等症~重症の乾癬に対するリサンキズマブの実臨床における治療効果の検討を目的として実施した、後ろ向き観察研究の結果を報告した。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2023年9月20日号掲載の報告。 研究グループは米国およびカナダの乾癬データベースCorEvitas Psoriasis Registryを用いて、中等症~重症の乾癬と診断され、リサンキズマブによる治療開始後12±3ヵ月時点でリサンキズマブを継続使用していた成人患者287例を対象とした後ろ向き観察研究を実施した。皮疹の重症度(Investigator Global Assessment[IGA]スコア、Psoriasis Area Severity Index[PASI]など)、患者報告アウトカム(Dermatology Life Quality Index[DLQI]スコアに基づくQOL、VASで評価した疲労・皮膚疼痛・そう痒、Work Productivity and Activity Impairment Questionnaire[WPAI]に基づく労働生産性・活動障害)を検討した。 主な結果は以下のとおり。・治療開始1年時点において、多くの患者が皮疹の消失を達成した(IGAスコア0:55.4%[158/285例]、PASI 100[ベースラインから100%改善]:55.8%[159/285例])。また、多くの患者が皮疹の消失/ほぼ消失を達成した(IGAスコア0/1:74.4%[212/285例]、PASI 90[ベースラインから90%改善]:65.6%[187/285例])。・生活への影響なし(DLQIスコア0/1)の割合は67.7%(174/257例)であった。・乾癬症状(疲労、皮膚疼痛、そう痒)が有意に改善し(いずれもp<0.001)、労働生産性・活動障害も有意に改善した(いずれもp<0.001)。 著者らは本研究の限界として、CorEvitas Psoriasis Registryが米国およびカナダの成人乾癬患者を必ずしも代表しているわけではないこと、患者のアドヒアランスを評価していないことを挙げている。

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日本人薬物乱用頭痛に対するフレマネズマブの有効性~多施設共同RCT事後分析

 慢性片頭痛(CM)患者は、急性頭痛薬を服用していることが多く、その結果として薬物乱用(MO)状態に至ることが少なくない。静岡赤十字病院の今井 昇氏らは、MOの有無を問わない日本人CM患者に対するフレマネズマブの有効性を評価するため、第IIb/III相試験の事後分析を実施した。その結果、フレマネズマブはMOの有無にかかわらず、日本人CM患者の片頭痛予防に有効であり、MOの軽減にも有益であることが示唆された。Neurology and Therapy誌オンライン版2023年9月11日号の報告。 多施設共同二重盲検並行群間第IIb/III相試験では、患者を月1回フレマネズマブ皮下投与群(初回投与量:675mg、2回目・3回目投与量:225mg)、四半期ごとフレマネズマブ皮下投与群(初回投与量:675mg、2回目・3回目投与:プラセボ)、プラセボ群(いずれの投与もプラセボ)に1:1:1でランダムに割り付け、3ヵ月間投与を行った。本事後分析では、MOの有無を問わず日本人CM患者(1ヵ月当たりの使用:急性頭痛薬15日以上、片頭痛特異的急性治療薬10日以上、10日以上の併用)のデータを分析した。アウトカムには、オリジナルのエンドポイントである中等度以上の平均頭痛日数、平均頭痛日数が50%以上減少した患者の割合、MOのない状態に変化した患者の割合を含めた。 主な結果は以下のとおり。・登録患者479例のうち、ベースライン時にMOが認められた患者は320例(66.8%)であった。・1ヵ月当たりの平均頭痛日数は、MOの有無にかかわらず、フレマネズマブ群においてプラセボ群よりも有意な減少が認められた。【MOあり】月1回群:-2.0±0.6(p=0.0012)、四半期ごと群:-1.8±0.6(p=0.0042)【MOなし】月1回群:-1.6±0.8(p=0.0437)、四半期ごと群:-1.5±0.8(p=0.0441)・平均頭痛日数が50%以上減少した患者の割合は、MOの有無にかかわらず、フレマネズマブ群においてプラセボ群よりも有意な減少が認められた。【MOあり】月1回群:28例/108例、25.9%(p=0.0040)、四半期ごと群:25例/99例、25.3%(p=0.0070)、プラセボ群:12例/111例、10.8%【MOなし】月1回群:18例/50例、36.0%(p=0.0132)、四半期ごと群:21例/60例、35.0%(p=0.0126)、プラセボ群:7例/49例、14.3%・MOのない状態に変化した患者の割合は、フレマネズマブ群のほうがプラセボ群よりも有意に高かった(月1回群:50例/108例、46.3%[p=0.0115]、四半期ごと群:44例/99例、44.4%[p=0.0272]、プラセボ群:33例/111例、29.7%)。

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ニボルマブベースの非小細胞肺がん周術期レジメンが有効性示す(CheckMate 77T)/ESMO2023

 切除可能非小細胞肺がん(NSCLC)におけるニボルマブベースの周術期レジメンが良好な結果を示した。 欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2023)において米国・MDアンダーソンがんセンターのTina Cascone氏が発表した、同集団に対する術前ニボルマブ+化学療法、術後ニボルマブを評価する無作為化二重盲検第III相CheckMate 77T試験の中間解析の結果である。・対象:切除可能なStageIIA〜IIIB (American Joint Committee on Cancer[AJCC]第8版) のNSCLC・試験群:ニボルマブ360mg 3週ごと+プラチナダブレット化学療法 3週ごと4サイクル→手術→ニボルマブ480mg 4週ごと1年間(NIVO+化学療法/NIVO群、n=229)・対照群:プラチナダブレット化学療法 3週ごと4サイクル→手術→プラセボ4週ごと1年間(化学療法/PBO群、n=232)評価項目:[主要評価項目]盲検下独立中央判定(BICR)評価の無イベント生存期間(EFS)[副次評価項目]病理学的完全奏効(pCR)および主要な病理学的奏効(MPR)(ともに盲検下独立病理学審査[BIPR]評価)、全生存期間(OS)、安全性など 主な結果は以下のとおり。・追跡期間中央値は25.4ヵ月であった。・BICR評価のEFS中央値は、NIVO+化学療法/NIVO群は未到達、化学療法/PBO群は18.4ヵ月で、NIVO+化学療法/NIVO群で有意に改善していた(ハザード比[HR]:0.58、97.36%信頼区間[CI]:0.42〜0.81、p=0.00025)。・12ヵ月EFS率はNIVO+化学療法/NIVO群73%、化学療法/PBO群59%、18ヵ月EFS率はそれぞれ70%と50%であった。・BIPR評価のpCR率はNIVO+化学療法/NIVO群25.3%、化学療法/PBO群4.7%(オッズ比[OR]:6.64、95%CI:3.40〜12.97)、BIPR評価のMPR率はそれそれ35.4%と12.1%であった(OR:4.01 、95%CI:2.48〜6.49)。・全期間における全Gradeの治療関連有害事象(TRAE)は、NIVO+化学療法/NIVO群の89%、化学療法/PBO群の87%に発現した。術前期間のTRAE発現はそれぞれ86%と85%、術後期間のTRAE発現はそれぞれ50%と30%であった。 Cascone氏は、CheckMate 77T試験の結果は、ニボルマブベースの周術期レジメンが切除可能NSCLCにとって有望な新しい治療選択肢であることを支持するものだと結んだ。

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多がん早期検出血液検査は、がんスクリーニングで実行可能か/Lancet

 多がん早期検出(multicancer early detection:MCED)血液検査は、腫瘍から循環血中に排出された遊離DNA(cell-free DNA:cfDNA)のがん特異的DNAメチル化パターンを検出し、がんシグナルが確認された場合はその起源(cancer signal origin:CSO)を予測することから、1回の採血で50以上のがん種の検出が可能とされる。米国・スローン・ケタリング記念がんセンターのDeb Schrag氏らは、「PATHFINDER研究」にてMCED血液検査を用いたがんスクリーニングは実行可能であることを確認し、今後、臨床的有用性を検証する研究を進める必要があることを示した。研究の成果は、Lancet誌2023年10月7日号で報告された。米国の前向きコホート研究 PATHFINDER研究は、がんスクリーニングにおけるMCED検査の実行可能性(feasibility)を調査する前向きコホート研究であり、米国の7つの医療ネットワークに属する腫瘍科およびプライマリケア外来施設が参加した(米国・GRAILの助成を受けた)。 対象は、年齢50歳以上、がんの徴候や症状がなく、MCED検査と1年間の電子健康記録の追跡調査に同意した集団であった。 参加者の血液を採取してcfDNAの解析を行い、結果を参加施設の医師に伝えた。がんを示唆するメチル化シグネチャーを検出した場合は、予測されるCSOを知らせた。 主要アウトカムは、MCED検査で陽性となった後、がんの有無を確定するのに要した時間と、確定診断までに行った検査の範囲であった。検査から確定診断までの期間は79日 2019年12月12日~2020年12月4日に6,621人を登録した。年齢中央値63.0歳(四分位範囲[IQR]:56.0~70.0)、女性63.5%、白人91.7%で、がん既往参加者は24.5%であった。 がんシグナルは6,621人のうち92人(1.4%)の参加者で検出した。このうち、がんと診断された真陽性は35人(38%)で、残りの57人(62%)はがんと診断されず偽陽性であった。 MCED検査の結果が出る前に診断のための評価が開始された2人を除くと、診断が確定するまでの期間中央値は79日(IQR:37~219)であった。偽陽性者の診断までの期間中央値は162日(44~248)である一方、真陽性者では57日(33~143)と短かった。 がんシグナルを検出した90人(上記の2人を除く)の多くが、診断が確定するまでに臨床検査(真陽性者79%[26/33人]、偽陽性者88%[50/57人])と画像検査(真陽性者91%[30/33人]、偽陽性者93%[53/57人])を受けていた。 また、処置(非外科的または外科的)を受けた参加者の割合は、真陽性者(82%[27/33人])に比べ偽陽性者(30%[17/57人])で低く、外科的処置を受けた参加者はほとんどいなかった(真陽性者3人、偽陽性者1人)。 著者は、「これらの知見は、がんスクリーニング戦略としてのMCED検査の安全性、有用性、臨床的有効性を調査するための大規模研究の基礎を築くものである」としている。

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転移乳がんへのDato-DXd、医師選択化療よりPFS延長(TROPION-Breast01)/ESMO2023

 化学療法の前治療歴のある手術不能または転移を有するHR陽性(+)/HER2陰性(-)の乳がん患者を対象とした第III相TROPION-Breast01試験の結果、抗TROP2抗体薬物複合体datopotamab deruxtecan(Dato-DXd)は、医師選択化学療法よりも有意に無増悪生存期間(PFS)を延長し、かつGrade3以上の治療関連有害事象(TRAE)は半数以下であったことを、米国・Massachussetts General Hospital/Harvard Medical SchoolのAditya Bardia氏が欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2023)のPresidentialで報告した。・対象:HR+/HER2-、1~2ラインの全身化学療法歴、内分泌療法で進行または不適、ECOG PS 0~1の手術不能または転移を有する乳がん患者 732例・試験群:Dato-DXd(6mg/kg、3週ごと)を進行または許容できない毒性が発現するまで継続(Dato-DXd群:365例)・対照群:医師が選択した化学療法(エリブリン、ビノレルビン、カペシタビン、ゲムシタビン)を進行または許容できない毒性が発現するまで継続(化学療法群:367例)・評価項目:[主要評価項目]盲検下独立中央判定(BICR)によるPFS、全生存期間(OS)[副次評価項目]治験担当医評価によるPFS、安全性・層別化因子:前治療のライン数、地域、CDK4/6阻害薬の治療歴の有無 Dato-DXdは、第I相TROPION-PanTumor01試験において、手術不能または転移を有するHR+/HER2-の前治療歴のある乳がん患者において有望な活性を示している。今回は、グローバル第III相TROPION-Breast01試験の主要評価項目の1つであるPFSの結果が報告された。 主な結果は以下のとおり。・Dato-DXd群と化学療法群の年齢中央値は56歳(範囲:29~86)/54歳(28~86)、白人が49%/46%、アジア系が40%/41%、1ラインの前治療歴が63%/61%、CDK4/6阻害薬の治療歴ありが82%/78%、タキサン系and/orアントラサイクリン系の治療歴ありが90%/92%で、両群でバランスがとれていた。・データカットオフ(2023年7月17日)時点の追跡期間中央値は10.8ヵ月で、Dato-DXdの93例と化学療法群の39例が治療を継続していた。・主要評価項目であるBICRによるPFSは、Dato-DXd群6.9ヵ月(95%信頼区間[CI]:5.7~7.4)、化学療法群4.9ヵ月(95%CI:4.2~5.5)であり、Dato-DXd群で有意にPFSが改善された(HR:0.63[95%CI:0.52~0.76]、p

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切除不能または転移を有する尿路上皮がん1次治療、化療へのニボルマブ追加でOS改善(CheckMate 901)/ESMO2023

 切除不能または転移を有する尿路上皮がんの1次治療として、シスプラチンベースの化学療法へのニボルマブの追加が全生存期間(OS)および無増悪生存期間(PFS)を有意に改善した。日本も参加している第III相CheckMate 901試験の結果を、オランダ・Netherlands Cancer InstituteのMichiel S. van der Heijden氏が欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2023)で報告した。なお本結果は、2023年10月22日にNEJM誌オンライン版へ同時掲載されている。・対象:シスプラチン適格、未治療の切除不能または転移を有する尿路上皮がん患者(18歳以上、ECOG PS 0~1)・試験群:ニボルマブ(360mg、1日目)+ゲムシタビン(1,000mg/m2、1日目・8日目)+シスプラチン(70mg/m2、1日目)を3週ごとに最大6サイクルまで→ニボルマブ(480mg)を4週ごとに疾患進行/許容できない毒性の発現または最大2年まで 304例・対照群:ゲムシタビン+シスプラチン 304例・評価項目:[主要評価項目]盲検下独立中央判定(BICR)によるOS、PFS[副次評価項目]PD-L1≧1%におけるOS、PFS、健康関連QOL(HRQOL)[探索的評価項目]BICRによる奏効率(ORR)、安全性・層別化因子:PD-L1発現状況(≧1% vs.

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