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次の報酬改定は調剤基本料、地域支援体制加算が狙い撃ち?【早耳うさこの薬局がざわつくニュース】第120回

朝晩が涼しくなり、年末の気配がしてきました。来年度の2024年度は診療報酬・調剤報酬改定の年です。今回の調剤報酬改定の目玉は、「調剤基本料と地域支援体制加算の見直し」になりそうです。次の改定にあたって、11月1日に財政制度等審議会・財政制度分科会が開催されました。国全体の予算のうち、社会保障にいくら充てられるかを財務省が発表したあと、それがこの財政制度等審議会で議論されます。その社会保障の資料から調剤基本料と地域支援体制加算の見直しがポイントだと読み取れますので、資料と議論をみていきましょう。まず、今回の改定について、「薬局に求められる機能を踏まえた調剤報酬の見直し」をすると記載されています。その理由として、「薬局数・薬剤師数が増えていること」「薬局は病院・診療所の近隣が大半であること」「薬剤師技術料がおおむね維持されていること」が挙げられています。なにやら、薬局を取り巻く状況はコロナ禍を除いておおむね良好であると捉えられているようです。そして、今後は「対人業務への真の意味でのシフトが必要」とされています。ここは重要なので抜粋して紹介します。【「対人業務」への真の意味でのシフトの必要性】かねてより厚生労働省は薬剤師について、医師に処方された薬の調製・交付などの「対物中心の業務」から、処方内容を確認し、医師への疑義照会などにより重複投薬・相互作用等の防止、患者への服薬指導など、「対人業務」へのシフトを目指してきた。対人業務については、医療機関等への情報提供や在宅訪問への関与のように伸びているものもある一方で、多剤・重複投薬に係る患者や医師との調整を評価する点数といった算定回数が少ないものも存在する。また、2022年度改定では対人業務の評価体系の見直しが行われたが、既存の点数の一部を表面上対人業務と整理するにとどまっている。結構厳しい評価ですが、前向きに解釈すれば、「まだまだできる!」と言ってくれている気もします。そして、これらの結果を踏まえ、今回の見直しは以下の2点としています。【調剤基本料の見直し】調剤基本料は、薬局の運営維持に要するコストを、処方せんの集中率と受付回数の側面を含めた効率性の観点も含め、経営の実態を踏まえて評価したもの。実際に集中率が高い薬局は備蓄している医薬品目数が少ない傾向にあり、その点においては集中率の低い薬局に比べ低コスト。なお、いわゆる敷地内薬局については、誘致が過熱するなどの課題が生じている。令和2年度診療報酬(調剤報酬)改定では、一部の処方せん集中率が高い薬局を調剤基本料2や調剤基本料3イの対象とする見直しを行っているが、その影響は極めて限定的であり、見直しは不十分である。予算執行調査によれば、処方せん集中率が高い薬局であっても、集中率が低く小規模な薬局と同様に調剤基本料1が算定されている。【地域支援体制加算の見直し】地域支援体制加算は、地域包括ケアシステムの中で地域医療に貢献する薬局を評価するもの。調剤基本料1の薬局を対象とした地域支援体制加算1・2は、それ以外の調剤基本料の薬局を対象とした地域支援体制加算3・4に比べ、実績に係る要件が大きく緩和されている。これらの結果を総合すると、調剤基本料1および地域支援体制加算1・2は狙い撃ち間違いなしと思われます。前回の2022年度の改定の際、地域支援体制加算が従来の一律38点から4つの区分に分かれ、地域支援体制加算1・2と地域支援体制加算3・4の点数と要件の違いに驚きましたが、この2年間はあくまでも猶予期間であり、その間に実績を積みましょう、ということだったのでしょう。これから2月あたりまで議論が続きますが、どのような実態や議論が出てくるのでしょうか。薬局や薬剤師への期待を感じられる議論になるといいなと思いつつ見守っていきます。

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11月14日 世界糖尿病デー【今日は何の日?】

【11月14日 世界糖尿病デー】〔由来〕糖尿病の治療に欠かせない「インスリン」を発見したカナダの医師フレデリック・バンティングの誕生日にちなみ、2006年に国際連合は11月14日を「世界糖尿病デー」に認定。世界各地で糖尿病の予防、治療、療養について啓発活動を行っている。わが国でも全国で糖尿病啓発などに関するイベントが開催されるほか、東京タワーや大阪城などの有名建築物が糖尿病のシンボルカラーのブルーでライトアップされている。関連コンテンツ高齢者糖尿病診療のコツDr.坂根の糖尿病外来NGワードDr.坂根のすぐ使える患者指導画集 Part2日本人2型糖尿病でのチルゼパチドの効果、GLP-1RAと比較/横浜市立大チルゼパチド追加の「2型糖尿病の薬物療法のアルゴリズム」改訂版/日本糖尿病学会

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英語で「少しお待ちください」は?【1分★医療英語】第105回

第105回 英語で「少しお待ちください」は?《例文1》Hold on a moment. I’ll be there shortly.(ちょっと待ってください。すぐに行きます)《例文2》Hold on. He will be with you momentarily.(少々お待ちを。彼にすぐに[電話を]代わります)《解説》今回は、“Hold on a second”という表現を学んでいきましょう。これは、とくに電話口で頻用する表現です。“Hold on”は受話器を“on”のまま“hold”する、というイメージで「そのままの状態で待つ」という意味になります。後半の“a second”は文字通りだと「1秒」という意味ですが、ここでは「1秒」と言っているわけではなく、待ち時間が短いことの比喩表現です。「ちょっと」「少々」を表現するのに、例文でご紹介した“a second”や“a moment”、あるいは“a minute”などを使います。これらにニュアンスの差はあまりなく、ほとんど同じ意味で使うことができるでしょう。この“hold on”と“a second”を組み合わせ、“Hold on a second”と言うことで、「ちょっと待ってください」「受話器を持ったまま少々お待ちください」という意味になります。電話口で「ちょっと待ってほしい」というシーンは数多くありますし、医療現場に限らず、日常生活でも本当によく出合う表現です。“Hold on a second”に代えて、“Hold on a minute”あるいは単に“Hold on”と言うこともできます。また、“Could you hold on a second?”、“Could you please hold on a second?”などと表現することで、より丁寧な言い方になります。日本語から翻訳するイメージでいると“wait”などと言ってしまいそうですが、電話口で“wait”と言うと、突然「待て」とだけ言われたような感じになり、相手に困惑されてしまうかもしれません。ぜひ、この“hold on”をマスターしてくださいね。講師紹介

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第189回 ChatGPTの論文作文はその探偵がお見通し/70年来の念願、腎毒性のないアムホテリシンB合成

ChatGPTの論文作文はその探偵がお見通し生成AI(人工知能)・ChatGPTで書かれた論文の序論(introduction)部分をその発見プログラム(AI探偵)が検査でほぼ間違いなく見つけ出しました1,2)。ChatGPTが序論を書くことは背景情報があれば実に簡単なことです1)。それゆえ検査では序論が使われました。米国化学会(ACS)が発行する10の雑誌のそれぞれから10報ずつ選んだ論文の人の手による合計100の序論でAI探偵はまず訓練され、続いてChatGPT-3.5が書いた200の序論を同定する検査に望みました。ChatGPT-3.5が書いた200の序論のうち半分の100の序論は論文のタイトル、残りの100の序論はアブストラクトの入力によって作られました。タイトルからChatGPT-3.5が作成した序論と人が書いた序論をAI探偵にいよいよ委ねたところChatGPT-3.5による序論がなんと間違いなく100%の正確さで検出されました。アブストラクトからChatGPT-3.5が作成した序論の検出精度は少し劣りましたが、間違いは2%のみで98%が正解でした。最新のChatGPTなら目を盗めるかというとそういうわけには行かず、ChatGPT-4の作文もAI探偵は同様に正確に見つけ出しました1)。70年来の念願、腎毒性のないアムホテリシンB合成南米ベネズエラのオリノコ川渓谷の土壌細菌Streptomyces nodosusの産物として1950年代にその発見が報告されたアムホテリシンB(AmB)は今でも最も強力な抗真菌薬の一画を占め3)、耐性菌を生じ難いことも手伝って50年超の長きにわたり全身性真菌感染症の定番治療であり続けています4)。しかし真菌を殺す能力に長ける一方で人体に有毒で、とくに腎臓を害します。ゆえに最後の切り札として温存されることが多く、その出番は他に打つ手なしになったときにもっぱら限定されます5)。もしAmBを無毒化できればいわば鬼に金棒であり、そういう取り組みが実に70年を超えて続けられてきました6)。その取り組みはAmBの抗真菌作用の仕組みを明らかにした10年ほど前のNature姉妹誌掲載報告で大きく前進します。イリノイ大学化学科のMartin Burke氏らの2014年のNature Chemical Biology誌報告によるとAmBは真菌細胞膜の外側でスポンジのように凝集して真菌細胞膜の脂質二重層からエルゴステロールを抜き取ることで真菌を死なせます7)。Burke氏らはさらに研究を進めてAmBがヒト腎臓細胞を死なせる仕組みを解明し、腎臓に無害で真菌のエルゴステロールに限って素早く抜き去る抗真菌薬へとAmBを加工することにとうとう成功しました。先週8日(水)に本家Nature誌に掲載されたその成果によると、AmBが腎臓細胞を死なせるのはエルゴステロールと同じくステロールの一種であるコレステロールを腎臓細胞から抜き取ることによります8)。AmBがエルゴステロールとコレステロールに結合している様子も悉に調べられ、AmBとそれらの相互作用の違いも明らかになりました。それらの成果のかいあってコレステロールには結合しないようにAmBを細工でき、続いてエルゴステロール抜き取りが早まるようにする加工が施されました。そうして仕上がった化合物いくつかが細胞培養やマウスへの投与などで検討され、他とは一線を画して秀でる化合物に行き着きます。その化合物はAM-2-19と呼ばれ、マウスの腎臓やヒト腎臓細胞に手出しせず、500を超える酵母やカビなどの病原性真菌には既存の抗真菌薬と同等かそれ以上の効果を示しました9)。医療で使えるようにするための第一歩としてAM-2-19はBurke氏らが2019年に設立したバイオテクノロジー企業Sfunga Therapeutics社に委ねられており、SF001と呼ばれる製剤となって第I相試験が進行中です。単回漸増投与の段階が済み、来年2024年には反復漸増投与が始まります。参考1)‘ChatGPT detector’ catches AI-generated papers with unprecedented accuracy / Nature2)Desaire H, et al. Cell Rep Phys Sci.2023 Nov 6. [Epub ahead of print]3)Carolus H, et al. J Fungi(Basel). 2020;6:321.4)Mora-Duarte J, et al. N Engl J Med. 2002;347:2020-2029.5)New antifungal molecule kills fungi without toxicity in human cells, mice / Eurekalert6)Antifungal analog offers reduced toxicity / C&EN7)Anderson TM, et al. Nat Chem Biol. 2014;10:400-406.8)Maji A, et al. Nature. 2023 Nov 8. [Epub ahead of print]9)Sfunga Therapeutics and Deerfield Management Announce Publication on Novel Antifungal SF001 in Nature / PRNewswire

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研修医になると悪い大人が寄ってくる?【医学生お悩み相談ラヂオ】第17回

動画解説第17回は、医学部5年生の男性から医学部に伝わるある怖い噂話についてご相談。社会人1年目でもある研修医時代に気を付けておきたいウソのようなホントの怖い話を実体験とともにえど先生に教えていただきます。

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心不全患者における前立腺肥大症・前立腺がんが増加~日本のリアルワールドデータ

 前立腺肥大症および前立腺がんは心血管疾患リスクを上昇させる可能性がある。しかし、心血管疾患患者における前立腺肥大症や前立腺がんの有病率はわかっていない。今回、佐賀大学の兼田 浩平氏らが全国規模のリアルワールドデータで調査したところ、心血管疾患、とくに心不全による入院患者において、前立腺肥大症・前立腺がんの有病率が増加していることがわかった。Frontiers in Cardiovascular Medicine誌2023年10月19日号に掲載。 本研究は、日本の全国規模の循環器疾患診療実態調査(JROAD)のデータを用いた後ろ向き研究で、心血管疾患で入院した患者における前立腺疾患(前立腺肥大症・前立腺がん)の有病率と経時的推移を評価した。2012年4月~2020年3月における1,058施設の男性患者607万8,487例のデータを使用した。コクラン・アーミテージ傾向検定を用いて、調整オッズ比(aOR)と95%信頼区間(CI)を算出した。 主な結果は以下のとおり。・研究期間全体における前立腺疾患の有病率は5.7%(前立腺肥大症:4.4%、前立腺がん:1.6%)であった。年齢別では、65歳未満が1.1%、65~74歳が4.7%、75歳以上が9.9%と年代が上がるにつれ増加した(傾向のp<0.05)。・全体の有病率は時間の経過とともにすべての年齢層でわずかに増加していた。とくに2015年から2016年にかけて、また65歳以上において増加していた。・心不全で入院した患者は、心不全以外の心血管疾患(aOR:1.02、95%CI:1.01~1.03)や急性冠症候群(aOR:1.19、95%CI:1.17~1.22)で入院した患者と比べて、前立腺疾患の併存率が高かった。

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外来通院治療中の肺がんにおける悪液質合併、初診時で5割超、治療開始が遅れるとさらに増加/日本肺学会

 外来通院中の肺がん患者の5割超が初診時に悪液質を合併しており、その割合は治療開始までの期間が長いほど増加するとの研究結果が示された。関西医科大学の勝島 詩恵氏が第64回日本肺学会学術集会で発表した、外来通院肺がん患者における悪液質の後ろ向き観察研究のデータである。 がん悪液質は進行がんの多くに合併し、化学療法の効果を下げ、有害事象の発現を増加させる。また、悪液質は進行すると不可逆的かつ治療抵抗性になるため、早期からの介入が推奨される。しかし、臨床現場における悪液質の病状判断は難しく、必ずしも早期介入が実現しているとは言えない。 同大学では外来通院がん患者に特化した、がんリハビリテーション外来である「フレイル外来」を実施している。勝島氏らは、同外来を2020年11月〜22年11月に受診した肺がん患者を後ろ向きに解析した。 主な結果は以下のとおり。・フレイル外来初診時の肺がん患者(76例)における悪液質の合併は55.3%(42例)であった。・悪液質の発症と関連する項目はMNA(Mini Nutritional Assessment Score、p<0.001)とIPAQ(International Physical Activity Questionnaire、p=0.026)であった。つまり、低活動と低栄養が独立した関連因子であることが明らかになった。<悪液質の有無による比較>・フレイル外来初診時からの生存日数を悪液質の有無で比較すると、悪液質あり群は、なし群に比べ有意に予後不良であった(p=0.012)・悪液質がない状態で治療開始した患者では病勢制御率、初回治療完遂率ともに100%であった。一方、悪液質がある状態で治療開始した患者では、病勢制御率66.7%、初回治療完遂率58.3%であり、悪液質の合併は、治療効果とともに治療完遂率に悪影響を及ぼすことが示された。<初診から治療開始までの期間:早期群[45日未満]と遅延群[45日以上]による比較>・早期群では、初診時と治療開始時の悪液質合併割合に変化はなかったが(初診時61%→治療開始時61%)、遅延群では初診時から治療開始時にかけて増加しており(37%→87%)、初診から治療開始までの時間が長いほど悪液質の発症が高まる傾向にあった。 勝島氏は、がん悪液質の予防、とくに診断から治療開始までの空白期間での介入は、化学療法の有効活用にとっても重要であること、そして、がん悪液質の予防には多職種が有機的に関わって患者の身体活動量や栄養状態を維持することが欠かせないと述べた。

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十人十色の症状・経過を示す多発性硬化症、改訂GLで疾患修飾薬の使い方を示す/バイオジェン

 多発性硬化症(MS)・視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)の診療環境は、近年大きく変化している。「多発性硬化症・視神経脊髄炎診療ガイドライン2017」の公開後、MSにおいては国際的な診断基準が改訂され(McDonald 2017診断基準)、フマル酸ジメチル(商品名:テクフィデラ)、シポニモド(同:メーゼント)、オファツムマブ(同:ケシンプタ)が発売された。それを受けて約6年ぶりの改訂となる「多発性硬化症・視神経脊髄炎スペクトラム障害診療ガイドライン2023」が2023年9月に発刊された。 そこで、バイオジェンは2023年10月26日に「ガイドライン改訂からみるこれからの多発性硬化症診療」と題し、メディアセミナーを実施した。ガイドライン作成委員会の委員長を務める新野 正明氏(北海道医療センター臨床研究部 部長)が、MS患者が抱える悩みを含めたMS診療の現状と課題、ガイドライン改訂のポイントについて解説した。多様な症状・経過を示し、人生に大きく影響する MSは20~30代での発症が多く、仕事や結婚、出産など人生に大きな影響を及ぼす。同じ症状を呈するMS患者は2人としていないと言われるほど多様な症状を示し、その中には、ウートフ現象(温浴効果)、易疲労感、記憶力や集中力、判断力の低下などの見た目にはわからない症状もある。そのような背景から、MS患者は「学業や仕事に影響しないのだろうか?」「何に気を付ければ良いのだろうか?」「結婚・出産・子育てに影響しないのだろうか?」「いつまで薬を続ければ良いのだろうか?」「まわりにはなかなか理解してもらえない」といった悩みを抱えていると新野氏は指摘した。 このように多様な症状・経過を示し、患者の悩みの多いMSの診療課題として、新野氏は以下を挙げた。1)患者数が少なく、脳神経内科医でも経験することがそれほど多くない。そのため、専門とする医療機関が少なく、都市部に限られることが多い。2)長期にわたる診療・観察が必要であるが、担当医が異動により毎年交替することがあり、そのたびに方針が変更になることがある。3)2000年以降、疾患修飾薬(DMD)が8種類発売されたが、どのような使い分けが良いのか示されていない。4)どのような点に注意してフォローアップすれば良いか、情報が十分に共有されていない。DMDについてアルゴリズムを作成、使用方法を示す これらの課題に対応すべく、ガイドラインが改訂された。今回のガイドラインは3つの章からなり、中核箇所はMindsに準拠して作成された。第1章では、MSの診断では他の疾患との鑑別が重要となることから、NMOSDやMOG抗体関連疾患(MOGAD)などとの鑑別の手助けになるように、中枢神経系炎症性脱髄疾患診断のアルゴリズムが作成された。また、第1章の後半には各治療薬の概説や使用方法が具体的に掲載されたほか、診療において重要な「医療経済学的側面及び社会資源の活用」の項が追加された。 第2章では、MSやNMOSDを専門とする医師でも対応が分かれると考えられる重要臨床課題が5つ選定され、CQとして取り上げられた(MS:3つ、NMOSD:1つ、MOGAD:1つ)。今回設定されたMSに関するCQは以下のとおり。詳細はガイドラインを参照されたい。CQ1:再発寛解型MS(RRMS)の診断早期にナタリズマブないしオファツムマブで治療を開始するのは推奨されるか?(p114)CQ2:高齢MS患者において、DMDを中止することは推奨されるか?(p116)CQ3:二次性進行型MS(SPMS)患者に、オファツムマブとシポニモドのいずれが推奨されるか?(p118) 第3章では、診療上重要であり、エキスパートの間では一定のコンセンサスが得られると考えられる事項などがQ&Aとして取り上げられている。また、第2章と第3章の内容からRRMSの治療アルゴリズムも作成された。具体的には、「再発頻度・MRI活動性・EDSSが高くない、脳萎縮が強くない場合」には、アボネックス、ベタフェロン、コパキソン、フマル酸ジメチルのいずれかで治療を開始し、治療効果が不十分である場合は、ナタリズマブ、オファツムマブへの切り替えを速やかに検討することが記載されている。一方、「再発頻度やMRI活動性が高い、さらにはEDSSが高い、脳萎縮が強い場合」には、ナタリズマブ、オファツムマブによる治療開始を検討し、「再発頻度・MRI活動性・EDSSが高くない、脳萎縮が強くない場合」でも患者の意向等によってはナタリズマブやオファツムマブから開始することも検討することが記載されている。DMDの切り替え、効果不十分の判断は? それでは、DMDの切り替えの判断はどうすべきであろうか。これについても「Q2-6-1:どのような場合に、DMDの切り替えを検討すべきか?」という問いが設定されている。回答の内容としては「DMDの治療効果が不十分な場合や副作用により治療を継続できない場合、治療継続による副作用が懸念される場合には、切り替えを検討する」ことが記載され、治療効果不十分の判定については「DMDを開始した後も再発や障害度の進行が認められる場合や、MRIで新規病変や拡大病変が認められる場合」に治療効果不十分と判定することが記載されたと新野氏は解説した。 MRIの撮像頻度や障害度の進行の評価方法について、新野氏に質問したところ、「MRIについては、未治療の場合やDMD開始の判断をする場合には半年に1回、進行性多巣性白質脳症のリスクがある場合は3~4ヵ月に1回、安定している患者では1年に1回など、患者の状態によって判断する。身体障害については、EDSSの評価を年に1回程度もしくは再発時に実施するほか、歩行が重要な指標になるため、Timed 25-Foot Walk(25フィート歩行に要する時間)の評価、同じ距離を歩くのにかかる時間が延びていないか質問することも有用である。また、認知機能も非常に重要であるため、情報処理能力などを年に1回は評価する必要がある」との回答が得られた。 講演の最後に、新野氏は「患者さんはさまざまな悩みを抱えているため、医療者側の考えやエビデンスを押し付けるのではなく、患者さんの希望も聞きながら患者さんと一緒に治療方針を考えていく必要がある」とまとめた。

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コロナワクチン、オミクロン初期の東京で850万人の感染を回避/京大

 2022年1~5月には、全世界的に新型コロナウイルス(COVID-19)のオミクロン株BA.1/BA.2が流行していた。京都大学大学院医学研究科の茅野 大志氏と西浦 博氏は、この時期のワクチン接種による集団レベルの影響を、全国でも比較的完全な接種歴データを有する東京都のデータを用いて評価した。その結果、ワクチン接種により約64万人の感染が直接回避され、集団接種による間接的な効果も含めると約850万人の感染が回避され、ワクチン接種しなかった場合と比較すると65%の感染を減少したと推定された。BMC Infectious Diseases誌2023年10月31日号に掲載の報告。 オミクロン株BA.1は、日本では2021年12月下旬から増加し、1日当たり約2万人の患者が発生した。この流行の少し前の12月初旬に、ファイザー社とモデルナ社のmRNAワクチン(起源株対応)の追加接種プログラムが確立されていた。2022年5月下旬には、4回目接種が開始された。 本研究では、オミクロン株BA.1/BA.2が優勢だった第6波の2022年1月1日~5月27日(21週間)のデータを解析した。初回シリーズ(1・2回目)と追加接種(3回目)の接種率、および接種歴別に層別化した確定症例を分析し、ワクチン接種によって直接および間接的に予防されたCOVID-19症例数を推定した。症例報告率は25%と仮定した。直接的な効果の推定には、ワクチン未接種者とワクチン接種者のリスクを比較する統計モデルを用いた。ワクチンの集団接種により得られる効果を間接的な効果とした。直接効果と間接効果を総合した効果は、ワクチン接種プログラムが実施されなかったという反事実のシナリオを伝播モデルで推定し、リアルワールドで観察された感染者数のデータと比較することで評価した。間接効果は、総合効果と直接効果の差として算出した。 主な結果は以下のとおり。・2022年1~5月の東京都において、初回シリーズは47万8,000人(95%信頼区間[CI]:46.7万~48.9万、29%減少)の感染回避に直接貢献し、追加接種は16万2,000人(95%CI:15.7万~16.6万、12%減少)の、合計64万人(95%CI:62.4万~65.5万)の感染回避に直接的に貢献した。・初回シリーズと追加接種により、850万人(95%CI:840万~860万、65%減少)の感染回避に、直接的および間接的に貢献した。・追加接種の接種率が初回シリーズの接種率と同程度であれば、感染者数はさらに19%(376万75人、95%CI:370万9,102~380万8,214)減少した可能性がある。さらに、10~49歳の追加接種の接種率があと10%高ければ、感染者数はさらに7%減少した可能性がある。・高齢者の初回接種率は95%を超えていた。2022年のオミクロン株流行時の集団レベルの影響は大きく、東京都に住む60歳以上において、54%の感染を予防した。 著者は本結果について、オミクロン株のような変異株の出現といったSARS-CoV-2の進化が存在する場合でも、集団におけるワクチン接種率が高いほど、集団レベルでの間接的な効果が大きくなり、一時的であるかもしれないが、大規模なワクチン接種が集団免疫効果を誘発できると述べている。

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抗精神病薬関連の流涎症に対する薬理学的介入~メタ解析

 抗精神病薬に関連する流涎症は大きな問題の1つであるが、エビデンスベースの治療ガイダンスは不十分である。イタリア・フェデリコ2世ナポリ大学のMichele Fornaro氏らは、抗精神病薬関連の流涎症に対する薬理学的介入について、ネットワークメタ解析を実施した。Molecular Psychiatry誌オンライン版2023年10月11日号の報告。 成人患者を対象とした抗精神病薬誘発性流涎症に関するRCT研究(公開/非公開)をPubMed Central、PsycInfo、Cochrane Central database、Clinicaltrials.gov、WHO-ICTRP、中国電子ジャーナルデータベース(Qikan.cqvip.com)で検索した(2023年6月12日まで)。グローバル/ローカルでの不一致、出版バイアス、バイアスリスク(RoB2)、エビデンスの確実性を評価するため、サブグループ/感度分析を行った。主要有効性アウトカムは、唾液産生の変化(標準化平均差:SMD)、研究で定義された治療反応(リスク比:RR)とした。忍容性アウトカムは、すべての原因による中止(RR)をした。薬剤ごとに評価し、作用機序の評価は副次的なものとした。 主な結果は以下のとおり。・34件のRCTをシステマティックにレビューし、33件(1,958例)をネットワークメタ解析に含めた。・すべての介入は、精神疾患患者のクロザピン誘発性流涎症に対する介入であった。・プラセボと比較し、治療反応が良好であった薬剤は以下のとおりであった。 ●メトクロプラミド(RR:3.11、95%信頼区間[CI]:1.39~6.98) ●シプロヘプタジン(RR:2.76、95%CI:2.00~3.82) ●スルピリド(RR:2.49、95%CI:1.65~3.77) ●プロパンテリン(RR:2.39、95%CI:1.97~2.90) ●ジフェンヒドラミン(RR:2.32、95%CI:1.88~2.86) ●benzhexol(RR:2.32、95%CI:1.59~3.38) ●doxepin(RR:2.30、95%CI:1.85~2.88) ●amisulpride(RR:2.23、95%CI:1.30~3.81) ●クロルフェニラミン(RR:2.20、95%CI:1.67~2.89) ●アミトリプチリン(RR:2.09、95%CI:1.34~3.26) ●アトロピン(RR:2.03、95%CI:1.22~3.38) ●astemizole(RR:1.70、95%CI:1.28~2.26)・作用機序別の評価では(28研究、1,821例)、抗ムスカリン薬(RR:2.26、95%CI:1.91~2.68)、ベンズアミド(RR:2.23、95%CI:1.75~3.10)、三環系抗うつ薬(RR:2.23、95%CI:1.83~2.72)、抗ヒスタミン薬(RR:2.18、95%CI:1.83~2.59)は、プラセボよりも良好であった。・直接比較では、astemizoleとイプラトロピウムは、いくつかの介入において良好な成績が認められた。・作用機序別の継続的な有効性は、ベンズアミドを除き、プラセボよりも良好であった。・夜間流涎症に関して、ベンズアミド、アトロピンは、プラセボよりも良好な結果は認められなかった。・便秘または眠気は、プラセボと比較し有意な差は認められなかった。

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急性感染症での安全性、CFPM vs.TAZ/PIPC/JAMA

 先行研究でセフェピム(CFPM)は神経機能障害を、タゾバクタム・ピペラシリン(TAZ/PIPC)は急性腎障害を引き起こす可能性が指摘されている。米国・ヴァンダービルト大学医療センターのEdward T. Qian氏らは「ACORN試験」において、急性感染症で入院した成人患者を対象に、これら2つの抗菌薬が神経機能障害または急性腎障害のリスクに及ぼす影響を評価し、タゾバクタム・ピペラシリンは急性腎障害および死亡のリスクを増加させなかったが、神経機能障害のリスクはセフェピムのほうが高かったことを報告した。研究の成果は、JAMA誌2023年10月24・31日の合併号に掲載された。米国の単施設の実践的な無作為化試験 ACORN試験は、セフェピムとタゾバクタム・ピペラシリンの安全性の評価を目的に、ヴァンダービルト大学医療センターの救急診療部(ED)または集中治療室(ICU)に入院した感染症疑いの成人患者を対象に行われた実践的な非盲検無作為化試験であり、試験期間は2021年11月~2022年10月であった(米国国立心肺血液研究所[NHLBI]などの助成を受けた)。 年齢18歳以上で、来院後12時間以内にEDまたはICUで医師により抗緑膿菌セファロスポリン系またはペニシリン系の抗菌薬がオーダーされた患者を、セフェピムまたはタゾバクタム・ピペラシリンを投与する群に1対1の割合で無作為に割り付けた。 主要アウトカムは、14日目までの急性腎障害の最重度の病期または死亡とし、5段階(0[急性腎障害なしの生存]~4[死亡])の順序尺度で評価した。副次アウトカムは、14日目の時点での主要有害腎イベント(死亡、新規腎代替療法、持続性腎機能不全などの複合)と、14日目までのせん妄および昏睡のない生存日数で評価した神経機能障害であった。セフェピムの神経毒性、腎機能低下や敗血症で多いとの報告も 2,511例を主要アウトカムの解析の対象とした。年齢中央値は58歳(四分位範囲[IQR]:43~69)、42.7%が女性であった。94.7%はEDでの登録で、77.2%は登録時にバンコマイシンの投与を受けており、来院から登録までの時間中央値は1.2時間(IQR:0.4~3.5)、54.2%が敗血症で、最も多く疑われた感染源は腹腔内と肺であった。セフェピム群に1,214例、タゾバクタム・ピペラシリン群に1,297例を割り付けた。 最重度の急性腎障害または死亡は、セフェピム群ではステージ3の急性腎障害が85例(7.0%)、死亡が92例(7.6%)で、タゾバクタム・ピペラシリン群ではそれぞれ97例(7.5%)、78例(6.0%)で発生し、両群間に有意な差を認めなかった(オッズ比[OR]:0.95、95%信頼区間[CI]:0.80~1.13、p=0.56)。 14日目の時点での主要有害腎イベントは、セフェピム群が124例(10.2%)、タゾバクタム・ピペラシリン群は114例(8.8%)で発生し、両群間に有意差はなかった(絶対群間差:1.4%、95%CI:-1.0~3.8)。 14日以内にせん妄および昏睡のない平均生存日数は、タゾバクタム・ピペラシリン群が12.2(SD 4.3)日であったのに対し、セフェピム群は11.9(SD 4.6)日と短かった(OR:0.79、95%CI:0.65~0.95)。また、14日目までに、セフェピム群の252例(20.8%)とタゾバクタム・ピペラシリン群の225例(17.3%)が、せん妄または昏睡を経験した(絶対群間差:3.4%、95%CI:0.3~6.6)。 著者は、「セフェピムは、血液脳関門を通過し、γ-アミノ酪酸受容体に対して濃度依存性の阻害作用を示し、症例集積研究やコホート研究において昏睡、せん妄、脳症、痙攣などの神経毒性を伴うことが報告されている。また、セフェピムによる神経毒性は、腎機能が低下している患者や、敗血症のような血液脳関門が障害された病態の患者で、より高頻度に発現するとの報告がある」と指摘している。

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第170回 外来管理加算の廃止提案に医師会は強く反発/中医協

<先週の動き>1.外来管理加算の廃止提案に医師会は強く反発/中医協2.地域医療構想で進む病床再編、急性期病床が減少、回復期は増加/厚労省3.日本の公的医療支出が高水準、病床数と在院日数で2位/OECD4.GLP-1受容体作動薬の供給不足、卸に対して美容目的の出荷抑制を指示/厚労省5.美容目的のエクソソーム使用に規制を、死亡事例の報告も/再生医療学会6.介護職員の待遇改善へ、来年2月から月6,000円の賃上げ決定/政府1.外来管理加算の廃止提案に医師会は強く反発/中医協厚生労働省は、中央社会保険医療協議会(中医協)の総会を11月10日に開催。2024年度の診療報酬改定に向けて議論が行われた。とくに外来医療に関する「外来管理加算(52点)」については、支払い側が廃止を求め、激しい議論となった。外来管理加算は、2008年の診療報酬改定で再診患者に対する計画的な医学管理を評価するため導入された。当初は「おおむね5分を超える診察」の要件(いわゆる「5分ルール」)が含まれていたが、医療現場の強い反発で、このルールは2年後に廃止された代わりに、「簡単な症状の確認」だけで処方を行った場合は加算を算定できないことが明確化されていた。支払側委員の松本 真人氏(健康保険組合連合会理事)は、外来管理加算の算定要件があいまいで、その評価の妥当性に疑問を提起した。さらに、外来管理加算と「特定疾患療養管理料」、「生活習慣病管理料」、「地域包括診療加算」の併せて算定が許される現状についても、患者や保険者にとって理解しづらいと指摘し、廃止を主張した。これに対して、診療側の委員たちは強く反発。長島 公之委員(日本医師会常任理事)は、松本委員の意見を「暴論」と断じ、まったく容認できないと強調した。池端 幸彦委員(日本慢性期医療協会副会長)も、廃止の主張に全面的に反対する意向を示した。参考1)中医協資料 外来(その3)について(厚労省)2)外来管理加算の廃止を主張、支払側の松本委員 長島委員は「暴論、容認できない」(CB news)3)「外来管理加算の廃止」の支払側提案に、診療側委員は猛反発、「かかりつけ医機能」の診療報酬評価をどう考えるか-中医協総会(1)(Gem Med)2.地域医療構想で進む病床再編、急性期病床が減少、回復期は増加/厚労省厚生労働省は、11月9日に「地域医療構想及び医師確保計画に関するワーキンググループ」を開催し、地域医療構想の進捗について報告した。厚労省が最新の病床機能報告を基に行った集計によれば、2025年までに急性期病床が約7.1万床減少する一方、回復期病床は約7.9万床増加する見込み。政府は、高齢化や人口減少に対応するため、2025年までに各地域の医療体制を効率化することを目的として地域医療構想の実現を目指し、病床再編を行っている。病床再編により、一部の地域では医療機関の存続が危ぶまれ、とくにコロナ禍での病床削減への疑問符が生じている。たとえば、岐阜県東濃地方では、公営病院の病床数削減や民間への譲渡が進められているが、地域全体での病床利用率は高くなく、病床削減による共倒れの懸念が指摘されている。新型コロナウイルスのパンデミックは、病床削減の方針に再考を迫っており、急性期病床の役割の重要性が再認識されているが、今後は、コロナ禍の経験や在宅医療の需要も考慮に入れた新たな医療再編の議論が求められている。参考1)地域医療構想の進捗等について(厚生労働省)2)急性期7.1万床減少見込み、15-25年に 回復期は7.9万床増、全国ベースで(CB News)3)目標の2025年迫る「地域医療構想」 病床再編 議論が“再燃” 地域医療の崩壊に危機感(東京新聞)3.日本の公的医療支出が高水準、病床数と在院日数で2位/OECD経済協力開発機構(OECD)の最新報告によれば、わが国の公的医療支出はGDPの11.5%であり、政府支出の22%を占めることが判明した。これは、加盟38ヵ国中最高の割合であることが明らかになった。わが国の人口当たり病床数(12.6)は韓国に次いで2位で、平均在院日数も16.0日と、OECDの平均の約2倍である。人口1,000人当たりの医師数は2.6人で、OECDの平均3.7人に及ばない。また、わが国は、65歳以上の高齢者割合が29%と最も高く、1人当たりの受診回数も11回で2番目に多い。OECDは、これらの現状をもとにわが国の医療資源の効率的な活用を促している。人口10万人当たりの薬剤師数は199人でトップに立つ一方で、ノルウェーやスウェーデンの65歳以上の人口100人当たり介護従事者の数は約12人に対して、わが国は6.8人である。そのほか、開業医の電子カルテ利用率は平均93%に対し、日本は42%と低くOECDの武内 良樹事務次長は、わが国の医療提供の効率化と介護の費用対効果の向上を求めている。さらにわが国の病院依存型の医療制度が非効率であると指摘し、遠隔医療の利用拡大やかかりつけ医の医療質向上のほか、スキルの高い介護人材の確保と労働条件の改善も必要とも述べている。参考1)図表でみる医療 2023:日本(OECD)2)公的医療支出の割合、日本がトップ OECD、病床数・在院日数は2位(MEDIFAX)4.GLP-1受容体作動薬の供給不足、卸に対して美容目的の出荷抑制を指示/厚労省厚生労働省は、2型糖尿病治療に使用されるGLP-1受容体作動薬の在庫が逼迫していることを受け、7月下旬に医療機関と薬局に対して、GLP-1受容体作動薬の買い込みを控え、必要量のみの購入を行うよう求め、薬剤の適正使用を依頼した。GLP-1受容体作動薬は、2型糖尿病患者以外への使用(主に美容・痩身目的)については有害事象の報告もあり、懸念が広がる一方、海外承認のニュースにより急速に処方が増えている。厚労省は、2型糖尿病患者に対して適切に供給されるように、医薬品卸売販売業者に対して、注文を受けた際に治療目的を確認し、糖尿病治療以外の目的での使用が明らかな注文に対しては、納入を控えるよう11月9日付けで通知を発出した。参考1)GLP-1受容体作動薬の在庫逼迫に伴う協力依頼(その2)(厚労省)2)GLP-1、糖尿病治療以外は納入しないよう卸に要請 厚労省(日刊薬業)5.美容目的のエクソソーム使用に規制を、死亡事例の報告も/再生医療学会厚生労働省が、11月10日に開催した厚生科学審議会の再生医療等評価部会で、日本再生医療学会は、細胞から分泌される微粒子「エクソソーム」が含まれる幹細胞培養上清液が、美容目的やアンチエイジング目的で自由診療の医療機関で使用されているとして、「何らかの規制下に置かれることが望ましい」とする提言書を国に提出した。エクソソームは組織再生を促す物質を含んでいるが、現行の再生医療の安全に関する法律の対象外のため、管理が不十分な場合には重大な事故を引き起こす可能性があると指摘されている。すでに、幹細胞培養上清液を使用した治療による患者の死亡事例も報告されており、研究者らはエクソソームの体内での効果や安全性に関する科学的根拠が不足しており、一部のクリニックが効果を誇張して宣伝されていることを問題視しており、大阪大学の曽宮 正晴助教は、このような未確立の治療法には倫理的、科学的な問題があると指摘している。これに対して、実施しているクリニックが所属している日本再生医療抗加齢学会側は、現在の状況を改善するためのガイドライン作成や問題点の精査を急務としている。参考1)エクソソーム等に対する日本再生医療学会からの提言(日本再生医療学会)2)幹細胞培養上清液に関する死亡事例の発生について(再生医療抗加齢学会)3)エクソソーム 美容目的などに利用 “将来的に規制を”学会提言(NHK)4)エクソソーム治療「規制下が望ましい」学会が提言 死亡例の報告も(朝日新聞)5)幹細胞培養上清液で死亡例 研究者「エクソソームの投与で何かを治したと人で実証された例はない」「身体にリスクも」“若返りや美容効果”うたうクリニックに警鐘(ABEMA TIMES)6.介護職員の待遇改善へ、来年2月から月6,000円の賃上げ決定/政府政府は、介護職員と看護補助者の賃金を2023年2月から月額6,000円引き上げることを含む補正予算を閣議決定した。この措置は、介護分野と他の産業との間で開いた待遇格差を埋め、介護職員の離職を防ぐための措置で、賃上げには関連経費が2023年度補正予算案に盛り込まれ、都道府県を通じて事業所や医療機関に補助される。今回の賃上げは、介護報酬の3年ごと、診療報酬の2年ごとの見直しに先立つ「つなぎ」としての措置であり、来年度の報酬改定で恒久的な賃上げを目指している。厚生労働省によれば、2022年の介護職員の給与平均は29.3万円、看護補助者は25.5万円で、全産業平均(36.1万円)と比べて低く、介護分野では低賃金のために他産業への人材流出が続いており、離職者数が増加している。全国老人保健施設協会の調査では、介護職員の2023年度の賃上げ率は1.42%で、春闘の平均賃上げ率3.58%を大きく下回っている。岸田 文雄首相は、医療介護における賃上げや人材確保を重要な課題として挙げ、「必要な処遇改善の検討を行わなければならない」と述べている。参考1)介護職、月6000円賃上げ 人材流出抑制で-厚労省・補正予算(時事通信)2)介護職員の賃金、来年2月から月6000円引き上げ…離職の歯止め措置で補正予算案に盛り込む(読売新聞)3)コロナ交付金に6,143億円、補正予算案決定 月6千円相当の看護職賃上げへ(CB news

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医師の多くは富裕層ではない!? 高所得者がお金持ちでない納得の理由【医師のためのお金の話】第74回

医師といえば、高収入がトレードマーク。世間の人から見たら、たくさん給料をもらっているのだから、きっと裕福な生活を送っているはず。しかし実際のところ、まったくそんなことはないのはご存じのとおりですね。定義から考えても、医師の多くはいわゆる富裕層に該当しません。なぜ、医師は高収入であるにもかかわらず、お金持ちとは言い難いのでしょうか。たしかに医師は高収入なだけあって、傍目には豪華な生活をしている人が多いです。しかし、本物のお金持ちのように「余裕」があるわけではありません。それでは余裕とは一体何なのでしょうか?人それぞれ感じ方に違いがありますが、一般的にはそれほどお金の心配をしなくてもよい状況だと思います。いくら月収が100万円あったとしても、月末になると住宅ローンやクレジットカードの支払いで汲々する…。このような状況では、とても「お金持ち」とはいえないでしょう。それでは、どうやってお金に対して余裕のある状態にすればよいのでしょうか。その問いに対する答えは、お金持ち(富裕層)の定義にありそうです。富裕層の定義はいくつかありますが、その多くは給料などのキャッシュフローではなく、所有している資産の多寡で富裕度を判定しています。それでは、富裕層について詳しく考えてみましょう。富裕層の定義は純資産にあり富裕層の定義として最も有名なものは、野村総合研究所によるものでしょう。同社のホームページでは、保有している純金融資産保有額に応じて、以下のように富裕層が定義されています。超富裕層5億円以上富裕層1億円以上5億円未満準富裕層5,000万円以上1億円未満アッパーマス層3,000万円以上5,000万円未満マス層3,000万円未満ここで注目するべき点は、富裕層の定義が給料などの収入ではなく、所有している資産の金額であることです。一般的には、高収入=富裕層と思われがちです。もちろん、高収入=高資産=富裕層という人も少なくありません。しかし、単に高収入なだけの人は明確に富裕層から除外されているのが注目するべき点でしょう。そして残念ながら、医師の多くは単に高収入なだけの人に該当してしまいます。単に収入が多いだけでは富裕層ではないのです。必ずしも高収入が純資産に結びつかない納得の理由それではなぜ、高収入なだけでは必ずしも資産も多いとはいえないのでしょうか。その理由は、高収入であっても支出が多いと手元にお金が残らないからです。たとえば収入が100万円あったとしても、毎月100万円使っていては手元にお金がまったく残りません。この状態では、少しでも収入が少なくなると、途端に生活が破綻してしまいます。これではいつまでたってもお金の心配から逃れられませんね。そして程度の差こそあれ、この状態に近い医師家庭が多いのは周知の事実です。これこそが高収入にもかかわらず、多くの医師がお金持ち(富裕層)ではない理由なのです。それでは支出を減らせばいいのかというと、簡単に減らせないのがつらいところです。マイホームや立派なクルマ、そして子供の教育費など大きな支出は枚挙に暇がありません。どれひとつを取っても、ライフプランにかかわる大きな問題です。このため、ほとんどの人が支出を削減しようとしても十分な効果を得ることができません。かく言う私も、これらの支出にはクルマ以外すべて関与しています。支出削減はなかなか難しいものです…。所有資産を増やすことを考えようそれではまったく手がないのかというと、もちろんそういうわけではありません。考えてみると当たり前ですが、高収入な医師はもともとかなり有利な立場にいるといえます。問題は、高収入をうまく資産増加に結びつけられていない点です。資産はどうやったら増えるのでしょうか。最も単純なのは現金を貯める方法です。いわゆる貯金ですね。貯金のメリットは、とくに知識がなくても大丈夫な点です。思い立ったらすぐに始められることもメリットでしょう。しかし、貯金だけでは限界があるのも事実です。いくら高収入の医師といえども、1億円を超える貯金を積み上げるのは現実的ではありません。このため、株式投資や不動産投資を実践して資産増大を目指す必要があります。もちろん、株式投資や不動産投資で資産を増やすことは簡単ではありません。しかし仕事で忙しいからといって株式投資や不動産投資から目を背け続けると、いつまで経っても資産は増えません。高収入の医師といえども、余裕のある生活を送るためには資産を増やす必要があります。支出をコントロールして貯金するのはもちろんのこと、株式投資や不動産投資にも目を向けて、資産形成の勉強をしてみましょう。

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第67回 クラメール連関係数で算出したカットオフ値【統計のそこが知りたい!】

第67回 クラメール連関係数で算出したカットオフ値カットオフ値(cutoff value)とは、定量データを区切るために用いる基準の値のことです。医療分野に絞っていえば、「ある検査の陽性、陰性を分ける値のこと」で「病態識別値」とも呼ばれます。検査結果によって、特定の疾患に罹患した患者と罹患していない患者を分ける境界値のことを指します。前回第66回では、感度・特異度最小値法で算出したカットオフ値について紹介しましたが、今回は、2×2分割表のクラメール連関係数で算出するカットオフ値について解説します。クラメール連関係数(Cramer’s coefficient of association)は2つのカテゴリーデータの相関関係を把握する解析手法です。■2×2分割表のクラメール連関係数2×2分割表を表1に示します。表1 2×2分割表クラメール連関係数は下の式によって求められます。2×2分割表において、真陽性(A)と真陰性(D)が大きく、偽陽性(B)と偽陰性(C)が小さくなるほど、クラメール連関係数は大きな値になります。値は0~1の間に収まります。BMI26分割表について表2にクラメール連関係数を求めます。表2 BMI検査の2×2分割表BMI検査値を21~30に変化させ、表3にクラメール連関係数を算出します。クラメール連関係数の最大値は0.762です。そのBMIは26です。よって最適なカットオフ値は26となります。表3 クラメール連関係数■さらに学習を進めたい人にお薦めのコンテンツ統計のそこが知りたい!第50回 クラメール連関係数とは?第51回 期待度数がわかれば簡単! クラメール連関係数の計算法特別編 カットオフ値とROC解析

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ダニ咬傷におけるダニの除去【一目でわかる診療ビフォーアフター】Q92

ダニ咬傷におけるダニの除去Q92今日は地域研修の時にお世話になった山奥の診療所へ日直バイトに来ている。昼過ぎのころ、とくに既往のない30代男性が右前腕のダニ咬傷を主訴に受診してきた。町役場の環境保全調査のため、野山に行ってきたようだ。肉眼的に、10mm台のおそらくマダニが刺さっている。どうやって除去しよう。

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事例35 アミティーザカプセルの査定【斬らレセプト シーズン3】

解説事例では、慢性便秘の患者に処方したルビプロストン(商品名:アミティーザ)カプセルが過剰を表すB事由(医学的に過剰・重複と認められるものをさす)を適用されて査定になりました。ルビプロストンの添付文書をみてみると、「慢性便秘症に、1回24μgを1日2回、朝食後及び夕食後に経口投与する。なお、症状により適宜減量する」とあります。ルビプロストン24㎍は、1日2回の服用に限定されています。1日3回の処方を行ったために1回分が過剰として査定となったことがわかります。また、1日量も定められた上限を超えており、明らかな過量であることがわかります。処方内容に対して、医師にお伺いしたところ、「慢性便秘のコントロールに難渋したため増量した。処方時点で、コメントを入力したところ薬剤処方登録システムではエラーが出なかったためにそのまま処方した」と説明がありました。医師には、医学的理由がありコメントにて意思表示されても、添付文書に「適宜減量」と記載されている薬剤における上限量を超えての処方は、査定対象になることをお話しいたしました。薬剤の処方システムには、「適宜減量」の薬剤において上限超えの処方をされた場合に警告が表示されるが、「コメント」を入力するとそのまま処方されてしまう仕様のため、再警告「査定対象の用法用量です」も表示されるように改修を行い、医療安全の向上と査定の対策としています。

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厚生労働省に糖尿病治療薬の安定供給を要望/糖尿病関係三団体

 糖尿病治療薬のGLP-1受容体作動薬の適用外処方が社会問題となり、その供給不足が報道されている。また、後発医薬品メーカーの不祥事や原料の不足などで糖尿病患者への必要な既存の治療薬の供給にも不安が生じている。 こうした現在の状況に鑑み、2023年11月7日に日本糖尿病協会(理事長:清野 裕氏、患者代表理事:中園 徳斗士氏)、日本糖尿病学会(理事長:植木 浩二郎氏)、日本くすりと糖尿病学会(理事長:朝倉 俊成氏)の三団体は連名で厚生労働省に対し「糖尿病治療薬の安定供給に関する要望書」を提出した。厚生労働省に患者代表も参加させ、患者視点の対策を要望 要望書の要旨は、以下のとおり。・厚生労働省で「医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会」を設置し、現状把握と対策を検討していること、また、先発品だけでなく、後発品にも不安定供給が発生しているが、それらの薬価見直しについて検討していることへの謝意を表明。・しかしながら、状況はいまだ改善しているとは言い難く、現在も糖尿病医療の現場では、医療者、患者双方から、不安な思いが寄せられていることを報告。この状況の早期解消への一層の注力を要望。・また、問題解決には、医薬品を用いた治療を受ける患者の視点が重要であるため、今後の検討を進める際は、日本糖尿病協会の患者代表理事を加えて、当事者の意見を聴くことを要望。

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NSCLCへのニボルマブ+イピリムマブ±化学療法、実臨床の安全性・有効性は?(LIGHT-NING)/日本肺学会

 進行・再発非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療として、2020年11月にニボルマブ+イピリムマブ±化学療法が保険適用となり、実臨床でも使用されている。また、国際共同第III相試験CheckMate 9LA試験、CheckMate 227試験の有効性の成績は、非常に少数例ではあるものの日本人集団が全体集団よりも良好な傾向にあった一方、Grade3以上の治療関連有害事象(TRAE)の発現割合は、日本人集団が全体集団よりも高い傾向にあったことが報告されている。そこで、ニボルマブ+イピリムマブ+化学療法(CheckMate 9LAレジメン)、ニボルマブ+イピリムマブ(CheckMate 227レジメン)を使用した患者のリアルワールドデータを収集するLIGHT-NING試験が実施された。本試験の第3回中間解析の結果について、山口 哲平氏(愛知県がんセンター呼吸器内科部)が第64回日本肺学会学術集会で発表した。試験デザイン:後ろ向き観察研究対象:未治療の進行・再発NSCLC患者525例試験群1:ニボルマブ(360mgを3週ごと)+イピリムマブ(1mg/kgを6週ごと)+化学療法(3週ごと、2サイクル)(CM 9LA群:308例)試験群2:ニボルマブ(240mgを隔週または360mgを3週ごと)+イピリムマブ(1mg/kgを6週ごと)(CM 227群:217例)評価項目:[主要評価項目]治療状況、全生存期間(OS)、Grade3以上の免疫関連有害事象(irAE)、治療中止に至ったTRAEなど[副次評価項目]irAEの発現時期とirAEに対する治療内容および症状改善までの期間、irAEの有効性への影響など 主な結果は以下のとおり。・対象患者の年齢中央値は70歳、女性が18.7%、PS 0~1/2/3以上が89.1%/6.5%/1.5%、扁平上皮がんが27.0%、PD-L1発現状況が1%未満/1~49%/50%以上/不明は46.5%/34.7%/9.1%/9.7%であった。・治療別にみた年齢中央値はCM 9LA群が67歳、CM 227群が73歳、75歳以上の割合はそれぞれ11.7%、40.1%であり、高齢の患者では化学療法を含まないニボルマブ+イピリムマブが多く選択される傾向にあった。・解析時点において、イピリムマブのみを中止した患者の割合は2.5%、ニボルマブとイピリムマブの両剤を中止した患者の割合は85.3%で、イピリムマブ中止の内訳は病勢進行が43.6%、有害事象が38.3%、その他が5.9%であった。・Grade3/4のTRAEは40.2%(CM 9LA群:49.7%、CM 227群:26.7%)に発現し、いずれかの薬剤の中止に至ったTRAEは37.9%(それぞれ41.9%、32.3%)に発現した。・治療関連死は3.4%(CM 9LA群:3.6%[11例]、CM 227群:3.2%[7例])に認められ、間質性肺疾患(9例)が最も多かった。・OS中央値は、CM 9LA群が24.3ヵ月、CM 227群が21.9ヵ月であり、1年OS率はそれぞれ69.1%、62.8%であった。・無増悪生存期間(PFS)中央値は、CM 9LA群が6.4ヵ月、CM 227群が6.2ヵ月であり、1年PFS率はそれぞれ32.2%、37.5%であった。・医師判定に基づく奏効率は、39.6%(CM 9LA群:40.7%、CM 227群:37.8%)であった。 本結果について、山口氏は「安全性に関する新たなシグナルは観察されず、安全性プロファイルはCheckMate 9LA、227試験と同様であった。治療関連死の原因としては肺臓炎関連が多かった。有効性に関して、CM 9LA群とCM 227群は同様の結果であり、PD-L1発現割合によっても治療効果に大きな差はみられなかった」とまとめた。

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軽度認知障害および早期認知症患者向けアプリの有用性を評価した

 順天堂大学の浜口 玲央氏らは、ライフクエストが開発した軽度認知障害(MCI)および早期認知症患者向けのスマートフォンアプリケーション「LQ-M/D App」の実現可能性、有用性、潜在的な効果を評価するため、本研究を実施した。Frontiers in Digital Health誌2023年9月12日号の報告。軽度認知障害および早期認知症患者向けアプリ使用患者20例で評価 「LQ-M/D App」は、認知機能、身体運動トレーニング、生活習慣の習得機能およびユーザーエンゲージメントを強化するために、アップデート後に追加された継続性向上機能を有するMCIおよび早期認知症患者向けのスマートフォンアプリケーションである。継続性向上機能としては、トレーニング内容の最適化、疾患教育機能、ファミリーアプリによる家族でのモニタリングの機能が含まれる。 単一施設によるアプリの使用状況、認知機能トレーニングおよび運動トレーニングの実施/中断、アンケート回答、認知機能評価に関するデータをレトロスペクティブに分析した。アプリ使用患者20例のうち、10例はアップデート前のバージョン、残りの10例はアップデート後のバージョンを使用した。 軽度認知障害および早期認知症患者向けアプリの有用性を評価した主な結果と結論は以下のとおり。・軽度認知障害および早期認知症患者向けアプリ「LQ-M/D App」は、効果的に使用されており、継続性向上機能がいくつかの点でアプリ使用にプラスの影響を及ぼすことが示唆された。・アプリの使用状況と認知機能との間に潜在的な関連が示唆されたが、データポイントのばらつきについては、慎重な解釈が求められる。・本研究の限界として、サンプルサイズの小ささ、単一施設試験である点、レトロスペクティブ研究である点が挙げられる。・今後、MCIおよび早期認知症のマネジメントに対する「LQ-M/D App」の有用性についてさらなる評価を行うためにも、より大規模なサンプルを用いた複数施設によるランダム化比較研究を行う必要がある。

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