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0カロリー表示でもダメ?ダイエット炭酸飲料と2型糖尿病のリスク

 ダイエット炭酸飲料の消費量が多いほど2型糖尿病発症リスクが高まることが、日本人男性を対象にした検討で明らかになった。たとえ、ゼロカロリー表示でも、ダイエット炭酸飲料を週に1本以上飲むことは、2型糖尿病の予防に効果的とはいえないようだ。本研究は、金沢医科大学の櫻井 勝氏らによる検討で、European Journal of Nutrition誌オンライン版2013年4月11日号に掲載された。 試験対象は、日本国内の工場に勤務する従業員2,037人。自己記入式の食事歴質問票を用いて、砂糖入り清涼飲料水(SSB)とダイエット炭酸飲料の消費量を測定し、それぞれの糖尿病発症リスクを検討した。糖尿病発症率は、7年間に及ぶ毎年の健康診断結果をもとに調査し、糖尿病発症ハザード比(HRs)と95%信頼区間(CI)は、年齢、BMI、家族歴、食事、他のライフスタイル要因による調整後に算出した。 主な結果は以下のとおり。・試験期間中、170例が糖尿病を発症した。【砂糖入り清涼飲料水(SSB)と糖尿病リスク】・SSB消費量別に、「消費なし(もしくはまれ)群」、「1本/週 未満の群」、「1本/週以上~1本/日未満の群」、「1本/日以上の群」の4群にわけたところ、粗罹患率(/ 1,000人年)はそれぞれ15.5、12.7、14.9、17.4であった。・SSB「1本/日以上の群」の多変量調整後の糖尿病発症ハザード比は、「消費なし(もしくはまれ)群」に比べ、1.35(95%CI:0.80~2.27)であった。【ダイエット炭酸飲料と糖尿病リスク】・ダイエット炭酸飲料の消費量と糖尿病発症リスクに有意な相関がみられた(p for trend=0.013)・ダイエット炭酸飲料の消費量が、「1本/週未満群」の多変量調整後の糖尿病発症ハザード比は、「消費なし(もしくはまれ)群」に比べ、1.05(95%CI:0.62~1.78)であった。・ダイエット炭酸飲料の消費量が、「1本/週以上群」の多変量調整後の糖尿病発症ハザード比は、「消費なし(もしくはまれ)群」に比べ、1.70(95%CI:1.13~2.55)であった。

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治療抵抗性の双極性障害、認知機能への影響は?

 双極性障害患者では認知機能障害を呈することが少なくないが、これらの関係については十分に報告されていない。Ute Kessler氏らは、治療抵抗性の双極性障害I型およびII型の患者における、神経認知障害を評価した。その結果、認知障害はII型と比べてI型患者でより多く、とくに処理速度に関する障害の頻度が高かった。所見を踏まえて著者は「本結果は、臨床家は、とくに双極性障害I型の治療抵抗性の患者において神経認知障害が重度であることに留意すべきであることを示すものである」と述べている。BMC Psychiatryオンライン版2013年4月号の掲載報告。 本研究は、治療抵抗性の急性双極性障害が認められた入院患者の神経認知プロファイルを評価し、同I型とII型患者の神経認知について比較を行い、人口統計学的および臨床的疾患特性と認知機能との関連を特定することを目的とした。DSM-IV-TRで大うつ病エピソードが認められた急性期の双極性障害I型(19例)と同II型(32例)の入院患者について、MATRICS Consensus Cognitive Battery(MCCB)、Wechsler Abbreviated Scale of Intelligence(WASI)、National Adult Reading Testなどで評価を行った。 主な結果は以下のとおり。・神経認知障害は、MCCBの全評価において双極性障害I型およびII型の患者で明らかであった。・すべてのMCCB測定スコアが、II型群よりI型群で低値であった。あるカテゴリーについて名詞をどれだけ言えるか(category fluency)についての測定スコアは有意差が認められた。・I型患者の68.4%で、2つ以上の領域で障害(標準平均値より>1.5 SD低下)がみられ、これはII型患者の37.5%と比べて有意に多かった(p=0.045)。・発症前から直近にかけてのIQ低下は、I型患者では有意であったが、II型患者では有意ではなかった。・年齢が高いと、神経認知障害は年齢調整後標準値に比して大きかった。関連医療ニュース ・難治性双極性障害患者への併用療法は? ・双極性障害の再発予防に対し、認知療法は有効か? ・双極性障害の治療アドヒアランスを改善するには?

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新型鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルス感染による死亡3例の臨床像/NEJM

 中国・疾病管理予防センターのRongbao Gao氏らは、2013年3月に新型の鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルスに感染していることが同定された3例の患者について、臨床像、患者背景、ウイルス学的情報について報告した。3例は上海および安徽の住民で、いずれも死亡に至った感染例である。NEJM誌オンライン版2013年4月11日号掲載の報告より。N9亜型のヒトへの感染報告は初めて H7ウイルスの鳥への感染はこれまでにも世界各国で報告されているが、同型のヒトへの感染が報告された高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)ウイルス例の報告は、オランダで急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を併発し死亡に至ったH7N7ウイルスのみであったという。その発症も1例のみで、H5N1ウイルス感染による累積死亡率約60%(2003年以降)とは対照的であった。アジアではH7ウイルスの哺乳類への感染報告はほとんどなく、N9亜型のヒトへの感染報告はこれまで世界中どこからもなかったという。高熱、咳、呼吸困難の症状が共通 中国でH7N9ウイルス感染が同定された3例は、いずれも急速に進行した下気道感染症がみられ、発熱、咳、呼吸困難の症状が共通していた。具体的には、患者1(上海87歳男性、COPD・高血圧)は、初期には咳と痰の症状を報告し、その1週間後に高熱と呼吸困難を発症。患者2(上海27歳男性、HBs抗原陽性B型肝炎歴)は高熱と咳で入院。患者3(安徽35歳女性、うつ病・B型肝炎感染症・肥満歴)も高熱と咳を呈した。患者1は症状発現前2週間に生きた鳥と接した痕跡はなかったが、患者2は鳥を含む屠殺処理場のある食肉市場で働く豚肉販売業者で、患者3は発症1週間前に鳥肉市場を訪れていた。 その他の特徴的な臨床像としては、胸部X線検査で、びまん性の陰影および浸潤影が認められたこと、合併症としては3例ともにARDSを呈し、患者3は敗血症性ショックと急性腎障害を呈している。 3例には、抗菌薬併用療法、糖質コルチコイド、免疫グロブリン静注が行われた。抗ウイルス薬治療は発症後6~7日後に開始された。しかし患者1はICU搬送後に挿管、発症から13日後に難治性低酸素血症で死亡。患者2はICU入室後48時間後にARDSの進行で挿管となり4日後に難治性低酸素血症で死亡した。患者3は発症後6日後にARDSと敗血症性ショックを発症し、ICU入室後ECMO(体外式膜型人工肺)が開始されたがその後死亡(4月9日)に至ったという。ウイルスはヒトに感染しやすく変化? 3例の感染ウイルス同定は、咽頭スワブ法で入手した検体を用いて、リアルタイムRT-PCR法、ウイルス培養、塩基配列解析にて行われた。その結果、3例ともに共通した新型の再集合体鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルスが同定された。また、塩基配列解析により、3例のウイルスとも鳥由来のものであること、内部遺伝子として鳥インフルエンザA(H9N2)由来の6つの遺伝子を有していることが明らかになり、3例のウイルスからは赤血球凝集素(HA)遺伝子に突然変異体や5つのアミノ酸欠損が認められたことなども報告されている。

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地方病院閉鎖の対策として開設されたCAH、質的改善が急務/JAMA

 米国では1997年に地方病院閉鎖への対策としてCritical Access Hospitals(CAH)プログラムが策定され、地方に住むメディケア受給者に入院医療を提供する拠点となっている。CAHは25床以下、隣接入院施設と35マイル以上離れていることが開設条件だが、その要件は一部猶予され、コスト償還は101%、国の質改善プログラムも免除されている。しかし、その限られた医療資源、患者が社会的弱者であるといったことから、質の改善に関しては遅れがちとなるリスクが高いと言われていた。ハーバード公衆衛生大学院のKaren E. Joynt氏らは、このCAHと、非CAHで治療を受けた患者の死亡率について調査を行い医療の質を検証した。その結果、CAHでは死亡率が過去10年間で有意に増大していたことを報告した。JAMA誌2013年4月3日号掲載の報告より。2002~2010年のCAHと非CAHにおける3疾患の死亡率の変遷を調べ比較 CAHプログラムは2010年までに全米数百ある病院の多くが採用し、公立病院の4分の1がCAHを設置しているという。 Joynt氏らは、メディケアの診療報酬対象患者のデータを用いて、後ろ向き観察研究を行った。患者のデータは、2002~2010年に米国急性期病院に入院した、急性心筋梗塞(入院190万2,586例)、うっ血性心不全(同448万8,269例)、肺炎(同389万1,074例)であった。 主要評価項目は、CAHと非CAHのリスク補正後30日死亡率の傾向とした。当初は同程度であったが10年後は有意な格差が 解析の結果、患者、病院、地域特性別にみると違いはあるが、3つの疾患について統合したベースラインでの両施設の死亡率は同程度であった[複合死亡率 CAH:12.8%vs. 非CAH:13.0%、格差-0.3%(95%信頼区間[CI]:-0.7~0.2)、p=0.25)。 しかし、2002年から2010年の間に、CAHでは死亡率が0.1%/年の割合で増大していた。一方で非CAHは-0.2%/年ずつ減少していた。そのため、年率0.3%(95%CI:0.2~0.3、p<0.001)の有意な格差が起きていた。 そのため2010年には、CAHのほうが非CAHよりも死亡率が有意に高くなっていた[13.3%vs. 11.4%、格差:1.8%(95%CI:1.4~2.2)、p<0.001]。同様の傾向は、疾患別にみた場合も認められた。またその他の小規模地方病院との比較でも同様の傾向がみられた。 著者は、CAH改善を支援する新たな手立てが必要と思われると指摘している。

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〔CLEAR! ジャーナル四天王(85)〕 アスピリンの時代の終焉?

急性心筋梗塞に代表される冠動脈疾患の予防、治療にはアスピリンが標準治療である。長年のエビデンスの蓄積により、有効性、安全性、経済性の観点から、アスピリンに勝る抗血小板薬はなかった。 クロピドグレルは、CAPRIE試験によりアスピリンに勝る有効性を示した。さらに、多くの国で特許を喪失しつつあるため、経済性もアスピリンに競合可能となった。冠動脈インターベンションを受ける症例では、アスピリン+クロピドグレルの抗血小板併用療法を受けることになる。 脳卒中リスクのある心房細動の症例では、抗凝固薬の服用も標準治療となった。抗血小板併用療法に抗凝固療法を併用すれば、長期間の観察期間における出血リスクが増加することは自明である。長期治療ではどれかを止めることが好ましいかも知れない。 脳卒中リスクを有する心房細動症例の脳卒中発症率は年間2%程度、抗凝固薬による予防効果は60%程度、ステント血栓症の発症率は年間0.2~0.5%。抗血小板併用療法による予防効果は相当程度であるが、数値化はされていないのが現状である。リスクの大きさと、薬剤の確立された効果を考えれば、抗凝固薬は残すというのが妥当な判断であろう。そこで、アスピリンを止めるか?、クロピドグレルを止めるか?、は極めて重要な決断である。 本研究は比較的小規模、オープンラベル、症例登録基準が広いという欠点を持ちながら、「アスピリンを止めてもいいかも?」という常識を覆す結果を支持した点で価値が高い。検証すべき臨床的仮説の重要性があまりにも大きいので、本研究に基づいて標準治療が変わることはない。しかし、「仮説の検証のためのランダム化比較試験を考えてもいいですよ」程度の意味はある。

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慢性腰痛患者におけるオピオイド療法の効果はうつや不安に影響される

 非がん性慢性疼痛患者ではしばしば、抑うつや不安といったネガティブ感情がみられる。こうしたネガティブ感情は疼痛の強さと関連しており、オピオイド治療が長期化する可能性が高い。米国・ハーバード大学ブリガム・アンド・ウィメンズ病院のRobert N. Jamison氏らは、ヒドロモルフォン徐放性製剤のプラセボ対照二重盲検試験について2次分析を行い、ネガティブ感情はオピオイド療法のベネフィットを減弱させ、臨床試験においては脱落の予測因子となることを報告した。Pain Practice誌2013年3月号(オンライン版2012年1月11日号)の掲載報告。 慢性腰痛を有するオピオイド耐性患者を対象としたヒドロモルフォン徐放性製剤のプラセボ対照二重盲検試験の2次分析を行い、試験開始時のネガティブ感情のレベルが治療関連予後を予測できるかについて検証した。 2~4週間の用量調節/変更期に459例が参加し、このうち268例がヒドロモルフォン群またはプラセボ群に無作為化された(二重盲検期)。 試験開始時、病院不安およびうつ尺度(HADS)を用いて評価し、そのスコアに基づきネガティブ感情が低群(157例)、中群(155例)、高群(147例)の3群に均等に分け、試験期間中に自宅や病院で測定した疼痛スコア、ローランドモリス障害スコア、主観的オピオイド離脱症状スコア(SOWS)を分析した。 主な結果は以下のとおり。・二重盲検期を完了したのは268例中110例であった。・ネガティブ感情が中および高群は、低群と比較して用量調節/変更期に有害事象または無効のため脱落例がより多かった(p<0.05)。・ネガティブ感情が中および高群は、低群と比較して疼痛スコア(p<0.05)およびローランドモリス障害スコア(p<0.01)が有意に高く、SOWSで高頻度に禁断症状がみられた(p<0.05)。・ネガティブ感情のスコアの高さは、用量調節期における試験薬に対する好感度の低さも予測した(p<0.05)。・プラセボ群では、ネガティブ感情が高群で最も大きな疼痛改善が示された(p<0.05)。~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!・「痛みの質と具体性で治療が変わる?!」痛みと大脳メカニズムをさぐる・「痛みの質と具体性で治療が変わる?!」神経障害性疼痛の実態をさぐる・「不適切なオピオイド処方例(肩腱板断裂手術後難治性疼痛)」ケースレポート

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【CASE REPORT】腰椎圧迫骨折後の慢性腰痛症 症例経過

■症例:65歳 女性 腰椎圧迫骨折後の慢性腰痛症自転車で転倒して腰部を打撲した直後から、腰部の持続痛と体動時の激痛を自覚し臥床して過ごしていた。近医整形外科を受診したところ腰椎レントゲン検査によって第4腰椎圧迫骨折と診断され、非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)を処方された。しかし疼痛、とくに体動時痛が非常に強いことから1%リン酸コデイン40mgを処方されたものの、疼痛に変化がなかった。そこで、転倒のエピソードから2週間目に塩酸モルヒネ散20mgを導入された。吐き気と便秘に対しては適切に制吐剤や緩下剤が使用されたため、オピオイド鎮痛薬による副作用はなかった。効果不十分のためモルヒネは30→50→60mgまで約2週間かけて漸増され、転倒から約1ヵ月後には持続痛と体動時痛のいずれも著明に改善し、日中も臥床して過ごしていた状態から体動時痛が増強しない程度に家事を行えるまでにADLは改善した。残存している痛みに対してモルヒネが漸増され、20~30mgずつ増量されると1~2週間程度は疼痛が緩和するが再び増悪することを繰り返すようになった。さらに、主治医から疼痛が増強しないように安静にするように指導されたことと、患者本人が体動時痛を過度に恐れることから、再び日中もほぼ臥床して過ごすようになりADLは低下していった。また、疼痛が増強した際の頓用薬には当初NSAIDsが処方されていたが、疼痛の増強の訴えに応じてモルヒネを頓用するように指導されていた。転倒から6ヵ月目にはモルヒネの服薬量は200mgになっていたが日中も臥床していることが多くなり家事のほとんどは夫が担当し、痛み以外に緩下剤に抵抗性の便秘や口渇、不眠も出現していた。モルヒネの頓用をしても鎮痛効果を実感していなかったが1日に数回はモルヒネの頓用を続けていた。転倒から約9ヵ月後、オピオイド鎮痛薬に抵抗性の難治性腰痛として当科を紹介され夫とともに受診した。当院受診時に下肢痛はなかったが、転倒当初の腰部に限局した疼痛ではなく腰背部全体の疼痛を訴え、痛みの増減は体動とは無関係であった。疼痛部位の感覚低下はなかった。また、両下肢の筋力低下は認められなかった。痛みの訴え以外には、不眠(入眠困難感と中途覚醒)を強く述べたが、夫から日中はしばしば傾眠傾向であることや夜間はいびきをかいて寝ていることが聴取された。患者本人は気分の落ち込みが強いが食欲はあり、夫が作った食事を食べておりADLの低下・不活動状態と相まって体重は増加していた。腰部MRIでは第4腰椎椎体に圧迫骨折所見があるが、新鮮な炎症所見や偽関節はなかった。現在の腰背部痛は、腰椎圧迫骨折に伴う侵害受容性疼痛ではなく、痛みの原因として妥当な器質的な障害を伴わない非特異的腰痛と診断した。オピオイド鎮痛薬の鎮痛効果を実感していないにもかかわらず、定期内服に加えて頓用を繰り返しており、オピオイド鎮痛薬の不適切使用(aberrant drug taking behavior)状態と評価した。モルヒネの頓用を禁止するとともに、1日量200mgから30mgずつ1週間毎に漸減し、夫にもモルヒネを中心とした鎮痛薬についての知識を教育しそれらの管理を患者と一緒に行うように指導した。加えて、痛みを理由とした行動制限を解除すること(具体的には、日中の臥床時間を減らすこと、積極的に家事に参加するようにすること)を指導し、ADLの改善とともに行動目標(散歩、ショッピング、家事全般)を段階的に増加させていった。当院初診から4ヵ月程度で腰痛は軽度残存しているが許容範囲内であり、不眠は解消した。モルヒネは漸減・中止でき、ADLおよびQOLは転倒前の状態に回復した。

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DA-EPOCH-R療法、原発性縦隔B細胞性リンパ腫に高い効果/NEJM

 DA-EPOCH-R(用量調整エトポシド/ビンクリスチン/シクロホスファミド/ドキソルビシン/プレドニゾン+リツキシマブ)療法は、原発性縦隔B細胞性リンパ腫の治療として、放射線療法を行わなくとも高い治癒率をもたらすことが、米国国立がん研究所(NCI)のKieron Dunleavy氏らの検討で示された。原発性縦隔B細胞性リンパ腫はびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)のサブタイプで、結節硬化型ホジキン病と密接な関連を持ち、若年者に多く、巨大な縦隔腫瘤を形成する。標準治療は確立されておらず、免疫化学療法だけでは不十分なため縦隔への放射線照射による地固め療法がルーチン化しているが、遅発性の重篤な有害事象が懸念されるという。NEJM誌オンライン版2013年4月11日号掲載の報告。前向き単群第II相試験を、その他の後ろ向き解析と比較 研究グループは、原発性縦隔B細胞性リンパ腫の治癒率を改善し、放射線療法を不要にする治療戦略の開発を目的に、G-CSF(フィルグラスチム)併用下DA-EPOCH-R療法のプロスペクティブな単群第II相試験を実施した。 未治療の原発性縦隔B細胞性リンパ腫に対し、フィルグラスチム投与下にDA-EPOCH-R療法を6コースまたは8コース施行した。4コースおよび6コース目の終了時に病変の評価を行った。4~6コース目に20%以上の減量を要した場合は8コースまで治療を継続し、この間の減量が20%以下の場合は6コースで治療を終了することとした。 比較のために、スタンフォード大学医療センターの2007~2012年の診療記録の中から、放射線療法は施行されずにDA-EPOCH-R療法を受けた未治療の原発性縦隔B細胞性リンパ腫患者のデータを抽出し、レトロスペクティブな解析を行った。放射線療法なしでEFS 93%、OS 97%を達成、リツキシマブ追加の効果も確認 NCIの前向き第II相試験には、1999年11月~2012年8月までに51例(年齢中央値30歳、腫瘍径5~18cm、女性59%)が登録された。65%がbulky腫瘍(≧10cm)で、78%に乳酸脱水素酵素(LDH)上昇を認め、29%はStage IVであった。90%が6コースで治療を終了した。 スタンフォードの後ろ向き試験には16例[年齢中央値33歳(p=0.04)、腫瘍径7~18cm、女性56%]が登録された。bulky腫瘍(56%)、LDH上昇(69%)、Stage IV(44%)の頻度はNCI第II相試験と同等であったが、節外病変が有意に少なかった(53 vs 19%、p=0.02)。 NCI前向きコホートでは、フォローアップ期間中央値63ヵ月の時点で無イベント生存率(EFS)が93%、全生存率(OS)は97%であった。スタンフォード後ろ向きコホートでは、フォローアップ期間中央値37ヵ月におけるEFSは100%、OSも100%で、放射線治療を受けた患者はいなかった。 遅発性の合併症や心毒性は観察されなかった。フォローアップ10ヵ月から14年までの間に、2例(4%)を除く全例がDA-EPOCH-R療法により完全寛解に到達した。非完全寛解の2例は放射線療法を受けフォローアップ期間中は無病状態が維持された(1例は後に急性骨髄性白血病で死亡)。 なお、リツキシマブを併用しないDA-EPOCH療法の第II相試験(18例)では、フォローアップ期間中央値16年におけるEFSが67%、OSは78%であり、リツキシマブの追加によってEFS(p=0.007)、OS(p=0.01)が有意に改善することも確認された。 著者は、「DA-EPOCH-R療法は、原発性縦隔B細胞性リンパ腫の治療において、放射線療法を必要とせずに高い治癒率をもたらす」と結論付けている。また、確定的なエビデンスを得るために、小児を対象とするDA-EPOCH-R療法の国際的な臨床試験がすでに開始されているという。

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【ご案内】「糖尿病透析予防指導管理料」の実践ワークショップ開催のお知らせ

 日本医療企画は、主要都市で開催している「糖尿病透析予防指導管理料 ~組織的算定のための実践ワークショップ~」を5月31日に札幌で開催する。 2012年度診療報酬改定において、糖尿患者に対するチーム医療として、「糖尿病透析予防指導管理料」が350点というきわめて高い点数で新設された。しかし、臨床現場からは「算定推進の具体的な方法がわからない」、「連携をうまく機能させるにはどうしたらよいのか?」という声が多く聴かれている。 このような臨床現場の声に応えるために、組織的算定のポイント解説に加え、多数算定している各地の病院の推進工夫も紹介する。過去開催のセミナーはいずれも満員で、札幌では初めてとなる。算定推進のためのより実践的なワークショップや対象患者抽出のデータベース作成や栄養指導ツールの作成も行う。 講師は、本管理料の1,400件以上の通産算定実績のある平井愛山氏(千葉県立東金病院院長)。 概要は次の通りである。・日時 平成25年5月31日(木) 13:00~・会場 かでる2・7   (〒060-0002 札幌市中央区北2条西7丁目 道民活動センタービル)・対象 医師、看護師、管理栄養士、療養指導士、事務職等・定員 30名・受講料 21,000円(税込・『「糖尿病透析予防指導管理料」算定ハンドブック』1冊含む)・プログラム 講演 組織的な算定推進のポイント  ワークショップ1 疾病管理MAPパートⅠ「層別化」  ワークショップ2 疾病管理MAPパートⅡ「介入優先度」 ワークショップ3 あいうえお塩分表 総合検討■詳しくは日本医療企画まで

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早期統合失調症、認知機能にGABA作動性抑制が関連

 統合失調症の早期では認知障害がみられる。この認知障害にGABA作動性機能障害の関与が注目されるようになっている中、和歌山県立医科大学神経精神医学教室の高橋 隼氏らは、発症間もない統合失調症患者の認知機能障害に、皮質GABA作動性抑制が低下しワーキングメモリ機能を障害していることが示唆されることを報告した。Schizophrenia Research誌2013年5月号(オンライン版2013年3月22日号)の掲載報告。 著者らは、皮質GABA作動性抑制が、2連発経頭蓋磁気刺激法(ppTMS)による短間隔皮質内抑制(SICI)によって評価が可能であることから、この手法を用いて、発症間もない統合失調症患者の皮質GABA作動性抑制と認知機能との関連について調べることを目的とした。被験者は、健康対照被験者(HC群)20例と統合失調症発症から3年未満の患者(SZ群)20例であった。すべての被験者に対し、ppTMS測定によるSICI、および皮質内促通(ICF)の評価を行い、またSZ群については、統合失調症認知機能簡易評価尺度日本語版(BACS日本語版)を用いた認知機能の評価を行った。解析では、ppTMS測定値(安静時運動閾値、SICI、ICF)の群間差を調べ、SZ群のSICIと認知機能の関連、またSICIと年齢、疾患期間、薬物治療、精神病理との関連を調べた。 主な結果は以下のとおり。・SZ群はHC群と比べて、SICIの有意な低下がみられた。また、SICI低下とワーキングメモリ領域の実行機能の障害との間に有意な関連が認められた。・HC群とSZ群の間に、安静時運動閾値とICFに関する有意な差はみられなかった。・SZ群において、SICIと年齢、疾患期間、薬物療法および精神病理について、いずれも有意な関連はみられなかった。関連医療ニュース ・統合失調症認知評価尺度SCoRS、臨床での有効性を実証 ・ベンゾジアゼピン系薬物による認知障害、α1GABAA受容体活性が関与の可能性 ・統合失調症患者の認知機能改善にフルボキサミンは有効か?

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高血圧患者も正常血圧の人も、まずは-4.4g/日、4週以上の減塩継続を/BMJ

 現在、多くの国で、食塩の1日摂取量は約9~12g/日から5~6g/日へという減塩の推進が行われている。そのような減塩の降圧効果のエビデンスも多く示されるようになり、より少ない食塩摂取(3g/日)は心血管疾患リスクの低下と関連するとの前向きコホート研究の結果も示されている。しかし最近のメタ解析報告で、減塩はホルモンや脂質には逆効果で降圧のベネフィットが軽減される可能性があり、正常血圧の一般集団における減塩効果は疑問とする報告がなされた。英国・ロンドン大学クイーン・メアリー校のFeng J He氏らは、その解析には20g/日を4~5日間だけ1g/日とするといった最近の流れとは異なる多量・短期の減塩効果をみた試験が含まれているとして、少量・長期の減塩効果に的を絞ったメタ解析を行った。その結果、-4.4g/日、4週以上の減塩継続が、高血圧患者、正常血圧の人、また性別、人種を問わず、有意に大きな降圧効果をもたらし心血管疾患予防に結びつくことを報告した。BMJ誌オンライン版2013年4月3日号掲載の報告より。少量・長期の減塩効果に的を絞った34試験・3,230例についてメタ解析 He氏らは、減塩量が少量で試験期間が4週間以上であった無作為化試験を適格基準とし、Medline、Embase、Cochrane Hypertension Group Specialised Registerなどから該当文献を検索した。2人の独立レビュワーがデータ抽出を行い、ランダムエフェクトメタ解析、サブグループ解析、メタ回帰分析を行った。 解析には、34試験・3,230例が組み込まれた。試験期間中央値は4週間(範囲:4週~3年)、被験者の年齢中央値は50歳、24時間尿中Na量中央値160mmol、食塩摂取量中央値9.4g/日(範囲:7.3~11.7g/日)、血圧中央値141/86mmHgであった。 プール解析の結果、被験者の24時間尿中Na量の平均低下値は75mmol、食塩相当量で4.4g/日の減塩を行っており、この減塩に伴い血圧中央値は収縮期血圧が-4.18mmHg(95%信頼区間[CI]:-5.18~-3.18、I2=75%)、拡張期血圧は-2.06mmHg(同:-2.67~-1.45、68%)低下していた。 メタ回帰分析では、年齢、人種、血圧状態(高血圧あるいは正常血圧)、24時間尿中Na量はすべて、収縮期血圧低下と有意に関連していた(試験間のバリアンス68%)。 また、24時間尿中Na量100mmol(食塩6g/日相当)の低下は、収縮期血圧5.8mmHg(95%CI:2.5~9.2、p=0.001)の低下(年齢、人種、血圧状態で調整後)をもたらした(拡張期血圧、年齢、人種、血圧状態、24時間尿中Na量変化値で補正後の試験間のバリアンスは41%)。食塩1日摂取量5~6g/日の減塩推奨、将来的には3g/日を目標値に 高血圧患者についてのメタ解析では、収縮期血圧-5.39mmHg(95%CI:-6.62~-4.15、I2=61%)、拡張期血圧-2.82mmHg(同:-3.54~-2.11、52%)の減塩効果が認められた。また正常血圧者のメタ解析でもそれぞれ-2.42mmHg(同:-3.56~-1.29、66%)、-1.00mmHg(同:-1.85~-0.15、66%)の減塩効果が認められた。人種や性別にみたサブグループ解析でも、収縮期血圧の有意な低下が認められた。 本解析ではホルモン、脂質への効果も検証された。その結果、血中レニン活性(変化値中央値:0.26ng/mL/時、95%CI:0.17~0.36、I2=70%)、アルドステロン(同:73.20pmol/L、44.92~101.48、62%)、ノルアドレナリン(同:187pmol/L、39~336、5%)ではわずかだが減塩と各値上昇との関連が認められた。しかし、脂質とは有意な関連はみられなかった[総コレステロール(同:0.05mmol/L、-0.02~0.11、0%)、LDL-C(同:0.05mmol/L、-0.01~0.12、0%)、HDL-C(同:-0.02mmol/L、-0.06~0.01、16%)、トリグリセリド(同:0.04mmol/L、-0.02~0.09、0%)]。 解析の結果を踏まえて著者は、「本結果は、一般集団において減塩が降圧とそれによる心血管疾患発生の低下に結びつくことを支持するものである」と結論。「観察された24時間尿中Na量低下と収縮血圧値低下との関連は、減塩量が大きいほど収縮期血圧値の低下も大きくなることを示すものである」と述べた上で、「最近の潮流である食塩の1日摂取量約9~12g/日から5~6g/日へという減塩の推奨は血圧に大きな効果をもたらすと思われる。さらに3g/日への減塩がより大きな効果をもたらすと思われ、人々の食塩摂取量の長期の目標値とすべきである」とまとめている。

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1型糖尿病への抗インターロイキン1薬単独投与、β細胞機能の改善効果示せず/Lancet

 発症後間もない1型糖尿病患者に対する、抗インターロイキン1薬の単独投与について、β細胞機能の改善効果は示されなかったことが報告された。米国・ミネソタ大学のAntoinette Moran氏らが、約140例について行った、2つの無作為化試験の結果、明らかにしたもので、Lancet誌オンライン版4月5日号で発表した。1型糖尿病は先天免疫が発症に寄与している自己免疫疾患であるが、これまで先天免疫のキーメディエーターであるインターロイキン1を遮断するということに関して、無作為化対照試験は行われていなかったという。カナキヌマブ、アナキンラを投与し、9ヵ月、12ヵ月後のアウトカムをプラセボと比較 研究グループは、発症して間もない1型糖尿病患者138例を対象に、ヒトモノクロナール抗インターロイキン1抗体のカナキヌマブ(商品名:イラリス、CAPS治療薬として承認)と、ヒトインターロイキン1受容体拮抗薬のアナキンラ(国内未承認)について、それぞれプラセボ対照試験を行い、β細胞機能の改善効果について分析した。被験者の混合食負荷試験でのCペプチド値は、0.2nM以上だった。 カナキヌマブ試験は米国とカナダの12施設で行われ(2010年11月12日~2011年4月11日)、被験者の年齢は6~45歳であった。アナキンラ試験はヨーロッパの14施設で行われ(2009年1月26日~2011年5月25日)、被験者は18~35歳だった。 カナキヌマブ試験では被験者69例が、カナキヌマブ2mg/kg(最大300mg)を月1回12ヵ月間皮下注射(47例)またはプラセボを投与する群(22例)に無作為化された。アナキンラ試験(69例)では、アナキンラ100mg/日(35例)またはプラセボ(34例)を9ヵ月間投与する群に無作為化された。 主要エンドポイントは、混合食負荷試験のCペプチドの曲線下面積2時間値(ベースライン値で補正後)だった。カナキヌマブ、アナキンラいずれもプラセボと有意差なし カナキヌマブ試験を完了したのはカナキヌマブ群45例とプラセボ群21例であり、アナキンラ試験ではアナキンラ群25例、プラセボ群26例だった。 12ヵ月後の混合食負荷試験のCペプチドの曲線下面積2時間値について、カナキヌマブ群とプラセボ群の差は0.01nmol/L(95%信頼区間:-0.11~0.14、p=0.86)であり有意差はみられなかった。9ヵ月後の同値のアナキンラ群とプラセボ群の差も、0.02nmol/L(同:-0.09~0.15、p=0.71)と有意差はみられなかった。 有害事象の発生件数や重症度については、カナキヌマブ試験では両群で同等だったが、アナキンラ試験ではアナキンラ群がプラセボより有意に重度の発生が高率だった(p=0.018)。大半は注射部位反応によるものであった。 著者は、「発症後間もない1型糖尿病患者に対し、カナキヌマブ、アナキンラともに安全ではあったが、単剤投与の有効性は認められなかった。インターロイキン1の遮断は、臓器特異的な自己免疫不全で適応免疫をターゲットとした併用療法においては効果的であるのかもしれない」と述べている。

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ステロイド依存性皮膚症に対するトリアムシノロンアセトニド筋注、適正使用に道筋?

 米国・ボストン大学医学部のShalini Reddy氏らは、ステロイド依存性皮膚症に対するトリアムシノロンアセトニド筋注(商品名:ケナコルト)の有効性と安全性を評価する前向き観察試験を行った。その結果、6週間隔で2回にわたる接種についての安全性と、有意な改善が認められたことを報告した。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2013年3月29日号の掲載報告。 Reddy氏らは、皮膚疾患に対するコルチコステロイド筋注に関して、投薬・投与に関する勧告がないことや、接種による視床下部・脳下垂体・副腎系への影響のリスクが不明なこと、および有効性が明らかになっていないことが使用を制限している可能性があるとして本検討を行った。 トリアムシノロンアセトニド筋注(IM TAC)を受けた患者の医原性クッシング症候群および続発性副腎機能低下症の発症と期間を評価することを目的とし、医師と患者のアウトカムの報告についても評価した。 試験は、ステロイド依存性皮膚症の診断を受けている14例に対し、IM TACを6週間隔で1回または2回の接種を行い、コルチゾル量、副腎皮質刺激ホルモン、医師・患者の全般的疾患活性評価尺度によるスコア、かゆみの視覚的アナログスケールスコアを、ベースラインと6週、12週時点で評価した。 主な結果は以下のとおり。・総コルチゾル値の平均値は、ベースラインと比べて6週、12週時点で有意に減少した。・一方で、IM TACによる医原性クッシング症候群や続発性副腎機能低下症は、いずれの患者においてもみられなかった。・医師・患者の全般的疾患活性評価尺度スコアの平均値は、ベースラインと比べて6週、12週時点で有意に改善した。・視覚的アナログスケールかゆみスコアの平均値は、ベースラインと比べて6週時点で有意な改善が認められた。・本試験はコホートサイズが小さく比較群がないという点で限定的なものであるが、以上の結果から、IM TACは6週間隔で2回の投与は安全であり、ステロイド依存性皮膚症について有意な改善をもたらすことは明らかであった。・今回の結果は、IM TACの臨床での適正使用を考慮している皮膚科医に対して、接種対象患者、接種回数および投与に関する指針となる可能性がある。

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日本人の認知症リスクに関連する食習慣とは?

 これまで、アジア人を対象とした認知症リスクと食事との関係を評価した報告はない。九州大学の小澤 未央氏らは、日本人における食習慣と認知症のリスクに関して潜在的な関連性を調査した。The American journal of clinical nutrition誌オンライン版2013年4月3日号の報告。 対象は認知症でない60~79歳の日本人1,006人。追跡期間中央値は15年。食習慣を効率的に調査するために縮小ランク回帰を用いた。特定の食習慣による認知症発症の推定リスクは、Cox比例ハザードモデルを用い算出した。 主な結果は以下のとおり。・7つの食習慣を抽出した。そのうち食事パターン1は「大豆・大豆製品」、「野菜」、「藻類」、「牛乳・乳製品」の高摂取量および「米」の低摂取量と関連していた。・フォローアップ期間中、271人が認知症を発症した(アルツハイマー病144人、血管性認知症88人)。・潜在的な交絡因子の調整後、食事パターン1スコアの最低四分位の被験者と比較して最高四分位の被験者では、すべての原因による認知症リスクは0.66(95%CI:0.46~0.95)、アルツハイマー病リスクは0.65(95%CI:0.40~1.06)、血管性認知症リスクは0.45(95%CI:0.22~0.91)減少した。関連医療ニュース ・認知症、アルツハイマー型とレビー小体型の見分け方:金沢大学 ・認知症に対する非定型抗精神病薬処方、そのリスクは? ・Aβ沈着は認知機能にどのような影響を与えるか

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カリウム摂取増で高血圧患者の血圧が低下:WHO調査/BMJ

 カリウム摂取量を増やすことで成人高血圧患者の血圧が低下するとともに、血中脂質濃度やカテコラミン値、腎機能には有害な影響はないことを示す質の高いエビデンスが得られたとする研究結果を、世界保健機関(WHO)のNancy J Aburto氏らの研究グループが、BMJ誌オンライン版2013年4月5日号で報告した。脳卒中のリスクも24%低下したという。カリウム摂取量が少ないと血圧上昇、高血圧、脳卒中のリスクが増加し、多ければこれらの疾患は予防される可能性が指摘されている。一方、カリウム高摂取が血圧や心血管疾患に及ぼす良好な効果に関するデータにはばらつきがあり、血中脂質濃度、カテコラミン値、腎機能に及ぼす有害な作用のデータも十分ではない状況だ。カリウム摂取が健康に及ぼす影響をメタ解析で評価 研究グループは、カリウム摂取が健康に及ぼす影響に関する知見の不足を補うために、文献の系統的レビューとメタ解析を行った。 データベースと既報の総説の文献一覧に当たり、カリウム摂取が血圧、腎機能、血中脂質濃度、カテコラミン値、全死因死亡、心血管疾患、脳卒中、冠動脈心疾患に及ぼす影響を検討した無作為化対照比較試験およびコホート試験を選出した。 2名の研究者が別個に試験の評価を行い、患者背景および転帰のデータを抽出した。カリウム高摂取の影響を評価するために、逆分散法とランダム効果モデルを用いてメタ解析を行った(平均差またはリスク比と、その95%信頼区間[CI]を算出)。非高血圧患者では降圧効果なし 血圧、血中脂質濃度、カテコラミン値、腎機能について検討した22件の無作為化対照比較試験(1,606例)および成人の全死因死亡、心血管疾患、脳卒中、冠動脈心疾患の検討を行った11件のコホート試験(12万7,038例)がメタ解析に含まれた。 カリウム摂取の増加により、成人の高血圧患者で血圧が3.49(95%CI:1.82~5.15)/1.96(同:0.86~3.06)mmHg低下したが、非高血圧患者ではこのような効果はみられなかった。 カリウム高摂取群(90~120mmol/日≒3,500~4,700mg/日)では収縮期血圧が7.16(95%CI:1.91~12.41)mmHg低下したが、用量反応は認めなかった。カリウム摂取の増加が、成人の腎機能、血中脂質濃度、カテコラミン値に有害な作用を及ぼすことはなかった。 カリウム摂取と脳卒中の発症リスクは有意な逆相関を示し、高摂取によりリスクが24%低下した(リスク比:0.76、95%CI:0.66~0.89)。心血管疾患(同:0.88、0.70~1.11)や冠動脈心疾患(同:0.96、0.78~1.19)との間には有意な関連はなかった。 小児では、3件の無作為化対照比較試験と1つのコホート試験において、カリウム摂取の増加により収縮期血圧が0.28(95%CI:-0.49~1.05)mmHg低下するが有意差はないことが示唆された。 著者は、「カリウム摂取量の増加により成人の高血圧患者の血圧が低下し、血中脂質濃度、カテコラミン値、腎機能には有害な作用はないことを示す質の高いエビデンスが得られた。また、カリウム高摂取により脳卒中のリスクが24%低下することを示す中等度の質のエビデンスも確認された」とまとめ、「これらの結果は、血圧上昇および脳卒中の予防、管理においては、カリウム摂取量を増やすことで、腎でのカリウム処理を損なわずにベネフィットがもたらされることを示唆する」と指摘している。

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乾癬治療のターニングポイント

肉体的、精神的、社会的に大きな苦痛を強いる乾癬(Psoriasis)乾癬Psoriasisの歴史は古く、古代ギリシャの書物にも登場します。その後、19世紀初頭に英国のRobert Willanにより独立疾患として臨床的特徴が紹介されました。乾癬はよく目立つ紅斑、浸潤、鱗屑といったきわめて特徴的な皮膚症状を呈します。死に至る疾患ではないものの、進行すると全身に症状が拡大したり、関節炎を合併して重篤な状態に発展することがあります。患者さんにとっては肉体的のみならず精神的、社会的にも大きな苦痛やハンディキャップを強いられる疾患です。発症には遺伝的素因に加えさまざまな後天的、環境的因子が関与すると考えられています。典型的な乾癬皮疹画像を拡大する重症例(乾癬性紅皮症)画像を拡大する乾癬による関節炎と爪の変化画像を拡大する乾癬の病変部では表皮細胞(ケラチノサイト)の増殖亢進が生じています。そのため、乾癬病変でのケラチノサイトのターンオーバーは3~4日と、正常組織の4週間に比べ著しく短縮しています。その結果ケラチノサイトの角層への成熟・分化が不十分となり、臨床的特徴の一つである銀白色の厚い鱗屑を形成します。また、紅斑は病巣部に浸潤してくるリンパ球が産生するサイトカインにより起こる炎症の結果です。乾癬は病態論の進展に伴って治療法が著しく変化、進展した疾患の一つです。免疫抑制剤シクロスポリンの治療効果が明らかになる以前は、乾癬の発症機序はケラチノサイトの異常(増殖亢進、分化不全)にあると考えられていました。そのためケラチノサイトの増殖亢進の抑制を目的とした治療法が開発されてきました。ケラチノサイト増殖抑制を狙った光線療法の登場1931年にゲッケルマン療法が発表されています。これはコールタール軟膏を塗布して太陽灯(水銀灯紫外線)を照射するという治療法です。日光浴が乾癬を改善することは昔から知られており、機序は不明ながらコールタールの何等かの成分が紫外線の作用を増強し、ケラチノサイトの過剰増殖を減少させることで効果を発揮すると考えられます。炎症を抑制する作用もあると思われます。欧米では今日でも使用される療法ですが、我が国ではほとんど実施されていません。1970年代には別の光線療法であるPUVA療法が発表されました。PUVAとはソラレンPsoralenのPと長波長紫外線UVAを組み合わせた治療名です。ソラレンは光増感物質で長波長紫外線(UVA)を照射されると、励起状態となって反応性が高まり、細胞内DNAの二重螺旋の間に結合して細胞分裂を抑制することが知られています。やはりケラチノサイトの増殖亢進の抑制を目的として始められた治療ですが、炎症(紅斑)を抑制する効果も知られています。紫外線療法は21世紀に入っても進化し、より簡便な方法として中波長紫外線UVBの単独照射法、さらにはUVBに含まれる非常に狭い波長閾の紫外線ナローバンドUVBが照射されるようになりました。日常の診療で効果を発揮しています。ケラチノサイト増殖抑制を狙った薬物療法の登場膿疱化:ステロイドによる副作用その間に薬物療法も進化していきます。1950年代に入り、ステロイド外用療法が登場しました。当初の製剤は抗炎症効果がそれほど強くはなかったものの、従来の外用薬と比べれば確かな効果があり、当時としては大きな朗報でした。それ以降、より強い作用を有する外用ステロイド製剤が次々に開発され、今日まで乾癬外用療法の基本となっています。以前は内服ステロイドを用いることもあったのですが、全身性副作用に加えて、膿胞性乾癬を引き起こすなどの問題もあり、用いられなくなりました。1959年に抗腫瘍薬・免疫抑制薬であるメトトレキサートを乾癬の治療に用いる試みが報告されています。これも当初はケラチノサイトに対する増殖抑制効果を期待したものでしたが、後から考えればリンパ球に対する免疫抑制効果をも併せ持った(むしろこちらが主体?)治療法といえます。日本ではリウマチによく使用されますが、乾癬に対する適応はありません。欧米では乾癬にも使用されています。1975年には、ビタミンA誘導体であるレチノイドの治療成績が報告されました。ビタミンAは上皮組織に作用するビタミンで、ケラチノサイトの増殖および分化をコントロールすることで、効果を発揮すると考えられます。乾癬以外にも多くの角化異常症に使われています。 本邦でも1985年にレチノイドの一種エトレチナートが承認され、現在も乾癬治療薬の選択肢の一つとなっていますが、胎児催奇形性の問題から慎重な投与が求められる薬剤です。1990年代にはビタミンD3外用療法が治療法の一つとして加わりました。そのきっかけは、骨粗鬆症の患者さんにビタミンD3製剤を投与したところ、その患者さんが罹患していた乾癬の皮疹がきれいになったことでした。その少し前にビタミンD3の全く新しい作用(細胞の増殖抑制、分化誘導作用)が明らかにされており、乾癬表皮ケラチノサイトの増殖亢進、分化不全を是正することで効果を発揮することが想定されました。そこで研究が開始され、偶然の臨床的観察から始まった治療法が、新たな乾癬治療外用薬として実を結びました。今日ステロイドと並んで外用療法の主役を担っています。私はこの臨床研究に直接関係しましたが、医学の進歩における偶然の契機の重要性を強く感じた体験となりました。ビタミンD3外用の効果塗布前画像を拡大する塗布4週後 > 印画像を拡大する新たな薬物療法の流れ…自己免疫年代は少し戻りますが、別の治療の流れが起こってきます。1979年に免疫抑制薬シクロスポリン療法の難治性乾癬に対する有効性が報告されました。これは臓器移植を受けた乾癬の患者さんで効果が確認されたことがきっかけとなり、研究が始まったものです。シクロスポリンはTリンパ球の作用を阻害しますから、乾癬の病態におけるTリンパ球の重要性が認識され、免疫異常説が一挙に花開いたといえます。シクロスポリンは本邦でも1992年に乾癬に対する使用が認可され、次に紹介する生物学的製剤の登場まで、難治性症例に対する最も確かな治療法として用いられて来ました。乾癬の病態解明はその後も進展し、現在は自己免疫・炎症説が主流となっています。それには真皮樹状細胞、Th1細胞、Th17細胞が重要で、樹状細胞が産生するIL-12がTh1細胞を、IL-23がTh17細胞を刺激し、IFN-γ、TNF-α、IL-17、IL-22などを産生させます。樹状細胞自身もTNF-αを産生します。これらが複雑なネットワークを形成して反応し合い、炎症を持続させるとともに表皮ケラチノサイトを活性化し、乾癬に特徴的な皮膚症状を示すのです。2010年代に入ると、分子細胞工学的手技を応用した生物学的製剤が登場してきました。インフリキシマブ、アダリムマブ、ウステキヌマブなどです。インフリキシマブ、アダリムマブはTNF-α、ウステキヌマブはIL-12、IL-23といった前述の炎症ネットワークで重要な役割を演じるサイトカインを阻害することで治療効果を発揮します。難治重症例に対する効果は劇的で、乾癬治療の歴史に新たなページを開いたと言えるでしょう。ほかにも多くの生物学的製剤が続々と開発途上にあり、乾癬の治療は今後大きく変わって行くかも知れません。現在の乾癬治療以上、乾癬治療の変遷について述べましたが、現在の治療は、軽症例ではステロイド外用剤とビタミンD3外用剤の単独または併用です。併用の場合にはsequential therapyなど、効果を最大限に発揮させる工夫がなされます。痒みの強い例では抗アレルギー薬の内服を併用します。効果が不十分な例では症例に応じてこれらに紫外線療法やエトレチナートを上乗せします。重症・難治例ではシクロスポリンや生物学的製剤を用います。重症・難治性の評価には皮疹の広がりや強さ、QOLの低下をBSA(Body Surface Area)、PASI(Psoriasis Area Severity Index)、PDI(Psoriasis Disability Index)などで数値化して判断します。おおむねこれらが10以上の例が適応とされます。ただし、関節炎を合併する例では関節症状の進行を予防する意味で、皮疹の程度は軽くても生物学的製剤の使用が勧められます。本邦において使用される製剤種 類一般名製品名剤 形ビタミンD3タカルシトールボンアルファボンアルファハイ外用ビタミンD3カルシポトリオールドボネックス外用ビタミンD3マキサカルシトールオキサロール外用レチノイドエトレチナートチガソン内服免疫抑制剤シクロスポリンネオーラルサンディミュン内服生物学的製剤インフリキシマブレミケード点滴静注生物学的製剤アダリムマブヒュミラ皮下注生物学的製剤ウステキヌマブステラーラ皮下注※ ステロイド外用剤は種類が多いので省略。乾癬にはストロング以上の製剤が必要である。これらの薬剤を使いこなすコツは、副作用をいかに防止するかでしょう。ステロイド外用剤は強いほど効果も確かですが、長期使用による皮膚副作用が避けられません。それを押さえるためにはビタミンD3外用薬との併用が大切で、ステロイドの使用量をできるだけ減らすよう努力します。軽症例の外用薬によるコントロールでは生活指導も大切です。シクロスポリンや生物学的製剤の使用に際しては皮膚がん予防の観点から、紫外線療法との併用は避けるべきです。また感染症とくに結核の合併には注意が必要です。乾癬治療に関わる先生方へ私が皮膚科を始めた昭和40年には弱いステロイド、ゲッケルマン療法、メトトレキサート以外の治療法はまだ存在していませんでした。今日の治療リストを眺めると乾癬研究の進歩の跡は歴然で、まさに夢のようです。とはいえ治療はまだ対症的で副作用の心配も残っており、完全からはほど遠いと言わなければなりません。今後も研究がさらに進歩し、より良い治療法が生み出される事を願っております。

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乾癬治療のターニングポイント 質問/回答

ダーマトロジーエキスパートQ&A「乾癬治療のターニングポイント」において、乾癬治療に関する最新の情報をお送りしてきました。今回は、質問募集期間に視聴者の先生方からいただいた代表的な質問について、吉川邦彦先生にご回答いただきます。ビタミンD3外用剤にステロイド外用剤を併用する場合、どのランクのステロイドを用いるべき?できるだけ強いランクのステロイド(very strongからstrongest)と併用するのがよいと思います。強いステロイドで皮疹をできるだけ速やかにコントロールした上で、週5日はステロイド、週末2日はビタミンD3を使用します。それでコントロールが維持できていれば週5日をビタミンD3、週末をステロイドに、それでも経過良好ならビタミンD3単独でという具合に、段階的にステロイドの使用量を減らしていきます。途中で皮疹が悪化すれば前段階へ戻します(sequential therapy)。弱いステロイドは乾癬に対する効果が不明確なので、ステロイドの強さを減じていくよりは使用頻度、使用量を減じていくのが基本的な考え方です。ただし、顔面や間擦部位等では副作用防止のために弱めのステロイドを使用する必要があります。ビタミンD3外用剤とステロイド外用剤を混合した場合の効果は?効果は期待でき、外国では混合製剤が市販されています。ただし、酸性を示すステロイド製剤が数種類あり、それらとの混合ではビタミンDの分解が起こるため、避ける必要があります。紫外線療法において、照射部位以外の作用について、現在はどう考えられているのでしょうか?広範囲に照射する場合には全身的な免疫抑制効果もあるため、照射部位以外への効果も多少はあります。しかし、確かな作用として期待できるものではありませんから、基本的には照射部位への効果と考えた方がよいでしょう。生物学的製剤の適応、開始の判断基準はどのようなものでしょうか?乾癬の重症度判定基準BSA: Body Surface Area、PASI: Psoriasis Area Severity Index、PDI: Psoriasis Disability Indexなどで10以上を示すと重症例と考え、生物学的製剤の使用を考慮します。関節症状がみられる場合には機能障害防止のため、上記の基準を満たさない例でも早期の使用が勧められています。使用に際しては、結核など重篤な副作用を防止するための除外基準や注意事項が設定されていますから、十分な注意が必要です。インフリキシマブ(商品名:レミケード)などの生物学的製剤、シクロスポリン(商品名:ネオーラルなど)などの免疫抑制剤、エトレチナート(商品名:チガソン)のようなレチノイド、これらはどのように使い分ければよいでしょうか?一般論として言えばエトレチナート、シクロスポリン、インフリキシマブの順で使用を考慮すべきです。それぞれ1段階ずつ治療のランクが上がっていくと考えればよいと思います。後者になるほど、より確かな効果が期待できますが、同時に副作用に対する注意もより重要になるからです。ただし、エトレチナートでは催奇形性や骨、関節への影響、シクロスポリンでは血圧、腎機能への影響、インフリキシマブでは結核や他の慢性感染症、悪性腫瘍等患者さん個々で考慮すべき問題の重要性が異なりますから、使い分けについて一概には言えません。一段階飛ばして選択するケースもありえます。乾癬は治癒しない疾患との考えから、かゆみを抑える程度の治療しかできていませんでした。 生物学製剤で寛解するのでしょうか?寛解はあります。うまく使用し続ければ寛解期間を維持することも可能です。ただし、長期使用に際しては副作用に対する十分な注意が必要です。また、高価な薬剤ですから患者さんの経済的負担に対する配慮も必要です。専門医への紹介のタイミングについて教えてください。外用療法のみでは皮疹のコントロールが十分でなくなった場合、皮疹は少ないが目立つ部位に見られ(額、手、爪など)心理的、社会的ストレスが大きい場合、関節炎が合併している場合(放置すると関節の機能障害を残す)などが専門医へ紹介すべき状態です。皮疹の上に小膿疱が多発する場合はステロイドによる副作用(膿疱性乾癬)の可能性がありますから、やはり専門医に紹介すべきです。ステロイドを長期に外用し続けると白癬などの感染症を合併することもあります。これまでの乾癬皮疹と異なる皮疹が現れた場合は、鑑別のため専門医にコンサルトする必要があります。

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