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原因不明の神経障害→もしかして●●●?

 2015年2月28日は「Rare Disease Day 2015世界希少・難治性疾患の日」である。これに先駆けて、2015年2月13日、都内にてファイザー株式会社が「家族性アミロイドポリニューロパチー」をテーマにプレスセミナーを開催した。本セミナーでは、演者に安東 由喜雄氏(熊本大学大学院生命科学研究部 神経内科学分野 教授)を迎え、希少疾患である同疾患について、診断方法と治療方法を中心に講演が行われた。 本疾患は他の疾患との鑑別に苦慮することが多く、診断時には手遅れであることも多い。安東氏は、適切な鑑別と専門医への早期紹介の重要性を強調した。以下、セミナーの内容をレポートする。家族性アミロイドポリニューロパチー(FAP)とは 家族性アミロイドポリニューロパチー(familial amyloidotic polyneuropathy:FAP)は遺伝性・進行性の致死的な神経疾患である。20代後半から30代に発症するケースが多く、10:1の比率で男性が大多数を占める。症状は緩徐進行性で、肝移植を行わない場合は、発症からの平均余命は約10年である。現在、国内の推定患者数は1,000人程度と考えられており、厚生労働省による難治性疾患克服研究事業の対象疾患に指定されている。 FAPは末梢神経、自律神経系、心、腎、消化管、眼などにアミロイドが沈着することで臓器障害を起こす、予後不良のアミロイド症である。常染色体優性遺伝を示すため、通常家族歴が認められるが、孤発例も少なくない。日本では熊本・長野に患者が集中しており、長年風土病とされてきた背景がある。 FAPの臨床症状は末梢神経障害、自律神経障害、臓器障害の3つからなる。初発症状として最も多いものは、多発神経炎による下肢の感覚障害である。そのほかには、自律神経障害による下痢、便秘、吐気、嘔吐などの消化器症状、起立性低血圧による失神、男性では勃起不全など多彩な症状を呈し、患者はFAPと診断されるまでにさまざまな診療科を受診している。不整脈、手根管症候群による上肢の感覚障害や、硝子体混濁による視力低下を初発症状とする症例も少なくなく、初診時の診断は困難である。家族性アミロイドポリニューロパチーの診断・標準治療とその問題点 家族性アミロイドポリニューロパチーの確定診断には胃、十二指腸、腹壁の生検組織のコンゴーレッド染色、抗TTR抗体を用いた免疫染色などの組織診断、血清診断、遺伝子診断が行われる。現在、なかでも遺伝子診断が注目されており、熊本大学・信州大学の2施設で行うことができる。 FAPの進行を抑制する手段として、肝移植と、経口剤であるタファミジスメグルミン(商品名:ビンダケル)の2つがある。肝移植は、FAPが早期発見された、若い患者には第1選択となる。しかし、深刻なドナー不足や、全身状態が不良な患者では施行できないなど問題点もある。肝移植ができない患者や、肝移植を行ったが症状が出現した患者には、経口剤を使用する。経口剤は、侵襲性がない治療方法であるが、1人につき年間約3千万円と非常に高額な薬剤である。 しかし、いずれの治療法もFAPの根治療法ではないため、根治療法の出現が望まれている。また、現在の治療法は進行したFAPには効果がないため、FAPという疾患自体を啓発し、手遅れになる前に患者自身による自発的な早期受診を促していく必要もある。家族性アミロイドポリニューロパチー治療の今後の展望 2016年をめどに家族性アミロイドポリニューロパチーの抗体医薬が臨床治験に入るとされている。この抗体医薬は臓器に蓄積したアミロイドを溶かす効果があるとされており、FAPの根治療法となる可能性がある。安全な抗体医薬の登場は、FAP患者にとって希望の光となる可能性があり、実用化が強く期待されている。家族性アミロイドポリニューロパチーを早期発見するために大切なこと 家族性アミロイドポリニューロパチーは進行性・難治性の疾患の疾患であり、進行が進むと死に至ることもある。しかし、早期に発見した場合、肝移植や経口剤により、進行を遅らせることもできる。よって、いかに早く本疾患を鑑別するかが重要である。 「日常診療において、原因不明の多発神経炎などを含む種々の臓器症状に遭遇した際はFAP を疑い、漫然と治療を行う前に早期に専門医へ紹介をすることが大切である」と安東氏は強調した。

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トラマドール・アセトアミノフェン、抗うつ作用と腰痛軽減の両方に効果

 トラマドール塩酸塩/アセトアミノフェン配合錠(トラマドール・アセトアミノフェン、商品名:トラムセット)は現在、腰椎変性疾患を含む慢性疼痛の治療に汎用されている。岡山大学の鉄永 倫子氏らは、抑うつ傾向にある慢性腰痛患者に対する治療効果を非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)と比較検討した。その結果、トラマドール・アセトアミノフェンのほうが腰痛軽減に効果があり、予防的な抗うつ効果も示唆される結果が得られたことを報告した。Journal of Orthopaedic Science誌オンライン版2015年2月3日号の掲載報告。トラマドール群で抑うつスコアが有意に低かった 研究グループは、抑うつ傾向にある慢性腰痛患者に対するトラマドール・アセトアミノフェンの有効性を前向きに検討する目的で、慢性腰痛患者95例のうち自己評価抑うつ尺度(self-rating depression scale:SDS)により抑うつ性ありと認められた70例(男性26例、女性44例、平均年齢64歳)を、トラマドール・アセトアミノフェン群(以下トラマドール群、35例)またはNSAIDs群(35例)に無作為に割り付けて8週間の治療を行った。 評価項目は、疼痛(数値的評価スケール:NRS)、オスウェストリー障害指数(ODI)、疼痛生活障害評価尺度(Pain Disability Assessment Scale:PDAS)、Hospital Anxiety and Depression Scale(HADS)、SDS、疼痛破局的思考尺度(Pain Catastrophizing Scale:PCS)であった。 抑うつ傾向にある慢性腰痛患者に対するトラマドール・アセトアミノフェンの有効性を検討した主な結果は以下のとおり。・8週後のNRSおよびSDSは、NSAIDs群よりトラマドール群で有意に低かった(p<0.05)・ODI、PDASおよびPCSは、両群間で有意差はなかった(それぞれp=0.47、0.09、0.47)。・HADSの不安スコアは両群間で差はなかったが(p=0.36)、HADSの抑うつスコアはNSAIDs群よりトラマドール群で有意に低かった(p<0.05)。・治療関連有害事象の発現率は、両群で同程度であった。

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認知症の糖尿病合併、どのような影響があるか

 糖尿病は、認知障害およびアルツハイマー病(AD)の急速な進行のリスク因子として認識されているが、これまで糖尿病合併の有無により、AD患者の認知機能および日常生活機能低下の程度が異なるか否かについては明らかとなっていなかった。米国・イーライリリー社のHaya Ascher-Svanum氏らは、軽度AD患者における糖尿病の有無が認知機能および日常生活機能に及ぼす影響を検討した。その結果、糖尿病合併例は非合併例に比べ、日常生活機能が有意に低下していること、有意差はなかったものの認知機能低下の程度がより大きかったことを報告した。Clinical Therapeutics誌オンライン版2015年2月9日号の掲載報告。 研究グループは、事後探索的解析にて、糖尿病合併AD患者と糖尿病非合併AD患者の18ヵ月にわたる認知機能および日常生活機能低下について比較した。また、副次目的としてQOL低下について評価した。AD患者を対象としたソラネズマブおよびセマガセスタット関する3件の18ヵ月間無作為化プラセボ対照試験のプラセボ群のデータを分析した。軽度AD(Mini-Mental State Examination[MMSE]スコア20~26)で、ベースライン時に糖尿病を合併している患者と非合併患者のデータを比較し、認知機能について14項目 AD Assessment Scale-Cognitive Subscale(ADAS-Cog14)およびMMSEを用いて評価した。日常生活機能については、AD Cooperative Study-Activities of Daily Living Inventory(instrumental subset)(ADCS-iADL)により評価した。QOLはEuropean Quality of Life-5 Dimensions scale、プロキシバージョン(proxy utility score and visual analog scale score)、AD患者におけるQOLスコア(Quality of Life in AD scale)、患者の自己報告、プロキシ(介護者)バージョンを用いて評価した。ベースラインから18ヵ月後までの認知機能、日常生活機能、QOL測定値の変化に関する群間比較は、傾向スコア、試験、ベースライン時の認知スコア(機能的あるいはQOL)、年齢、性別、教育レベル、アポリポ蛋白E遺伝子のゲノタイプ、投与中のアセチルコリンエステラーゼ阻害薬とメマンチンで補正した反復測定モデル用いた。 主な結果は以下のとおり。・ベースライン時、軽度AD患者の認知機能は糖尿病合併の有無による有意な差は認められなかったが、非合併患者では日常生活機能を示す数値が有意に高かった。・18ヵ月後において、糖尿病合併患者は糖尿病非合併患者と比較して、統計的に有意でなかったが認知機能低下の程度が大きかった[群間差の最小二乗平均:ADAS-Cog14スコア1.61(p=0.21)、MMSEスコア-0.40(p=0.49)]。・また日常生活機能については、糖尿病合併患者において統計学的に有意な低下が認められた(群間差の最小二乗平均:ADCS-iADLスコア-3.07、p=0.01)。・QOL低下に関して両群間に有意な差はみられなかった。 結果を踏まえて著者らは、「軽度AD患者の日常生活機能低下に糖尿病が影響する可能性が示唆された。今回の事後探索的解析の限界を踏まえて、確認された差異の原因を究明すべく研究の積み重ねが期待される」とまとめている。関連医療ニュース 日本人の認知症リスクに関連する食習慣とは? 長期抗コリン薬使用、認知症リスク増加が明らかに 認知症、早期介入は予後改善につながるか

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献血後のHb回復に鉄サプリが有効/JAMA

 献血後の低用量鉄分サプリメント服用は、非服用と比較して、ヘモグロビン値の80%回復までの期間を短縮することが、米国・輸血医療研究所(Institute for Transfusion Medicine、ピッツバーグ)のJoseph E. Kiss氏らによる非盲検無作為化試験の結果、示された。服用群の回復までの期間中央値は76日だった。また期間の短縮は、試験のベースラインで層別化したフェリチン値低値(26ng/mL以下)群または高値(26ng/mL超)群ともにみられたという。米国では献血の間隔を8週間空けることとされているが、献血者のヘモグロビン値標準値(12.5g/dL)への回復が遅れる頻度が高く、一部の献血者では貧血になることがみられるという。研究グループは、献血後の鉄分貯蔵状態への鉄サプリ服用の効果を調べるため本検討を行った。JAMA誌2015年2月10日号掲載の報告より。全血献血後24週間、鉄サプリ服用vs. 非服用で検討 試験は2012年、米国内4地域の輸血センターで行われた。被験者は、過去4ヵ月以内に全血または赤血球の献血歴のなかった18~79歳の215例で、フェリチン値、性別、年齢で層別化して検討した。 被験者を、全血1単位(500mL)を献血後24週間、経口グルコン酸第一鉄(元素鉄37.5mg含有)を毎日服用する群または服用しない群に、非盲検下で無作為に割り付けた。 主要評価項目は、ヘモグロビン値の献血後低下から80%回復までの期間、およびフェリチン値のベースライン値回復までの期間とした。鉄分貯蔵状態の回復までにかかった期間中央値、服用群76日、非服用群は168日超 ベースライン時の平均ヘモグロビン値は、鉄分補充群と非補充群で類似していた。 同値は、フェリチン低値群は、13.4(SD 1.1)g/dLから献血後は12.0(1.2)g/dLに、同高値群は14.2(1.1)g/dLから12.9(1.2)g/dLにそれぞれ低下していた。 ヘモグロビン値80%回復までの期間は、鉄サプリ服用群が非服用群と比較して、フェリチン低値群(補充群32日[IQR:30~34] vs. 非補充群158日[126~>168])、高値群(31日[29~33] vs. 78日[66~95])ともに短縮が認められた。 フェリチン値のベースライン値回復までの期間中央値は、フェリチン値低値群・鉄サプリ服用群では21日(IQR:12~84)であった。一方、同低値群・非服用群の回復は168日より長期間を要した(同:128~>168)。フェリチン値高値群・鉄サプリ服用群は107日(同:75~141)、同非服用群は168日より長期(同:>168~>168)であった。 鉄サプリを服用した全被験者の鉄分貯蔵状態の回復までにかかった期間中央値は、76日であった(IQR:20~126)。一方、非服用者は、168日より長期間を要し(同:147~>168)、有意差が認められた(p<0.001)。非服用群では、67%が、168日までに鉄分貯蔵状態が回復しなかった。

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脳梗塞、最新デバイスによる早期介入が有効/NEJM

 CT灌流画像法(CT perfusion imaging:CTP)で近位部大脳動脈輪閉塞と救助可能な組織(salvageable tissue)の残存が確認された虚血性脳卒中患者では、ステント型血栓回収デバイスSolitaire FRを用いた早期血管内治療が、アルテプラーゼ(rt-PA)治療単独と比較して、再灌流や早期神経学的回復および機能的アウトカムを改善することが示された。オーストラリア・王立メルボルン病院のB.C.V. Campbell氏らが、無作為化試験EXTEND-IAを行い報告した。虚血性脳卒中の患者に対する血管内治療の試験報告にはばらつきがあることから、研究グループは、より最新の画像診断やデバイスを用いた早期の介入が、アウトカムを改善するのかについて検討した。NEJM誌オンライン版2015年2月11日号掲載の報告より。24時間時点の再灌流と3日時点の早期神経学的改善の2つが主要アウトカム 試験は、虚血性脳卒中患者を、発症後4.5時間以内のrt-PA(0.9mg/kg体重)治療とSolitaire FRによる血管内治療を受ける群(血管内治療群)、またはrt-PA治療単独を続ける群(rt-PA治療単独群)に無作為に割り付けて行われた。 全患者はCTPにて、内頸動脈または中大脳動脈の閉塞と救助可能な脳組織と70mL未満の虚血中心部(ischemic core)を有していることが確認された。 主要アウトカムは2つで、24時間時点の再灌流と早期の神経学的改善(3日時点でNIHSS[National Institutes of Health Stroke Scale]スコアが8ポイント以上低下、またはスコアが0か1)であった。副次アウトカムには、修正Rankin尺度で評価した90日時点の機能スコアなどが含まれた。主要アウトカムいずれも、血管内治療群で有意に改善 試験は計画では、オーストラリアとニュージーランドの14施設で100例を登録して行う予定であったが、70例(各群35例)が無作為化を受けた時点で有効性が確認されたとして早期終了となった(2012年8月~2014年10月、10施設[うち1施設がニュージーランド])。 結果、24時間時点で虚血部位の再灌流が認められた割合は、rt-PA治療単独群よりも血管内治療群が有意に高かった(中央値100% vs. 37%、p<0.001)。 脳卒中発症後、中央値210分で開始した血管内治療は、3日時点の早期神経学的改善者の割合を有意に増大した(80% vs. 37%、p=0.002)。また、90日時点の機能アウトカムも改善し、機能的独立に至った患者の割合は血管内治療群が有意に多かった(修正Rankin尺度のスコア0~2:71% vs. 40%、p=0.01)。 死亡率(血管内治療群9% vs. rt-PA治療単独群20%、p=0.31)や症候性脳内出血(発生なし[0%] vs. 6%、p値NA)については、有意差はみられなかった。

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1分でわかる家庭医療のパール ~翻訳プロジェクトより 第17回

第17回:慢性腰痛に対してのオピオイド~短期間は有効だが、長期間投与の効果と安全性ははっきりしない監修:吉本 尚(よしもと ひさし)氏 筑波大学附属病院 総合診療科 慢性腰痛は、外来で多い訴えの1つです。慢性腰痛を持つ患者さんが疼痛コントロールに苦しんで受診されることが多く、総合診療外来医師、整形外科医師が治療に難渋していることも多いです。 2011年4月にトラムセット(トラマドール+アセトアミノフェン合剤)が承認されてから、NSAIDsで対応困難なケースなどに対して、わが国でもオピオイドの使用が以前よりも身近なものになってきています。また、他のオピオイド内服もしくは、パッチ剤(フェンタニル剤)を貼付されているケースも散見します。 オピオイドは疼痛コントロールに有効といわれますが、便秘や嘔気といった副作用などに悩み、長期に投与してよいものかと考えることがたびたびあります。長期使用の安全性は明らかになっておらず1), 2)、個人的には慎重に使用したいと考えます。日本では、慢性腰痛に対して、日本ペインクリニック学会が作成した神経障害性疼痛薬物療法ガイドライン3)もあり、参考になると思います。 以下、American Family Physician 2014年8月15日号1)、The Cochrane database of systematic reviewsオンライン版 2013年8月27日版2)よりオピオイドは、慢性腰痛の治療に有効か?randomized controlled trialsのMeta-analysis 慢性腰痛には、オピオイドが短期間の疼痛の緩和と機能改善に多少有効であると一般的に考えられている。しかしながら、長期間のオピオイド使用でのデータは、ほとんど存在していない。長期間のオピオイド使用については、議論の分かれるところである。医師は、患者に疼痛の緩和を求められるが、長期間のオピオイドを使う際には投薬調節と安全性への配慮も求められる。トラマドールとプラセボを比較した5つの研究には、方法論的なバイアスがあったが、概して患者はプラセボより多くの痛みが減り、機能的なアウトカムもより改善することを示した。痛みの改善はSMD(標準化平均差)、-0.55( 95% CI -0.66~-0.44、low quality evidence)、機能の改善は SMD、-0.18( 95% CI -0.29~-0.07、moderate quality evidence)であった。2つの研究では、経皮ブプレノルフィンとプラセボを比較した。ブプレノルフィンの2つの研究では、エビデンスレベルは低く、プラセボより痛みが減るが、機能は改善しないことが判明した。痛みの改善はSMD、-2.47( 95% CI -2.69~-2.25、very low quality evidence)、機能の改善はSMD、-0.14( 95% CI -0.53~0.25、very low quality evidence) であった。5つの強オピオイドの研究では、痛みが減り、機能改善することが判明した。痛みの改善はSMD、-0.43( 95% CI -0.52~-0.33、moderate quality evidence)機能の改善はSMD、-0.26(95% CI -0.37~-0.15、moderate quality evidence)であった。いずれのトライアルも研究の質は低~中等度で、中断率が高く、観察期間が短く、機能改善の定義が限定されている。オピオイドの長期使用に関するトライアルは、さまざまなリスクを総合的に評価するなど慎重に行うべきである。慢性腰痛に対するオピオイドの長期間の効果と安全性を示しうるRCTはない。※本内容は、プライマリケアに関わる筆者の個人的な見解が含まれており、詳細に関しては原著を参照されることを推奨いたします。 1) HENRY C. BARRY. Am Fam Physician. 2014; 90: 259B-C. 2) Chaparro LE, et al. Cochrane Database Syst Rev. 2013; 8: CD004959. 3) 日本ペインクリニック学会神経障害性疼痛薬物療法ガイドライン作成ワーキンググループ 編. 神経障害性疼痛薬物療法ガイドライン. 真興交易医書出版部. 2011. 

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親切な指導医登場【Dr. 中島の 新・徒然草】(056)

五十六の段 親切な指導医登場研修医の当直や救急外来を巡っては、どこの病院でもドラマ満載の毎日だと思います。大阪医療センターも例外ではありません。考えてみれば、私が医学部を卒業したばかりの頃もいろいろありました。なんせ今のようなちゃんとした臨床研修制度なんかなかったわけですから。卒後1ヵ月で何もわからないまま市中病院で当直のアルバイトをしていると・・・頭を打った、足を切った、腹が痛い、肩が抜けた、ヘビに咬まれた、という患者さんがこちらの事情と関係なしに次々にやって来るわけです。わけがわからないなりに、こっそり教科書を読み、そしらぬ顔で診察する毎日でした。さて、現在では研修制度がしっかりしており、わからないことのある研修医は何でも指導医に尋ねることができます。とはいえ、物わかりのいい指導医ばかりではありませんし、研修医の方も夜中の2時や3時に当直医を起こすのをためらってしまいます。ところがある女性医師。なんと研修医時代には院内の指導医の代わりに開業医の父親を叩き起こしていたことが判明しました。いくら夜中でも、可愛い娘が困って電話してきたら懇切丁寧に教えてしまうのは世の父親の常。 娘 「パパ。眩暈の人が来たんだけど、どうしたらいいの」 父 「〇子ちゃん。大抵の眩暈は良性発作性頭位変換眩暈っていってね、ほっといても治っちゃうからね、なんにも心配しなくてもいいよ」 娘 「でも、なんだか心配だなあ」 父 「あのね、頭を動かしたときだけ眩暈がするんだよね」 娘 「うん」 父 「それで、じっとしていたらだんだん眩暈がなくなってくるわけだ」 娘 「そうなの」 父 「じゃあ、心配ないよ。1週間くらいで自然に治るから」 娘 「本当?」 父 「本当だよ」 娘 「CTとか撮らなくていいの?」 父 「撮らなくてもいいよ、良性だからね」 娘 「よかった!」 指導医が皆、このくらい親切だったらいいんですけどね。 娘 「パパ?」 父 「何だい」 娘 「わからないことがあったら、また電話していい?」 父 「いいよ、いいよ。いつでも電話してきなさい」 娘 「ありがとう!」 それにしても父親を利用するとは、「裏ワザここに極まれり」ですね。最後に1句親切な 指導医登場 それはパパ

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ICUの肥満パラドックス、該当する患者は?

 一般集団においては肥満が死亡率の増加と関連しているが、危篤状態の患者では、BMIが高いほど死亡率が低いという逆説的相関がみられる。これは「肥満パラドックス」と呼ばれているが、どのようなサブグループが最も影響されるのかは不明である。東京大学臨床疫学・経済学分野の笹渕 裕介氏らは、ICU入室患者について人口呼吸器の装着有無で比較することにより、肥満が低死亡率と関連するかどうかを検討した。その結果、人工呼吸器あり群ではBMIが高いと死亡率が低かったが、人工呼吸器なし群では逆J字型の関連が認められた。また両群とも低体重患者の死亡率が高かった。Respiratory care誌オンライン版2015年2月17日号に掲載。 著者らは、全国のデータベースから、2010年7月~2012年3月に退院もしくは死亡したICU入室患者33万4,238例を評価した。主要転帰は院内死亡率とした。 主な結果は以下のとおり。・評価患者のうち23.3%が、ICU入室後2日以内に人工呼吸器管理を開始していた。・人工呼吸器あり群は、人工呼吸器なし群より、敗血症、肺炎、昏睡が多くみられた。・人工呼吸器あり群は、人工呼吸器なし群より、ICU入室後2日以内により多くの治療が施行された。・制限付き3次スプライン関数によると、人工呼吸器あり群ではBMIが高いと死亡率が低かったが、人工呼吸器なし群ではBMIが増加するほど死亡率が増加した。

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寛解後、抗てんかん薬はすぐに中止すべきか

 てんかんは慢性的な神経障害であり、全世界に数百万の患者が存在する。主な治療法は抗てんかん薬(AED)であり、これにより発作を抑制し、てんかんをコントロールする。AEDは大半の症例で有効であるが、認知機能や行動の変化といった長期有害事象との関連が指摘されている。そのため、寛解を認めたらAEDを中止することが患者にとって最善だと考えられるが、その最適な中止時期については明らかとなっていなかった。英国・リバプール大学のIsabella Strozzi氏らは、AEDの最適な中止時期を明らかにするため、以前に行ったコクランレビュー(2001年第3号に発表)のアップデートを行った。その結果、小児てんかん患者において、発作寛解期間が2年未満の早期にAEDを中止した場合は再発率が高いことを報告し、抗てんかん薬は、最低2年の寛解期間を経た後に中止すべきことを示唆した。Cochrane Database Systematic Reviewsオンライン版2015年2月11日号の掲載報告。 研究グループは本レビューで、(1)成人および小児てんかん患者におけるAED早期中止または後期中止後の発作再発リスク、てんかん重積状態および死亡率を定量化し比較する、(2)発作再発リスクに影響を及ぼす因子を評価する、(3)安全にAEDを早期中止できる集団を明らかにする、ことを目的とした。Cochrane Epilepsy Group Specialised Register(2014年6月)、CENTRAL (Cochrane Library第5号、2014年5月)、MEDLINE(1946年~2014年6月)、CINAHL(2014年6月23日)、Scopus(1823年~2014年6月)、ClinicalTrials.gov(2014年6月23日)、WHO International Clinical Trials Registry Platform(2014年6月23日)を検索した。また、電子検索で検出された研究の参考文献一覧についても調査した。 成人および小児てんかん患者において、発作寛解期間別にAED中止による影響を評価した無作為化対照試験、早期(発作寛解期間2年未満)のAED中止と後期(発作寛解期間2年以上)のAED中止を比較した研究を検索対象とした。評価者2人が個別にデータを抽出し、試験の質を評価した。各試験におけるリスク比(RR)を95%信頼区間(CI)とともに、また二分法データの要約RRと95%CIは固定効果モデルを用いて算出した。統合RR算出それぞれについて、統計学的不均一性を検査した。また、各対象試験は、Cochrane Handbookの推奨に基づき「バイアスリスク」を評価。GRADE systemによって情報の全体的な質を評価し、2つのSummary of Findingsという表を提示した。 主な結果は以下のとおり。・5件の試験、無作為化された小児てんかん患者924例をレビューの対象とした。・無作為化時の年齢はすべて16歳以下、追跡期間中央値は5.6年であった。・成人を対象とした試験、死亡率あるいはてんかん重積状態をアウトカムとした試験のなかで適格なものはなかった。・AED中止後の発作再発の統合RRは1.34(95%CI:1.13~1.59、p=0.0007)であった。この推定値に基づくと、有害必要数(早期AED中止により1例の発作再発リスクが増加するのに必要な人数)は8例であった(95%CI:5~20)。・統合RR 1.51(95%CI:0.97~2.35、p=0.07)という結果から、AEDの早期中止は部分発作患者における高い再発率と関連することが示された。・欠神発作タイプは、低い再発リスクと関連していた。・EEG所見異常(統合RR:1.44、95%CI:1.13~1.83、p=0.003)、その中でもてんかん様活動(同2.58、2.03~3.28、p<0.0001)、2歳未満あるいは10歳以降での発作発症、てんかん重積状態の既往、知的能力障害(IQ 70未満)、治療前および治療中の発作多発は、高い再発リスクと関連していた。・性別および家族歴と発作再発との間に有意な関連は認められなかった。・全体的にみると、対象とした試験は方法論的な情報に関する報告がなく、オリジナルの試験報告者による情報提供もなかったため、バイアスリスクは低いあるいは不明確と判断された。 ・小児、とくにEEG異常および部分発作の両方(あるいは一方)を有する小児患者は、少なくとも2年の無発作期間を経過した後にAEDを中止すべき、ということを支持するエビデンスが示されていた。・全般発作を有する小児患者については、AEDの中止時期を明確にするエビデンスは不十分であった。・発作を認めない状態にある成人患者のAED中止時期を示すエビデンスはなかった。・最適なAED中止時期と再発を予測するリスク因子を特定するために、より質の高い無作為化対照試験、とくに成人や全般発作の患者を対象とした試験が必要と思われた。関連医療ニュース 小児てんかん、複雑な経過をたどる 抗精神病薬の種類や剤形はアドヒアランスに影響するのか 統合失調症に対し抗精神病薬を中止することは可能か  担当者へのご意見箱はこちら

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心不全、心筋梗塞、肺炎で入院の高齢者の再入院・死亡リスク/BMJ

 心不全や急性心筋梗塞、肺炎で入院した高齢者は、退院後数ヵ月にわたり、再入院や死亡リスクが高い状態にあることが明らかにされた。初回再入院リスクが最大値から50%に減少するのは、心不全で退院後38日だった。米国・コロンビア大学医療センターのKumar Dharmarajan氏らが、メディケアに加入する米国高齢者300万人超のデータについて分析し明らかにした。結果を踏まえて著者は、「高齢患者は退院後、しばらくの間は健康に関して用心することが必要である。一方、医療提供者は、退院後高齢患者の絶対リスクや回復への軌跡に関する知識を活用することで有害転帰を軽減する介入を行うことができるだろう」とまとめている。BMJ誌オンライン版2月5日号掲載の報告より。初回再入院と退院後1年死亡リスクの軌跡を分析 研究グループは、2008~2010年に米国内4,767ヵ所の病院に入院した65歳以上のメディケア出来高払いプラン加入者について、後ろ向きコホート試験を行った。300万人超の同プラン加入者のうち、心不全や急性心筋梗塞、肺炎で入院後、生存退院した人を対象に、退院後の入院や死亡リスクについて分析を行った。 主要評価項目は、初回再入院と退院1年後までの死亡の1日ごとの絶対リスクだった。そうしたリスクの軌跡をたどるため、再入院と死亡について、同リスクが最大値から50%まで減少するまでに要する日数などを求めた。死亡リスクが最大値から半減、心不全11日、心筋梗塞6日、肺炎10日 その結果、退院1年後までの再入院と死亡の発生率は、心不全で入院した患者はそれぞれ67.4%と35.8%、急性心筋梗塞で49.9%と25.1%、肺炎で55.6%と31.1%だった。 初回再入院リスクが最大値から50%に減少するのは、心不全で退院後38日、急性心筋梗塞で同13日、肺炎で同25日だった。死亡については、それぞれ11日、6日、10日だった。 初回再入院リスクが最大値から95%減少したのは、心不全で45日、急性心筋梗塞で38日、肺炎で45日だった。死亡リスクについて最大値から95%減少したのは、それぞれ21日、19日、21日だった。 一方、心不全、急性心筋梗塞、肺炎で入院した人は、入院をしていない人に比べて、退院後90日間の再入院リスクはそれぞれ8倍、6倍、6倍高かった。同期間の死亡リスクについても、それぞれ11倍、8倍、10倍高かった。

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甲状腺がん新薬、無増悪生存期間を大幅延長/NEJM

 ヨウ素131治療抵抗性の進行性甲状腺がんに対し、レンバチニブ(国内承認申請中)は、無増悪生存期間を大幅に延長し、増悪・死亡リスクを約8割低減することが示された。フランス・ギュスターヴ・ルシィ研究所のMartin Schlumberger氏らが第III相無作為化二重盲検多施設試験の結果、報告した。レンバチニブは、血管内皮増殖因子受容体1、2、3、線維芽細胞増殖因子受容体1~4、血小板由来増殖因子受容体α、RET、KITの経口阻害薬で、ヨウ素131治療抵抗性の分化型甲状腺がん患者を対象とした第II相試験で臨床活性を示したことが報告されていた。NEJM誌2015年2月12日号掲載の報告より。レンバチニブ1日24mgを投与 研究グループは、ヨウ素131治療抵抗性の進行性甲状腺がんの患者392例を対象に、レンバチニブの安全性、有効性について検討した。 被験者を無作為に2群に分け、一方にはレンバチニブ(1日24mg、28日サイクル、261例)を、もう一方にはプラセボ(131例)を投与した。なお、プラセボ群の患者には、病勢の進行が認められた時点でオープンラベルによるレンバチニブ投与が可能だった。 主要評価項目は、無増悪生存期間だった。副次評価項目は、奏効率、全生存期間および安全性などだった。レンバチニブ群の無増悪生存期間の中央値は18.3ヵ月、プラセボは3.6ヵ月 結果、無増悪生存期間の中央値は、プラセボ群が3.6ヵ月だったのに対し、レンバチニブ群は18.3ヵ月と、有意に延長した(進行または死亡に関するハザード比:0.21、99%信頼区間:0.14~0.31、p<0.001)。 奏効率は、プラセボ群1.5%に対し、レンバチニブ群は64.8%(完全寛解は4例、部分寛解は165例)だった(p<0.001)。 治療に関連した有害事象は、レンバチニブ群の40%で認められ、高血圧(67.8%)、下痢(59.4%)、疲労感または無力感(59%)、食欲減退(50.2%)、体重減少(46.4%)、悪心(41.0%)だった。 薬の有害作用により服用を中止した人は、プラセボ群の3例に対し、レンバチニブ群は37例(14.2%)だった。さらに、レンバチニブ群の死亡20例のうち、レンバチニブに関連した死亡と考えられたのは6例であった。

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エナジードリンクを飲む学生ほど食生活は不健康

 エナジードリンクを飲む学生ほど不健康な食生活を送り、BMI値が高いことが、米・テキサス大学オースティン校のNatalie S Poulos氏らの調査により報告された。これまでもエナジードリンク摂取と不健康な生活習慣については知られていたが、若年者での調査はほとんど実施されていなかった。 調査対象は、南西部広域にある大学の新入生585人で、平均年齢は18.7歳、女性が56%であった。人種の内訳は、非ヒスパニック系白人が47%、ヒスパニック系が20.9%、25.5%がアジア系、2.7%が非ヒスパニック系黒人、その他は4.4%であった。直近1週間のエナジードリンクの摂取と食生活を自己報告形式で調査した。 食生活の調査には、炭酸飲料、ダイエット炭酸飲料、塩気のあるスナック類、甘いスナック類、ファストフード、レストランの食事、冷凍食品、果物、野菜、牛乳、朝食摂取が含まれていた。 エナジードリンクを飲む人と飲まない人の食生活は、線形回帰分析で解析された。 主な結果は以下のとおり。・直近1週間にエナジードリンクを飲んだ学生は17.5%であった。・エナジードリンクを飲む学生は、男性、白人、BMIが高い傾向にあった。・エナジードリンクを飲む学生は、直近1週間の果物、野菜、牛乳、朝食摂取の割合が低かった。・エナジードリンクの消費は、炭酸飲料と冷凍食品の消費増大と関連がみられた。 著者らはこれらの結果を踏まえて、「今後の学生に対する食事介入では、エナジードリンクによる影響について検討する必要がある」と述べた。

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患者だけで十分!?明日はわが身 院内感染

 2015年2月17日、都内にて、感染症対策に関するセミナー(主催:日本ベクトン・ディッキンソン株式会社)が行われた。院内感染リスクの高さと対策の難しさ はじめに、賀来 満夫氏(東北大学大学院 内科病態学講座 感染制御・検査診断学分野 教授)が、米国におけるエボラ出血熱の二次感染を例に、医療環境における感染症リスクの高さについて述べた。 一方で、感染症対策には「誰でも感染する可能性がある」「原因菌が目に見えない」「感染後すぐに症状が発現しない」「必ずしも診断が容易ではない」といった特有の難しさがある。それ故、知らない間に感染拡大が起こる可能性があり、注意が必要である。 アメリカ疾病予防管理センター(CDC)の病院感染制御の目標でも、患者の安全確保に加えて、医療従事者の安全確保が挙げられている。しかし、わが国の医療従事者において、自身に対する感染制御の意識は必ずしも高いとは言えない。医療従事者の感染は患者にもリスクとなることを念頭に置き、患者と医療従事者の双方が協力し合い、感染予防に取り組んでいくことが重要である。米国における針刺し予防対策の歴史 次に、ジェニーン・ジェーガー氏(バージニア大学 医療システム学部 内科学 教授)が、米国の針刺し予防対策について説明した。米国でも以前は針刺し事故が多かったが、2000年の針刺し安全予防法の制定以降、安全機構付きの器材が普及し、針刺し事故は減少傾向にあるという。ただし、器材購入のみではその効果は限定的であり、器材を扱うプロセスも含めたトータルマネジメントが重要であると強調した。日本における針刺し事故の現状 わが国においても年間45~60万件の針刺し事故が起こっている。1999~2009年のC型肝炎の新規感染原因の割合をみると、約3分の1が院内感染で発症しているという報告もある。また、インスリン、抗がん剤、インターフェロンといった在宅医療での自己注射の普及に伴い、家庭・オフィス・公共施設など医療機関以外の針刺し事故が増加傾向にある。 患者を含めた一般の人々の感染症に対する危機意識はまだ低く、社会全体で危機管理を行っていく必要があるだろう。

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FAST-MAG試験:脳保護作用を有する硫酸マグネシウムの病院到着前投与は無効(解説:中川原 譲二 氏)-315

 脳卒中が疑われる患者に対し、病院到着前に神経保護療法として硫酸マグネシウムの投与を行っても、予後は改善されないことが、米国南カリフォルニア大学のJeffrey L Saver氏らが行ったFAST-MAG試験で示された(NEJM誌2015年2月5日号掲載)。硫酸マグネシウムは、脳卒中の前臨床モデルで神経保護作用を有し、ヒトでは発症早期の投与において有効性の徴候および許容可能な安全性プロファイルが確認されている。病院到着前神経保護薬投与を無作為化試験で評価 FAST-MAG試験は、脳卒中が疑われる患者に対して症状発現後2時間以内の硫酸マグネシウム投与の有用性を評価する、多施設共同二重盲検プラセボ対照無作為化第III相試験である(米国国立神経疾患・脳卒中研究所[NINDS]の助成による)。最初の負荷用量(硫酸マグネシウム4gを生理食塩水54mLに溶解し、15分でボーラス投与)は、病院到着前に救急隊員により開始され、病院到着後は24時間の維持療法(同16gを同240mLに溶解し、10mL/時)が行われた。主要評価項目は、修正Rankinスケール(mRSスコア:0~6点、点が高いほど障害が高度)による90日後の機能障害の程度であった。74.3%の患者で症状発現後1時間以内に投与が開始 2005年1月~2012年12月までに1,700例が登録され、マグネシウム群に857例、プラセボ群には843例が割り付けられた。全体の平均年齢は69(±13)歳、女性が42.6%で、治療前の脳卒中重症度評価のためのロサンゼルス運動スケール(LAMS、0~10点、点が高いほど運動麻痺が重度)の平均スコアは3.7(±1.3)であった。評価イベントの最終診断は脳虚血が73.3%、頭蓋内出血が22.8%、脳卒中類似病態が3.9%であった。脳卒中症状がないことが最後に確認された時刻から研究薬剤投与開始までの期間中央値は45分(四分位範囲:35~62)であり、74.3%の患者で症状発現後1時間以内に投与が開始された。両群間に機能障害のアウトカムに差はなし 90日後の両群のmRSスコアの患者分布は、0がマグネシウム群18.7%、プラセボ群18.4%、1が16.3%、16.2%、2が18.4%、18.3%、3が13.3%、13.3%、4が10.5%、10.6%、5が10.1%、10.2%、6は12.7%、13.0%であり、両群間には機能障害のアウトカムに差を認めなかった(Cochran-Mantel-Haenszel検定:p=0.28)。同様に、90日後のmRSスコアの平均値は、両群ともに2.7であった(p=1.00)。一方、死亡率(マグネシウム群15.4 vs. プラセボ群15.5%、p=0.95)や、重篤な有害事象(51.2 vs. 50.1%、p=0.67)、症候性頭蓋内出血(2.1 vs. 3.3%、p=0.12)についても両群で有意差はなかった。超急性期治療の開始は救急車内から可能 硫酸マグネシウムの病院到着前投与は安全であり、脳卒中症状発現後2時間以内に治療を開始することが可能であったが、90日後の機能障害のアウトカムを改善できなかった。しかし、著者らは「薬剤の投与は、これまでのどの試験よりも迅速に行われ、患者の約4分の3で“golden hour”と呼ばれる発症後60分以内に治療が開始されており、救急車内での超急性期治療の開始というシステムに関する目的は達成された」と指摘している。 近年進歩が目覚ましい脳梗塞の血流再開療法では、治療成績の向上のためには発症から血流再開までの時間短縮が重要であることが明確となっており(International Stroke Conference 2015)、わが国でも脳梗塞患者の救急搬送と脳卒中センターでの診療が迅速に行われる体制の整備が必須となっている。神経保護治療の開始が救急車内から可能であることで、将来は、神経保護治療下での血流再開療法により脳梗塞急性期治療のさらなる成績の向上が期待される。

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再発乳がんの予後にKi-67の変動が関連

 乳がんは原発巣と再発部位でバイオマーカーの状態に変化がみられる。しかし、その臨床的意義は、とくに乳房温存術後の同側乳房内再発(IBTR)患者において、明らかになっていない。日本乳学会の共同研究グループでは、原発巣とIBTRのバイオマーカー(ER、HER2、Ki-67)を比較し、その変動が、再発後の予後に影響するかどうか検討した。その結果、Ki-67が増加もしくはIBTRで高値のままだと、IBTR後の予後が悪いことが示唆された。European journal of surgical oncology誌オンライン版2015年2月7日号に掲載。 本研究では、遠隔転移のないIBTR患者117例に対して、原発巣とIBTRにおけるER、HER2、Ki-67を調べた。 主な結果は以下のとおり。・IBTRの外科切除後、ERおよびHER2の変化と遠隔無病生存率(DDFS)との間に関連はみられなかった。一方、原発巣からIBTRへのKi-67の変動は、DDFSと有意に相関していた(調整前:p=0.0094、調整後:p=0.013)。・Ki-67が“増加もしくは高値のまま”のグループのDDFSは、“減少もしくは低値のまま”のグループに比べて有意に低かった(5年DDFS:55.5%対79.3%、log-rank検定 p=0.0084)。

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特別講演会『川崎協同病院事件に見る医療倫理と司法倫理』のご案内

 順天堂大学大学院医学研究科 研究基盤センター分室の坪内 暁子 氏ら、患者・医療者・社会の権利に附随する諸問題について考える研究会は、2月27日(金)18時より、特別講演会『川崎協同病院事件に見る医療倫理と司法倫理』を開催する。本講演は、研究会のメンバーだけでなく、財団会員、若手医療者、MLS会員、医学生・法科大学院生などの聴講も幅広く歓迎している。 開催概要は以下のとおり。■講演会概要 映画『終の信託』のモデルにもなった川崎協同病院事件の弁護人・矢澤 曻治 氏を講演者に、産婦人科学会ほかを動かし無過失保障制度に繋がっていたといわれている福島県立大野病院事件の弁護人・安福 謙二 氏を座長として迎え、リスボン宣言10章に記載されている、日本では馴染みのない安楽死・尊厳死を題材にお話を伺う。■座長:安福 謙二 氏(福島県立大野病院事件弁護人)■演者:矢澤 曻治 氏(川崎協同病院事件弁護人)■日時2015年2月27日(金) 18:00~20:00(※17:30開場)■場所ウェルリンク株式会社 会議室東京都文京区湯島1-5-28 ナーベルお茶の水 2階地図はこちら■対象本研究会メンバー、財団会員、若手医療者、 MLS会員、医学生・法科大学院生など■参加費:無料■主催患者・医療者・社会の権利に附随する諸問題について考える研究会■問い合わせ先順天堂大学研究基盤センター分室 助教 坪内 暁子(研究代表者)E-mail:akiko@juntendo.ac.jp電話:03-3813-3111内線:3294(※席数に限りがあるため、参加を希望される場合は上記まで事前にご連絡をお願いいたします)■「特別講演会 川崎協同病院事件に見る医療倫理と司法倫理」について詳細はこちら

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薬物過剰摂取のリスクを高める薬物は

 米国・テキサス大学健康科学センター・サンアントニオ校のBarbara J. Turner氏らは、非がん性疼痛に対してオピオイド等を投与された患者を対象に後ろ向きコホート研究を行った。結果、オピオイドならびにベンゾジアゼピン系薬の長期投与は薬物過剰摂取と関連しており、オピオイドのリスクはうつ病患者で最も高いこと、うつ病患者では抗うつ薬の長期使用が過剰摂取のリスクを低下させるが、非うつ病患者ではすべての抗うつ薬使用が過剰摂取のリスクを高めることを報告した。Journal of general internal medicine誌オンライン版2015年2月4日号の掲載報告。 本検討で研究グループは、オピオイド、ベンゾジアゼピン系薬、抗うつ薬およびゾルピデムの処方と、精神障害患者の薬物過剰摂取の関連について調べた。対象は、HMO(健康維持機構)加入者で登録期間が1年以上、2009年1月~2012年7月の間に、非がん性疼痛に対してSchedule IIまたはIIIオピオイドを2つ以上処方された18~64歳の患者であった。評価は、オピオイドを初めて処方された後の薬物過剰摂取による初回入院または通院をアウトカムとした。予測変数として6ヵ月ごとおよび過剰摂取発現の直前6ヵ月のオピオイド使用(1日平均モルヒネ等価量)、ベンゾジアゼピン系薬使用(1日投与量)、抗うつ薬使用(1日投与量)、ゾルピデム使用(1日投与量)を算出するとともに、精神障害(うつ病、不安症/PTSD、精神病)、疼痛関連症状、物質使用障害(アルコール、他の薬物)について調べた。 主な結果は以下のとおり。・薬物過剰摂取例は、計1,385例(0.67%)であった(発生頻度421/10万人年)。・薬物過剰摂取の補正後オッズ比(AOR)は、1日オピオイド量とともに単調に上昇した。・同AORは非うつ病またはオピオイド使用患者との比較で、うつ病かつオピオイド高用量使用(1日100mg以上)患者が最も高かった(AOR:7.06)。・うつ病患者の抗うつ薬長期使用(91~180日)は、短期使用(1~30日)あるいは未使用との比較で、薬物過剰摂取のAORが20%低かった。・非うつ病患者では、抗うつ薬使用により薬物過剰摂取のAORが増加した。未使用との比較において短期使用で最も高かった(AOR:1.98)。・全対象において薬物過剰摂取のAORはベンゾジアゼピン系薬の使用期間とともに増大し、91~180日間で未使用の2.5倍以上となった。関連医療ニュース 抗精神病薬の有害事象との関連因子は なぜSSRIの投与量は増えてしまうのか ベンゾジアゼピン処方、長時間型は大幅に減少  担当者へのご意見箱はこちら

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