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事例05 悪性腫瘍特異物質治療管理料に対する査定と適時調査での指摘【斬らレセプト】

解説ホジキン病の患者に悪性腫瘍特異物質治療管理料を算定したところ、C事由(その他の医学的理由により適当と認められないもの)にて査定となった。同管理料は、検査項目D009腫瘍マーカーに分類される検査を実施し、その検査値をもって悪性腫瘍が確定した患者の計画的な治療管理を行った場合に算定ができる。算定の根拠とした「sIL-2R(可溶性インターロイキン2レセプター)」は、同管理料で規定される腫瘍マーカーに分類されており、悪性腫瘍病名も確定している。しかし、同検査の算定留意事項には、「非ホジキンリンパ腫又はATLであることが既に確定診断され(後略)」とある。医師は経過観察と診療計画への参考に検査を行ったものであるが、「ホジキン病」には保険適用が無いのである。また、査定の原因を調べるために診療録を見たところ、検査値も治療計画の要点も読み取れなかった。このような診療録への記載不備は、算定要件を満たさないとして適時調査や個別指導などの地方厚生局による運用確認で指摘され、多額の自主返還が求められる。定期的に診療録の記載内容の確認を行うことが、適時調査などへの対策につながるといえる。

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事例06 オセルタミビルの事務的入力誤りによる査定【斬らレセプト】

解説発熱を主訴に在宅療養支援診療所に休日受診した小学校高学年の患者。インフルエンザ反応陽性であったために、タミフル®ドライシロップを1日2回院内処方した。処方量がB理由(医学的に過剰・重複と認められるもの)として査定となった。同剤は、「小児に対してはオセルタミビルとして体重1㎏あたり1回2㎎を1日2回5日間経口投与、用量は1回75mgを限度、成人は1回75㎎を1日2回5日限度とする」と添付文書に記載されている。投与量の1日8gは、1回量に換算すると120㎎であり明らかに過量投与となる。原因を調べるため紙の診療録を確認すると、正しく5gと記載されていた。処方録にも誤りはなかった。原因は診療費計算入力の誤りであった。医師の処方記載に対して薬剤部は専門知識を活かして医師の記載を判読しているため、迷う記述であっても正しく判読できていた。しかし、医療費計算担当はまだ入ったばかりで5gとの手書き記載を正しく判読できなかったのである。思わぬところに査定の原因はあったが、多忙な医師に代わってベテラン職員による二次的レセプト点検(電子的チェック)が行われていれば防げていた査定であった。

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双極性障害の症状把握へ、初の質問票が登場

 米国・ザッカーヒルサイド病院のChristoph U Correll氏らは、双極性障害(BD)の症状に対する初めての特異的質問票であるBipolar Prodrome Symptom Interview and Scale-Prospective (BPSS-P)の有用度を検討した。その結果、内部整合性、評価者間信頼性、診断群間の識別能などにおいて「良好~優」であることを報告した。Bipolar Disorders誌オンライン版2014年5月8日号の掲載報告。 本研究の目的は、BDの症状に対する初めての特異的質問票であるBPSS-Pの心理測定法の特徴を検討することであった。BPSS-Pが施行された12~23歳の若年者やその介護者(両方またはいずれか)、計205例を対象とした。対象者のうち、気分スペクトラム障害患者は129例で、内訳はうつスペクトラム障害が77例、他に分類されない気分障害(NOS)が27例、BD-NOSが14例、双極性障害Ⅰ型(BD-I)/双極性障害II型(BD-II)/循環気質が11例であった。このほか、非気分スペクトラム障害が34例、健常対照(HCs)が42例であった。 主な結果は以下のとおり。・BPSS-P Mania (Cronbach's α=0.87)、BPSS-P Depression(Cronbach's α=0.89)およびBPSS-P General Index(Cronbach's α=0.74)の内部整合性は「良好~非常に良好」であった。・BPSS-P総スコア(ICC=0.939)、 BPSS-P Mania(ICC=0.934)、BPSS-P Depression(ICC=0.985)、およびBPSS-P General Index(ICC=0.981)の評価者間信頼性は「高」であった。・以下のツール間で高い識別能が示された(ρ≧0.50)。  BPSS-P Mania IndexとYMRS、GBI-M-10、CHT  BPSS-P Depression IndexとMontgomery-Asberg Depression Rating Scale(MADRS)およびCHT  BPSS-P General IndexとGBI-M-10、CHT・BPSS-P Mania IndexとMADRS、BPSS-P Depression Index、YMRSとの間の収束的妥当性は、予想どおり小さかった(ρ=0.10~0.30未満)。・BPSS-Pとそのサブスケールにより、各患者群とHCsおよび非気分スペクトラム患者が識別された(BPSS-P General Indexを除き)。・BPSS-P総スコアは、BD-I/BD-II/循環気質とうつスペクトラム患者を識別し、BPSS-Mania Indexは双極スペクトラムグループの3つすべてを、うつスペクトラム患者と識別した。 ・以上より、BPSS-Pは「良好~優れた」心理測定法であると思われた。さまざまな局面での使用と予測妥当性についてはさらなる検討が求められる。関連医療ニュース 「笑い」でうつ病診断が可能に うつ病の5人に1人が双極性障害、躁症状どう見つける 「歩行とバランスの乱れ」はアルツハイマーのサイン

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ラクトフェリンが乾癬の治療薬オプションになる?

 イタリアのローマ・トルヴェルガタ大学のSaraceno R. 氏らは、日本で機能性食品の素材の1つとして流通しているラクトフェリン(LF)について、乾癬への治療適用があり得るかを検討した。結果、素材を活かした外用薬が治療オプションとなりうる可能性が示唆されたという。LFは、非ヘム鉄結合プロテインで、生体が持つ免疫システムの抗菌特性を共有し、乾癬のプラーク発症に関連している炎症誘発性のサイトカイン放出に影響をもたらすことが明らかになっていた。Giornale Italiano di Dermatologia e Venereologia誌2014年6月号の掲載報告。 検討はオープンラベルにて、4週間にわたり行われた。被験者は、軽度~中等度の慢性尋常性乾癬患者30例であった。患者は全員、LF 100mgの経口投与を受けると同時に、2群に分けられ、15例(A群)は10%LF軟膏の外用塗布を、15例(B群)は、20%LF軟膏の外用塗布の投与を受けた。 患者内対照にて評価が行えるよう、全患者は、病変部の半分にのみ軟膏薬を塗布した。有効性の評価は、Target Lesion Scoreを用いて行われた。 主な結果は以下のとおり。・試験を完了したのは、30例のうち22例であった。・結果、LF軟膏塗布部では、隆起、発赤、落屑について、非塗布部の対照と比較して有意な改善が観察された(p<0.05)。・LF含有10% vs. 20%で、有効性に差はみられなかった。・経口単独での服用は、外用薬塗布群でみられた改善がまったくみられなかった。・著者は、本検討によりLFには安全な局所治療薬となりうる可能性があり乾癬治療のオプションとなり得ることが示唆されたとまとめている。

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高血圧患者の妊娠における周産期リスク解析から学ぶこと(コメンテーター:三浦 伸一郎 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(204)より-

高血圧患者が妊娠した場合(慢性高血圧の妊婦)の周産期リスクには、妊娠高血圧症候群ガイドライン2009にも掲載されているように加重型妊娠高血圧腎症、常位胎盤早期剥離、small for gestational age、周産期乳児死亡率・早産率の増加が挙げられている。 今回、Bramhamらが発表したメタ解析においても、慢性高血圧の妊婦のリスクは、一般集団に比し、加重型妊娠高血圧腎症、帝王切開、早産、帝王切開、出生体重2,500g未満、NICU治療や周産期死亡が高率であることであり、今までの結果をほぼ追随する結果となっている。 一般的には、メタ解析のエビデンスレベルは高い。本試験も25の国から55の臨床研究を選び合計79.5万人を対象としたものであり、規模としては問題ない。しかし、55の臨床研究にはランダム化試験も含まれているが、集団研究、前向き・後向きコホート研究も多く含まれている。さらに、論文発表が1970年代から2010年代までと40年間にわたっており、このようなことも考慮に入れて結果を吟味しなければならない。 また、このメタ解析では、3,535の試験(スクリーニングした5,511の臨床試験から重複した試験を除く)から55試験を選択している。一定のルールに従って試験が選択されており、除外された試験には不備も多かったであろうが、解析に利用された試験は全体の1.6%に過ぎない。 今回のメタ解析の結果は、今までのエビデンスの補強といった側面が強く問題はないが、メタ解析で今までの方向性と異なる結果が出た場合は、熟考することが望まれる。 いずれにしても、慢性高血圧の妊婦のリスクは高く、重症高血圧合併妊娠では、降圧薬による血圧コントロールが必要であり、十分な説明と同意が重要である。さらに、妊娠の可能性のある高血圧患者の場合には、まず、二次性高血圧の除外と厳格な生活習慣修正による血圧コントロールの重要性を説明・指導することである。

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呼吸器の薬の考え方,使い方

呼吸器疾患の治療薬の羅針盤。エキスパートがそのコツを伝授吸入薬、禁煙補助薬、抗結核薬、対症療法に用いる去痰薬や鎮咳薬、肺高血症の治療に用いる循環器系の薬剤、肺がん治療の分子標的薬、意外に深い含嗽薬やトローチまで、呼吸器科で用いる様々な薬の薬剤情報、薬理と臨床試験、処方に際しての注意点など医療従事者が知っておきたい薬の必要知識+αを人気ブログ「呼吸器内科医」の著者が膨大な資料と知見を基に解説します。合間のコラム「本当にあった医学論文」や一口メモも必読!画像をクリックすると、内容の一部をPDFでご覧いただけます。   呼吸器の薬の考え方,使い方定価 4,800円+税判型 A5判頁数 372頁発行 2014年3月著者 倉原 優Amazonでご購入の場合はこちら

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認知症発症リスクと心臓疾患との関係

 複数の心血管リスク因子が、認知症やアルツハイマー型認知症(AD)のリスクを増大することが知られるが、心臓疾患が及ぼす影響については不明なままであった。東フィンランド大学のMinna Rusanen氏らによる住民ベースのコホート研究の結果、高齢期の心臓疾患は、その後の認知症やADリスクを増大することが明らかにされた。結果を受けて著者は、「心臓疾患の予防と効果的な治療は、脳の健康や認知機能維持の観点からも重要であると考えられる」とまとめている。Journal of Alzheimer's Disease誌オンライン版2014年5月13日号の掲載報告。 研究グループは、認知症やADの長期リスクについて、中高年期の心房細動(AF)、心不全(HF)、冠動脈疾患(CAD)との関連を調べるため、住民ベースのコホート研究CAIDE(Cardiovascular Risk Factors, Aging and Dementia)のデータを分析した。CAIDEには、4期(1972、1977、1982、1987年)にわたって無作為に選択された住民合計2,000例が参加。被験者は、25年超後の1998年と2005~2008年の2期に追跡調査を受けていた。 主な結果は以下のとおり。・研究参加者2,000例のうち1回以上の追跡調査を受けていたのは、1,510例(75.5%)であった。そのうち認知症との診断を受けていたのは、127例(8.4%)であった。・全因子補正後の分析の結果、高齢期のAFは、認知症(ハザード比[HR]:2.61、95%信頼区間[CI]:1.05~6.47、p=0.039)、AD(同:2.54、1.04~6.16、p=0.040)の独立リスク因子であった。・アポリポ蛋白E(APOE)ε4を有していない人では、同関連はより強かった。・高齢期HFについても同様にリスクを増大する傾向がみられた。CADではみられなかった。・中年期診断の心臓疾患は、その後の認知症やADリスク増大と関連していなかった。関連医療ニュース 高齢者への向精神薬投与、認知症発症リスクと強く関連 認知症予防効果を降圧薬に期待してよいのか スタチン使用で認知症入院リスク減少

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帯状疱疹のリスク増大要因が判明、若年ほど要注意/BMJ

 帯状疱疹リスクは、関節リウマチ、炎症性腸疾患(IBD)、COPD、喘息などの疾患を有している人では増大し、概して年齢が若い人でリスクが大きいことが明らかにされた。英国・ロンドン大学衛生熱帯医学大学院のHarriet J Forbes氏らが、2000~2011年の同国で帯状疱疹と診断された14万4,959例を対象とした症例対照研究を行い明らかにした。英国では2013年より新たに、高齢者のみを対象とした帯状疱疹ワクチンの接種キャンペーンが始められたが、これまで帯状疱疹リスクを定量化した大規模な検討は行われていなかったという。BMJ誌オンライン版2014年5月13日号掲載の報告より。英国14万4,959症例を、年齢別に疾患リスクとの関連を分析 最近の文献報告において、帯状疱疹のリスクが一部の疾患で増大すること、および若い人のリスクが高い可能性が示唆され、研究グループは、年齢別に影響があると思われる帯状疱疹のリスク因子の定量化を試みた。具体的には、英国プライマリ・ケアのデータベースであるClinical Practice Research Datalinkを活用して症例対照研究を行った。 2000~2011年に帯状疱疹と診断された14万4,959例と、年齢・性別・診療状況で適合した対照54万9,336例を特定し、年齢ごとの各リスク因子と帯状疱疹との関連の強さを、条件付きロジスティック回帰分析にて補正後オッズ比(OR)を求めて評価した。関節リウマチ患者は1.46倍、相対的に疾患のある若い人でリスクが高い 症例群と対照群の年齢中央値は、62歳であった。 分析の結果、帯状疱疹リスクの増大因子として、関節リウマチ(2.1%vs. 1.5%、補正後OR:1.46、99%信頼区間:1.38~1.55)、IBD(1.3%vs. 0.9%、同:1.36、1.26~1.46)、COPD(4.7%vs. 3.7%、同:1.32、1.27~1.37)、喘息(7.1%vs. 5.8%、同:1.21:1.17~1.25)、慢性腎臓病(6.0%vs. 5.4%、同:1.14、1.09~1.18)、うつ病(4.7%vs. 4.0%、1.15、1.10~1.20)が認められた。 糖尿病との関連は部分的で、1型では関連がみられたが(0.3%vs. 0.2%、同:1.27、1.07~1.50)、2型では関連はみられなかった(7.1%vs. 6.9%、同:1.01、0.98~1.04)。 また年齢別(50歳未満、50~59歳、60~69歳、70歳以上)でみると、若年の患者でリスクが高いことがみてとれた。たとえば、関節リウマチ患者の補正後ORは、50歳未満では1.69であったが、70歳以上では1.41となっていた。 帯状疱疹のリスクが最も高かったのは、帯状疱疹ワクチンの接種が非適格である重度の免疫抑制状態患者の患者で、リンパ腫患者の補正後ORは3.90(99%CI:3.21~4.74)、骨髄腫2.16(同:1.84~2.53)などとなっていた。 以上のように、疾患を有している人では帯状疱疹のリスクが増大することが判明した。また概して、リスクの増大は若年者でより高いことが明らかになった。 これらの結果を踏まえて著者は、「現在推奨されているワクチン接種は、帯状疱疹リスクが高い人には禁忌であることが明らかになった。まった、これらの人々にはリスクを抑制するための別の戦略が必要であることが明確になった」とまとめている。

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中~高強度スタチンへのPCSK9阻害薬上乗せ効果を確認/JAMA

 米国・アイオワ大学のJennifer G. Robinson氏らによる第III相無作為化試験LAPLACE-2の結果、中~高強度のスタチン治療を受けている高コレステロール血症患者に対し、PCSK9阻害薬エボロクマブ上乗せ効果は、プラセボおよびエゼチミブ(商品名:ゼチーア)追加よりも、LDL-C値を有意に低下したことが報告された。JAMA誌2014年5月14日号掲載の報告より。エゼチミブおよびプラセボとの比較で12週間治療 中~高強度のスタチン治療を受けている高コレステロール血症患者では、多くが治療目標を達成できず、さらなるLDL-C値低下の非スタチン治療を考慮することが推奨されている。LAPLACE-2は、中~高強度のスタチン治療との組み合わせとして、エボロクマブの12週治療の有効性と安全性を、エゼチミブおよびプラセボとの比較で検討することを目的に行われた。 試験は2013年1月~12月に、17ヵ国198施設から患者を集め、2段階で24治療群のいずれか1つに無作為に割り付けて検討した。 患者(計2,067例)はまず初めに、1日量のスタチン治療が中強度(アトルバスタチン[10mg]、シンバスタチン[40mg]またはロスバスタチン[5mg])、高強度(アトルバスタチン[80mg]、ロスバスタチン[40mg])に無作為化された。 4週間後、患者(1,899例)はスタチン治療に加えて、エボロクマブ(140mgを2週に1回または420mgを月に1回)+プラセボ(2週に1回または月に1回)、エゼチミブ(1日1回10mgまたはプラセボ[アトルバスタチン単独群となるよう])の投与が比較できるように無作為に割り付けられた。 主要エンドポイントは2つとし、ベースライン時からのLDL-C値の低下率について、10~12週の平均LDL-C値による評価(1ヵ月投与群の低下を良好に反映する)と、12週時点のLDL-C値による評価とした。2週に1回投与群66~75%低下、1ヵ月1回投与群63~75%低下 結果、中~高強度のスタチン治療群全体において、エボロクマブ上乗せによるLDL-C値の低下率は、プラセボとの比較において、2週に1回投与群は-66%(ロスバスタチン40mg群)~-75%(アトルバスタチン80mg群)の範囲に及び、月1回投与群では-63%(ロスバスタチン40mg群、アトルバスタチン10mg群)~-75%(アトルバスタチン80mg群)だった。12週時点の評価でみたLDL-C値の低下率も同程度だった。 中強度スタチン治療群(アトルバスタチン10mg群、シンバスタチン40mg群、ロスバスタチン5mg群)についてみると、エボロクマブ2週1回の追加投与によりLDL-C値はベースライン時平均115~124mg/dLから39~49mg/dLへの低下がみられた。月1回投与群では、同123~126mg/dLから43~48mg/dLへの低下がみられた。 高強度スタチン治療群(アトルバスタチン80mg群、ロスバスタチン40mg群)では、同じくエボロクマブ2週1回の追加投与により89~94mg/dLから35~38mg/dLへの低下が、月1回投与群では89~94mg/dLから33~35mg/dLへの低下がみられた。 有害事象の発生は、エボロクマブ、エゼチミブ、プラセボ群でそれぞれ36%、40%、39%で報告された。エボロクマブ投与群で最も頻度が高かった有害事象は、背中の痛み、関節痛、頭痛、筋けいれん、四肢の痛みであった(すべて2%未満)。 結果を踏まえて著者は、「さらなる検討を行い、この治療アプローチの長期アウトカムおよび安全性を確認する必要がある」とまとめている。

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増悪を起こしやすいCOPD患者に高用量N-アセチルシステインは有用か

 高用量のN-アセチルシステイン(NAC)はハイリスクなCOPD患者に対して、増悪頻度を減少させ、初発の増悪までの期間を短縮させるが、ローリスクなCOPD患者に対しては効果がみられない可能性があることを香港・KwongWah 病院のHoi Nam Tse氏らが報告した。CHEST誌オンライン版2014年5月15日の掲載報告。 高用量のN-アセチルシステインはCOPDの増悪を減少させることが知られてきたが、どのようなカテゴリーのCOPD患者に最も有効なのかについては明らかではなかった。 本研究の目的は、ハイリスクなCOPD患者とローリスクなCOPD患者に対する高用量のN-アセチルシステイン(600mg×2回/日)の効果を比較することである。安定期のCOPD患者(スパイロメトリーで確認)をランダムに2群に分け、現在の治療に加え、一方には高用量のN-アセチルシステイン(600mg×2回/日)、もう一方にはプラセボを追加した。各患者群のフォローアップ期間は1年間で、16週ごとに評価した。現在のGOLDのガイドラインにより定義される増悪リスク分類ごとに、さらなる分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・120例のCOPD患者の背景は93.2%が男性、平均年齢70.8 ± 0.74歳、気管支拡張薬投与前の対標準1秒量(%FEV1)は53.9 ± 2.0%であり、ベースライン特性は2群間で同等であった。・1年間フォローアップできた患者は108例であった(NAC投与群52例、プラセボ投与群56例)。・ハイリスク患者89例において、プラセボ投与群と比べて高用量NAC投与群では増悪頻度が有意に減少し[0.85 vs. 1.59回/年、p=0.019(8ヵ月時点)、1.08 vs. 2.22回/年、p=0.04(12ヵ月時点)]、初発の増悪までの時間も有意に短く(p=0.02)、1年間1度も増悪を起こさない確率が有意に高かった(51.3% vs. 24.4%、p=0.013)。・ローリスクの患者では、高用量NAC投与群とプラセボ投与群で有意な差は認められなかった。

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偽膜性大腸炎を診断できずに死亡に至ったケース

消化器最終判決判例時報 1654号102-111頁概要高血圧性小脳出血を発症した65歳男性、糖尿病、腎障害、および軽度の肝障害がみられていた。発症4日目に局所麻酔下にCT定位脳内血腫吸引術を施行し、抗菌薬としてセフォタキシムナトリウム(商品名:クラフォラン)、ピペラシリンナトリウム(同:ペントシリン)を開始した。術後2日目から下痢が始まり、術後4日目から次第に頻度が増加し、38℃台の発熱と白血球増多、CRP上昇など、炎症所見が顕著となった。術後6日目にはDICが疑われる状態で、腎不全、呼吸・循環不全となり、術後12日目に死亡した。解剖の結果、空腸から直腸にかけて著しい偽膜性大腸炎の所見が得られた。詳細な経過患者情報65歳男性経過1991年3月2日11:00頃法事の最中に眩暈と嘔吐を来して歩行不能となり、近医を経てA総合病院脳神経外科に搬送され、頭部CTスキャンで右小脳出血(血腫の大きさは3.8×2.5×2.0cm)と診断された。意識清明であったが言語障害があり、脳圧降下薬の投与、高血圧の管理を中心とした保存的治療が行われた。3月6日若干の意識障害、右上肢の運動失調がみられたため、局所麻酔下にCT定位脳内血腫吸引術が行われた。術後感染防止のため、第3世代セフェム(クラフォラン®)、広域ペニシリン(ペントシリン®)の静注投与が行われた。3月8日焦げ茶色の下痢と発熱。腰椎穿刺では髄膜炎が否定された。3月9日白血球15,000、CRP 0.5。3月10日下痢が5回あり、ロペラミド(同:ロペミン)投与(以後も継続された)。3月11日下痢が3回、白血球42,300、CRP 3.9。敗血症を疑い、γグロブリン追加。胸部X線写真異常なし、血液培養陰性。3月12日下痢が3回、チェーンストークス様呼吸出現。3月13日下痢が2回、血圧低下、腎機能低下、人工呼吸器装着、播種性血管内凝固症候群を疑い、メシル酸ガベキサート(同:エフオーワイ)開始。抗菌薬をアンピシリン(同:ビクシリン)、第3世代セフェム・セフタジジム(同:モダシン)、ミノサイクリン(同:ミノマイシン)に変更。以後徐々に尿量が減少して腎不全が進行し、感染や血圧低下などの全身状態悪化から人工透析もできないままであった。3月18日死亡。死体解剖の結果、空腸から直腸にかけて、著しい偽膜性大腸炎の所見が得られ、また、エンドトキシン血症の関与を示唆する肝臓小葉中心性新鮮壊死、著しい急性肝炎、下部尿管ネフローシス(ショック腎)が認められたため、偽膜性大腸炎により腸管の防御機能が障害され、細菌が血中に侵入し、その産生するエンドトキシンによる敗血症が惹起されエンドトキシンショックとなって急性循環不全が引き起こされた結果の死亡と判断された。当事者の主張患者側(原告)の主張小脳出血は保存的に様子をみても血腫の自然吸収が期待できる症状であり、手術の適応がなかったのに手術を実施した。1.死因クラフォラン®およびペントシリン®を中心として、このほかにビクシリン®、モダシン®、ミノマイシン®などの抗菌薬を投与されたことによって偽膜性大腸炎を発症し、その症状が増悪して死亡したものである2.偽膜性大腸炎について3月10~13日頃までには抗菌薬に起因する偽膜性大腸炎を疑い、確定診断ができなくても原因と疑われる抗菌薬を中止し、偽膜性大腸炎に効果があるバンコマイシン®を投与すべきであったのに怠った。さらに偽膜性大腸炎には禁忌とされているロペミン®(腸管蠕動抑制剤)を投与し続けた病院側(被告)の主張高血圧性小脳出血の手術適応は、一般的には血腫の最大経が3cm以上とされており、最大経が3.8cmの小脳出血で、保存的加療を行ううちに軽い意識障害および脳幹症状が発現し、脳ヘルニアへの急速な移行が懸念されたため、手術適応はあったというべきである。1.死因初診時から高血圧性腎症、糖尿病性腎症、感染によるショックなどの基礎疾患を有し、これにより腎不全が進行して死亡した。偽膜性大腸炎の起炎菌Clostridium difficileの産生する毒素はエンテロトキシンおよびサイトトキシンであるから、本件でみられたエンドトキシン血症は、偽膜性大腸炎に起因するとは考えがたい。むしろエンドトキシンを産生するグラム陰性桿菌が腸管壁を通過し、糖尿病、肝障害などの基礎疾患により免疫機能が低下していたため、敗血症を発症し、多臓器不全に至ったものと考えられる2.偽膜性大腸炎について偽膜性大腸炎による症状は、腹痛、頻回の下痢(1日30回にも及ぶ下痢がみられることがある)、発熱、腸管麻痺による腹部膨満などであり、検査所見では白血球増加、電解質異常(とくに低カリウム血症)、低蛋白血症などを来す。本件の下痢は腐敗性下痢である可能性や、解熱薬の坐薬の影響が考えられた。本件の下痢は回数的にみて頻回とまではいえない。また、腹痛や腹部膨満はなく、血清カリウム値はむしろ上昇しており、白血球やCRPから炎症所見が著明であったので肺炎や敗血症は疑われたものの、偽膜性大腸炎を疑うことは困難であった裁判所の判断1. 死因本件ではClostridium difficileの存否を確認するための検査は行われていないが、抗菌薬以外に偽膜性大腸炎を発生させ得る具体的原因は窺われず、また、偽膜性大腸炎はClostridium difficileを起炎菌とする場合がきわめて多いため、本件で発症した偽膜性大腸炎は抗菌薬が原因と推認するのが合理的である。そして、Clostridium difficileにより発生した偽膜性大腸炎により腸管の防御機能が障害され、腸管から血中にグラム陰性菌が侵入し、その産生するエンドトキシンにより敗血症が惹起され、ショック状態となって急性循環不全により死亡したものと推認することができる。2. 偽膜性大腸炎について一般的に医師にはさまざまな疾病の発生の可能性を考慮して治療に従事すべき医療専門家としての高度の注意義務があるのであって、本件の下痢の状況や白血球数などの炎症反応所見の推移は、かなり強く偽膜性大腸炎の発生を疑わせるものであると評価するのが相当である。病院側の主張する事実は、いずれも偽膜性大腸炎が発生していたことを疑いにくくする事情ではあるが、ロペミン®により下痢の回数がおさえられていた可能性を考慮して下痢の症状を観察するべきであった。そのため、3月11日から翌12日午前中までには偽膜性大腸炎が発生していることを疑うことが可能であり、その時点でバンコマイシン®の投与を開始し、かつロペミン®の投与を中止すれば、偽膜性大腸炎を軽快させることが可能であり、エンドトキシンショック状態に陥ることを未然に回避できた蓋然性が高い。2. 手術適応について高血圧性小脳出血を手術するべきであったかどうかの判断は示されなかった。原告側合計3,700万円の請求に対し、2,354万円の判決考察このケースは、脳外科手術後にみられた「下痢」に対し、かなり難しい判断を要求していると思います。判決文を読んでみると、頻回の下痢症状がみられたならばただちに(少なくとも下痢とひどい炎症所見がみられた翌日には)偽膜性大腸炎を疑い、確定診断のために大腸内視鏡検査などができないのならば、それまでの抗菌薬や止痢薬は中止してバンコマイシン®を投与せよ、という極端な結論となっています。もちろん、一般論として偽膜性大腸炎をまったく鑑別診断に挙げることができなかった点は問題なしとはいえませんが、日常臨床で抗菌薬を使用した場合、「下痢」というのはしばしばみられる合併症の一つであり、その場合程度がひどいと(たとえ偽膜性大腸炎を起こしていなくても)頻回の水様便になることはしばしば経験されます。そして、術後2日目にはじめて下痢が出現し、術後4日目から下痢が頻回になったという状況からみて、最初のうちは単純な抗菌薬の副作用による下痢と考え、止痢薬を投与するのはごく一般的かつ常識的な措置であったと思います。その上、術後に発熱をみた場合には腸以外の感染症、とくに脳外科の手術後であったので髄膜炎や肺炎、尿路感染症などをまず疑うのが普通でしょう。そのため、担当医師は術後2日目には腰椎穿刺による髄液検査を行っていますし(結果は髄膜炎なし)、胸部X線写真や血液検査も頻回に調べていますので、一般的な注意義務は果たしているのではないかと思います。ところが判決では、「頻回の下痢が始まった翌日の3月11日から3月12日午前中までには偽膜性大腸炎が発生していることを疑うことが可能であった」と断定しています。はたして、脳外科の手術後4日目に、頻回に下痢がみられたから即座に偽膜性大腸炎を疑い、発熱が続いていてもそれまでの抗菌薬をすべて中止して、バンコマイシン®だけを投与することができるのでしょうか。この時期はやはり脳外科術後の髄膜炎がもっとも心配されるので、そう簡単には抗菌薬を止めるわけにはいかないと考えるのがむしろ脳外科的常識ではないかと思います。実際のところ、脳外科手術後に偽膜性大腸炎がみられるのは比較的まれであり、それよりも髄膜炎とか肺炎の発症率の方が、はるかに高いのではないかと思います。にもかかわらず、まれな病態である偽膜性大腸炎を最初から重視するのは、少々危険な考え方ではないかという気までします。あくまでも推測ですが、脳外科の専門医であれば偽膜性大腸炎よりも髄膜炎、肺炎の方をまず心配するでしょうし、一方で消化器内科の専門医であればどちらかというと偽膜性大腸炎の可能性をすぐに考えるのではないかと思います。以上のように、本件は偽膜性大腸炎のことをまったく念頭に置かなかったために医療過誤とされてしまいましたが、今後はこの判例の考え方が裁判上のスタンダードとなる可能性が高いため、頻回の下痢と発熱、著しい炎症所見をみたならば、必ず偽膜性大腸炎のことを念頭に置いて検査を進め、便培養(嫌気性培養も含む)を行うことそして、事情が許すならば大腸内視鏡検査を行って確定診断をつけておくこと通常の抗菌薬を中止するのがためらわれたり、バンコマイシン®を投与したくないのであれば、その理由をきちんとカルテに記載することというような予防策を講じないと、医師側のミスと判断されてしまうことになると思います。なお本件でもう一つ気になることは、本件では手術直後から予防的な抗菌薬として、2種類もの抗菌薬が使用されている点です。クラフォラン®、ペントシリン®はともに髄液移行の良い抗菌薬ですので、その選択には問題ありません。しかし、手術時には明らかな感染症は確認されていないようなので、なぜ予防的な抗菌薬を1剤ではなくあえて2剤にしたのでしょうか。これについてはいろいろとご意見があろうかと思いますが、ことに本件のようなケースを知ると、抗菌薬の使用は必要最小限にするべきではないかと思います。消化器

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