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中高齢女性のロコモ判定にはウエストが有用

 名古屋大学の村本 明生氏らは住民健診参加者を対象に調査を行い、中高齢女性では中心性肥満とロコモが有意に関連していることを明らかにした。中心性肥満は、死亡率のみならず多くの健康関連問題の強いリスク因子であることが示されているが、これまでロコモティブ症候群(ロコモ)との関連についての研究はなかった。著者は、「ウエスト周囲長がロコモのリスクを評価する有用な指標となりうる」とまとめている。Journal of Orthopaedic Science誌オンライン版2014年3月26日号の掲載報告。 研究グループは、ロコモに対する中心性肥満の影響について調査した。 対象は、2011~2012年に北海道八雲町の住民健診(八雲研究)に参加した60~79歳(平均68.2±5.0歳)の女性217例であった。 ロコモ25にて評価し、スコアが>16をロコモと定義した。また、腰痛および膝痛を視覚アナログスケール(VAS)にて評価するとともに、ローランド・モリス障害質問票も用いた。さらに、身長、体重、ウエスト周囲長(ウエスト)、ヒップ周囲長、体脂肪率、骨密度、ならびに運動機能検査としてタイムドアップアンドゴー、開眼片脚起立時間、10m歩行時間、最大一歩幅、背筋力、握力を計測した。 主な結果は以下のとおり。・ロコモ25スコア、腰痛および膝痛のVASスコアは、大部分の肥満パラメータと有意な相関を認めた。・最も強く相関していた肥満パラメータは、ウエストであった。・ウエストで層別化すると、ウエストの大きさはロコモ25スコアやロコモ有病率の高さ、腰痛および膝痛の強さと有意に関連していた。・一方で、運動機能検査は、年齢補正後も相関を認めなかった。

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統合失調症患者の突然死、その主な原因は

 統合失調症と突然死との関連は知られているが、剖検データが不足しており、死亡診断書や原因ルート評価を用いた先行研究では、大半の突然死について解明がなされていなかった。一方、住民ベースの突然の“自然死”の原因に関する事実分析データでは、最も共通した要因は冠動脈疾患(CAD)であることが明らかになっていた。ルーマニア・トランシルヴァニア大学のPetru Ifteni氏らは、精神科病院に入院中の統合失調症患者の突然死について、その発生率や原因を調べた。Schizophrenia Research誌オンライン版2014年4月3日号の掲載報告。 研究グループは、1989~2013年の精神科教育病院に入院した連続患者を対象に検討を行い、統合失調症患者の突然死の原因について剖検所見により特定した。 主な結果は以下のとおり。 ・被験者は、統合失調症連続入院患者7,189例であった。・医療記録をレビューした結果、57例(0.79%)の突然死を特定した。そのうち51例(89.5%、55.9±9.4歳、男性56.9%)の患者について剖検が行われていた。・剖検データに基づく分析の結果、突然死の原因は、ほとんどが心血管疾患(62.8%)であることが判明した。また特異的要因としては、心筋梗塞(52.9%)、肺炎(11.8%)、気道閉塞(7.8%)、心筋炎(5.9%)、拡張型心筋症、心膜血腫、肺塞栓症、出血性脳卒中、脳腫瘍(それぞれ2.0%)などであった。・突然死のうち6例(11.8%)は原因が不明であった。しかしそのうち3例は、剖検で冠動脈硬化症の所見がみられたことが記録されていた。・心筋梗塞の有無にかかわらず、患者の年齢、性別、喫煙歴、BMI、精神科治療は類似していた(p≧0.10)。 以上の結果より、統合失調症入院患者の突然死発生率は0.8%で一般住民における発生率よりもかなり多いことや、死因としては急性心筋梗塞が大半(52.9%)を占めていたことなどが明らかとなった。結果を踏まえて著者は、「統合失調症成人患者について、CADに対する速やかな認識と治療を臨床的優先事項としなければならない」とまとめている。関連医療ニュース 抗精神病薬の高用量投与で心血管イベントリスク上昇:横浜市立大 統合失調症患者、合併症別の死亡率を調査 救急搬送患者に対する抗精神病薬の使用状況は

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道化師は入院中の子どもの不安を減少させる【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第17回

道化師は入院中の子どもの不安を減少させる写真:Wikipediaより引用映画『パッチ・アダムス トゥルー・ストーリー』(1998年)を観たことがある方はご存じかもしれませんが、ホスピタルクラウン、クリニクラウンという言葉をご存じでしょうか。これらは入院中の小児患者などに対する遊びやコミュニケーションによる心のケアを行う専門家で、典型的には道化師(ピエロ)の格好をしています。日本にも日本クリニクラウン協会があり、積極的にクリニクラウンが出入りしている病院もあると思います。海外ではこういったケアのことを総称してクラウン・ケアと呼びます(写真)。イタリアからの興味深い研究を紹介します。Vagnoli L, et al.Clown doctors as a treatment for preoperative anxiety in children: a randomized, prospective study. Pediatrics. 2005; 116: e563-567.この研究は術前の小児が抱く不安を軽減するために、患児のもとに道化師がやってくるというデザインです。登録された患児は5歳から12歳までの40人です。基本的に親は付き添いでいるものとし、そこに道化師が介入する群(20人)と介入しない群(20人)にランダムに割り付けられました。付き添い人数を統一するために、親は両親のうちいずれか一方と定めました。患児の不安については修正Yale術前不安尺度を評価項目とし、親の不安については状態-特性不安検査(STAI Y-1/Y-2)を評価項目とし、道化師による不安軽減効果を検証しました。その結果、非介入群と比較して、介入群は患児の不安症状を軽減しました。この不安の軽減は、麻酔の導入のときに有意に観察されました(p < 0.001)。一方で親が抱く不安については統計学的に有意には解消されませんでした(Y-1:p = 0.504、Y-2:p = 0.107)。確かに、手術に対する親の不安が道化師で解消されるとは思えません。この研究では、医療従事者に対するアンケートも実施しています。道化師が絶賛されるのかと思いきや、意外にも肯定的な意見と否定的な意見のいずれもが多いという結果でした。道化師が麻酔の導入や術前のルーチンワークの妨げになるという辛辣な意見もありました。道化師の患児に対する不安の軽減効果については、同様の結果がドイツやイスラエルから報告されています(Klin Padiatr. 2011; 223: 74-78.、Paediatr Anaesth. 2009; 19: 262-266.)。

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TAVRは外科手術より死亡リスクが低い/NEJM

 重度大動脈狭窄患者に対し、自己拡張型経カテーテル大動脈弁バイオプロテーゼを用いた経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)は、外科的大動脈弁置換術に比べ、1年死亡リスクが約5ポイント有意に低いことが示された。米国・マウントサイナイ医療センターのDavid H. Adams氏らが、795例を対象に行った無作為化比較試験の結果、報告した。先行研究でTAVRは、内科的治療と比較して生存を改善し、外科的大動脈弁置換術と1年生存率は同等だったが、神経学的イベント頻度が高いことが示されていた。今回、研究グループは、自己拡張型経カテーテル大動脈弁バイオプロテーゼを用いたTAVRの安全性と有効性について検討を行った。NEJM誌オンライン版2014年3月29日号掲載の報告より。手術リスクの高い患者を対象に1年後総死亡率を比較 研究グループは、2011年2月~2012年9月にかけて、米国内45ヵ所の医療機関を通じて、手術リスクが高い重度大動脈狭窄の患者795例を対象に試験を行った。被験者を無作為に2群に分け、一方には自己拡張型経カテーテル大動脈弁バイオプロテーゼを用いたTAVRを、もう一方には外科的な大動脈弁置換術を行った。 被験者の平均年齢は83.2歳、男性の割合は52.7%だった。 主要エンドポイントは、1年後の全死因死亡率だった。1年死亡率、TAVR群が14.2%、外科群が19.1% その結果1年後の総死亡率は、外科群が19.1%に対しTAVR群が14.2%と有意に低率で、絶対リスク減少幅は4.9ポイントだった(非劣性に関するp<0.001、優越性に関するp=0.04)。 階層的検定において、弁狭窄に関する心エコー指数、機能的状態、生活の質(QOL)についても、TAVR群の非劣性が示された。 探索的解析では、重大心血管・脳血管有害イベントの減少と、脳卒中リスクの非増大が示唆された。

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ACC/AHA開発の心血管疾患リスク予測式の予測能は高い/JAMA

 米国心臓病学会・米国心臓協会(ACC/AHA)が開発したアテローム性心血管疾患(CVD)リスク予測式について、CVDや糖尿病の既往がなくLDL-C値が70~189mg/dLの白人や黒人を含む1万例超の大規模コホートに当てはめて検証した結果、同式による予測値と、実際の発生率は近似値で予測能は高いことが示された。米国・アラバマ大学のPaul Muntner氏らが報告した。JAMA誌2014年3月29日号掲載の報告より。CVDや糖尿病歴なし、LDL-C値が70~189mg/dLの1万例超について分析 研究グループは、2003年~2007年に、Reasons for Geographic and Racial Differences in Stroke(REGARDS)試験に参加した45~79歳について、2010年12月まで追跡調査を行った。そのうち、臨床的アテローム性CVDや糖尿病歴がなく、LDL-C値が70~189mg/dLでスタチンを服用していない1万997例を対象に、ACC/AHAのアテローム性CVDリスク予測式の適合性について分析した。 さらに被験者の中で、メディケア加入者(3,333例)については、メディケアの保険請求データに基づく分析も行った。5年CVDの発生予測値と実測値は近似 追跡期間中に発生したアテローム性CVDイベント数は338件(冠動脈疾患192件、脳卒中146件)だった。 ACC/AHAのリスク予測式で、10年アテローム性CVDリスクが5%未満の群では、5年アテローム性CVDイベントについて、発生予測値1.9/1,000人年に対し、実際の発生率も1.9(95%信頼区間[CI]:1.3~2.7)/1,000人年だった。 同じく5~7.5%未満群では、発生予測値4.8/1,000人年に対し、実際の発生率も4.8(95%CI:3.4~6.7)/1,000人年。同7.5~10%未満群では、それぞれ6.9/1,000人年、6.1(同:4.4~8.6)/1,000人年。同10%以上群では、それぞれ15.1/1,000人年、12.0(同:10.6~13.6)/1,000人年だった。C統計値は0.72だった。 メディケア加入者についての分析では、追跡期間中に発生したアテローム性CVDイベント数は234件だった。また、同予測式で10年アテローム性CVDリスクが7.5%未満の群では、5年同イベント予測値は4.0/1,000人年、実際の発生率は5.3(同:2.8~10.1)で、C統計値は0.67だった。

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爪を噛む人(咬爪症)は爪疾患やQOL障害が有意に高い

 咬爪症は、一般集団の約20~30%に及ぶ慢性的に爪を噛む行動として定義されている。ポーランド・ヴロツワフ大学のPrzemyslaw Pacan氏らは、咬爪症は日常診療において問題がないものとみなされているようだが、QOLの障害との関連がどれほどあるかを調べた。その結果、爪を噛む癖がある人は、そうでない人と比べて、有意に高度なQOLの障害を有していると判明したことを報告した。Acta Dermato Venereologica誌オンライン版2014年2月17日号の掲載報告。爪を噛む人(咬爪症)は爪を噛まないようにする緊張感がQOLに影響 Pacan氏らは、咬爪症のQOLへの影響と、咬爪症を有する人のスティグマのレベルを分析することを目的に、医学生339例について分析した。 爪を噛む人(咬爪症)のQOLへの影響を分析した主な結果は以下のとおり。・咬爪症のある人は、対照との比較でQOLの障害が有意に高かった(p<0.001)。・過去に咬爪症行動を止められなかった人(p<0.01)は、明らかな爪の変形が認められ(p=0.03)、爪を噛むことに費やした時間が多く(p=0.02)、爪疾患を有する割合が高く(p=0.03)、QOLの障害が高かった。・さらに、爪を噛まないようにする緊張感(β=12.5、p<0.001)、爪を噛むことによる苦痛(β=12.6、p=0.001)、爪を食べる行動(β=-7.5、p<0.01)が、QOLへ影響を及ぼす独立要因として認められた。・また、スティグマのレベルも、咬爪症のある人の群で有意に高かった(0.6±1.2 vs. 0.2±0.6ポイント、p<0.01)。ただし、咬爪症がない人の群ともにスティグマのレベルは低かった。

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非定型抗精神病薬、小児への適応外使用の現状

 過去20年間における非定型抗精神病薬使用の増大は、注意欠陥・多動性障害(ADHD)を含む未承認適応での頻度が顕著に認められているという。米国・メリーランド大学のMehmet Burcu氏らは、非定型抗精神病薬の使用について、年齢群、メディケイド適格カテゴリー群、またADHDを有さない若者において特徴づける検討を行った。その結果、とくにフォスターケア(里親制度)の小児およびADHDと診断された小児において、長期的な効果、安全性、適切な心臓代謝モニタリングの監督に関するアウトカムについて、探求すべき根拠が認められたことを報告した。Journal of Child and Adolescent Psychopharmacology誌オンライン版2014年4月1日号の掲載報告。 2006年に米国中西部州のメディケイドプログラムに、連続的に登録された2~17歳26万6,590例の診療データを用いて、非定型抗精神病薬使用日数の中央値を二変量分析および多変量分位点回帰にて評価した。また、精神疾患合併の既往はなかったがADHDと診断された若者(非併存例のADHD)のサブ分析を行い、年齢特異的補正後オッズ比やメディケア適格カテゴリー別にみた非定型抗精神病薬の使用期間中央値を評価した。さらに非定型抗精神病薬療法の単剤投与の使用パターン、2剤併用のパターンを明らかにする評価も行った。 主な結果は以下のとおり。・全体的に、非定型抗精神病薬の年間使用期間中央値は、180日(四分位範囲:69~298日)だった。・小児(2~12歳)における使用期間は中央値192日で、年長者(13~17歳)の同179日よりも長期間であった。・精神疾患合併はないがADHDと診断されたフォスターケアの若者の非定型抗精神病薬の使用に関する補正後オッズ比は、所得適格のメディケイドカテゴリー群に登録された若者における使用と比べて、3倍以上であった。・精神疾患合併はないがADHDと診断されたフォスターケアの若者のおよそ3分の1が、年齢に関係なく非定型抗精神病薬を使用していた。そのうち2~12歳における年間使用日数は、中央値250日超であった。・非定型抗精神病薬の併用療法では、リスペリドン、アリピプラゾール、クエチアピンの頻度が最も高くみられた。関連医療ニュース 抗精神病薬治療中の若者、3割がADHD 小児・思春期の双極性障害に対する非定型抗精神病薬vs気分安定薬 若年発症統合失調症への第二世代抗精神病薬治療で留意すべき点

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薬剤溶出性ステント時代の脂質低下療法 -高純度EPA製剤を生かす-

日本では食の欧米化にともない、冠動脈疾患の危険因子が増加し、心疾患による死亡率が上昇傾向にあります。冠動脈疾患治療の局所アプローチとしてPCIやCABGがありますが、初回病変部位以外で起こるイベントを抑制し、長期予後を改善するためには、全身の危険因子を管理する薬物治療、いわゆる「内科的インターベンション」が重要です。本コンテンツでは、その治療戦略について動画で詳しく解説します。

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米国の高血圧ガイドライン(JNC8)のインパクト/JAMA

 米国合同委員会(Joint National Committee:JNC)の第8次報告として新たに発表された高血圧ガイドラインにより、成人の降圧治療対象者が減少し、目標血圧達成者の割合が増大することが判明した。この影響はとくに高齢者で大きいという。米国・デューク大学医療センターのAnn Marie Navar-Boggan氏らが報告した。高血圧ガイドラインでは、60歳以上の血圧目標値を従来の140/90mmHg未満から150/90mmHg未満へと引き上げることが、また糖尿病あるいは慢性腎臓病(CKD)を有する患者についても130/80mmHg未満から140/90mmHgへと変更することが盛り込まれた。これら変更の影響について研究グループは、全米健康栄養調査(NHANES)のデータを使って検討した。JAMA誌2014年4月9日号掲載の報告より。NHANES参加者1万6,372例分のデータを用いて調査 検討に用いたのは2005~2010年のNHANES調査に参加した1万6,372例分のデータだった。 高血圧ガイドライン下、およびJNC7ガイドライン(高血圧予防・検出・評価治療ガイドライン)下での降圧治療対象者(それぞれのガイドラインで推奨されている目標値以上の血圧値の人)の割合を推定し評価した。18~59歳では1.6%が、60歳以上では27.6%が降圧治療の対象外に 結果、より若い成人(18~59歳)における降圧治療対象者は、JNC7ガイドライン下では20.3%(95%信頼区間[CI]:19.1~21.4%)だったのに対し、高血圧ガイドライン下では19.2%(同:18.1~20.4%)に減少した。 同様の減少は、高齢者(60歳以上)ではより大きく、68.9%(同:66.9~70.8%)から61.2%(同:59.3~63.0%)に減少した。 ガイドラインで示された血圧目標値をクリアしている人の割合は、より若い成人では41.2%(同:38.1~44.3%)から47.5%(同:44.4~50.6%)へと増大はわずかであったが、高齢者では40.0%(同:37.8~42.3)から65.8%(同:63.7~67.9%)へと大きく増大することが判明した。 全体的にJNC7下では、18~59歳では1.6%が、60歳以上では27.6%が降圧治療を受けてより厳しい目標値を達成していたことが示され、これらの患者は、高血圧ガイドラインでは降圧治療対象者とはならないことが示唆された。

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CRT-D早期介入vs. ICD単独の長期生存ベネフィットは?/NEJM

 心筋症で軽症心不全、左室機能不全を有する患者への、両心室ペーシング機能付き植込み型除細動器(CRT-D)の早期介入による長期生存ベネフィットは、左脚ブロックを有する患者において有意であることが明らかにされた。米国・ロチェスター大学医療センターのIlan Goldenberg氏らが、心臓再同期療法による多施設共同自動除細動器埋め込み試験(MADIT-CRT)の参加者を長期(7年)追跡した結果、報告した。MADIT-CRTの評価(2.4年)では、CRT-Dの早期介入は植込み型除細動器(ICD)単独群と比較して左脚ブロック患者における心不全イベントを有意に抑制したことが報告されていた。NEJM誌オンライン版2014年3月30日号掲載の報告より。MADIT-CRTの中央値2.4年追跡後、中央値5.6年追跡を延長し評価 研究グループは、CRT-D早期介入vs. ICD単独を検討したMADIT-CRT被験者の追跡を延長し、CRT-Dの長期生存ベネフィットを評価する検討を行った。 MADIT-CRTは、2004年12月22日~2009年6月22日に行われ、米国88施設から1,271例、欧州・イスラエル・カナダの24施設から549例の合計1,820例が登録されて行われた無作為化試験だった。被験者は、虚血性(NYHA心機能分類IまたはII)/非虚血性心筋症で、LVEF 30%未満、QRS幅130msec以上、またICD治療ガイドライン適格の患者であった。 試験終了後、1,691例の生存患者について2010年9月10日まで追跡を延長し(第1相)、さらに同日以降854例を追跡し2013年9月時点で評価した(第2相)。 追跡期間はMADIT-CRTが中央値2.4年、試験後追跡延長期間の中央値は5.6年だった。全分析報告は、intention-to-treatをベースに行われた。左脚ブロックCRT-D群の累積全死因死亡ハザード比は0.59 最初の登録時から追跡7年時点において、累積全死因死亡は、CRT-Dを受けた左脚ブロックのある患者で有意に低かった。同患者の同死亡率は18%であったのに対し、ICDを受けた患者では29%であり、左脚ブロックCRT-D群の補正後ハザード比は、0.59(95%信頼区間[CI]:0.43~0.80、p<0.001)だった。 また、左脚ブロックCRT-D患者の長期生存ベネフィットは、性別や心筋症の原因、QRS幅の違いによる有意差はみられなかった。 一方、非左脚ブロック患者では、CRT-Dを受けたことによる長期生存ベネフィットが認められないばかりか、有害である可能性も示唆された。非左脚ブロックCRT-D群の補正後ハザード比は、1.57(95%CI:1.03~2.39、p=0.04)だった(QRS幅の所見による治療の相互作用p<0.001)。

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腰痛持ちの女性が治療者を選ぶポイントは?

 腰痛持ちの女性を対象に、治療者(開業医やカイロプラクターなど)を選んだ理由について調査した結果、治療アプローチや治療法もしくは治療の科学的根拠とは無関係であること、さらに正式な資格よりも、「有効性」やその「治療経験」の事例報告が大きく影響することが示唆された。オーストラリア・クイーンズランド大学のEmma R Kirby氏らが報告した。オーストラリアにおいても女性の腰痛患者が増加してきているという。腰痛患者は補完代替医療(CAM)を含む幅広い治療オプションを利用することができ、その利用パターンについてはすでに報告がされていた。BMC Health Services Research誌2014年3月21日号の掲載報告。 研究グループは、Australian Longitudinal Study on Women’s Healthに登録されている60~65歳の慢性腰痛を有する女性患者を対象に、腰痛の治療者の選択に与える要因を調べる目的で50回の半構造化面接を実施した。 主な結果は以下のとおり。・腰痛持ちの女性が治療者を選ぶ際に影響を受けている主な要因は、「治療に精通しているもしくは経験豊富である」「社会的ネットワークからの推薦」「地理的な近さ」「治療者の資格と証明書」の4つであった。・治療アプローチやエビデンスの存在は治療を選択する意思決定の主たる理由として報告されなかった。 著者は、「腰痛持ちの女性個々が、特定の治療者を選ぶ理由をより理解するためには、人間関係や治療者を選択する客観的および主観的基盤などについてさらなる調査が必要である」とまとめている。

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高齢者への向精神薬投与、認知症発症リスクと強く関連

 向精神薬の使用はその後の認知症発症に影響を及ぼすのだろうか。国立台湾大学のFei-Yuan Hsiao氏らは、この仮説を検証するために、国民健康保険データベースに基づきpropensity scoreを用いた症例対照研究を行った。その結果、向精神薬の曝露は将来の認知症発症リスクと強く関連することが示された。Journal of the American Medical Directors Association誌2014年3月27日号の報告。 対象は認知症高齢者3万2,649人および非認知症高齢者3万2,649人。向精神薬(抗不安薬、抗精神病薬、睡眠薬、抗うつ薬)の使用、向精神薬の1日投与量、認知症の診断、propensity scoreを測定した。 主な結果は以下のとおり。・向精神薬の使用は非使用者と比較して、将来の認知症発症のより高いオッズと関連していた(オッズ比[OR] 3.73、95%信頼区間[CI]:3.59~3.88)。・重要なことは、認知症発症は向精神薬への長期的な曝露と強く関連していた。曝露期間別のORは90日未満 3.14(95%CI:3.01~3.28)、90~180日 5.48(95%CI:5.07~5.93)、180日超 7.54(95%CI:6.73~8.44)であった。・向精神薬の累積投与量も同様に将来の認知症発症リスクとの強い関連が確認された。・そのため、向精神薬を高用量で使用している高齢者、とりわけ2種類以上の向精神薬を併用している高齢者については、注意深く観察することが強く推奨される。・さらに、向精神薬を使用中の高齢者では、適切なタイミングで認知機能を評価することが非常に重要である。関連医療ニュース 認知症のBPSDに対する抗精神病薬のメリット、デメリット 高齢者のせん妄に対する抗精神病薬のリスクは? 認知機能への影響は抗精神病薬間で差があるか?

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33)食品交換表が頭に入らない人へのアドバイス【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話患者糖尿病の食品交換表の分類がなかなか覚えられなくて…医師それなら、いい語呂合わせがありますよ!患者それ、ぜひ、教えてください。医師表1の主食となる穀類・いも類はいもの1、表2の果物、英語では何ていいますか?患者フルーツですか?医師そうです。フルーツ(2)と覚えましょう。表3の主菜となる肉・魚・大豆製品などは「さかなの3」、表4の乳製品は「ヨーグルトの4」、表5の油は「ゴマあぶらの5」と覚えるといいですね。患者表6は?医師ちょっと苦しいんですけど。「りょく(6)黄色野菜の6」と覚えておいてください患者ハハハ、それなら私でも覚えられそうです。●ポイント語呂合わせを用いることで、食品分類が覚えやすくなります

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プロラクチン上昇リスクの低い第二世代抗精神病薬はどれか

 1970年代以降、統合失調症患者への薬物治療の基本である抗精神病薬の一般的な有害事象として、高プロラクチン血症(HPRL)に対する認識が臨床医において浸透してきている。第二世代抗精神病薬(SGA)による治療中の血漿中プロラクチン(PRL)レベルは第一世代抗精神病薬使用時と比較して低いが、これらのPRLレベルに及ぼす詳細な影響は完全には明確にされていない。さらに、新規に承認された抗精神病薬[アセナピン、イロペロリドン、ルラシドン(いずれも国内未承認)]のPRLレベルに及ぼす影響に関するレビューは現時点においてない。ベルギー・ルーヴェン・カトリック大学のJ. Peuskens氏らは、第二世代抗精神病薬および新規に承認された抗精神病薬のPRL上昇への影響を評価するため、MEDLINE文献検索によるレビューを行った。その結果、アセナピンとイロペロリドンはクロザピンと同程度の、ルラシドンはジプラシドン(国内未承認)およびオランザピンと同程度のプロラクチン上昇作用を有する所見が得られたことを報告した。CNS Drugs誌2014年3月号の掲載報告。 著者らは、PRLの生理学、PRLの測定、診断、原因、HPRLの機序と転帰、思春期および成人患者におけるSGAおよび新しく認可された抗精神病薬に伴うHPRL新規発症の発生経過、再診時に高値が維持されているPRLに関する疑問などについて言及することを目的に本レビューを行った。MEDLINEデータベース(1966年~2013年12月)を用いて文献検索を行い、HPRLの最新情報とSGAおよび新規承認抗精神病薬のPRL上昇に関する適用可能なエビデンスを概説している代表的な文献を特定した。 主な結果は以下のとおり。・HPRLは通常、正常上限値を超えるPRLレベルの持続と定義されているが、本検討における上限値は報告によりさまざまであるため、試験間の解釈や比較は困難であった。さらに多くの報告が、PRL測定に関する詳細なデータを十分に提供していなかった。・アミスルプリド(国内未承認)、リスペリドン、パリペリドンに関しては、HPRLが高頻度であるとの報告が一貫してなされていた。・一方、アリピプラゾールとクエチアピンは、PRLプロファイルに悪影響を及ぼさないことが示された。・すべてのSGAは、とくに治療開始時にPRL上昇を惹起しうること、HPRLの新規発症を引き起こす可能性があることなどが示された。・新規承認抗精神病薬によるPRL上昇作用から、アセナピンとイロペロリドンはクロザピンと、ルラシドンはジプラシドンとオランザピンと、同程度のPRLプロファイルを有していることが示唆された。・一般に、抗精神病薬によるPRL上昇は用量依存性であるが、PRL上昇のポテンシャルを有する抗精神病薬(アミスルプリド、リスペリドン、パリペリドンなど)は、低用量であってもPRLレベルに大きな影響を及ぼす可能性が示唆された。・一方、PRLレベルに及ぼす影響が小さい抗精神病薬は、ほとんどすべての用量でPRLレベルは不変(クエチアピン)または減少(アリピプラゾール)が認められた。・PRLを上昇させる抗精神病薬は、長期服用後も忍容性が示され、PRLレベルの低下も起こりうるが、大半は正常上限値を超えるレベルが維持された。・小児および思春期患者における抗精神病薬のPRLプロファイルは、成人と同様のようであった。・抗精神病薬によるプロラクチン上昇の影響は、多くの場合、下垂体前葉のプロラクチン産生細胞レベルにおけるドパミンD2受容体への親和性(および、その他の神経伝達メカニズム)、血液脳関門通過性と関連していた。・抗精神病薬は、HPRLを引き起こす最も一般的な薬物要因であるが、最近の研究では、初回エピソード精神病または精神状態がリスクにさらされている患者において、抗精神病薬の治療を受けていない状況でHPRLが存在する可能性が示されていた。関連医療ニュース 抗精神病薬による高プロラクチン血症に関するレビュー 薬剤誘発性高プロラクチン血症への対処は 初回エピソード統合失調症患者はプロラクチン値が高い

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メロンアレルギーの主要アレルゲンを確認

 近年みられるようになった接触アレルギーとして、植物性食品との関連がある。口腔アレルギー症候群は、果物アレルギーの最も特徴ある症状の1つであり、全身性反応も引き起こす。植物性食品アレルギーは、花粉アレルギーとともに増大してきており、同様に果物が引き起こすアレルギー性の蕁麻疹も増大しているといわれる。こうした背景を踏まえて、スペイン・フエンラブラダ大学病院のGandolfo-Cano M氏らは、1つの特異的アレルゲンとしてメロンの皮が接触蕁麻疹の原因であることを確認する検討を行った。British Journal of Dermatology誌2014年3月号(オンライン版2013年10月31日号)の掲載報告。メロンアレルギーの原因はメロンの皮の脂質転写蛋白質 検討は、メロンの皮に触れた後に蕁麻疹を呈した14例のメロンアレルギー患者を評価して行われた。 メロンの皮からエキスを抽出し、メロンアレルギー患者の血清を用いて免疫ブロット分析を行った。また、IgEバインディング領域の分子的特徴を質量分析にて描出した。 メロンの皮の脂質転写蛋白質(LTP)を精製し、阻害試験および接触テストを行い、精製アレルゲンに対するIgE反応を確認した。 メロンアレルギー患者14例を評価した主な結果は以下のとおり。・全患者の血清免疫ブロット分析にて、IgEバインディング領域は約8~9kDaであり、LTPとして確認された。・メロンの皮のLTPは、2つのクロマトグラフィステップにて精製された。・阻害試験によりLTPはメロンの皮による接触皮膚炎患者において主要なアレルゲンであることが確認された。・メロンの皮のLTPとの接触テストは、5例のメロンアレルギー患者で行われた。全例が陽性反応を示し、接触部位にかゆみを伴う紅斑、発疹を認めた。・本検討において、メロンの皮のLTPは、主要なアレルゲンであり、接触アレルギーの原因であることが確認された。・知見は、メロンアレルギー患者の診断と治療の改善に寄与する可能性がある。

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期待が大きいと失望も大きい:プラセボをおくことの重要性を教えてくれた試験。(コメンテーター:桑島 巌 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(194)より-

腎除神経術(RND)は治療抵抗性高血圧の非薬物治療としてここ数年、海外学会などで話題をさらってきた期待の治療法である。理論的には腎動脈から発信される神経刺激が中枢を刺激して交感神経を活性化させ高血圧をもたらすことは動物実験からも確認されており、腎臓からの神経遮断は血圧を下げることは理論にかなっている。しかしこの治療法の当初からの懸念は、白衣高血圧とプラセボ効果がきちんと除外されているのかということであった。 Symplicity HTN-3試験の最大の特徴は、単盲検法を採用したことと、対照群に偽手術を施していることである。このことで白衣効果やプラセボ効果を除去しようという狙いである。さらに服薬遵守についても厳格に調査していることも特徴である。 結果は、このような厳格な方法で行うと、腎除神経の降圧効果は偽手術群とほぼ同等であった。この結果は臨床医に大きな失望をもたらしたが、やはり高血圧治療は偽薬効果と白衣高血圧を除外しなければならないこと、さらに服薬アドヒアランスを確認すべきことも教訓として残した。 本試験の結果を受けてMedtronic社は、現在行われている臨床試験を中断するとの発表を行っている。 わが国では家庭血圧計あるいは24時間血圧計による治療抵抗性の確認が厳格になされていたためか、試験登録が進まなかったと言われるが、高血圧の診断と治療効果の確認には24時間血圧での評価は不可欠であることを教えてくれた試験である。 今回の結果で、RND自体が全面的に否定されたわけではない。今後どのような症例に適応があり、どの程度有効性があるかを今後の試験結果の分析から期待したい。

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Dr.香坂の循環器診療 最前線

第10回「忘れられがちな心臓疾患・・・心膜疾患と右室」第11回「この方、手術しても大丈夫?…周術期管理の真髄」第12回「みんなの心エコー」 循環器領域の診断・治療法について、最新の研究結果をカバーしながら疾患概念の本質(コア)を押さえる大好評の循環器シリーズ。最終巻では、3つのテーマについて解説します。「心膜疾患」では、心タンポナーデを中心に血行動態のしくみを身体所見に絡めて解説します。「周術期管理」では、術前評価のポイントやカテーテル手技の考え方を大きく変えた臨床試験(CARP試験)の本質と循環器内科医としての考え方や心構えについて、鋭く迫ります。そして「心エコー」では、原理を復習し、様々な評価などの基本を動画を活かして解説します。第10回「忘れられがちな心臓疾患・・・心膜疾患と右室」今回は、忘れられがちな「心膜疾患」にフォーカスを当て、心タンポナーデを中心に「心膜疾患」を血行動態のしくみを身体所見に絡めて解説していきます。タンポナーデと心嚢液貯留の境界線、心タンポナーデに特徴的な「奇脈」の測定ポイントや、心タンポナーデのエコーによる評価のポイントなどを復習していきます。また、右室そのものの疾患に関して、右室の重要性を“心原性ショック”、“移植待機症例”という2つのシナリオから、右室梗塞やStrain Patternといった新しい概念を紹介などしながら考えていきます。第11回「この方、手術しても大丈夫?…周術期管理の真髄」循環器内科に依頼がある中の一つに、「この方を手術しても大丈夫かどうか?」という依頼があります。最近、循環器内科の中でも考え方が変わってきているので、その具体的な内容を含めて説明します。香坂先生が実際に経験した症例をベースに、、術前評価に必要な新しいガイドラインの解説とそのポイント、そしてこれまでの循環器内科の考え方を大きく変えた臨床試験(CARP試験)の本質と循環器内科医としての考え方や周術期管理における心構えについて、鋭く迫っていきます。第12回「みんなの心エコー」大好評の循環器シリーズも最終回。最後に取りあげるテーマは「心エコー」です。心エコーの原理を復習し、プローブを充てる位置や角度の切り替えなどで画像を三次元に再構成する壁運動の評価や、弁や壁の異常を発見できるドップラー効果を用いた血流評価、右室、大動脈解離、卵円孔開存などの形態評価など、心エコーの基本を症例動画を用いて解説します。さらにエコーを適切に利用するためにはどのようなデータを元に考えていけば良いかを学ぶことで、さらにその先へ進むヒントも示します。

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