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低血糖時に慌てないための方法(Dr.坂根のすぐ使える患者指導画集)

患者さん用画 いわみせいじCopyright© 2022 CareNet,Inc. All rights reserved.説明のポイント(医療スタッフ向け)診察室での会話患者 先日、低血糖になって…医師 どんな感じだったんですか?(低血糖エピソードの経過について尋ねる)患者 変な汗が出てきて、スキャンしたら血糖が58でこれはヤバいと思って、近くにある菓子パンやジュースを飲んだんですけど…その後、高血糖になって、インスリンで修正したら、下がり過ぎて…。医師 なるほど。血糖値がジェットコースターみたいだったんですね。患者 そうなんです。また、低血糖になったら、どうしようかと心配で…。医師 それなら、「15-15ルール」を活用してみてください。低血糖になったら15g程度の炭水化物、ロールパン1個ぐらいですね。それをとってから、15分後に血糖を確認してみてください。もし、まだ低いようなら15gの炭水化物を追加してみてください。患者 なるほど。今まで、慌てて、とり過ぎていました。画 いわみせいじポイント低血糖後の高血糖を予防するために、「15-15ルール」について具体例をあげてわかりやすく説明します。Copyright© 2022 CareNet,Inc. All rights reserved.

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新型コロナ感染時、外出を控える推奨期間

新型コロナウイルス感染症に感染した場合の考え方①(5類感染症移行後)5類感染症に移行後、新型コロナ患者は法律に基づく外出自粛は求められません。外出を控えるかどうかは、個人の判断に委ねられます。新型コロナウイルス感染症を他の人にうつすリスクは?⚫ 一般的に、発症2日前から発症後7~10日間はウイルスを排出しているといわれている(症状軽快後もウイルスを排出しているといわれている)。⚫ 発症後3日間は感染性のウイルスの平均的な排出量が非常に多く、5日間経過後は大きく減少する。⚫ とくに発症後5日間が他人に感染させるリスクが高いことに注意。新型コロナにかかったとき、外出を控えることが推奨される期間は?⚫ 発症日を0日目(無症状の場合は検体採取日)として5日間は外出を控え、5日目に症状が続いていた場合は、熱が下がり痰や喉の痛みなどの症状が軽快して24時間程度が経過するまでは外出を控え様子を見ることが推奨される。⚫ 発症後10日間は不織布マスクを着用したり、高齢者などハイリスク者と接触は控えるなど、周りの人に配慮する。10日を過ぎても咳やくしゃみなどの症状が続く場合は、マスク着用など咳エチケットを心がける。厚生労働省ホームページ「新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行後の対応について」(https://www.mhlw.go.jp/stf/corona5rui.html)より抜粋Copyright © 2024 CareNet,Inc. All rights reserved.新型コロナウイルス感染症に感染した場合の考え方②(5類感染症移行後)5類感染症に移行後、新型コロナ患者は法律に基づく外出自粛は求められません。外出を控えるかどうかは、個人の判断に委ねられます。家族が新型コロナウイルス感染症にかかったときは?⚫ 家族・同居人が新型コロナにかかったら、可能であれば部屋を分け、感染者の世話はできるだけ限られた人で行う。⚫ 外出する場合、新型コロナにかかった人の発症日を0日として、とくに5日間は自身の体調に注意する。7日目までは発症する可能性がある。その間、手洗いなどの手指衛生や換気などの基本的感染対策のほか、不織布マスクの着用や高齢者などハイリスク者と接触を控える。【参考】位置付け変更前との違い位置付け変更前感染症法に基づき外出自粛を求められる期間位置付け変更後(2023年5月8日~)外出を控えることが推奨される期間(個人の判断)新型コロナ陽性者(有症状)発症日を0日目として、発症後7日間経過するまで発症日を0日目として、発症後5日間経過するまで新型コロナ陽性者(無症状)・5日目の抗原定性検査キットによる陰性確認・検査を行わない場合は7日間経過するまで検査採取日を発症日(0日)として、5日間経過するまで濃厚接触者5日間の外出自粛なしかつ、症状軽快から24時間経過するまでの間厚生労働省ホームページ「新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行後の対応について(https://www.mhlw.go.jp/stf/corona5rui.html)より抜粋Copyright © 2024 CareNet,Inc. All rights reserved.

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枕とふらつき【Dr. 中島の 新・徒然草】(539)

五百三十九の段 枕とふらつきついに大阪でも梅雨明け宣言が出ました。2024年の梅雨明けは7月21日で例年より2日遅いそうです。梅雨入りが例年より15日遅かったので、梅雨自体の期間は13日短かったということになりましょうか。この計算で合ってますかね?さて、灼熱の炎天下。総合診療科を受診した男性は40歳前後。主訴はふらつきで、かれこれ1年くらい症状があるそうです。この方が言うには、立っているとふらつきが強く、座ると少しマシ、寝るとほぼ感じないとのことでした。また自転車に乗っている時にはあまり感じないけれども、USJのミニオン・ハチャメチャ・ライドに乗った時に一番ふらつきが強かったとのこと。奥さんと小学生の子供さんはケロッとしていたのに、ご本人にとってはこれ以上ないくらい目が回って気分が悪くなったのだそうです。ふらつきについては、これまでたくさんの医療機関を回り、複数回の頭部MRIを撮影したけど、とくに問題はなかったとのこと。持参された他院の頭部MRIを私が見ても、とくに異常はなさそうでした。一般的に私の考えるふらつきというのは、脳に入力される複数の情報の統合がうまくいっていない状況ではないかと思います。これらを箇条書きにすると以下のとおり。目から入る視覚情報三半規管から入る頭の向きの情報手足や背中から入る深部知覚の情報これらの情報が、脳の中で矛盾なく統合された状態の時に、人間はふらつきを感じないわけです。ところが閉眼によって視覚情報が遮断されたり、三半規管の不具合があったり、頚椎症などのために手足からの深部知覚がうまく脳に伝わらなかったりすると、ふらつきを感じてしまいます。また脳自体の問題で、情報の統合がうまくいかないということもあるでしょう。で、いろいろな身体所見から「ひょっとして頚椎に問題があるのかも?」と思った私は、全脊椎MRIを撮影することにしました。しかし頚椎は軽いヘルニアがある程度でした。また胸腰椎もとくに問題はありません。一方、この患者さん。私の初回と2回目の診察の間に、ご自分で探し出した整体に行っておられたのです。果たして整体の効果やいかに?患者さんに尋ねてみた結果は予想外のものでした。整体では背骨を触って「頚椎と腰椎の前弯が消失していますね」と言われたのだそうです。実際、全脊椎MRIではストレートネックになっており、腰椎もストレート気味でした。これがふらつきの原因かもしれない、と思った患者さんは頚の下に枕を入れて寝るようにしたそうです。それまでは枕をせずに寝ていたのだとか。枕を使うと、ふらつきが随分マシになったそうです。一体、そういうことがあるのか?私自身はあまり経験がないのでネットで調べてみました。確かに「ストレートネックは頭痛やめまいの原因になる」といった記載が数多くみられます。その多くは整形外科というよりも、整骨院のホームページになるのですが。原因やメカニズムが何であれ、治ったらOKです。整体でどのような施術をするのか、そしてその結果はどうなのか。虚心坦懐にフォローしてみようと思います。最後に1句梅雨明けて 枕をしたら 快調だ

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第106回 肺炎球菌ワクチン、「プレベナー20」一強時代の到来か

「プレベナー20」とは成人・小児共に最も有効かつエビデンスがある肺炎球菌ワクチンは「プレベナー20®水性懸濁注」(PCV20)です。小児における、「肺炎球菌(血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23F及び33F)による侵襲性感染症の予防」を効能または効果として、2024年10月から定期接種される見込みです。え…?10月…ッ!!?( ゚д゚) …   (つд⊂)ゴシゴシ  (;゚ Д゚) …!?ええっと、今7月ですよね。医療機関の契約変更、医師会やクリニックの調整、そして予診票…、もろもろの準備、間に合うんでしょうか。その想定を受けて水面下で定期接種の話が進んでいたものと推察されるので、ちゃんと間に合わせてくるのかもしれません。プレベナー13(PCV13)はPCV20の入れ替わりのような形で供給が終了になっていくものと予想されます。どちらもファイザー社製品なので、供給のバランスを取ればいいだけです。本当は、成人にも使いたいできれば成人にもPCV20を使いたいところです。――というのも、海外ではPCV20を接種するのが当たり前になっているためです。国際的には、肺炎球菌感染症のリスクが高い成人については、基本的にPCV20が推奨されています。これまで定期接種に長らく使われてきたニューモバックス(PPSV23)は、2024年4月から助成の範囲が縮小されました。5の倍数の年齢ごとにチャンスがあったものが、65歳固定になりました。基礎疾患がある場合は、60~64歳と広めに対象が設定されていますが、「チャンスが減った」ということで今後も接種率は低くなっていくかもしれません。…まあ、もともと接種率が低いんですけど…。現在、新しい肺炎球菌ワクチンとして、バクニュバンス(PCV15)が小児および成人を対象として用いられています。ただ、国際的にはPCV15を接種する場合、1年後にPPSV23を追加接種するほうが予防効果が高いとされています。現在65歳の方は、助成をフルに活用するならPPSV23→PCV15の順番で接種することが望ましいかもしれません。ただ、1回のワクチンが1万円→数千円になるくらいの助成なので、そこまでこだわらなくてもよいのではないかと思っていますが。いずれにしても、PCV15+PPSV23の連続接種が完了すると、PCV20単独よりも3つの血清型に追加防御が生じるため、こちらのほうを好む専門家もいます1)。PCV13は成人にも使用することができますが、PCV13の代わりにPCV20を導入することで、医療費の削減効果は2,039億円あるとされており、労働産生的な損失も加味すると、費用削減としては約3,526億円の効果が期待できるとされています2)。画像を拡大する図. 3種のワクチン接種プログラム(人口当たり)の費用対効果(文献2より引用、CC BY 4.0)図は、右軸にQALYの増加、縦軸に費用の増加をプロットしており、PCV13から他ワクチンに置き換わった場合の効果および費用の増分を算出しています。医薬品のアプレイザル(総合評価)では、かなりポジティブなデータとなっています。…なので、どの方向に転んでも、現時点でのエビデンスでは「PCV20推し」となるわけです。さて、肺炎球菌ワクチンは今後どうなるのか、要注目です!ちなみに、私は肺炎球菌ワクチンに関して、開示すべきCOIはありません!参考文献・参考サイト1)Mt-Isa S, et al. Matching-adjusted indirect comparison of pneumococcal vaccines V114 and PCV20 Expert Rev Vaccines. 2022 Jan;21(1):115-123.2)Shinjoh M, et al. Cost-effectiveness analysis of 20-valent pneumococcal conjugate vaccine for routine pediatric vaccination programs in Japan. Expert Rev Vaccines. 2024 Jan-Dec;23(1):485-497.

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統合失調症の肺炎リスクと抗精神病薬や抗コリン負荷との関連

 観察研究において、抗精神病薬は肺炎リスクと関連していることが示唆されているが、抗精神病薬の使用が肺炎リスクにどの程度影響を及ぼすのか、用量反応性、各薬剤と特異的に関連するかは不明である。オランダ・アムステルダム大学のJurjen J. Luykx氏らは、特定の抗精神病薬に関連する肺炎リスクを推定し、多剤併用療法、投与量、受容体結合特性が統合失調症患者の肺炎と関連しているかを調査した。JAMA Psychiatry誌オンライン版2024年6月26日号の報告。 対象は、1972〜2014年のフィンランドレジストリデータより特定された、16歳以上の統合失調症または統合失調感情障害患者。診断、入院治療、専門外来治療に関するデータは退院レジストリ、外来での治療薬に関するデーは処方箋レジストリより収集した。フォローアップ期間は1996〜2017年、データ分析は2022年11月4日〜2023年12月5日に実施した。抗精神病薬の使用量は、用量別に低用量群(WHOが定義する1日用量[DDD]:0.6未満)、中用量群(DDD:0.6〜1.1)、高用量群(DDD:1.1以上)に分類した。特定の抗精神病薬単剤療法、多剤併用療法、抗コリン負荷に応じて、低、中、高に分類した。主要アウトカムは、肺炎発症による入院とした。肺炎リスクは、抗精神病薬未使用の場合を基準とし、調整済み個別(within-individual)Cox比例ハザード回帰モデルを用いて分析した。 主な結果は以下のとおり。・対象は、統合失調症患者6万1,889例、平均年齢は46.2±16.0歳、男性の割合は50.3%(3万1,104例)であった。・22年間のフォローアップ期間中に、肺炎で1回以上入院した患者は8,917例(14,4%)、入院後30日以内に死亡した患者は1,137例(12.8%)であった。・全体では、抗精神病薬使用患者は、抗精神病薬未使用患者と比較し、肺炎リスクとの関連は認められなかった(調整ハザード比[aHR]:1.12、95%信頼区間[CI]:0.99〜1.26)。・抗精神病薬単剤療法では、抗精神病薬未使用患者と比較し、用量依存的に肺炎リスクの増加との関連が認められたが(aHR:1.15、95%CI:1.02〜1.30、p=0.03)、多剤併用療法では関連が認められなかった。・抗コリン負荷別に分類した場合、抗コリン負荷の高い抗精神病薬の使用と肺炎リスクとの関連が認められた(aHR:1.26、95%CI:1.10〜1.45、p<0.001)。・肺炎リスクの増加と関連していた抗精神病薬は次のとおりであった。【高用量クエチアピン】aHR:1.78(95%CI:1.22〜2.60)、p=0.003【高用量クロザピン】aHR:1.44(95%CI:1.22〜1.71)、p<0.001【中用量クロザピン】aHR:1.43(95%CI:1.18〜1.74)、p<0.001【高用量オランザピン】aHR:1.29(95%CI:1.05〜1.58)、p=0.02 著者らは「統合失調症患者の肺炎リスクと関連する抗精神病薬は、クロザピン(180mg/日以上)だけでなくクエチアピン(440mg/日以上)やオランザピン(11mg/日以上)も含まれることが示唆された。さらに、抗精神病薬単剤療法および抗コリン負荷の高い抗精神病薬の使用は、用量依存的に肺炎リスクを増加させる可能性がある。本知見は、肺炎リスクの高い抗精神病薬による治療を必要とする患者に対する予防戦略の必要性を示唆している」としている。

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脳転移を有するHER2低発現乳がん、T-DXdの頭蓋内奏効率は?(DESTINY-Breast04)/日本乳学会

 化学療法歴を有するHER2低発現の切除不能または転移を有する乳がん患者を対象として、トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)と治験医師選択による化学療法(TPC)を比較した第III相DESTINY-Breast04試験の、脳転移を有する患者に絞った探索的研究において、T-DXd群ではTPC群を上回る良好な頭蓋内奏効が得られたことを、昭和大学の鶴谷 純司氏が第32回日本乳学会学術総会のアンコール企画で発表した。 脳転移は、HER2低発現の転移・再発乳がん患者の約15%に生じる可能性があり、予後不良であることが報告されている。これまでのDESTINY-Breast04試験のサブグループ解析では、脳転移を有する症例であっても、T-DXd群は全体集団と同様に有意に無増悪生存期間(PFS)が延長したことが報告されているが、頭蓋内転移に対する有効性は不明であった。そこで研究グループは、DESTINY-Breast04試験のうち、ベースライン時に無症候性脳転移を認めた症例におけるT-DXdおよびTPCの頭蓋内病変に対する有効性を、脳MRIまたはCTの盲検下独立中央判定(BICR)に基づき評価した(データカットオフ:2022年1月11日)。 評価項目は、BICR判定による頭蓋内確定奏効率(cORR)(完全奏効[CR]+部分奏効[PR])、頭蓋内最良総合効果、頭蓋内臨床的有用率(CBR)(CR+PR+安定[SD])、病勢コントロール率(DCR)(CR+PR+SD)、BICR判定による中枢神経系PFS(CNS-PFS)、全生存期間(OS)であった。 主な結果は以下のとおり。・ベースライン時に無症候性脳転移を認めたのは35例で、T-DXd群が24例(うち未治療が8例)、TPC群が11例(同7例)であった。T-DXd群では、年齢中央値が高く、CDK4/6阻害薬の治療歴がない割合が高く、脳転移に対する治療として放射線療法(±外科治療)を受けていた割合が高かった。・頭蓋内cORRは、T-DXd群25.0%、TPC群0%であった。T-DXd群では、16.7%でCRが得られた。・T-DXd群およびTPC群の頭蓋内CBRは58.3%/18.2%、頭蓋内DCRは75.0%/63.6%であった。・頭蓋内最良総合効果のSwimmer Plotでは、奏効している患者はT-DXd群のほうが長い傾向を示した。・T-DXd群におけるCNS-PFS中央値は9.7ヵ月、OS中央値は16.7ヵ月であった。・最初の増悪部位別では、頭蓋内で進行(PD)と判定されたのはT-DXd群8.3%、TPC群27.3%であった。 鶴谷氏は「本探索的研究は部分集団解析であり、前治療歴などは両群で差があったことを加味する必要がある」としたうえで、「組み入れられた患者はごく少数であったが、頭蓋内の有効性データから、TPCを上回るT-DXdの有益性が示された」とまとめた。

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デュルバルマブ+化学療法±オラパリブの日本人子宮体がんに対する成績(DUO-E)/日本婦人科腫瘍学会

 進行子宮体がんに対してデュルバルマブを含む治療と標準化学療法を比較する第III相試験DUO-Eの日本人サブセット解析が、第66回日本婦人科腫瘍学会学術大会で久留米大学の西尾 真氏により発表された。 DUO-E試験では、進行再発子宮体がん1次治療のITT集団において、化学療法・デュルバルマブ併用+デュルバルマブ維持療法群および、同併用+デュルバルマブ・オラパリブ維持療法群共に、化学療法と比べ無増悪生存期間(PFS)の有意な改善が報告されている。対化学療法群におけるハザード比(HR)はそれぞれ0.71(95%信頼区間[CI]:0.57〜0.89、p=0.003)、0.55(95%CI:0.43〜0.69、p<0.0001)であった。・対象:未治療の進行StageIII/IV(FIGO2009)または再発子宮体がん・試験群1: 化学療法(カルボプラチン+パクリタキセル)+デュルバルマブ→デュルバルマブ(TC+D群)・試験群2:TC+デュルバルマブ→デュルバルマブ+オラパリブ(TC+D+O群)・対照群:TC→プラセボ(TC群)・評価項目:[主要評価項目]治験責任医判定によるPFS(TC+D群vs.TC群、TC+D+O群vs.TC群)[副次評価項目]全生存期間、安全性など 主な結果は以下のとおり。・日本人サブセットは88例(TC群32例、TC+D群30例、TC+D+O群26例)であった。・日本人サブセットはITT集団に比べPS良好例、初発例、StageIV例が多く、放射線治療歴が少なかった。・日本人患者のPFS中央値はTC群9.5ヵ月、TC+D群9.9ヵ月(対TC群HR:0.61、95%CI:0.32〜1.12)、TC+D+O群15.1ヵ月(対TC群HR:0.44、95%CI:0.22〜0.85)で、ITT集団と一貫した傾向であった。・安全性プロファイルはITT集団と一貫していた。・Grade3以上の有害事象発現はTC群の19.0%、TC+D群の10.0%、TC+D+O群の45.0%であった。 DUO-E試験の結果から、日本人の子宮体がんにおいて、化学療法+デュルバルマブおよびその後のデュルバルマブ±オラパリブが新たな治療選択肢となり得る、と西尾氏は述べた。

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尿アルブミン/クレアチニン比の基準値、30mg/gCr未満は適切?

 尿アルブミン/クレアチニン比(UACR、単位:mg/gCr)の基準値は30未満とされているが、基準値範囲内であっても、全死亡および心血管疾患リスクに影響を及ぼすことが示唆された。イスラエル・ヘブライ大学のDvora R. Sehtman-Shachar氏らの研究グループは、UACR 30未満の範囲で、全死亡および心血管疾患との関連を調査した研究を対象として、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。その結果、UACRが基準値範囲内であっても正常高値では、心血管疾患および全死亡のリスクが上昇した。本研究結果は、Diabetes, Obesity and Metabolism誌オンライン版2024年7月17日号に掲載された。 PubMedおよびEmbaseを用いて、2024年4月12日までに登録された研究のうち、UACR 30未満の範囲でUACRと全死亡、心血管疾患との関連を調査した研究を検索した。その結果、22件の文献が抽出され、15件についてメタ解析を実施した。UACRを2つのカテゴリー(10未満vs.10以上30未満)または3つのカテゴリー(5未満vs.5以上10未満vs.10以上30未満)に分けて解析した。 主な結果は以下のとおり。・UACR 10未満と比較して、10以上30未満では全死亡(ハザード比[HR]:1.41、95%信頼区間[CI]:1.15~1.74)および冠動脈疾患発症(同:1.56、1.23~1.98)のリスクが上昇した。・UACR 5未満と比較して、5以上10未満でも全死亡(HR:1.14、95%CI:1.05~1.24)および心血管死(同:1.50、1.14~1.99)のリスクが上昇した。10以上30未満では、心血管死のリスクが2倍以上に上昇した(同:2.12、1.61~2.80)。 本研究結果について、著者らは「UACR正常高値(10以上30未満)を心血管疾患リスクの高い集団として定義することを提案する。この集団に対する腎保護薬の効果を検証する研究が必要である」とまとめた。

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オピオイド拮抗薬ナロキソン、患者自己負担と処方の関連~米国/JAMA

 オピオイド使用障害の治療薬ナロキソンについて、患者の一部自己負担(cost sharing、費用分担)の廃止で、民間保険加入患者およびメディケア患者への処方調剤は増加可能であることが、米国・ミシガン大学のKao-Ping Chua氏らによる検討で示された。オピオイド使用障害による死亡が深刻な米国では、オピオイド死の抑止のために、ナロキソンへのアクセスの障壁を取り除くことが重要なステップとされている。先行研究で、費用分担がナロキソン処方調剤の障壁になっている可能性が示唆されていたが、横断研究のデザインや使用したデータベースが調剤されなかった処方箋を捕捉していないという限界があった。JAMA誌2024年7月9日号掲載の報告。費用分担とナロキソン処方箋の放棄の関連を評価 研究グループは、民間保険とメディケア保険では税控除が通常年初にリセットされることを利用して、横断的な回帰不連続分析により、費用分担とナロキソン処方箋の放棄(ナロキソン処方の非調剤)の関連を評価した。 2020~21年のIQVIA Formulary Impact Analyzer(米国の薬局の処方箋の63%を占める薬局取引データベース)のデータを用い、2021年1月1日より前の60日間および2021年1月1日以後の59日間に発生した民間保険加入患者とメディケア患者のナロキソン点鼻薬の請求情報を解析に組み込んだ。 費用分担は、処方を完遂するために患者が支払った金額と定義。局所線形回帰モデルを用いて、2021年1月1日の費用分担の急な変更と処方箋の放棄の可能性を評価した。また、ファジー回帰不連続分析を行い、費用分担と処方箋放棄との関連を推定した。費用負担の増加は処方箋放棄の確率上昇と関連 解析には、民間保険加入患者7万1,306例(女性4万19例[56.1%])およびメディケア患者10万1,706例(女性6万1,410例[60.4%])のナロキソン請求データ(民間保険加入患者7万3,311件、メディケア患者10万6,076件)が含まれた。 2021年1月1日に、請求1件当たりの平均費用負担は、民間保険加入患者では15.0ドル(95%信頼区間[CI]:13.8~16.2)増加し、メディケア患者では12.3ドル(10.9~13.6ドル)増加した。放棄の確率はそれぞれ4.7ポイント(95%CI:3.2~6.2)、2.8ポイント(1.6~4.1)上昇した。 ファジー回帰不連続分析の結果では、民間保険とメディケアのプランがナロキソンの費用負担を10ドル引き上げる決定が、放棄の確率をそれぞれ3.1ポイント(95%CI:2.2~4.1)、2.3ポイント(1.4~3.2)上昇させることが示唆された。

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コロナ罹患後症状の累積発生率、変異株で異なるか/NEJM

 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染後に生じる罹患後症状(postacute sequelae of SARS-CoV-2 infection:PASC)は多くの臓器システムに影響を及ぼす可能性がある。米国・退役軍人省セントルイス・ヘルスケアシステムのYan Xie氏らは、パンデミックの間にPASCのリスクと負担が変化したかを調べた。感染後1年間のPASC累積発生率はパンデミックの経過に伴って低下したが、PASCのリスクはオミクロン株が優勢になった時期のワクチン接種者においても依然として持続していることが示された。NEJM誌オンライン版2024年7月17日号掲載の報告。各株優勢期別に、SARS-CoV-2感染後1年間のPASC累積発生率を推定 研究グループは、退役軍人省の健康記録を用いて、COVID-19パンデミックのプレデルタ株優勢期、デルタ株優勢期、オミクロン株優勢期におけるSARS-CoV-2感染後1年間のPASC累積発生率を推定した。 試験集団は、2020年3月1日~2022年1月31日にSARS-CoV-2に感染した退役軍人44万1,583例と、同時期の非感染対照474万8,504例で構成された。ワクチン接種者のオミクロン株優勢期とデルタ株優勢期の差は-1.83件/100人 ワクチン非接種のSARS-CoV-2感染者において、感染後1年間のPASC累積発生率は、プレデルタ株優勢期では10.42件/100人(95%信頼区間[CI]:10.22~10.64)、デルタ株優勢期では9.51件/100人(9.26~9.75)、オミクロン株優勢期では7.76件/100人(7.57~7.98)であった。オミクロン株優勢期とプレデルタ株優勢期の差は-2.66件/100人(-2.93~-2.36)、オミクロン株優勢期とデルタ株優勢期の差は-1.75件/100人(-2.08~-1.42)であった。 ワクチン接種者では、1年時点のPASC累積発生率は、デルタ株優勢期では5.34件/100人(95%CI:5.10~5.58)、オミクロン株優勢期では3.50件/100人(3.31~3.71)で、オミクロン株優勢期とデルタ株優勢期の差は-1.83件/100人(-2.14~-1.52)であった。 1年時点のPASC累積発生率は、ワクチン接種者が非ワクチン接種者よりも低く、デルタ株優勢期では-4.18件/100人(95%CI:-4.47~-3.88)、オミクロン株優勢期では-4.26件/100人(-4.49~-4.05)であった。 分解分析の結果、オミクロン株優勢期ではプレデルタ株優勢期とデルタ株優勢期を合わせた時期よりも、1年時点の100人当たりのPASCイベント数が5.23件(95%CI:4.97~5.47)少ないことが示された。減少分の28.11%(95%CI:25.57~30.50)は、優勢期に関連した影響(ウイルスの変化やその他の時間的影響)によるものであり、71.89%(69.50~74.43)はワクチンによるものであった。

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体重増加のリスクは抗うつ薬の種類により異なる

 体重増加は抗うつ薬の一般的な副作用であるが、特定の抗うつ薬は他の抗うつ薬よりも体重を増加させやすいことが、新たな研究で明らかになった。この研究では、例えば、ノルアドレナリン・ドパミン再取り込み阻害薬(NDRI)のブプロピオン使用者は、最も一般的な抗うつ薬である選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)のセルトラリン使用者よりも体重増加のリスクが15%低いことが示されたという。米ハーバード・ピルグリム・ヘルスケア研究所のJason Block氏らによるこの研究の詳細は、「Annals of Internal Medicine」に7月2日掲載された。 本研究の背景情報によると、抗うつ薬は米国の成人に最もよく処方されている薬剤の一つで、約14%が抗うつ薬を使用しているという。抗うつ薬の使用により頻発する副作用は体重増加である。体重増加は、使用患者の代謝面の健康に長期にわたる影響を及ぼすのみならず、処方された抗うつ薬の使用中止の原因となり、それが不良な臨床アウトカムにもつながり得る。 今回の研究対象者は、米国の8件のヘルスシステムの電子健康記録(対象期間2010〜2019年)から抽出した、抗うつ薬による治療を開始した18歳から80歳までの患者18万3,118人である。抗うつ薬は、SSRIのセルトラリン、シタロプラム、エスシタロプラム、フルオキセチン、パロキセチン、NDRIのブプロピオン、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)のデュロキセチン、ベンラファキシンの8種類が対象とされた。抗うつ薬の使用開始から6カ月後の体重の変化が、セルトラリンとの比較で検討された。 その結果、エスシタロプラム、パロキセチン、デュロキセチン、ベンラファキシン、シタロプラム使用者ではセルトラリン使用者に比べて体重が有意に増加しており、セルトラリン使用者との平均差は同順で、0.41kg、0.37kg、0.34kg、0.17kg、0.12kgであった。フルオキセチン使用者とセルトラリン使用者の間に体重増加について有意差は認められず(平均差−0.07kg)、ブプロピオン使用者ではセルトラリン使用者に比べて体重が有意に減少していた(平均差−0.22kg)。また、ベースラインから5%以上の体重増加のリスクは、セルトラリン使用者に比べてエスシタロプラム、パロキセチン、デュロキセチンの使用者では10〜15%上昇していたのに対し、ブプロピオン使用者では15%低下していた。 Block氏は、「われわれの研究では、ブプロピオンのような一部の抗うつ薬は、他の抗うつ薬に比べて体重を増加させにくいことが明らかになった」と述べている。 さらにBlock氏は、「患者やその臨床医が特定の抗うつ薬を選択する理由はいくつかあるが、体重増加はしばしば患者が服薬を中止する原因となる重要な副作用だ。よって、患者と臨床医は、自分のニーズに最も合う抗うつ薬を選択する理由の一つとして、体重増加を考慮してもよいのではないか」と研究所のニュースリリースで述べている。

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寄り道編(5)NOACがDOACに変わった理由【臨床力に差がつく 医薬トリビア】第54回

※当コーナーは、宮川泰宏先生の著書「臨床力に差がつく 薬学トリビア」の内容を株式会社じほうより許諾をいただき、一部抜粋・改変して掲載しております。今回は、月刊薬事62巻5号「臨床ですぐに使える薬学トリビア」の内容と併せて一部抜粋・改変し、紹介します。寄り道編(5)NOACがDOACに変わった理由QuestionNOAC(Novel Oral Anti Coagulant)からDOAC(Direct Oral Anti Coagulant)によび方が変わった理由は?

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“記憶のための薬”で治療してほしい【こんなときどうする?高齢者診療】第3回

老年医学の型「5つのM」で診察をするときに、「認知機能」は1つ目のMとして重要な項目です。皆さんもこんなケースに出合っていませんか?80歳男性。他院で軽度認知機能障害(MCI)と診断されている。2年前に受けた画像検査で「全体的な脳萎縮と脳室周囲白質に中等度の高信号」が認められている。日常生活動作(IADL)のうち、とくに金銭や自分の内服薬をマネジメントすることがより困難になり、妻とともにサービス付き高齢者住宅への転居を検討中。持病は高血圧、高脂血症。“記憶のための薬”で治療できるか知りたいと来院。認知機能に関して、治療薬に期待する患者や家族は少なくありません。患者の疑問に答える前に、軽度認知機能障害と認知症の違いを押さえておきましょう。軽度認知障害:約10%が認知症に移行軽度認知機能障害(Mild Cognitive Impairment)は、以前と比べて認知機能の低下がある状態を指します。具体的には、本人・家族から認知機能低下の訴えがあるものの、日常生活機能はほぼ正常で、ADLは自立しており、認知症ではないものとされています。1)MCIの段階から認知機能の維持や回復が見込める場合もありますが、1年の間にMCI患者の約10%、10人に1人は認知機能障害が進行し、認知症に移行する2)ことは疫学的に重要な視点です。認知症:進行性かつ不可逆。いずれ死に至る病認知症の診断基準はDSM-5に譲り3)、認知症患者を診るときに役立つ3つの特徴を押さえておきましょう。まず、認知症は物忘れとイコールではありません。記憶障害のみならず、注意、言語、時間や空間の認知、他人の感情を察知する能力など多岐にわたる認知機能に障害が出現します。2つ目に、認知症は進行性です。“子どもの成長の逆回し”と捉えるとわかりやすいでしょう。子どもは成長とともに日常生活の中で1人でできることが増えていきますが、認知症ではできないことが増えていきます。誰かのためにしていた仕事や家事、次に金銭や薬の管理といった日々の活動、続いて入浴や衣服の着脱など自分の身の回りのことと、サポートが必要となることが増えていき、最終的には食事を口に運ぶことや、嚥下や排泄などの生きるために最低限必要なことが、1人でできなくなっていくプロセスです。3つ目に、認知症は不可逆でいずれ死に至る病です。現在のところ薬剤や非薬剤的な介入で認知機能障害の進行を緩徐にすることはできても、根本的に認知症を治すことはできません。薬の効果は限定的。ではどうするか?薬を使うかどうかに関わらず、老年医学の型「5つのM」を用いて、現状を俯瞰してみましょう。Matters Most(本人が困っていること、大切にしていること、心配なことなど)に注目し、詳しく話を聞いてみることがよいきっかけになります。薬への期待以上によい介入をするためには、患者が何に困っているか、何が心配なのかなどの解像度を上げることが重要です。そのヒントは、認知症は「認知機能が働きにくくなったために生活上の問題が生じ、暮らしにくくなっている状態」4)と捉えることです。この表現の引用元である「認知症世界の歩き方」は医学書ではありませんが、認知症患者がどのような生活をしているか具体的にわかりやすく描かれています。私自身も読んでみて、患者の生活をより想像しやすくなり、診療・ケアがしやすくなるヒントがたくさんちりばめられていた、おすすめの一冊です。認知症、MCIいずれであっても、 “暮らしにくくなっていること”に注目すると、その原因や本人と家族が困っていることを想像しやすくなります。ここをスタート地点に介入やサポートの方法を探ると、薬剤投与以外にできることが見えやすくなります。このようなケースでも5つのMを活用してみてください!おすすめ図書認知症世界の歩き方 筧裕介 ライツ社.2021参考1)厚生労働省.生活習慣病予防のための健康情報サイトe-ヘルスネット.2)M Bruscoli, et al. Int Psychogeriatr. 2004 Jun;16(2):129-140.3)American Psychiatric Association. Diagnosticand statistical manual of mental disorders, Fifth Editon.DSM-5 Arlington, VA. American Psychiatric Association. 20134)筧裕介.認知症世界の歩き方.ライツ社.2021

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診療科別2024年上半期注目論文5選(糖尿病・代謝・内分泌内科編)

Post-trial monitoring of a randomised controlled trial of intensive glycaemic control in type 2 diabetes extended from 10 years to 24 years (UKPDS 91)Adler AI, et al. Lancet. 2024;404:145-155.<UKPDS 91>:早期からの血糖強化管理による糖尿病合併症低減効果は24年間持続する血糖の早期強化管理により合併症リスクが有意に低減し、その効果が長期にわたり持続する(メタボリックメモリー)ことを実証したUKPDSのさらなる延長報告です。まさに「鉄は熱いうちに打て」です。その効果はメトホルミンでもインスリン・SU薬でも認められました。Dapagliflozin in Myocardial Infarction without Diabetes or Heart FailureJames S, et al. NEJM Evid. 2024;3:EVIDoa2300286.<DAPA-MI>:急性心筋梗塞で入院した心不全・糖尿病のない患者において、ダパグリフロジンはプラセボと比較して総死亡・心不全入院のリスク低減効果に有意差なしSGLT2阻害薬は冠動脈疾患2次予防や心不全入院リスク低減の効果を有することが実証されていますが、それぞれのハイリスク者に限定した効果であることが示唆されました。同時期に、エンパグリフロジンでも同様の結果が報告されています(Butler J, et al. N Engl J Med. 2024;390:1455-1466)。Semaglutide in Patients with Obesity-Related Heart Failure and Type 2 Diabetes.Kosiborod MN, et al. N Engl J Med. 2024;390:1394-1407.<STEP-HFpEF DM>:2型糖尿病を有する肥満関連心不全(HFpEF)患者において、セマグルチドはプラセボと比較して有意に症状スコア(KCCQ-CSS)を改善体重減少が心不全症状改善の主因だと思われますが、 GLP-1受容体作動薬による血行動態改善作用も関与したことが想定されています。本研究では心不全入院や心不全急性増悪といった臨床的アウトカムを評価できるほどの検出力はありませんでした。非糖尿病患者においても同様の結果が報告されています(Kosiborod MN, et al. N Engl J Med. 2023;389:1069-1084)。Effects of Semaglutide on Chronic Kidney Disease in Patients with Type 2 Diabetes Perkovic V, et al. N Engl J Med. 2024;391:109-121.<FLOW>:2型糖尿病を有するCKD患者において、セマグルチドはプラセボと比較して有意にCKD進展を抑制GLP-1受容体作動薬には腎保護作用があることが期待されており、その機序として体重減少の他に、抗炎症・抗酸化ストレス・抗線維化作用が想定されています。本研究はCKD進展抑制を実証した点で臨床的意義が大きいでしょう。ただし、低リスク者での効果やSGLT2阻害薬等との併用効果を実証した質の高いエビデンスはまだありません。Effect of Fenofibrate on Progression of Diabetic RetinopathyPreiss D, et al. NEJM Evid. 2024:EVIDoa2400179.<LENS>:フェノフィブラートはプラセボと比較して早期糖尿病網膜症の進展を有意に抑制フェノフィブラートが中性脂肪低下作用とは独立して網膜保護効果を有することが示されました(本研究での中性脂肪中央値は138mg/dL)。本剤は腎機能低下者では投与禁忌である点や日本では網膜症への保険適用がない点に気をつけましょう。

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第222回 厚労省ヘルスケアスタートアップPT報告書を読む(前編) 診療報酬依存のスタートアップには若干の光明?

夜間や休日の往診サービスを手掛ける医療スタートアップの事業の撤退・縮小相次ぐこんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。先週末は毎年恒例となっている夏の甲子園予選、埼玉県大会の観戦にレジデンシャルスタジアム大宮まで行って来ました。7年前の第99回大会優勝校、花咲徳栄の今年の戦いぶりを観るためです。同校は甲子園優勝以来長らく低迷していましたが、「今年は強い!」との前評判です。案の定、対戦相手の星野を5回コールドで破ったのですが、驚いたのはその後でした。2試合目、南稜対西武台戦をネット裏で観戦していた我々のすぐ前の席に、花咲徳栄の岩井 隆監督がふらっと来て座り、試合を見始めたのです。試合が終わってからまだ40分ほどしか経っていません。炎天下での試合後、シャワーも浴びずに着替えて、近々対戦するかもしれないチームの試合をスコアラー任せにせず自分でチェックするとは……。甲子園優勝監督のすごさの一端を垣間見ることができました。ちなみに岩井監督、両チームの力を見切ったのか、2回終了後には帰って行きました。さて、今回は「医療スタートアップ」について書いてみたいと思います。6月30日付の日本経済新聞に興味深い記事がありました。同記事は「夜間休日往診サービス、撤退・縮小相次ぐ 診療報酬減で」というタイトルの記事です。「コロナ禍で急増した、夜間や休日の往診サービスを手掛ける医療スタートアップの事業の撤退・縮小が相次いでいる」と伝えています。撤退の理由は、診療報酬改定の議論の中で「普段訪問診療をあまりしていないのに夜間・休日の往診だけ突出して多い医療機関がある」という指摘があったことで、2024年改定で往診の報酬が大幅減額されたためです。同記事では、ミクシィが出資するコールドクター(東京・渋谷区)とノーススター(東京・中央区)の事業撤退や、家来るドクター(愛知県北名古屋市)、ファストドクター(東京・渋谷区)の往診の利用料金(システム利用料、交通費等)見直しなどを報じており、「サービスの中核を担ってきた新興勢の事業縮小で、利用者や地域医療に影響が及ぶ可能性もある」と書いています。ヘルスケアスタートアップ等の振興・支援策検討に関するPTが最終報告書診療報酬や介護報酬に大きく依存するビジネスモデルを採るスタートアップの収益は、改定内容に影響されます。そして、極端な事業展開や“儲け過ぎ”は、突然はしごを外されることにもつながります。ただ、一方で国は「ヘルスケア分野のスタートアップを育成する」という方針を打ち出しています。いわゆる“アメとムチ”政策とも言えますが、現状、育成はあまりうまくいっていないようです。そんな中、6月27日に厚生労働省の「ヘルスケアスタートアップ等の振興・支援策検討に関するプロジェクトチーム(PT)」が最終報告書を公表しました。厚労省が2024年2月に立ち上げた同PTは、海外に比してヘルスケア分野のスタートアップ企業がなかなか出てこない日本の現状を打破すべく、その振興・支援策などについて多面的に検討してきました。同PTはこの日、最終報告書として、(1)総 論、(2)バイオ・再生、(3)医療機器・SaMD、(4)医療DX・AI、(5)介護テックの領域別に合計25の提言を盛り込んだ「ヘルスケアスタートアップの振興・支援に関するホワイトペーパー -健康・医療・介護の未来を拓く起業大国へ-」を公表。同日、PTの本荘 修二座長が武見 敬三厚生労働大臣に手渡しました。厚労省は来年度予算の概算要求に、必要経費を盛り込む考えです。ヘルスケアスタートアップ関係者からの診療報酬改定等の要望を受け付ける最終報告書に掲げられた25の提言は、下の表のような内容です。ヘルスケアのスタートアップに関わる方は、関係分野において来年度予算で措置される新規の補助金等の情報収集を進めるとよいでしょう。提言一覧なお、冒頭で紹介した診療報酬改定の影響で医療スタートアップの事業の撤退・縮小が続いていることに関連する項目としては、「提言3)ヘルスケアスタートアップ関係者からの診療報酬改定等の要望を受け付け、検討を行う新たな一元窓口を設置する」があります。報告書の「提言3」の「問題の所在」の項では、「国民皆保険制度を採用する我が国において、ヘルスケア領域を扱うスタートアップの事業の収益性を継続的に確保するためには、スタートアップの革新的な商品・サービスについて保険適用の対象となるか否かや保険点数等の診療報酬制度上の取扱いは、極めて重要な意義を有する」としつつ、「ヘルスケアスタートアップ関係者からは『保険等の要望を伝える窓口がわからない』との指摘があり、診療報酬改定等の要望があっても、要望を持っていく窓口がなく、要望の持っていき方が判然としない」「厚生労働省等の規制所管側とのつながりが弱く、孤軍奮闘になりがち」といった問題点を挙げています。その上で「提言」として、「令和6年度中を目途に、診療報酬に関する要望を受け付ける新たな窓口をMEDISO(医療系ベンチャー・トータルサポート事業)に新設し、十分にヘルスケアスタートアップや投資家等のステークホルダーの声を聞く体制をMEDISOに加えて厚生労働省においても整備する。医療施設の人員配置基準等、診療報酬改定に関連する事項についても要望を受け付ける」としています。診療報酬に依存するスタートアップには若干の光明と言えるかもしれません。非臨床の消費者向け検査サービスに関する法規制の明確化も図るなお、この25の提言の中で私がとくに気になったのは、「提言10)非臨床の消費者向け検査サービスに関する法規制の明確化を図る」です。医療には当たらない(非臨床)消費者向け(Direct to Consumer:DTC)検査サービスについて、法規制の明確化を図るというものです。この提言によって、いくつかのスタートアップは戦々恐々の事態に陥っているのではないでしょうか。(この項続く)参考ヘルスケアスタートアップの振興・支援に関するホワイトペーパー/厚生労働省

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産後うつ病リスクとビタミンDとの関連

 妊婦、産後女性、非産後女性、男性の抑うつ症状発現に対するビタミンDの影響を評価するため、米国・南イリノイ大学のVictoria Rose Barri Benters Hollinshead氏らは、血清ビタミンD濃度と抑うつ症状との関連を調査した。Nutrients誌2024年6月14日号の報告。 研究対象集団は、2007〜18年のNHANES公開データより抽出された20〜44歳の妊婦、産後女性、非産後女性(非妊婦/産後の女性)、男性。抑うつ症状、血清ビタミンD濃度、栄養摂取量、人工統計学的データなどの主観的な聴取データおよび客観的な臨床検査データを用いた。主成分分析を用いて2つの食事パターンを作成し、各サブグループのうつ病アウトカムを予測するため、ベイジアン多項モデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。・ビタミンDの対数傾斜パラメータの推定値は、すべてのコホートにおいてネガティブであり、ビタミンDが増加すると、うつ病割合の減少、非うつ病割合の増加が認められた。・妊婦コホートにおいて、ビタミンDの傾斜は最も急激であり、次いで産後女性、非産後女性、男性の順であった。・妊娠中および産後女性では、ビタミンD濃度が高いと、非産後女性および男性と比較し、うつ病リスクの減少に大きな影響が認められた。・産後女性において授乳中の女性は、授乳していない女性と比較し、ビタミンD濃度の高さとうつ病リスク減少により大きな影響が認められた。

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monarchEとPOTENTの適格性の有無と予後の関連/日本乳学会

 再発高リスクのホルモン受容体(HR)陽性HER2陰性乳がんに対する術後補助療法として、アベマシクリブおよびS-1がそれぞれmonarchE試験およびPOTENT試験の結果を基に保険適応となっている。しかしその投与対象は一部が重複しており、またPOTENT試験の適格基準はStage I~IIIBと幅広い。名古屋市立大学の磯谷 彩夏氏らはmonarchE試験およびPOTENT試験の適格/不適格症例ごとの予後を検討することを目的に、単施設の後ろ向き解析を実施。結果を第32回日本乳学会学術総会で発表した。 本研究では、1981〜2023年に名古屋市立大学病院で根治的手術を実施したStage I~IIICのHR陽性HER2陰性乳がん2,197例の診療録を後ろ向きに解析した。主要評価項目は無病生存期間(DFS)であった。S-1、CDK4/6阻害薬、PARP阻害薬のいずれかの投与歴のある患者98例が除外され、本研究に適格とされた患者2,099例のうち、両試験適格群は275例、monarchE試験(コホート1)のみ適格群は64例、POTENT試験のみ適格群は810例、両試験不適格群は950例であった。 主な結果は以下のとおり。・患者背景は、年齢(平均56.7歳)、性別(99.6%が女性)、閉経状況(49.6%が閉経後)に各群で大きなばらつきはなかった。化学療法歴はmonarchEのみ適格群(82.8%)および両試験適格群(74.5%)で高く、再発についてもmonarchEのみ適格群(65.6%)で高い傾向がみられた。・観察期間中央値28.5年における全体集団の5年DFSは88.79%、10年DFSは78.71%であった。・各群の5年DFSは、monarchEのみ適格群59.8%、両試験適格群75.0%、POTENT試験のみ適格群89.8%、両試験不適格群94.8%であり、monarchE適格患者は有意に予後不良であった(log-rank検定のp<0.0001)。・POTENTのみ適格の患者の予後は、POTENT不適格の患者と比較するとリンパ節転移の有無によらず不良であり、とくにリンパ節転移陽性の場合は晩期再発も多くみられ、S-1の上乗せはより妥当と考えられた。・POTENTのみ適格でリンパ節転移陰性の患者における予後因子を単変量解析で検討した結果、Gradeが高いほどまた腫瘍径が大きいほど予後不良であることが明らかになった。・POTENTのみ適格でリンパ節転移陰性の患者において、Gradeと腫瘍径別に予後を検討した結果、Grade2では腫瘍径2cm以上3cm未満と比較して3cm以上では有意に予後不良(p=0.001)であった一方、2cm未満と比較して2cm以上3cm未満では有意な差はみられなかった(p=0.51)。またGrade3では腫瘍径2cm未満で比較的予後良好な傾向がみられた。・そこで、POTENTのみ適格でリンパ節転移陰性の患者において、Grade2かつ腫瘍径2cm以上3cm未満およびGrade3かつ腫瘍径2cm未満の患者(予後検討群)を、その他のPOTENT適格患者と比較した結果、予後検討群で有意に予後良好であった(p=0.007)。 磯谷氏は、後ろ向き研究であること、1980年代の症例が含まれていることなどの本研究の限界を挙げたうえで、monarchE適格患者にはアベマシクリブの投与が妥当であり、POTENT試験の適格患者のうち、Grade2かつ2cm以上3cm未満およびGrade3かつ2cm未満の患者は比較的予後が良好であり、S-1の上乗せ効果は限定的である可能性が示唆されたとまとめた。一方で、予後良好患者においてもS-1の上乗せ効果を否定できないため、今後はS-1投与患者における予後調査が必要としている。

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創閉鎖の審美的アウトカム、水平マットレス縫合vs.皮内縫合

 体幹および四肢の線状創の閉鎖において、連続水平マットレス縫合(HM)と連続皮内縫合(SQ)の審美的アウトカムは、どちらが優れるのか。米国・カリフォルニア大学デービス校のZachary Kwapnoski氏らは、これらの審美的アウトカムを評価することを目的に、無作為化評価者盲検比較試験を行った。その結果、評価スコアの合計点には有意差が認められなかったが、患者および評価者はいずれもSQのほうが優れると評価したことを報告した。HMとSQは、どちらも他の縫合法よりも優れるとされているが、これまでHMとSQの直接比較は行われていなかった。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2024年6月28日号掲載の報告。 研究グループは、体幹および四肢における線状創に対する連続HMと連続SQの審美的アウトカムを比較した。本試験には患者50例を登録し、手術創の片側には、連続HMまたは連続SQを施行し、もう一方には残りの手法を適用した。主要アウトカムは、術後3ヵ月以上経過時点のThe Patient and Observer Scar Assessment Scale(POSAS)スコアであった。 主な結果は以下のとおり。・POSAS合計スコアは、HMが19.49点、SQが17.76点であり、有意差はなかった(p=0.14)。・患者の評価スコアは、HMが4.71点、SQが3.50点(p=0.02)、評価者の評価スコアは、HMが3.87点、SQが3.29点であった(p=0.03)。 著者は本試験の限界として、単施設試験であり、比較的均質な集団であったことを指摘している。

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線維筋痛症、治療用スマホアプリで症状改善/Lancet

 線維筋痛症の成人患者の管理において、スマートフォンアプリを用いて毎日の症状を追跡するアクティブコントロール群と比較して、アプリを用いたアクセプタンス・コミットメント療法(ACT)によるセルフガイド型のデジタル行動療法は、患者評価による症状の改善度が優れ、デバイス関連の安全性に関するイベントは発生しないことが、米国・Gendreau ConsultingのR. Michael Gendreau氏らが実施した「PROSPER-FM試験」で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2024年7月8日号で報告された。 PROSPER-FM試験は、米国の25の地域施設が参加した第III相無作為化対照比較試験であり、2022年2月~2023年2月に患者のスクリーニングを行った(Swing Therapeuticsの助成を受けた)。 年齢22~75歳、初発の線維筋痛症と診断された患者275例(女性257例[93%]、白人229例[83%])を登録した。スマートフォン用の治療アプリ(Stanza)を用いたデジタルACT群に140例(年齢中央値49.0歳[四分位範囲[IQR]:40.5~59.0])、症状追跡アプリと、健康関連および線維筋痛症関連の教育資料へのアクセスを提供するアクティブコントロール群に135例(同49.0歳[41.0~57.0])を割り付けた。治療割り付け情報は、統計解析の担当者を除き、マスクされなかった。 主要エンドポイントは、12週の時点における症状の変化に対する患者の全般的印象度(patient global impression of change:PGIC)の改善とし、ITT解析を行った。PGICは、患者の自己評価に基づく治療の全般的な有益性の尺度であり、7つのカテゴリ(著しく改善、かなり改善、最小限の改善、変化なし、最小限の悪化、かなり悪化、著しく悪化)から患者が選択した。「最小限の改善」以上:70.6% vs.22.2%、「かなり改善」以上:25.9% vs.4.5% 12週の時点で、PGICの「最小限の改善」以上を達成した患者の割合(主解析)は、アクティブコントロール群が22.2%(30/135例)であったのに対し、デジタルACT群は70.6%(99/140例)と有意に良好であった(群間差:48.4%、95%信頼区間[CI]:37.9~58.9、p<0.0001)。 また、同時点におけるPGICの「かなり改善」以上の患者の割合は、アクティブコントロール群の4.5%(6/135例)と比較して、デジタルACT群は25.9%(36/140例)であり、有意に優れた(群間差:21.4%、95%CI:13.0~29.8、p<0.0001)。 改訂版Fibromyalgia Impact Questionnaire(FIQ)のベースラインから12週までの総スコアの変化(最小二乗平均)は、アクティブコントロール群が-2.2点であったのに対し、デジタルACT群は-10.3点と改善度が有意に高かった(群間差:-8.0点、95%CI:-10.98~-5.10、p<0.0001)。デバイス関連の有害事象の報告はない デバイス関連の有害事象は、両群とも報告がなかった。最も頻度の高い有害事象は、感染症および寄生虫症(デジタルACT群28%、アクティブコントロール群25%)であり、次いで精神障害関連イベント(14% vs.14%)だった。 全体的な患者満足度は、デジタルACT群が80%、アクティブコントロール群は85%であり、それぞれ80%および79%が当該アプリを再度使用すると回答した。 著者は、「線維筋痛症に対するデジタルACTによる介入は、安全かつ有効な治療選択肢であり、ガイドラインで推奨される行動療法を受ける際の実質的な障壁に対処可能と考えられる」としている。

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生成AI、医師がChatGPTのほかに利用しているのは/医師1,000人アンケート

 2022年11月の対話型AI「ChatGPT」の公開を皮切りに、さまざまな生成AIサービスがリリース&アップデートされ、活用が進んでいる。論文検索や翻訳、スライド作成など、医師の仕事にも活用の可能性が広がる中、CareNet.comでは会員医師1,026人を対象に、生成AIの現在の使用状況についてアンケートを実施した(2024年6月25日実施)。「現在使用している」と回答した医師は約2割、年代による差も 生成AIの現在の使用状況について聞いた結果、「現在使用している」と回答したのは21%。「使用経験はあるが、現在は使用していない」が22%、「過去、現在ともに使用していない」が57%であった。年代別にみると、「現在使用している」と回答した割合は20代・30代では28~29%だったのに対し、40代では19.8%、50代では15.2%と年代が高くなるごとに減少した。 診療科別にみると、「現在使用している」と回答した割合は救急科(50.0%)、総合診療科(36.4%)、神経内科・血液内科・リハビリテーション科(いずれも33.3%)で高かったのに対し、腎臓内科(3.2%)、耳鼻咽喉科(7.1%)、産婦人科(11.1%)などでは低い傾向がみられた。使用していない理由で最も多かったのは「使いこなすのが難しそう/難しいと感じた」 「現在使用していない」と回答した医師に対し、その理由を聞いたところ、「使いこなすのが難しそう/難しいと感じた」が44.5%と最も多く、「習得に時間がかかりそう/かかると感じた」が28.0%、「必要性を感じない」が25.2%と続いた。 「現在使用している」と回答した医師に対し、生成AIを実際どんな作業に活用しているかについて聞いたところ、「論文検索・データベース化」が45.8%と約半数を占め、「論文要約」(44.4%)、「翻訳」(36.0%)、「文章校正」(31.3%)、「抄録・論文の文案作成」(22.9%)と続き、その他の自由記述欄では「アイデア出し」や「シフト表作成」なども挙がった。 一方で「現在使用していない」と回答した医師に生成AIをどんな作業に活用したいかについて聞いた結果、「論文検索・データベース化」(11.9%)、「論文要約」(11.6%)、「翻訳」(10.8%)、「文章校正」(7.1%)と現在使用している医師と同様の傾向がみられたが、その次に多かったのは「スライド作成」(5.9%)であった。実際使用している生成AIサービスは? 「現在使用している」と回答した医師に対し、実際使用しているサービスを聞いたところ、「ChatGPT」は87.4%とほとんどの医師が使用しており、「Microsoft Copilot」(18.2%)、「Claude」(12.1%)、「Gemini」(11.7%)、「Perplexity」(8.4%)と続いた。「LUMIERE」、「Runway」、「Midjourney」、「Stable diffusion」などの動画・画像生成系は使用者が少なかった。 「現在使用していない」と回答した医師に使用したいサービスを聞いた結果、同じく「ChatGPT」が56.0%と最も多く、「Microsoft Copilot」(6.5%)、「Gemini」(5.0%)、「Claude」(4.6%)とおおよその傾向は現在使っている医師と同様であったが、「使ってみたいサービスはとくにない」との回答も37.8%みられた。有料版は使用していないとの回答が6割、一方で月額1万円以上との回答も 「現在使用している」と回答した医師に対し有料版使用の有無を聞いたところ、64.2%が「有料版は使用していない」と回答した一方、月額3,000円未満を支払っていると回答したのは15.1%、3,000円以上5,000円未満が14.2%、5,000円以上1万円未満が4.7%、1万円以上が1.9%だった。アンケート結果の詳細は以下のページに掲載中。「生成AI、いま実際どのくらい使っていますか?」 医師1,000人に聞きました

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